JP2016106587A - セルロース複合体含有アイスクリーム組成物 - Google Patents

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【課題】吸水性食材と接触しても、当該吸水性食材への水分移行が少ないアイスクリーム組成物を提供すること及び/又は当該アイスクリーム組成物をミックス液として保存する際の乳化安定性を付与すること。【解決手段】結晶セルロースと親水性ガムから成るセルロース複合体を含むアイスクリーム組成物であって、該セルロース複合体は、(B)該セルロース複合体を1質量%含む水分散体を68℃で30分間加熱した後に25℃に戻した際の粘度と、(A)該水分散体を前記(B)の条件で加熱しないで25℃で測定した際の粘度との比である(B)/(A)が1.0以下であることを特徴とするアイスクリーム組成物。【選択図】なし

Description

本発明はアイスクリーム組成物に関する。特に、セルロース複合体を含むアイスクリーム組成物に関する。
レジャー施設等でアイスクリームを販売する場合、アイスクリームはウエハース等で作られたアイスクリームコーンに入れて販売されることが多い。このアイスクリームコーンによってアイスクリームを手でそのまま握ることができ、ボウルやスプーンなしでも食べることができるといったメリットがある。しかし、ウエハース自体の吸水性が非常に高く、アイスクリームを食べている間にアイスクリーム中に含まれる水分を吸収して、アイスクリームコーンが変形してしまう問題があった。また、市販品においても、アイスクリームを最中で包んだ製品やクッキー等で挟んだ製品があり、アイスクリームコーンと同様に最中の皮やクッキー等の吸水性食材に水分が移行し、食感が悪化してしまう問題があった。このため、アイスクリームコーン等の吸水性食材への水分移行を抑制することが出来るアイスクリーム組成物が求められてきた。
これまで、セルロースを含んだアイスクリーム組成物について様々な検討がなされている。
特許文献1には、微結晶セルロースが50〜95重量%、分散剤と崩壊剤の合計量が50〜5重量%であって、分散剤/崩壊剤の重量比が9/1〜1/9であるような三者を、水分の存在下で摩砕練合した後に乾燥して作製した水分散性の複合体と、乳固形分、甘味料、乳化剤、水から実質的に成るアイスクリーム類組成物について記載されている。
特許文献2には、微結晶セルロースが50〜95重量%、分散剤と崩壊剤の合計量が50〜5重量%であって、分散剤/崩壊剤の重量比が9/1〜1/9であるような三者を、水分の存在下で摩砕練合した後に乾燥して作製した水分散性の複合体と、安定剤としてガラクトマンナンガムおよびカラギーナン、さらに乳固形分、および又は植物性脂肪、甘味剤、乳化剤、安定剤、水から実質的に成り、必要に応じてその他の添加剤を加えて成るアイスクリーム組成物について記載されている。
特許文献3には、少なくとも微結晶セルロースと、多糖類ガム質及びワキシースターチを含む安定剤と、乳固形分および又は植物性脂肪、甘味料、および乳化剤からなる液状ソフトクリームミックスについて記載されている。
特許文献4には、ゼラチンと微結晶セルロースとを含有することを特徴とする解凍状態ではムース様となるアイスクリーム類について記載されている。
特許文献5には、微結晶セルロースを含む親水性コロイド物質等の油脂代替物と超音波により水和処理した蛋白質とを含むことを特徴とする油脂を使用しない冷菓について記載されている。
特許文献6には、微細セルロース60〜80wt%と、ローカストビーンガム2〜12wt%と、キサンタンガム0.5〜8wt%と、親水性物質0〜37.5wt%を含む微細セルロース含有複合体であって、温水に分散させた時に生じる粒子の平均粒径が60μm以下であり、100μm以上の粒子が30体積%以下であって、且つコロイド分画が30%以下であることを特徴とするアイスクリーム用添加剤について記載されている。
特開昭54−55762号公報 特開昭55−34006号公報 特開平5−276875号公報 特開2012−223090号公報 特開平11−266789号公報 特開2002−345410号公報
しかしながら、後述の比較例で示すように、本発明者らが特許文献1の実施例に記載された処方のクリーム組成物を作製して、アイスクリームコーンへの水分移行を抑制する効果を検証したところ、効果は十分ではなかった。
特許文献2には、同文献に記載されているアイスクリーム組成物が、アイクリームミックスの安定性、食感、耐ヒートショック性に効果を奏した旨の実施例が記載されている。しかしながら、後述の比較例で示すように、本発明者らが特許文献2の実施例に記載された処方のアイスクリーム組成物を作製して、アイスクリームコーンへの水分移行を抑制する効果を検証したところ、効果は十分ではなかった。
特許文献3には、同文献に記載されている、微結晶セルロース(旭化成株式会社製、アビセルRC−N81)、ワキシースターチ、κ―カラギーナンを配合したソフトクリームミックスが、乳化安定性、常温時の耐ドリップ性に効果を奏した旨の実施例が記載されている。しかしながら、後述の比較例で示すように、本発明者らが特許文献3の実施例に記載された処方のアイスクリーム組成物を作製して、アイスクリームコーンへの水分移行を抑制する効果を検証したところ、効果は十分ではなかった。
特許文献4には、同文献に記載されている、ゼラチンと微結晶セルロースを含んだアイスクリーム組成物が、食感や保形性に効果を奏した旨の実施例が記載されている。しかしながら、後述の比較例で示すように、本発明者らが特許文献4の実施例に記載された処方のアイスクリーム組成物を作製して、アイスクリームコーンへの水分移行を抑制する効果を検証したところ、効果は十分ではなかった。
特許文献5には、油脂を使用しない氷菓に、結晶セルロース複合体を含む油脂代替物と超音波により水和処理した蛋白質を含ませることで、氷菓の食感を改善するという効果が奏され、その実施例には、油脂を使用した通常のアイスクリーム類と遜色のない味、食感が得られたと記載されている。しかしながら、後述の比較例で示すように、本発明者らが特許文献5の実施例に記載された処方のアイスクリーム組成物を作製して、アイスクリームコーンへの水分移行を抑制する効果を検証したところ、効果は十分ではなかった。
特許文献6には、微細セルロース60〜80wt%と、ローカストビーンガム2〜12wt%と、キサンタンガム0.5〜8wt%と、親水性物質0〜37.5wt%を含む微細セルロース含有複合体であって、温水に分散させた時に生じる粒子の平均粒径が60μm以下、100μm以上の粒子が30体積%以下であり、かつ、コロイド分画が30%以下であることを特徴とするアイスクリーム用添加剤を含んだアイスクリーム組成物が、食感、耐ヒートショック性の改善に効果を奏した旨の実施例が記載されている。しかしながら、後述の比較例で示すように、本発明者らが特許文献6の実施例に記載された処方のアイスクリーム組成物を作製して、アイスクリームコーンへの水分移行を抑制する効果を検証したところ、効果は十分ではなかった。
本発明では、アイスクリームコーン、最中の皮、クッキーに代表される吸水性食材と接触しても、当該吸水性食材への水分移行が少ないアイスクリーム組成物を提供することを課題とする。また、当該アイスクリーム組成物をミックス液として保存する際の乳化安定性を付与することも興味深い課題の1つである。
理論に拘束されるわけではないが、上記課題の解決に当たって、本発明者らは、アイスクリーム組成物からアイスクリームコーンへの水分移行のメカニズムを以下のように考えた。
すなわち、乳化されたアイスクリーム組成物を殺菌する際、その高い熱負荷により、アイスクリーム組成物中に含まれる結晶セルロース複合体は、自身の持つ疎水基同士で結合し(疎水結合)増粘する。結晶セルロース複合体が疎水結合をする際、油脂類を抱き込むことで、油脂類が凝集してしまい、アイスクリーム組成物の乳化は不十分となる。この十分な乳化安定性を付与されなかったミックス液からアイスクリーム類を作製することで、アイスクリーム組成物表面に水分が局在化し、その水分が吸水性の高いアイスクリームコーン等の食材に吸い上げられることによって、アイスクリーム組成物からアイスクリームコーン等の吸水性食材への水分移行が生じるのではないかと推論した。
そのような推論の下で、本発明者らは、鋭意検討した結果、アイスクリーム組成物に対して、セルロース複合体を1質量%含む水分散体の殺菌処理前後における粘度変化(該水分散体を68℃×30分殺菌した後に、常温(25℃)に戻した際の粘度/該水分散体の殺菌前の粘度(25℃))が1.0以下であることを特徴とするセルロース複合体を配合することにより、上記の問題を解決しうることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は下記の通りである。
(1)結晶セルロースと親水性ガムから成るセルロース複合体を含むアイスクリーム組成物であって、該セルロース複合体は、
(B)該セルロース複合体を1質量%含む水分散体を68℃で30分間加熱した後に25℃に戻した際の粘度と、
(A)該水分散体を前記(B)の条件で加熱しないで25℃で測定した際の粘度
との比である(B)/(A)が、1.0以下であることを特徴とするアイスクリーム組成物。
(2)結晶セルロースと親水性ガムから成るセルロース複合体を含むアイスクリーム組成物であって、該セルロース複合体を1質量%含む水分散体の25℃における損失正接(Tanδ)が0.6以下であることを特徴とするアイスクリーム組成物。
(3)前記親水性ガムがカルボキシメチルセルロースナトリウムである、上記(1)又は(2)に記載のアイスクリーム組成物。
(4)アイスクリーム組成物がソフトクリームミックスである、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のアイスクリーム組成物。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載のアイスクリーム組成物と吸水性食材から成る冷菓。
本発明により、アイスクリームコーン等の吸水性食材への水分移行を抑制し得るアイスクリーム組成物が提供される。また、本発明の好ましいアイスクリーム組成物は、それをミックス液として保存する際に高い乳化安定性を付与し得る。
本発明について、具体的に説明する。
<結晶セルロース>
本発明において、「結晶セルロース」とは、天然セルロース系物質を酸で部分的に解重合して精製したものをいう。天然セルロース系物質としては、木材、竹、麦藁、稲藁、コットン、ラミー、バガス、ケナフ、ビートなどの植物から得られるセルロース、ホヤから得られるセルロース、酢酸菌などのバクテリアから得られるセルロース等が挙げられる。原料として、これらのうち1種の天然セルロース系物質を使用してもよいし、2種以上を混合したものを使用することも可能である。
<結晶セルロースの平均重合度>
本発明に用いる結晶セルロースは、平均重合度が500以下であることが好ましい。平均重合度は、「第14改正日本薬局方」(廣川書店発行)の結晶セルロース確認試験(3)に規定される銅エチレンジアミン溶液による還元比粘度法により測定できる。平均重合度が500以下ならば、親水性ガムとの複合化の工程において、セルロース系物質が攪拌、粉砕、摩砕等の物理処理を受けやすくなり、複合化が促進されやすくなるため好ましい。より好ましくは、平均重合度は300以下、さらに好ましくは、平均重合度は250以下である。平均重合度は、小さいほど複合化の制御が容易になるため、下限は特に制限されないが、好ましい範囲としては10以上である。
<結晶セルロースの製造方法>
平均重合度を制御した結晶セルロースを製造する方法としては、天然セルロース系物質の加水分解処理が挙げられる。加水分解処理によって、天然セルロース系物質内部の非晶質セルロースの解重合が進み、平均重合度が小さくなる。また同時に、加水分解処理により、上述の非晶質セルロースに加え、ヘミセルロースやリグニン等の不純物も取り除かれるため、該天然セルロース系物質内部が多孔質化した結晶セルロースが得られる。加水分解処理により、混練工程等で結晶セルロースと親水性ガムに機械的せん断力を与える工程において、結晶セルロースが機械処理を受けやすくなり、結晶セルロースが微細化されやすくなる。その結果、結晶セルロースの表面積が高くなり、親水性ガムとの複合化の制御が容易になる。
加水分解の方法は特に制限されないが、酸加水分解、熱水分解、スチームエクスプロージョン、マイクロ波分解等が挙げられる。これらの方法は、単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
酸加水分解の方法では、天然セルロース系物質を水系媒体に分散させた状態で、プロトン酸、カルボン酸、ルイス酸、ヘテロポリ酸等を適量加え、攪拌しながら加温することにより、容易に平均重合度を制御できる。この際の温度、圧力、時間等の反応条件は、セルロース種、セルロース濃度、酸種、酸濃度により異なるが、目的とする平均重合度が達成されるよう適宜調整されるものである。例えば、2質量%以下の鉱酸水溶液を使用し、100℃以上、加圧下で、10分以上セルロースを処理するという条件が挙げられる。鉱酸としては例えば塩酸が使用できる。この条件のとき、酸等の触媒成分がセルロース繊維内部まで浸透し、加水分解が促進され、使用する触媒成分量が少なくなり、その後の精製も容易になる。
<結晶セルロースの粒子形状(L/D)>
セルロース複合体中の結晶セルロースは、微細な粒子状の形状であることが好ましい。結晶セルロースの粒子形状は、セルロース複合体を1質量%濃度で純水懸濁液とし、高剪断ホモジナイザー(日本精機(株)製、商品名「エクセルオートホモジナイザーED−7」処理条件:回転数15,000rpm×5分間)で分散させた水分散体を、0.1〜0.5質量%に純水で希釈し、マイカ上にキャストし、風乾させたものを高分解能走査型顕微鏡(SEM)、又は原子間力顕微鏡(AFM)で計測した際に得られる粒子像の長径(L)と短径(D)とした場合の比(L/D)で表され、100個〜150個の粒子の平均値として算出される。
L/Dは、乳化安定性の点で20未満が好ましく、15以下がより好ましく、10以下が最も好ましい。L/Dの下限はその定義より1である。
<親水性ガム>
結晶セルロースと複合化する親水性ガムとは、化学構造の一部に糖又は多糖を含む親水性高分子物質のことである。ここで親水性とは、常温の純水に一部が溶解する特性を有することである。定量的に親水性を定義すると、化学物質0.05gを、50mLの純水に攪拌下(スターラーチップ等)で平衡まで溶解させ、目開き1μmのメンブレンフィルターで処理した際に、通過する成分が、該化学物質中に1質量%以上含まれることである。親水性ガムとして多糖類を用いる場合には、以下のものが好適である。
例えば、サイリウムシードガム、ローカストビーンガム、グアーガム、タマリンドシードガム、カラヤガム、キトサン、アラビアガム、ガッティガム、トラガントガム、寒天、カラギーナン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カルシウム、HMペクチン、LMペクチン、アゾトバクター・ビネランジーガム、キサンタンガム、カードラン、プルラン、デキストラン、ジェランガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC−Na)、カルボキシメチルセルロースカルシウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体が挙げられる。これらの親水性ガムは2種以上を組み合わせてもよい。
上述の親水性ガムの中でも、キサンタンガム、カラヤガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ジェランガムが結晶セルロースと複合化しやすく、得られたセルロース複合体の乳化安定性が優れる点で好ましく、その中でもカルボキシメチルセルロースナトリウム、キサンタンガムが特に好ましい。
<カルボキシメチルセルロースナトリウム>
上述の親水性ガムの中でも、カルボキシメチルセルロースナトリウム(以下CMC−Na)が、特にセルロースと複合化しやすいため好ましい。ここでいうCMC−Naとは、セルロースの水酸基の水素原子の一部または全部が−CHCOO基(カルボキシメチル基)に置換されたアニオンポリマーとNaカチオンからなるもので、D−グルコースがβー1,4結合した直鎖状の化学構造を持つものである。CMC−Naは、例えばパルプ(セルロース)を水酸化ナトリウム溶液で溶かし、モノクロロ酢酸(或いはそのナトリウム塩)でエーテル化する製法によって得られる。その粘度は特に制限されない。1種類以上のCMC−Naを用いてもよいし、2種類以上組み合わせて用いてもよい。
また、置換度が下記の特定範囲に調整されたCMC−Naを用いることが乳化安定性の観点から好ましい。特に置換度の異なるCMC−Naを組み合わせて使用することが好ましい。置換度とは、CMC−Na中の水酸基(グルコース1単位あたり3つの水酸基を有する)にカルボキシメチル基がエーテル結合した度合いのことであり、グルコース1単位当たり0.6〜2.0が好ましい。置換度が前記の範囲であれば、置換度が低いCMC−Naと、高いCMC−Naを組み合わせることが、乳化安定の観点から好ましい。
置換度は、低置換度のCMC−Naが0.6以上1.0未満であり、高置換度のCMC−Naが1.0以上2.0以下であるとする。低置換度のCMC−Naと高置換度のCMC−Naの配合比率は質量比で低置換度のCMC−Na/高置換度CMC−Na=10〜90/10〜90が好ましく、より好ましくは低置換度のCMC−Na/高置換度のCMC−Na=20〜80/20〜80であり、最も好ましくは低置換度のCMC−Na/高置換度のCMC−Na=30〜70/30〜70である。
置換度は、以下の方法で測定される。試料(無水物)0.5gを精密にはかり、ろ紙に包んで磁性ルツボ中で灰化する。冷却した後、これを500mLビーカーに移し、水約250mLと0.05M硫酸35mLを加えて30分間煮沸する。これを冷却し、フェノールフタレイン指示薬を加えて、過剰の酸を0.1M水酸化カリウムで逆滴定して、次の式で算出する。
A=((af−bf1)/試料無水物(g))−アルカリ度(又は+酸度)
置換度=(162×A)/(10000−80A)
ここで、
A:試料1g中のアルカリに消費された0.05Mの硫酸の量(mL)
a:0.05M硫酸の使用量(mL)
f:0.05M硫酸の力価
b:0.1M水酸化カリウムの滴定量(mL)
f1:0.1M水酸化カリウムの力価
162:グルコースの分子量
80:CHCOONa−Hの分子量
アルカリ度(又は酸度)の測定法:試料(無水物)1gを300mLフラスコに精密に測りとり、水約200mLを加えて溶かす。これに0.05M硫酸5mLを加え、10分間煮沸した後、冷却し、フェノールフタレイン指示薬を加え、0.1M水酸化カリウムで滴定する(SmL)。同時に空試験を行い(BmL)、次の式で算出する。
アルカリ度=((B−S)×f2)/試料無水物(g)
ここで、f2:0.1M水酸化カリウムの力価である。(B−S)×f2の値が、(−)の時には、酸度とする。
<キサンタンガム>
本発明の親水性ガムの別の好ましい例であるキサンタンガムとは、トウモロコシなどの澱粉を細菌 Xanthomonas campestrisにより発酵させて作られる親水性ガムであり、その主鎖はD−グルコースがβ−1,4結合した構造を有し、この主鎖のアンヒドログルコースにD−マンノース、D−グルクロン酸、D−マンノースからなる側鎖が結合したものである。主鎖と結合しているD−マンノースの6位はアセチル化され、側鎖末端のD−マンノースがピルビン酸とアセタール結合している枝分かれの多い構造である。粘度は特に制限されるものではなく、一般に市販されている、いずれのキサンタンガムを用いてもよい。
<セルロース複合体>
本発明におけるセルロース複合体とは、結晶セルロースの表面が水素結合等の化学結合により、親水性ガムで被覆された複合体のことである。
<セルロース複合体における結晶セルロースと親水性ガムの配合比率>
本発明に用いるセルロース複合体は、好ましくは、結晶セルロースを50〜99質量%、及び親水性ガムを1〜50質量%含む。複合化によって、親水性ガムが結晶セルロース粒子の表面を水素結合等の化学結合により被覆することで、アイスクリーム組成物中に分散した際に、ネットワークを作りやすくなり、高い乳化安定性を付与し、アイスクリームコーン等の吸水性食材への水分移行を抑制する。より好ましい配合比は、結晶セルロース/親水性ガム=60〜95質量%/5〜40質量%であり、さらに好ましくは結晶セルロース/親水性ガム=70〜90質量%/10〜30質量%であり、最も好ましくは結晶セルロース/親水性ガム=80〜90質量%/10〜20質量%である。
<分散液中のセルロース複合体の体積平均粒子径>
セルロース複合体は、分散液中では、体積平均粒子径が0.01〜200μmのセルロース複合体微粒子からなることが好ましい。セルロース複合体の体積平均粒子径は、20μm以下であることがより好ましい。ここで、該体積平均粒子径は、セルロース複合体を1質量%濃度で純水懸濁液とし、高剪断ホモジナイザー(日本精機(株)製、商品名「エクセルオートホモジナイザーED−7」処理条件:回転数15,000rpm×5分間)で分散させ、レーザー回折法(堀場製作所(株)製、商品名「LA−910」、超音波処理1分、屈折率1.20)により得られた体積頻度粒度分布における積算50%粒子径のことである。
セルロース複合体の体積平均粒子径が20μm以下であると、セルロース複合体の分散安定性、懸濁安定性がより向上する。また、セルロース複合体を含有するアイスクリーム組成物を食した際に、ザラツキのない、なめらかな舌触りのものを提供することができる。より好ましくは、体積平均粒子径は15μm以下であり、特に好ましくは10μm以下、さらに好ましくは8μm以下である。体積平均粒子径が小さいほど、セルロース複合体の分散安定性、懸濁安定性がより容易に向上するため、下限は特に制限されないが、好ましい範囲としては0.1μm以上である。
<セルロース複合体の損失正接>
本発明におけるセルロース複合体の損失正接(Tanδ)について説明する。本発明に使用するセルロース複合体は、セルロース複合体を1質量%含む水分散体の25℃における損失正接(Tanδ)が0.6以下であることが好ましい。損失正接(Tanδ)が0.6以下であることによって、油脂類の凝集を抑制し、高い乳化安定性を付与することが出来るからである。ここでいう損失正接とは、セルロース複合体の水分散体に歪みを与えた際の、水分散体の内部に蓄えられた応力を保持する弾性成分(貯蔵弾性率:G’)と粘性成分(損失弾性率:G’’)の比率のことであり、以下の式で算出される値のことである。
式:Tanδ=G’’/G’。
損失正接の測定方法としては、まず、セルロース複合体を高剪断ホモジナイザー(日本精機(株)製、商品名「エクセルオートホモジナイザーED−7」処理条件:回転数15,000rpm×5分間)を用いて純水中に分散させて1.0質量%の純水分散体を調製し、得られた水分散体を3日間室温25℃で静置する。この水分散体の応力のひずみ依存性を、粘弾性測定装置(Rheometric Scientific,Inc.製、ARES100FRTN1型、ジオメトリー:Double Wall Couette型、温度:25.0℃一定、角速度:20rad/秒、ひずみ:1→794%の範囲で掃引、水分散体は微細構造を壊さないようスポイトを使用して、ゆっくりと仕込み、5分間静置した後に、Dynamic Strainモードで測定を開始する)により測定する。本発明における貯蔵弾性率は、上述の測定で得られた歪み−応力曲線上の、歪み20%の貯蔵弾性率、損失弾性率の値から得られる。損失正接(tanδ)は、0.5以下がより好ましく、0.45以下が最も好ましい。損失正接の下限は、特に設定されるものではないが、例えば0.1以上があげられる。損失正接が0.1以上であれば、アイスクリーム組成物の食感が硬くなりすぎないためである。
<セルロース複合体の貯蔵弾性率>
次に、本発明におけるセルロース複合体の貯蔵弾性率(G’)について説明する。本発明に使用するセルロース複合体は、セルロース複合体を1質量%含む水分散体の貯蔵弾性率(G’)が0.50Pa以上であることが好ましい。貯蔵弾性率とは、水分散体のレオロジー的な弾性を表現するものであり、セルロースと親水性ガムとの複合化の程度を表すものである。貯蔵弾性率が高いほど、セルロースと親水性ガムとの複合化が促進され、セルロース複合体の水分散体におけるネットワーク構造が剛直であることを意味する。ネットワーク構造が剛直なほど、セルロース複合体の分散安定性、懸濁安定性に優れる。
貯蔵弾性率の測定方法としては、まず、セルロース複合体を、高剪断ホモジナイザー(日本精機(株)製、商品名「エクセルオートホモジナイザーED−7」処理条件:回転数15,000rpm×5分間)を用いて純水中に分散させて1.0質量%の純水分散体を調製し、得られた水分散体を3日間室温25℃で静置する。この水分散体の応力のひずみ依存性を、粘弾性測定装置(Rheometric Scientific,Inc.製、ARES100FRTN1型、ジオメトリー:Double Wall Couette型、温度:25.0℃一定、角速度:20rad/秒、ひずみ:1→794%の範囲で掃引、水分散体は微細構造を壊さないようスポイトを使用して、ゆっくりと仕込み、5分間静置した後に、Dynamic Strainモードで測定を開始する)により測定する。本発明における貯蔵弾性率は、上述の測定で得られた歪み−応力曲線上の、歪み20%の値のことである。この貯蔵弾性率の値が大きいほど、セルロース複合体が形成する水分散体の構造はより弾性的であり、結晶セルロースと親水性ガムが高度に複合化していることを表している。セルロース複合体の貯蔵弾性率は0.80Pa以上がより好ましく、1.0Pa以上がさらに好ましく、1.8Pa以上が最も好ましい。貯蔵弾性率の上限は、特に設定されるものではない。
<セルロース複合体の粘度>
次に、本発明に使用することのできるセルロース複合体の粘度について説明する。セルロース複合体を1質量%の純水溶液で測定した際の粘度が50mPa・s以上であることが好ましい。ここで、粘度とは、純水中に1質量%に調製した水溶液を200mlビーカーに充填し、25℃に温調して3時間静置した後、粘度計(東機産業(株)製、TVB−10形粘度計)を用いて、ローターを分散液に差し込んだ後、30秒間静置した後、60rpmで30秒間回転させた後の測定値を指す(但し、ローターは、粘度によって適宜変更できる。使用するローターは以下の通りである。1〜20mPa・s:BL型、21〜100mPa・s:No1、101〜300mPa・s:No2、301mPa・s:No3。以下の粘度の測定法でも同じである。)。より好ましくは100mPa・s以上であり、さらに好ましくは200mPa・s以上であり、最も好ましくは250mPa・s以上である。その上限値は、特に設定されるものではないが、500mPa・s以下である。
<粘度変化>
本発明における粘度変化について説明する。セルロース複合体を高剪断ホモジナイザー(日本精機(株)製、商品名「エクセルオートホモジナイザーED−7」処理条件:回転数15,000rpm×5分間)を用いて純水中に分散させ、1.0質量%の純水分散体を調製し、2つのガラス製ビーカーに分注する。得られた水分散体の一方を室温25℃で3時間静置する。静置後、粘度計(東機産業(株)製、TVB−10形粘度計)を用いて、ローターを分散液に差し込んだ後、30秒間静置した後、60rpmで30秒間回転させた後の測定値を粘度値(A)とする。もう一方の水分散体を68℃に恒温したオイルバス(ADVANTEC製、OC−271)中に静置し、68℃に達温後、さらに30分間静置する。静置後、25℃に調温した後、25℃で3時間静置する。静置後、粘度計(東機産業(株)製、TVB−10形粘度計)を用いて、ローターを分散液に差し込んだ後、30秒間静置した後、60rpmで30秒間回転させた後の測定値を粘度値(B)とする。本発明における、粘度変化とは「粘度値(B)/粘度値(A)」で求められる数値のことであり、1.0以下である必要がある。粘度変化が1.0以下であることにより、アイスクリーム組成物(ミックス)の殺菌処理による増粘がなく、セルロース複合体を含んだアイスクリームミックス中の油脂成分や乳成分が凝集し、最終的に油分の分離が生じてしまうことを防ぐことができる。粘度変化の値の好ましい範囲は0.5〜1.0であり、より好ましくは0.7〜1.0であり、さらに好ましくは0.8〜1.0であり、最も好ましくは0.9〜1.0である。
粘度変化を満たすことにより、殺菌時に高い熱負荷を受けたアイスクリーム組成物中における、結晶セルロース複合体の油脂類の凝集を抑制し、高い乳化安定性を付与することが出来る。
セルロース複合体で、上記した粘度変化を満たし、一般的に入手可能なものとしては、例えば、MCG−811F(製品名、JRS製)が挙げられる。
また、セルロース複合体は、混練工程においてセルロースと水溶性ガムに機械的せん断力をあたえ、セルロースを微細化させるとともに、セルロース表面に親水性ガムを複合化させることによって得られるが、上記の粘度変化を満たしたセルロース複合体を作製する方法としては、親水性ガムに置換度が低いCMC−Naと、高いCMC−Naを組み合わせる方法があげられる。置換度は低置換度のCMC−Naが0.6以上1.0未満であり、高置換度のCMC−Naが1.0以上2.0以下である。低置換度のCMC−Naと高置換度のCMC−Naの配合比率は低置換度CMC−Na/高置換度CMC−Na=10〜90/10〜90が好ましく、より好ましくは低置換度CMC−Na/高置換度CMC−Na=20〜80/20〜80であり、最も好ましくは低置換度CMC−Na/高置換度CMC−Na=30〜70/30〜70である。また、混練する順序として、まずセルロースと低置換度のCMC−Naを混練してから、続いて高置換度のCMC−Naを投入して混練してセルロース複合体を得る作製方法が好ましい。
<親水性物質>
セルロース複合体に、水への分散性を高める目的で、親水性ガム以外に、さらに親水性物質を加えてもよい。親水性物質とは、冷水への溶解性が高く粘性を殆どもたらさない有機物質であり、澱粉加水分解物、デキストリン類、難消化性デキストリン、ポリデキストロース等の親水性多糖類、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、乳糖、マルトース、ショ糖、α−、β−、γ−シクロデキストリン等のオリゴ糖類、ブドウ糖、果糖、ソルボース等の単糖類、マルチトール、ソルビット、エリスリトール等の糖アルコール類等が適している。これらの親水性物質は、2種類以上組み合わせてもよい。上述の中でも、澱粉加水分解物、デキストリン類、難消化性デキストリン、ポリデキストロース等の親水性多糖類が分散性の点で好ましい。セルロース複合体中の、親水性物質の配合比率は60質量%以下が好ましい。より好ましくは50質量%以下であり、さらに好ましくは40質量%以下であり、特に好ましくは30質量%以下であり、最も好ましくは20質量%以下である。
上述の「溶解性が高く粘性をほとんどもたらさない」とは、1質量%の純水溶液において、100mPa・s以下であることが好ましい。ここでいう粘度は、以下の方法で測定される。高剪断ホモジナイザー(日本精機(株)製、商品名「エクセルオートホモジナイザーED−7」処理条件:回転数15,000rpm×5分間)を用いて、純水中に分散し、1質量%の試料の水溶液を調製する。次に得られた水溶液について、分散3時間後(25℃保存)に、B型粘度計(東機産業(株)製、TVB−10形粘度計など。ローター回転数60rpm)にセットして60秒静置後に、30秒間回転させて測定する。上記粘度は、80mPa・s以下がより好ましく、50mPa・s以下がさらに好ましい。
<その他の成分>
pH調整剤、防腐剤、油脂類、アミノ酸類、塩類、各種リン酸塩類、乳化剤、酸味料、香料、保存料、色素などのその他の成分の配合については、セルロース複合体の水中での分散及び安定性を阻害しない程度に配合することは自由である。
<アイスクリーム組成物>
本発明におけるアイスクリーム組成物とは、食品衛生法にもとづく「乳及び乳製品の成分規格に関する省令」と「食品、添加物等の規格基準」の2つによって定められる、アイスクリーム(乳固形分15.0wt%以上、乳脂肪分8.0wt%以上)、アイスミルク(乳固形分10.0wt%以上、乳脂肪分3.0wt%以上)、ラクトアイス(乳固形分3.0wt%以上)、氷菓(乳固形分3.0wt%以下)のことであり、典型的には乳製品に水、油脂類、甘味料、乳化剤、着色料、香料、安定剤等を加えて攪拌凍結させた食品のことである。また、撹拌凍結する前のミックス液状態のものも含むものとする。
<乳製品>
乳製品とは、動物の乳、とくに牛乳を加工してつくられる製品の総称のことである。乳製品は大きく分けて、乳脂肪源となるもの、無脂乳固形分と呼ばれる脂肪以外の乳固形分源となるもの、両方を含むものに分類される。乳脂肪源となるものとしては、例えば生クリームやバター等が挙げられる。乳固形分源となるものとしては、脱脂粉乳や脱脂練乳等が挙げられる。両方を含むものとしては乳や濃縮乳、全脂粉乳や全脂練乳等が挙げられる。乳脂肪分と無脂乳固形分の量比はそれぞれ出来上がったアイスクリームの性質に大きな影響を及ぼす。乳脂肪分が多いと舌触りが滑らかになるが、多すぎると空気を含みにくくなるので硬くなる。無脂乳固形分は乳タンパク質や乳糖、ミネラル等から成る。味にコクを与え、空気を含みやすくするが、多すぎると乳糖が結晶化してザラザラした食感になる。
<油脂類>
アイスクリーム組成物の脂肪分を補う目的で使用される。主に、植物性油脂が使用される。植物性油脂は乳脂肪分と同じように室温付近で固体となり、体温程度の温度では液体となる性質の油脂が使用され、主にヤシ硬化油やパーム油、綿実油などが用いられる。上記以外の油脂類以外でも、例えばサラダ油、白絞油、コーン油、大豆油、ごま油、菜種油(キャノーラ油)、こめ油、糠油、椿油、サフラワー油 (ベニバナ油)、ヤシ油(パーム核油)、綿実油、ひまわり油、エゴマ油(荏油)、アマニ油、オリーブオイル、ピーナッツオイル、アーモンドオイル、アボカドオイル、ヘーゼルナッツオイル、ウォルナッツオイル、グレープシードオイル、マスタードオイル、レタス油、魚油 、カカオバター、ピーナッツバター、パーム油、ラード(豚脂)、ヘット(牛脂)、鶏油、兎脂、羊脂、馬脂、シュマルツ、及び各油脂の硬化油等が挙げられ、これらの油脂類は2種類以上組み合わせて使用しても良い。
<乳化剤>
アイスクリーム組成物に乳化安定性、または食感改良目的で使用される。使用される乳化剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、サポニン、カゼインナトリウムなどが挙げられる。これらの乳化剤は2種類以上組み合わせて使用しても良い。
<甘味料>
アイスクリーム組成物に甘みをつけるために使用される。天然甘味料、人工甘味料またはその両方を用いる場合がある。天然甘味料としては、例えばブドウ糖、果糖、麦芽糖、ショ糖、オリゴ糖、和三盆、黒糖、三温糖、蜂蜜、メープルシロップ、アガベシロップ、パームシュガー、モラセス(糖蜜)、水飴、ブドウ糖果糖液糖、エリスリトール、トレハロース、マルチトール、パラチノース、キシリトール、ソルビトール、甘草、ステビア、羅漢果、ソーマチン 、グリセリン、クルクリン 、モネリン 、モナチン等が挙げられる。人工甘味料としては、例えばアスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、サッカリン(サッカリンナトリウム)、ズルチン、チクロ、ネオテーム等が挙げられる。これらの甘味料は2種類以上組み合わせて使用しても良い。
<着色料>
アイスクリーム組成物に色を付与するために使用される。本発明においては、食品衛生法において食用色素として認可されている着色料(カラメル色素、クチナシ色素、アントシアニン色素、アナトー色素、パプリカ色素、紅花色素、紅麹色素、フラボノイド色素、コチニール色素、アマランス(赤色2号)、エリスロシン(赤色3号)、アルラレッドAC(赤色40号)、ニューコクシン(赤色102号)、フロキシン(赤色104号)、ローズベンガル(赤色105号)、アシッドレッド(赤色106号)、タートラジン(黄色4号)、サンセットイエローFCF(黄色5号)、ファストグリーンFCF(緑色3号)、ブリリアントブルーFCF(青色1号)、インジゴカルミン(青色2号))が使用され得る。また、食品を利用して着色しても良い。これらの着色料は2種類以上組み合させて使用しても良い。
<香料>
アイスクリーム組成物に香りを付与するために使用される。本発明においては、天然香料、合成香料のいずれを使用しても良い。天然香料は厚生労働省が定める天然香料基原物質リストに収載されているものが挙げられる。合成香料は、食品添加物公定書により定められるものが挙げられる。これらの香料は2種類上組み合わせて使用しても良い。
<安定剤>
アイスクリーム組成物の氷晶結晶成長の抑制、乳化安定性の付与を目的に使用される。主に、増粘多糖類が安定剤として使用され、例えばキサンタンガム、アラビノキシラン、ジェランガム、サイリウムシードガム、ローカストビーンガム、グアガム、タラガム、タマリンドシードガム、カラヤガム、キトサン、アラビアガム、ガッティガム、グルコマンナン、トラガントガム、寒天、カラギーナン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、HMペクチン、LMペクチン、アゾトバクター・ビネランジーガム、カードラン、プルラン、デキストラン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、各種加工澱粉が好適な例として挙げられるが、これに限定されない。またこれらの安定剤は2種類以上組み合わせて使用しても良い。
<アイスクリーム組成物製造法>
本発明におけるアイスクリーム組成物は一般に公知の方法で製造される。すなわち、各原料を秤量配合し、加温・溶解・混合、均質化、殺菌、冷却(5℃以下)、熟成(エージング)、フリージング、容器充填、包装、硬化(−20〜−40℃)、という工程をとる。加温・溶解・混合工程の後にろ過工程、均質化工程の後に着色料・香料を加える工程をとる場合もある。ソフトクリームミックス等の場合は、熟成(エージング)工程終了後に液状のまま容器充填し、流通される。セルロース複合体は、加温・溶解・混合工程において、その他の粉末原料と共に投入する、あらかじめ水にセルロース複合体を分散させた分散液を投入する、または水分を含む原料と共に投入する、均質化工程において投入する、のうちいずれの方法で添加してもよい。特に加温・溶解・混合工程で投入することにより、結晶セルロースの分散が促進されるため好ましい。
<アイスクリーム組成物におけるセルロース複合体の含有量>
アイスクリーム組成物の質量を100質量%として、配合するセルロース複合体の含有量としては、0.1質量%以上が好ましい。セルロースの含有量を0.1質量%以上とすることで、アイスクリーム組成物に乳化安定効果を付与し、アイスクリームコーンや最中やクッキー等への水分移行を抑制する効果が得られる。より好ましくは0.3質量%以上であり、最も好ましくは0.5質量%以上である。上限は、アイスクリーム組成物の食感を勘案すると5.0質量%以下が好ましい。
<吸水性食材>
本発明における吸水性食材とは、上記のアイスクリーム組成物と接触した冷菓として販売される、アイスクリーム組成物とは別の食材のことであり、当該冷菓の製造、保存、流通、販売、喫食のいずれか又は全ての段階で、アイスクリーム組成物から水分を吸収し得る食材を意味する。例えば、アイスクリームコーン、最中の皮、クッキーのような焼成菓子類が挙げられるが、これに限定されない。したがって、本発明の冷菓は、このような吸水性食材と本発明のアイスクリーム組成物を組合せて製造、保存、流通、販売及び喫食される食品である。例えば、本発明のアイスクリーム組成物を、販売の直前にアイスクリームコーンに投入して販売されるソフトクリームや、本発明のアイスクリーム組成物を最中の皮に収容した形態で製造される最中様冷菓、本発明のアイスクリーム組成物をクッキー等に挟んで製造される冷菓は、本発明の冷菓の好適な態様である。
本発明を下記の実施例により説明する。ただし、これらは本発明の範囲を制限するものではない。
物性評価にはソフトクリームを用いた。ソフトクリームの作製方法、各種物性の評価方法を説明する。
<ソフトクリームの作製方法>
1)脱脂粉乳、グラニュー糖、乳化剤、セルロース複合体をポリ袋に投入し粉混合した。
2)容器に70℃に加熱した水と1)で粉混合した混合粉体を投入し、高速攪拌機(TOKUSHU KIKA KOGYO製 商品名:TKホモミキサーMARKII)を用いて攪拌して、ミックス液とした。(8000rpm×5分)。
3)2)を高圧ホモジナイザー(APV(株)圧力式ホモジナイザー)を用いて均質化した(1段目を10MPaとし、2段目を5MPaとした。)。
4)3)を金属製の容器に入れ、殺菌(68℃に恒温したオイルバス中に静置し、ソフトクリームミックスの温度が68℃に達した後30分間静置)した。
5)4)を容器ごと氷水中に静置し5℃まで冷却した。
6)5)を容器ごと5℃に設定した冷蔵庫中に24時間静置し、熟成した。
7)6)を容器ごと塩を添加した氷水中に入れて冷却し、プロペラ式攪拌機(新東科学(株)製、スリーワンモーターBL600)を用いて300rpm×10分間撹拌してソフトクリームとした。
<乳化安定性>
上記方法の6)終了後の状態(流動性が高い状態)のソフトクリームミックスを、ガラス製の容器に200ml投入し、60℃に恒温した恒温槽中に14日間静置した。静置後のミックス液の乳化状態を以下の基準で評価した。
乳化層がミックス液全体の高さの95%以上:○
乳化層がミックス液全体の高さの95%以下:×
<水分移行防止性>
あらかじめ24時間デシケーター内に静置し水分量を揃え、重量を測定した市販の最中の皮((有)丸井商店、製品名:アイス最中皮(大)、直径67mm)を用意した。該最中の皮の内部に、上記方法で作製したソフトクリームを20g入れ、0℃に設定した冷凍庫中に24時間静置した。静置後、最中の皮の内部のソフトクリームをスパチュラで取り出し、最中の皮の重量を測定し、「水分移行防止性=ソフトクリームを取り出した後の最中の皮の重量/ソフトクリームを入れる前の最中の皮の重量」に従って水分移行防止性を評価した。なお、上記計算値の値が1.0に近いほど水分移行防止性は高い。
(実施例1)
上述のソフトクリームの作製方法において、全量仕込み量3000gに対して、無塩バターを5質量%、グラニュー糖を15質量%、脱脂粉乳を10質量%、ヤシ油を3質量%、乳化剤(花王(株)製、「エキセルS−95」、HLB:3.8)を0.15質量%、セルロース複合体としてMCG−811F(JRS製)を0.3質量%、残りを水として仕込みソフトクリームを試作した。MCG−811Fの組成は表1に記載した。MCG−811Fを水に1質量%分散させた時の貯蔵弾性率は2.3Paだった。また、MCG−811Fを水に1質量%分散させた時の粘度は315.0mPa・sであり、体積平均粒子径は7.7μmであり、粘度変化は1.0であり、Tanδは0.4であった。
上記の配合で作製したソフトクリームについて上述の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1のソフトクリームの作製方法において、MCG−811Fの配合量を0.5質量%にした以外は、同様にソフトクリームを作製し、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
市販DPパルプを裁断したものを、2.5mol/L塩酸中で105℃、15分間加水分解した後、水洗・濾過を行い、固形分が50質量%のウェットケーキ状のセルロース(結晶セルロースとして)を作製した(平均重合度は220、平均L/Dは1.6であった)。
次に、ウェットケーキ状の結晶セルロース(以下MCC)と、親水性ガムとして低置換度のCMC−Na(ダイセルファインケム(株)製、製品名「1140」、置換度0.6−0.8)と高置換度のCMC−Na(ダイセルファインケム(株)製、製品名「1350」、置換度1.0−1.5)を質量比で50/50になるように配合した。MCC/CMC−Naの質量比が85/15となるように投入し、固形分45質量%となるように加水し、プラネタリーミキサー((株)品川工業所製、5DM−03−R、撹拌羽根はフック型)中で混練した。
混練エネルギーは、プラネタリーミキサーの混練時間により制御され、実測値は100Wh/kgであった。混練温度の制御は、ジャケット冷却の調整で行われ、熱伝対を用いて混練物の温度が直接測定された。当該温度は、混練を通して20〜65℃であった。
次に、この混練物を手で3mm四方程度に細かくちぎり、オーブン(タバイエスペック(株)製パーフェクトオーブン PV−211)を使用して、100℃にて30分間乾燥した(ダンパー開度:100%)。乾燥後、粉砕機(Retsch(株)製 超遠心粉砕機 ZM100)にて粉体化(スクリーン径:25mm)し、セルロース複合体Aを得た。セルロース複合体Aを水に1質量%分散させた時の貯蔵弾性率は2.0Paだった。また、セルロース複合体Aを水に1質量%分散させた時の粘度は301.0mPa・sであり、体積平均粒子径は7.6μmであり、粘度変化は0.9であり、Tanδは0.5であった。
実施例1のソフトクリームの作製方法において、MCG−811Fをセルロース複合体Aに変更し、配合量を0.5質量%にした以外は、同様にソフトクリームを作製し、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例3と同様の操作で得られたウェットケーキ状のMCC(平均重合度220、平均粒子L/D1.6)と、親水性ガムとして低置換度のCMC−Na(ダイセルファインケム(株)製、製品名「1140」)と高置換度のCMC−Na(ダイセルファインケム(株)製、製品名「1350」)を質量比で50/50になるように配合した。MCC/CMC−Naの質量比が75/25となるように投入し、固形分45質量%となるように加水し、プラネタリーミキサー((株)品川工業所製、5DM−03−R、撹拌羽根はフック型)中で混練した。
混練エネルギーは、プラネタリーミキサーの混練時間により制御され、実測値は50Wh/kgであった。混練温度の制御は、ジャケット冷却の調整で行われ、熱伝対を用いて混練物の温度が直接測定された。当該温度は、混練を通して20〜50℃であった。
次に、実施例3と同様の方法で乾燥、粉砕しセルロース複合体Bを得た。セルロース複合体Bを水に1質量%分散させた時の貯蔵弾性率は1.8Paだった。また、セルロース複合体Bを水に1質量%分散させた時の粘度は189.0mPa・sであり、体積平均粒子径は7.6μmであり、粘度変化は0.7であり、Tanδは0.6であった。
実施例1のソフトクリームの作製方法において、MCG−811Fをセルロース複合体Bに変更し、配合量を0.5質量%にした以外は、同様にソフトクリームを作製し、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例3と同様の操作で得られたウェットケーキ状のMCC(平均重合度220、平均粒子L/D1.6)と、親水性ガムとして低置換度のCMC−Na(ダイセルファインケム(株)製、製品名「1140」)と高置換度のCMC−Na(ダイセルファインケム(株)製、製品名「1350」)を質量比で50/50になるように配合した。MCC/CMC−Naの質量比が65/35となるように投入し、固形分45質量%となるように加水し、プラネタリーミキサー((株)品川工業所製、5DM−03−R、撹拌羽根はフック型)中で混練した。
混練エネルギーは、プラネタリーミキサーの混練時間により制御され、実測値は45Wh/kgであった。混練温度の制御は、ジャケット冷却の調整で行われ、熱伝対を用いて混練物の温度が直接測定された。当該温度は、混練を通して20〜50℃であった。
次に、実施例3と同様の方法で乾燥、粉砕しセルロース複合体Cを得た。セルロース複合体Cを水に1質量%分散させた時の貯蔵弾性率は1.5Paだった。また、セルロース複合体Cを水に1質量%分散させた時の粘度は166.0mPa・sであり、体積平均粒子径は7.9μmであり、粘度変化は0.6であり、Tanδは0.6であった。
実施例1のソフトクリームの作製方法において、MCG−811Fをセルロース複合体Cに変更し、配合量を0.5質量%にした以外は、同様にソフトクリームを作製し、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1のソフトクリームの作製方法において、MCG−811Fを無配合にした以外は、同様にソフトクリームを作製し、同様に評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例2)
実施例3と同様の操作で得られたウェットケーキ状のMCC(平均重合度220、平均粒子L/D1.6)と、親水性ガムとしてカラヤガムを配合し、また親水性物質としてデキストリン(以下Dex)を配合し、MCC/カラヤガム/Dexの質量比が80/10/10となるように投入し固形分45質量%となるように加水し、実施例4と同様に混練した。
混練エネルギーは、プラネタリーミキサーの混練時間により制御され、実測値は60Wh/kgであった。混練温度の制御は、ジャケット冷却の調整で行われ、熱伝対を用いて混練物の温度が直接測定された。当該温度は、混練を通して20〜60℃であった。
次に、実施例3と同様の方法で乾燥、粉砕しセルロース複合体Dを得た。セルロース複合体Dを水に1質量%分散させた時の貯蔵弾性率は0.1Paだった。また、セルロース複合体Dを水に1質量%分散させた時の粘度は13.6mPa・sであり、体積平均粒子径は8.0μmであり、粘度変化は1.2であり、Tanδは1.2だった。
実施例1のソフトクリームの作製方法において、MCG−811Fをセルロース複合体Dに変更し、配合量を0.5質量%にした以外は、同様にソフトクリームを作製し、同様に評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例3)
比較例2と同様の操作でセルロース複合体Dを得た。
実施例1のソフトクリームの作製方法において、MCG−811Fをセルロース複合体Dに変更し、配合量を0.5質量%に変更し、さらに安定剤としてグアガムを0.13質量%、κ―カラギーナンを0.02%配合した以外は、同様にソフトクリームを作製し、同様に評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例4)
実施例1のソフトクリームの作製方法において、MCG−811FをRC−N81(旭化成ケミカルズ(株)製、貯蔵弾性率:0.1Pa(1質量%分散時)、粘度:14.2mPa・s(1質量%分散時)であり、体積平均粒子径:8.2μm、粘度変化:1.2、Tanδ:1.3)に変更し、配合量を0.8質量%に変更し、さらに安定剤としてκ―カラギーナンを0.01質量%、ワキシースターチを0.6質量%配合した以外は、同様にソフトクリームを作製し、同様に評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例5)
実施例1のソフトクリームの作製方法において、MCG−811FをRC−N30(旭化成ケミカルズ(株)製、貯蔵弾性率:1.0Pa(1質量%分散時)、粘度:46.2mPa・s(1質量%分散時)であり、体積平均粒子径:8.1μm、粘度変化:1.1、Tanδ:0.8)に変更し、配合量を0.7質量%に変更し、さらに安定剤としてゼラチン(新田ゼラチン(株)製、「GBL−200微粉」)を1.3質量%配合した以外は、同様にソフトクリームを作製し、同様に評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例6)
脱脂粉乳500gを1500gの水に、高速攪拌機(TOKUSHU KIKA KOGYO製 商品名:TKホモミキサーMARKII)を用いて60℃で加温溶解させた。(8000rpm×10分)。その後、5℃に冷却したものを超音波洗浄槽内に15分間静置し、脱脂粉乳処理液を得た。実施例1のソフトクリームの作製方法において、脱脂粉乳を除き、上記脱脂粉乳処理液を40質量%配合し、MCG−811FをRC−N30(旭化成ケミカルズ(株)製)に変更し、配合量を1.5質量%とした以外は同様にソフトクリームを作製し、同様に評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例7)
実施例3と同様の操作で得られたウェットケーキ状のMCC(平均重合度220、平均粒子L/D1.6)と、親水性ガムとしてXan、ローカストビーンガム(以下LBG)を配合し、また親水性物質としてDexを配合し、MCC/Xan/LBG/Dexの質量比が70/1/5/24となるように投入し固形分45質量%となるように加水し、実施例3と同様に混練した。
混練エネルギーは、プラネタリーミキサーの混練時間により制御され、実測値は60Wh/kgであった。混練温度の制御は、ジャケット冷却の調整で行われ、熱伝対を用いて混練物の温度が直接測定された。当該温度は、混練を通して20〜60℃であった。
次に、実施例3と同様の方法で乾燥、粉砕しセルロース複合体Eを得た。セルロース複合体Eを水に1質量%分散させた時の貯蔵弾性率は0.1Paだった。また、セルロース複合体Eを水に1質量%分散させた時の粘度は3.6mPa・sであり、体積平均粒子径は16.0μmであり、粘度変化は1.4であり、Tanδは1.1だった。
実施例1のソフトクリームの作製方法において、MCG−811Fをセルロース複合体Eに変更し、配合量を0.3質量%にした以外は、同様にソフトクリームを作製し、同様に評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例8)
実施例3と同様の操作で得られたウェットケーキ状のMCC(平均重合度220、平均粒子L/D1.6)と、親水性ガムとして高置換度のCMC−Na(ダイセルファインケム(株)製、製品名「1350」)を配合し、MCC/CMC−Naの質量比が92/8となるように投入し固形分45質量%となるように加水し、実施例3と同様に混練した。
混練エネルギーは、プラネタリーミキサーの混練時間により制御され、実測値は100Wh/kgであった。混練温度の制御は、ジャケット冷却の調整で行われ、熱伝対を用いて混練物の温度が直接測定された。当該温度は、混練を通して40〜60℃であった。
次に、実施例3と同様の方法で乾燥、粉砕しセルロース複合体Fを得た。セルロース複合体Fを水に1質量%分散させた時の貯蔵弾性率は2.5Paだった。また、セルロース複合体Fを水に1質量%分散させた時の粘度は210.0mPa・sであり、体積平均粒子径は7.7μmであり、粘度変化は1.2であり、Tanδは0.9だった。
実施例1のソフトクリームの作製方法において、MCG−811Fをセルロース複合体Fに変更し、配合量を0.3質量%にした以外は、同様にソフトクリームを作製し、同様に評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2016106587
Figure 2016106587
※比較例6の脱脂粉乳は超音波処理を行った脱脂粉乳処理液を使用した。
本発明は、食品工業においてアイスクリーム組成物に利用できる。

Claims (5)

  1. 結晶セルロースと親水性ガムから成るセルロース複合体を含むアイスクリーム組成物であって、該セルロース複合体は、
    (B)該セルロース複合体を1質量%含む水分散体を68℃で30分間加熱した後に25℃に戻した際の粘度と、
    (A)該水分散体を前記(B)の条件で加熱しないで25℃で測定した際の粘度
    との比である(B)/(A)が、1.0以下であることを特徴とするアイスクリーム組成物。
  2. 結晶セルロースと親水性ガムから成るセルロース複合体を含むアイスクリーム組成物であって、該セルロース複合体を1質量%含む水分散体の25℃における損失正接(Tanδ)が0.6以下であることを特徴とするアイスクリーム組成物。
  3. 前記親水性ガムがカルボキシメチルセルロースナトリウムである、請求項1又は2に記載のアイスクリーム組成物。
  4. アイスクリーム組成物がソフトクリームミックスである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のアイスクリーム組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のアイスクリーム組成物と吸水性食材から成る冷菓。
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