JP2016104646A - 窓付き封筒 - Google Patents

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Abstract

【課題】窓付き封筒を用いて、親展書類を送付する場合や、複数枚におよぶ書類を送付する場合に、それらの書類を封筒に封入して郵送したり、また、ダイレクトメールを、特定の顧客に直接送付することが、さかんに行われているため、各顧客のポストには、1日に多数の郵便物や配送物が投函され、その多数の郵便物や配送物のなかから、封筒送付人や、その窓から確認できる範囲で、各人が必要な郵便物や配送物を選択し、その選択された郵便物や配送物のみ開封され、他の郵便物や配送物は開封もされず廃棄されることが多かった。【解決手段】窓付き封筒の窓の部分に、発光シートを貼着して、他の郵便物や、配送物との差別化を図り、より確実な開効率向上を図れる窓付き封筒とした。【選択図】図1

Description

本発明は、封筒の一部に、情報が目視可能な「透明な窓」を設けた窓付き封筒において、特にその「窓」に、変形応力に応じた強度で発光する「発光シート」を配した窓付き封筒に関するものである。
近時、透視窓に透明フィルムを貼着した、紙製の透視窓付きの郵便封筒などが、広く使われている。それは、ラインプリンター等で請求書等を作成する際に、その請求書等の一部に送付先の住所・氏名等を印字して窓付封筒の窓から見えるようにすれば、封筒に送付先の住所・氏名等を印字する手間が省け、事務能率を大巾に向上することが出来るからである。かかる窓付封筒に関する文献として、特開昭57−28756号公報,実開昭60−161045号公報,実開昭61−40338号公報等が挙げられる。特開昭57−28756号公報の窓付き連続封筒およびその製造装置は、透明窓を有する封筒体形成連続紙と中入れ用連続紙とをそれぞれバーストして封筒単位の封筒体形成片と中入れ片とし、封筒体形成片を二つ折りする際に中入れ片を封筒体形成片内に挿入し、次いで封筒体形成片の周縁を封閉接着するものであり、中入れ片を封筒体内にフリーな状態で納め、封筒の表層用連続紙,通信文等の連続紙,封筒の裏層用連続紙を連続紙のまま重ね合わせ、封筒単位毎に縁辺を接着した後、連続紙をバーストしている、それまでの連続封筒では、通信文等の縁辺が封筒体の表裏の縁辺に貼着され、封筒体の一部を開封しただけでは通信文を取り出すことが出来なかった点を改良している。
また、実開昭60−161045号公報の窓つき封筒は、窓つき封筒の裏側用紙部にその上縁又は下縁から窓に向かって突出する切欠きを設け、その切欠きから露出する表側用紙部の一部に封緘用舌片の一部を貼着するもので、封筒内で伝票ががさつくのを防止するものである。
この透視窓に貼着する透明フィルムとしては、強度と透明度とが優れた、ポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルムやポリエステルフィルムなどの、プラスチックフィルムが用いられているものである。
このような窓付き封筒を用いて、上記したように、受取人以外にその内容を知られたくない親展書類を送付する場合や、葉書には書ききれない多量の情報などの複数枚におよぶ書類を送付する場合に、それらの書類を封筒に封入して郵送したり、また、バーゲン情報や新装開店の情報、通信販売のカタログなどを封筒に封入したダイレクトメールを、特定の顧客に直接送付することが、さかんに行われているため、各顧客のポストには、1日に多数の郵便物や配送物が投函され、その多数の郵便物や配送物のなかから、封筒送付人や、その窓から確認できる範囲で、各人が必要な郵便物や配送物を選択し、その選択された郵便物や配送物のみ開封され、他の郵便物や配送物は開封もされず廃棄されることが多かった。
これに対処すべく、例えば、ダイレクトメールの開封率の向上をはかるために、本来の郵送・配送目的である「広告」のほかに、商品見本や、おまけ、若しくは割引券などの「封入物」を封筒に封入することが行われており、「封入」される帳票(書面)には、所定窓部用の宛名等の印字に加えて、例えば、郵便の場合には(郵便法や、郵便規則等の制限あり。)、郵便法等で認められる範囲で、他の窓を設け、この窓から、封筒内部の帳票に印刷された内容の一部や、同封された景品等の内容が見えるようにして、封筒の開封率を高める工夫がなされている。(例えば、特開平8−282678公報参照。)
さらには、封筒部材に宛名部ではなく、「別の窓」を新たに設け、その位置に光回折パターンを設けて、他の郵便物に対して、封筒の外観の差別化を行い、もって、封筒の開封率の向上を図る工夫もなされている。(例えば、特開平8−175546公報参照。)
しかしながら、多量に且つ、多数回送付するものに、毎回、高価な景品等を封入することはできず、また、封筒の窓として、所定の位置に大きいサイズを確保できる宛名用の窓部ではなく、別途窓を設けて、その位置に合わせて光回折パターンを形成しただけでは、他の封筒との差別化の効果も薄く、また、その封筒の外観を視認するだけで、その「光回折パターンのデザイン」を確認できるため、特に開封する必要もなく、「直接的に開封率を向上する」という効果の小さいものであった。
さらに、「封入物」そのものに光回折パターンを設け、やはり宛名用の窓部以外の別に設けた窓から覗けるように配置する方法も、個別情報を印字する帳票等に個々に光回折等の特殊加工を施すことが求められ、煩雑であるとともに、やはりコストのかかるものとなっていた。
その上、得意先毎に、さらには、送付する目的ごとに、封筒の宛名用窓部以外の所に別途開口部(別の窓)を設け、その位置に合わせて、光回折パターンを設けたシートを貼付する工程は、その検査工程をも含め、多品種、小ロット生産が求められる今日においては、煩雑そのものであり、効率が低く、量産性に欠けるものであった。
特開平8−282678公報 特開平8−175546公報 特開2007−055144号公報 特開2003−253261号公報
本発明は、上記した問題を解決すべく、窓付き封筒において、大きい領域を確保可能な「窓」部に、すなわち、受取人が本人なのか若しくは家族等であるのかを確認するため、必ず視認する宛名用窓部に、その下にある宛名等の印字を目視にて十分視認でき、及び/又は、郵便区分け機等の光学的機械読み取りに支障なく認識可能である、発光シートからなる窓用フィルムを設けることにより、封筒における所定の一つの位置に十分な大きさを確保でき、且つ、暗がりであっても顧客の注意を十分に喚起して、その開封率を向上し、さらに、量産性に優れる、窓付き封筒を提供することにある。
また、その発光シートを生分解性プラスチックで構成することにより、環境負荷を低減可能なこともアピールし、窓付きフィルムを剥して観賞用に保管する等の行為を促進し、より開封率を向上できる窓付き封筒を提供する。
上記の課題を解決するために、本発明の窓付き封筒の第1の態様は、透明な窓を備えた窓付き封筒において、前記透明な窓が、少なくとも応力発光材料からなる発光シートで構成され、前記発光シートが、前記発光シートに対する所定の外力負荷によって生じた、前記発光シートの変形により、前記応力発光材料の所定の部位に変形応力が集中し、同時に、前記部位から前記変形応力に応じた発光強度を有する所定波長の光が発光して、前記所定波長の光が視認可能となることを特徴とするものである。
上記第1の態様の窓付き封筒によれば、透明な窓を備えた窓付き封筒において、前記透明な窓が、少なくとも応力発光材料からなる発光シートで構成され、前記発光シートが、前記発光シートに対する所定の外力負荷によって生じた、前記発光シートの変形により、前記応力発光材料の所定の部位に変形応力が集中し、同時に、前記部位から前記変形応力に応じた発光強度を有する所定波長の光が発光して、前記所定波長の光が視認可能となることを特徴とする窓付き封筒を提供することができ、意匠性に優れ、開封率を向上可能な、窓付き封筒を提供することができる。
本発明の窓付き封筒の第2の態様は、第1の態様の窓付き封筒において、前記発光シートは、前記応力発光材料を組成とする微粒子を、所定の透明な樹脂に分散してなる発光シートであって、前記応力発光材料の形状は、前記微粒子の形状であり、且つ、応力集中係数αが2以上となる部位を有する形状であることを特徴とするものである。
上記第2の態様の窓付き封筒によれば、第1の態様の窓付き封筒において、前記発光シートは、前記応力発光材料を組成とする微粒子を、所定の透明な樹脂に分散してなる発光シートであって、前記応力発光材料の形状は、前記微粒子の形状であり、且つ、応力集中係数αが2以上となる部位を有する形状であることを特徴とする窓付き封筒を提供することができ、透明性に優れ、且つ、発光の視認性も向上した「窓用フィルム」を有する窓付き封筒を提供することができる。
本発明の窓付き封筒の第3の態様は、第1の態様、または、第2の態様の何れかに記載の窓付き封筒において、前記所定波長の光が、所定のパターンを表示するものとして視認可能となることを特徴とするものである。
上記第3の態様の窓付き封筒によれば、第1の態様、または、第2の態様の何れかに記載の窓付き封筒において、前記所定波長の光が、所定のパターンを表示するものとして視認可能となることを特徴とする窓付き封筒を提供することができ、さらに意匠性に優れ、且つ、真正性判定をも可能とする窓付き封筒を提供することができる。
本発明の窓付き封筒の第4の態様は、第2の態様、または、第3の態様の何れかに記載の窓付き封筒において、前記透明な樹脂が生分解プラスチックからなることを特徴とするものである。
上記第4の態様の窓付き封筒によれば、第2の態様、または、第3の態様の何れかに記載の窓付き封筒において、前記透明な樹脂が生分解プラスチックからなることを特徴とする窓付き封筒を提供することができ、環境にも配慮することで、その開封率を向上させることを可能とする窓付き封筒を提供することができる。
また、本発明の窓付き封筒の第5の態様は、窓部を有する封筒本体と、上記封筒本体の上記窓部に配置された発光シートと、を有し、上記発光シートが、透明基材と、上記透明基材の少なくとも一方の表面に形成され、応力発光材料の微粒子および透明な樹脂を含有する応力発光層と、を有することを特徴とする窓付き封筒を提供する。
本発明においては、上記応力発光層の形成箇所が、上記窓付き封筒の窓部から露出する露出領域内のみであることが好ましい。
本発明においては、上記応力発光層のパターン形状が、上記露出領域の重心を囲む枠形状であることが好ましい。
本発明においては、上記応力発光層の被覆面積が、上記露出領域の端部側より重心側で狭いことが好ましい。
本発明においては、上記応力発光層の形成箇所が、上記窓付き封筒の窓部から隠ぺいされた隠ぺい領域内のみであることが好ましい。
本発明によれば、窓付き封筒において、大きい領域を確保可能な、宛名等に割り当てられた「窓」部に、その下にある宛名等の印字を目視にて十分視認でき、及び/又は、郵便区分け機等の光学的機械読み取りに支障なく認識可能である、発光シートを設けることにより、封筒における所定の一つの位置に十分な大きさを確保でき、且つ、暗がりであっても顧客の注意を十分に喚起して、その開封率を向上し、さらに、量産性に優れる、窓付き封筒を提供することができる。
また、その発光シートを生分解性プラスチックで構成することにより、環境負荷を低減可能なこともアピールし、窓付きフィルムを剥して観賞用に保管する等の行為を促進し、より開封率を向上できる窓付き封筒を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
本発明の一実施例を示す窓付き封筒の加工中の図である。 本発明の一実施例を示す窓付き封筒(封緘前)である。 本発明の他の一実施例を示す窓付き封筒である。 本発明の一実施例の窓付き封筒に用いられる発光シートの一実施例を示す図である。
(『発光シートA1』として、その一方の面に、その厚さを1/4とした、応力が集中する部分B1が設けられている図を示している。)
本発明の一実施例の窓付き封筒に用いられる発光シートの他の実施例を示す図である。
(『発光シートA2』として、その一方の面に、『切欠け部』である応力が集中する部分B1が設けられている図を示している。模式的に、部分B1を6箇所設けた図を例示。)
本発明の一実施例の窓付き封筒に用いられる発光シートのさらに他の実施例を示す図である。
(『発光シートA3』として、『透明な樹脂J2』の中に、『応力発光材料の微粒子P1』が分散して含まれている図を示している。模式的に、『応力発光材料の微粒子P1』の表面の凹凸を拡大し、その凹部の底の部分の一つを、応力が集中する、所定の部位S1として、示している。)
本発明の窓付き封筒の他の例を示す概略平面図である。 図7のA−A線断面図である。 本発明における発光シートの他の例を示す概略平面図および断面図である。 本発明における発光シートの他の例を示す概略平面図および断面図である。 本発明における発光シートの他の例を示す概略平面図および断面図である。 本発明における発光シートを説明する説明図である。 本発明における発光シートの他の例を示す概略平面図および断面図である。 本発明における発光シートの他の例を示す概略平面図および断面図である。 本発明における発光シートの他の例を示す概略平面図および断面図である。 本発明における発光シートの他の例を示す概略平面図である。 本発明における発光シートの他の例を示す概略平面図および断面図である。 本発明の窓付き封筒の他の例を示す概略平面図である。 図18のI−I線断面図である。 本発明における発光シートの他の例を示す概略平面図および断面図である。
A.第I態様の窓付き封筒
第I態様の窓付き封筒は、上述の第1の態様〜第4の態様の窓付き封筒を含むものである。
ここで、「透明な樹脂」とは、「可視光透過率が高い樹脂」であって、具体的には、ナトリウム原子のD線(590nm)における透過率が、50%以上、好ましくは、80%以上のものをいう。特には、「応力発光材料の微粒子」を分散した「透明な樹脂」の状態で、JIS P 8138試験による不透明度が20%以下とすることができる「透明性」を有しているものとする。
1.封筒
封筒に用いられる紙、若しくは板紙は、一般的には、その使用目的により、印刷用紙・情報用紙、包装用紙、衛生用紙、雑種紙、若しくは、段ボール原紙、紙器用板紙に大別される。
さらに小分類としては、上質紙、中質紙、色上質紙、アート紙、コート紙、マットコート紙、ミラーコート紙、アートポスト、ケント紙、更紙、ノーカーボン紙、模造紙、グラシン紙、再生紙、白板紙、色板紙、加工紙、上級印刷紙、中級印刷紙、下級印刷紙、微塗工紙、軽量コート紙、インクジェット用紙、POD用紙、昇華熱転写用紙等のプリンター用紙、フォーム用紙、ノーカーボン紙、感熱紙、OCR用紙、OMR用紙、磁気記録紙等(情報用紙)、未晒クラフト紙・半晒クラフト紙、塗工晒クラフト紙、再生可能防湿紙等(包装用紙)、表面に様々なエンボス加工を加えた紙、他の素材を混ぜ合わせた紙、風合いを出した紙、パール加工紙、ライナー、中芯原紙等(段ボール原紙)、表面に顔料が塗られていないもので、木材(原料)を化学処理した化学パルプと、木材(原料)をほぐしただけの機械パルプを混ぜた、非塗工紙、上質紙、中質紙をベースに片面または両面に塗料を塗って、圧力をかけたロールの間を通し光沢を出した、塗工紙等、木材パルプを原料とし、機械により大量生産された洋紙に対して、楮(コウゾ)、三椏(ミツマタ)、雁皮(ガンピ) 、麻、檀(まゆみ)等を原料とした和紙等がある。
封筒に用いられる素材としては、上記の他に、樹脂含浸紙、合成紙、樹脂フィルム等も用いられる。樹脂フィルムとしては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、延伸ポリプロピレン(OPP)、ポリスチレン(PS)、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂(ABS)、ポリ塩化ビニル等が用いられる。
これらの紙、若しくは板紙、さらには、樹脂フィルムを用いて、上記した様々な用途に用いられる「窓付き封筒」を、枚葉製袋機や、窓貼装置・口糊付装置を組み込んだ輪転製袋機、各種のフォーム印刷加工機等を用いることにより作製することができる。
これら製袋機は、作製する封筒の名称を用いて、平盤製袋機ガゼット製袋機、縦型封筒用洋封筒製袋機、横型封筒用製袋機、若しくは、外カマス製袋機枚葉型角底製袋機等とも呼ばれるものである。
窓付き封筒は、菊判や四六判等の平判の枚葉用紙を、断裁機、若しくは所定の形に打ち抜くことが可能な型抜き刃を有する型抜き機等を用いて、所定の形(封筒を展開した形。所定の位置に窓としての開口を設けておくことができる。)とし、この1片1片を、製袋機によって、窓用フィルムを貼りながら、所定の箇所を糊付けして、作製することができる。
この時、製袋用の糊と、封筒封緘用の糊とは別のものとし、製袋用の糊は、乾燥することで固着する水系アクリルエマルジョン接着剤や、部分的に加圧することで接着する感圧接着剤・粘着剤、加熱により固化反応が促進される感熱接着剤・粘着剤、さらには、高周波乾燥性の接着剤等、窓付き封筒に用いられる封筒素材に対応して、種々のものを用いることができる。
封筒封緘用の糊は、封筒封緘部にアラビア糊等の再湿性の糊を設けておき、封緘時に水等を付着し、封緘するものや、両面テープ方式のもの、さらには、封筒封緘部の「フタ」の部分と「折り返し」部分の両方に糊を設けておく、アドヘアタイプが用いられる。
また、窓用フィルムに用いられる接着剤・粘着剤も上記のものなどを適用することができるが、本発明の透明な窓に用いられる窓用フィルムには、その発光シートを用いるため、この発光シートと、封筒用紙との接着が可能な接着剤を選定する。
特に、この発光シートを、その窓付き封筒開封後に、封筒用紙から剥して、鑑賞用として保管する場合に、その「接着剤・粘着剤の跡」(接着・粘着残渣を意味する。)が残らない、「再剥離性」を有するものを使用することが好適である。
窓付き封筒は、封筒本体の片面に窓部を備えてその窓部の周辺に透明なフィルムの「周辺部」を貼着することでその窓部を覆った基本構造を有する。
この「周辺部」(封筒用紙へ貼着される領域。『発光シート』の四方端部を意味する。)は、窓付き封筒を外から観察した際には見ることができないため、この「『周辺部』にのみ、応力発光材料を含めた構成の『発光シート』」としたり、この「『周辺部』と、それ以外の『領域(窓領域。)』とに、異なる発光波長を持つ応力発光材料を含めた構成の『発光シート』」とすることで、その窓付き封筒を開封していない状態では、視認することができないが(封筒用紙が、その『周辺部』からの発光を遮蔽するという意味。)、その窓付き封筒を開封することで、初めて、その「周辺部」からの発光を視認可能となるように構成することができる。
このような構成は、本発明の窓付き封筒の開封率を著しく向上させることができ、好適である。
この際、その「発光シート」のサイズを、その「窓」のサイズの1.1〜4.0倍(面積比。)とし、その「窓」から覗かれる領域以外を、その「周辺部」とすることができる。
特に、この「周辺部」は、封筒本体と接着剤等で固定しているため、「発光シート」を封筒用紙から剥がすときに、この固定部において、大きな変形応力が発生し、「発光シート」から、強い強度の発光(『発光輝度』が大きいことを意味する。以下、同様。)を視認することができる。
封筒本体は、例えば、窓部を有する封筒上紙とこの封筒上紙に重ね合わせる封筒下紙とからなり、相対する四辺(上記した『周辺部』。)に設けた接着手段を介して四方が封着されたものからなる。
この形状の窓付き封筒は、ロール状の封筒上しとロール状の封筒下紙に、用紙送りのためのマージナルパンチ部を設け、それらを分離された状態で準備し、さらに複数枚の封筒上紙が切り取りミシン目を介して連続しているとともに、複数枚の封筒下紙も切り取りミシン目を介して連続していて、一枚ずつ封筒上紙と、窓用の透明なフィルム片(いわゆる、『窓用フィルム』。)とを対応させ、封筒上紙の窓用開口部のその開口より少し内側に感圧接着剤をパターン状に設け、その上にその透明なフィルムを重ねて、四方を圧着して、透明なフィルムを封筒上紙に接着し、そして、再度、一枚ずつの封筒上紙と封筒下紙とを対応させて、四方を封着することで複数単位の窓付き封筒を分離可能にして、連続して得ることができるものである。
封筒本体を構成している封筒上紙と封筒下紙とは、フォーム上質紙等からなるものである。
封筒下紙の重ね合わせ面には封筒上紙の窓部に対応する位置に宛名部が設けられているとともに、封着部分に囲まれた内部領域であってその窓部に対応しない位置に情報記録部が設けられていて、この宛名部と情報記録部とは、予め、フォーム印刷用インキ等を用いて、所要情報、罫線、図柄などの印刷すべき事項が印刷形成され、さらに、宛て名人毎の個別情報等をノンインパクト・プリンター等により印字形成し、また、封筒上紙の重ね合わせ面に地紋等が印刷されていて、情報記録部側に表示する情報を外部から見えないようにしたりして、一体の窓付き封筒とする。
また、例えば、郵便物として郵送する場合には、封筒上紙の外表面(封筒本体としての外面)には郵便料金前納表示マークが印刷され、封筒上紙のマーク以外の領域と封筒下紙の外表面(封筒本体としての外面)にも必要に応じて印刷すべき事項を設ける。
このようにして、所定の印刷が行なわれた後に各種の個別可変情報の印字がなされ、そして、封筒上紙と封筒下紙とが重ね合わされて四方が封着されることで、複数単位が連続している窓付き封筒が得られ、この後、切り取りミシン目から分離して一単位としての窓付き封筒が得られる。
この場合にも、その窓部に、その「発光シート」を用いるため、上記同様に、この「発光シート」と、封筒用紙との接着が可能な接着剤を用いる。
但し、上記加工は、高速、且つ、連続処理により行われるため、「発光シート」が貼着された状態で、多数の搬送用ガイドロール(フォーム印刷加工機等の金属ガイドロールを意味する。)にその上面及び下面が接触することになる。
従って、この接触によって、その「発光シート」の表面が傷ついたり、その「発光シート」が不要に変形されることのないよう、十分な表面硬度を有する、「発光シート」を用いるか、もしくは、「発光シート」の上に、透明性を有し、且つ、十分な表面硬度を有する「保護層」を設けることが好適である。
このことから、発光シートを構成する「透明な樹脂」や、そのような「保護層」に用いられる材料として、電離放射線硬化タイプのものを使用することや、物理的強度の大きい適宜な「透明基材」との積層体とすることは、さらに望ましい。
また、返信用封筒を内蔵する、窓付き封筒としては、例えば、上記の様にして作成した、宛名用の窓部を有する窓付き封筒内に、新たに、返信用封筒上紙と返信用封筒下紙の対向面の封着すべき三周縁は剥離困難に、他の部分は剥離可能に接着し、宛名情報を印字した一辺開口型の返信用封筒を、その宛名情報が、窓付き封筒のその窓部と対応位置するように封入することで作成することができる。
その返信用封筒上紙と返信用封筒下紙の対向面の封着すべき三周縁は剥離困難に、他の部分は剥離可能に接着する構成として、例えば、対向面の一方の全面に接着後に剥離可能な感圧性接着剤による接着剤層を設け、対向面の他方の三周縁にその感圧性接着剤の接着力を増強する接着力増強層を設ける構成を挙げることができる。接着力増強層としては、平均粒子系の小さい微細シリカ粉末をポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、セルロースエーテル、でんぷん、及びその誘導体、ゼラチン、アルブミン、アラビアゴムアルキネート類、ポリアクリルアミド、または、ポリビニルピロリドン、あるいはこれらの混合物等からなる樹脂組成物と等量以上混合したものを数μmの厚さで所定のパターン状に形成することで得られる。
この様な返信用封筒は、返信用封筒上紙と返信用封筒下紙の対向面が剥離可能に接着されるので、返信用封筒面上等へのノンインパクト・プリンター印字等による隙間発生がなく、返信用封筒表面を適正な電荷状態とでき、ドラムとの接触状態も適正なものとなり、確実な印字が可能となる。また、返信用封筒はあたかも1枚のシートのようになるので、窓付き封筒に挿入する作業が容易であって、返信時には、返信用封筒上紙と返信用封筒下紙の剥離可能な接着面を剥離して、申込書等の各種書面を封入することができるものとなる。
さらに、例えば、窓付き封筒は、1枚のシートを折って糊代部を接着してなる通常の封筒であり、開口部を透明フィルムで閉塞して窓部を形成している。そして、この窓付き封筒内に返信用封筒と申込書とを封入することもできる。申込書は、例えば、切り用ミシン目を境として入会申込書と入会案内書とに区分けされ、その入会申込書には表面に「入会申込書」なる表題のほか、入会申込文、申込年月日記入欄、入会者住所氏名記入欄、捺印欄等が印刷される一方、入会案内書には表面に「○○会へ入会のご案内」なる表題と入会案内文が、裏面に返信用封筒の使用説明文が、それぞれ印刷される。
返信用封筒は、宛名情報印字部を表面に有する返信用封筒上紙と表面が返信先情報印字部となった返信用封筒下紙からなり、宛名情報印字部は窓付き封筒に返信用封筒を封入した際に、窓部に対応する位置に設けられている。封筒上紙の裏面である封筒下紙との対向面には、接着後に剥離可能な感圧性接着剤が全面的に塗布されてなる接着剤層が設けられ、封筒下紙の裏面である封筒上紙との対向面には、封着すべき三周縁に接着力増強層が設けられている。
返信用封筒は当初、折り兼切り用ミシン目を介して単位封筒が連接された連続状態にあり、返信用封筒上紙の右端と封筒下紙の左右端には、それぞれ切り用ミシン目が設けられ、これら切り用ミシン目を境として移送孔を設けた用紙搬送用のマージナル部が形成されている。
接着後に剥離可能な感圧性接着剤としては、また、天然ゴムに、スチレンとメタクリル酸メチルとをグラフト共重合させた天然ゴムラテックスにテルペン樹脂系等の粘着付与剤等を添加したものも用いることができる。
返信用封筒上紙と返信用封筒下紙とは、感圧性接着剤の接着条件である所定の圧を加えることにより、封着すべき三周縁では接着力増強層に感圧性接着剤が浸透して接着力が増強されることによって剥離困難に強接着し、他の部分においては剥離可能に弱接着している。このようにして、返信用封筒は、返信用封筒上紙と返信用封筒下紙の対向面が密着したシート状態となっている。
従って、この連続状態にある返信用封筒を、各移送マージナル穴を利用してトラクタ装置により移送しながら、ノンインパクト・プリンターにかけても、封筒上紙と封筒下紙との間に隙間を生じないので、適正状態で電荷がかかり、また、適正状態でドラムと接触するので、返信用封筒上紙の宛名情報印字部に対する宛名情報がカスレ等なく確実になされる。
同様にして、返信用封筒下紙の表出面に印字する返信先情報もカスレ等なく確実になされる。なお、この返信先情報は全ての返信用封筒に共通の不変情報であるから、あらかじめ印刷しておいてもよい。
そして、印字後の連続状態にある返信用封筒は、封筒ごとに切り用ミシン目で分離され、各宛名情報が窓付き封筒の窓部に対応位置するようにして、申込書とともに、窓付き封筒内に封入・封緘装置等を用いて封入・封緘される。この封入・封緘作業は、返信用封筒が1枚のシート状になっているので、円滑かつ確実になされる。
但し、窓付き封筒には、既に、窓用フィルムとして、発光シートが貼着されているため、この挿入時に、返信用封筒等が、この発光シートに引っ掛かって折れ曲がったり、逆に発光シートを封筒面から剥離することの無いよう(元々、剥離可能な程度の接着力しか持たないため。)、その挿入時に衝突防止用の「ガイド」(薄く平坦な金属へらを、発光シートの上にあてておく等の処理を行うという意味。)を用いることも好適である。
以上の工程によって、窓付き封筒は、一般の封筒と同様に投函可能となって、宛て名人に対して郵送、若しくは、配送される。
この窓付き封筒を受け取った宛て名人(受取人)は、その窓部に設けられている「宛名」を確認し、自分宛のものか、若しくは、家族宛のものか、さらには、全く他人宛の誤配送のものか等を、確認するが、その時に、その窓部にある「発光シート」を確実に視認し、その「発光状況や、発光パターン」をほぼ100%の確率で「鑑賞」することになる。
もちろん、その宛名が家族もしくはその他の人のものであったならば、その窓付き封筒は、いずれ、その「該当者」に渡され、その際、再び、その「該当者」がほぼ100%の確率で、「鑑賞」することになる。
この「鑑賞」率の高さが、すなわち、開封率向上に寄与することは言うまでも無い。
その後、開封して返信用封筒及び申込書を取り出し、この入会案内書の案内文及び説明文を読み、入会を希望する場合には、入会申込書の各記入欄に所定事項を記入したうえ、捺印欄に自己の印鑑を捺印し、さらに、切り用ミシン目を破断して入会申込書と入会案内書を分離する。そして、返信用封筒の封筒上紙と封筒下紙の剥離可能な接着部分を離反し、入会申込書を挿入したうえ、糊付けして封緘する。これによって、返信用封筒は一般の封筒と同様な投函可能状態となり、返信先に対して郵送される。
なお、例えば、返信用封筒の封筒上紙と封筒下紙を剥離可能に接着する構造として、エチレン−酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、合成ゴム系樹脂をベースにした感圧性接着剤を用いてもよい。また、返信用封筒の封緘は糊付けによるほか、あらかじめ両面接着テープを設けて、一方を剥離紙で被覆保護するよう構成してもよい。さらに、返信用封筒は連続状態ではなく、当初から単位状態にあってもよい。この場合には、移送用マージナル穴を有するマージナル部は不要になる。
また、この窓付き封筒に封入するものとしては、返信用封筒と申込書の組合わせに限らず、返信用封筒は必須要件であるが、申込書に加えて関連する他の文書類を同封したり、申込書に換えて、残高通知等に対する確認書等を同封することもできる。さらに、返信用封筒の宛名情報と返信先情報を同一面に印字してもよい。
2.発光シート
本発明における「発光シート」は、「応力発光材料」からなる「発光シート」であって、「発光シート」全体(そのもの)が、「応力発光材料」で構成されているか、もしくは、「発光シート」の中に、部分的に「応力発光材料」を含む構成であるかの何れかの構造を持つ「シート」である。
そして、そのいずれの場合においても、そのような「応力発光材料」の「形状」には、必ず、変形応力が集中する部分、すなわち、「応力集中係数α」が2以上となる「部分」や、「所定の部位」が含まれており、その「発光シート」に対して「『引っ張り応力』、『せん断応力』、及び/または、『ずれ応力』」などの各種の「応力」を発生させ得る、「その『発光シート』に対する『所定の外力負荷』」によって、その「発光シート」に、「物理的な変形」が生じ(その『シート』が、『曲がる』、『たわむ』、及び/または『捻じれる』等の空間的に大きな『形の変化』を起こすことを意味する。)、そして、その「発光シート」の「変形」に伴って、その「応力発光材料」も「変形」して、その「応力発光材料」内部に「変形応力」が発生し、さらに、その「発光シート」のその「部分」や、「所定の部位」に「変形応力」が集中し(その『部分』や、『所定の部位』の『変形応力』が、その周辺の領域の変形応力より、著しく大きいことを意味する。)、その集中した「変形応力」によって、その「部分」や「所定の部位」から「その変形応力に応じた発光強度を有する所定波長の光」が「発光」して(その『部分』や『所定の部位』の周辺にも『発光』が生じるが、その『部分』や『所定の部位』に発生する『発光』より著しく小さいものとなる。)、その「所定波長の光」を観察者が視認できるものとなる。
すなわち、本発明における「発光シート」そのものを構成する「応力発光材料」の「形状」、もしくは、本発明における「発光シート」に含まれる「応力発光材料の微粒子」の「形状」は、その「応力発光材料からなる『発光シート』」のその「部分(『シート状』の『応力発光材料』の『所定の部位』。)」や、「応力発光材料の微粒子」の「所定の部位」における「応力集中係数α」が2以上となる、その「部分」や、「所定の部位」を有する「形状」となっている。
そして、そのような「応力発光材料」の「形状」とは、例えば、「応力発光材料」を、縦30mm×横100mm×厚さ300μmの直方体の「基本形状(シート状。)」を持つものとしたとき、上記した「部分(応力集中『部分』という意味。)」として、その「基本形状である直方体」の一部に、「縦が1/2以下となる部分」、「横が1/2以下となる部分」、及び/または、「厚さが1/2以下となる部分」を少なくとも一箇所以上含む「形状」を指す。
すなわち、縦30mm×横100mm×厚さ300μmの「基本形状」に対して、その中央部に、厚さが1/4となる「部分B1(図4の中の、斜線表示した断面部分。)」を設けると、図4の「発光シートA1」のような形状を持つ、本発明における「発光シートA1」となる。
この「発光シートA1」は、縦30mm×横100mm×厚さ300μmの直方体を想定し、その「直方体」を、その「端部(端面)」に平行な平面群で切り取った「断面群」が、「タテ300μm×ヨコ30mmの長方形」〜「タテ75μm×ヨコ30mmの長方形」の間で連続的に変化する長方形を成すようにその「直方体」を変形した「形状」を持ち、しかも、その横方向(100mm)の中央に、厚さ75μm(『基本形状』の厚さ300μmの1/4の厚さとなっている。)の「部分B1」(上記した『端部(端面)』に平行な、『タテ75μm×ヨコ30mmの長方形』の断面を成す『部分』)を有する「形状」となっており、この「部分B1」が、「応力集中係数α=2.0」である「部分B1」となっている。
もちろん、この「部分B1」は、その「基本形状」の横方向(100mm)の中央に位置しなくとも、その横方向(100mm)のいずれの位置であってもよく(横方向の1/3の位置であっても、1/4の位置であってもよく)、より広義には、その「基本形状」の一部に、「その部分の断面積が『平均断面積(ここでは、タテ150μm×ヨコ30mmの長方形の面積)』の1/2以下となる『断面』を有する部分」が存在すると、その「部分」は、「応力集中係数α≧2」の「部分B1」となる。
ここで、ある「形状」の「平均断面積」とは、その「形状」に所定の外部負荷を加えたときに、発生する様々な応力の働く方向の内、所定の一つの応力の働く方向に垂直な平面(上記の例では、その『端部(端面)』に平行な平面群を意味する。)でその「形状」を切り取った全ての「断面」の「面積」(断面積)の、「形状」全体における「平均値」のことである。
そして、このような「平均断面積の1/2以下の断面積を持つ断面が存在するような形状」が、「応力集中係数αが2以上となる前記部分を有する形状」であり、そのような「断面」を有する「部分」が、「応力発光材料の『部分』」である。
また、ここで例示した「基本形状」は、上記したような「基本形状」に限定されず、「物体のあらゆる形状」を対象とできることは言うまでもない(あらゆる形状を、『もとの形状』として想定することができるという意味。)。
さらに、「応力集中係数αが2以上となる『部分』を有する形状」としては、上記の「基本形状」を例にとると、その「基本形状」の表面の一部に、半球面(球面を一平面で切り取った三次元曲面)や、楕円面(楕円体面を一平面で切り取った三次元曲面)のような形状の凹部や、鋭角な「切っ先」形状を持つ切り込み、または、角(つの)状の突起がある「形状」など、その表面に所定の凹凸形状が存在する「形状」が含まれ、より一般的には、「部分において、応力の働く方向に垂直な平面で切り取った断面の変化が、その部分の応力集中係数αを2以上とする形状」ということができる。
これらの「形状」は、いわゆる「3次元形状解析装置」等によって、その「形状」を3次元画像データとして把握し、そして、その「形状」の「3次元画像データ」を、いわゆる「構造解析ソフト(応力分布解析ソフト)」にかけることによって、「応力集中係数αが2以上である部位を有する形状」であることを確認することができる。
もちろん、「応力集中係数αが2以上となる『部分』や『所定の部位』を有する形状」とは、上記した「構造解析ソフト(応力分布解析ソフト)」によって種々の「形状」をシミュレーションすることができ、例えば、上記した「基本形状」の内部に、「『球状の空洞』を設けた形状」や、「基本形状」そのものを「楕円体状」や「針状」、さらには、「紛体状」、すなわち、「微粒子の形状」とし、その「微粒子の形状の表面にさらに凹凸を設けた形状」など、「応力集中係数αが2以上である形状」のみならず、「応力集中係数αが10以上である形状」や、「応力集中係数αが100以上である形状」を設計でき、その設計に基づき、実際の「応力発光材料」、さらには、その「応力発光材料」を含む「発光シート」を作製することができる。
そして、この「設計」と「作製」を繰り返すことも、「発光シート」中の「部分」や「所定の部位」の「数(『発光シート』内の単位体積中に存在する部分の『数』。)」や、各部分や各部位における「応力の集中度(応力集中係数α)」を増大させることを可能とし、好適である。
特に、この「発光シート」の背後にある宛名等を判読するために、この「発光シート」内に、適宜な「開口(貫通部)」等を設けることとなるが、その「開口(貫通部)」そのものも、上記した「応力集中係数α」の大きい「部分」となり得る(以下、同様。)。
さらに、本発明における「発光シート」の「応力発光材料の形状」は、「シート状」であって、且つ、その「シート状」の「応力発光材料」の表面に、もしくは、「シート状」の「応力発光材料の微粒子を分散した透明な樹脂」の表面に、「部分」として、「切欠け部及び/または凹部」を有する「形状」とすることもできる。(以下、『シート状』の『応力発光材料』、及び、『シート状』の『応力発光材料の微粒子を分散した透明な樹脂』を総称して、『シート状』の『応力発光材料等』とも称す。)
この「切欠け部及び/または凹部を有する」形状とは、その「シート状」、すなわち、いわゆる「平板状」の「応力発光材料等」の表面に、少なくとも一つ以上の「切欠け部」を有する、または、少なくとも一つ以上の「凹部」を有する、さらには、少なくとも一つ以上の「切欠け部及び凹部」を有する、という意味である。
もちろん、この「平板状」には、「縦、横、厚さの変化を持つもの」が含まれ、さらに、この「切欠け部及び/または凹部」を、その「平板状」の「応力発光材料等」の「表面、及び/または、裏面」のみならず、その「平板状の『シート』」の「端面」に設けてもよい。
ここで、「切欠け部」とは、「楔(くさび)形」をした凹みである。
「楔形」とは、ある「三角柱」の一つの側面(一つの長方形)が最表面に位置し、他の二つの側面(二つの長方形)と「三角柱」の上下面(二つの三角形)が、「シート」内側に凹んだ部分の「4つの面」を成している形であって、二つの三角形(断面)の面(上下面)と、その3つの頂点を結ぶ平行な三辺で形成され、その内の二辺が開口部に位置し、残りの一辺が、凹みの底に位置するものと定義される。
すなわち、例えば、縦30mm×横100mm×厚さ300μmの「基本形状」に対して、その一方の表面に、部分として、「楔(くさび)形」をした凹みである「切欠け部:部分B1」(図5の中で、その『切欠け部』の『底辺』に応力が集中する。)を設けると、図5の「発光シートA2」のような形状となる。
ここで、図5は「模式図」であって、同一の三角柱形状を有する「切欠け部」を、6個のみ、整然と配置したものを表示しているが、実際には、本発明における「発光シート」の目的に応じて、その個々の「切欠け部」の形(立体形状)、大きさ、及び、底辺の向き(『底辺』は、『直線』のみならず、『曲線』でもよい。)、開口部の形(『長方形』のみならず、他の『平面形状』としてもよい。)、大きさ、向き(開口部のタテ、ヨコ方向)、「切欠け部」の数、「切欠け部」の並べ方(『整然配列』のみならず、『ランダム配列』、さらには、以下に述べるような『所定のパターンを表示するための並べ方』としてもよい。)を、様々に変化させることとなる。(これらのことは、「凹部」に対しても同様である。)
そして、その「楔形」に、「所定の外部負荷」を加えると、すなわち、その「開口部の二辺」を開く方向に変形を加えると、「残りの一辺(底の一辺。これが部分である。)」における「応力集中係数α」が等しく2以上となり、同時に、最大となる。さらに、その「底の一辺」における「開き角」(その三角形の頂角にあたる。)が、10度〜90度と小さければ小さいほど、「応力集中係数α」が増大する。この「開き角」を10度未満とすると、「応力集中係数α」を極端に大きくすることができるものの、「焼成」ステップを含む本発明における「発光シート」の製造プロセスにおいては、製造安定性に欠けるとともに、繰り返し変形にも耐え難いものとなる。
また、この「底の一辺」における「応力集中係数α」は、「変形」を加える方向によってその「値」が変動する。すなわち、「所定の外部負荷」の加える方向によって、その「値」が変動し、例えば、上記した「上下面の三角形」の間隔を開く方向に変形すると、その「底の一辺」における「応力集中係数α」は、その「底の一辺」の中点に応力が集中する(図示していないが、このような変形においては、この『中点』が部分となる。)。
すなわち、「楔形」の凹みは、その「楔形」に負荷する、「所定の外力負荷」の「3次元空間における『方向』(3次元空間成分のそれぞれの大きさの割合で定まる、一つの三次元ベクトルで表される。)」によって、その「発光強度(もしくは、その分布。)」、及び、その「発光点の位置(もしくは、発光領域。)」が変わることとなる。
このことは、「楔形」を設けた、本発明における「発光シート」に対して与える「所定の外力負荷」の、「発光シート」に対する、ひいては、その「楔形」の「切欠け部」に対する、「3次元空間における『方向』(その『外力』を、『三次元ベクトル』で表した、そのベクトルの方向。)」によって、本発明における「発光シート」の「発光状態(発光点の位置分布や、個々の発光点の強度分布)」が異なることとなる。
そして、その所定の外力負荷」の「発光シート」に対する「方向」を変化させて、その「発光シート」の発光状態の変化を視認することで、真正性の判定をすることも好適である。
また、「楔形」の凹みには、「底面が長方形のくさび形」、すなわち、「楔台形」や、四角錐、五角錐等の多角錐、円錐や、楕円錐、さらには、「開口部の形」が、「三角形、四角形等の多角形、円、楕円、及び、それらの変形」となるものも含まれる。
さらに、本発明における「発光シート」において、「凹部」とは、「凹形」をした凹みであって、半円筒凹形、半楕円体凹形、半球凹形、及びそれらの組み合わせなど、その凹みの底面が、「三次元曲面状」となっている「凹み」と定義できる。
もちろん、その「凹形」が、その形状を「制御可能」であること(製造再現性があるという意味。)を前提として、「任意の三次元曲面」とすることも好適である。
そして、その「切欠け部」や、「凹部」(以下、総称して、単に「凹み」とも称す。これらが、『発光シート』の中の応力集中部分である『部分B1』となる。)の深さは、例えば「平板状(シート状)」の外形をした「応力発光材料」の表面の一部に設ける場合には、その「シート」の「厚さ(それらを設ける位置の『厚さ』を意味する。)」の1/10〜4/5の深さの「切欠け部」や、「凹部」を設けることで得られる。
その上、その「凹み」の形は、その「凹み」の「底」から発した「光」に対して、その「凹み」自身が、あたかも光源の光を反射し集光する、いわゆる「ソケット」の役目(『凹面反射鏡』の様な役目を意味する。)を果たして、その「光」の集光性や指向性を高め、その「光」の視認性を向上させる。
この「切欠け部」や、「凹部」、すなわち、「凹み」の形を、「底の浅い形。例えば、その深さを、『シート』の厚さの1/10未満としたもの、さらには、[(開口部幅W/深さD)の比]を、20/1以上としたものは、この「凹み」の「底部」周辺に「応力集中」が起こったとしても、その「応力集中係数α」は、2未満となる。
もしくは、「底の深い形。例えば、その深さを、『シート』の厚さの4/5超〜5/5未満」としたものは、この「凹み」の「底部」周辺に、非常に大きな「応力集中」が起こるものの、繰り返しの変形操作によって、その「底部」等に亀裂が入りやすく、「少なくとも100回以上の安定した発光」を確保できず、観賞用媒体として不十分であり、且つ、偽造防止媒体としての信頼性も確保できない。
本発明における「発光シートA1、または、A2」(所定の応力発光材料からなる発光シートA1、または、A2)を作製するには、まず、上記した「応力集中係数αが2以上となる部分を有する形状」を持つ「空洞」(『型』の内側の空間という意味。)をあらかじめ設けた「焼成用型」を準備し、その「型」の「空洞」内に、「焼成前の『応力発光材料』用組成物」を充填させ、その「充填物(焼成前)」と「型」を同時に、所定の温度まで、所定の手段を用いて、且つ、所定の加温速度で加熱し、所定の温度に所定の時間保持した後、やはり所定の手段を用いて、所定の冷却速度で冷却し、常温付近まで近づいたところで、その「型」から、その「充填物(焼成後)」を取り出すという手順(これが、『焼成』手順である。酸化雰囲気である、空気中にて『仮焼成』し、これに『成形』処理を加えた後、次いで、還元雰囲気中にて、『本焼成』する手順なども『焼成』手順であり、好適である。)を用いる。
また、本発明における「発光シート」に「『含まれる』応力発光材料の形状」とは、言い換えると、「シート状」の「応力発光材料の微粒子を分散した透明な樹脂」の中の、その「微粒子状の応力発光材料の形状」とは、例えば、図6の「発光シートA3」のごとく、「応力発光材料を組成とする微粒子P1」を、「所定の透明な樹脂J2」に分散してなる「発光シートA3」において、「微粒子P1状の応力発光材料」が、「シート状」の「発光シートA3」に「含まれる」状態の中で、この「微粒子P1の形状」が、その「『含まれる』応力発光材料の形状」に該当する。
そして、図6において、「微粒子P1」の表面の凹凸部の、特に、「凹部の底の部位」に変形応力が集中し、そこが「所定の部位S1」となっている。(図6において、『所定の部位S1』の一つを矢印にて示している。)
従って、この「微粒子P1の形状」は、その「応力発光材料」の「所定の部位S1」における「応力集中係数α」が2以上となる、その「所定の部位S1」を有する「形状」となっており、この意味において、そのような「応力発光材料」の「形状」、すなわち、「発光シートに『含まれる』応力発光材料の形状」は、「『応力発光材料』を組成とする『微粒子P1』の形状」であるということができる。
このような「微粒子P1」は、そもそも、「応力発光材料」用組成物を、所定の条件にて焼成して、「平板状」や「塊状」などとした「応力発光材料」を、所定の粉砕手段や分級手段等を用いて「微粒子化」したもの、もしくは、その「微粒子」を「透明樹脂」(『所定の透明な樹脂J2』と同様の『樹脂』をいう。特には、その『樹脂』の体積弾性率が、その微粒子の体積弾性率より大きいものとすると、その樹脂に負荷された『変形』がそのまま『微粒子』に伝わるため、好適である。その『透明樹脂』と『応力発光材料』の組成比は、10/1〜1/10である。体積弾性率と、他の指標である、ヤング率、ポアソン比、剛性率、ラメの第一定数には、所定の相関関係がある。)に分散してペレット状などとしたものを、再び、粉砕、及び、分級して「微粒子化」したものの何れかであって、さらに、それらの処理中、微粒子間の衝突を抑制して処理すると(粉砕後の微粒子を互いに衝突させると、徐々に微粒子の表面が滑らかな面となってしまうため。)、それらの「微粒子P1」の形状そのものが、複雑な形状を成し、さらに、その「微粒子P1」の表面も非常にランダムな凹凸形状(凹凸の周期や深さが、小さいものでは、ナノサイズの非常に微細なものから、大きいものでは、数ミクロンメートルサイズのものまで、そして、その分布幅までも、ランダムに存在するという意味。)を維持したものとすることができる。
また、一旦、「応力発光材料」を、「微粒子化」、さらには、「超微粒子化(平均粒径が、0.01〜1.0μm、特には、0.01〜0.1μmであるものを『超微粒子』と称する。これより大きいものが『微粒子』である。)」したものを、造粒機等の「造粒」手段を用いて、「『超微粒子』間の結合が強固な2次凝集物」とすることで、さらに「不定形」で「複雑な形状」を有する「応力発光材料」の「微粒子P1」を得ることが出来る。
そのような粉砕手段で「微粒子化」した「応力発光材料」(『応力発光材料』で100%組成されているもの、複数の応力発光材料から成る『応力発光材料の複合体』、及び、『応力発光材料と透明樹脂』で組成されたものを含む。)を、分級手段を用いて、選別し、または、さらに、造粒手段を用いて造粒した後、分級手段を用いて選別し、最大直径で、0.1μm〜50μm、好適には、5.0μm〜20μmの「微粒子P1」とし、もしくは、平均粒径D50で、0.05μm〜20μm、好適には、0.5μm〜10μmの「微粒子P1」とする。
このときの「粒径」及び「粒子形状」は、レーザー回折式粒度分布測定装置など、種々の粒度分布測定法に基づく装置を使用して決定する。
このような粒度分布測定法には、細く絞ったX線ビームを用いて、分散媒中の粒子濃度を直接測定するX線透過式沈降法、粒子が細孔(アパチャー)の検知領域を通過する際に生じる、2つの電極間の電気抵抗の変化を測定する電気的検知帯法、粒子を、所定の分散媒に均一に分散し、フローセルを通過させるもので、光源からフローセルに光をあて、粒子がセル内を通過した時の投影像を、高感度CCDカメラで撮影して、その粒子像をデジタル変換し、解析用プログラム処理によって、粒子の円相当径、形状情報などを求める画像解析法(数十種類の形状パラメータ、及び、円形モデル、繊維モデル、長方形モデル、多角形モデル、楕円モデル、不規則モデルなどの画像解析モデルを用いる。)、粒子懸濁液の中で「ブラウン運動」をしている粒子に、レーザー光をし照射し、その運動をしている粒子による散乱光から、粒子径を測定する動的光散乱法、粒子にレーザー光を照射することによる光の回析/散乱現象を利用するもので、その回折/散乱光の強度パターンが、粒子の大きさに依存しており、回析/散乱光の角度により異なる強度パターン(強度分布)が観測されて、フランホーファ回折理論や、ミー散乱理論を用いて、粒子径分布を求めるレーザー回折散乱法、粉体の充填層に空気を流す時、粉体粒子が細かいほど流れにくくなり、また、粉体の粒子径と流体の透過性との間の相関関係から粉体の比表面積を求める空気透過法などを用いることができる。
そして、本発明における「発光シートA3」において、「応力発光材料の形状」である、「微粒子の形状」とは、本発明における「発光シートA3」に含まれる「多数ある微粒子P1の平均的な形状」を意味し、いわゆる光学式微粒子形状測定装置等で決定可能な「形状」とする。もちろん、本発明における「発光シートA3」に含まれる、全ての「微粒子P1」が、「応力集中係数α≧2の部位」を有する形状を有することが最も望ましく、「発光」の視認性も十分に確保でき好適であるが、少なくとも、上記した種々の方法に基づく各装置を用いて、「サンプリング測定」した「微粒子P1」(すなわち、『サンプリングした微粒子P1の形状』。)が、例外なく全て、この条件を満たすもの(『応力発光材料の形状は、微粒子P1の形状であり、応力集中係数αが2以上となる所定の部位S1を有する形状である』こと。)であれば、本発明の目的を達成可能であることは言うまでもない。
もちろん、この「サンプリング測定」の条件を、具体的に、例えば、本発明における「発光シートA3」の任意の縦10mm×横10mmの領域を切り出して、含まれる「透明な樹脂J2」を溶解する溶剤を用いて、「透明な樹脂J2」を溶解した後、含まれる「微粒子P1」を全て抽出して、上記の測定を行うこととすることもできる。
そして、この「微粒子P1」を、熱可塑性樹脂、及び/または、熱硬化性樹脂、さらには、電離放射線硬化樹脂の中から、上記した「透過率」を有する「樹脂」を選定して、「所定の透明な樹脂J2」とした、その「透明な樹脂J2」の中に、その「微粒子P1」の、さらなる「凝集化」を抑制しつつ「分散」させ(必要以上に『凝集化』することを防止するという意味。このような『凝集化』によって生じた接点部分は、見かけ上、すなわち、その周辺の『形』のみから判断すると、非常に応力が集中し易い『形』を成しているが、この接点部分は、小さな外力負荷によって、容易に、分離、切断するため、本発明の目的には適さない。)、「『応力発光材料』の『微粒子P1』を含んだ、『透明な樹脂J2』」として、本発明の「発光シートA3」とする。(図6参照。)
さらに、「微粒子P1」を「透明な樹脂J2」中に「分散」するとは、その「透明な樹脂J2」を、適宜な溶剤(『水溶性樹脂(水系樹脂)』の場合には、『水』及び/または『低級アルコール』。)に溶解した溶液中に、「微粒子P1」を混入させ、デゾルバ、ミキサーなどの攪拌機や、ニーダー、ロールミル等の混練機、マグネチックスターラー方式、エアレーション方式やスプレードライ方式などの攪拌装置などを用いて、「透明な樹脂2」中に「微粒子P1」を均一に含ませた後、その混合溶液を、グラビアコーティング方式、カーテンコーティング方式、ブレードコーティング方式、ロールコーティング方式、スピンコーティング方式、オフセット印刷方式、活版印刷方式、スクリーン印刷方式、凹版印刷方式、インクジェット印刷方式、キャスティング方式、ダイコーティング方式などを用いて、「適宜な基材(シート基材、ロール基材、樹脂フィルム基材、金属基材、セラミックス基材等。特には、その表面に剥離処理を施しているものが好適。)」上に、所定の厚さで設け、所定の条件にて、乾燥(自然乾燥、接触加熱乾燥、熱風乾燥、真空乾燥など。また、電離放射線照射線乾燥等の特殊な乾燥技術を含んでもよい。)して、その「適宜な基材」から剥離して、所定の厚さの本発明の「発光シートA3」を得る、さらには、「適宜な基材」から剥離後、焼成(または、成形)して、または、焼成(または、成形)した後その「適宜な基材」から剥離し、所定の厚さの本発明の「発光シートA3」を得る。(図6参照。)
上記した撹拌装置において、特に、マグネチックスターラー方式、エアレーション方式やスプレードライ方式の攪拌装置は、「微粒子P1」への不要な「せん断応力」の負荷を、極力、低く抑えることを可能とし、望ましい。
上記した「透明な樹脂J2」としては、各種の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、もしくは電離放射線硬化性樹脂を用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、透明性を有する、アクリル酸エステル樹脂、セルロース系樹脂、ビニル系樹脂、アクリルアミド樹脂、もしくは、ポリスチレン樹脂等が、また、熱硬化性樹脂としては、やはり透明性を有する、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン樹脂、シリコン樹脂、もしくは、フッ素化樹脂等が挙げられる。
さらには、これらの樹脂の屈折率を、用いられる「応力発光材料」の「微粒子P1」の屈折率に対応して設定すると、その「微粒子P1」からの「発光」を強め、その視認性を高めることができる。
例えば、「透明な樹脂J2」の屈折率と「微粒子P1」の屈折率の「屈折率差」を、0.3以下、さらには、0.1以下とすると、その「透明な樹脂J2」と「微粒子P1」の「界面」における反射率が小さくなり、「微粒子P1」の「発光」した「光」を効率よく観察者へ伝えることができる。
また、「透明な樹脂J2」の屈折率と、「『微粒子P1』の中に含まれる『透明樹脂』」の屈折率の「屈折率差」を、0.1以下、さらには、0.03以下とすることも好適であり、それらの「樹脂」の界面での界面反射率をほぼ「0」とすることができ、「微粒子P1(その中に含まれる『応力発光材料』)」の「発光」した「光」をさらに、効率よく観察者へ伝えることができることとなり好適である。
ここで、「透明な樹脂2」と「微粒子P1」との含有比率は、5/95〜100/5、特には、5/30〜100/30とする。さらには、その「透明性」を重視して、100/20〜100/5とすることも好適である。
この混合比率が、5/95より小さいものとすると、「発光シートA3」の強靭性が低下し、偽造防止目的の用途においては、信頼性に欠けるものとなり、100/5を超えるものとすると、発光強度が不十分となる。
そして、この「応力発光材料を構成する『構造』に固有の波長の光」が、上記した「所定波長の光」であって、通常は、「可視光」の波長範囲、すなわち、光の波長で、400nm〜800nmの範囲にあり、一つの種類の「応力発光材料」に対応して、一つの波長の光が発光する。従って、この発光した「所定波長の光」を観察者が目視にて視認できることとなる。
ここで、この「所定波長の光」の強度を、目視にて視認可能とするために、その「発光輝度」を、少なくとも1.0mcd/cmの大きさとする。
また、本発明における「発光シートA1〜A3」が表示する「所定のパターン」として、発光シートA1〜A3」の種類や型番号、製造メーカー名や、その製造日を採用し、その「発光シートA1〜A3」のトレーサビリティを確保することも好適である。
この「発光シートA1〜A3」に、刻印器やレーザー刻印装置等を用いて、「所定のパターン」を発光表示可能な「切欠け部や凹部等」を追加で設けることも好適であり、その場合には、配送経路情報(日時含む。)や郵便経路情報(同左。)等を採用することが好ましい。
さらに、ある限定した用途や目的に使用するために製造する「発光シートA1〜A3」などには、その用途や目的に応じた「情報」、例えば、ロゴ、印章、その他、他社との識別性を有する文字、図形や、記号等、すなわち、ブランドロゴ表示や、出版社、著作者、ゲーム機運用会社、高級ブランド、セキュリティ会社、金券類発券者や発行者、配達や配送会社、販売会社、その他関連組織等の名称や、真正性を表す文字や記号等を含めた「情報」であって、そのロゴや、文字、図形や、記号等が、その「シート」の付加価値や、品質保証等の信頼性を高めるもの(証明するもの)などを採用することができる。
または、単なる連続番号や記号であって、登録することによりその有効性を発現するもの、暗号鍵番号である共通鍵番号のように同一の番号、さらには、全くの乱数であって「発光シートA1〜A3」を作製するときに発生させ、作製者を含め誰も、その番号の内容を知らないように工夫した番号等、知ることが許された者(正規な購入者等を用いる。もちろん、全体システムの設計者や、「発光シートA1〜A3」を応用した製品の発行者等が含まれる場合もある。)のみが見ることができ、その他の者は、物理的に見ることができないように設定される番号または記号等を用いてもよい。
そして、このような「所定のパターン」、いわば、「隠しパターン」を確認する方法として、所定の形状の「治具」、例えば、「底のサイズが、縦30〜50mm×横50〜100mmのかまぼこ型」(長方形の底面を持ち、突出部が半円柱状となっている『形』。)であって、その突出部の曲率半径が10mm〜100mmである「治具」の、その突出部の曲面上に、本発明における「発光シートA1〜A3」を、観察者が手の指で押し当てて発光させる方法を採用することができる。(本発明の『窓付き封筒』ごとその『治具』に押し当てても良いが、実際には、一旦、『窓付き封筒』を開封し、『発光シートA1〜A3』を『窓付き封筒』から剥離した後、『治具』に押し当てることとなる。『治具』、及び、その『治具』を用いた判定状況は、図示していない。)
さらには、その確認すべき「隠しパターン」の文字サイズを、縦5〜10mm×横10〜30mmとして、その「治具」の曲面上で読み取ることができるようにすることが好ましく、より安定した真正性判定を可能とする。
一例をあげれば、「隠しパターン」の文字サイズを、10mm×横20mm(縦横比1/2の「横長」とする。)とし、「曲率半径が60mmで、底面のサイズが、縦30mm×横50mmのかまぼこ型」の形状の治具の、その曲面上に、本発明における「発光シートA1〜A3」を、その突出部に沿って文字が並ぶように配置して、観察者が手の指で押し当て、さらには、「発光シートA1〜A3」の両端を下方に引っ張ったり、その状態で治具に擦りつけるように動かしたり(『シート』を『しごく』動作とも表現される。)して、発光した「隠しパターン」状の文字を、視認し、判定する。
より具体的には、このときの、「所定のパターン」の「表示」、例えば、「縦10mm×横20mm」の文字「真」の、幅2mmの「画線」内を、碁盤目状に設けた、多数の「切欠け部:部分B1」で埋め尽くして形成し(開口部『0.2mm×0.2mm』で、深さ『0.1mm』の『切欠け部:部分B1』を、水平方向及び垂直方向に周期0.4mmで、「碁盤目状」に、且つ、飛び飛びに、埋め尽くしたもの。)、この「切欠け部:部分B1」の「底辺」の「発光」によって、観察者には、「『真』の文字」を「『光』の文字」として視認できるものとした。
このようにして、観察者(鑑賞者、または、真正性の判定者。)は、本発明における「発光シートA1〜A3」に所定の外部負荷を与えることで、「所定波長の光」による「所定のパターン」の「表示」を視認することができ、本発明の「窓付き封筒」における「発光シートA1〜A3」上の「発光」を鑑賞したり、「窓付き封筒」そのものの真正性を判定する。
本発明の「窓付き封筒」に用いる「発光シート」の厚さは、5μm〜500μmとする。好適には、20μm〜100μmである。もちろん、この厚さは薄い方がコスト面や、透明性を確保するためには有利であるが、5μm未満では、シートとしての強度が不十分で封筒加工適正や、郵送や配送適正に欠け、500μmを超えると、窓部とその他の部分とに大きな段差が生じ、封筒加工時に引っ掛かりが起きる等、封筒加工適正や、郵送や配送適正に欠けるものとなる。
以上の方法は、「発光シート」を担持するための透明基材を介することなく、直接、形成するため、コスト面及び、管理面において優れる。
但し、「発光シートA3」の場合には、「応力発光材料の微粒子P1を分散した、透明な樹脂J2」を、適宜な透明基材の上に設けて、積層体とし、この積層体を改めて、「発光シートA3」と位置付けて用いても良く(このような『積層体』は図示していない。)、その加工適性や、ハンドリング適性に優れ、好適である。その透明基材として、厚みを薄くすることが可能であって、機械的強度や、発光シートを製造する際の処理や加工、さらには、窓付き封筒加工時の封筒用紙との接触や、各種加工機の搬送用ガイドロールとの接触に対する耐磨耗性等が高く、それらの処理や、加工に適した耐溶剤性、耐熱性及び耐摩耗性等を有するものであって、封筒に用いる材料との適度な接着性および再剥離性を有する、透明基材を用いることが好ましい。
その加工方法にもよるので、限定されるものではないが、フィルム状もしくはシート状のプラスチックが好ましい。
例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアリレート、トリアセチルセルロース(TAC)、ジアセチルセルロース、ポリエチレン/ビニルアルコール等の各種のプラスチックフィルムを例示することができる。
透明基材の厚さは、通常5〜100μmであるが、その取り扱い適正から25〜100μmとすることが望ましい。
また、「発光シート」の裏面(『窓付き封筒』の『内側』に向いている面。)に、部分B1を設けて、その部分B1からの発光が、「発光シート」の表面側からの観察より、その裏面側からの観察の方が視認し易いものとしたり、さらに、そのような部分B1に対応する表面側に、隠ぺい性の高い印刷等による、いわば、「遮蔽層」を設けて、「発光シート」の表面側からは観察ができず、その裏面側からのみ観察が可能として、本発明の「窓付き封筒」を、開封する前には、「発光シート」の存在は判別できるものの、その発光強度の小さい発光しか視認できず、その封筒上等に記載したメッセージ、例えば、「窓フィルムを裏面より剥離して、光のデザインをご鑑賞下さい。」との説明書きにより、受取人は、窓付き封筒を開封する意欲を喚起され、開封後に視認することで、本来の鮮明な「発光デザイン」を見ることができるように構成すると、「窓付き封筒」の「開封率」を大きく改善することが可能となる。
同様に、「微粒子を分散した透明な樹脂」からなる「発光シート」の「発光パターン」を、上記した「遮蔽層」で覆う等の構成により、同様の効果を得ることができる。
もちろん、「開封しなければ見ることができない」、すなわち、「開封してその発光シートをその封筒から剥して、そして、その発光シートを、固有の変形を再現可能な『専用の治具』に押し当てたり、『鋭角に折り曲げ』たりすることによってしか視認することができない」、「発光条件設定」としたり、「秘匿してある発光パターン」を含めることによって、「開封を促す」ことも好適である。その場合にも、もちろん、適宜なメッセージをその封筒上に記載することが重要である。
また、「発光シート」の大きさを、「窓付き封筒」に設けた「窓部」の大きさより、一回り大きくし、「窓付き封筒」の「窓」からは、その「発光シート」の一部しか視認できず、残りの部分(その『窓』から内側にはみ出している部分。)は、封筒を開封し、その「発光シート」を封筒から剥して確認しないと視認できない構成として、所定のメッセージ記載のもと、その「残りの部分」を観察するように促し、開封を促進することも好適である。
この場合の「発光シート」の大きさは、封筒の「窓部」の大きさの面積に対する面積比で、1.1倍〜4倍とする。
従って、封筒窓部のサイズが、タテ45mm×ヨコ80mmであった場合は、「発光シート」の大きさを、
タテ×ヨコ : 55×130mm(2.0倍)
同上 : 60×240mm(4.0倍)
同上 : 90×100mm(2.5倍)
等とする。
1.1倍未満であれば、上記した見えない部分の面積が小さく、開封意欲の促進効果が不十分となり、4.0倍を超えると、「窓付き封筒」に入りきらなくなる。
3.環境対応
さらに、最も受取人の注意をひくことができる、「環境対応」を施した製品とするため、「窓付き封筒」そのものを環境にやさしい材料で構成することで、受取人に好感をもたせるとともに、他の郵便物・配送物との差別化を図る。
このために、「発光シート」を、「生分解プラスチック」で構成する。
すなわち、「発光シート」を、「微粒子状の応力発光材料」と「透明な樹脂」で構成し、この「透明な樹脂」を以下に説明する、「生分解プラスチック」とする。
生分解性プラスチックとは、1種類の生分解性プラスチック単独であることのみならず、1種類の生分解性プラスチックに澱粉を混ぜたもの、あるいは複数種類の生分解性プラスチックの混合物、あるいはこれらの混合物に可塑剤が添加された組成物等をも包含する。
発光シートを、透明基材を用いた積層体とする方法においては、その透明基材、及び、その「透明な樹脂」の両方を、生分解性プラスチックとするなど、発光シートとして、窓付き封筒に設けられる「シート」の全てを、生分解性プラスチックで構成するものとする。
もちろん、この発光シートを、窓付き封筒に貼着する接着剤も、可能な限り、生分解性プラスチックとする。
さらには、封筒本体を構成している封筒上紙と封筒下紙等を非木材紙から構成することも好適である。
非木材紙の原料には農産廃棄物、草木類、繊維作物などが利用でき、例えば農産廃棄物としては、さとうきびの糖汁を搾り取った後のカス(バガス)、麦わら、稲わら、パーム椰子(パーム油抽出後に廃棄される房の部分)、バナナ(収穫後の幹の部分)など、草木類としては、竹、葦、エスパルト(北アフリカ、南スペインが主生育地で固く強い草)、雑草など、さらには、繊維作物としてケフナ、アバカ、サイザル、ジュート、亜麻、コットンリンター、こうぞ、雁皮、みつまたなど用いることができる。
このことにより、本発明の「窓付き封筒」を、湿性の土中に埋めることで、封筒全体も分解できるようになる。
上記したように、封筒下紙の重ね合わせ面には封筒上紙の窓部に対応する位置に宛名部が設けられているとともに、封着部分に囲まれた内部領域であってその窓部に対応しない位置に情報記録部が設けられているが、この宛名部と情報記録部とは、大豆油を溶剤として含有する大豆油インキを用いて所要な情報、罫線、図柄など、印刷すべき事項や、地紋等が印刷されており、また、封筒上紙の外表面(封筒本体としての外面)には郵便料金前納表示マーク等が印刷されていて、これらの印刷を大豆油インキにて印刷形成することがまた好適である。
さらに封筒上紙のマーク以外の領域と封筒下紙の外表面(封筒本体としての外面)にも必要に応じて印刷すべき事項を設けることができ、その場合にも大豆油インキを用いて印刷することができる。
この印刷に際して、大豆油インキはインキ皮膜の硬度が高いので、耐熱性、耐摩擦性に優れ、印字装置の搬送部やトナー定着部(ノンインパクトプリンタの場合)、印字ヘッド(感熱プリンタの場合)へのインキの付着による汚れが生じ難く、この汚れに伴う封筒側への転移も生じないようになり、連続して大量の印字動作が可能となる。
従って、使用後の窓付き封筒は、土壌中あるいは堆肥中に廃棄することで加水分解あるいは/および微生物により炭酸ガスと水に分解され、ゴミとして自然界に残留することがなく、景観悪化や環境破壊が抑制される。
また、窓付き封筒や、その印刷インキのみが生分解性プラスチックで、発光シートが通常の透明な樹脂(もしくは、透明基材上に透明な樹脂を設けた積層体。)にて形成されていれば、窓付き封筒から個々に、発光シートを剥がして分別処理しなければならないが、上記の構成とすれば、そのような手間もかからないので、窓付き封筒の回収、処理が容易である。
このような生分解性プラスチックとして、脂肪族ポリエステル系の生分解性プラスチックが使用され得る。
脂肪族ポリエステル系の生分解性プラスチックとしては、ラクトン系樹脂あるいはポリブチレンサクシネート系樹脂あるいはポリ乳酸系樹脂、ポリブチレンサクシネート/テレフタレート共重合体を挙げることができる。
ラクトン系樹脂とポリブチレンサクシネート系樹脂と生分解性の可塑剤との混合物、またはポリ乳酸系樹脂と生分解性の可塑剤との混合物、またはポリ乳酸系樹脂と澱粉との混合物、あるいは変性ポリビニルアルコールと澱粉と脂肪族ポリエステル系樹脂との混合物から形成されてなるものが好ましく、それによって押出成形が容易で、使用時の物性、廃棄後の生化学的分解性等においてバランスがとれた発光シートを提供することができる。
4.窓付き封筒の形成方法
本発明の窓付き封筒1は、上記したように、種々の製袋機を用いて、加工可能であるが、その一例としては、封筒本体2の窓部3に、発光シート4を、上記した適宜な接着剤(図示せず。)を用いて、貼着したものとする。
但し、この接着剤は、一般的な粘着剤や接着剤を用いることができるが、特に、「再剥離性」を有することが好ましい。
接着剤には、エポキシ・変成シリコーン樹脂系等の弾性系接着剤、熱可塑性樹脂系接着剤、オレフィン樹脂系、EVA系などのホットメルト系接着剤、酢酸ビニル系、EVA系、アクリル系などのエマルジョン系接着剤、エラストマー系接着剤、熱硬化性樹脂系接着剤、アルキル-α-シアノアクリレート系等の瞬間系接着剤、粘着・接着形接着剤、ゴム系接着剤、一液形接着剤、二液混合形接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、反応形アクリル系接着剤、ポリウレタン系接着剤、塩化ビニル・酢酸ビニル系、ウレタン系、ポリエステル系、ニトロセルロース系などの樹脂系溶剤形接着剤、クロロプレンゴム系、ニトリルゴム系、SBRゴム系などのゴム系溶剤形接着剤、エポキシ変性、ポリビニルアセタール変性、ニトリルゴム変性などのフェノール樹脂、ポリ乳酸系接着剤(環境配慮)、さらには、再湿接着剤(水分を加えることで接着性を復活させるもの)等を用いることができる。
粘着剤には、天然ゴム系、合成ゴム系、熱可塑性エラストマー系などのゴム系粘着剤、溶剤型アクリル系、エマルション型アクリル系、液状紫外線硬化型、電子線硬化型などのアクリル系粘着剤、過酸化物硬化型シリコーン系、付加型シリコーン系などのシリコーン系粘着剤、ポリウレタン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤等に、適宜、ロジン系、テルペン系、石油樹脂系などの粘着付与剤を添加したものや、これらのエマルション型やホットメルト型等、さらに、再剥離型アクリル系粘着剤、微粘着型シリコーン系粘着剤、ポリ乳酸系粘着剤(環境配慮)、さらには、再湿粘着剤(水分を加えることで粘着性を復活させるもの)等を用いることができる。
また、これらの混合系を用いることができ、さらに、種々の添加剤、すなわち、マイクロシリカ、炭酸カルシウム等の体質顔料など、種々の通常用いられる添加剤も用いることができ、本発明においても、用途に応じ、これらを適宜入れ替えたり、混合したりして用いることができる。
これらは、処理する方法により、例えば、圧力を掛けて処理する場合には、感圧接着剤・粘着剤と呼ばれ、加熱処理する場合には、感熱接着剤・粘着剤と呼ばれる。
その形成厚さは、「紙」の上に適用する場合は、「紙」への浸透を考慮し、3μm〜10μmの厚さで形成し、「樹脂フィルム」の上に適用する場合には、その浸透がないため、薄くすることができ、0.5μm〜3μmの厚さで形成する。
もちろん、これら材料をパターン印刷処理する代わりに、適宜な幅の両面テープを適用して接着(粘着)させることも好適である。特に、受取人に封緘処理をさせる場合などは、その封緘部分に両面テープを剥離紙を残したまま適用する。(再湿接着剤や再湿粘着剤も用いうる。)
一般的には、封筒上紙の開口部(窓部)の開口位置から数mmの位置に、幅1mm程度で、厚さ5μm程度のパターン状に形成され、発光シート4をその上に載せた後、発光シート4全体に圧力を掛け、接着剤形成部にて圧着されることで、発光シート4を固定する。
このとき、部分B1の形成面は、表側にあっても、裏側(封筒内部側)にあってもよいが、開封率を向上させるために、裏側を向いていた方が好適である。その上、郵送、乃至は、配送される際にその部分B1の形成面が他の郵便物や、配送物等と接触しないため、損傷を受けにくいという利点を有する。
封筒本体2は、封筒上紙5と、封筒下紙6とを製袋処理ユニットをセットした、一般的なフォーム印刷機等を用いて、上記した適宜な接着剤から選択した、封筒製袋用の接着剤11により製袋され、バースト処理されて、個々の封筒となる。封筒上紙5には、必要に応じ所定のマーク10(郵便マーク等)が印刷されている。
封筒本体2、封筒上紙5と、封筒下紙6には、その用途の応じ、封筒に用いられる紙、若しくは板紙は、一般的には、印刷用紙・情報用紙、包装用紙、雑種紙、若しくは、段ボール原紙、紙器用板紙等を適宜選択し用いる。その厚さは、用途により適宜選択するが、例えば、連量が45kg/四六判(メートル坪量52.3g/m)〜180kg/四六判(メートル坪量209.3g/m)の上質紙等を用いる。
この個々の封筒本体2には、一般的な封入・封緘機を用いて、別途準備した、所定の位置に印字された宛名部8や、その他の部分に印字された情報記録部9をその表面に持つ、書面等12からなる封入物が挿入され、封緘されて、郵便物もしくは配送物となって、郵便配達乃至は、宅配配送される。郵便物の場合には、郵便法及び郵便規則に準拠して、材料選択及び加工処理される。
製袋加工時や、封入・封緘時に貼着されている発光シート4のホログラムレリーフ面が損傷を受けないよう配慮することが必要である。もちろん、その反対面が傷ついた場合にも、その透明性が低下するため、いずれの面も擦り傷等の損傷を受けないよう十分な配慮が必要となる。
5.応力発光材料
本発明の「窓付き封筒1」に用いられる「発光シート4、もしくは、発光シートA1〜A3(以下、『発光シートA1〜A3』として説明する。)」に含まれる「応力発光材料」としては、以下のものを用いることができる。(図4〜図6参照。図4及び図5においては、『発光シートA1、または、A2』を、『応力発光材料』そのもの、もしくは、『応力発光材料を組成とする微粒子P1』における『微粒子P1』を分散した『透明な樹脂J2』で構成するが、図6においては、『発光シートA3』を、その後者のみで構成する。図6においては、『微粒子P1』と、『透明な樹脂J2』を明示している。以下、同様。)
(1)多面体構造の複数の分子によって形成される母体結晶の空間に、アルカリ金属イオン、及び/または、アルカリ土類金属イオンが、挿入された基本構造を有し、その空間に挿入された、アルカリ金属イオン、及び/または、アルカリ土類金属イオンの、一部が、希土類金属イオン、遷移金属イオン、III族の金属イオン、および、IV族の金属イオンからなる群より選択される、少なくとも1種の金属イオンによって置換されている応力発光材料。
(2)少なくともAlO様構造、および、SiO様構造の四面体構造を有する複数の分子が、その四面体構造の頂点の原子を共有して結合することにより形成された母体結晶の空間に、アルカリ金属イオン、および、アルカリ土類金属イオンの少なくとも一方が挿入された基本構造を有し、その母体結晶は、さらに、非対称性のフレームワーク構造を有していて、その空間に挿入されたアルカリ金属イオン、および、アルカリ土類金属イオンの少なくとも一方の一部が、希土類金属イオン、および、遷移金属イオンの少なくとも1種の金属イオンに置換されている応力発光材料であって、特に、少なくともAlO様構造およびSiO様構造の四面体構造を有する複数の分子によって形成された3次元構造(3次元フレーム構造)と、非対称性のフレキシブルなフレーム構造とを有する基本構造に、発光中心が挿入された構成を持つことで、この応力発光材料を含む、本発明における「発光シートA1〜A3」が、手で軽く変形させるだけで発光することができるものとなるもの。
(3)歪エネルギーにより発光する条件を満たしている応力発光材料、すなわち、歪エネルギーの形成によって、圧電効果、格子欠陥、および変形による発熱等の機構により発光する応力発光材料。
(4)複数の結晶構造が混在(混和)してなる「混相」を含んでいる応力発光材料。すなわち、複数の結晶構造が混在してなる「混相」とすることにより、単独の結晶構造では実現出来なかった、目視できる高効率な(高輝度な)赤色応力発光が可能な発光材料とするもの。
さらに、本発明における「発光シートA1〜A3」に用い得る「応力発光材料」として、上記以外の種々の材料を用いることができる。
B.第II態様の窓付き封筒
上述の窓付き封筒(第I態様の窓付き封筒)と別態様の窓付き封筒(第II態様の窓付き封筒)について説明する。
本態様の窓付き封筒は、窓部を有する封筒本体と、上記封筒本体の上記窓部に配置された発光シートと、を有するものである。
このような本態様の窓付き封筒としては、上記発光シートが、透明基材と、上記透明基材の少なくとも一方の表面に形成され、応力発光材料の微粒子および透明な樹脂を含有する応力発光層と、を有する態様、すなわち、発光シートが透明基材および応力発光層を有する積層型発光シートである態様(第IIa態様)と、上記発光シートが、応力発光材料からなる応力発光層であるもの、または、応力発光材料の微粒子および透明な樹脂を含有する応力発光層であるものである態様、すなわち、発光シートが応力発光層のみである単層型発光シートである態様(第IIb態様)と、に分けることができる。
以下、本態様の窓付き封筒を、各態様に分けて説明する。
1.第IIa態様
本態様の窓付き封筒の第IIa態様は、窓部を有する封筒本体と、上記封筒本体の上記窓部に配置された発光シートと、を有するものであって、上記発光シートが、透明基材と、上記透明基材の少なくとも一方の表面に形成され、応力発光材料の微粒子および透明な樹脂を含有する応力発光層と、を有する態様である。
本態様によれば、このような発光シートを有することにより、自由度高く発光箇所を設定することができる。
本態様の窓付き封筒について図を参照して説明する。図7は、本態様の窓付き封筒の一例を示す概略平面図であり、図8は、図7のA−A線断面図である。
図7および図8に例示するように、本態様の窓付き封筒1は、窓部3を有する封筒本体2と、上記封筒本体2の窓部3に配置された発光シート4と、を有し、上記発光シート4が、透明基材22と、上記透明基材22の少なくとも一方の表面に形成され、応力発光材料の微粒子(以下、単に微粒子と称する場合がある。)および透明な樹脂を含有する応力発光層23と、を有する積層型発光シートであり、応力発光層23が、露出領域の一部を覆うパターン状に形成されているものである。
また、図7および図8は、応力発光層23の形成箇所が、窓部3から平面視上露出する領域である露出領域21a内のみであり、応力発光層の平面視形状がドット形状であり、さらに、発光シート4は、封筒本体2の内部側から上記窓部3を覆うように配置される例を示すものである。
本態様の窓付き封筒は、封筒本体および発光シートを有するものである。
以下、本態様の窓付き封筒の各構成について詳細に説明する。
なお、封筒本体については、上記第I態様の項に記載の内容、例えば、上記「A.第I態様の窓付き封筒」の「1.封筒」および「4.窓付き封筒の形成方法」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(1)発光シート
本態様における発光シートは、透明基材と、上記透明基材の少なくとも一方の表面に形成され、応力発光材料の微粒子および透明な樹脂を含有する応力発光層と、を有するものである。
なお、透明基材については、上記第I態様の項に記載の内容、例えば、上記「A.第I態様の窓付き封筒」の「2.発光シート」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(a)応力発光層
本態様における応力発光層は、上記透明基材の少なくとも一方の表面に形成されるものである。
上記応力発光層は、応力発光材料の微粒子および透明な樹脂を含有するものである。つまり、応力発光層は、微粒子が透明な樹脂に分散されたものである。
応力発光材料、微粒子および透明な樹脂については、上記第I態様の項に記載の内容と同様とすることができる。
例えば、上記応力発光材料については、上記「A.第I態様の窓付き封筒」の「2.発光シート」、「5.応力発光材料」の項等に記載の内容と同様とすることができる。
上記微粒子については、上記「A.第I態様の窓付き封筒」の「2.発光シート」の項等に記載の応力発光材料の微粒子、微粒子、微粒子化した応力発光材料等と同様の内容とすることができる。
また、上記透明な樹脂については、上記「A.第I態様の窓付き封筒」の「2.発光シート」、「3.環境対応」等の項等に記載の所定の透明な樹脂、透明な樹脂等と同様の内容とすることができるので、ここでの説明は省略する。
上記応力発光層は、上記透明基材の少なくとも一方の表面に形成されるものである。
ここで、透明基材の表面に形成されるとは、応力発光層が透明基材と直接接する場合に限らず、接着層等の他の層を介して形成される場合も含むものである。
上記応力発光層の平面視上の形成箇所としては、上記透明基材の少なくとも一方の表面に形成されるものであればよく、例えば、上記窓部から平面視上露出する露出領域内のみであるもの、上記窓部から平面視上隠ぺいされた隠ぺい領域内のみであるもの、上記露出領域内および隠ぺい領域内の両領域内であるものとすることができる。
上記形成箇所が露出領域内であることにより、上記窓付き封筒は、開封前において応力発光層により窓部が発光可能なもの、情報等を表示可能なもの等となり、意匠性、偽造防止性に優れたものとすることができる。
また、上記形成箇所が隠ぺい領域内であること、すなわち、窓部の周辺に応力発光層が配置されることにより、例えば、上記窓付き封筒は、開封前において応力発光層の存在を隠ぺいしつつ窓部の外周部が発光可能なもの、開封することで応力発光層により情報等を表示可能なものとすることができ、意匠性、偽造防止性に優れたものとすることができる。
なお、図7および図8ならびに図9は、上記形成箇所が露出領域21a内のみである例を示すものである。
図10は、上記形成領域が隠ぺい領域21b内のみである例を示すものである。
また、図9(a)および図10(a)はそれぞれ発光シート4の概略平面図であり、図9(b)および図10(b)はそれぞれ図9(a)のB−B線断面図および図10(a)のC−C線断面図である。
また、図9(a)および図10(b)において、破線で囲まれる領域は露出領域21aを示すものである。
以下、応力発光層について、形成箇所が露出領域内であるものおよび隠ぺい領域内であるものに分けて説明する。
(i)露出領域内の応力発光層
上記応力発光層の形成箇所は、窓部をとおして、宛名、バーコード等の窓付き封筒内に封入される内容物に記載された記載内容(以下、封入物の記載内容と称する場合がある。)を視認可能なものであれば特に限定されるものではなく、露出領域の全面であってもよく、露出領域の一部を覆うパターン状であってもよい。
なお、既に説明した図7〜図9は、上記形成箇所が、露出領域の一部を覆うパターン状である例を示すものである。
上記応力発光層の形成箇所が露出領域の一部を覆うパターン状である場合、上記応力発光層の形成位置としては、封入物の記載内容と平面視上重なる中央部内、中央部を囲む外周部内、または、中央部および外周部の両領域内等とすることができる。
なお、既に説明した図7および図8は、上記形成位置が、露出領域21の中央部内21a1および外周部21a2内である例を示すものである。また、図9および図11は、上記形成位置が露出領域21の外周部21a2内のみである例を示すものである。
中央部は、封入物の記載内容と平面視上重なる領域であり、通常、露出領域の重心を含む所定の面積を占める領域とすることができる。例えば、中央部は、露出領域と同一重心であり露出領域と相似形の領域とすることができる。
中央部の露出領域に占める面積割合としては、露出領域および中央部のサイズ等によって異なるものであるが、例えば、露出領域の面積の10%以上とすることができ、10%〜90%の範囲内であることが好ましい。また、中央部の占める面積としては、封入物の記載内容の全てを含むことができる面積とすることが好ましい。
上記外周部の幅としては、露出領域のサイズ等により異なるものであるが、例えば、露出領域の端部から2mm〜5mmの範囲内とすることができる。
なお、図11(a)は発光シート4の概略平面図であり、図11(b)は図11(a)のD−D線断面図である。
上記応力発光層の形成箇所が露出領域の一部を覆うパターン状である場合、応力発光層の平面視形状としては、ドット形状(網点形状)、ライン形状、複数の開口部が配列した形状であるメッシュ形状等とすることができる。
上記平面視形状は、上記応力発光層の形成位置が露出領域の中央部内である場合には、ドット形状であることが好ましい。上記平面視形状が上記形状であることにより、窓付き封筒は、窓部をとおして、封入物の記載内容を視認容易なものとなるからである。
また、ドット形状であることにより、上記応力発光層は、文字等を用いて情報を表示する形状とすることが容易となるからである。例えば、ドット形状の応力発光層を企業ロゴ等を表わす図柄に配置することにより企業ロゴを容易に描画できるからである。
なお、既に説明した図7は、応力発光層の平面視形状がドット形状である例を示すものである。
また、既に説明した図9および図11は、応力発光層の平面視形状がライン形状である例を示すものである。
上記ドット形状の応力発光層の平面視形状としては、所望の発光が可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、三角形状、四角形状、五角形状等の多角形状、円形状、楕円形状等とすることができる。
なお、既に説明した図7は、応力発光層の平面視形状が正方形である例を示すものである。
上記メッシュ形状の応力発光層における開口部の形状としては、上記ドット形状の応力発光層の平面視形状と同様とすることができる。
上記応力発光層の形成箇所が露出領域の一部を覆うパターン状である場合、応力発光層の幅としては、所望の発光が可能なものであれば特に限定されるものではないが、例えば、5μm〜1000μmの範囲内とすることができ、20μm〜100μmの範囲内であることが好ましい。上記幅が上述の範囲内であることにより、応力発光層の形成位置が露出領域の中央部内である場合でも、窓付き封筒は、窓部をとおして、封入物の記載内容を視認容易なものとなるからである。特に、幅が100μm以下である場合には、封入物に記載される宛名等の文字およびバーコード等の線幅が通常100μm以下であることから、窓付き封筒は、窓部をとおして、封入物の記載内容を視認容易なものとなるからである。
また、応力発光層の形成位置が露出領域の外周部等である場合には、例えば、2mm〜5mmの範囲内等とすることができ、上記幅が外周部の幅と同様であるもの、すなわち、応力発光層が外周部の全面を覆うものであってもよい。
なお、応力発光層の幅は、応力発光層の端部間の距離であり、応力発光層の平面視形状がドット形状である場合には、応力発光層を囲むことができる最小面積の長方形の短辺の長さとすることができる。応力発光層の幅は、上記平面視形状がメッシュ形状である場合には、メッシュ形状を構成するライン形状の応力発光層の幅等とすることができ、例えば、隣接する開口部間の距離とすることができる。
上記平面視形状がドット形状およびライン形状である場合の応力発光層の幅、具体的には、既に説明した図8、図9(a)および図11(a)中のaで示される距離とすることができる。
応力発光層のピッチとしては、上記平面視形状がドット形状またはメッシュ形状である場合、10μm〜1000μmの範囲内とすることができる。
なお、応力発光層のピッチは、隣接する応力発光層間の距離をいうものである。
平面視形状がドット形状である場合の応力発光層のピッチは、具体的には、既に説明した図8中のbで示される距離とすることができる。
また、平面視形状がメッシュ形状である場合の応力発光層のピッチは、具体的には、開口部の幅とすることができる
応力発光層の幅およびピッチは、上記平面視形状がドット形状またはメッシュ形状である場合、1種類のみであってもよいが、応力発光層の形成箇所が露出領域内である場合には、2種類以上を含むことが好ましい。
幅およびピッチが2種類以上であること、例えば、平面視サイズの異なるドット形状の応力発光層が2種類以上のピッチで配置されることで応力発光層が平面視上ランダムに形成されたものとなることにより、応力発光層は、回折格子と機能して回折光を発生することを抑制できるからである。したがって、窓付き封筒は、窓部をとおして、封入物の記載内容を視認容易なものとなるからである。
幅およびピッチが2種類以上である応力発光層としては、例えば、「大きさ」でいえば、直径10μm〜直径100μmの円形領域の応力発光層が、その応力発光層により被覆される露出領域の面積割合を均一に保ちながら、ランダムに離間している状態とすることができる。
すなわち、幅およびピッチが2種類以上である応力発光層としては、最も単純な例示により説明すると、300μm四方の正方形領域をイメージしたとき、その一つの正方形の中には、直径20μmの円形状の応力発光層のみが、20μmだけ離間して整然と並び、隣の正方形領域の中には、直径100μmの円形状の応力発光層のみが、100μmだけ離間して整然と並び、その二つの正方形での応力発光層により被覆される露出領域の面積割合は、いずれも50%と同一である、というような状態をいう。
もちろん、応力発光層は上記したように整然と並ぶことは必要なく、その並び方もランダムなものとすることが好ましいことはいうまでもない。
上記応力発光層の形成箇所が露出領域の一部を覆うパターン状である場合、応力発光層のパターン形状、すなわち、応力発光層が形成される領域である形成領域の平面視形状であり、応力を付与した際に発光する領域の形状、または応力発光層が形成されていない領域である非形成領域の平面形状であり、応力を付与した際に発光しない領域の形状としては、窓部をとおして、封入物の記載内容を視認可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、文字等を用いて情報を表示する形状;四角形状、三角形状等の多角形状、円形状、楕円形状;露出領域の重心を囲む枠形状;さらには、これらの形状を組み合わせた形状等とすることができる。
このような情報等を表示する形状としては、上記第I態様の項に記載の内容と同様とすることができ、例えば、上記「A.第I態様の窓付き封筒」の「2.発光シート」の項に記載の所定のパターンと同様とすることができる。
なお、既に説明した図9は、応力発光層のパターン形状が、ライン形状の応力発光層が露出領域の外周部に形成されることで描画された露出領域の重心を囲む枠形状である例を示すものである。
また、図11は、応力発光層のパターン形状が、ライン形状の応力発光層により描画された数字「123」等の情報を表示する形状である例を示すものである。
上記応力発光層の形成箇所が露出領域の一部を覆うパターン状である場合、応力発光層の被覆面積は、露出領域内で一定であってもよいが、露出領域の端部側より重心側で狭いことが好ましい。
上記被覆面積が露出領域の端部側より重心側で狭いものである場合、応力発光層は、例えば、その被覆面積が、露出領域の端部側で50%で重心に向かって0%になるように、露出領域の端部側から重心側に向かって段階的にまたは連続的に狭くなるようにグラデーションになっているものとすることができる。
その結果、発光シートは、露出領域の端部より重心に近いほど可視光透過率(以下、単に透過率と称する場合がある。)の高いものとなり、窓付き封筒は、窓部をとおして、封入物の記載内容を視認容易なものとなるからである。
なお、上記被覆面積は、例えば、露出領域の重心から端部に向かって伸ばした直線上に、同一形状および面積の2つの正方形領域を、それぞれの領域の中心が上記直線と重なるように隣接配置した場合に、それぞれの正方形領域での応力発光層の平面視面積とすることができる。
そして、露出領域の端部側より重心側で狭いとは、上記直線上に設定される2つの隣接する正方形領域の被覆面積を比較した際に、端部側より重心側で狭いものが含まれることをいうものである。
また、重心側の正方形領域および端部側の正方形領域は、露出領域内に配置されるものであり、露出領域内において重心と端部とを結ぶ正方形領域の辺のサイズと同じ幅の帯状領域内と、露出領域とが平面視上重なる領域内に配置することができる。
ここで、重心側の正方形領域および端部側の正方形領域の1辺のサイズは、被覆面積の傾向を安定的に比較できるサイズであればよく、露出領域のサイズ、正方形領域が設定される上記直線の向き、およびパターン状の応力発光層のサイズ等に応じて適宜設定されるものである。
上記1辺のサイズとしては、例えば、300μmとすることができる。
図9および12は、被覆面積が露出領域の端部側より重心側で狭い例を示すものである。また、図9は、同一幅のライン形状の応力発光層が、露出領域21aの外周部内に形成される例を示すものであり、被覆面積が、応力発光層の形成されている形成領域内で一定である例を示すものである。さらに、図12は、同一面積のドット形状の応力発光層が同一ピッチで形成される例を示すものであり、被覆面積が、応力発光層の形成領域内で一定である例を示すものである。
一方、図13は、被覆面積が露出領域の端部側より重心側で狭い例を示すものである。また、図13は、同一面積のドット形状の応力発光層が、ピッチが端部側より重心側で広くなるように形成される例を示すものであり、被覆面積が、応力発光層が形成されている領域である形成領域内で端部側より重心側で狭い例を示すものである。
なお、図13(a)は、発光シートの一例を示す概略平面図であり、図13(b)は図13(a)のE−E線断面図である。
また、形成領域内での端部側および重心側の被覆面積の比較方法については、露出領域内の被覆面積の比較方法と同様の方法を用いることができる。上記比較方法は、例えば、上記正方形領域を上記形成領域内に配置して被覆面積を比較する方法を用いることができる。
上記被覆面積の調整方法としては、所望の被覆面積とすることができる方法であればよく、応力発光層の形成位置、応力発光層の平面視形状および平面視面積等を調整する方法を挙げることができる。
上記調整方法は、例えば、図9および図12に示すように、応力発光層の形成位置が、中央部を含まないものとする等、上記形成位置を調整する方法を挙げることができる。
また、上記調整方法は、図13に示すように、同一面積のドット形状の応力発光層23を設け、かつ、そのドット形状の応力発光層23の数を端部側より重心側で少なくする方法、ドット形状の応力発光層を同一数設け、かつ個々のドット形状の応力発光層の面積を、端部側より重心側で狭いものとする方法等のように応力発光層の形成領域内の被覆面積を調整する方法を挙げることができる。
上記応力発光層により被覆される中央部の面積割合(中央部内の応力発光層の被覆面積/中央部の面積)としては、具体的には、35%以下とすることができ、なかでも、10%〜20%の範囲内であることが好ましい。
また、上記応力発光層により被覆される外周部の面積割合(外周部内の応力発光層の被覆面積/外周部の面積)としては、具体的には、50%以下であることが好ましく、なかでも、35%〜50%の範囲内であることが好ましい。上記面積割合が上述の範囲内であることにより、窓付き封筒は、窓部をとおして、封入物の記載内容を視認容易なものとなるからである。
なお、中央部での面積割合は、中央部の全面での平均の面積割合をいうものである。また、外周部での面積割合は、外周部の全面での平均の面積割合をいうものである。
また、上記面積割合の対象となる中央部は、露出領域と同一重心であり露出領域と相似形の領域であり、露出領域の面積の10%となる領域とすることができる。また、上記面積割合の対象となる外周部は、露出領域の上記中央部以外の全領域とすることができる。
上記応力発光層の厚みは、所望の発光強度の応力発光層とすることができるものであれば特に限定されるものではないが、上記発光シートおよび透明基材の厚みに応じて適宜設定されるものである。具体的には、上記応力発光層の厚みについては、上記第I態様の項に記載の内容、例えば、上記「A.第I態様の窓付き封筒」の「2.発光シート」の項等に記載の内容と同様とすることができる。
本態様において、応力発光層の厚みは、露出領域内で一定であってもよいが、露出領域の端部側より重心側で薄いことが好ましい。
上記形成領域内の応力発光層の厚みが端部側より重心側で薄いことで、例えば、応力発光層の厚みは、露出領域の端部側で100とした場合に端部側から重心側に向かって0になるように、応力発光層の厚みが露出領域の端部側から重心側に向かって段階的にまたは連続的に薄くなるようにグラデーションになっているものとすることができる。
その結果、発光シートは、露出領域の端部より重心に近いほど透過率の高いものとすることができ、窓付き封筒は、窓部をとおして、封入物の記載内容を視認容易なものとなるからである。
図14は、応力発光層23の厚みが、露出領域21aの端部側より重心側で薄い例を示すものである。
また、図14(a)は、発光シート4の概略平面図であり、図14(b)は図14(a)のJ−J線断面図である。また、図14(a)では説明の容易のため、透明基材の記載を省略するものである。
なお、露出領域内での端部側および重心側の厚みの比較方法については、露出領域内の被覆面積の比較方法と同様の方法を用いることができる。上記比較方法は、例えば、上記正方形領域を露出領域内に配置して、隣接する正方形領域の平均厚みを比較する方法を用いることができる。
上記応力発光層の厚みを、上記露出領域の端部側より重心側で薄いものとする方法については、応力発光層が露出領域の端部側に厚みの厚い厚膜部と、重心側に厚膜部より厚みの薄い薄膜部とを有し、応力発光層の断面視形状が端部側から重心側に向かって階段状に薄くなる形状とする方法を挙げることができる。
また、薄膜部の厚みは1種類であってもよいが、2種類以上であってもよい。例えば、既に説明した図14に例示するように、薄膜部42は、厚膜部41より厚みが薄い第1薄膜部42aおよび第1薄膜部42aより厚みが薄い第2薄膜部42bを有するものとすることができる。薄膜部の厚みが2種類以上であること、つまり、応力発光層の厚みが露出領域の端部側から重心側に向かって段階的に薄くなることにより、発光シートは、露出領域内での応力発光層の透過率の調整の自由度の高いものとなるからである。
また、上記方法としては、厚みが露出領域の端部側から重心側に向かって連続的に減少する形状とする方法、すなわち、応力発光層が端部側から重心側に向かって厚みが薄くなる傾斜面を有する形状とする方法であってもよい。
上記応力発光層の中央部での厚みとしては、具体的には、外周部の厚みを100とした場合に、50以下であることが好ましく、なかでも、10〜50の範囲内であることが好ましく、特に10〜20の範囲内であることが好ましい。上記厚みが上述の範囲内であることにより、窓付き封筒は、窓部をとおして、封入物の記載内容を視認容易なものとなるからである。
なお、中央部での厚みは、中央部の全面での平均の厚みをいうものである。また、外周部での厚みは、外周部の全面での平均の厚みをいうものである。
また、上記厚みの比較対象となる中央部および外周部は、上記面積割合の対象となる中央部および外周部と同様とすることができる。
上記応力発光層は、露出領域内の端部側より重心側で被覆面積が狭く、かつ、端部側より重心側で厚みが薄いものであってもよい。応力発光層は、露出領域内の可視光透過率の調整の容易なものとなるからである。
(ii)隠ぺい領域内の応力発光層
上記応力発光層の形成箇所は、少なくとも一部が透明基材と平面視上重なるものであればよく、隠ぺい領域内の透明基材の全面であってもよく、透明基材の一部を覆うパターン状であっても良い。
また、上記形成箇所は、封筒本体の内側等の透明基材と平面視上重ならない領域を含むものであってもよい。
なお、既に説明した図10は、上記形成箇所が、隠ぺい領域21b内の透明基材22の全面である例を示すものである。
上記応力発光層の形成領域が、隠ぺい領域内の透明基材の一部を覆うパターン状である場合、上記応力発光層の形成位置としては、応力発光層の端部が窓部の端部と接しないものであってもよいが、窓部の端部と接するものであることが好ましい。本態様の窓付き封筒は、未開封の状態でも窓部の発光が容易なものとなるからである。
上記応力発光層の形成領域が、隠ぺい領域内の透明基材の一部を覆うパターン状である場合、上記応力発光層の平面視形状および応力発光層のパターン形状としては、上記「(i)露出領域内の応力発光層」の項に記載の内容と同様とすることができる。
上記応力発光層の被覆面積および厚みとしては、上記「(i)露出領域内の応力発光層」の項に記載の内容と同様とすることができる。
本態様において、上記被覆面積および厚みは、重心側および端部側で異なるものであってもよいが、通常、一定である。
(iii)その他
上記応力発光層は、透明基材の一方の表面に形成されるものである。このような応力発光層の透明基材の厚み方向の形成箇所としては、透明基材の封筒本体に対する貼り付け面側の表面および貼り付け面とは反対側の表面のいずれか一方の表面、または、貼り付け面およびそれとは反対側の表面の両面とすることができる。
上記応力発光層の形成方法としては、応力発光層を透明基材の一方の表面に形成可能な方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、上記「1.第I態様」の項に記載の内容、例えば、上記「A.第I態様の窓付き封筒」の「2.発光シート」の項等に記載の内容と同様とすることができる。
上記形成方法としては、より具体的には、応力発光層の構成材料である上記微粒子および透明な樹脂等を溶媒に分散または溶解することで応力発光インキを形成し、この応力発光インキを印刷法等を用いてパターン状に透明基材上または封筒本体に塗布する方法を用いることができる。
上記印刷法および上記溶媒としては、所望のパターン形状の応力発光層を形成できるものであればよく、上記第I態様の項に記載の内容、例えば、上記「A.第I態様の窓付き封筒」の「2.発光シート」の項に記載の内容と同様とすることができる。
(b)その他の構成
上記発光シートは、透明基材および応力発光層を有するものであるが、必要に応じてその他の構成を有するものであってもよい。
その他の構成としては、例えば、応力発光層と同一平面上に形成された充填層を挙げることができる。パターン状に形成されている応力発光層の存在を隠ぺいすることができ、窓付き封筒を意匠性、偽造防止性等により優れたものとすることができるからである。
図15は、発光シートの一例を示す概略平面図(図15(a))および断面図(図15(b))であり、図15(b)は図15(a)のG−G線断面図である。図15では、発光シートが、パターン状に形成された応力発光層23と、応力発光層23と同一平面上に形成された充填層24と、を有する例を示すものである。
なお、図15では、応力発光層の形成位置は露出領域の外周部内であり、応力発光層のパターン形状は、露出領域の外周に沿ってドット形状の応力発光層がコの字型に配置された形状である例を示すものである。また、図15では、充填層の形成位置は、露出領域の外周部内であり、充填層のパターン形状は、ライン形状の充填層が露出領域の外周に沿って形成された枠形状であり、応力発光層の形成領域を含む例を示すものである。
上記充填層は、上記応力発光層と同一平面上に形成されるものである。
ここで、同一平面上に形成されるとは、応力発光層が形成されている平面と同一平面上に形成されることをいうものであり、平面視上、応力発光層が形成されていない箇所に形成されることをいうものである。
例えば、既に説明した図15において、応力発光層23および充填層24の両者が透明基材22の同一表面上に透明基材22と接するように形成されるように、充填層24は応力発光層23と共に同一の部材の同一表面上に形成されるものとすることができる。
また、充填層は、上記応力発光層の存在を隠ぺいするために用いられるものであり、充填層の形成により、充填層の形成前より応力発光層の存在を目立たないものとするものである。
上記充填層の色は、応力発光層の存在を隠ぺいできるものであれば良く、単色であっても、多色であっても良いが、充填層の色を応力発光層の色と同系色、さらには同色とするとの観点からは、単色であることが好ましい。
上記充填層の色は、単色である場合、上記応力発光層の色と同系色であることが好ましく、なかでも、上記応力発光層の色と同色であることが好ましい。上記色が上述の色であることにより、上記充填層の色がパターン状に形成された応力発光層の存在を効果的に隠ぺいすることが可能となる等、窓付き封筒は偽造防止効果等により優れたものとなるからである。
同系色であるとは、JISZ8730に規定されるL表色系における色差が20以内の色であることをいうものである。また、同色であるとは、上記色差が0.5以内の色であることをいうものである。
また、応力発光層の色は、発光していない状態での色をいうものである。
また、充填層の色は、充填層により絵柄を表わすものとし、応力発光層が形成された領域を絵柄の一部として認識されるもの等とするものであっても良い。窓付き封筒を意匠性に優れたものとしつつ、かつ、パターン状に形成された応力発光層の存在を隠ぺいすることが可能となるからである。
上記充填層の構成材料は、所望の色の充填層を形成可能なものであれば特に限定されるものではないが、樹脂材料を含むものとすることができる。また、上記構成材料は、必要に応じて、白色顔料およびその他の成分を含むものとすることができる。
本態様においては、なかでも、充填層の色を応力発光層の色と同系色とするとの観点から、上記構成材料が白色顔料を有することが好ましい。応力発光層に含まれる上記微粒子は、一般的に、白色であることから、白色顔料を有することで、充填層の色を応力発光層の色と同系色とすることが容易であり、応力発光層の存在を効果的に隠ぺいできるからである。
上記白色顔料としては、応力を加えた際にも発光しない性質を有するものであればよく、例えば、二酸化チタン、亜鉛華、三酸化アンチモン等を挙げることができる。
上記白色顔料の粒子径および含有量としては、充填層の色を応力発光層の色と同系色とすることができるものであれば特に限定されるものではない。
上記粒子径および含有量は、例えば、上記応力発光層に含有される微粒子と同様とすることができる。
上記樹脂材料は、一般的な樹脂材料を用いることができ、例えば、上記応力発光層に含有される透明な樹脂と同様とすることができる。
本態様においては、なかでも、充填層の色を応力発光層の色と同系色とするとの観点からは、上記樹脂材料が応力発光層に含まれる上記透明な樹脂と同一であることが好ましい。充填層の色を応力発光層の色と同系色とすることが容易であり、応力発光層の存在を効果的に隠ぺいできるからである。
また、上記その他の成分としては、樹脂材料と共に一般的に用いられる添加剤等を挙げることができる。
本態様においては、充填層の色を応力発光層の色と同系色とするとの観点からは、上記その他の成分が、上記応力発光層に含まれるその他の材料と同一であることが好ましく、なかでも、上記その他の成分の上記樹脂材料に対する含有比率が、上記応力発光層に含まれる他の材料の上記応力発光層に含まれる透明な樹脂に対する含有比率と同一であることが好ましい。
より具体的には、例えば上記応力発光層が着色材を含む場合、上記充填層は、上記応力発光層に含まれる着色材と同一の着色材を含むことが好ましく、さらに充填層における着色材の樹脂材料に対する含有比率は、上記応力発光層における着色材の上記透明な樹脂に対する含有比率と同一であることが好ましい。充填層を応力発光層と同系色とすることが容易であり、応力発光層の存在を効果的に隠ぺいできるからである。
上記充填層の可視光透過率としては、上記応力発光層を隠ぺいできるものであれば特に限定されるものではない。本態様においては、上記可視光透過率は、充填層の色を応力発光層の色と同系色とするとの観点からは、上記応力発光層と同一であることが好ましい。
また、可視光透過率については、ナトリウム原子のD線(590nm)における透過率を用いることができる。
上記充填層の厚みは、上記応力発光層を隠ぺいできるものであれば特に限定されるものではない。上記厚みは、例えば、上記応力発光層の厚みと同様とすることができる。
本態様においては、充填層の色を応力発光層の色と同系色とするとの観点からは、上記厚みは上記応力発光層の厚みと同一であることが好ましい。充填層の色を応力発光層の色と同系色とすることが容易であり、応力発光層の存在を効果的に隠ぺいできるからである。
上記充填層の平面視上の形成箇所は、応力発光層が形成されていない箇所であれば特に限定されるものではなく、例えば、応力発光層が形成されていない箇所の全てを含むものであって良く、応力発光層が形成されていない箇所の一部を含むものであっても良い。
既に説明した図15および図16は、充填層24の平面視上の形成箇所が、応力発光層23が形成されていない箇所の一部を含む例を示すものである。
また、既に説明した図15は、上記形成箇所が応力発光層23および充填層24が直接接する箇所である例を示すものであり、図16は、上記形成箇所が応力発光層23および充填層24が直接接しない箇所である例を示すものである。
また、上記形成箇所は、露出領域内において、窓部の外周部内であることが好ましい。窓付き封筒は、窓部をとおして、封入物の記載内容を視認容易なものとなるからである。
上記充填層の形成方法としては、上記充填層を上記応力発光層と同一平面上に安定的に形成できる方法であればよく、例えば、上記応力発光層の形成方法と同様の方法を用いることができる。
上記形成方法としては、例えば、充填層形成用インクを調製し、印刷法等を用いて充填層形成用インクの塗膜を形成し、次いで、塗膜を乾燥すること等により充填層を得る方法を挙げることができる。
また、応力発光層および充填層の形成順は特に限定されるものではなく、いずれを先に形成するものであっても良く、同時に形成するものであっても良い。
(c)発光シート
本態様における発光シートは、透明基材と、上記透明基材の少なくとも一方の表面に形成され、上記応力発光材料を組成とする微粒子を透明な樹脂に分散してなる応力発光層と、を有するものである。
このような発光シートの具体例としては、既に説明した図9に示すように、応力発光層の形成位置が露出領域の外周部内であり、応力発光層のパターン形状が重心を囲む枠形状であるもの(第IIa1態様)、図17に例示するように、応力発光層の形成位置が露出領域の外周部内であり、応力発光層の平面視形状がライン形状であり、応力発光層のパターン形状がライン形状の応力発光層により描画された数字等の情報を表わすものであり、応力発光層と同一平面上に、露出領域の外周部内に形成された充填層を有するもの(第IIa2態様)、既に説明した図13に例示するように、応力発光層の形成位置が露出領域の中央部内および外周部内の両者であり、応力発光層の平面視形状がドット形状であり、応力発光層の被覆面積が露出領域の端部側より重心側で狭いもの(第IIa3態様)等とすることができる。
上記第IIa1態様の発光シートであることにより、窓付き封筒は、窓部をとおして、封入物の記載内容を視認容易なものとなるからである。また、応力発光層のパターン形状が重心を囲むような開口を有する枠形状であり、窓部が枠形状に発光することで、窓付き封筒は、受け取り人を窓部に注目させることが容易なものとなる。このため、窓付き封筒の開封率の向上を図ることが可能となる。
上記第IIa2態様の発光シートであることにより、例えば、窓付き封筒は、窓部が応力発光層の発光パターンが所定の情報を表示することを知っている受取人が、窓付き封筒またはその内容物が真正品であることを確認容易なものとすることができる。より具体的には、窓付き封筒の内容物に記載された番号に対応する番号等の記号を、応力発光層のパターン形状により表わすものとすることで、内容物が真正品であることを確認可能とすることで偽造防止を図ることができる。
上記第IIa3態様の発光シートであることにより、例えば、窓付き封筒は、窓部の中央部から端部に向かって強くなるように発光することで、窓付き封筒は、受取人を窓部に注目させることが容易なものとなる。また、発光シートは、露出領域の端部より重心に近いほど透過率の高いものとすることができ、窓付き封筒は、窓部をとおして、封入物の記載内容を視認容易なものとなるこのため、窓付き封筒の開封率の向上を図ることが可能となる。
なお、図17は、発光シートの概略平面図(図17(a))および断面図(図17(b))であり、図17(b)は図17(a)のH−H線断面図である。
(2)窓付き封筒
本態様の窓付き封筒は、封筒本体および発光シートを有するものであればよく、他の構成を有するものであってもよい。
上記他の構成としては、発光シートに含まれる応力発光層を覆うように形成された保護層を含むことができる。保護層を有することにより、窓付き封筒は、発光シートの強度に優れたものとなるからである。
上記保護層としては、上記応力発光層の剥離を抑制できるものであればよく、上記第I態様の項に記載の内容、例えば、上記「A.第I態様の窓付き封筒」の「1.封筒」の項に記載の内容と同様とすることができる。
2.第IIb態様
本態様の窓付き封筒の第IIb態様は、窓部を有する封筒本体と、上記封筒本体の上記窓部に配置された発光シートと、を有するものであって、上記発光シートが、応力発光材料からなる応力発光層であるもの、または、上記応力発光材料の微粒子および透明な樹脂を含有する応力発光層であるものである態様である。
このような本態様の窓付き封筒を図を参照して説明する。図18は、本態様の窓付き封筒の一例を示す概略平面図であり、図19は、図18のI−I線断面図である。
図18および図19に例示するように、本態様の窓付き封筒1は、窓部3を有する封筒本体2と、上記封筒本体2の内部側から上記窓部3を覆うように配置された発光シート4と、を有し、上記発光シート4が、応力発光材料からなる応力発光層23である単層型発光シートであり、応力発光層23が、露出領域の一部を覆うパターン状に形成されているものである。
なお、この例では、応力発光層23の形成箇所は、窓部3から平面視上露出する領域である露出領域21a内および窓部3から平面視上隠ぺいされた領域である隠ぺい領域21b内の両領域内であり、応力発光層の露出領域内の平面視形状が複数の開口部31が配列したメッシュ形状である例を示すものである。
本態様によれば、このような発光シートを用いることにより、構成の単純なものとなり、窓付き封筒は、発光シートの層構成が簡便なものとなる。
本態様の窓付き封筒は、封筒本体および発光シートを有するものである。
以下、本態様の窓付き封筒の各構成について詳細に説明する。
なお、窓付き封筒については、上記「1.第IIa態様」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(1)発光シート
本態様における発光シートは、応力発光材料からなる応力発光層であるもの、または、応力発光材料の微粒子および透明な樹脂を含有する応力発光層である単層型の発光シートである。
ここで、発光シートが応力発光材料からなる応力発光層であるとは、発光シート全体が応力発光材料で構成されていることをいうものである。
また、発光シートが応力発光材料の微粒子および透明な樹脂を含有する応力発光層であるとは、発光シート全体が、応力発光材料の微粒子が透明な樹脂に分散した混合物で構成されていることをいうものである。
なお、上記応力発光層を構成する応力発光材料、微粒子、透明な樹脂については、上記「1.第IIa態様」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
上記応力発光層の平面視上の形成箇所としては、窓付き封筒の窓として使用可能なものであればよく、通常、上記露出領域および隠ぺい領域の両領域を含むものである。
以下、応力発光層について、形成箇所が露出領域内であるものおよび隠ぺい領域内であるものに分けて説明する。
なお、形成箇所が隠ぺい領域内である応力発光層については、上記「1.第IIa態様」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(i)露出領域内の応力発光層
上記応力発光層の形成箇所は、窓部をとおして、封入物の記載内容を視認可能なものであれば特に限定されるものではなく、通常、露出領域の全面を覆うものであるが、露出領域の一部を覆うパターン状であってもよい。
上記応力発光層の形成箇所が露出領域の一部を覆うパターン状である場合、上記応力発光層の露出領域内の形成位置としては、通常、中央部および外周部の両領域内とすることができる。
上記応力発光層の形成箇所が露出領域の一部を覆うパターン状である場合、応力発光層の平面視形状としては、例えば、複数の開口部が配列した形状であるメッシュ形状とすることができる。窓付き封筒は、窓部をとおして、封入物の記載内容を視認容易なものとなるからである。
なお、応力発光層の幅およびピッチについては、上記「1.第IIa態様」の項に記載の内容と同様とすることができる。
上記応力発光層の形成箇所が露出領域の一部を覆うパターン状である場合、応力発光層のパターン形状および非形成領域のパターン形状としては、窓付き封筒の窓部に配置される発光シートとして機能するものであればよく、例えば、上記「1.第IIa態様」の項に記載の応力発光層の形成領域のパターン形状と同様の内容とすることができる。
応力発光層の形成領域の応力発光層の被覆面積および厚み、応力発光層により被覆される中央部および外周部の面積割合等については、上記「1.第IIa態様」の項に記載の内容と同様とすることができる。
なお、上記被覆面積の調整方法としては、所望の被覆面積とすることができる方法であればよく、例えば、図20に示すように、応力発光層23に同一面積の開口部31を設け、かつ、その開口部31の数を重心側より端部側で少なくする方法、応力発光層に同一数の開口部を設け、かつ個々の開口部の面積を、重心側より端部側で狭くする方法等のように応力発光層の形成領域内の被覆面積を調整する方法を挙げることができる。
上記厚みの調製方法については、上記「1.第IIa態様」の項に記載の内容と同様とすることができる。
なお、図20は、発光シート4である応力発光層23の被覆面積が露出領域21aの端部側より重心側で狭い例を示す概略平面図および断面図である。また、図20(a)は発光シート4の概略平面図(a)であり、図20(b)は、図20(a)のJ−J線断面図である。
図20は、応力発光層23の被覆面積が、露出領域の端部側より重心側で被覆面積が狭い例を示すものである。
また、既に説明した図18および図19は、応力発光層23の被覆面積が、露出領域の端部側および重心側で一定である例を示すものである。
(ii)その他
上記応力発光層の形成方法については、上記「1.第I態様」の項に記載の内容、例えば、上記「A.第I態様の窓付き封筒」の「2.発光シート」の項等に記載の内容と同様とすることができる。
(2)窓付き封筒
本態様の窓付き封筒は、封筒本体および発光シートを有するものであればよく、他の構成を有するものであってもよい。
上記他の構成としては、上記「1.第IIa態様」の項に記載の内容と同様とすることができる。
3.その他
本態様の窓付き封筒は、上記第I態様の窓付き封筒の全ての構成を含むことができる。
また、本態様の窓付き封筒の全ての構成は、上記第I態様の窓付き封筒に用いることができる。
以下、実施例及び比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、これに限定されるものではない。なお、溶媒を除き、各層の各組成物は固形分換算の質量部である。
(実施例1)
図1のごとく、封筒上紙5と、封筒下紙6に、連量が70kg/四六のロール状の上質紙を用い、フォーム輪転印刷機を用いて、マージナル部7の加工や、ミシン加工その他の加工、及び、窓部3(宛名部8用開口部、45mm×80mm)の開口処理をしながら、通常の印刷用インキ、及び通常用いる接着剤11(封筒製袋用糊)等にて、マーク10を含む所定の固定情報の印刷加工や糊加工を行った。
その後、インクジェットプリンターにて、宛名部8や、情報記録部9に個別情報や、追加の固定情報を印字した後、製袋ユニット及び窓加工部を有する連続製袋機にて、長形3号(235mm×120mm)の封筒本体2を作製し、別途作製した書面等12の所望の封入物を封入して、本発明の実施例1の窓付き封筒1とした。(図1〜図3参照。)
この際、「窓用フィルム」として、下記の方法により作成した「発光シート4」を用いた。
まず、「焼成用型」として、その「空洞の形」を、縦55mm×横90mm×厚さ0.1mmの「基本形状」に対して、その中に、縦30mm×横60mmの大きさの「領域」を、10mm周期、且つ、3mm幅の縦及び横の「帯」で区切った「メッシュ状」とする(個々の開口は、7mm×7mmとなる。)「間仕切り」を設けた「形」とし、ステンレスを内貼りした金属製の「焼成用型(1)」を準備した。
ここで、「間仕切り」を設けた「形」とは、縦55mm×横90mm×厚さ0.1mmの直方体を想定し、その中央領域に、縦7mm×横7mm×深さ0.1mmの「正四角柱状の開口」が、10mm周期で、縦3個×横6個、整然と並んでいる「形」となっている。(この開口により、『発光シート』に『光透過性』を持たせて、その『発光シート』の背後にある宛名等を判読可能とした。)
これとは別に、母体材料であるSrAlに、発光中心となるEuを1%、ホウ酸を1%添加し、上記した「空洞」を持つ「焼成用型(1)」に入れて、水素添加アルゴン還元雰囲気中で、900℃まで徐々に昇温して、仮焼成した後、水素添加アルゴン還元雰囲気中で、1300℃にて、4時間焼成し、自然冷却させて、その「焼成用型(1)」から取り出して、縦55mm×横90mm×厚さ0.1mmの「基本形状」に対して、その中に、縦30mm×横60mmの大きさの「領域」を、10mm周期、且つ、3mm幅の縦及び横の「帯」で区切った「メッシュ状」とした「形」を有する、「発光シート4」を得た。(『焼成用型(1)』を上下の二つの部分に分離して、開いたり閉じたりして使用するなど、その『焼成用型(1)』に『材料』を充填する詳細手順及び、焼成後に『焼成物』を取り出す詳細手順の説明は省略した。以下同様。この『発光シート4』の形状は、図示していない。)。
「発光シート4」用の粘着剤(図示せず。)は、微粒子マイクロシリカを混入させたゴム系(再剥離性を有する。)とし、2mm幅で厚さ5μmの開口部より一回り大きい長方形のパターンとした。
封入物は、別途印刷加工し、所望の印刷及び宛名等、個別情報印字をして、A4サイズの3つ折とし、書面等12としたものを、その宛名等が、封筒本体2の窓部3位置に合うよう調整して、封入し、本発明の実施例1の窓付き封筒1を作製し、その後、封緘した。
次いで、プラスチック−引張特性の試験方法(JIS K 7161―1994(ISO 5271:1993))に準じて(『試験機』と『試験方法』を採用。『試験片』の『サイズや形状』は、規格に準じていない。)、この実施例1の「窓付き封筒1」の横方向の両端部を、つかみ具で固定し、両端部が遠ざかるように、2mm/分の試験速度で、「窓付き封筒1」に対して(すなわち、その中の『発光シート4』に対して)、「所定の外部負荷」として、100kPaの「変形応力」を掛けたところ、「窓付き封筒1」、すなわち、「発光シート4」がその方向に延びる「物理的な変形」を起こし(『窓付き封筒1』の封筒本体には、若干の歪みも発生した。)、その「変形」によって、「発光シート4」(応力発光材料からなる。)に「変形応力」が集中し、同時に、その「発光シート4」から、その「変形応力」に応じた発光強度を有する所定波長の光(「緑色の光」)が発光して、所定波長の光(「緑色の光」)を視認できた。(変形している状態、及び、発光している状態は図示していない。)
また、この実施例1の「窓付き封筒1」の横方向の両端部を、左右の手でそれぞれつかみ、両端部が遠ざかるように、引っ張ったところ、上記と同様に、「発光シート4」がその方向に延びる「物理的な変形」を起こし、その「変形」によって、同様の発光が生じ、同様に視認でき、さらに、この動作を100回繰り返したところ、その所定波長の光(「緑色の光」)の輝度に変化はなく、視認でき、本発明の実施例1の「窓付き封筒1」の「窓フィルム」が光るという意匠性を鑑賞できたと同時に、真正性も判定できた。(同上。)
(実施例2)
実施例1において、「発光シート4」として、縦55mm×横90mm×厚さ0.1mmの「基本形状」に対して、その横方向の中央部が厚さ0.25mmとなる外形とし、同様のメッシュ状領域を設けてある「焼成用型(2)」を準備して、「発光シートA1」の外形を有し、その中央部が「部分B1」となっている「発光シート4」とした。(図4参照。図4において、『メッシュ状』領域は図示していない。)
このこと以外は、実施例1と同様にして、本発明の実施例2の「窓付き封筒1」を作成し、その後、封緘した。(図1〜図3参照。)
この実施例2の「窓付き封筒1」を、実施例1と同様に評価したところ、「発光シートA1」の外形を有する「発光シート4」の「物理的な変形」によって、「発光シートA1」(応力発光材料からなる。)の「部分B1」に「変形応力」が集中し、同時に、その部分B1からその「変形応力」に応じた発光強度を有する所定波長の光(「緑色の光」)が発光して、所定波長の光(「緑色の光」)が視認可能となった。
具体的には、「発光シートA1」の外形を有する「発光シート4」の「部位B1」が露出しているところ、すなわち、斜線表示してある「断面」の4辺から、その所定波長の光(「緑色の光」)が放出され、この「発光シート4」を、「窓付き封筒1」を開封し、封筒上紙5から剥離して、観賞したところ、その「発光シート4」の表裏、及び、両側面(両端面)において、それぞれ、その所定波長の光(「緑色の光」)を視認でき、より意匠性に優れると同時に、開封促進効果をも有していると感じたこと以外は、実施例1と同様の良好な効果を得た。(変形している状態、及び、発光している状態は図示していない。)
(実施例3)
実施例1において、まず、「焼成用型」の「空洞の形」を、縦30mm×横100mm×厚さ10mmの「形」とした、ステンレスを内貼りした金属製の「焼成用型(3)」を準備した。
次いで、母体材料であるSrAlに、発光中心となるEuを1%、ホウ酸を1%添加し、縦30mm×横100mm×厚さ10mmの直方体の「空洞」を持つ「焼成用型(3)」に入れて、水素添加アルゴン還元雰囲気中で、900℃まで徐々に昇温して、仮焼成した後、引き続き、水素添加アルゴン還元雰囲気中で、1300℃にて、4時間焼成し、自然冷却させて、その「焼成用型(3)」から取り出して、縦30mm×横100mm×厚さ10mmの直方体の「形」を持つ、「平板状の応力発光材料シート」とし、この操作を繰り返して、100枚の「平板状の応力発光材料シート」を得た。
この100枚の「平板状の応力発光材料シート」を、内容積200リットルで、回転速度50回転/分、金属ボールミル(乾式ボールミル。)を用いて、60分の粉砕を3回繰り返し、「微粒子化」した。(図6参照。)
この「微粒子」を、レーザー回折法で粒径を管理しつつ、空気分級式で、1000回転/分のステンレス製分級ロータを装備した分級機にて分級し、粒径分布幅1〜5μm、平均粒径D50=3.0μmの「微粒子P1」を得た。
この「微粒子P1」の中から、任意サンプリングにて100個の「微粒子P1」の「形状(表面の凹凸形状を含む。)」を測定し、その「形状」の「3次元画像データ」を、「構造解析ソフト(応力分布解析ソフト)」にかけ、いずれの「微粒子P1」も、その「微粒子P1」を曲げる「変形応力」の負荷に対して、応力集中係数αは、ほぼ5以上であり、ほぼ全ての「微粒子P1」が、「応力集中係数αが2以上である所定の部位を有する形状(この部位S1は、『微粒子P1』の表面の凹凸形状の凹部の底の位置であった。)」を持つであろうことを確認した。(図6参照。図6においては、『微粒子P1』を『模式的』に大きく、且つ、表面の凹凸形状を誇張して示している。)
次いで、下記、「応力発光材料含有インキ組成物」(これらの混合物を、その『微粒子P1』の形状に変化を与えないように、マグネチックスターラーを用いて1時間撹拌し、『微粒子P1』を『透明な樹脂J2』に『分散』させたもの。)を、50μ厚さのポリエチレンテレフタレートシート(「適宜な基材」)上に、ステンレススクリーン印刷方式を用いて、70μm厚さで2回塗布し、乾燥して、その「適宜な基材」を剥離し、100μmの厚さを有し、「発光シートA3」の断面形状を有する、実施例3の「発光シート4」を得た。(図6参照。この『発光シート4』は、『応力発光材料を組成とする微粒子P1』を、『所定の透明な樹脂J2』に分散してなる『発光シートA3』の断面形状を有しており、且つ、『応力発光材料』の『形状』は、その『微粒子P1』の『形状』であり、応力集中係数αが2以上となる所定の部位S1を有する『形状』となっている。)
〈応力発光材料含有インキ組成物〉
・「微粒子P1」 10部
・「透明な樹脂J2」:アクリル樹脂(透過率95%) 60部
・トルエン 10部
・ブチルセルソルブ 20部
このこと以外は、実施例1と同様にして、本発明の実施例3の「窓付き封筒1」を作成し、その後、封緘した。(図1〜図3参照。)
この実施例3の「窓付き封筒1」を封緘した郵便物は、通常郵便物第一種郵便物(封書)に準拠しており、郵送時、郵便区分け機による光学的宛名読み取りに支障のないものであった。
また、この実施例3の「窓付き封筒1」を、実施例1と同様に評価したところ、「発光シートA3」の断面形状を有する「発光シート4」の「物理的な変形」によって、「発光シートA3」(応力発光材料からなる。)の「所定の部位S1」に「変形応力」が集中し、同時に、その部位S1からその「変形応力」に応じた発光強度を有する所定波長の光(「緑色の光」)が発光して、所定波長の光(「緑色の光」)が視認可能となった。
さらに、プラスチックの曲げ特性の求め方(曲げ試験方法。JIS K 7171 2008、ISO178 2003)に準じて(『試験機』と『試験方法』を採用。『試験片』の『サイズや形状』は、規格に準じていない。)、3点法により、この実施例3の「窓付き封筒1」の一方の面(裏面)を下方に向け、横方向の両端部をそれぞれ支点で支え、横方向の中央部を裏面から押し下げるように、2mm/分の試験速度で、「窓付き封筒1」、すなわち、「発光シート4」に対して、「所定の外部負荷」として、その面に垂直な方向に、30kPaの「変形応力」を掛けたところ、「窓付き封筒1」、及び、「発光シート4」がその方向に「たわむ(湾曲する)『変形』」を起こし、その「変形」によって、「発光シートA3」の断面形状を有する「発光シート4」の中の「微粒子P1(応力発光材料)」の「所定の部位S1」に「変形応力」が集中し、同時に、その部位S1からその「変形応力」に応じた発光強度を有する所定波長の光(「緑色の光」)が発光して、所定波長の光(「緑色の光」)が視認可能となった。
より具体的には、「発光シートA3」の断面形状を持つ「発光シート4」を「湾曲(変形)」させたときに、その「湾曲(変形)」が、その中に含まれる「微粒子P1」に伝わり、その「微粒子P1」にも同様の「変形」が生じて、「微粒子P1」の「所定の部位S1(『微粒子P1』の表面の凹凸形状の凹部の底の部分。)」に、「変形応力」が集中して、この「所定の部位S1」が、その集中した「変形応力」に応じた発光強度を有する所定波長の光(「緑色の光」)を発光して、その「光」が、「透明な樹脂J2」内を通過(透過)し、観察者は、その「発光シート4」の内部から、その「所定波長の光(緑色の光)」が放出されていることを視認できた。(図6参照。変形している状態、及び、発光している状態は図示していない。)
また、この実施例3の「窓付き封筒1」の表面に、「窓フィルムを剥離して、窓フィルムの発光現象をお楽しみください。」との文言を加えてあったことを受け、この「窓フィルム」、すなわち、「発光シート4」を、「窓付き封筒1」を開封し、封筒上紙5から剥離し、「底のサイズが、縦30mm×横100mmのかまぼこ型」であって、その曲率半径が60mmの「治具(最表面を鏡面仕上げしたステンレス製。)」の、その突出部の曲面上に、「発光シートに対する所定の外力負荷」として、手の指で押し当てて、「発光シート4」を変形させ、特に、治具の突出部分(頂点)付近に対応する部分が、その「変形」によって「緑色」に強く発光する現象を目視にて確認することができ、この「発光シート4」の「発光」の状況を鑑賞しつつ(その『発光シート4』の表裏、並びに、その『発光シート4』の4つの側面から、『発光』を視認できた。)、その真正性を確認した(評価状況は図示せず。)。
さらに、この動作を、200回繰り返したところ、いずれも、変わらず、同様の「緑色の光」を、同様に確認でき、第三者が、本発明の実施例3の「発光シート4」及び、それを用いた「窓付き封筒1」を、偽造を目的に作成することは、非常に困難と思われた。
(実施例4)
実施例3において、切欠け部:部分B1の形状を、開口部「100μm×100μm」で、深さ「40μm」の「三角柱(側面形状が一辺100μmの正方形で、底辺100μm、2辺が130μmの二等辺三角形をなす上面及び下面を持つ。)」とし、この「切欠け部:部分B1」を、周期0.2mm間隔の碁盤目状に一つ飛びに設けて、「所定の文字の画線部」を埋め尽くして、「所定のパターン」の「表示」となる、「縦10mm×横20mmの大きさで、間を20mm開けた、『発』と『光』」を表すものとし、この「切欠け部:部分B1」を突起状とした「プレス金型」を作製し、実施例3の「断面形状が『発光シートA3』である『発光シート4』」の一方の面に、10トンプレスによる加圧成形によって、それらの「切欠け部:部分B1」を「凹み」として形成し、「発光シートA2」の形状としたこと以外は、実施例3と同様にして、実施例4の「一方の面に『切欠け部:部分B1』が設けられた、『発光シートA2』の形状を持ち、その断面形状が『発光シートA3』である『発光シート4』」を得た。(図5、及び、図6参照。図5は、『切欠け部:部分B1』を模式的に6個のみ示している。『文字』の『画線部』の幅は、2mmであった。この2つの文字の中心が、『発光シート4』の中心に位置するように配置した。『模式的』に示してある『切欠け部:部分B1』が、『所定の文字』を表すように配置されることとなる。この『配置等』は示していない。)
具体的には、このときの、「所定のパターン」の「表示」、例えば、「縦10mm×横20mm」の文字「発」の、幅2mmの「画線」内を、碁盤目状に設けた、多数の「切欠け部:部分B1」で埋め尽くして形成し(開口部『100μm×100μm』で、深さ『40μm』の『切欠け部』を、水平方向及び垂直方向に周期0.2mmで、「碁盤目状」に、且つ、飛び飛びに、埋め尽くしたもの。)、この「切欠け部:部分B1」の「底辺」の「発光」によって、観察者には、「『発』の文字」を「『緑色に発光する光)』の文字」として視認できるものとした。
そして、この実施例4の「発光シート4」を、実施例3と同様に、「底のサイズが、縦30mm×横100mmのかまぼこ型」であって、その曲率半径が60mmの「治具(最表面を鏡面仕上げしたステンレス製。)」の、その突出部の曲面上に、「発光シートに対する所定の外力負荷」として、手の指で押し当てたところ、この実施例4の「発光シート4」が変形し、特に、治具の突出部分(頂点)付近に対応する部分が、その「変形」によって、「緑色」に発光して、目視にて視認することができ、その「所定波長の光(緑色の光)」が、「所定のパターン(『発』と『光』の2文字。)」を「表示(『緑色に発光する光』の文字として『表示』)」するものとして視認可能となり、その著しく高い意匠性を有するとともに、非常に信頼性の高い真正性の判定が可能であると思われた(評価状況は図示せず。)。
さらに、この観賞動作、及び、真正性確認動作を、100回繰り返しても、変わらず、同様に「所定のパターン」を確認でき、本発明の実施例4の「窓付き封筒1」及び、その「発光シート4」を偽造目的で複製することは、著しく困難と思われた。
(実施例5)
実施例4の「発光シート4」の「切欠け部:部分B1」を設けたある面の上に、下記組成の耐擦傷性層用組成物を、グラビアリバースコーティング方式により塗布し、乾燥後、120度2分の硬化処理をして厚さ1μmの耐擦傷性層を設けたこと(図示せず。)以外は、実施例4と同様にして、実施例5の窓付き封筒1、そして、その郵便物を得た。
〈耐擦傷性層用組成物〉
メラミン樹脂 20部
シリコン樹脂 3部
トルエン 37部
メチルエチルケトン 40部
封筒本体2の加工処理時に、「発光シート4」の表面に擦り傷が全く発生しなかったこと以外は、実施例4と同様であり、実施例4と同様に観察すると、実施例4と同様の良好な結果を得た。
(実施例6)
実施例3において、「透明な樹脂J2」に替えて、「透明性の高い植物系生分解性プラスチック」を用いたこと以外は、実施例3と同様にして、実施例6の「窓付き封筒1」、そして、その郵便物を得た。
この実施例6の「窓付き封筒1」を、実施例3と同様に観察したところ、実施例3と同様の良好な結果を得た。
また、「窓付き封筒1」の表面に、「窓フィルムは、環境にやさしい材料により作製されています。」との文言を加えることで、この「窓付き封筒1」を受け取った人の注意を惹くとともに、このことにより、この「窓付き封筒1」を開封する率が大幅に向上し、且つ、この「窓フィルム」を剥して手元に保管しやすくくなるものと思われた。
(比較例1)
「窓用フィルム」として、30μmの透明な無延伸ポリエチレンフィルムを用いたこと以外は、実施例1と同様にし、比較例1の窓付き封筒を得た。
この窓付き封筒を実施例1と同様に評価したところ、なんら特徴がなく、受け取り人の注意も惹かず、開封率の向上は見込めないものと思われた。
4、A1〜A3 発光シート
S1 部位
B1 部分
P1 微粒子
J2 透明な樹脂
1 窓付き封筒
2 封筒本体
3 窓部
5 封筒上紙
6 封筒下紙
7 マージナル部
8 宛名部
9 情報記録部
10 マーク
11 接着剤(封筒製袋用糊)
12 書面等
21a 露出領域
21b 隠ぺい領域
22 透明基材
23 応力発光層
24 充填層

Claims (9)

  1. 透明な窓を備えた窓付き封筒において、前記透明な窓が、
    少なくとも応力発光材料からなる発光シートで構成され、
    前記発光シートが、前記発光シートに対する所定の外力負荷によって生じた、前記発光シートの変形により、前記応力発光材料の所定の部位に変形応力が集中し、
    同時に、前記部位から前記変形応力に応じた発光強度を有する所定波長の光が発光して、前記所定波長の光が視認可能となることを特徴とする窓付き封筒。
  2. 請求項1に記載の窓付き封筒において、
    前記発光シートは、前記応力発光材料を組成とする微粒子を、所定の透明な樹脂に分散してなる前記発光シートであって、
    前記応力発光材料の形状は、前記微粒子の形状であり、且つ、応力集中係数αが2以上となる前記部位を有する形状であることを特徴とする窓付き封筒。
  3. 請求項1または請求項2の何れかに記載の窓付き封筒において、前記所定波長の光が、所定のパターンを表示するものとして視認可能となることを特徴とする窓付き封筒。
  4. 請求項2または請求項3の何れかに記載の窓付き封筒において、前記透明な樹脂が生分解プラスチックからなることを特徴とする窓付き封筒。
  5. 窓部を有する封筒本体と、前記封筒本体の前記窓部に配置された発光シートと、を有し、
    前記発光シートが、透明基材と、前記透明基材の少なくとも一方の表面に形成され、応力発光材料の微粒子および透明な樹脂を含有する応力発光層と、
    を有することを特徴とする窓付き封筒。
  6. 前記応力発光層の形成箇所が、前記窓付き封筒の窓部から露出する露出領域内のみであることを特徴とする請求項5に記載の窓付き封筒。
  7. 前記応力発光層のパターン形状が、前記露出領域の重心を囲む枠形状であることを特徴とする請求項6に記載の窓付き封筒。
  8. 前記応力発光層の被覆面積が、前記露出領域の端部側より重心側で狭いことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の窓付き封筒。
  9. 前記応力発光層の形成箇所が、前記窓付き封筒の窓部から隠ぺいされた隠ぺい領域内のみであることを特徴とする請求項5に記載の窓付き封筒。
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