JP6451935B2 - 圧着シート - Google Patents

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Description

本発明は、シート基材と、剥離可能再貼付不能な接着剤層からなる圧着シートに関し、特には、シート基材の内部に、紙パルプ繊維と応力発光材料を含んで、応力発光材料が紙パルプ繊維と同様の形状を有して紙パルプ繊維と絡まっている状態、もしくは、その応力発光材料がその紙パルプ繊維に接する状態で含まれており、その圧着シートに、もしくは、その圧着シートを開封した後の、そのシート基材に所定の外力を負荷すると、その外力によって、その圧着シートや、シート基材が、引っ張られたり、湾曲したり、折り曲げられたり、さらには、捻じ曲げられ、このことによって、その紙パルプ繊維が変形を受けると同時に、その紙パルプ繊維と接した状態、さらには、絡まった状態で混在している、応力発光材料のそれぞれの部位が所定の変形応力を受けて、あらかじめ定められた波長の光を、それらの変形応力の大きさに応じて、所定の強度で発する(発光する)こととなる、圧着シートに関するものである。
ここで、「剥離可能再貼付不能な接着剤層」(以下、単に、『接着剤層』とも略す。)とは、その「剥離可能再貼付不能な接着剤層」を設けてある「シート基材」を、その「接着剤層」を内側にして折り曲げ(広義には、その『接着剤層』どおしが接するように処理する行為を指す。)、その「接着剤層」が互いに接するようにして、「シート基材」側から「加圧」することで「圧着シート」とすることができ(これが、『圧着』である。)、そして、その「圧着シート」を「開封」すると、すなわち、その接着剤層どおしの界面から剥離すると、比較的容易に剥離することができ、同時に、最早、再び圧着することができなくなる、「接着剤層」である(この意味において、『感圧接着剤層』とも称す。以下、同様。)。
以下の説明においては、いわゆる[圧着シート]の代表例である、「圧着はがきシート」、及び、その「圧着はがきシート」を圧着した「圧着はがき」を例にとり説明する。
そして、その説明の中で、「圧着はがき」に用いられる「用紙」と言う意味で、「シート基材」を「用紙」と称する。(『シート基材』として用いられる『紙』、すなわち、『印刷用紙、情報用紙、包装用紙、衛生用紙、雑種紙、段ボール原紙、もしくは、紙器用板紙』を代表する『用語』として、『用紙』と称するという意味でもある。)
また、この例においても、「剥離可能再貼付不能な接着剤層」を、「感圧接着剤層」と称する。
本発明において、「紙パルプ繊維」とは、「製紙」に用いるために分離した植物繊維である「パルプ繊維(以下、「パルプ」とも称す。)」のことを意味し、「動物繊維」や、「化学繊維」、または、「人造繊維」などを含まないものとする。
そして、本発明において、「繊維」、または、「針状」、もしくは「帯状」として表している「形状」は、形態上の性質であって、「細長いもの」、すなわち、「太さ」(最大直径。もしくは、その断面の「幅」や「厚さ」で表す。)に対して、「長さ」がきわめて大きいものであって、いわゆるアスペクト比の値(「太さ」対「長さ」)として、1対50〜1対2000程度のものを意味する。
また、本発明の「シート基材」は、この「紙パルプ繊維」に加えて、いわゆる「セラミック」からなる「応力発光材料」を含めた「用紙」であって(「応力発光材料」の組成や構造等は、以下に詳述する。)、しかも、その「紙パルプ繊維」と、その「応力発光材料」が、その「用紙」の内部で絡まったり、接したりして存在しており(この意味で、この「用紙」の中の「『紙パルプ繊維』&『応力発光材料』」を、「合体」したものとして、「複合体」とも称す。)、この「用紙」に所定の外力負荷、例えば、「指の力」で湾曲させたり、適宜な曲面を持つ治具にその「用紙」を手の力で押し付けたりしたときに、まず、その「用紙」内の「紙パルプ繊維」がその外力負荷によって「変形」を生じる。
そして、「複合体」が「湾曲」したときの「紙パルプ繊維」の「変形」は、その「紙パルプ繊維」と「合体(一部、結合している。)」している「応力発光材料」の「変形」を引き起こし、特には、「紙パルプ繊維」と「応力発光材料」の「接点」において、物理的な移動を伴って、「引っ張り応力」、「せん断応力」、「ずれ応力」(以下、総称して「応力」と称すこともある。)を発生させることとなる。
この「応力発光材料」は、「セラミック」、中でも、「金属、または、ケイ素の酸化物、窒化物、炭化物や硫化物の構成」を持ち、「紙パルプ繊維」と「応力発光材料」の接点においては、「紙パルプ繊維」間の接点における「セルロースの水酸基」による「水素結合」と同様に、「紙パルプ繊維」を構成している「セルロースの水酸基」と、「酸化物、窒化物、炭化物や硫化物の酸素原子、窒素原子、炭素原子や硫黄原子」との「水素結合」により、その接点において「結合」している。
もちろん、「複合体」の「湾曲」、及び、「紙パルプ繊維」の「湾曲」による、直接的な「応力発光材料」への圧力も、その「応力発光材料」に発生する「応力」を助長する。
上記した、「応力発光材料」における、「紙パルプ繊維」の「接点」の箇所が、「応力発光材料の所定の部位」であって、また、上記した、「『引っ張り応力』、『せん断応力』、もしくは、『ずれ応力』」が、「紙パルプ繊維の変形に対応した変形応力」であって、本発明の「応力発光材料」は、これらの「応力の大きさ」に比例する強度で、且つ、以下に詳述する「応力発光材料を構成する構造(組成や結晶構造などを含む。)」に対する「応力の作用する方向」に応じた強度で(これが、「変形応力に応じた強度」を意味する。)、その「構造」に特有(固有)の波長の光を発する。
そして、この「『応力発光材料を構成する構造』に特有の波長の光」が、「所定波長の光」であって、通常は、「可視光」の波長範囲、すなわち、光の波長で、400nm〜800nmの範囲にあり、一つの種類の「応力発光材料」に対応して、一つの波長の光が発光する。従って、この発光した「所定波長の光」を観察者が目視にて視認できることとなる。
但し、この「所定波長の光」の強度は、「目視にて視認可能である」ためには、その「発光輝度」(「光の強度」の一つの指標。)として、少なくとも1.0mcd/cm2(ミリカンデラ/平方センチメートル)の大きさが必要である。
また、本発明において、「応力発光材料は、紙パルプ繊維の1/10〜1/2の長さを持つ」とは、その「応力発光材料」の「長さ」が、その「応力発光材料」を含める「シート基材」に用いられる「紙パルプ繊維」の「長さ」に対して、その「1/10〜1/2」の「長さ」を有することを意味する。
すなわち、「紙パルプ繊維」として、代表的な「針葉樹パルプ繊維(NBKP、または、「N材」と呼ばれる。)」(「太さ」が30〜50μm程度、「長さ」が1.0〜6.0mm)を用いた場合には、「応力発光材料」の「長さ」を、その「1/10〜1/2」である、「0.1mm〜3.0mm」とする。
もしくは、その「N材」として、「平均長さが3.0mmであるN材」を用いる場合には、「応力発光材料」の「平均『長さ』」をその「1/10〜1/2」である、「0.3mm〜1.5mm」とする。
このような「長さ」範囲の設定は、「応力発光材料」のヤング率が、「紙パルプ繊維」のヤング率より、非常に大きいことに基づくものであって(100倍以上の差がある。)、「応力発光材料」の「長さ」を、「紙パルプ繊維」の「長さ」の1/10未満とすると、「紙パルプ繊維」の変形が、「応力発光材料」に伝わり難くなり、また、「応力発光材料」の「長さ」が、「紙パルプ繊維」の「長さ」の1/2を超えるものとしても、同様である。
本発明において、「応力発光材料は、針状、または、帯状の形状を有する」とは、
「応力発光材料」が、「紙パルプ繊維」と同様の形状を持つことを意味し、「針状」の形状とは、最大直径5μm〜30μmで、上記した「所定の長さ」を持つ「繊維状」を意味し、「帯状」の形状とは、厚さ5μm〜30μm、横幅5μm〜60μm(厚さ/横幅比=1/1〜1/10。)で「所定の長さ」を持つ「極薄板状(帯状)」を意味する。
特に、「帯状」の形状は、「紙パルプ繊維」と絡みやすく(変形応力が伝わり易いという意味。)、好ましい。
また、本発明において、「紙パルプ繊維と応力発光材料が互いに交差した状態で含まれている」とは、以下に詳述する「『シート基材』を製造する工程」、すなわち、その「製紙工程」の中に、「紙パルプ繊維」と「応力発光材料」の懸濁液(スラリーとも呼ばれる。)を、いわゆる「網(プラスチックワイヤーなど。)」上に広げて乾燥させる工程があるが、この一連の工程において、それらをその懸濁液中で均一に分散し、その均一分散液を、一様、且つ、均一に、薄く広げることで、または、「紙パルプ繊維」を薄く広げた後、「応力発光材料」を薄く重ねるように広げ、その上に、再び、「紙パルプ繊維」を薄く重ねるなどして、「紙パルプ繊維」の「繊維」と「応力発光材料」の「繊維」が、互いに少なくとも一つの「接点」において、重なりつつ(接しつつ)、すなわち、結合しつつ、例えば、「×」状、もしくは、「キ」状に「クロス(交差)」する状態となるように処理することで、実際には、このような「×」状、または、「キ」状に「クロス(交差)」している部分が「シート基材」中に多数存在する状態としたことを意味する。
この「互いに交差した部分」が増加すればするほど、「シート基材」を変形させたときの発光強度が増加することとなる(発光点が増加するという意味。)。
また、このような「交差した部分」には、「変形応力」が集中し、そのことによって、応力発光材料の発光強度が増すとともに(「応力に比例して増す」という意味。)、発光部位も局所的となることから、発光した部位とその周辺領域のコントラストが大きくなって、より視認し易くなる(応力発光材料の隅々まで、僅かではあるが「応力」が働くため、応力発光材料の隅々まで、理論上は、微かな発光があることになるが、実際には、「変形応力」が集中していない部分は、「パルプ繊維のみの領域」と同様に、「発光の無い領域」として視認されるという意味。)。
本発明において、「応力発光材料」とは、いわゆる「熱弾性マルテンサイト変態」近傍において、「物理的な変形」を伴って、その材料に「応力」を負荷すると「双晶擬弾性変形」を生じやすい材料である、「Eu添加SrAl24(「SAOE」とも称される。)」等に代表される、「『物理的な変形』を伴って、その材料に『応力』を負荷した際に、所定の波長の光を発光し、且つ、その負荷した『応力』に応じてその発光強度が増加する」材料を、焼成し、焼結させて、上記した「繊維」状など、所定の形状としたものである。
ここで、「物理的な変形」と表現した意味は、もちろん、「化学的な組成変化」ではないことを表すが、さらに、「材料内部の一部の結晶構造のみがその格子構造を変化させること」に留まらず、「材料全体の外形の変化」に至る「変形」であることを示している。(このように、「『外観上認識できる外形の変形』を伴う変形」を、「物理的な変形」と称した。すなわち、格子構造の変形が、微視的な領域のみで発生している状態ではなく、格子構造の変形が材料内で伝搬し、視認できるほどの大きな領域に渡って発生している状態を意味する。)
従って、本発明の「応力発光材料」の「発光」を促進するために、「材料全体の外形」が「変化」し得る「領域」(動き得る領域として「可動域」とも表現される。)を確保することが求められ、本発明の「応力発光材料」のように、「応力発光材料」が「用紙」内で、比較的自由に動くことができる構成とすることが重要となる。
次に、本発明においける、「応力集中係数α」につき説明する。
そもそも、「応力集中」とは、ある材料の「形状」の「不連続性」により、その材料に外力を負荷して、その材料内部に、その外力に応じた「応力」を発生させたとき、その「不連続箇所」の近傍に、他の領域に発生する「応力」に比較して、「大きな応力」が発生することをいう。
そして、この「応力集中」の要因となるものとして、その「材料」に存在する「段差(断面の急激な変化)」、「凹み」、「凹凸」、「貫通孔」、「切欠き」、さらには、その材料内の「材料組成の急激な変化」(燒結境界面や、溶接などによる接合面)などがある。
この「応力集中」の状態を数値で表したものが、「応力集中係数α」であって、α=σmax/σ0(式中、σ0は、材料全体に発生する「『応力』の平均値」であり、σmaxは、その応力集中箇所に生じる「『応力』の最大値」である。)と表される。
単純な例として、円柱形状の材料(上面と下面が同一の円となっている棒状のもの。)に対して、その上面と下面(各面の面積を、S平方ミリメートルとする。)を挟んで垂直方向に外力F(N:ニュートン)を負荷したとき、その円柱形状の中間位置に、断面積がその上面(下面)の1/2となる箇所(この箇所の断面積は、S/2平方ミリメートルとなる。)を設けてあるとすると、σ0は、[(比例定数k)×F/S](N/mm2)となり、σmaxは、[(比例定数k)×2F/S](N/mm2)となって、応力集中係数α=σmax/σ0=2.0となる。
この例は、上記したような「物理的な変形」を伴わない応力発生例であるが、説明の単純化のために敢えて用いた。
本発明の「応力発光材料」の「応力集中係数α」を、2以上とするためには、「繊維状」の外形をした「応力発光材料」の一部に、その直径の1/10〜1/5の深さの「凹み」や「切欠き」を設けることで得られる。
この「凹み」の形を、「底の浅い形。例えば、[(開口部幅/深さ)の比]が1/20〜1/10」としたもの、もしくは、「底の深い形。例えば、[(開口部幅/深さ)の比]が1/5〜1/1」としたものは、この「凹み」の「底部」周辺に「応力集中」が起こり、その「応力集中係数α」は、2以上となる。
同様に、「段差」、「凹凸」や、「材料組成の急激な変化」を設けることで、「応力集中係数α」の値を調節することができる。
本発明の「応力発光材料」は、発生した「応力の大きさ」に応じて、さらには、ほぼ比例して、その発光強度が大きくなるため、「応力集中係数α」が大きいほど、その発光強度が増大し、視認性を向上させることができる。
この「応力集中係数α」は、大きいほど望ましく、2以上とする。さらには、10以上、より好適には、100以上とすることで、その部分の発光強度を「高輝度」として、より視認しやすくすることができるため好適である。
但し、「応力集中係数α」が大きければ大きいほど、「応力発光材料」の「形状」の「不連続性」が、いわゆる「急激」なものとなり、「応力発光材料」を「発光」させるための「変形」を繰り返すと、容易に「破壊」され、もはや、「発光」しなくなるため、不適当である。(このことは、真正性判定の信頼性を確保するため、「少なくとも100回以上の安定した発光」が必要であるが、その信頼性を確保できないことを意味する。)
また、本発明において、「応力発光材料の形状は、所定の外力負荷に対して、応力集中係数αが2以上となる部位を有する形状である」との記載における、その「応力集中係数α」とは、あくまで、「応力発光材料」そのものにおける「応力集中係数α」を用い、「応力発光材料」の「形状」そのものに起因する数値とする。
さらに、本発明の「圧着シート」に用いる「シート基材」に、「フォーム用紙」を用いる。
そもそも、「紙」とは、経済産業省による生産動態統計分類における、「紙」、「板紙」、及び、「パルプ」の品種分類の中の一つであり、その「紙」も、非塗工印刷用紙、塗工印刷用紙、特殊印刷用紙、及び、情報用紙の4つに分類されている。
すなわち、上級印刷用紙、中級印刷用紙(中質紙および上更紙)、下級印刷用紙などの非塗工印刷用紙、上級印刷用紙や中級印刷用紙を原紙とし、表面に塗料を塗布した印刷用紙であって、塗料の量などにより、アート紙、コート紙、または、軽量コート紙などに分類される、塗工印刷用紙、塗料の量が塗工印刷用紙よりも少ない、微塗工印刷用紙や、色上質紙、官製はがきなどの特殊印刷用紙、及び、コピー用紙、フォーム用紙、インクジェット用紙、ノーカーボン紙、感光紙、感熱紙、OCR用紙や圧着はがき用紙などを指す、情報用紙に分類される。
その内、「情報用紙」は、ノーカーボン紙、フォーム用紙、PPC(plain paper copier。普通紙複写機。)用紙、及び、感熱紙の「4分類」に分類されることもある。
いずれの「分類」においても、その中の「一分類」に位置づけられている、本発明における、「フォーム用紙」とは、様々なデータ出力をプリントする「紙」としての出力用連続伝票、すなわち、いわゆるコンピューター用帳票、言い換えれば、コンピューター制御された様々なプリンター(インパクトプリンター、ノンインパクトプリンターなど。特には、レーザープリンターや、インクジェットプリンターなど。)、さらには、種々の原理に基づく複写機等により、種々の情報(デザインを含む。)が出力される帳票であり、出力位置を示す罫線等を入れたり、送り孔加工やジグザグ折りを施してある「用紙」である(罫線、孔加工、及び、折り加工を施す前の状態の『用紙』を含む。一部には、『単票』もある)。
また、一部には複写用紙としても用いられている「用紙」である。
このため「フォーム用紙」には、「フォーム用紙」として必須となる「品質特性」、すなわち、「オフセット印刷等の印刷適性」、「NIP(ノンインパクトプリンター)等のプリント適性」、「インクジェットプリンター等の印字適性」や、送り孔(スプロケットホール)加工、ミシン加工、ジグザグ折り加工、封筒加工、もしくは、「後糊圧着」処理(『圧着シート』とするための、『上記の接着剤層』の塗布処理、及び、その『圧着処理』も含まれる。)等の後加工適性を有することが求められる。
これらの「適性」を確保するため、「フォーム用紙」は、少なくとも、所定の「坪量」及び、その「坪量」の許容範囲、所定の「厚さ」及び、その「厚さ」の許容範囲、所定の「平滑度」及び、その「平滑度」の許容範囲、所定の「水分量」及び、その「水分量」の許容範囲、所定の「剛度」及び、その「剛度」の許容範囲、所定の「強度」及び、その「強度」の許容範囲を、全て、満足している「情報用紙」である。
ここで、「坪量」は、JIS−P8124において、所定の「坪量」(『所定の坪量』とは、『坪量』が、飛び飛びの『値』として定められており、その個々の『値』を持つこと意味する。以下、同様。)+10%、及び−2%、「厚さ」は、JIS−P8118において、所定の「厚さ」±8%、「平滑度」は、JIS−P8119において、表(おもて)面で、20sec以上、裏面で、20sec以下、「水分量」は、未調湿にて、5.0〜7.0%、「ISO白色度」は、JIS−P8148において、83%±2%、「クラークこわさ」は、JIS−P8143において、所定の「値」以上、「引張強度」は、JIS−P8113において、「縦」、「横」とも所定の「値」以上、引裂強度は、JIS−P8116において、「縦」、「横」とも所定の「値」以上でなければならない。
例えば、それらの「値」の一つを例示すると、「クラークこわさ」は、JIS−P8143において、30cm3/100以上、「引張強度」は、JIS−P8113において、「縦」3.55以上で、「横」1.5以上、「引裂強度」は、JIS−P8116において、「縦」180以上で、「横」210以上となるが、これらを満足する、具体的な「用紙」のいずれの「値」も、その「値」の、一ランク上(『坪量』のより大きい『用紙』を意味する。)の「品質仕様の『値』」(『飛び飛びの値』の『次の値』と言う意味。)を超えないものとする。
すなわち、その個々の値を全て示すと、所定の「坪量」として、52.3、60、64、81.4、84.9、96.5、104.7、127.9、157g/m3という、「飛び飛びの値」をとる。
これに応じて、所定の「厚さ」も、67、81、84、102、106、119、128、156、192μmと、「飛び飛びの値」をとる。
このことは、所定の「剛度」及び、所定の「強度」においても同様である。
すなわち、これらの「用紙」の「品質仕様」を、標準的な「フォーム用紙」と、「同一」としなければ、その「用紙」の用途において、印刷不良、印字不良や加工不良などの不具合が発生してしまうこととなり、さらには、耐久性等の物理特性が著しく劣るものとなってしまう(標準的な『フォーム用紙』に適合するように『設定』してあるプリンター等や、圧着処理を含む加工装置等に対して、さらには、『シート基材としてのフォーム用紙』に、『上記の接着剤層』を形成する工程においても、それらの『設定』を変更することなく、本発明の『フォーム用紙』を適合させることができることを意味する。)。
従って、「用紙」に含まれる、「紙パルプ繊維」に対して、その比重が大きく、「剛度」や、「強度」も著しく大きい「応力発光材料」を含む、本発明の「圧着シート」に用いられる「フォーム用紙」においても、この「品質仕様」を満足させるため、その「応力発光材料」を「所定の形状(所定の『大きさ』や所定の『形』。)」とするとともに、その含有させる「量」や、含有させる状態(『用紙』の中の配置や分布状態など。)を制御する必要が生じる。
さらに、「ISO白色度」については、その「値」を所定の値とすることにより、オフセット印刷等の印刷後や、プリンター印字後の「色コントラスト」を向上させ、特に、「ハイライト部」での「印刷上がり(印刷の仕上がりと言う意味。印字部と非印字部のコントラストを含む。)」を非常に良好なものとするため、その「値」を90%前後とすることは、「ISO白色度向上タイプの『フォーム用紙』」と位置付けることができ、好適である。
「平滑度」については、その高い「平滑度」により、細かい網点や、細かい印字部まで、ムラ無く再現でき、「画像再現性」に優れることとなり、「文字」だけでなく「写真」まで美しく印刷(印字)できるものとなることから、より高い「平滑度」とすることも、同様に、「平滑度向上タイプの『フォーム用紙』」と位置付けることができ、好適である。
そして、上述した諸基準には含まれていないが、「フォーム用紙」の「不透明度」を向上させると(より『不透明な』フォーム用紙とすると。)、その「不透明性」により、「両面印刷」や、「両面印字」をも可能にすることとなる(『裏面の印刷や印字』が透けて見えて、『表面の印刷や印字』に影響を及ぼすことがないという意味。)。
また、本発明の「圧着シート」に用いられる「フォーム用紙」は、種々の孔開け加工、ミシン(折りミシンや、破断ミシン、さらには、バースト用ミシンや、シートカット用ミシンなど。ハーフカットも含む。)加工、さらには、スリット加工など、それぞれ所定の「加工刃」を用いて(レーザー加工の場合には、レーザー光線を意味する。)、所定の孔、所定のミシン目、所定のスリットを設けることとなるため、これらの加工における、「加工精度」を維持し、且つ、これらの「刃」の「耐摩耗性」を劣化させないため(『刃』が、『応力発光材料』との接触により、著しく削られて、消耗してしまい、その所定の『耐用回数(耐用頻度や、耐用長さ等)』より、著しく少ない『回数(頻度や、長さ)』で交換せざるを得なくなることを防止することを意味する。『レーザー加工』においては、不要に『高出力』とすることで、『レーザー光源』の交換を早めてしまうようなことがないことを意味する。)、上記した「応力発光材料」の「形状」や「分布」の制御が重要となる。
特には、「平滑度」、「剛度」、及び、「強度」をその「許容範囲」内とするため、「応力発光材料」の「大きさ」を、「微粒子」、さらには、「超微粒子」とし、「用紙」に、「均一に分散」させることが好ましい。
しかも、「応力発光材料」を含める「量」にも制約があるため(もちろん、上記したように、その『大きさ』にも制約がある。)、少ない「量」で(しかも、小さい『形状』で。)、より「高輝度」の「発光」を発現させるため、その「応力発光材料」の中の、「強く発光する部位」、すなわち、「所定の部位」の応力発光係数αを2以上とすることが好ましく、特には、10以上とすることが好ましい。
そして、そのような印刷や、印字の背景となる「白色の背景」を、「ムラの無い、均一な白色の背景」とするため、「ISO白色度」を満足するのみならず、「用紙」に添加される「サイジング剤」の「色調」と、「応力発光材料」の「色調」の「色差△E」を、0.5以下とする。
本発明の「圧着シート」に用いられる「フォーム用紙」に使用する「応力発光材料」のヤング率は、「紙パルプ繊維」のヤング率より、非常に大きいため(100倍以上の差がある。)、上記した「フォーム用紙」としての「品質仕様」を満足させるためには、「応力発光材料」の「大きさ(最大直径。)」を、敢えて(上記したような『針状』や『帯状』としないという意味。)、「紙パルプ繊維」の「太さ」の1/2以下、さらには、1/20以下、且つ、「紙パルプ繊維」の「長さ」の1/50以下、さらには、1/500以下とする。すなわち、「応力発光材料」を、所定の形状、すなわち、「微粒子形状」とする。さらには、「超微粒子形状」とする。
その「太さ」が1/2を超えたり、「長さ」が1/50を超えると、「フォーム用紙」としての「剛性」や、「強度」を、その「品質仕様」内に留めることが困難となる。
すなわち、「針状」、または、「帯状」の「形」を有する「応力発光材料」は、非常に「剛性」及び「強度」が大きく、その単体としての存在により、「フォーム用紙」の「剛性」及び「強度」を大きいものとしてしまうこととなる。さらには、「紙パルプ繊維」と絡んで、「複合体」となることで、その「剛性」及び「強度」を著しく高めてしまうこととなる。
また、「フォーム用紙」に、このような「針状」、または、「帯状」の「形」を有する「応力発光材料」が含まれていると、「フォーム用紙」に、上記したような加工処理を施す際、その加工「刃」による「応力発光材料」の「切断(応力発光材料をその『刃』が直接分断することを意味する。)」機会が増加し、その加工「刃」の摩耗が著しいものとなる(レーザー加工等の場合には、そのレーザー出力を増大させることとなる。)。
これに対して、「応力発光材料」を、上記したような「微粒子」や、「超微粒子」として、「フォーム用紙」の中に均一に分散させることで、「フォーム用紙」の「剛性」及び「強度」の制御を容易とするのみならず、そのような加工「刃」の摩耗をも抑制することができる(『応力発光材料』が『小さい』ことから、加工『刃』が『応力発光材料』を分断する『機会』が激減する、もしくは、ほぼ無くなるという意味。)。
この「微粒子」状の「粒子」の「所定の形状」とは、最大直径が1.0〜20μmであって、且つ、平均直径D50が0.5〜15μmである「微粒子形状」である。
さらには、最大直径が0.01〜1.0μmであって、且つ、平均直径D50が0.005〜0.5μmである「超微粒子」状の「粒子」の「所定の形状」とすることも、より好適である。
ここで、「微粒子」状の「粒子」の「所定の形状」を得るべく、比較的大きな「塊状」、または、「板状」の「応力発光材料」に、単純な「破砕処理」、及び、その処理後に単純な「分級処理」を併せて施しただけでは、その粒径分布は、いわゆる「正規分布」を成し、平均直径D50を中心に(ここに、分布の最大値を持つ。)、より小さい粒径、及び、より大きい粒径の両方に向かって、同様の傾斜で、徐々にその分布の値が小さくなっていく「分布曲線」を描く(その平均直径D50の少なくとも、±70%以上の直径を有する粒子が有意に存在する広がりを持つ、『分布』となる。)。
本発明の「応力発光材料」の「微粒子」状の「粒子」の「所定の形状」は、例えば、最大直径が20μmであって、且つ、平均直径D50が15μmである「微粒子形状」であって、平均直径D50に対して、大きい粒径に向かう分布が、+35%を境に、その分布値が突然『0』(ほぼ無くなるという意味。)となる「分布曲線」(小さい粒径に向かう分布は、上記したような『−70%以上の広がり』を持つ『分布』となる。)を持つ。
すなわち、「平均直径D50に対して+35%を超える最大粒径の「粒子」を除去する分級処理」(予め定めた最大粒径を超える、大きい『粒子』を除去する『分級処理』法を用いる。)を施した「応力発光材料」であって、このことにより、「フォーム用紙」が、不要な大きさの「粒子」を含むことを阻止して、「平滑度」等の「品質特性」を高め、同時に、比較的大きい平均直径D50を持つ「応力発光材料」とすることで、その発光強度を大きいものとすることを可能とする。
このような「最大直径と平均直径D50との比(『最大直径』/『平均直径D50』の値)」は、1.05〜1.50とする。特には、1.20〜1.35が好ましい。
この比が、1.50を超えると、上記した「特殊な分級処理」をする意味が薄れ、1.05未満とすると、そのような分級処理自体が困難なものとなる(繰り返して行う、『分級処理』の、『繰返し回数』が極端に増加するという意味も含まれる。)のみならず、結果として得られる「応力発光材料」の「収率」が、著しく減少してしまうこととなるため、不適当である。
また、上述の説明において、「紙パルプ繊維」と「応力発光材料」は、互いに「接した状態」で含まれているとした、そのような「状態」は、以下に詳述する「『フォーム用紙』を製造する工程」、すなわち、その「製紙工程」の中に、「紙パルプ繊維」と「応力発光材料」の懸濁液(スラリーとも呼ばれる。)を、いわゆる「網(プラスチックワイヤーなど。)」上に広げて乾燥させる一連の工程があるが、この一連の工程において、その「紙パルプ繊維」と「応力発光材料」を、その懸濁液中で均一に分散し、その均一分散液を、一様、且つ、均一に、薄く広げることで、または、「紙パルプ繊維」を薄く広げた後、「応力発光材料」を薄く重ねるように広げ、その上に、再び、「紙パルプ繊維」を薄く重ねるなどして、「応力発光材料」の個々の「粒子」が、「紙パルプ繊維」の表面に付着し易くしたり(『繊維』の表面の凹部に付着させて、互いに接した状態で、その『粒子』を留めるという意味。)、「紙パルプ繊維」が互いに重なっているところ、例えば、「×」状、もしくは、「キ」状に「クロス(交差)」する状態となっている、「紙パルプ繊維」どおしの、その「交差位置」に、その「粒子」を入り込ませると同時に、固着させることで得られる。
そして、このような「工程」を経て、「応力発光材料」の「粒子」を、「フォーム用紙」全体に、均一に分散させる。
ここで、この「互いに接した部分(交差位置も含む。以下、同様。)」が増加すればするほど、「フォーム用紙」を変形させたときの発光強度が増加することとなる(発光点が増加するという意味。)。
また、このような「接した部分」には、「変形応力」が集中し、そのことによって、応力発光材料の発光強度が増すとともに(「応力に比例して増す」という意味。)、その発光部位において発光した「光」が、透明性を有する「紙パルプ繊維」の中にも入り込んで、その「紙パルプ繊維」の中で、繰り返し反射し(多重反射現象を起こすという意味。)、いわゆる「発光点」を、「発光域」へと拡大させ(複数の『発光点』から発光するという意味。)、発光した部位(『発光点』及び、『発光域』を含む。)と、その周辺領域のコントラストが大きくなって、より視認し易くなる。
さらに、本発明において、「サイジング剤」とは、「シート基材」、すなわち「用紙」を「製紙」する段階で、「紙」としての印刷適性、平滑性、耐摩擦性、バリヤー性、耐折強度、破裂強度、耐油性、耐薬品性等の性能を向上させるために使用する材料の「総称」であって、「用紙」に対して印刷用インキなど、液体の浸透性を抑え、裏移りや滲みを防ぎ、ある程度の耐水性を与える目的で加えられる「サイズ剤」、「用紙」に不透明性をもたせて裏抜けを防いだり、白色度、平滑性などをもたせるために配合または塗布される鉱物性の粉末であり、主として、タルク、カオリンが、用いられている「フィラー(填料ともいう。)」や、「和紙」において特に用いられる「粘剤」などがある。
この「サイジング剤」の「色調」は、本発明の「シート基材」に添加する「サイジング剤」全体の「色調」を意味するものとする。
この「サイジング剤」全体の「色調」と、「応力発光材料」の「色調」との差である、「色差」とは、例えば、L*a*b*色度図(LAB表色系)における△E{=(△a2+△b2+△L21/2)}で表される「色差」であって、この「色差」が0.5以下となることとは、「応力発光材料」の「色調」と、「サイジング剤」の「色調」が「同色」となっていることを意味する。
また、国際照明委員会(CIE)が提唱する表色系には、その他に、RGB系、XYZ系(Yxy系)、UVW系(Luv系)等があるが、これらは相関しており、容易に換算が可能であって、その換算値を用いることもできる。
そして、「色」の変化は、この△Eが0.5を超えると「差があるもの」として認識され(「SLIGHT:差がわずかに感じられる。」と定義されている。)、1.5を超えると明確にその「違い」を視認できるものとなる(「NOTICEABLE:差がかなり感じられる」と定義されている。)。
この「応力発光材料」の「色調」と、「サイジング剤」の「色調」を「同色」とすることにより、「シート基材」の中に「応力発光材料」を含めてあることを、確実に「隠ぺい」することが可能となる。
さらに、「応力発光材料」を「所定のパターン」状、例えば、所定のサイズの文字、図形や、記号、特には、真正性判定用の何らかの「メッセージ(「真正」の文字など。)」を所定のサイズで設けてある場合において、その「所定のパターン」を「応力発光材料」を発光させる前や、その「所定のパターン」の存在を隠したい状況において、この「色差」をより小さくしておくことは重要となる。
本明細書において、配合を示す「部」は質量基準である。
(主なる用途)
金融機関や公共機関の郵送物として再剥離可能再貼付不能な接着剤を塗布した用紙を利用した「はがき」が多用されているが、近年、その簡易性やコスト面から民間企業においても個人情報を印字したダイレクトメールとして使用されている。
これらの「はがき」は、上記金融機関などの通知手段として使用される場合には、開封率は高いが、企業等がダイレクトメールなどに使用する場合には、開封されることなく捨てられる場合が多い。
そこで、ダイレクトメールを送付する企業側は、開封率を高めるために、「はがき」に、受取る側の有益な情報や、開封したくなるような仕掛けを盛り込む。
従来、ダイレクトメールの開封率を高めるための仕掛けとして、開封すると飛び出す仕掛けなどがあったが、圧着面に飛び出す仕掛けを入れた場合、現行の「郵便法」では、「はがき」として扱ってもらうことができないなど課題があった。
このような状況において、本発明の「圧着シート」の主なる用途としては、
個人のプライバシーに係わる情報や、広く第三者には開示すべきでない情報、受取った人が一瞥では記載内容を把握できず、折り曲げて貼着した物(『圧着はがきシート』を圧着した『圧着はがき』など。『圧着体』ともいう。)を、開いて初めて内容を確認できるという、意外性を付与したい情報、さらには、受取人に対するポイントサービスや割引券付与等の特典情報を記載しているため、郵送途中や、配送途中ではその存在を知られたくない情報等、を記載した書類等に用いられ、それらの書類等を「圧着シート」の形態として、
その「圧着シート」を内側に折り曲げて、「剥離可能再貼付不能に接着」(『擬似接着』ともいう。)することにより、その書類等の上記情報等を第三者から秘匿し、正規の受取人のみに、その情報を伝達する用途が挙げられる。
もちろん、それ以外にも、情報を記載した書類等を、一旦、二つ折り、三つ折り、もしくは、それ以上の回数折り、その書類のサイズを小さくして、搬送し、後に、その擬似接着部分を開けて元のサイズとして使用する用途に用いることができる。
これらの「情報を記載した書類」を、すなわち、特定の用途に用いられる「圧着シート」を、以下、「情報記録体」とも称するが、この「情報記録体」を圧着したもの(所定の『圧力』に加えて、所定の『熱』を付加してもよい。この場合は、『熱圧着』ともいう。)を、「積層体(圧着体。)」と称する(一旦、『積層体』としたものを、さらに、圧着して用いても良い。)。
その「情報記録体」としては、近年増加している、携帯電話、クレジット、税金、年金、証券、預貯金、ガス・水道・電気等の各種請求書、支払い通知書、受領書及び満期通知書等のような個人のプライバシーに係わる情報(個人情報を含む)等を記載した書類等や、主に過去に利用したことのある小売店や、入会しているクレジットカード会社などの顧客情報のデータベースから購入頻度などの属性で抽出され、「 HYPERLINK "http://ja.wikipedia.org/wiki/eμaセソ" \o "郵便" 郵便」や、以下に説明する「 HYPERLINK "http://ja.wikipedia.org/wiki/a!aシa≪aセソ" \o "メール便" メール便」を利用して届けられるダイレクトメールとして、銀行、証券会社、クレジットカード会社、百貨店、量販店などが、大量に顧客に送付しているものであって、その内容を可能な限り第三者には開示すべきでない書類等が挙げられる。
従来、このような個人情報や広く第三者に開示すべきでない情報に係わる書類等の郵送や配送には、プライバシー保護や、秘匿性確保等の観点から「封書」が使用されてきた。
しかし、「封書」は、「はがき」に比べ郵送料が高いことからコスト高になるという欠点がある。
また、宛先人毎に通知内容が異なる場合に、本人でない第三者に配送してそれらの情報が漏洩してしまうことを防ぐために、宛先人毎のデータをコンピューター制御によって管理し、宛先人名と通知内容の一致性を確保して、発送作業の正確性確保と省力化を図る手法を用いることが主流となっているが、この作業において、コンピューターに入力されたデータを、宛先人毎に連続してプリントアウトし、且つ、プリントアウトしたものを、最終発送直前に、再度、その順序やプリント内容を自動照合するためには、「封書」に替えて、「はがき」そのもの、もしくは、「はがき」状の「シート」(これら「はがき」と「シート」を総称して、「情報記録体」と称することもある。)を用いることが必要となる。
これらの「はがき」もしくは、「シート」として(すなわち、「情報記録体」として)、内国通常郵便物である、第二種郵便物(通常はがき:最大サイズ10.7×15.4cm、最小サイズ9×14cm、重さ2〜6g、もしくは、往復はがき:最大サイズ21.4cm(二つ折)×15.4cm、最小サイズ18cm(二つ折)×15.4cm、重さ4〜12g)、国際通常郵便物である船便(平面路便ともいう。)としての、書状、はがき、印刷物(グリーティングカード等含む。)、航空便としての書状、はがき、印刷物・点字(グリーティングカード、Dメール、Pメール等含む。)、エコーはがき、e−センスカード等、もしくは、郵便事業株式会社内国郵便約款第22条に定める「私製葉書」(郵便事業株式会社以外の者が作成する通常葉書及び往復葉書。)であって、通常葉書は、長辺14センチメートル以上15.4センチメートル以下、短辺9センチメートル以上10.7センチメートル以下の長方形の紙とし、往復葉書は、長辺18センチメートル以上21.4センチメートル以下、短辺14センチメートル以上15.4センチメートル以下の長方形の紙を短辺の部分をそろえて折り目が右側(横に長く使用するものにあっては、下側)になるように折り合わせ、その上片を往信部に、その下片を返信部とし、往信部の裏面と返信部の表面とがそれぞれ内側になるようにしたもの、紙質及び厚さは、郵便事業株式会社の発行するものと同等以上であるもの、重量は、通常葉書にあっては2グラム以上6グラム以下、往復葉書にあっては4グラム以上12グラム以下(往信部及び返信部のそれぞれが2グラム以上6グラム以下)のもの、表面の色彩は、白色または淡色であるもの、往復葉書の返信部の表面の左上部(横に長く使用するものにあっては、右上部)には、その返信部の料金支払に充てるため、往復葉書の料金の半額相当額の郵便切手をはり付け、または、料金受取人払の表示をしたもの、 表面の上部または左側部(横に長く使用するものにあっては、右側部)の中央に、通常葉書にあっては「郵便はがき」またはこれに相当する文字を、往復葉書の往信部及び返信部にあっては「郵便往復はがき」またはこれに相当する文字を明瞭に表示したもの、等が挙げられる。
その他、選挙公示後に出される候補者のPR用ダイレクトメールである選挙郵便、小選挙区選出の衆議院議員の選挙で、政党が私製するものや公示前に出される選挙事務所開き案内、選挙管理委員会が出す投票所入場券等、宛名記載をせず指定した区域のみを配達するもので、各種宣伝用に使われることが多くポスティングに近い、配達地域指定郵便物(タウンメール)等、そして、下端にくじが印刷されており、抽選で賞品があたる「くじ付き郵便はがき」でもある、お年玉付き郵便はがき(年賀はがき)や、夏のおたより郵便はがき(かもめ〜る、暑中見舞用郵便はがき)など、日本の風習に沿った用途のはがき等、さらには、各種のおまけ、割引券、サービス券等を、その一部に切り離し可能に設けたもの、もしくは、アドレスにアクセスしたり、ダイヤル番号に電話することにより、各種イベント案内や、何らかの特典情報、ポイントサービス等を得ることができる情報、すなわち、インターネットWEBアドレスや、フリーダイヤル番号等が印字されたもの等の、受取人に対して各種のサービスを提供する目的で利用されるもの、もしくは、運送会社による宅配配送物の中から、「紛失時の損害額の減額」,「小サイズに限定」,「ポストインで判取り不要」を条件に、配送伝票のコストダウンを図り、バーコード追跡システムを維持しつつ配送費用のコストダウンを実現した「メール便」と呼ばれる宅配サービスにおいて、各種の通知や案内状または請求書などの書面を送付する手段として、さらには、親展書類等を送付する手段として郵便規則等の制限なく配送されるものなどが挙げられる。
さらには、飲食店、通信販売、貸金業、不動産会などにおいて、広告・宣伝を目的に、ビラやチラシを、各個宅の HYPERLINK "http://ja.wikipedia.org/wiki/eμaセソaa'" \o "郵便受け" 郵便受けへ直接投入する行為(ポスティング等。)に用いられるものや、商業目的ではない公共性を有する例として、地方自治体(地域限定の行事案内やお知らせ)や水道局(主に工事による断水やにごり水、交通規制のお知らせ)によって行われる場合に用いられるもののごとく、秘匿性がそれ程求められていない郵便物や、配達物であっても、受取人が受け取った時に一瞥するのみでは伝達情報(何が書かれているのか)を把握できないように情報を配置し、擬似接着部分を開けて、初めて目的たる伝達情報を確認できるように構成して、受取人の関心を引く等の目的に用いられるものなど、市場において流通する全ての情報伝達物が挙げられる。
もちろん、個人が、本発明の「圧着シート」を用いて、上記のような「情報記録体」を作成し、郵送、配送したり、プレゼントとして贈呈したりするための、「はがき等作成用キット」として、販売する等の用途にも用いることができる。
本発明の「圧着シート」は、以上の情報記録体、もしくは、情報伝達物の中でも、特に、意匠性に優れることが求められ、且つ、その「開き率」(圧着された『はがき』等を開く率という意味。)を高める必要のある分野に好適に用いられる。
そもそも、本発明の「シート基材」である「用紙」が用いられる、具体的な「用途」及び、「分野」には、債権、預金証書、受取証書、手形、小切手、通帳、磁気帳票、振込カード、商品券、クーポン券、籤、ギフト券、映画券、会員券、ビール券などの有価証券や、証拠証券などとして証券分野に、カタログ、チラシ、パンフレット、リーフレット、ポスター、POP、グリーティングカード、絵はがき、ステッカー、案内状、招待状、報告書、議事録、名簿、ネームカード、名刺、参加証、説明書、マニュアル、社史、広報誌、社内報、料金表、振込用紙、注文書、生産指示書、納品書、売上伝票などの各種伝票、通話料金明細書、給与明細書、取引明細書などの各種明細書、各種請求書、ビジネスフォーム、はがきや封書となるフォーム、ノート、封筒、便箋、手帳、ダイアリー、はがき、圧着はがき、切手、ダイレクトメール、シークレットメール、包装紙、軟包装、プラスチック容器、紙器、玩具などの商業分野、または、小説、絵本、事典、その他の書籍、新聞、雑誌、業界紙、地図、電話帳、教科書、参考書、楽譜などの出版分野がある。
特に、偽造防止分野に使用される「用紙」であって、具体的には、証券等の偽造されて使用されると、証券の保持者や発行会社等に損害を与え得るもの、運転免許証、社員証、会員証等の身分証明書、入学試験用の受験票、パスポート等、紙幣、商品券、ポイントカード、株券、抽選券、馬券、預金通帳、乗車券、通行券、航空券、種々の催事の入場券、遊戯券、交通機関用の金券等がある。
これらはいずれも、経済的、もしくは社会的な価値を有する情報を保持した情報記録媒体であり、偽造による損害を防止する目的で、記録媒体そのものの真正性を識別できる機能を有することが望まれる。
また、これら情報記録媒体以外であっても、高額商品、例えば、高級腕時計、高級皮革製品、貴金属製品、もしくは宝飾品等の、しばしば、高級ブランド品と言われるものに「付して」その証明をするもの、または、それら高額商品の収納箱やケース等そのものも、偽造され得るものである。さらには、量産品であっても、有名ブランドのもの、例えば、オーディオ製品、電化製品等に「付して」その証明をするもの、または、それらに吊り下げられるタグも、偽造の対象となりやすい。
さらに、著作物である音楽ソフト、映像ソフト、コンピュータソフト、もしくはゲームソフト等が記録された記憶体に「付して」その証明をするもの、または、それらのケースそのもの等も、やはり偽造の対象となり得る。また、プリンター用のトナー、用紙など、交換する備品を純正材料に限定している製品などにも、偽造による損害を防止する目的で、そのものの真正性を識別できる機能を有することが望まれる。
(背景技術)
近年、「封書」に替えて、個人のプライバシーに係わる記録内容を隠蔽することのできる様々な「はがき」が提案されている。
これらの提案の一つとして、通常のはがきの表面に記載された文字や数字に剥離可能に貼着することにより記録内容を隠蔽することのできる「シール紙」があるが、この「シール紙」は、接着面に弱粘着剤を使用しているため、弱粘着剤層を保護するための剥離紙を設けなければならず、コスト高になる上、その剥離紙の処分も煩雑になるという欠点があった。
また、「シール紙」を剥がす際に、「はがき」に記載された文字部分が剥がれて弱粘着層面に転移し、しばしば、文字が読めなくなるという欠点があった。
更に、この「シール紙」は、開封した痕跡が残らないように脱着することも可能であるので、プライバシー侵害防止効果に劣るという欠点があった。
また、他の材料として、「はがき」の表面に記載された文字を外部から見ることができないようにアルミニウム箔を積層したシートを、「はがき」の文字部分に貼着し、「はがき」の縁に沿って設けられたミシン目を切り離すことによって初めて開封することができるようした「ラベル」がある。
しかしながら、この「ラベル」は複数構成から成る積層物であるためコスト高になる上、剥がした「ラベル」が、破き難いのみならず、不燃物でもあるので廃棄処理も煩雑となるという欠点があった。
更に、上記の「シール紙」や「ラベル」は、記載された情報の一部を隠蔽するためにしか使用できず、多くの情報を郵送する必要がある場合には、コスト高となっても封書を使用せざるを得なかった。
ところで、「発光」とは、光を発することであり、「現象」面で分類すると、物体を燃焼させたり、電気抵抗の大きい導電性材料に大量の電流を流したり、さらには、核融合などの発熱反応を起こさせたりなどして、その物体や材料を高温状態とし、その物体または材料を構成する原子や分子を高速に振動させて、その温度に対応する光を発する「熱放射(黒体放射ともいう。炎、白熱灯や恒星などの光。)」、励起状態にある量子系(電子など)が、より低い励起状態や基底状態に遷移することにより光を発する「ルミネセンス(冷光)」、荷電粒子が電場の中で急に減速されたり進路を曲げられたりした際に発生する電磁波放射である、 荷電粒子線の「制動放射」、荷電粒子の速度がその物質中の光速度よりも速い速度でその物質中を伝搬するときに発生する「チェレンコフ放射」などがある。
そして、この「制動放射」にはシンクロトロン放射が含まれ、狭義の意味で原子により電子が止められることについていう。X線管でX線を人工発生させる原理は制動輻射であり、また、高速の電子がターゲットに衝突することによっても、ターゲット内で制動放射が発生する。すなわち、ベータ線(電子線)を鉛(ターゲット)などで遮蔽すると、ベータ線そのものは鉛で停止するが、同時に、制動放射によるX線も発生する。
また、「ルミネッセンス」は、物質が電磁波の照射や電場の印加、電子の衝突などによってエネルギーを受け取って励起され、低いエネルギー状態の分布数に対する高いエネルギー状態の分布数の比が熱平衡状態のときと比較して大きい状態にされたときに起きる自然放出による発光現象であり(これに対して、熱平衡状態の物質が光を発する現象が黒体放射である。)、また、低いエネルギー状態の分布数に対する高いエネルギー状態の分布数の比が1以上となる反転分布状態においては、誘導放出による光の増幅が起きる。
そして、励起源からのエネルギーの供給を絶つとすぐに発光も止まるものを「蛍光」、残光を持つものを「燐光」と呼ぶが、両者をまとめて「蛍光」と呼ぶこともある。化学的には、励起一重項からの失活(基底状態への遷移。)に伴う発光が「蛍光」であり、励起三重項からの失活に伴う発光が「燐光」である。この励起三重項から基底状態(基底一重項)への遷移は、そのスピン多重度が異なることから禁制遷移であって、そのため、励起三重項の状態は寿命が長く、また、励起三重項は、励起一重項よりもエネルギー準位が低いことが多く、そのため「燐光」の波長は「蛍光」より長くなる傾向にある。
「ルミネッセンス」は、電子が基底状態から励起状態へ「どのようにして励起されたか」によって、光照射による励起での発光であるフォトルミネセンス(PL)、 電子線照射による励起での発光であるカソードルミネセンス(CL)、電圧による励起での発光であるエレクトロルミネセンス(EL)、音響エネルギーによる励起での発光であるソノルミネセンス(SL) 、熱による励起での発光である熱ルミネッセンス、摩擦力や衝撃などの機械的エネルギーによる励起での発光であるトリボルミネッセンス、化学反応による励起での発光であるケミルミネッセンス、溶媒によって励起される発光であるソルバトルミネッセンス、圧電効果による励起での発光であるピエゾルミネッセンスなどに分類される。
また、化学反応には、酵素を使って発光物質を酸化させるなどの化学反応によって光を発する生物発光などが含まれる。
上記した「熱放射」においては、その物体や材料を高温状態としたり、その物体または材料を構成する原子や分子を高速に振動させるなど、「光を発する」ために、特別、且つ、非日常的な状態を必要とするが、「ルミネッセンス」においても、それぞれ、電子を基底状態から励起状態へ励起させるために、光照射による励起、電子線照射による励起、電圧による励起、音響エネルギーによる励起、機械的エネルギーによる励起、化学反応による励起、溶媒による励起、圧電効果による励起など、「励起」させるために、何らかのプロセスを要し、また、このプロセスも、十分な「発光」を得るためには、それに相当する過大な負荷を掛ける必要があった。
(先行技術)
以上のような背景を受け、情報量を確保するため、「内部」に情報を隠蔽することのできる、様々な「はがき」も提案され、実用化されている。
これ等の提案例としては、例えば、表面に情報を記録することのできる感熱接着剤層を紙製支持体の片面に形成せしめた「封緘はがき」がある(特許文献1参照。)。
この「封緘はがき」は、2つ折りにして「はがきサイズ」となるもので、感熱接着剤の表面に情報を記録した後、これを2つ折にして感熱接着剤同士を剥離可能な接着強度で熱圧着するものである。
しかしながら、この「封緘はがき」は、感熱接着剤層の表面、すなわち、剥離面に情報を記録するため、他面に記録内容が転写されるという欠点があるのみならず、感熱接着剤層の接着強度の調整が難しいために、「剥がしカール」(接着面を界面として基材を剥がした際、その基材が大きくカールしてしまう現象。極端な場合には、基材が円筒状にまるまってしまう。)が発生して情報の判読が困難となる等の欠点がある。
そこで、感熱接着剤層同士の剥離を適度なものとするために、熱圧着の温度と圧力を調整する方法が考えられるが、この方法による剥離性の調整は極めて難しく、接着不良により自然剥離を起こす欠点があること(記録情報の中に秘匿すべき個人情報が含まれている場合には、個人情報の不要な開示と見做される。)、及び、ダイレクトメール等の、情報記録面の全面がインクで覆われる情報記録体では、感熱接着そのものができず、一体化物を得ることができないという欠点がある。
また、2枚のはがきサイズの情報記録媒体に情報記録した後、各記録媒体の情報記録面同士を再剥離可能に感熱接着することのできる、「両面接着性を有する感熱接着シート及びそれを用いた情報記録体」も提案されている(特許文献2参照。)。
しかし、この感熱接着シートを用いた情報記録媒体の場合には、支持体の両面に形成した合成樹脂塗工層からなる感熱接着シートを、情報記録した2枚のはがきサイズの記録媒体の情報記録面間に挟んで感熱接着させる時、情報記録面と合成樹脂塗工層とが、直接、接し、熱溶融した合成樹脂塗工層が情報記録体の切り口部からはみ出し、支持体と合成樹脂塗工層間の剥離界面を樹脂で覆うため開封不良となり易いこと、及び、高濃度のインクで覆われた記録体材表面と合成樹脂塗工層との接着性が劣るという点で満足できるものではなかった。
これらの欠点を克服するものとして、支持体の一方の面に、自然剥離することなく、且つ、容易に剥離可能な、100℃以下の熱で溶融はみ出しを起こすことのない熱可塑性樹脂層(擬似接着層となり得る。)を設けてなる形成物の両面に、接着性が優れ、且つ、100℃以下の熱で情報記録媒体と感熱接着可能な感熱接着剤層を形成させた感熱積層シートを使用することにより、情報記録媒体への感熱接着性に優れると共に、記録情報を他面へ転写させることがなく、情報を記録した情報記録媒体の記録面同士を剥離可能に接着させるのに好適であり、また、特にその大きさを「はがきサイズ」とすることにより、「はがき」の郵送料金で従来の2倍以上の情報量を送ることができる上、プライバシー保護に優れた情報伝達手段として有用である感熱積層シート(特許文献3、もしくは、特許第2645535号公報参照。)が提案されている。
しかし、この感熱積層シートを用いても、その受取人が、その差出人を確認するだけで、すなわち、一瞥するだけで、擬似接着部分を開けることなく、そのまま廃棄する場合も多く、もしくは、一旦、開けて、その内側に記載された情報を確認したとしても、その情報の必要部分のみをメモして、開封した情報記録(積層)体を廃棄するか、情報そのものが一読すれば十分であって、保管する必要のない情報であると判断して、速やかに、開封した情報記録(積層)媒体を廃棄してしまうという課題を有するものであった。
すなわち、その「開き率」の向上や、開いた情報記録(積層)体を受取人の手元に置かせることによる、差出人提供情報の継続的提供性の確保という面では、何らの機能を有しないものであった。
また、従来の様々な「発光」メカニズムに対し、「材料」そのもの、すなわち、「材料の組成」、もしくは、「材料の構造」に、「潜在的な発光構造」を持たせ、比較的小さい応力を負荷するのみで、その「材料」を発光させ得る、新規な「発光」メカニズムを持つ、新規な「応力発光材料」が発見されている。
この新規な「応力発光材料」は、(独立行政法人)産業技術総合研究所の徐氏他が開発した新規な「発光材料」であって、「力学エネルギー」の比較的小さい「弾性変形領域」で「応力発光を示す材料」である。
そもそも、「応力発光」とは、「発光」の励起源として「機械的な力」を用いるものであり、「外部から加えられた『機械的な力(力学エネルギー)』によって、材料が『発光』する現象」のことと定義されている。
従来の「応力発光」現象は、「破壊発光」と「変形発光」とに分けることができ、このうち、「破壊発光」は、材料を破断させたり、粉砕したりすることによって「光」が放出される現象であって、「方解石」を割った時などに観察されていた現象である。一方、「変形発光」は、このような「破壊」を伴わないものであって、ある材料に外力負荷を徐々に掛けていったときに現われる、いわゆる「応力―ひずみ曲線」において、その「曲線」が「直線」として示される(「応力」が「ひずみ」に比例するという意味。)「弾性変形領域」での発光と、この「直線」が、「材料の降伏点」において途絶えて(その比例関係が終わるという意味。)、材料内部において少しずつではあるが「構造破壊」の段階に入っている「塑性変形領域」での発光に分けられる。
「破壊発光」現象は、非常に多くの材料系で観察されており、無機物質の約半分は「破壊発光」の性質を持つと言われている。
これに対して、「変形発光」については、放射線照射したアルカリハライドやある種の高分子で数例の報告例はあるものの、これは、「塑性変形領域」での微弱な発光であると判明している。
(独立行政法人)産業技術総合研究所の徐氏他が開発した「応力発光材料」は、これとは異なり、この「変形発光」の中で、しかも、「弾性変形領域」での「応力発光」を示す材料である。
これらはいずれも、高度に構造を制御した無機結晶骨格の中に、発光中心となる元素を添加した材料(セラミックス)であり、無機材料や発光中心の種類を選択することにより、紫外〜可視〜赤外の様々な波長で発光する材料が得られている。
代表的なものとしては、発光中心として、ユウロピウムを添加したアルミン酸ストロンチウム(SrAl24:Eu:緑色発光)、マンガンを発光中心として添加した硫化亜鉛(ZnS:Mn、黄橙色発光)等がある。(特許文献4参照。)
そして、これらの応力発光材料を、その構造物単体(構造物がすべて「応力発光材料」で構成されているもの。)、もしくは、その構造物を単純に別の構造物等に重ねた積層体とし、それらに、直接、外部応力を負荷して、その構造物単体、もしくは、積層体を単に発光させるものが公開されている。(特許文献5参照。)
しかし、これらの技術開示を含め、その後にされた多くの技術開示によって、この応力発光構造物を、その「処方箋」によって作製したり、この応力発光構造物単体、もしくは、積層体を作成して、同様の効果を得るものを作り上げることはそれほどの困難を要しないものとなっている。
また、偽造防止を目的とした「用紙」、すなわち、「偽造防止用紙」として、紫外線照射によってその真正性を判定する、「蛍光インキ」印刷用紙や、ホログラムスレッドを埋設した証券用紙など、その真正性を確認可能な「用紙」も、数多く開示されているが、このような「偽造防止用紙」は、その真正性判定のために、「紫外線ランプ」等の「光を照射する光源」を必要とし、例えば、パスポートの真正性を確認するために、入国審査官がその審査用テーブルの下などで「判定」したり、照明光の届かないところや、「暗がり」で、その真正性を確実に判定することは難しいという欠点を有していた。
そこで、本出願人は、剥離可能に接着する接着剤や、感圧粘着剤に、上記した「応力発光材料」をを混入させた「圧着はがき」や、「感圧粘着剤層間から剥離する印刷物」を開示している(特許文献6及び7参照)。
しかしながら、これらの「圧着はがき」や、「感圧粘着剤層間から剥離する印刷物」は、特許文献4に開示されている「応力発光材料」を、接着剤や、感圧粘着剤に、「単に混入させる」か、「浸透させる」ものであって、且つ、その「圧着はがき」や、「印刷物」を開封する瞬間に、それらの接着剤や、感圧粘着剤の合わさった界面に働く「力」で、その「応力発光材料」を発光させるものであって、実際には、その「力」が、そもそも、粘弾性に富む接着剤や、粘性に富む感圧粘着剤を組成する「樹脂材料」に吸収され、その「力」を、そのような「樹脂材料」に包まれている「応力発光材料」に、「直接的に伝達する」ことが難しい構造となっており、その「力」に基づく「応力発光材料」の発光は、「発光損失」の大きいものであった(『接着剤』や『粘着剤』に負荷された『力』が、大幅に減衰して、『応力発光材料』に伝わるという意味。)。
さらには、これらの「圧着はがき」や、「印刷物」を「圧着」している状態で、郵送されるため、受取人が手元に持つ段階では、それらの「圧着はがき」や「印刷物」そのものを湾曲させたり、折り曲げても、何らの「発光」を視認できず、直接的な「開封率」の向上には、寄与しないという欠点を有していた。
実開平1−148371号公報 特開平4−126298号公報 特開平7−17166号公報 特開2007−055144号公報 特開2003−253261号公報 特開2010−195007号公報 特開2010−247473号公報
そこで本発明は、ダイレクトメールや通信手段として利用される「圧着はがき」に代表される「圧着シート」の開封率を向上させるために、「圧着シート」を構成する「シート基材」そのものに、「所定の形状」の「応力発光材料」を含有させた「圧着シート」を提供することを目的とする。
さらには、外観上は、単なる「圧着シート」と認識させておきながら、実際には、その「圧着シート」内部に、その外観からは全く認識できない形で、「応力発光材料」を「紙パルプ繊維」とともに含ませておき、その「圧着シート」に対する所定の外力負荷によって、その「紙パルプ繊維」が変形を生じると同時に、「応力発光材料」の所定の部位に「変形応力」が発生して、その所定の部位からその変形応力に応じた強度を有する所定波長の光が発光し、視認可能となることをもって、意匠性に優れ、且つ、その「圧着シート」の真正性を、特段の照明光なく、容易に判定することを可能とした「圧着シート」を提供する。
また、この「応力発光材料」を「特定の形状」とし、さらには、「紙パルプ繊維」と交差したり、接したりするように含ませて、その「発光」を増大させ、その上、「フォーム用紙」としての適性を持たせて、その利便性や品質特性を高めるのみならず、「圧着シート」に用いる「サイジング剤」と「応力発光材料」の色差を0.5以下として、その意匠性や偽造防止性を、さらに高めた「圧着シート」を提供する。
上記の課題を解決するために、
本発明の圧着シートの第1の態様は、
少なくとも、シート基材と剥離可能再貼付不能な接着剤層からなる圧着シートであって、前記シート基材は、少なくとも紙パルプ繊維、及び、応力発光材料を含み、前記シート基材に対する所定の外力負荷によって、前記紙パルプ繊維が前記シート基材内で変形を生じ、且つ、前記応力発光材料の所定の部位に、前記紙パルプ繊維の前記変形に対応した変形応力が発生するとともに、前記所定の部位から前記変形応力に応じた発光強度を有する所定波長の光が発光して、前記所定波長の光が視認可能となることを特徴とするものである。
上記第1の態様の圧着シートによれば、
少なくとも、シート基材と剥離可能再貼付不能な接着剤層からなる圧着シートであって、前記シート基材は、少なくとも紙パルプ繊維、及び、応力発光材料を含み、前記シート基材に対する所定の外力負荷によって、前記紙パルプ繊維が前記シート基材内で変形を生じ、且つ、前記応力発光材料の所定の部位に、前記紙パルプ繊維の前記変形に対応した変形応力が発生するとともに、前記所定の部位から前記変形応力に応じた発光強度を有する所定波長の光が発光して、前記所定波長の光が視認可能となることを特徴とする圧着シートを提供することができ、意匠性、及び、真正性判定性に優れ、且つ、その開封率向上に寄与し得る圧着シートを提供することが可能となる。
本発明の圧着シートの第2の態様は、
第1の態様の圧着シートにおいて、前記応力発光材料は、前記紙パルプ繊維の1/10〜1/2の長さを持つ、針状、または、帯状の形状を有し、且つ、前記紙パルプ繊維と前記応力発光材料が互いに交差した状態で含まれていることを特徴とするものである。
上記第2の態様の圧着シートによれば、
第1の態様の圧着シートにおいて、前記応力発光材料は、前記紙パルプ繊維の1/10〜1/2の長さを持つ、針状、または、帯状の形状を有し、且つ、前記紙パルプ繊維と前記応力発光材料が互いに交差した状態で含まれていることを特徴とする圧着シートを提供することができ、その発光強度が増して、より意匠性、及び、真正性判定性に優れ、且つ、その開封率向上に、さらに寄与し得る圧着シートを提供することが可能となる。
本発明の圧着シートの第3の態様は、
第2の態様の圧着シートにおいて、前記応力発光材料の前記形状は、前記圧着シートに対する請求項1に記載の前記所定の外力負荷に対して、応力集中係数αが2以上となる部位を有する形状であることを特徴とするものである。
上記第3の態様の圧着シートによれば、
第2の態様の圧着シートにおいて、前記応力発光材料の前記形状は、前記圧着シートに対する請求項1に記載の前記所定の外力負荷に対して、応力集中係数αが2以上となる部位を有する形状であることを特徴とする圧着シートを提供することができ、その発光強度がさらに増して、意匠性、及び、真正性判定性に特に優れ、その開封率向上に大きく寄与し得る圧着シートを提供することが可能となる。
本発明の圧着シートの第4の態様は、
第1の態様の圧着シートにおいて、前記シート基材は、フォーム用紙であり、且つ、前記応力発光材料は、所定の形状を有していることを特徴とするものである。
上記第4の態様の圧着シートによれば、
第1の態様の圧着シートにおいて、前記シート基材は、フォーム用紙であり、且つ、前記応力発光材料は、所定の形状を有していることを特徴とする圧着シートを提供することができ、その利便性や品質特性を高めるのみならず、意匠性、及び、真正性判定性に優れ、その開封率向上に寄与し得る圧着シートを提供することが可能となる。
本発明の圧着シートの第5の態様は、
第4の態様の圧着シートにおいて、前記応力発光材料の前記所定の形状は、最大直径が1.0〜20μmであって、且つ、平均直径D50が0.5〜15μmである微粒子形状となっていることを特徴とするものである。
上記第5の態様の圧着シートによれば、
第4の態様の圧着シートにおいて、前記応力発光材料の前記所定の形状は、最大直径が1.0〜20μmであって、且つ、平均直径D50が0.5〜15μmである微粒子形状となっていることを特徴とする圧着シートを提供することができ、その利便性や品質特性を高めるのみならず、その発光強度がさらに増して、意匠性、及び、真正性判定性に優れ、その開封率向上に寄与し得る圧着シートを提供することが可能となる。
本発明の圧着シートの第6の態様は、
第1の態様から第5の態様の何れかの態様の圧着シートにおいて、
前記シート基材がサイジング剤を含み、前記サイジング剤の色調と、前記シート基材に含まれる前記応力発光材料の色調との色差が0.5以下であることを特徴とするものである。
上記第6の態様の圧着シートによれば、
第1の態様から第5の態様の何れかの態様の圧着シートにおいて、
前記シート基材がサイジング剤を含み、前記サイジング剤の色調と、前記シート基材に含まれる前記応力発光材料の色調との色差が0.5以下であることを特徴とする圧着シートを提供することができ、著しく意匠性、及び、真正性判定性に優れ、その開封率向上に、特に寄与し得る圧着シートを提供することが可能となる。
本発明の「圧着シート」に用いられる「シート基材」、すなわち、「用紙」は、その「用紙」の製紙工程において、「紙パルプ繊維」と「応力発光材料」をともに含ませることで、「紙パルプ繊維」と「応力発光材料」とが互いに接触しており、その「用紙」に係る外力負荷が、その内部の「紙パルプ繊維」に伝わって、「紙パルプ繊維」が互いに引っ張られたり、曲げられたりして「変形」する段階で、その「紙パルプ繊維」の受ける「変形」が、その「紙パルプ繊維」と接触している「応力発光材料」への「変形」圧力として働いて、結果として、「応力発光材料」が「変形」圧力を受けて、「応力発光材料」の内部に、「変形応力」が発生し、その「変形応力」に応じた強度を有する(ほぼ比例する。)、所定波長の光が発光するという構造を有している。(図4に、この状態を、『模式図』として示している。図4の中で、『PS1』として示した箇所が、『紙パルプ繊維』と『応力発光材料』とが互いに交差し、且つ、接している箇所であり、『応力発光材料』のこの所定の部位が、『応力集中部分PS1』である。)
そして、この発光した、所定波長の光を、観察者が目視にて視認する。
特に、その「応力発光材料」の形状を、その「用紙」内に、その「応力発光材料」とともに含まれている「紙パルプ繊維」の「長さ」に対して、その1/10〜1/2の長さを持つ「長さ」を有するものとし、且つ、その「形状」も、「針状」、または、「帯状」とすることで、「『紙パルプ繊維』の形と同様であって、且つ、『紙パルプ繊維』より短いもの」とし、「製紙」工程中において、「紙パルプ繊維」と「応力発光材料」が、「適度に絡まる」ようにし(『細長い繊維状のもの』どおしが、互いに、一箇所から数箇所、接している状態、すなわち、互いに交差〈クロス〉している状態を意味する。)、上記した「紙パルプ繊維」から「応力発光材料」への「変形」圧力の伝達効率を高めると同時に、その交差した箇所における「応力発光材料」の「応力」を大きくする。
すなわち、「応力発光材料」のこの所定の部位(応力集中部分PS1)に発生する「応力」を増大させる。(図4参照。)
本発明の「圧着シート」に用いられる「シート基材」を「製紙」する「製紙工程」は、代表的には、図7に示したごとく、「パルプ化工程」、「パルプ漂白工程」、「パルプの精選&脱水工程」、「原料調整工程1:融解&叩解」、「原料調整工程2:サイジング剤等薬品添加」、「抄紙工程1:ワイヤリング&搾水」、「抄紙工程2:乾燥&プレス処理」、及び「加工&仕上げ工程」で構成され、主に、この工程中、「原料調整工程2:サイジング剤等薬品添加」工程や、「抄紙工程1:ワイヤリング&搾水」において、「応力発光材料」を加える。
もちろん、その他の工程において、「応力発光材料」を加えても良いし、この工程中において、「紙パルプ繊維」の「層(「湿紙」ともいう。乾燥前の一つの層を成している状態を意味する。)」を設け、その「層」の上に「応力発光材料」の「層」を重ねて、「『応力発光材料』/『「紙パルプ繊維』」の2層構成(乾燥前に二つの層を重ねるため、二つの材料が混在する境界領域で、より好適な「絡まり」状態とすることができる。)としても良い。
さらには、同様にして、「『応力発光材料』/「紙パルプ繊維』/『応力発光材料』」や、「『「紙パルプ繊維』/『応力発光材料』/「紙パルプ繊維』」の3層構成、または、それ以上の多層とすることができる。
このときに、『応力発光材料』を外側に配置するとその「発光」が視認し易くなり、「紙パルプ繊維』を外側にすると、『応力発光材料』の存在を秘匿し易くなる。
本発明に用いる、「紙パルプ繊維」には、「製紙」に用いるために分離した植物繊維である「パルプ繊維(「パルプ」)」を用いる。
ここで、この「紙パルプ繊維」には、セルロースを、溶剤に溶かして、再度、繊維化させた再生セルロース繊維や、「とうもろこし」の「でんぷん」を素材とした「とうもろこし繊維」など、植物由来の合成繊維をも含む。
本発明に用いる、「繊維」、もしくは、「繊維状」として表している「形状」は、形態上の性質であって、「細長いもの」、すなわち、「太さ」(最大直径。もしくは、その断面の「幅」や「厚さ」で表す。)に対して、「長さ」がきわめて大きいものであって、アスペクト比の値(「太さ」対「長さ」)として、1対50〜1対2000程度のものを用いる。
本発明の「紙パルプ繊維」の形状は、その代表的な「針葉樹パルプ繊維(「N材」)」や、「広葉樹パルプ繊維(LBKP、または、「L材」と呼ばれる。)」において、それぞれ、「太さ」が30〜50μm程度、「長さ」が1.0〜6.0mm、もしくは、「太さ」が10〜30μm程度、「長さ」が0.5〜3.0mmという形状を持つ。
本発明の「圧着シート」に用いられる「シート基材」は、この「紙パルプ繊維」に加えて、「応力発光材料」を含めた「用紙」であって、その「紙パルプ繊維」と、その「応力発光材料」が、その「用紙」の内部で絡まって存在し、この「用紙」に所定の外力負荷、例えば、「指の力」で湾曲させたり、適宜な曲面を持つ治具にその「用紙」を手の力で押し付けたりしたときに、まず、その「用紙」内の「紙パルプ繊維」がその外力負荷によって「変形」を生じる。
このときの「紙パルプ繊維」の「変形」は、以下の様に表現できる。
すなわち、「用紙」の厚さを、一般的な上質紙の厚さに例えて、「100μmの厚さ」とし、この「用紙」を「長さ30mm(30,000μm)の切片」に切り取って、この「『厚さ100μm×長さ30,000μm(図4のような、用紙の断面をイメージしている。)』の『切片』」の中に、「『太さ』が数十μm程度で、『長さ』が数mm(数千μm)程度の『形状』」を持つ「繊維」が、その「繊維」を引き延ばした状態で、しかも、その複数の「繊維」が「引き延ばされつつ、複数個所で接している状態」(この状態が、「複数の『繊維』が絡まった状態」であると表現され、「紙パルプ繊維」は、これらの「接点」において、「水素結合」によって、互いに結合している。)で含まれている、「複合体(用紙全体を複合体と見立てている。)」を想定する。
そして、この「複合体」に対して、「所定の外力負荷」、例えば、この「複合体」の両端を指で挟んで、その「複合体」を「湾曲」させたとき、その「複合体」に閉じ込められている、個々の「繊維」がその「湾曲」に応じて、その「湾曲」方向に、「しなる」ように曲げられることとなる。
しかも、「紙パルプ繊維」間の、それらの「接点」における「結合(水素結合)」は、一般的な高分子の化学結合や、樹脂間の接着などに比べて非常に弱く、上記したような「所定の外部負荷(すなわち、湾曲。)」によって、容易に、その結合が切断され、それらの「紙パルプ繊維」は、「しなる」のみならず、「切片」の両端方向に引っ張られると同時に、「物理的な水平移動」をも引き起こす。(巨視的な移動を伴うという意味。)
そして、「紙パルプ繊維」は、互いの結合が切断した後、再び、空気中の「湿気」、すなわち、水分を吸収して、新たに生じた「別の接点」において、再び「結合」することとなる。
以上のごとく、非常に薄く広がった「複合体(用紙)」の中に閉じ込められている、非常に細長い「繊維(紙パルプ繊維)」は、この「複合体」が「湾曲」したとき、その「湾曲」に応じて「しなる」と同時に「水平移動」を生じる。
特に、このような「用紙」に含められている「紙パルプ繊維」の場合には、この「変形」を、単なる「湾曲」に留めず、すなわち、「適宜な曲面を持つ治具にその『用紙』を手の力で押し付けながら(ここまでが『湾曲』。)、その治具の表面に『用紙』の表面を擦り付ける(その表面上を滑らせるという意味。)」という「変形」(いわば、ずれ変形。)を与えることで、「『湾曲』に伴う変形応力に加えて、『用紙』の内部に『ずれ応力』をも発生させることができる。
そして、このような「すれ応力」が発生すると、上記した「物理的な水平移動」が助長され、最早、その「用紙」は「湾曲」した形状のままとなり、この形状を、再び、元の「平らな状態」に戻すためには、再度、「同様、且つ、逆方向へ」の「ずれ応力を伴う変形処理」が必要となる。
この「応力発光材料」は、セラミック、中でも、金属、または、ケイ素の酸化物、窒化物、炭化物や硫化物の構成を持ち、「紙パルプ繊維」と「応力発光材料」の接点においては、「紙パルプ繊維」間の接点における「セルロースの水酸基」による「水素結合」と同様に、「紙パルプ繊維」を構成している「セルロースの水酸基」と、「酸化物、窒化物、炭化物や硫化物の酸素原子、窒素原子、炭素原子や硫黄原子」との「水素結合」により、その接点において「結合」するものを用いる。
このことにより、この「複合体」が「湾曲」したときの「紙パルプ繊維」の「変形」は、その「紙パルプ繊維」と「結合」している「応力発光材料」の「変形」を引き起こし、特には、「紙パルプ繊維」と「応力発光材料」の接点において、物理的な移動を伴って、「引っ張り応力」、「せん断応力」、「ずれ応力」を発生させる。
もちろん、この「複合体」の「湾曲」、及び、「紙パルプ繊維」の「湾曲」による、直接的な「応力発光材料」への圧力も、その「応力発光材料」の「応力」を助長する。
そして、この「応力発光材料」における、「紙パルプ繊維」の接点の箇所が、「応力発光材料の所定の部位」となり、この「『引っ張り応力』、『せん断応力』、『ずれ応力』」が、「紙パルプ繊維の変形に対応した変形応力」となって、これらの「応力の大きさ」に比例する強度で、より詳しくは、「応力発光材料を構成する構造(組成や結晶構造などを含む。)」に対する「応力の作用する方向」に比例する強度で、その「構造」に特有の波長の光を発する(応力の作用方向に対する依存性があるという意味。)。
本発明の「応力発光材料」は、その「組成」を含めた「立体構造」、さらには、この「構造」の中に位置する「電子密度の高い格子位置の元素」や「電子密度の低い格子位置の元素(『格子欠陥:元素が無い状態』となっているものも含む。)」によって、その電子状態の「遷移幅」が決まり、この「遷移幅」に相当するエネルギーを持つ「光」を発する。
すなわち、外力によって発生した内部応力(「機械的なエネルギー」)を受けて、「エネルギーE=プランク定数×光の振動数」&「光の波長=光速度/光の振動数」の式に基づく、所定の波長の光を放出するが、この内部応力の大きさをいかに大きくしても、また、この内部応力を与える速度をいかに大きくしても(すなわち、ひずみ速度をいかに大きくしても。)、「所定の波長」そのものは変化せず、「一定」である(材料に「固有」という意味。)。
従って、このような「応力発光材料」をその内部に含めた、本発明の「圧着シート」に用いられる「シート基材」の真正性判定を高い信頼性をもって実施することを可能とする。
さらには、この「応力発光材料」に発生する「変形応力」の強度分布によって、すなわち、「応力発光材料」の「変形の仕方」、ひいては、本発明の「圧着シート」に用いられる「シート基材」の「変形の仕方」によって、「所定の波長の光」の「発光強度」や「『シート基材』の紙面上における『発光分布』」が異なってくるため、この性質を利用した真正性判定をも可能とする。
実際に、本発明の「圧着シート」に用いられる「シート基材」を適宜な製紙機にて量産した場合には、個々の「シート基材」の紙面上の「発光分布」について、その「平均発光強度」は制御可能であるものの、個々の「シート基材」の紙面上の「発光分布」、例えば、A4サイズの「シート基材」の中央をある「幅」をもって「縦方向」に、その上端から下端へ向けて、順次、連続的に発光させたときの「発光強度曲線(横軸を「用紙上の縦方向の位置」とし、縦軸を「発光強度」としたグラフ。)は、比較的変動の激しい曲線となり、且つ、その「幅」の設定によりその変動の仕方も大きく変化するとともに、その「発光強度曲線」は、個々の「シート基材」に「固有」のものとなる。(「紙パルプ繊維」に対する個々の「応力発光材料」の配置や絡まり具合までは、人為的な制御が不可能という意味。)
さらには、このような「発光分布」を個々の「シート基材」において、顕著に異ならせることを目的として、後述する製紙工程における「『紙パルプ繊維』と『応力発光材料』」の「懸濁液」の中の「応力発光材料」の「濃度」や「懸濁状態」を時間的に変化させる方法なども好適である。
また、この「所定の波長の光」を視認する際に、適宜な光学フィルター(その「所定の波長の光」のみを通過させる波長フィルターなど。)を介して観察するなどして、その真正性判定の信頼性をさらに高めることも可能である。
この新規な「応力発光材料」の発光メカニズムは、(独立行政法人)産業技術総合研究所山田氏、及び、新日本製鐵株式会社松尾氏により、いずれも、代表的な「応力発光材料」である、SrAl24:Eu系につき、詳細に発表されているため、以下に、その概略のみを記す。(「(独)産業技術総合研究所 生産計測技術研究センター 応力発光技術チーム長 徐超男(編集代表)、上野直広、寺崎正、山田浩志(編集委員)他著、“応力発光による構造体診断技術 Mechanoluminescence and Novel Structural Health Diagnosis”、株式会社エヌ・ティー・エス、2012年8月発刊」参照。)
前者は、母体結晶が、スタッフド・トリジマイト構造であって、且つ、AlO4四面体が「頂点共有」して形作られるハニカム構造となっており、その中の大きな空孔に、Sr2+イオンが配置している構造を持つ。そして、その母体結晶の中に、発光中心として、Eu2+イオンが添加されて、上記したSr2+イオンの2つの種類のサイトに置換されているとし、このEu2+イオンの「4f−5d電子軌道遷移」(このときの電子軌道エネルギーの差が上記のエネルギーEとなる。)に伴う輻射遷移によって発光が起こるものとしている。
後者は、燒結体作成時に、SrAl24のβ相からα相への熱弾性マルテンサイト変態が起こって、結晶内に「双晶界面」が形成され、その界面近傍の電子密度に勾配が生じ、紫外線照射などでEuから励起されたキャリアが、空孔などにトラップされた状態にある「応力発光材料」に、「応力」を負荷すると、「双晶擬弾性変形」が起こり、その変形に伴って「双晶界面」が移動することより、電子密度分布が変化して、トラップされたキャリアが解放され、発光中心のEu2+と再結合して発光が起こるとしている。
そして、この応力を除荷した際、「双晶界面」が元の位置に戻り、その際に、Eu2+からキャリアが励起され、空孔などにトラップされて、元の状態に戻り、この現象が繰り返されるとしている。
これらの発光メカニズムから、「応力発光材料」は、「機械的エネルギーによる『励起』」を必要とせず、「トリボルミネッセンス」とは異なる現象と推察される。
いずれにしても、母体構造そのものの「変形」、従って、「応力発光材料」としての「物理的な変形(具体的に巨視的なスケールで、曲がったり、ねじれたりして、その『形』を変えるという意味。)」が必須であって、「応力発光材料」に対して、このような「変形」を可能とするためには、「応力発光材料」の「動き易さ」、及び、実際に「動く領域(「動ける空間」という意味。)を併せ持つ、「シート基材」の構成設計が必要となる。
そして、この「応力発光材料を構成する『構造』に固有の波長の光」が、上記した「所定波長の光」であって、通常は、「可視光」の波長範囲、すなわち、光の波長で、400nm〜800nmの範囲にあり、一つの種類の「応力発光材料」に対応して、一つの波長の光が発光する。従って、この発光した「所定波長の光」を観察者が目視にて視認できることとなる。
但し、この「所定波長の光」の強度を、目視にて視認可能とするために、その「発光輝度」を、少なくとも1.0mcd/cm2の大きさとする。
そして、この「応力発光材料」と接している「紙パルプ繊維」そのものの透明性が高いことを利用し、このような「応力発光材料」の発光した光を、その近傍にある「紙パルプ繊維」の内部で繰り返し反射を起こしつつ通過するようにして、その視認性をさらに高めることができる。(その接している箇所から、「紙パルプ繊維」内を、発光した光が広がる際に、その光が「紙パルプ繊維」の最外壁との成す角度によっては、その光が、その最外壁で反射を繰り返すという意味。)
特に、屋外での目視確認においては、10mcd/cm2以上、さらに、「高輝度」と認識させ、且つ、その「発光」を真偽判定に利用する場合における、その判定の信頼性をより高くするため、100mcd/cm2以上の「発光輝度」を持たせる。
もちろん、一つの「応力発光材料」に、「複数の構造(結晶構造や、発光中心元素の異なるものなど。)」を含ませたり、「シート基材」に、複数の種類の「応力発光材料」を含ませたりして、複数の波長領域を持つ光を発光するものとしてもよいし、さらには、可視光以外の波長領域において、「応力発光」させ(紫外光や赤外光の応力発光をする材料を用いる。)、その発光した光で、あらかじめ、本発明の「圧着シート」に用いられる「シート基材」に、適宜、含ませておいた「蛍光体層(適宜な蛍光材料を含む層。)」や「蛍光体パターン層(パターン状に形成した蛍光体層)」を「励起」して、可視光領域にて発光させて、結果として、可視光を視認するものとしてもよい。
本発明においては、さらに、「応力発光材料」を、「紙パルプ繊維の1/10〜1/2の長さを持つ」ものとする。
このことは、「応力発光材料」の「長さ」が、その「応力発光材料」を含める「シート基材」に用いる「紙パルプ繊維」の「長さ」に対して、その「1/10〜1/2」の「長さ」を有するものとすることであって、「紙パルプ繊維」に、代表的な「針葉樹パルプ繊維(NBKP、または、「N材」と呼ばれる。)」(「太さ」が30〜50μm程度、「長さ」が1.0〜6.0mm)を用いた場合には、「応力発光材料」の「長さ」を、その「1/10〜1/2」である、「0.1mm〜3.0mm」とすることである。
または、その「N材」の「平均長さ」が、例えば、「3.0mm」である「N材」を用いた場合には、「応力発光材料」の「平均『長さ』」をその「1/10〜1/2」となる、「0.3mm〜1.5mm」とするものである。
この「応力発光材料」の「長さ」を、「紙パルプ繊維」の「長さ」の1/10未満とすると、「紙パルプ繊維」の変形が、「応力発光材料」に伝わり難くなり、また、「応力発光材料」の「長さ」が、「紙パルプ繊維」の「長さ」の1/2を超えるものとしても、同様である。
さらに、「製紙」工程においては、「紙パルプ繊維」を一定方向に流しながら製造するため、この方向に「紙パルプ繊維」の「長さ」方向が揃いやすく「紙の流れ目」ができるが、「応力発光材料」の「長さ」を、「紙パルプ繊維」の「長さ」の1/10〜1/2とすることで、「応力発光材料」にも、この「流れ目」が発生し易くなり(「紙パルプ繊維」の「長さ」方向に、「応力発光材料」の「長さ」方向が揃うという意味。)、その結果として、「シート基材」を、その「流れ目」に対して「垂直」に湾曲させる場合(個々の「応力発光材料」を「折り曲げる変形」となる。)と、その「流れ目」に対して「平行」に湾曲させる場合(個々の「応力発光材料」に対する「変形」がほとんど生じない。)とで、「応力発光材料」に発生する「応力」の方向のみならず、「応力」の大きさに対して、「大きな有意差(目視判別できる差という意味。)」を生じさせることができる。
また、「応力発光材料」の形状を、「針状、または、帯状の形状」とし、「紙パルプ繊維」と同様の形状を持たせることで、すなわち、「針状」の形状として、最大直径5μm〜30μmで、上記した「所定の長さ」を持つ「繊維状」とし、もしくは、「帯状」の形状として、厚さ5μm〜30μm、横幅5μm〜60μm(厚さ/横幅比=1/1〜1/10。)で「所定の長さ」を持つ「極薄板状(帯状)」とすることで、「紙パルプ繊維」と適切に絡むことを可能とする。
特に、「帯状」の形状は、「紙パルプ繊維」に対して、より絡み易く、好適である。
さらに、「紙パルプ繊維と応力発光材料が互いに交差した状態」で含ませることで、「応力発光材料」の発光を増大させる。
すなわち、「シート基材」の「製紙工程」において、上記した処置を施すことで、「紙パルプ繊維」の「繊維」と、「応力発光材料」の「繊維」が、互いに少なくとも一つの「接点」において、重なりつつ(接しつつ)、すなわち、結合しつつ、例えば、「×」状、または、「キ」状に、「クロス(交差)」している部分が、多数存在する状態となる。
この「互いに交差した状態」が増加すればするほど、「シート基材」を変形させたときの発光強度が増大する。
また、このような「交差した部分」には、「変形応力」が集中し、そのことによって、「応力発光材料」の発光強度が増すとともに、発光部位も局所的となる(一点に集中するという意味。)ことから、発光した部位とその周辺領域のコントラストが大きくなって、より視認し易くなる。
そもそも、「紙」とは、「植物などの繊維を絡ませながら薄く平(たいら)に成形したもの」であって、日本工業規格 (JIS) では、「植物繊維その他の繊維を膠着させて製造したもの」と定義されている。
「広義の紙」の原料としては、直径100μm以下の細長い繊維状であれば、鉱物、金属、動物由来の物質、または合成樹脂など、ほぼあらゆる種類の原料を用いて「広義の紙」を作ることができ、「不織布」なども、「紙」の一種として分類されることがある。
しかし、本発明に用いる「紙」とは、「植物繊維」である、「紙パルプ繊維」を原料にしているものとし、その「紙」の「製法」(「製紙」の方法。)も、「紙パルプ繊維」を、適宜な「水」に分散させてから、「簀の子」や「網(ネット)」の上に広げ、脱水工程、及び、乾燥工程等を経て作られるものを用いる。但し、「水」を使用しない「乾式製法」で製造したものを除外するものでない。
但し、「応力発光材料」の中には、耐水性の劣る性質を有するものもあるため、そのような「応力発光材料」の表面に対して、シリル化など、表面処理を施して、水による「応力発光材料」の結晶構造の崩壊や、発光性の喪失を防ぐことができる。
さらには、その表面処理面を覆うように、熱可塑性樹脂や、熱硬化性樹脂の「被膜」を形成したものとしてもよい。特には、「紙パルプ繊維」と絡まり易い、メチルセルロース、メチルセルロース、硝酸セルロース、セルロース・アセテートプロピオネート等のセルロース系樹脂が好ましい。
その表面処理剤としては、リン酸基、亜リン酸基、スルホン酸基、カルボン酸基、およびシラノール基の少なくとも何れかの酸性基、または、そのエステルを含む化合物を用いて、これらの表面処理剤を応力発光材料と反応させる方法により施すことができる。
例えば、上記の表面処理剤を有機溶媒に溶解させ、その溶液に応力発光材料を添加し、攪拌する方法などを好適に用いることができる。
特に、トリメチルシリルクロライドや、ヘキサメチルジシラザン等のシリル化剤による表面処理が好ましい。
このような応力発光材料の耐水性の向上により、上記した製紙工程の中の「水」処理工程における発光性能の低下を防ぐことを可能とし、さらには、「シート基材」としての耐水性や耐候性の向上を図ることができる。
本発明における「シート基材」に用いる「紙パルプ繊維」の原料としては、いわゆる「和紙」や「洋紙」の原料である、「木材」そのもの、「輸入木材チップ」、「非木材植物」、さらには、「古紙」を用いることができ、それらを「パルプ化」した、「木材パルプ」、ワラパルプ、ケナフパルプなどの「非木材パルプ」や、「古紙パルプ」などを用いることができる。
または、「パルプ化」の方法による分類においては、「砕木パルプ(GP)」、「リファイナーグランドパルプ(RGP)」などの「機械パルプ(MP)」や、「クラフトパルプ(KP)」などの「化学パルプ(CP)」を用いることができる。
本発明の「応力発光材料」には、上記したように、「熱弾性マルテンサイト変態」近傍において、「物理的な変形」を伴って、その材料に「応力」を負荷すると「双晶擬弾性変形」を生じやすい材料である、「Eu添加SrAl24(SAOE)」等に代表される、「『物理的な変形』を伴って、その材料に『応力』を負荷した際に、所定の波長の光を発光し、且つ、その負荷した『応力』に応じてその発光強度が増加する」材料を焼成し、焼結させて、上記した「繊維」状など、所定の形状としたものを用いる。
ここで、「『物理的な変形』を伴って、その材料に『応力』を負荷する」とは、
「シート基材に対する所定の外力負荷」によって、その「外力負荷」が、「『紙パルプ繊維』に対する外力負荷」へと伝わり、さらには、「『応力発光材料』に対する外力負荷」へと伝わったときに、「応力発光材料」内に「応力ひずみ」が発生し、「応力発光材料」そのものが、「物理的な『変形』」=「応力ひずみ」を生じることを意味する。
すなわち、本発明の「応力発光材料」は、外力負荷を与えると、いわゆる「応力―ひずみ線図」において、その「弾性域内(応力―ひずみ線図において、直線状に変化する領域。従って、外力負荷を除去すると元の状態に戻ろうとする。)」における挙動を指す。(この挙動が、いわゆる「弾性変形」である。)
本発明の「応力発光材料」の「応力発光」は、この「弾性変形」領域で発生する現象を利用するものであって、その発光現象を、数百回から数万回程度、安定して起こすことができ、この「発光」を視認することで、その真正性を判定する目的、すなわち、この「発光」と「判定」を繰り返し行う用途に適している。
このように、「『物理的な変形』を伴って、その材料に『応力』を負荷する」と、材料外形に対して、目視できるほど大きな「物理的な変形」を生じさせることができ、その材料内部の結晶構造そのもの(格子形状など。)や、晶壁(結晶と結晶の壁。)に対しての変形や移動を促進し、その「変形や移動」に基づく「発光」を増大させることができる。
より具体的には、あくまで「結晶構造が、『どのような変化をするか』について『概念的なイメージ』を捉え易くするための説明」としてではあるが、以下のように例えることができる。
すなわち、結晶格子の一つである「正方晶」に、「『物理的な変形』を伴わせて」、例えば、「正方晶の一つの軸方向へのせん断変形を伴う相変態」を起こさせて、外観上、あたかも「三斜晶」へと「変形」したような変化、または、複数の結晶構造が層状に重なった状態において、それらの結晶層の間で「ずれ変形」を起こさせて、「材料」全体として、「巨視的な変形(測定可能、もしくは、目視可能なレベルの変形。)」を生じるような変形に例えられる。(あくまでイメージである。)。
そして、上記の「物理的な変形」が、その「応力―ひずみ線図」において、いわゆる「降伏点」を超えて、「塑性域」に達してしまうと、外力負荷に応じて「材料」が伸びていくのみとなり、その「材料」が「破断」するまで「伸び」続け、最早、繰り返し発光させることができなくなるため、このような「塑性域」における変形は、本発明の「変形」では無い。
また、「材料形状にほとんど変化を与えずに、その材料の内部応力を高める」ことも、本発明の「変形」に該当しない。
例えば、「その材料の外形面に、数百N(ニュートン)の外圧を負荷して、その材料の内部応力を高めても、『応力ひずみ』が発生せず、且つ、『材料形状』がほとんど変化しない状態」においては、その材料内部の結晶構造そのもの(格子形状など。)や、晶壁(一つの結晶構造と他の結晶構造の間の壁<境界面>。)に対しての変形や移動が発生しないと考えられ、言い換えると、「単に、格子を構成する原子間の間隔やその配置を維持したまま、負荷された大きい圧力に、それらの構造が耐えている状態」を指し、従って、その原子配置等から想定される「電子状態」に何らの変化も無いことから(従って、電子遷移による発光が無い。)、本発明の「外力負荷とその変形」とは異なり、「本発明に係る発光」は何ら生じない。
本発明の「応力発光材料」には、多面体構造の複数の分子によって形成される母体構造の空間に、アルカリ金属イオンや、アルカリ土類金属イオンが、挿入された基本構造を有し、その一部が、希土類金属イオン、や遷移金属イオンの中の、少なくとも1種の金属イオンによって置換されている応力発光材料、AlO様構造、及び、SiO様構造の四面体構造を有する複数の分子によって形成された3次元構造と、非対称性のフレキシブルなフレーム構造とを有する基本構造に、発光中心が挿入された構成である応力発光材料、歪エネルギーの形成によって、圧電効果、格子欠陥、および変形による発熱等の機構により発光する応力発光材料や、複数の結晶構造を混在してなる混和とした応力発光材料など、さらには、これらの応力材料の発光輝度を、数百倍以上高めた、高発光輝度応力発光材料、可視光領域以外の発光を生じる紫外光(赤外光)発光応力発光材料、もしくは、超微粒子化して透明な樹脂に分散せて「透明な繊維状」とした応力発光材料などを用いることができる。
これらの材料を用いて、本発明の「応力発光材料」を、所望の形状、すなわち、「繊維状」などとするためには、材料組成を整えた粉体混合物を、そのまま、もしくは、適宜な樹脂材料に分散混合して、所定の形状を有する「成形型」に入れ、焼成、そして、燒結させて得ることができる。
または、「焼成時に焼失し得る樹脂板」上に、上記の粉体混合物そのものや、上記の樹脂材料分散混合物を、微細パターン状に形成後、同様に、焼成し、燒結させて得ることができる。
もちろん、単なる「破砕(粉砕)方式」を採用することも可能であるが、その破砕(粉砕)物は、上記の方法で作製したものより、その「形状」の均一性や、寸法精度、さらには、その表面の「滑らかさ」などが若干劣るものとなり易いため、この方式の場合には、あらかじめ求める形状に近い厚さとした、「薄くシート状の成形体」を燒結させた後に、破砕(粉砕)することが好ましい。
また、本発明の「応力発光材料」として、「応力集中係数αが2以上である応力発光材料」を使用することで、その「発光」強度を高いものとし、その視認判定の信頼性を確保することができる。
本発明の「応力発光材料」の「応力集中係数α」を、2以上とするためには、「繊維状」の外形をした「応力発光材料」の一部に、その直径の1/10〜1/5の深さの「凹み」や「切欠き」を設ける。この「凹み」や「切欠き」は、「応力発光材料」の繰り返し発光性が維持できる範囲において、複数個所、設けることができる。
この「凹み」の形は、「底の浅い形」としても、もしくは、「底の深い形」としても、いずれも、この「凹み」の「底部」周辺に、「応力集中」が起こり、その「応力集中係数α」は、2以上となる。
さらには、この[凹みの開口幅/凹みの深さ] 比を、[2/1〜10/1]とすると、ほとんど「裂け目」のような形とすることができ、その「底部」は「鋭利な刃物の切っ先」の様になり、この「底部」における「応力集中係数α」は、100以上となる。
本発明の「応力発光材料」を、「針状、または、帯状の形状」としたときには、例えば、「針状」のその「長さ」方向の真ん中近傍に、上記した「凹み」を入れたり、「帯状」のその「長さ」方向の真ん中近傍に、その「帯」の幅の1/10〜1/3の大きさの長軸直径を有する「楕円形の貫通孔」を設けたりする。
特に、この「帯」の場合は、その「帯」をその長手方向に対して畳むように曲げる場合、幅方向に対して畳む場合、さらには、その「帯」の側面を折るように曲げる場合とで、さらには、その楕円形貫通孔の長軸の方向によって、その「応力集中係数α」の値を大きく異ならせることができる。
同様に、「段差」、「凹凸」や、「材料組成の急激な変化」を設けることで、「応力集中係数α」の値を調節することができる。
このような、「応力発光材料」に、所望の「凹み」や「切欠き」を設けるには、上記した「成形型」や、「焼成時に焼失する樹脂板上」にあらかじめそのような「凹み」部や、「切欠き」部に該当する部分を設けておく方法を用いる。
また、「貫通孔」や、非常に「鋭利な隙間」を設ける場合には、「焼成時に焼失する樹脂」をその箇所に詰め込んでおく方法を用いる。
本発明の「応力発光材料」は、発生した「応力の大きさ」に応じて、さらには、ほぼ比例して、その発光強度が大きくなるため、「応力集中係数α」が大きいほど、その発光強度が増大し、視認性を向上させることができる。
この「応力集中係数α」は、大きいほど望ましく、2以上とする。さらには、10以上、より好適には、100以上とすることで、その発光強度を「高輝度」とすることができるため好適である。
また、このようにして「応力集中係数α」の大きい「応力発光材料」を用いることで、「応力発光材料」に負荷する「応力」の「大きさ」は、例えば、JIS X 6305(2010:ISO/IEC 10373−1)の「識別カードの試験方法―第1部:一般特性」に提示されている、「カードの右側3mm以内の領域全体に0.7Nの荷重(F)を1分間かける。」というような「大きな応力負荷。(10MPa程度と試算される。)」でなく、観察者の「手」で軽く曲げる程度の「大きさ」で、十分な発光を得ることができるものとなり、そのような応力負荷を、5kPa〜1MPa、好ましくは、5kPa〜100kPaに設定することができる。
但し、上述したように、「応力集中係数α」が大きければ大きいほど、「応力発光材料」の「形状」の「不連続性」が、いわゆる「急激」なものとなり、「応力発光材料」を「発光」させるための「変形」を繰り返すと、容易に「破壊」され、もはや、「発光」しなくなるため、「応力集中係数α」が1000を超えるものとすることは、不適当である。
「応力集中係数α」の計算は、上述した「円柱形」のような、単純な形状においては容易であるが、より複雑な形状を持つ「応力発光材料」に対する、しかも、「応力発光材料」の中で、「所定の部位」に「応力が集中」し、その「『応力発光材料』の中で『応力集中係数αが2以上』となる所定の部位」の、その『応力集中係数α』の値を求めるためには、「有限要素法」を用いた「構造解析ソフト(応力分布解析ソフト)」を適用して求める必要がある。
この方法により、「応力発光材料」に対して、どの方向からどのような大きさの外力を負荷すると、どの部位の『応力集中係数α』が高くなるかを試算することができ、さらには、本発明の「圧着シート」に用いられる「シート基材」そのものに対して、その「シート基材」を引っ張る力の大きさや方向、曲げる力の大きさや方向、さらには、ねじる力の大きさや方向に対する「シート基材」内の応力集中傾向を試算することが可能となる。
このようにして、本発明の「圧着シート」に用いられる「シート基材」の応力集中傾向を分析し、さらに、その内部に含めた「応力発光材料」の「形状」やその配置を分析することで、最終的には、その「応力発光材料」の、その「応力集中部位」の「応力」の大きさを推定する。
ここで、本発明に用いる、「応力発光材料の形状は、所定の外力負荷に対して、応力集中係数αが2以上となる部位を有する形状である」との記載における、その「応力集中係数α」とは、あくまで、「応力発光材料」そのものにおける「応力集中係数α」であって、「応力発光材料」の「形状」そのものに起因する数値を用いる。
本発明の「圧着シート」に用いられる「フォーム用紙」は、その「用紙」の製紙工程において、「紙パルプ繊維」と「応力発光材料」(上記した、『用紙』に用いる『応力発光材料』とは、異なる『応力発光材料』を用いるが、説明の煩雑さを避けるため、単に『応力発光材料』と表す。以下、同様。)をともに含ませることで、「紙パルプ繊維」と「応力発光材料」とが互いに接触しており、その「用紙」に係る外力負荷が、その内部の「紙パルプ繊維」に伝わって、「紙パルプ繊維」が互いに引っ張られたり、曲げられたりして「変形」する段階で、その「紙パルプ繊維」の受ける「変形」が、その「紙パルプ繊維」と接触している「応力発光材料」への「変形」圧力として働いて、結果として、「応力発光材料」が「変形」圧力を受けて、「応力発光材料」の内部に、「変形応力」が発生し、その「変形応力」に応じた強度を有する(ほぼ比例する。)、所定波長の光が発光するという構造を有している。
本発明の「圧着シート」に用いられる「フォーム用紙」に使用される「応力発光材料」は、上記したような「用紙」に用いられる「応力発光材料」、すなわち、「紙パルプ繊維」と同様の大きさの「繊維状」(『針状』や『帯状』。)の「形状」ではなく、「所定の形状」、具体的には、「粒子」状の「形状」を持ち、さらには、「微粒子」状、特には、「超微粒子」状である。
そして、その「粒子」状の「応力発光材料」の表面には、多数の突起(凸部)や、多数のクレーター(凹部)が存在している。
すなわち、その「応力発光材料」の一つ一つの「粒子」の表面には、多数の「凹凸」が存在し、その「粒子」に、上記したような「外部からの力」(『粒子』に対する『変形』圧力。)が働くと、その「粒子」の内部に発生する「変形応力」は、その凸部の「頂点」や、その凹部の「底」に集中することとなり、その中でも、特に、その「凹部の底の部位」に、最も大きな変形応力(内部応力)が発生する(『応力発光材料』のこの『所定の部位』が、『応力集中部分』である。異なる『応力発光材料』であっても、その『応力集中部分』については、『所定の部位』と称する。)。(図5参照。図5に、この状態を、『フォーム用紙A1』の一断面の『模式図』として示している。図5の中で、『粒子』状の『応力発光材料PP3』の表面にある、『凹凸』の『凹部の底』の『部位』を、『応力集中部分PS1』として示している。)
さらには、その「粒子」状の「応力発光材料」の「形状(外形)」の一部に、その最大直径の1/10〜1/5の深さの「凹み」や「切欠き」を設けておくことによっても、その「凹み」の「底部」周辺や、「切欠き」の「頂点(底の尖っている部分)」周辺に「応力集中」が起こり、その「底部」や「頂点」の「部位」が、「応力集中部分」となる。(図示せず。)
また、「紙パルプ繊維」と「応力発光材料」とが互いに接している箇所も、その「接している箇所」に応力集中が起こり、「応力発光材料」の、その「接している箇所」が、「応力集中部分」となり得る。(図5参照。図5は模式図であって、『応力発光材料PP3』が、『紙パルプ繊維PP1』の表面に固着している状態を示している。『紙パルプ繊維PP1』どおしが交差している位置に、『応力発光材料PP3』が固着している状態も図示しているが、この部位については、『応力集中部分PS1』としての表示はしていない。また、『応力発光材料PP3』単独の状態で表示してあるものは、『紙パルプ繊維PP1』以外の、何らかの『材料』に付着して存在している状態を示している。)
そして、この発光した、所定波長の光を、観察者が目視にて視認する。
さらに、本発明の「圧着シート」に用いられる「フォーム用紙」は、上記したように、孔開け加工、ミシン加工、ジグザグ折加工、スリッター加工、バースト加工、二つ折り加工、三つ折り加工、全面糊付け加工、部分糊付け加工、窓開け加工、窓フィルム貼り加工、封筒加工、エンボス加工、もしくは、磁気ストライプ等、偽造防止その他の目的の種々の材料の貼付加工や、転写加工などの「後加工」(いずれの『加工』も、『処理』と称し、それらを総称して、『後処理』ともいう。)を施される。
(図6参照。図6においては、『フォーム用紙A2』として、いわゆる『連続帳票』の一部を示し、孔開け加工により設けた『送り孔HL』、横ミシン加工により設けた『横ミシンM1』、縦ミシン加工により設けた『縦ミシンM2』、及び、スリッター加工により設けた『スリット端面SL』の『加工状態』を、模式的に例示している。『フォーム用紙A2』としての『単票』や、その他の加工を施した状態は省略している。)
特に、「孔開け加工」の「加工精度」は、その「孔」が「送り孔(スプロケットホールとも称す。)」である場合には、上記した種々の「プリンター」での連続印字の際の、「紙送り適性」(『紙折れ』、『蛇行』や、『ジャム』等の無い『スムースな送り』を実現可能な性質という意味。)及び、「印字位置精度」を左右するため、「孔開け加工」に用いる「加工刃」の摩耗が激しいと、この「加工刃」の交換頻度が急増するのみならず、「加工刃」が突発的に折れたり、突発的な刃欠けを生じることによる「用紙ロス」や「作業時間ロス」までも発生し、また、「加工刃」の「刃先」に「部分的な摩耗」が発生していることを把握難くなり、「種々の孔開け不良」を含む「フォーム用紙」を製造してしまうこととなる。(このことは、『加工刃』を用いない『レーザー加工』においても同様であり、要求される『高いレーザー出力』の変動による『不良』発生が見込まれる。以下、同様。)
このため、上記した「加工」に用いられる「加工刃」の消耗度合は、その「消耗速度」、または、その結果、顕在化する「加工刃交換期間」によっても把握できる。
すなわち、本発明の「圧着シート」に用いられる「フォーム用紙」は、上記した「品質仕様」を満足するとともに、この「消耗速度」も、「通常のフォーム用紙(応力発光材料が含まれていないフォーム用紙)」と同等、もしくは、少なくともその2倍の「消耗速度」までとする必要がある。この「消耗速度」を指標化するため、「加工刃」の「交換期間」に置き換えると、「通常のフォーム用紙」を用いた場合の「加工刃」の「交換期間」に対して、本発明の「圧着シート」に用いられる「フォーム用紙」を用いた場合の「加工刃」の「交換期間」は、その「1/2〜1/1の期間」とする。
以上のことは、「ミシン加工」、及び、「スリッター加工」においても同様である。
さらに、このような「送り孔」、「ミシン目」や、「スリッターライン(『端面』を意味する。部分的なスリッターとなる『切り込みライン』等を含む。)」は、
それぞれが、「フォーム用紙」に対して、それぞれの「形」(『円形の孔』の『形』、『楕円形の孔』の『形』、もしくは、『垂直に切り立った断面』の『形』など。)での「切り込み(『切断』を含む。)」を設けたものとなっており、「プリンター」などの「フォーム用紙送り機構」や、「フォーム用紙」の種々の「加工機」(折り機、製袋加工機や、バースター等。)における「フォーム用紙搬送機構」によって、様々な「外力負荷」を受け、その「送り孔」、「ミシン目」や、「スリッターライン」の「形」に特有の「応力集中部分」に、強い「発光」を生じることとなる。
例えば、「フォーム用紙」の「送り孔」は、「プリンター」の「フォーム用紙送り機構」の一つである、「送りピン」(『送り孔』に『送りピン』を挿入し、『送りピン』の移動に伴い、『フォーム用紙』を搬送するもの。)により、その「送りピン」と「送り孔」との「接点」において、その「送りピン」の移動方向に、所定の「外力負荷」を受け、
この「接点」に「変形応力」が集中し(円形の孔の円周上の『一点』に大きな外力負荷が負荷され、その「円形」が歪むことによる「変形応力」も働く。)、その「接点」近傍に存在する「フォーム用紙」内の「紙パルプ繊維」が変形して、その「接点」近傍に存在する「フォーム用紙」内の「応力発光材料」の所定の「部位」に、その「紙パルプ繊維」の変形に対応した「変形応力」が発生し、その所定の「部位」から、その「変形応力」に応じた発光強度を有する所定波長の光が発光する。
特に、この「送り孔」の「形」が、単なる「円」や「楕円」でなく、その円周上、もしくは、その楕円周上において、多数の「切欠け」を有する「形」(いわゆる、ギザギザの周を持つ『孔』を意味する。)であった場合には、その「一点」にあたる「切欠け」部分に非常に大きな「変形応力」が働き、結果として、上記の「部位」から、強い「発光」が生じることとなる。
そして、このような「フォーム用紙」の「送り孔」、「ミシン目」や、「スリッターライン」等における所定の波長の「発光」を適宜な受光素子により受光して、使用している「フォーム用紙」が真正なものであると判定したり、それらの「発光」を適宜な「位置センサー」で検知して、「フォーム用紙」の送り状況や、加工状況を把握し、「送りピン」の移動速度等を制御することで、「フォーム用紙」の送り精度や加工精度を向上させることを可能とする。
本発明の「圧着シート」に用いられる「フォーム用紙」を「製紙」する「製紙工程」は、代表的には、図7に示したごとく(基本工程は、『用紙』の『製紙工程』と同様となるが、それぞれの『応力発光材料』の加える手段や方法は、異なる。)、「パルプ化工程」、「パルプ漂白工程」、「パルプの精選&脱水工程」、「原料調整工程1:融解&叩解」、「原料調整工程2:サイジング剤等薬品添加」、「抄紙工程1:ワイヤリング&搾水」、「抄紙工程2:乾燥&プレス処理」、及び「加工&仕上げ工程」で構成され、主に、この工程中、「原料調整工程2:サイジング剤等薬品添加」工程や、「抄紙工程1:ワイヤリング&搾水」において、「応力発光材料」を加える。
もちろん、その他の工程において、「応力発光材料」を加えても良いし、この工程中において、「紙パルプ繊維」の「層(「湿紙」ともいう。乾燥前の一つの層を成している状態を意味する。)」を設け、その「層」の上に「応力発光材料」の「層」を重ねて、「『応力発光材料』/『「紙パルプ繊維』」の2層構成(乾燥前に二つの層を重ねるため、二つの材料が混在する境界領域で、より好適な「絡まり」状態とすることができる。)としても良い。
さらには、同様にして、「『応力発光材料』/「紙パルプ繊維』/『応力発光材料』」や、「『「紙パルプ繊維』/『応力発光材料』/「紙パルプ繊維』」の3層構成、または、それ以上の多層とすることができる。
このときに、『応力発光材料』を外側に配置するとその「発光」が視認し易くなり、「紙パルプ繊維』を外側にすると、『応力発光材料』の存在を秘匿し易くなる。
本発明に用いる、「紙パルプ繊維」には、「製紙」に用いるために分離した植物繊維である「パルプ繊維(「パルプ」)」を用いる。
ここで用いる「紙パルプ繊維」は、上記した「用紙」に用いる「紙パルプ繊維」と同様のものを用いることができる。
本発明の「圧着シート」に用いられる「フォーム用紙」も、この「紙パルプ繊維」に加えて、「応力発光材料」を含めた「用紙の一種」であって、その「紙パルプ繊維」と、その「応力発光材料」が、その「フォーム用紙」の内部で接して存在し、この「フォーム用紙」に所定の外力負荷、例えば、「指の力」で湾曲させたり、適宜な曲面を持つ治具にその「フォーム用紙」を手の力で押し付けたりしたときに、まず、その「フォーム用紙」内の「紙パルプ繊維」がその外力負荷によって「変形」を生じる。
このときの「紙パルプ繊維」の「変形」は、上記した「用紙」の場合と同様である。
「フォーム用紙」としての「繊維複合体」が「湾曲」したときの「紙パルプ繊維」の「変形」は、その「紙パルプ繊維」と「結合」している「応力発光材料」の「変形」を引き起こし、特には、「紙パルプ繊維」と「応力発光材料」の接点において、物理的な移動を伴って、「引っ張り応力」、「せん断応力」、「ずれ応力」を発生させる。
そして、この「応力発光材料」における、「紙パルプ繊維」との接点の箇所が、「応力発光材料の所定の部位」となり、この「『引っ張り応力』、『せん断応力』、『ずれ応力』」が、「紙パルプ繊維の変形に対応した変形応力」となって、これらの「応力の大きさ」に比例する強度で、より詳しくは、「応力発光材料を構成する構造(組成や結晶構造などを含む。)」に対する「応力の作用する方向」に比例する強度で、その「構造」に特有の波長の光を発する(応力の作用方向に対する依存性があるという意味。)。
従って、このような「応力発光材料」をその内部に含めた、本発明の「圧着シート」に用いられる「フォーム用紙」の真正性判定を、高い信頼性をもって実施することを可能とする。
さらには、この「応力発光材料」に発生する「変形応力」の強度分布によって、すなわち、「応力発光材料」の「変形の仕方」、ひいては、本発明の「圧着シート」に用いられる「フォーム用紙」の「変形の仕方」によって、「所定の波長の光」の「発光強度」や「『フォーム用紙』の紙面上における『発光分布』」が異なってくるため、この性質を利用した真正性判定をも可能とする。もちろん、上記した「送り孔」や「ミシン目」等における「発光」、及び、「発光分布」も、上記したように、その真正性判定に利用可能である。
実際に、本発明の「圧着シート」に用いられる「フォーム用紙」を適宜な製紙機にて量産した場合には、個々の「フォーム用紙」の紙面上の「発光分布」について、その「平均発光強度」は制御可能であるものの、個々の「フォーム用紙」の紙面上の「発光分布」、例えば、幅11インチの連続用紙とした「フォーム用紙」の中央をある「幅」をもって「進行方向」に、順次、連続的に発光させたときの「発光強度曲線(横軸を「用紙上の進行方向の位置」とし、縦軸を「発光強度」としたグラフ。)は、比較的変動の激しい曲線となり、且つ、その「幅」の設定によりその変動の仕方も大きく変化するとともに、その「発光強度曲線」は、個々の「フォーム用紙」に「固有」のものとなる。(「紙パルプ繊維」に対する個々の「応力発光材料」の配置や絡まり具合までは、人為的な制御が不可能という意味。)
さらには、このような「発光分布」を個々の「フォーム用紙」において、顕著に異ならせることを目的として、後述する製紙工程における「『紙パルプ繊維』と『応力発光材料』」の「懸濁液」の中の「応力発光材料」の「濃度」や「懸濁状態」を時間的に変化させる方法なども好適である。
また、この「所定の波長の光」を視認する際に、適宜な光学フィルター(その「所定の波長の光」のみを通過させる波長フィルターなど。)を介して観察するなどして、その真正性判定の信頼性をさらに高めることも可能である。
また、本発明において、「応力発光材料」の「色調」を、その「シート基材」に用いた「サイジング剤」の「色調」との「色差」で、0.5以下とすることで、「用紙」、もしくは、「フォーム用紙」である「シート基材」の中の「応力発光材料」の存在を隠ぺい可能とする。
「シート基材」の「製紙」工程で使われる、種々の薬品や添加物、すなわち、本発明の「圧着シート」に用いられる「シート基材」に用いられる、これら添加物の総称としての「サイジング剤」には、「製紙工程」において、「網(ワイヤー)」の上に残る「紙パルプ繊維」や鉱物系填料の割合(歩留まり)を向上させるために添加される薬品であって、主に硫酸アルミニウム、ポリアクリルアミドなどのポリマー類、デンプン類、さらには、カルボキシメチルセルロースや無機のコロイダルシリカが用いられる、歩留剤、「製紙工程」において、水切れを良くし、乾燥性を上げるために添加される薬品であって、ポリエチレンイミンやポリアクリルアミド、カチオン化デンプンなどが用いられる、濾水向上剤、「用紙」に強度をもたせるために添加され、内添方式で用いられる、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン、ポリビニルアミンなど、濡れて水分を帯びた状態での強度を持たせるための湿潤紙力増強剤、カチオン化デンプンやカチオン性や両性のポリアクリルアミド系コポリマーなど、通常の乾いた状態での紙の強度を上げるための、乾燥紙力増強剤、表面方式で用いられる、紙の表面に、変性でんぷん、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコールなど、塗布またはスプレーで付着させる、紙力増強剤、「機械抄き和紙」の「紙パルプ繊維」を水中に分散させた状態を保ち、重ね合わせた紙の接着を防ぐ効果のあるトロロアオイなどの天然「ねり」や、ポリアクリルアミドなどの合成粘剤(合成ねり)、ロジン石鹸、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸、ポリビニルアルコールなど、内添方式のもの、または、酸化でんぷん、スチレン・アクリル共重合体(コポリマー)、スチレン・メタクリル共重合体など、ゲートロールコーターや液膜転写によって塗布する表面方式のものであって、「用紙」に対して、インクなど液体の浸透性を抑え、裏移りや滲みを防ぎ、ある程度の耐水性を与える目的で加えられる、サイズ剤、パルプの減量、軽量化に対応しながら、不透明性や印刷性能を保つために、脂肪酸エステルエマルジョンなどの界面活性剤で、繊維表面を一部疏水化させることで効果を与えつつ、濾水性も上げる効果を持つ、「用紙」の密度を減らし、容積を増やす目的で加えられる薬剤である、嵩高剤、紙に不透明性をもたせて裏抜けを防いだり、白色度、平滑性などをもたせるために配合または塗布される鉱物性の粉末であって、主にタルク、カオリン(白土)、炭酸カルシウム、酸化チタン、硫酸バリウムなど、さらには、非晶性シリカ(ホワイトカーボン)、有機系填料として尿素樹脂も使用され、フィラー、さらには、顔料として、カオリン、炭酸カルシウムや有機白色顔料を用い、バインダーとして、ブタジエンを主体とした合成ゴムラテックスが用いられ、紙の表面に白色の顔料を含んだ塗料液を塗布して、白色度、平滑性や、印刷適性をあげたり、耐水性を与えたりし、でんぷん、カゼイン、カルボキシメチルセルロースなどを添加して、保水剤や、改質剤として用いられる、塗工用薬品などがある。
この「サイジング剤」の「色調」としては、本発明の「圧着シート」に用いられる「シート基材」に添加する「サイジング剤」の全体の「色調」を用いる。
この「応力発光材料」の「色調」と、「サイジング剤」の「色調」を「同色」とすることにより、「シート基材」の中に「応力発光材料」を含めてあることを「隠ぺい」することが可能となる。従って、この色差△Eを、0.5以下とするが、さらには、0.3以下とすることが好ましい。
具体的には、まず、「応力発光材料」を含めず作成した「試作紙」の「色調」を測定し(紙パルプ繊維は基本的には「透明」であるため、「紙パルプ繊維」と「サイジング剤」を併せたものを用いることができる。)、この色調との色差が0.5以下となる「色調」を持つ「応力発光材料からなる『シート』」を選定して、本発明に用いる「応力発光材料」の組成を定める。(さらに、厳密には、「紙パルプ繊維とサイジング剤を併せたもの」の色調と、「紙パルプ繊維、サイジング剤と応力発光材料を併せたもの」の色調を比較する。)
この色差は、分光色差計、分光色彩計、分光測色計、微小面分光色差計や、オプティカルファイバー式分光色差計などを用いて、測定することができる。
また、「応力発光材料」を「所定のパターン」状、例えば、所定のサイズの文字、図形や、記号、特には、真正性判定用の何らかの「メッセージ(『真正』の文字など。)」を所定のサイズで設け、その「所定のパターン」を「応力発光材料」を発光させる前段階や、その「所定のパターン」の存在を隠したい状況においては、特に、その秘匿性を高めるために、この「色差」を小さくしておくことが望ましい。
このような「所定のパターン」としては、その「シート基材」の用途により、番号または記号のみならず、文字、図形、マークその他、個人、及び、その「シート基材」の供給者が共通に認識できるもの(この対象は、いわゆる「情報」全てとなる。)であれば何れも用いることができる。
そして、その認識方法も、少なくとも目視確認により認識できる情報を有しながら、目視以外の認識方法、例えば、光学読取方法を採用することができる。
特に、この「所定のパターン」として、「シート基材」の種類や型番号、製造メーカー名や、その製造日を採用し、その「シート基材」のトレーサビリティを確保することも好適である。
また、ある限定した用途や目的に使用するために製造する「シート基材」などには、その用途や目的に応じた「情報」、例えば、ロゴ、印章、その他、他社との識別性を有する文字、図形や、記号等、すなわち、ブランドロゴ表示や、出版社、著作者、ゲーム機運用会社、高級ブランド、セキュリティ会社、金券類発券者や発行者、配達や配送会社、販売会社、その他関連組織等の名称や、真正性を表す文字や記号等を含めた「情報」であって、そのロゴや、文字、図形や、記号等が、その用紙の付加価値や、品質保証等の信頼性を高めるもの(証明するもの)などを採用することができる。
さらには、単なる連続番号や記号であって、登録することによりその有効性を発現するもの、暗号鍵番号である共通鍵番号のように同一の番号、さらには、全くの乱数であって「シート基材」を作製するときに発生させ、作製者を含め誰も、その番号の内容を知らないように工夫した番号等、知ることが許された者(正規な購入者等を用いる。もちろん、全体システムの設計者や、「シート基材」を応用した製品の発行者等が含まれる場合もある。)のみが見ることができ、その他の者は、物理的に見ることができないように設定される番号または記号等を用いてもよい。
そして、このような、いわば、「隠しパターン」を確認する方法として、所定の形状の「治具」、例えば、「底のサイズが、縦30〜50mm×横50〜100mmのかまぼこ型」であって、その突出部の曲率半径が10mm〜100mmである「治具」の、その突出部の曲面上に、本発明の「圧着シート」に用いられる「シート基材」を、観察者が手の指で押し当てて発光させる方法を採用することができる。
さらには、その確認すべき「隠しパターン」の文字サイズを、縦5〜10mm×横10〜30mmとして、その「治具」の曲面上で読み取ることができるようにすることが好ましく、より安定した真正性判定を可能とする。
一例をあげれば、「隠しパターン」の文字サイズを、10mm×横20mm(縦横比1/2の「横長」とする。)とし、「曲率半径が60mmで、底面のサイズが、縦30mm×横50mmのかまぼこ型」の形状の治具の、その曲面上に、本発明の「圧着シート」に用いられる「シート基材」を、観察者が手の指で押し当て、さらには、「シート基材」の両端を下方に引っ張ったり、その状態で治具に擦りつけるように動かしたり(紙を『しごく』動作とも表現される。)して、発光した「隠しパターン」状の文字を、視認し、判定する。
また、本発明の「圧着シート」に用いる「フォーム用紙」に対して、孔開け加工を施す際の加工具には、両刃、片刃、二段刃、片二段刃、または、蛤刃等の「刃先」を持ち、その「刃」の「形」を、円形や、角形等の所望の「形」としたものを用い、その「刃」の材料組成として、SK60等のSKシリーズ(炭素工具鋼。)、SKS(合金工具鋼鋼材の一種、タングステン鋼。)4等のSKSシリーズ、SKD(合金工具鋼鋼材の一種、ダイス鋼。)11等のSKDシリーズ、SKT(合金工具鋼鋼材の一種。)4(ロックウェル硬度HRC:42以上。)等のSKTシリーズ、SKH(高速度工具鋼、もしくは、ハイス鋼、以下、同様。)3、SKH10、SKH51、SKH59等のSKHシリーズ、SUS(ステンレス鋼、以下、同様。)440C等のSUSシリーズ、その他、オーステナイト系ステンレス、WC−Co(タングステン・カーバイド−コバルト)系合金(ロックウェル硬度HRA:80〜94、抗折力:2〜5GPa、ヤング率:500〜700GPa。)等の超硬合金などを用いることができる。
特には、その硬度及び耐久性から、超硬合金が好ましい。
そして、孔開け加工を施す、その「孔(貫通孔)」の「形」としては、「円形」、「楕円形」、「三角形」、または、「長方形」等の様々な「形」を用い得るが、「連続帳票」に最も用いられる「孔(貫通孔)」である「スプロケットホール(送り穴)」の例を以下に示す。
その寸法、及び、精度は、JIS C6283に準じ、「送り穴」の直径は、4.0±0.1mmの「円形」(但し、『穴の周辺』が、『歯状(切り込み入り。菊丸ともいう。)』になっている『送り穴』は、この値が、最小直径に該当し、その最大直径は、4.5mmを超えない。)であり、「送り穴」の中心間距離は、12.70mm±0.05mm、「送り穴」の位置は、その「連続伝票」の左右両端の余白に設けられ、「送り穴」のセンタラインと対応する端辺までの距離は、6.0±0.7mmとする。
また、他の「孔」の例として、いわゆる「パンチ穴」があるが、その「パンチ穴」の一つである「2穴(JIS S6041)」は、「穴」の直径が、5.5〜6.5mmの「円形」、「穴」の位置が、「フォーム用紙」の一番近い端から11〜13mm、「穴」どうしの距離が、「穴」の中心間距離として、79.5〜80.5mmとするものである。
その他の「規格『穴』」や、「ドンコ穴(26穴・30穴など)」、「コンピュータ穴」、「角ドンコ」、さらには、「針穴」などを、本発明の「フォーム用紙」に設けることができる。
また、本発明の「圧着シート」に用いる「フォーム用紙」に対して、施し得る「ミシン加工」には、その「ミシン刃」に、ゼンマイ刃、フレキシブルダイ(樹脂板上に『刃』が設けられているもの。)、ロータリーダイ(回転するロールの表面に『刃』が設けられているもの。高速連続加工が可能となる。)等を用い、通常ミシン、マイクロミシン、ジャンプミシン(止ミシン、L字ミシン、T字ミシンなど。)、スリッターミシン、角ミシン等の種々の「ミシン加工」を施すことができる。
その「ミシン刃」の「刃先」は、上記した孔開け加工具と同様のものを用い、その材質も、上記した孔開け加工具と同様のものを用いることができるが、さらに、その「刃先」の耐久性より、ロックウェル硬度で、HRC=30〜60のものも用い得る。また、「刃先の頂部」に、より硬度の大きい材料や、離型性を有する材料を配することも、その耐久性を向上させ、好適である。
「ミシン刃の厚さ」は、0.5〜5mmであって、その断面形状が、「角形」でなく、「楕円形」であるもの、特には、その「角丸」部分の曲率Rが、その「厚さ」の1/2〜1/10となるように、「先細りの形」としたものが好ましい。
その「刃先の形」であるミシン目としては、「カット/アンカット」として、通常のミシン刃として、[1/1](単位mm、以下、同様。)、「2/3」、「2/1」、「2/1.5」、「2.5/3」、「2.5/1」、「2.5/1.5」、「2.5/2」、「3/1」、「3/1.5」、「3/2」、「3/2.5」等、マイクロミシン刃として、「0.2/0.1」、「0.2/0.15」等を用い得る。
また、「ミシン目」として、「連続帳票」に対し、「水平内部ミシン」(横ミシンの一種。例えば、カット/アンカット=3/1、且つ、ミシン止め左右10mm。)、「折りミシン」(横ミシンの一種。例えば、カット/アンカット=2.5/1)や、「垂直内部ミシン」(縦ミシンの一種。例えば、カット/アンカット=2/1)を設けることもできる。
さらには、「押し刃」を用いて、「押し掛」を付してもよい(この場合には、貫通孔とはならない。)。
その他、二つ折、巻三つ折り、内外三つ折り、ジャバラ折り、カンノン折り、カンノン開き折り、クロス折り、レター折り、地図折り、及び、それらの組み合わせ折りなど、さらには、ダイレクトメール折、四つ折や、ミニ折(『取扱説明書』や『能書』など。)等の「折り加工」、さらには、スリッター加工、バースト加工、全面糊付け加工、部分糊付け加工、窓開け加工、窓フィルム貼り加工、封筒加工、エンボス加工や、磁気ストライプ等、偽造防止その他の目的の種々の材料の貼付加工や、転写加工などの「後処理」を施すことができる。
また、不可視レーザーを利用する工作機械である「レーザー加工機」を用いて、本発明の「フォーム用紙」に、上記した種々の「後処理」を施すことも可能である。
この場合には、上記した種々の「刃」の著しい摩耗を考慮する必要が無いことから(但し、『レーザー光の出力』は、より高くする必要がある。)、特に好ましい。
ただ、本発明の「フォーム用紙」に用いられる「応力発光材料」は、素材として、屈折率が高く、「応力発光材料」の表面で、加工用の「レーザー光」を高い反射率で反射してしまうため、そのような「反射現象」を抑制するため、「応力発光材料」の表面を散乱性の高いものとしたり(凹凸形状を『増す』。表面の『凹凸の数』を多くし、且つ、その『起伏』を激しいものとするという意味。)、または、「応力発光材料」を「微粒子化」して、「レーザー光」の「透過性」を高めて、その「レーザー加工性」を向上させることが好適である。
この「レーザー加工機」には、気体式レーザー加工機と、固体式レーザー加工機を用いることができ、気体式レーザー加工機としては、平均出力が、数W〜数十KWの、連続出力式、または、パルス発振式、さらには、ファイバーレーザー式の炭酸ガスレーザー(発振波長:9〜11μm。従って、この『波長』に対する『低反射性』、または、『透過性』が必要となる。以下、同様。)などを用い、固体式レーザー加工機としては、平均出力数W〜数KWの、連続出力式、または、パルス発振式、さらには、ファイバーレーザー式のYAG(Y:イットリウム、AL:アルミニウム:Garnet:ガーネット)レーザー(発振波長:1.1μm。『高調波』も使用可能。)や、平均出力数W〜数十KWのYb:YAGファイバーレーザー(Diode Pumped Solid State<DPSS>レーザーの一種。他に、Nd:YAGファイバーレーザー等がある。)を用いることができる。
その「後処理」の内容に応じて、レーザー光の平均出力、レーザー光のスポット径、光学系による焦点距離や、焦点深度、さらには、レーザーパルスのピーク出力、平均出力、繰り返し周波数及び、デューティ比を調整する。
本発明の「圧着シート」によれば、ダイレクトメールや通信手段として利用される「圧着はがき」に代表される「圧着シート」の開封率を向上させるために、「圧着シート」を構成する「シート基材」そのものに、「所定の形状」の「応力発光材料」を含有させた「圧着シート」を提供することを目的とする。
さらには、外観上は、単なる「圧着シート」と認識させておきながら、実際には、その「圧着シート」内部に、その外観からは全く認識できない形で、「応力発光材料」を「紙パルプ繊維」とともに含ませておき、その「圧着シート」に対する所定の外力負荷によって、その「紙パルプ繊維」が変形を生じると同時に、「応力発光材料」の所定の部位に「変形応力」が発生して、その所定の部位からその変形応力に応じた強度を有する所定波長の光が発光し、視認可能となることをもって、意匠性に優れ、且つ、その「圧着シート」の真正性を、特段の照明光なく、容易に判定することを可能とした「圧着シート」を提供することができる。
また、この「応力発光材料」を「特定の形状」とし、さらには、「紙パルプ繊維」と交差したり、接したりするように含ませて、その「発光」を増大させ、その上、「フォーム用紙」としての適性を持たせて、その利便性や品質特性を高めるのみならず、「圧着シート」に用いる「サイジング剤」と「応力発光材料」の色差を0.5以下として、その意匠性や偽造防止性を、さらに高めた「圧着シート」を提供することができる。
は、本発明の一実施例を示す「圧着シート」の図である。
(図1では、『圧着シート』の代表例である『圧着はがきシート1』の具体 的形態を詳細に例示している。)
は、本発明の一実施例を示す「圧着シート」の断面図である。
(図1に示した『圧着はがきシート1』のA−A線断面図となってい る。)
は、本発明の一実施例の「圧着シート」が折畳まれた「圧着はがき」の図である 。(図1の『圧着シート』が、折畳まれて『圧着はがき』となる手順につい て説明するための図である。) は、本発明の一実施例を示す「圧着シート」を構成する、「シート基材」の一実 施例を示す断面図である。
(「シート基材A」の中に、「紙パルプ繊維PP1」と「応力発光材料PP 2」が含まれている様子、及び、「紙パルプ繊維PP1」と「応力発光材 料PP2」が交差している箇所「応力集中部分S1(所定の部位)」を模 式的に示している。)
は、本発明の他の実施例を示す「圧着シート」を構成する、「フォーム用紙」の 一実施例を示す断面図である。
(「シート基材」である「フォーム用紙A1」の中に、「紙パルプ繊維PP 1」と、微粒子状の「応力発光材料PP3」が含まれている様子、及び、 「応力発光材料PP3」の形状、及び、その表面の凹凸形状を模式的に拡 大しており、その凹凸形状の凹部が、『応力集中部分PS1』となる『所 定の部位』であることを示している。また、『紙パルプ繊維PPP1』と 『応力発光材料PP3』が接している箇所『応力集中部分』も示している が、特段の表示はしていない。)
は、本発明のさらに他の実施例を示す「圧着シート」を構成する、「フォーム用 紙」の他の実施例を示した図である。
(『連続帳票』である『フォーム用紙A2』に、孔開け加工により設けた『 送り孔HL』、横ミシン加工により設けた『横ミシンM1』、縦ミシン加 工により設けた『縦ミシンM2』、及び、スリッター加工により設けた『 スリット端面SL』の『加工状態』を、模式的に例示している。『フォー ム用紙A2』としての『単票』や、その他の加工を施した状態は省略して いる。)
は、本発明の一実施例を示す「圧着シート」を構成する、「シート基材」を製造 するための「製紙工程」の流れを示した図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
(圧着シート)
本発明の「圧着シート」の実施形態の代表例である、「圧着はがきシート1」につき、以下に詳述する。
そもそも、「圧着はがきシート」は、2片、または、3片の「はがき」サイズの「紙片」が折畳み予定部で連接され、折畳まれ、対向する面で貼り合わされ、「はがき」とされる、2つ折り、または、3つ折形式の「圧着シート」である。
図1に示す、「圧着シート」の一例である「圧着はがきシート1」は、3片のはがきサイズの紙片が、折畳み予定部11、及び、12で連接された、「3つ折圧着はがきシート」の例であるが(図1〜図3参照。)、図1の折畳み部11の左側の紙片が無いか、または、折り畳み部12の右側の紙片が無い、「2つ折圧着はがきシート」の場合もある。
「2つ折圧着はがきシート」の場合は、2枚の紙片で構成され、図1の折畳み予定部11と、折畳み予定部12の間に挟まれた「紙片」の裏側に、宛先情報21が表示された形態(図示せず)となる。
従って、貼り合わされる内側に、往信情報22を印字する場合は、表(おもて)と裏にプリント可能な印字装置(両面印字プリンタ)で印字しなければならない。
「3つ折タイプの圧着はがきシート1」の場合は、前述の「2つ折圧着シート」の場合と異なり、貼り合わされる前の状態で、宛先情報21と往信情報22は、同一面に印字されるため、宛先情報21と往信情報22を、片面プリンタで、同時にプリントすることができる。
そして、その「圧着はがきシート1」の3つの紙片のうち、折畳み予定部12で連接された隣り合う2つの紙片の、少なくとも何れかの「面」の全面に、「剥離可能再貼付不能な接着剤」(以下、感圧接着剤層31と称する。『剥離可能再貼付不能な接着剤』として、『剥離可能再貼付不能な』性質を持つ『剥離可能再貼付不能な樹脂層(いわゆる、疑似接着層。)』を用いてもよい。)が形成されている。(図1、及び、図2参照。)
さらに、積層された状態で「単層形態のはがき」(図3参照。)とするために、折畳み予定部11で連接された隣り合う紙片の宛先情報21が印字された「面」に対して、裏面側となる「面」、少なくともいずれかの「面」にも、「感圧接着剤層32」が形成されている。(図2参照。図2においては、『宛先情報21』が印字された『面』の裏側の『面』、及び、その隣の『面』の全面に、『感圧接着剤層32』を設けている。)
感圧接着剤層31で貼り合わされる場合、感圧接着剤層31面どおしで貼り合わされる場合と、感圧接着剤層31の表面と、「圧着はがきシート1」の「シート基材10」の表面で貼り合わされる場合があり、何れの形態を選択してもよい。
折畳み予定部12で連接された隣り合う2つの紙片に形成された、感圧接着剤層31と、折畳み予定部11で連接された隣り合う紙片の宛先情報21が印字された面の裏面に形成された感圧接着剤層32は、必ずしも同一の特性を有する必要はない。
図1に示した「往信情報22」で、「往信情報」の量が十分な場合は、感圧接着剤層32は、剥離させる必要はない(この場合の『感圧接着剤層32』は、「再剥離性」を必要とせず、『固着(通常の接着。)』してよいという意味。)。
また、図1の感圧接着剤層31が形成された面、または、宛先情報21が印字されている紙片とその隣り合う紙片の裏面には、はがきが送付される全員に共通の情報が印刷されている場合と、受取人によって異なる個人情報を含む往信情報22がプリントされる場合とがある。
感圧接着剤層31及び32は、シート基材10上に、図柄や文字を印刷する前に、または、図柄や文字を印刷した後に、形成することができる。
また、圧着はがきシート1が、折畳み予定部11及び12で、3つ折りにされ、「はがき」にされた後、感圧接着剤層31で貼り合わされた面で剥離しやすいように、引き剥がし予定部13が設けられている場合がある。
さらに、マーク図柄14として、任意の図柄や文字を印刷してもよく、このマーク図柄14に、蛍光印刷や、光学可変材料印刷(いわゆる、OVD印刷。)等の、意匠性や、偽造防止性を有する特殊印刷を施してもよい。もちろん、下記する、「応力発光材料」を含めた「新たな層」を形成して、シート基材10に含まれる「応力発光材料PP2、PP3」の「発光現象」との「複合的な発光現象」による、意匠性の向上や、真正性判定性の向上を図ることも好適である。
「圧着はがきシート1」は、3片のはがきサイズの紙片が折畳み予定部11、及び、12で連接され、折畳まれて対向する面で貼り合わされ、「はがき」とされる3つ折形式の「圧着はがきシート1」である。この「圧着はがきシート1」の「シート基材10」は、「紙パルプ繊維PP1」及び、「応力発光材料PP2」、または、「応力発光材料PP3」を含有している。(図2、図4、及び、図5参照。)
また、「シート基材10」の折畳み予定部11で連接された隣り合う紙片の裏側(感圧接着剤層31が形成された逆面)にも、感圧接着剤層32が形成されている。
折畳み予定部12で連接された隣り合う紙片の左側の紙片の感圧接着剤層31が形成されていない面には、受取人の宛先情報がプリントされている。
上記したごとく、感圧接着剤層31と感圧接着剤層32は、必ずしも同一の特性を有する必要はない。折畳み予定部11で連接された紙片の宛先情報21が印字された裏面に形成された感圧接着剤は剥離させる必要がある場合とない場合がある。
「往信情報(の量)」が、図1の往信情報22で十分な場合は、折畳み予定部11で連接された紙片の宛先情報21が印字された裏面に形成された感圧接着剤は剥離させる必要はない。(図2参照。)
以下、本実施の形態の「圧着はがきシート1」が、折畳まれて「はがき」となる手順、及び、その「はがき」を、「開封」を目的として剥がす手順について説明する。
まず、図1に示した折畳み予定部11で、宛先情報が外側になるように折畳み、折畳み予定部12で、感圧接着剤層31が内側になるように折畳む。
次に、矢印の方向に「加圧」して、感圧接着剤層31、及び32どおしを接着させる。感圧接着剤層31、及び32どおしの接着は、いわゆる、『擬似接着状態』で接着しており、「開封」を目的として、所定の「剥がす力」が加われば、それらの「感圧接着剤層31、及び32どおしの界面(擬似接着面)」から剥がすことができる。
この「はがき」を受取った者(受取人。)は、一体化された「三層はがき」を、その状態で、「湾曲させ」たり、一部、「折り曲げ」たりすることで、「圧着はがきシート1」を構成する「シート基材10」(すなわち、『シート基材A』、もしくは、『フォーム用紙A1』。図4及び図5参照。)を、湾曲させ、または、一部折り曲げ、そのことによって、その「はがき」からの発光(『シート基材10、A』もしくは、『フォーム用紙A1』に含まれる、『応力発光材料PP2』、もしくは、『応力発光材料PP3』からの発光。以下、『シート基材10、A』もしくは、『フォーム用紙A1』を総称して、『シート基材10』とも称す。)を視認することとなる。(『発光』状態は、図示していない。)
次いで、この「三層はがき」を、その「引き剥がし予定部」13から引き剥がす。(図1参照。)
そのことによっても、受取人は、その「はがき」からの発光(『シート基材10、A』もしくは、『フォーム用紙A1』が、『引き剥がし』による『所定の外力負荷』を受け、それらに含まれる、『応力発光材料PP2』、もしくは、『応力発光材料PP3』が、発光する。)を視認することとなる。
感圧接着剤層31、または、32としては、スチレン−ブタジエンゴムとマイクロシリカとを含み、これらを水に分散させたタイプの感圧接着剤層31や、例えば、特開平8−176526号公報に記載されている、粘着主剤100重量部に対して、無機充填剤を5重量部〜100重量部の割合で添加した配合物に、粘着主剤と相溶性を有しない酸変性ポリビニルアルコールを3重量%〜21重量%の割合で添加した感圧接着剤(公報には粘着剤と記載)などを使用する。
さらに、感圧接着剤層31、または、32として、以下に説明する粘着主剤、粘着力調整剤、及び、添加物等の混合物を用いることができる。
(1)粘着主剤 100部
(2)粘着力調整剤
針状物質の場合 10〜100(好ましくは、10〜50)部
微粒状物質の場合 0〜50(好ましくは5〜30)部
上記両物質を混合した場合 10〜100部
(3)添加物
ワックス 0.01〜20部
紫外線吸収剤 微量
消泡剤 微量
消泡助剤 微量
(4)エマルジョン化成分
水 100〜500(好ましくは200〜300)部
乳化剤 0.5〜2部
樹脂 1〜50部
ここで、粘着主剤に使用される樹脂としては、天然ゴム(NR)、エステル化天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等が挙げられ、または、これらの混合物が挙げられる。
これらの粘着主剤の混合にあたっては、その混合割合を、適宜調整することによって、「感圧接着剤層31、または、32」どおしの「自着性」を保持しつつ、「シート基材10」との「密着性(剥離強度。)」を、「自着性」より大きくすることができる。(『感圧接着剤層31、または、32』どおしの接着界面での剥離強度より、『シート基材10』と『感圧接着剤層31、または、32』との接着界面での剥離強度の方が、大きいという意味。)
好ましくは、所定の「加圧」によって、「感圧接着剤層31、または、32」どおしの「自着性」を発現する性質の高い天然ゴムに、「シート基材10」との密着性、即ち、アンカー効果を高める目的で、ポリメチルメタクリレートやスチレンブタジエンゴムを添加したものが挙げられる。
ポリメチルメタクリレートは、単独で用いるより、他の粘着主剤と混合して用いるとよい。このような粘着主剤は、通常粒径0.1μm〜3μm程度の微粒状のものが使用される。
粘着力調整剤は、粘着主剤の粘着力を調整するために混合され、針状物質若しくは微粒状物質又はこれらの混合物が用いられる。
針状物質としては、無機物質、有機物質のいずれでもよく、その形状が略針状であればよく、偏平状、螺旋状、鱗片状等の様々な形態を持つものから任意に選択されるが、針状物質が特に好適である。その針状物質としては、平均長さは10μm〜20μm、また平均粒子径としては、0.2μm〜0.5μm程度のものが好ましい。そして、エマルジョンとした時の沈降性を低くするために、見掛け比重が0.05〜0.6のものが好ましく、また、印刷加工や、NIP(ノンインパクトプリント)適性を考慮すると、針状物質の弾性率としては、10000〜40000kg/mm2のものが好ましい。
このような針状物質としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、PAN系繊維、金属結晶、及び、金属化合物結晶等が挙げられ、粘着主剤とは、親和性(相溶性)を有しないものであればよい。より好ましいものは、6−チタン酸カリウム(K2O・6TiO2)の結晶であり、水との相溶性はないが親和性を有し、また見掛け比重が、0.2(真比重=3.3)、弾性率が、28000kg/mm2であり、感圧接着剤成分として適している。
微粒状物質は、マイクロシリカ、合成ゼオライト、活性アルミナゲル、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、タルク、クレー、カオリン、活性白土、アクリルビーズ、澱粉、セルロース、シラスバルーン等が挙げられ、その粒子径は、10mμm〜30μm、好ましくは、0.5μm〜10μmの範囲にあるものが好適である。また、針状物質と共に添加することにより、微粒状物質の添加量を少なくすることができると共に、微粒状物質の粉落ちを防止することができる。
さらに、添加物として、ハンドリング性、NIPにおける搬送性能等の滑り性向上、または、耐ブロッキング性向上のために、ポリエチレンワックス、カルナウバワックス等のワックス類を、また、劣化防止のために、アンモニア、エタノールアミン等の紫外線吸収剤などを添加してもよい。消泡剤として、非イオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤(鉱物油系)を添加したり、消泡助剤として、シリカ等を添加してもよい。
上記した粘着主剤、粘着力調整剤、または、添加物は、「水」等の媒体に分散してエマルジョン状態で、所定の厚さで、シート基材10に塗布される。
エマルジョン化の際には、必要に応じて乳化剤が添加される。乳化剤としては、オレイン酸石鹸、ひまし油カリウム石鹸、カゼイン、にかわ、ゼラチン等を使用できる。また、エマルジョン化したときの粘着主剤の2次凝集防止のために、粘着主剤と親和性を有しない樹脂を添加することができる。この樹脂としては、水分散性高分子ポリエステル、熱可塑性エラストマー、また、低密度ポリエチレン等の低分子ポリエチレン、アイオノマー、酢酸ビニル−オレフィン共重合体等が好適に使用できる。
また、感圧接着剤層31、または、32としては、「剥離可能な擬似接着性の樹脂層(以下、疑似接着層と称する。)」を採用することができ、擬似接着層どおしの密着面の密着、及び、シート基材10との再剥離を容易にするように調整し、それぞれ、この疑似接着層用の粘着主剤、粘着力調整剤、添加物等を混合したものを使用することができる。(図示していない。)
すなわち、この「疑似接着層」を採用すると、疑似接着層どおしの界面からの再剥離ではなく、疑似接着層どおしは、「固着(接着)」しており、シート基材10と、疑似接着層との界面から再剥離が発生する構成となっている。但し、敢えて、シート基材10との密着性を自着性より大きくし、シート基材10と擬似接着層との界面でなく、擬似接着層同士の界面で再剥離させることを排除しない。
この疑似接着層用の粘着主剤には、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ポリ酢酸ビニル等、または、これらの混合物が挙げられる。これらの粘着主剤の混合割合を、適宜、調整することによって、擬似接着層同士の「自着性」(同一材料同士の密着面の密着性を意味する。)を保持しつつ、シート基材10との密着性を、その自着性より小さくする。
そして、その混合割合を変えて、敢えて、シート基材10との密着性を自着性より大きくし、シート基材10と擬似接着層との界面でなく、擬似接着層同士の界面で再剥離させることもできる。
この疑似接着層用の粘着力調整剤には、粘着主剤の粘着力を調整するために混合され、針状物質若しくは微粒状物質、または、これらの混合物が用いられる。
添加物として、取り扱い性、各種加工機内での搬送性能等の滑り性向上、または、耐ブロッキング性向上のための微粒子ワックス類、劣化防止のための紫外線吸収剤などを添加してもよい。
また、消泡剤として、非イオン系界面活性剤を添加したり、さらに、消泡助剤として、シリカ等を添加してもよい。
このような擬似接着層の形成厚さは、乾燥後で0.3μm〜5.0μm、好ましくは、0.5μm〜3.0μmが好適である。
形成厚さが、0.3μm未満、すなわち、擬似接着層同士を貼着させて、この2倍の厚さとしたとき、その厚さが、可視光線の波長の大きさより小さいものであると、その形成薄膜による不要な光の干渉現象が発生し、シート基材10からの発光を視認する際に、その妨げとなる。
また、貼着後の厚さが、10μm(5μmの2倍。)を超えると、擬似接着層どおしの接着性が不安定になる。さらには、ブロッキングやパイリング(粉落ち。)等も発生し易くなる。
また、擬似接着層は、形成厚さが厚くなると、感熱、且つ、加圧した際、シート基材10からの剥離力が強くなり、そのために「剥離感」が悪くなる傾向がある(剥離する際に、大きな力を要したり、剥離操作がスムースとならず、不規則な速さで剥離し、その剥離痕が残ってしまうことを意味する。)。
また、「『圧着シート』を加熱、且つ、加圧して『圧着』した、『圧着体』」(以下、単に、『圧着体』と称す。『圧着はがきシート』に対する『圧着はがき』に該当する。)を左右に開いたときに、擬似接着層が左右両側にそれぞれ部分的に残存して「ムラ」となること(圧着された擬似接着層が、分断されることを意味する。)を防ぐため、「圧着シート」を圧着する際のシート基材10の上下の加熱温度に、20度〜40度の差を設け、上下に位置する、シート基材10と擬似接着層のそれぞれの界面に加わる温度に差をつけて、上側と下側それぞれの界面の接着強度が加熱強化される度合いに差を生じさせることも好適である。
こうすることで、「圧着シート」の左と右の面での、シート基材10と、擬似接着層の接着強度に差が発生し、「圧着体」を左右に開いたときに、低温加熱した方の界面が優先的に剥離し、「ムラ」のない開封が可能となる。
擬似接着層に用いられる樹脂としては、さらに、ポリエチレン樹脂、エチレン/メタクリル酸共重合樹脂、アイオノマー樹脂、エチレン/アクリル酸エチル共重合樹脂、ポリエチレン樹脂とアイオノマー樹脂との混合物系等が挙げられる。
特に、ガラス転移温度が25℃以上のもの、及び、ビカット軟化温度が45℃以上のものを選択して使用することが、シート基材10との剥離性、及び、保存性を良好なものとすることができるので好ましい。
ここで、ビカット軟化温度とは、ASTMD1525−70によって測定した温度であり、プラスチック表面に1kgの荷重をかけたゲージを配置して加熱したとき、ゲージの針先がプラスチック中に1mm入り込んだ時の温度で表され、ビカット軟化点と同義である。
また、他の例示として、ポリプロピレンフィルムをシート基材10に用いた場合には、その上に積層される擬似接着層はプロピレンとαオレフィンの共重合体と結晶性ポリブテン(ポリブテン−1ホモポリマー)の混合体であることが好ましい。
さらに、擬似接着層は、その形成層の破断点伸度が350%(破断点伸度測定は、JIS K−6760に準ずる。)以上となるように調整された形成層であることも好ましい。
破断点伸度が350%未満では、「シート基材10」に擬似接着シートを挟んで、加熱、加圧により一体化された「圧着体」を、剥離展開する(開けること、すなわち、開封を意味する。)際、擬似接着層が、層内でちぎれて、展開したシート基材10の左右に部分的に付着し、「ムラ」となり易い。
また、シート基材10と擬似接着層との界面における180度剥離強度を、20〜150g/50mmとすることが好適であり、特に20〜100g/50mmであることがさらに好ましい(剥離強度測定は、JIS Z−0237に準じ、剥離速度500mm/分とする。)。
こうすることで、擬似接着層どおしは十分に密着する一方、「圧着体」を開く際、シート基材10と擬似接着層との界面で、スムーズに剥離することができ、層内ちぎれの発生を抑制できる。この剥離強度が、20g/50mm未満であると自然剥離が発生し易く、郵送中や、配送中に二つ折りした「圧着体」が開く恐れがあり、また、この剥離強度が150g/50mmを超えると、「剥がしカール」が発生したり、表面強度の弱い「基材シート10」を使用した場合には、「圧着体」を開く時に、その「シート基材10」の表面が剥がれ、伝達する情報そのものの判読性をも低下させる恐れがある。
また、擬似接着層に、微粒子の無機顔料、或いは、有機顔料を添加しておき、透明性を維持しつつ、擬似接着層の表面に微細な凹凸を形成することにより、「擬似接着シート」をあらかじめ二つ折りしておき(シート基材10とは、別に、『擬似接着層からなるシート』を準備しておくという意味。さらに、そのシートを二つ折りする。このシートは、二つ折りするだけでは、自着しない。)、これを、やはり二つ折りしたシート基材10の中に挟んで、シート基材10との「圧着体」を作製する方法を用いた時に、加熱により溶融した擬似接着層の樹脂が、「圧着体」の間からはみ出すことを防止することができる上、擬似接着シートをロール状に製造する際に、ロール状となった擬似接着シートのブロッキングを防止することができる。そして、この微細な凹凸は、「圧着」した際に消失するため好適である。
これらの顔料の添加量は、疑似接着剤層100%当たり0.5%〜10%であることが好ましく、特に好ましくは0.5%〜5%である。顔料添加比率が0.5%未満では、擬似接着シート巻き取り時のブロッキングが発生し易かったり、「圧着体」作製時に溶融した樹脂がはみ出し、開き適性の低下を招き易いために好ましくない。また、10%を超える添加量では、シート基材10との接着不良を招くので好ましくない。
更に、香料、帯電防止剤、レベリング剤、着色剤等を添加することも可能である。
さらに、感圧接着剤層31、または、32は、上記の粘着主剤、粘着力調整剤、添加物、エマルジョン化成分等を混合したものに加えて、下記する「応力発光材料PP2」や、「応力発光材料PP3」を、適宜、追加したものを用いることができる。これにより、感圧接着剤層31、または、32に、「応力発光材料PP2やPP3」が分散した状態となる。
感圧接着剤層31、または、32の厚さ、すなわち、塗布量は、乾燥後で、0.1〜10g/m2、好ましくは1.0〜3.0g/m2が好ましい。
この範囲内であれば、ブロッキング、パイリング(粉落ち)等も防止でき、充分な密着性と印刷、印字性が得られる。
また、「はがき」の図柄印刷や、文言印刷用のインキとしては、市販のスクリーン印刷,グラビア印刷,フレキソ印刷,オフセット印刷,凸版印刷用インキを使用する。
(シート基材、紙パルプ繊維、及び、サイジング剤)
本発明の「圧着シート」に用いられる、「シート基材10、及びA」や、「フォーム用紙A1」に用いられる「紙パルプ繊維PP1」は、図7の製紙工程の中の、「パルプ化工程」、「パルプ漂白工程」、「パルプの精選&脱水工程」及び、「原料調整工程1:融解&叩解」工程を経て得ることができる。(図4、図5、及び、図7参照。図4、及び、図5では、サイジング剤を表示していない。)
「紙パルプ繊維PP1」の原料としては、「木材」、「輸入木材チップ」、及び、「古紙」が主に用いられるが、「製紙」による森林伐採を抑制する観点から、ケナフ、サトウキビ、タケなどの「非木材植物」が用いられる場合もある。
その「非木材植物」には、「リネンパルプ」と呼ばれ、古くから紙の主原料であったアサ、木の樹皮が原料となるカジノキ、ガンピ、ミツマタ、マユミや、「和紙」の主原料であって、栽培し易いコウゾ、「竹紙」の原料となる竹、繊維が細くて短すぎるため、比較的紙力が弱くなる稲藁や麦藁、亜麻、古くは洋紙の主原料であり、綿花の加工途中で生ずる地毛などの短繊維(リンター)を原料として漉いて「紙」とすることもでき、また「繊維」が比較的長いラグパルプ、綿花の地毛などの短繊維から作られるリンターパルプの原料となる木綿、 バガス(絞りかす)パルプの原料となるサトウキビ、比較的繊維が細長く、しなやかで強い「紙」を作ることができる、アバカ(バショウ科の植物)パルプ の原料となるマニラアサ、木に近い性質を持ち、成長が非常に早く、木材の代替となるケナフ、茎の繊維が利用されるバナナ、 非常に強度が高く、絞りかすの繊維を用いる、アブラヤシなどがある。
「紙パルプ繊維PP1」の原料としては、本発明の目的より、「L材」より「しなやか」な、「N材」が好ましく、「和紙」の原料となるものなどが、特に好適である。また、上記した「非木材植物」の中では、同様の意味において、強度が高く、長い繊維であって「しなやかさ」を持つ、「マニラアサ」、「アブラヤシ」が好適である。
「古紙」は、水に溶解し、機械的な力や重力、界面活性剤などの薬品を利用して「紙パルプ繊維PP1」以外の異物(金属やフィルム、粘着性樹脂、印刷インキ、コピートナーなど)を分離、除去し、用途に応じて白さを高めるよう漂白処理を加え、脱水し、乾燥して「紙パルプ繊維PP1」とするが、その回収ルート、回収する「紙」の種類、分別状態などによってその組成や品質が大きく左右されるため、本発明の「圧着シート」に用いられる、「シート基材10、及びA」や、「フォーム用紙A1」の材料としてはやや不適当であるものの、その低価格性から用い得る。
また、金属繊維や、樹脂繊維(高分子繊維。アラミド繊維など。)を、「シート基材10、及びA」や、「フォーム用紙A1」の強度補強(繰り返しの変形によって、「シート基材10、及びA」や、「フォーム用紙A1」が破れたり、劣化することを防ぎ、且つ、元の形状への復元を助長する効果。)の目的で「紙パルプ繊維PP1」に対して、5%〜20%添加することは、好適である。この添加量が、5%未満であると、この「補強」効果が不十分であり、20%を超えると、「紙パルプ繊維PP1」と「応力発光材料PP2やPP3」との絡まりや、結合を阻害することとなる。
「木材」としては、モミやマツなどの針葉樹(「N材」となる。)、及び、ユーカリ、ポプラなどの広葉樹(「L材」となる。)が用いられ、針葉樹では仮道管が、広葉樹では木繊維細胞が主に使われる。針葉樹の繊維は、広葉樹の繊維より太く長いため、針葉樹から製造した「シート基材10、及びA」や、「フォーム用紙A1」の方が強い「紙」となる。「情報用紙」の多くは、広葉樹が主原料になっている。
「輸入木材チップ」としては、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、チリや中国などから輸入される、製材の背板などの残りや、間伐材、廃材などから製造されるものや、「製紙」原料目的で植林された、ユーカリやアカシアなどの木材から生産されるものを用いる。
「紙パルプ繊維PP1」の原料となる「植物繊維」は、「セルロース」が主成分であって、細分化すると、「セルロース」、「ヘミセルロース」及び「リグニン」に分けられ、「セルロース」が骨格を形作り、「ヘミセルロース」が接続を促進し、「リグニン」が空隙充填を担っている。
この中で、「セルロース」は、その構造の中に非常に多くの「OH基」を有することから、「水素結合」によって結びつく性質がある。この「水素結合」によって、さらには、「シート基材10、及びA」や、「フォーム用紙A1」の中に含まれる水分(H−OH)の助けを借りて、「紙パルプ繊維PP1」どおしが、それらの交差する箇所において結合している(くっつき合っている)。(図1において、この「紙パルプ繊維PP1」どおしの結合箇所は、図示していない。)
「紙パルプ繊維PP1」は、「植物繊維」から、マトリクスであるリグニンおよびヘミセルロースを除去するパルプ化の後、パルプ繊維(細胞壁単位)を分離(離解)して叩解した素材である。
「紙パルプ繊維PP1」は、その表面に水酸基を多数有するため、乾燥させると水素結合を形成して自己接着したり、「応力発光材料PP2」と結合することで、「シート基材10、及びA」や、「フォーム用紙A1」となる。乾燥後は、主として、「紙パルプ繊維PP1」の膨潤能や、相互順応性によって、「シート基材10、及びA」や、「フォーム用紙A1」の変形やその復元に寄与する。
この「紙パルプ繊維PP1」に対して、さらに、様々な手法を用いて「解繊」して、「セルロースナノファイバー」を抽出し、この「セルロースナノファイバー」を用いて「透明な紙」を作る技術も、既に開示されている。
このような「セルロースナノファイバー」を、「紙パルプ繊維PP1」に対して、1%〜20%添加して、「シート基材10、及びA」や、「フォーム用紙A1」の透明性を増し、よって、「応力発光材料PP2」の発光に基ずく「シート基材10、及びA」や、「フォーム用紙A1」の発光を助長することも好適である。
また、「紙パルプ繊維PP1」の原料としての「パルプ」には、その製法によって、物理的な力で木材を破砕する方法でできた機械パルプ(MP:メカニカルパルプ)に分類されるものと、化学的な反応で、粉砕チップ木材を分解し、リグニンなどを分離(蒸解)する方法でできる化学パルプ(CP:ケミカルパルプ)に分類されるものがある。
この「機械パルプ」には、砕木パルプ(GP、Ground Pulp)、 リファイナーグランドパルプ(RGP、Refiner GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP、 Thermo―MP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP、Chemi―TMP)などがあり、「機械パルプ」を主体とすると、「シート基材10、及びA」や、「フォーム用紙A1」が、比較的剛直な「紙」となる。
また、「化学パルプ」には、クラフトパルプ(KP、Kraft Pulp)、サルファイドパルプ(SP、Sulfide Pulp)、アルカリパルプ(AP、Alkaline Pulp) などがある。「化学パルプ」から得られる「紙パルプ繊維PP1」は、かなり高い純度のセルロースを含むため「しなやか」であって、「しなやか」に「絡み合う」ため、「シート基材10、及びA」や、「フォーム用紙A1」としての強度は強く、好適である。
図7の製紙工程における、「パルプ化工程」は、例えば、原材料として「木材」を使用する場合には、その「木材」から樹皮を除去して、いわゆる「チップ状」に粉砕し、水酸化ナトリウムや、塩化ナトリウムの水溶液中で高温加熱処理し、化学的に、「木材」を一本一本の「パルプ」とする工程である。
次の「パルプ漂白工程」は、二酸化塩素などの漂白剤で、この「パルプ」を漂白することで「『白い』パルプ」とする工程である。
例えば、機械パルプや古紙パルプに対しては、過酸化水素やハイドロサルファイトなどの漂白剤で「パルプ」を漂白する。また、化学パルプの場合は、この工程に、「パルプ」中に残留するリグニンなどの不純物を取り除く工程を含めることとなる。
そして、「パルプの精選&脱水工程」は、「パルプ」の中に含まれている、「未離解繊維」や「塵」を、クリーナー等を用いて取り除き、脱水して「パルプシート」とする工程である。
さらに、「原料調整工程1:融解&叩解」工程は、その「パルプシート」を、パルパー等を用いて、再び「水」に融解し、「パルプ」が十分な量の水に均一に混ざった状態で、2枚の金属の刃(ダブルディスクリファイナー)の間にパルプの融解液を通すなど、適宜な叩解機(リファイナー)にかけ、「パルプ」を適度なサイズにカットすると同時に、毛羽立たせ(フィブリル化)、繊維間の結びつきをしやすくする工程である。
これら、「パルプ化工程」、「パルプ漂白工程」及び、「パルプの精選&脱水工程」を経て、本発明の「圧着シート」に用いられる、「シート基材10、及びA」や、「フォーム用紙A1」に用いられる「紙パルプ繊維PP1」を得る。(図7参照。)
本発明の「圧着シート」に用いられる、「シート基材10、及びA」や、「フォーム用紙A1」に用いられるサイジング剤は、図7の製紙工程の中の「原料調整工程2:サイジング剤等添加」において、「パルプの精選&脱水工程」を経て得られた「紙パルプ繊維PP1」に、適宜な割合で添加される。
この「サイジング剤」には、上述したように、歩留剤、濾水向上剤、紙力増強剤、粘剤、サイズ剤、嵩高剤、フィラー、及び、塗工用薬品などがあるが、本発明の「シート基材10、及びA」や、「フォーム用紙A1」の用途に応じて、各々適宜な割合で、且つ、適宜な方法で添加する。(図示せず。)
本発明の「紙パルプ繊維PP1」は、上記した漂白工程において「白く」なっているが、これは、その表面が粗面となっているためであって、材質そのものは、高い「透明性」を有する。
従って、本発明の「圧着シート」に用いられる、「シート基材10、及びA」や、「フォーム用紙A1」の「色調」を左右するものは、この「サイジング剤」であるため、この「サイジング剤」の「色調」と、「応力発光材料PP2、または、PP3」の「色調」との色差を、0.5以下とすることで、「シート基材10、及びA」や、「フォーム用紙A1」の中に存在する、「応力発光材料PP2、または、PP3」を隠ぺいすることが可能となる。
上記した「サイジング剤」の中では、無色透明なものも多く、実際には、「紙力増強剤」、「サイズ剤」、及び、「フィラー」の色調が重要となる。
いずれにしても、「応力発光材料PP2、または、PP3」を、確実に、隠ぺいするために、このサイジング剤」を含め、且つ、「応力発光材料PP2、または、PP3」を除いて作成した「紙」を準備して、その「色調」を測定し、その「色調」との「色差」が0.5以下である「応力発光材料PP2、または、PP3」を選定する。
さらに、その「隠ぺい性」を確実とするために、すなわち、この「色差」を、0.3以下とするために、本発明の「圧着シート」に用いられる、「シート基材10、及びA」や、「フォーム用紙A1」を作成する際に、その準備段階として、複数の「応力発光材料PP2、または、PP3」を「ストライプ状等のパターン状」に形成し、この「ストライプ状」の形成部分と、「応力発光材料PP2、または、PP3」無い部分(「ストライプ状」形成部分以外の部分)との「色差」を上記した色差計で測定して、最適な「応力発光材料PP2、または、PP3」を選定する。
(応力発光材料、シート基材、及び、フォーム用紙)
本発明の「圧着シート」に用いられる「シート基材A」に使用する「応力発光材料PP2」、または、「フォーム用紙A1」に使用する「応力発光材料PP3」としては、以下のものを用いることができる。(図4、及び、図5参照。以下、まとめて、『応力発光材料PP2、PP3』、及び、『シート基材10』と称す。)
(1)多面体構造の複数の分子によって形成される母体結晶の空間に、アルカリ金属イオン、及び/または、アルカリ土類金属イオンが、挿入された基本構造を有し、その空間に挿入された、アルカリ金属イオン、及び/または、アルカリ土類金属イオンの、一部が、希土類金属イオン、遷移金属イオン、III族の金属イオン、および、IV族の金属イオンからなる群より選択される、少なくとも1種の金属イオンによって置換されている応力発光材料PP2、PP3。
この応力発光材料PP2、PP3は、その基本構造である母体結晶として、
P−1空間群に属する三斜晶構造、特には、アノーサイト様構造、及び、3次元構造の空間にアルカリ金属イオンおよびアルカリ土類金属イオンを挿入できる範囲で、アノーサイト構造に類似する構造(類似の組成物)も包含するもの、
P−42m空間群に属する正方晶構造、特には、オケルマナイト(akermanite、オケルマン石)様構造、及び、母体結晶の空間に、アルカリ金属イオンお主びアルカリ土類金属イオンを挿入できる範囲で、オケルマナイト構造に類似する構造(類似の組成物)も包含するもの、
R−3空間群に属する三方晶構造、特には、アルミノケイ酸塩の組成を持つ長石(フェルドスパー)構造、及び、四面体構造のSiO分子およびAlO分子が最小単位であり、これらの分子が全ての頂点を共有して複数結合した、3次元構造体、さらに、その3次元構造体に形成された空間(隙間)に、アルカリ金属、または。アルカリ土類金属が挿入されているもの、
準長石(feldspathoid、フェルドスパソイド)構造、例えば、白榴石(leucite、リューサイト)KAlSiO、かすみ石(nepheline、ネフェリン)NaAlSiO、およびこれらの組成物に結晶構造が類似する組成物等、
そして、この基本構造が、下記一般式(1)〜一般式(6)のいずれか1つで示されるものを用いる。
すなわち、MxN1−xAl2Si28・・・(1) / XxY1−xAlSi38・・・(2) /(XxM1−x)(SixAl1−x)AlSi28・・・(3) /XxMyCa1−x−yAl2−xSi2+xO8・・・(4) /MxN2−xMgSi27・・・(5) /MxN3−x(PO42・・・(6)(ただし、式中、MおよびNは、2価の金属イオンであって、少なくとも1つは、Ca、Sr、Ba、MgまたはMnであり、XおよびYは、1価の金属イオンであって、少なくとも1つは、Li,Na,またはKであり、0≦x,y≦0.8である。)。
中でも、紫外線発光を示す(1)の応力発光材料PP2、PP3の母体結晶は、一般式 M1−x−yNxQyAl2Si28 ・・・(7)(ただし、式中のMおよびNはそれぞれ、アノーサイト構造ではCa、Sr、Mg、またはBaであり、長石構造では、Li、NaまたはKであり、Qは、希土類金属イオン、遷移金属イオン、III族の金属イオン、もしくは、IV族の金属イオンであり、0≦X≦0.8、及び、0.001≦y≦0.1を満たす数である。)の化合物であるもの、
さらに、その応力発光材料PP2、PP3の母体結晶において、アルカリ土類金属イオンとしてCaを選択し、かつ、そのCaサイトの一部を、希土類金属イオンとしてCeで置換したもの、すなわち、一般式(8)、Ca1−yQyAl2Si28・・・(8)(式中、Qは、Euまたは他の発光中心イオンであり、yは0.001≦y≦0.1を満たす数である。)また、この一般式(8)は、Ca1−mCemAl2Si28(式中、mは、0.001≦m≦0.1を満たす数である。)と表すことができるものを用いることができる。
そして、この応力発光材料PP2、PP3の発光中心として、
希土類金属のイオンとして、ユウロピウム(Eu)、ジプシロシウム(Dy)、ランタン(La)、ガドリニウム(Gd) 、セリウム(Ce)、サマリウム(Sm)、イットリウム(Y)、ネオジウム(Nd)、テルビウム(Tb)、プラセオジム(Pr)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、スカンジウム(Sc)、プロメチウム(Pm)、ホルミウム(Ho)、ルテチウム(Lu)等のイオン、
また、遷移金属のイオンとして、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、アンチモン(Sb)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、バナジウム(V)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ニオビウム(Nb)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、タングステン(W)等のイオンが例示される。さらに、III族の金属イオンとして、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)等のイオンを用いることができる。
加えて、IV族の金属イオンとして、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、鉛(Pb)等のイオン、さらには、これら希土類金属のイオン、遷移金属のイオン、III族の金属イオン、およびIV族の金属イオンの中から、少なくとも1つのイオンを選択したもの、そして、その希土類金属イオン、および、遷移金属イオンの含有量、言い換えれば、発光中心の含有量を、0.1mol%以上20mol%以下の範囲内としたもの、好ましくは、0.2mol%以上10mol%以下の範囲内としたもの、特に好ましくは、0.5mol%以上5mol%以下の範囲内としたものを用いることができる。
ここで、その含有量が、0.lmol%未満の場合、効率的な発光が得られず、20mol%を越えると母体結晶が乱れ、発光効率が低下する。
(2)少なくともAlO様構造、および、SiO様構造の四面体構造を有する複数の分子が、その四面体構造の頂点の原子を共有して結合することにより形成された母体結晶の空間に、アルカリ金属イオン、および、アルカリ土類金属イオンの少なくとも一方が挿入された基本構造を有し、その母体結晶は、さらに、非対称性のフレームワーク構造を有していて、その空間に挿入されたアルカリ金属イオン、および、アルカリ土類金属イオンの少なくとも一方の一部が、希土類金属イオン、および、遷移金属イオンの少なくとも1種の金属イオンに置換されている応力発光材料PP2、PP3であって、特に、少なくともAlO様構造およびSiO様構造の四面体構造を有する複数の分子によって形成された3次元構造(3次元フレーム構造)と、非対称性のフレキシブルなフレーム構造とを有する基本構造に、発光中心が挿入された構成を持つことで、この応力発光材料PP2、PP3を含む、本発明の「シート基材10」が、手で軽く変形させるだけで発光することができるものとなるもの。
この応力発光材料PP2、PP3は、フレキシブルな3次元フレーム構造と、非対称性のフレキシブルなフレームワーク構造とを、同時に備えることで、3次元フレーム構造に加えて、「自発ひずみ」、または、「弾性異方性」を示す構造を有しており、このような母体結晶は、歪やすく、しかも、その歪エネルギーを、効率よく、フレームの中心にある発光中心の電子構造の変化へと変換しやすいものとなっている。
また、この母体結晶を、さらに、歪みやすくするために、母体結晶の空間に挿入されたアルカリ金属、または、アルカリ土類金属の一部が、他のイオン(例えば、希土類金属イオン、または、遷移金属イオン)で置換されていてもよい。
このときの置換するイオンは、母体結晶の結晶構造(非対称性のフレキシブルな3次元フレーム構造)を維持できれば、特に限定されるものではない。この置換するイオンには、例えば、その母体結晶に形成された空間に挿入されているアルカリ金属イオン、および、アルカリ土類金属イオンとはイオン半径の異なる、希土類金属イオン、または、遷移金属イオンが好適である。これにより、母体結晶を歪みやすくすることが可能となり、より強い発光を示す応力発光材料PP2、PP3を提供できる。なお、ここでの希土類金属イオンまたは遷移金属イオンは、母体結晶を歪みやすくするためのものであって、後述する発光中心として機能しないものであってもよい。
この母体結晶として、アルミノケイ酸塩の組成を持つ長石(フェルドスパー)構造、とりわけ、アノーサイト様構造とする。このような基本構造は、例えば上記した一般式(1)〜(4)のいずれかで示されるアルミノケイ酸塩であることがより好ましい。
その発光中心としては、発光中心の希土類金属イオンとして、Euを用いることによって、好適に青色発光を示す発光体とすることができる。また、発光中心は、一種類に限定されるものではなく、複数種類の混合物を用いてもよい。例えば、EuとDyの混合物を用いることもできる。
より詳細には、特に強い青色発光を示す応力発光材料PP2、PP3は、次の M1−x−yNxQyAl2Si28 ・・・(9)、及び、X1−x−yYxQyAl2−xSi2+xO8 ・・・(10)(ただし、式中のMおよびNはそれぞれ、2価の金属イオンであり、少なくとも1種類は、Ca,Sr,MgまたはMnであり、XおよびYは、1価の金属イオンであり、少なくとも1種類は、Li,Na,またはKであり、Qは希土類金属イオンもしくは遷移金属イオンであり、0≦X≦0.8、0.001≦y≦0.1を満たす数である。)で示される発光体であることが好ましい。
ただし、(9)式のように、アルカリ土類金属の場合、AlおよびSiは、それぞれ2のままで、式のXにより変化はしない。一方、(10)式のように、アルカリ金属の場合、電荷バランスをとるために、1価のアルカリ金属の数Xが増えた分、4価のSiの数が増え(2+X)に、また3価のAlが減り(2−X)となっている。
さらに、応力発光材料PP2、PP3において、アルカリ土類金属として、Caを選択し、かつ、そのCaサイトの一部を、少なくとも一種類の発光中心で置換した応力発光材料PP2、PP3がより好ましい。すなわち、Ca1−yQyAl2Si28・・・(11)(ただし、式中のQはEu、および、他の発光中心の少なくとも一種類、yは0.001≦y≦0.1を満たす数である。)とする。
なお、式(11)は、発光中心が、Euのみの場合、Ca1−m−nEumAl2Si28と表すこともできる。(ただし、式中のmおよびnは、0.001≦m≦0.1を満たす数である。)この場合、mは、0より大きく0.1以下の範囲であり、発光中心が、EUとその他の発光中心イオンの混合物である場合、混合物の発光中心としての含有量(m)は、0より大きく0.2以下の範囲であればよい。
このような応力発光材料PP2、PP3は、青色の発光を、特に強く示すことができ、式(11)では、発光中心(Q)が、少なくともEuを含んでいることが好ましい。さらには、式(11)において、発光中心の希土類金属イオンとして、少なくともEuを含んでいることが好ましく、例えば、発光中心が、Euのみ、または、EuとDyの混合物であることがより好ましい。このように、発光中心として、Euを含んでいれば、青色発光を特に強く示す応力発光材料PP2、PP3とすることができる。
(3)歪エネルギーにより発光する条件を満たしている応力発光材料PP2、PP3、すなわち、歪エネルギーの形成によって、圧電効果、格子欠陥、および変形による発熱等の機構により発光する応力発光材料PP2、PP3。
この応力発光材料PP2、PP3を用いることで、この応力発光材料PP2、PP3を含む、本発明の「シート基材10」を、手で軽く変形させるだけで、発光させ得る。
この圧電効果による発光は、歪形成力が加えられることで、「材料」に歪エネルギーが生じ、その歪エネルギーに伴う圧電効果により電気が発生し、これにより、「電場発光」が起こるものである。
このために、結晶構造に対称中心が存在せず、自発分極が発生する構造とする。このような、圧電効果により強く発光する「材料」の一例として、α−SrAl24相の結晶材料を好適に用いることができる。
格子欠陥による発光は、材料に格子欠陥が存在すると、歪エネルギーにより格子欠陥にトラップされている電子と正孔(ホール)とが再結合することが可能となるため、これにより「発光」が生じるものである。
応力発光材料PP2、PP3において、格子欠陥に由来する発光機構を実現するためには、その応力発光材料PP2、PP3に含有される母体材料に、少なくとも1種、好ましくは、2種以上の金属イオンを、欠陥中心の中心イオンとして添加すればよいことになる。
このような応力発光材料PP2、PP3では、後述するように、α−SrAl24相の結晶材料において、SrサイトやAlサイトを金属イオンが置換するように、各種「金属元素」を添加する。
発熱による発光は、歪形成により材料が変形すると、この変形に伴い熱が発生し、発熱(温度上昇)に伴い、サーモルミネッセンス(熱発光)が生じ、「発光」するものである。ここでも、この母体材料として、α−SrAl24を挙げることができる。
(4)複数の結晶構造が混在(混和)してなる「混相」を含んでいる応力発光材料PP2、PP3。すなわち、複数の結晶構造が混在してなる「混相」とすることにより、単独の結晶構造では実現出来なかった、目視できる高効率な(高輝度な)赤色応力発光が可能な発光材料とするもの。
その混相は、ウルツ鉱型構造の酸化亜鉛と、立方晶、または、ウルツ鉱型構造の硫化亜鉛と、立方晶の酸化マンガンとの結晶構造の中から、少なくとも、2種類以上の結晶構造を有する複合結晶体であることが好ましい。この構成により、酸化亜鉛、硫化亜鉛、および、酸化マンガンのうち、単独、あるいは、これらの2つからなるものでは実現出来なかった、赤色発光体とすることが可能になる。
すなわち、一般式、(xZnO+yZnS+zMnO)で表される混相とすることにより、赤色発光材料を実現することができる。
その混晶を構成する金属イオンの一部は、他の金属イオンに置換されたものであってもよい。この場合、混晶を構成している金属イオンとは別の他の金属イオンは、Teイオンであることが好ましい。これにより、の応力発光材料PP2、PP3の赤色発光の強度を大きく向上させることが可能となる。(「高輝度赤色応力発光材料」となる。)
このTeイオンは、混晶を構成する金属イオン100molに対し、0.1mol以上5mol以下の範囲内となるようにすることが好ましい。
さらに、この応力発光材料PP2、PP3は、その混晶が、正方晶構造のチタン酸バリウム、斜方晶構造のチタン酸カルシウム、菱面体晶構造のチタン酸マグネシウム、および、立方晶構造のチタン酸ストロンチウムの中から、少なくとも、2種類以上を含むものであってもよく、この場合、混晶を構成する金属イオンの一部が、他の金属イオンに置換されているものであってもよい。
また、この応力発光材料PP2、PP3は、一般式(Ca1−xA′x)yBa1−yTiO3、(Mg1−xA′x)yBa1−yTiO3、及び、(Sr1−xA′x)yBa1−yTiO3(ここで、0.0001≦x≦0.05、0.005≦y≦0.995、A′は、Dy,La,Gd,Ce,Sm,Y,Nd,Tb,Pr,Erからなる群より選ばれる希土類元素。)からなるものであってもよい。
この構成により、応力や電場を加えることにより光を発する発光性と、圧電性とを兼ね備えた発光材料とすることができる。
また、A′として示している希土類元素としては、プラセオジム(Pr)が最も好ましく用いられる。さらに、強誘電性正方晶のBa1−xCaxTiO3:Pr固溶体(0<x<0.23)と、常誘電性の斜方晶のBayCa1−yTiO3:Pr固溶体(0.9<y<1)とからなる、「混相」であってもよい。
そのCaの比率が、40%以上80%以下の範囲内、あるいは、1%以上35%以下の範囲内であることが好ましい。また、そのCaの比率が、55%以上65%以下の範囲内、あるいは、25%以上35%以下の範囲内であることがより好ましい。
以上の応力発光材料PP2、PP3は、機械的な外力、例えば、応力、せん断力、衝撃力、圧力等を加えることによって発光し、発光強度は、一般的に加える外力が大きいほど高くなる。
さらに、本発明の「シート基材10」に用い得る「応力発光材料PP2、PP3」として、
(5)母体結晶として、周期表2A、3A、4A、および、3B族に属する、少なくとも1種の金属の酸化物、または、複合酸化物、特には、MgO、SrO、CaO、ZrO2、CeO2、HfO2、Y23、Al23、Cr23、および、Ti23の中から選ばれた金属酸化物、または、その複合酸化物、中でも、スピネル構造、ホタル石構造、イットリア構造、コランダム構造、または、β‐アルミナ構造を有するもの、特には、ZrO2、CeO2、HfO2、Y23、Cr23、および、Ti23の中から選ばれた金属酸化物からなり、ホタル石構造、イットリア構造、および、コランダム構造の中から選ばれた結晶構造を有するものであって、
その発光中心を、不安定な3d、4d、5d、または、4f電子殻を有し、この電子殻内で輻射転移を生起しうる希土類金属イオン、および、遷移金属イオン、特には、第一イオン化エネルギーが、8eV以下の希土類金属イオン、および、遷移金属イオンの中から選ばれた、少なくとも1種の金属イオン、特には、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、および、Lu、特には、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、および、Dyの中から選ばれた希土類金属イオン、または、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、特には、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Nb、Mo、Ta、および、Wの中から選ばれた遷移金属イオンとするもの。
(6)母体結晶に、FeS2構造の酸化物、硫化物、炭化物、および、窒化物の1種類以上、特には、FeS2構造のSr3Al26、または、Ca3Al26を用いるものであって、その発光中心を、上記(5)と同様とするもの。
(7)母体結晶に、スピネル構造のMgAl24、および、CaAl24、コランダム構造のAl23、および、β‐アルミナ構造のSrMgAl1017の中から選ばれた、少なくとも、1種の金属酸化物、または、複合酸化物を用いるものであって、その発光中心を、上記(5)と同様とするもの。
(8)母体結晶に、Y、Ba、および、Mgの中から選ばれた、少なくとも1種の金属の酸化物と、Siの酸化物の複合体を、少なくとも主成分とする母体材料、特には、Y2SiO5、BaSi25、および、Ba3MgSi28の中から選ばれた、少なくとも1種の複合酸化物を用いるものであって、その発光中心を、上記(5)と同様とするもの。
特には、機械的エネルギーによって励起された電子が基底状態に戻る場合に発光する希土類、または、遷移金属の1種類以上からなる発光中心を添加したもの。
(9)母体結晶に、メリライト型構造のCaYAl37 、Ca2 Al2 SiO7 、Ca2(Mg,Fe)Si27 、Ca22 SiO7 、CaNaAlSi27 、Ca2 MgSi27 、(Ca,Na)2 (Al,Mg)(Si,Al)27 、および、Ca2 (Mg,Al)(Al,Si)SiO7 の酸化物のうちの1種類以上からなる母体材料を用いるものであって、その発光中心を、上記(5)と同様とするもの。
(10)母体結晶に、MN24で表される化合物(M、および、Nは、Mg,Sr,Ba,Znの群、および、Ga,Alの群からそれぞれ選ばれた、少なくとも1つ以上の金属元素)で構成される酸化物、且つ、Mで表わされ金属元素に対する発光中心元素のモル%を0.001〜20%としたものを用いるもの、特には、MgGa24、ZnGa24、ZnAl24、SnZn24、BaAl24、MgAl24で表される酸化物、さらには、母体材料が、スピネル構造を有する化合物で構成されるものにおいて、擬スピネルまたは逆スピネル構造を含む酸化物であって、その発光中心を、上記(5)と同様とするもの。
(11)MN24で表される化合物(MおよびNは、Mg,Sr,Ba,Znの群、および、Ga,Alの群からそれぞれ選ばれた、少なくとも1つ以上の金属元素)で構成される酸化物を母体材料とし、M、または、Nに対して、0.0001〜20モル%の格子欠陥を有するもの。
(12)母体結晶に、(A)一般式xM1O・yAl23・zSiO2(式中のM1はCa、Ba、または、Srであって、その一部がNa、K、および、Mgの中の少なくと一種で置き換えられていてもよく、x、y、および、zは1以上の数である)で示されるアルミノケイ酸塩、(B)一般式xM2O・yAl23(式中のM2は、Ca、または、Baであって、その一部が、Mg、および、Laの少なくとも一方に置き換えられていてもよい。x、および、yは、前記同様。)で示されるアルミン酸塩、(C)一般式xM3O・ySiO2(式中のM3は、Ca、または、Srであって、その一部が、Na、Mg、Zn、Be、Mn、Zr、Ce、および、Nbの中から選ばれた少なくとも一種で置き換えられていてもよい。x、および、yは前記同様。)、または、Ba2MgSiO7で示されるケイ酸塩、(D)一般式xM4O・yM5411(式中のM4は、Ca、Ba、または、Sr、M5は、Ta、および、Nbの中の少なくとも1種であり、x、および、yは前記と同じ意味をもつ)で示されるタンタル酸、または、ニオブ酸塩、(E)一般式xM5O・yGa23(式中のM5は、Ca、Ba、または、Srであって、その一部は、Laにより置き換えられていてもよい。x、および、yは前記同様。)で示されるガリウム酸塩、および、ZrO2の中から選ばれた、少なくとも一種の酸化物、特には、一般式xSrO ・y A l 23 ・z S i O 2( 式中のSrの一部が、N a 、K 、および、M g の中の少なくとも一種で置き換えられていてもよい。x 、y 、および、z は1 以上の数である。)、一般式xSrO・ySiO 2( 式中のSrの一部が、N a 、M g 、Z n 、B e 、M n 、Z r 、C e 、および、N b の中から選ばれた、少なくとも一種で置き換えられていてもよい。x 、および、y は上記同様。)、または、一般式 xSrO・yM4O11( 式中のMは、Ta 、および、Nb の中の少なくとも一種であり、x、および、yは上記同様。)で表される組成をもつストロンチウム複合酸化物からなる母体材料、さらには、xSrO・yAl23・zSiO2として、(Sr ,K2,Na2) Al4Si1436、( Sr,Na ) ( Mg,Fe,Al,Ti) (Si,Al)26、(Sr,Na)2(Al,Mg,Fe)(Si,Al)27、Sr2 (Mg,Al)(Al,Si)SiO7、Sr2Al2SiO7、SrNa2Al4Si416などを挙げることができ、かっこ内の元素は互いに置き換えることができるもの。
また、xSrO・ySiO2として、Sr(Zn,Mn,Fe,Mg)Si26、Sr 2(Mg,Fe)Si27、Sr22SiO7、Sr2BeSi27、Sr2MgSi27、Sr2Na4CeFeNb2Si828、Sr3Si27、SrFeSi26、SrMgSi26など、もしくは、xSrO・yM4O11として、Sr(Ta,Nb)411であるもの、
特にに発光強度の大きいものは、Sr(Ta,Nb)411、Sr(Zn,Mn,Fe,Mg)Si26、Sr2(Mg,Al)(Al,Si)SiO7、Sr2Al2SiO7、Sr2MgSi27、Sr2Na4CeFeNb2828、および、SrMgSi26としたもの、さらには、SrGa1219、SrLaGa37であるもの。
そして、これらの酸化物が、結晶構造的には点群(簡約化表現の指標において、)1、-1、2、2/m、6/m、m3m、(−4)2m、622で表される結晶分類に属しているもので構成されるものにおいて、その発光中心を、不安定な3d、4d、5d、または、4f電子殻を有し、この電子殻内で輻射転移を生起しうる希土類金属イオン、および、遷移金属イオン、特には、第一イオン化エネルギーが、8eV以下の希土類金属イオン、および、遷移金属イオンの中から選ばれた、少なくとも一種の金属イオン、特には、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、および、Lu、特には、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、および、Dyの中から選ばれた希土類金属イオン、または、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、特には、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Nb、Mo、Ta、および、Wの中から選ばれた遷移金属イオンとするもの。
本発明の「シート基材A」に用い得る「応力発光材料PP2、PP3」として、
組成式、SrMgAl611、SrLaAl37、または、SrYAl37で示されるストロンチウム、および、アルミニウム含有複合金属酸化物を母体材料とし、ユーロピウムを発光中心としたもの。
(13)発光中心に、少なくとも、ユーロピウム(Eu)を含み、組成式( 1 )(Eu1−xA’x)yB’1−yAl24、または、組成式(2)(Eu1−xA’x)B’1−yMgAl1017{式中、A’は、希土類金属、B’は、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、または、カルシウム(Ca)のいずれかのアルカリ土類金属を示し、0 ≦ x ≦0.99 、0.001≦y≦0.550である}で表される発光体であるもの。
(14)母体結晶に、一般式xBaO・yAl23・zSiO2(式中のBaは、その一部が、Na、K、および、Mgの中の少なくとも一種で置き換えられていてもよく、x、y、および、zは1以上の数である)、xBaO・yAl23(式中のBaはその一部が、Mgで置き換えられていてもよく、x、および、yは前記同様。)、または、xBaO・ySiO2(式中のBaはその一部が、Mg、Fe、Mn、Zn、および、Beの中の少なくとも一種で置き換えられていてもよく、x、および、yは前記同様。)で表わされる組成をもつバリウムの複合酸化物の中から選ばれた、少なくとも一種の酸化物であって、
ここで、xBaO・yAl23・zSiO2で表わされるものとしては、例えば、Ba2(Mg,Al)(Al,Si)SiO7、Ba2Al2SiO7、BaAl2Si28、BaNaAlSi27
xBaO・yAl23で表わされるものとしては、例えば、BaAl813、BaMgAl611
xBaO・ySiO2で表わされるものとしては、例えば、Ba(Zn,Mn,Fe,Mg)Si26、Ba2(Mg,Fe)Si27、Ba2BeSi27、Ba2MgSi27、Ba2MgSiO7、などがあり、
特に発光強度の大きいものは、Ba2Al2SiO7、Ba2MgSi27、BaAl2Si28、BaAl813であるもの。
そして、これらの酸化物は、結晶構造的には点群(簡約化表現の指標において、) 1、-1、2、2/m、6/m、m3m、(−4)2m、622で表される結晶分類に属しているものを用い、その発光中心を、不安定な3d、4d、5d、または、4f電子殻を有し、この電子殻内で輻射転移を生起しうる希土類金属イオン、および、遷移金属イオン、特には、第一イオン化エネルギーが8eV以下の希土類金属イオン、および、遷移金属イオンの中から選ばれた少なくとも一種の金属イオン、特には、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、および、Lu、特には、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、および、Dyの中から選ばれた希土類金属イオン、または、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、特には、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Nb、Mo、Ta、および、Wの中から選ばれた遷移金属イオンとするもの。
(14)(Ca1−pPrp)qBa1−qTiO3(0.0001≦p≦0.05,0.005≦q≦0.995)からなる発光材料、さらに、正方晶構造のチタン酸バリウムの結晶相および斜方晶構造のチタン酸カルシウムの結晶相が混在してなる混相を含み、その混相を構成する金属イオンの一部が、Prイオンに置換されている発光材料、特に、サイズの異なる複数の結晶相を有し、チタン酸バリウムの結晶相は大きい粒子サイズであり、チタン酸カルシウムの結晶相は小さい粒子サイズで構成されているとともに、小さい粒子サイズの結晶相は大きい粒子サイズの結晶相の粒子間に均一に分散している発光材料、また、強誘電性正方晶のBa1−xCaxTiO3:Pr固溶体(0<x<0.25)と、常誘電性の斜方晶のBa1−yCayTiO3:Pr固溶体(0.9<y<1)とからなる混相である発光材料、及び、[(1−x)BaTiO3−xCaTiO3]:Pr (xが、0.01≦x≦0.9)、特には、(xが、0.4≦x≦0.8)、もしくは、(xが、0.01≦x≦0.35)の発光材料を用いることができる。
もしくは、以上の発光材料が、赤色発光を示す発光材料であるもの、及び、発光強度がその発光材料に負荷する機械的な外力の大きさに比例するものである、発光材料を用いることができる。
(15)少なくともAlO4様構造、および、SiO4様構造の四面体構造を有する複数の分子が、その四面体構造の頂点の原子を共有して結合することにより形成された母体構造の空間に、アルカリ金属イオンおよびアルカリ土類金属イオンの少なくとも一方が挿入された基本構造を有し、母体構造は、さらに、非対称性のフレームワーク構造を有しており、 その空間に挿入されたアルカリ金属イオンおよびアルカリ土類金属イオンの少なくとも、一方の一部が、希土類金属イオンおよび遷移金属イオンの少なくとも一種の金属イオンに置換されていて、且つ、その基本構造は、MxN1−xAl2Si28(ただし、式中MおよびNは、2価の金属イオンであり、少なくとも一種類は、Ca,Sr,Ba,Mg,またはMnであり、0≦x≦0.8である。)で示され、Ca0.985Eu0.01Dy0.005Al2Si28、Ca0.995Dy0.005Al2Si28、Ca0.97Eu0.01Nd0.02Al2Si28、Ca0.93Eu0.02Dy0.05Al2Si28、Sr0.97Eu0.01Dy0.02Al2Si28、Ba0.97Eu0.01Dy0.02Al2Si28、Ca0.8Sr0.17Eu0.01Ho0.02Al2Si28、Sr0.17Ba0.80Eu0.01Ho0.02Al2Si28、Sr0.17Ba0.80Eu0.01Dy0.02Al2Si28、Mg0.2Sr0.77Eu0.01Dy0.02Al2Si28、または、Ba0.2Sr0.77Eu0.01Dy0.02Al2Si28で示される組成を有する応力発光材料PP2、PP3。
(16)一般式CaM1Al37で表される正方相構造の酸化物(M1は、Y、La、または、Gdを表す。)と、Eu2+とを含み、その酸化物の原料から形成される不純物相をさらに含んでいる応力発光材料、特には、そのM1で表される原子が欠損している格子欠陥構造である酸化物の結晶をさらに含む応力発光材料PP2、PP3。
そして、Eu2+を、その酸化物100モルに対し、0.01モル〜20モル含む、さらには、不純物相を形成する物質が、その酸化物100モルに対し0.1モル〜80モルである応力発光材料。特には、その酸化物がCaYAl37であり、その不純物相は、Y23、Y3Al512、もしくは、Y4Al29の少なくとも1つを含む、応力発光材料PP2、PP3。
(17)母体結晶に、金属酸化物、金属窒化物、および、金属硫化物からなる群より選択される、少なくとも1つの化合物を含み、特には、その金属酸化物が、アルミン酸、および、アルミノケイ酸からなる群より選択される、少なくとも1つの化合物を用い、その発光中心を、遷移金属(ただし希土類金属を除く)、Si、および、Snのうち、少なくとも一つの元素をさらに含み、その元素の少なくとも一部が、母体材料に非固溶状態で含有されてなり、さらには、その元素が、粒子状で、且つ、母体材料(母体結晶)の表面に存在して、その元素の含有量が、0.1〜90モル%、特には、10〜90モル%、もしくは、0.1〜10モル%であって、その元素が、Zr、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Hf、Nb、Mo、Ta、および、Wからなる群より選択される少なくとも1つの金属としたもの。
(18)(ZnO)0.6(MnS)0.4−x(MnTe)x(0.001≦x≦0.05)、特には、ウルツ鉱型構造の酸化亜鉛の結晶相、立方晶、または、ウルツ鉱型構造の硫化亜鉛の結晶相、および、立方晶の酸化マンガンの結晶相の中から選択される少なくとも2種類以上の結晶相が混在してなる混相を含み、その混相を構成する金属イオンの一部が、Teイオンに置換されている応力発光材料PP2、PP3。さらには、サイズの異なる複数の結晶相を有し、酸化マンガンの結晶相は大きい粒子サイズであり、硫化亜鉛の結晶相、および、酸化亜鉛の結晶相は、小さい粒子サイズで構成されているとともに、小さい粒子サイズの結晶相は、大きい粒子サイズの結晶相の粒子間に均一に分散していて、中でも、赤色発光を示し、且つ、発光強度が負荷さ有れる機械的な外力の大きさに比例する、応力発光材料PP2、PP3。
(19)単斜晶のLiSrPO4:Eu2+を含有する応力発光材料PP2、PP3。特には、六方晶のLiSrPO4:Eu2+を更に含有する発光体、単斜晶のLiSrPO4:Eu2+からなる発光体、または、斜方晶のLiBaPO4からなる母体構造に形成された空間に、発光中心としてユウロピウム(Eu)のイオンが挿入されたLiBaPO4:Eu2+であって、その発光中心の含有量が2.0〜3.5モル%であるLiBaPO4:Eu2+からなる発光体。
さらに、高輝度な発光を可能とする「応力発光材料PP2、PP3」(以下、「高輝度応力発光材料PP2、PP3」とも称す。)として、以下のものを用いることが好適である。
(20)アルカリ土類金属酸化物とアルミニウム酸化物とから構成され、かつこの中のアルカリ土類金属イオンの組成比を欠損させたアルカリ土類金属欠損型であって、式MxAl23+x、MxQAl10O16+x、Mx1Qx2Al23+x1+x2、または、Mx1Qx2LAl10O16+x1+x2[式中のM、Q、および、Lは、それぞれMg、Ca、Sr、または、Baであり、xは0.8≦x≦0.99、x1、および、x2は0.8≦(x1+x2)≦0.99を満たす数である]で表わされる化合物を主成分とする非化学量論的組成を有するアルミン酸塩の少なくとも一種からなり、かつ機械的エネルギーによって励起されたキャリアーが基底状態に戻る際に発光する格子欠陥をもつ物質、または、この母体物質中に希土類金属イオン、および、遷移金属イオンの中から選ばれた少なくとも一種の金属イオンを発光中心の中心イオンとして含む物質からなる高輝度応力発光材料。特には、格子欠陥をもつアルミン酸塩からなる物質が、化学量論的組成比から、アルカリ土類金属イオンが1〜20モル%少なく、かつこの物質中に、希土類金属イオン、および、遷移金属イオンの中から選ばれた少なくとも一種の金属イオン0.01〜10モル%を、発光中心の中心イオンとして含む高輝度応力発光材料PP2、PP3。
(21)一般式xM1Al・(1−x)M2A2(式中のM1、および、M2は、Zn、Mn、Cd、Cu、Eu、Fe、Co、Ni、Mg、および、Caの中から選ばれる少なくとも一種の原子であり、A1、および、A2は、カルコーゲンの中から選ばれる少なくとも一種の原子であって、M1A1とM2A2とは異なったものであり、xは、0よりも大きく1よりも小さい数である。)で表わされる複合半導体結晶、特には、その複合半導体結晶が、ウルツ鉱型構造とせん亜鉛鉱型構造との共存構造を有する高輝度応力発光材料PP2、PP3。
さらには、そのM1がMn、または、Euであり、A1とA2が同一のカルコーゲンであって、または、そのM2がZnとCd、もしくは、ZnとCuで構成されている高輝度応力発光材料PP2、PP3、中でも、一般式xMA・(1−x)MnA(式中のMは、Zn、または、Cuにより部分的に置き換えられたZn、Aはカルコーゲン、xは、0よりも大きく1よりも小さい数である。)で表わされ、結晶粒子径が20nm以下の複合半導体結晶からなる高輝度応力発光材料PP2、PP3。特には、AがS、または、Teである高輝度応力発光材料PP2、PP3。
(22)結晶構造が単斜晶である第1のアルミン酸塩を含有している応力発光材料であって、第1のアルミン酸塩の母体材料が、α−SrAl24 であり、3種類以上の金属イオンが欠陥中心の中心イオンとしてその母体材料に添加されており、添加された中心イオンが、少なくともα−SrAl24のSrサイトを置換しており、中心イオンとしては、Srよりもイオン径が小さいものおよび大きいものの両方が添加されており、Srよりもイオン径が小さい金属イオンが、Euである高輝度応力発光材料PP2、PP3、特には、結晶構造が単結晶ではない第2のアルミン酸塩を含有せず、中心イオンの添加により、母体材料の自発分極性を有する結晶構造中に、格子欠陥が形成され、さらには、結晶構造中にトンネル構造を有していて、そのトンネル中に配置する元素がイオン結合で配置されている高輝度応力発光材料PP2、PP3、さらに、Srよりもイオン径が小さい金属イオンとして、Mg、Na、Zn、Cu、Eu、Tm、Ho、Dy、Sn、Mn、Nd、Pr、Caからなる群より選択される少なくとも一種が用いられ、Srよりもイオン径が大きい金属イオンとして、Ba、および/または、Kが用いられる高輝度応力発光材料PP2、PP3、および、α−SrAl24のSrサイトを置換している金属イオンは、Srを基準として、0.1〜40モル%で添加されていること、全金属イオンの添加量が化学量論よりも少ないこと、中心イオンが、α−SrAl24 のAlサイトを置換していること、中心イオンとして添加される金属イオンが、Alよりもイオン径が小さいものであって、Si、Bが用いられること、中心イオンとして添加される金属イオンが、Alよりもイオン径が大きいものであって、Ga、Inが用いられること、 中心イオンとして添加され、α−SrAl24 のAlサイトを置換している金属イオンは、Alを基準として0.1〜20モル%で添加されること、中心イオンとして添加される金属イオンとして、価数の異なる金属イオンを少なくとも2種以上添加すること、材料の歪エネルギー密度に比例して発光することなどをその特徴として持つ、高輝度応力発光材料PP2、PP3。
また、紫外線領域(光の波長として200nm〜400nm)の発光を可能とする「応力発光材料PP2、PP3」として、以下のものを用いることもできる。
(23)MN(PO34(式中、Mは1価の金属イオンであり、Nは3価の金属イオンである。)で表される構造を母体構造とし、上記のMまたはNの一部が、希土類イオンまたはIII族金属イオンの少なくとも一方によって置換されている応力発光材料PP2、PP3。
特には、Na1−xQxLa(PO)4(式中、QはCeイオン、またはTlイオンであり、0.01≦x≦0.2)である応力発光材料PP2、PP3。
(24)多面体構造の複数の分子によって形成される母体構造の空間に、アルカリ土類金属イオンが挿入された基本構造を有し、その空間に挿入された、アルカリ土類金属イオンの一部が、Ceイオンによって置換されている応力発光材料PP2、PP3であって、その基本構造が、自発歪を有し、その多面体構造の分子が、四面体構造の、AlO4、およびSiO4のうちの少なくとも1つを含んでおり、その基本構造が、一般式 MxN1−xAl2Si28 で示され(ただし、式中、MおよびNは、2価の金属イオンであって、少なくとも1つは、CaまたはSrであり、0≦xである。)、その応力発光材料PP2、PP3は、Ca0.2Sr0.77Ce0.005Dy0.02Al2Si28、Ca0.2Sr0.79Ce0.005Tb0.005Al2Si28、Ca0.995Ce0.005Al2Si28Ca0.97Ce0.03Al2Si28、Ca0.2Sr0.77Ce0.03Al2Si28、または、Ca0.8Sr0.17Ce0.03Al2Si28で示される組成を有する応力発光材料PP2、PP3。
(25)一般式MN(PO34(式中、Mは、Naイオンであり、Nは、Laイオンである。)で表される構造を母体構造とし、そのMの一部が、希土類イオン、または、III族金属イオンの少なくとも一方によって置換されており、そのMの一部と置換される希土類イオンは、Eu、Dy、Ce、およびTbからなる群より選択される希土類のイオンであり、そのMの一部と置換されるIII族金属イオンは、Tlイオンである応力発光材料PP2、PP3。
本発明の「応力発光材料PP2、PP3」は、上記した組成に対応した材料を準備し、すなわち、各々の母体結晶用材料に対して、対応する発光中心となる元素を含む酸化物等を、その金属原子換算における所定の割合で、混合し、(一般的には、母体結晶用材料100molに対して、0.1〜100molの範囲の所定の値とする。)、窒素ガス等の不活性雰囲気中で、900〜1100℃の範囲の温度まで徐々に昇温させたのち、水素含有アルゴンガス等の還元雰囲気中、1200〜1500℃の範囲の温度で焼成することで、得ることができる。
ここで、本発明の「応力発光材料PP2、PP3」を、所定の形状とするためには、あらかじめ、所望の形を有する「成形型(焼成用型を含む。以下、同様。また、上記の高温において、比較的変形の少ないセラミック材料からなるものを選定する。)」に、上記材料を入れ、所定の焼成をした後、その「成形型」から取り出す手法を用いることができる。
但し、本発明の「応力発光材料PP2、PP3」の表面を滑らかにするために、敢えて、溶融温度の高い金属材料(セラミック材料よりも、金属材料の方が、表面平滑性が高く、「焼成」後には、それらの表面が、「応力発光材料PP2、PP3」の表面になるという意味。)をその成形型として用いてもよい。
また、上記した高温においては、完全に焼失して、焼成物への付着も少ない、セルロース系樹脂材料や、アセチルセルロース系樹脂材料等の樹脂材料を用いて、十分な耐熱性を持つ平坦な「セラミック板」上に、適宜な厚さで樹脂塗膜を形成し、且つ、その際、その樹脂塗膜の表面に、所望の形状(「応力発光材料PP2、PP3」とする形状)に対応する凹部(微細な凹部となる。)を設けて、その凹部に、上記のごとく準備した材料を入れて、上記と同様に焼成し、樹脂塗膜を焼失させると同時に、その「セラミック板」上に、所望の形状を持つ「応力発光材料PP2、PP3」を残す方法を採用することも好適である。
ここで、応力発光材料PP2、PP3の耐水性を向上するため、応力発光材料PP2、PP3に表面処理を施すことも好適である。
この表面処理は、適宜な量の表面処理剤を、適宜な有機溶媒(有機溶剤)に、常温、または、加温して溶解させ、その溶解液に、目的に応じた適宜な量の、上記した応力発光材料PP2、PP3を添加し、デゾルバーやミキサー等の適宜な撹拌装置を用いて、適宜な時間、撹拌した後、適宜な条件下で乾燥させることにより得られる。
このとき、応力発光材料PP2、PP3の「形状」を壊さず、維持するように条件設定することは言うまでもない。
また、耐水性をさらに向上させる目的で、上記した溶解液に、同時に、応力発光材料PP2、PP3に対する「被膜」形成用の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を適宜な量、混入させることも好適である。
この「被膜」の厚さは、0.1μm〜10μmとなるように設定する。
熱可塑性樹脂としてはアクリル酸エステル樹脂、すなわち、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリベンジルメタクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリイソブチルアクリレート等、セルロース系樹脂、すなわち、硝酸セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、セルロース・アセテートプロピオネート等、ビニル系樹脂、すなわち、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル・酢酸ビニル等、アクリルアミド樹脂、もしくはポリスチレン樹脂等が、また、熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、エポキシ変性アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ変性不飽和ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、シリコン樹脂、もしくは、フッ素化樹脂等が挙げられる。
表面処理剤としては、代表的には、シリル化剤、もしくは、シランカップリング剤を用いる。そのシリル化剤、もしくは、シランカップリング剤としては、
ビニル基を有する、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等、エポキシ基を有する、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等、スチリル基を有する、P−スチリルトリメトキシシラン等、アクリル基を有する、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等、メタクリル基を有する、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等、イソシアネート基を有する、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等、さらには、トリメチルシリルクルロライド、ヘキサメチルジシラザン、BSTFA(N、O―ビスートリメチルシリルートリフルオロアセトアミド)、トリエチルシリルクロライド、クロロメチルトリメチルシラン、トリメチルシリルアセチレン、ヘキサメチルジシラン、N、N´−ビストリメチルシリル尿素などを用いることができる。
その表面処理に用いる有機溶媒(有機溶剤)には、エチルアルコール、プロピルアルコール、または、ブチルアルコール等のアルコール系溶剤、アセトン、または、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、トルエン、キシレン、または、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、プロピルセルソルブ、または、ブチルセルソルブ等のグリコールエーテル系溶剤、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、または、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のオキシエチレン、オキシプロピレン付加重合体、エチレングリコール、プロピレングリコール、または、1,2,6−ヘキサントリオール等のアルキレングリコール、グリセリン、2−ピロリドン等を好適に用いることができるが、より好ましくは、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤を用いる。
このとき、有機溶媒の水分含有量を調節することが、さらに好ましく、その水分含有量は、0.5%未満とする。水分含有量が0 . 5 % 以上の場合には、溶液中の水分で応力発光材料PP2、PP3の発光特性が低下する。
また、本発明の応力発光材料PP2、PP3の耐水性を向上させるため、「金属アルコキシド(アルコールに金属を反応させたもの。)」を用いて、応力発光材料PP2、PP3の表面被覆処理を行うこともできる。
その「金属アルコキシド」を構成する金属元素としては、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、および、ケイ素(ここでは、「半金属元素」である、「ケイ素」も含める。)を用いることができ、アルコキシドの種類としては、メトキシド、エトキシド、プロポキシド、イソプロポキシド、オキシイソプロポキシド、ブトキシド等を用いることができる。また、テトラエトキシシラン、または、テトラメトキシシランを部分的に加水分解、および、縮合することにより得られるエチルシリケート、および、メチルシリケートを用いることができる。
特には、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエチルシリケート、テトラメチルシリケート、アルミニウムトリイソプロポキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、チタニウムテトライソプロポキシド等が好ましい。
この金属アルコキシドの添加量は、応力発光材料PP2、PP3の比表面積によって異なるが、応力発光材料PP2、PP3に対して、金属アルコキシドの各元素換算の合計で、0.5〜20%とする。
この応力発光材料PP2、PP3と金属アルコキシドを混合するための装置としては、種々のブレード(回転羽)を用いた各種デゾルバー、ヘンシェルミキサー、スピードミキサー、ボールカッター、パワーミキサー、ハイブリッドミキサー等の撹拌機、各種ボールミル、及び、コーンブレンダー等の混練機を用いることができる。さらに、得られた表面被覆済みの応力発光材料PP2、PP3を、常温乾燥機中で、数時間〜数日間、風乾した後、60℃〜200℃で、1時間〜24時間乾燥する。
さらには、化学的気相成長法( C V D 法) により応力発光材料PP2、PP3の表面にアルミナ被膜、もしくは、二酸化チタン被膜等をコーティングする方法、140℃以下の温度で気相加水分解反応により、応力発光材料PP2、PP3の表面を、「酸化物被膜」でコーティングする方法、ゾル−ゲル反応、もしくは、中和反応により、応力発光材料PP2、PP3の表面に、金属酸化物、もしくは、金属水酸化物からなる「保護膜」を形成させる方法、100〜200℃に加熱された応力発光材料PP2、PP3の流動層(気体中に微細な粉体が浮遊しつつ移動している状態。)に、金属アルコキシドオリゴマー、金属アルコキシドの有機溶媒溶液、もしくは、金属アルコキシドそのものを噴霧して、応力発光材料PP2、PP3の表面に金属酸化物被膜(保護膜)を形成する方法、応力発光材料PP2、PP3をプラズマ状態の反応性ガスに曝し、応力発光材料PP2、PP3の表面に酸化物被膜を付着させる方法等も用い得る。
さらには、上記した組成の材料を、微粒子化して、適宜な樹脂材料、特に、「紙パルプ繊維PP1」と水素結合し易いものに混入させた後、ステンレススクリーン印刷や、凹版印刷等の適宜な印刷方式を用いて、適宜な剥離性フィルム上に形成し、乾燥後、その適宜な剥離性フィルムから剥離して、所望の形状の「応力発光材料PP2、PP3」とすることも好適である。
もちろん、そのような微粒子を樹脂材料に混入させたものを、適宜な「成形型」を用いて、所望の形状に成形することもできる。
いずれの場合も、樹脂材料中に含まれる微粒子の発光が、それを包んでいる樹脂材料中を通過して、広がり、観察者の目に届くこととなり、「発光面積(発光点の占める面積)」を大きくすることを可能として好適である。
このようにして得られた本発明の「応力発光材料PP2」を、上述した「紙パルプ繊維PP1」を作製する「製紙工程」(図7参照。)の中の「パルプの精選&脱水工程」において、さらには、その脱水工程前の状態である、いわば「パルプ懸濁液」の段階において、その「パルプ懸濁液」に所定の割合で混合し、図7における、残りの「製紙工程」である、「原料調整工程2:サイジング剤等薬品添加」、「抄紙工程1:ワイヤリング&搾水」、「抄紙工程2:乾燥&プレス処理」、及び「加工&仕上げ工程」を経て、本発明の「シート基材A」を得る。(図4参照。図1では、サイジング剤を表示していない。)
このときの、「紙パルプ繊維PP1」に対する「応力発光材料PP2」の割合は、「紙パルプ繊維PP1」100%に対して、10〜300%とし、具体的な割合は、本発明の「シート基材A」の使用目的により設定する。
この「応力発光材料PP2」の割合が、10%未満では、「シート基材A」に所定の外部負荷を与えた程度では、視認できるほどの十分な発光が得られず、300%を超えると、「シート基材A」の剛性が強くなり過ぎたり、「シート基材A」の比重が大きくなり過ぎることとなる。
もちろん、「シート基材A」の剛性を敢えて強くする用途であれば、「応力発光材料PP2」を、これ以上の割合で含めることも可能であるが、「紙パルプ繊維PP1」に伝わった「変形圧力」が、「応力発光材料PP2」へ伝達する効率が低下する。
ここで、「抄紙工程1:ワイヤリング&搾水」とは、いわゆる「ワイヤーパート」であって、PET(ポリエチレンテレフタレート)繊維、または、青銅繊維などで織られた網(ワイヤー)で、連続して回転できるような帯状としたものの上に、上記した「パルプ懸濁液」を幅方向に均質で、適切な濃度、速度、及び、角度で供給することで、所定の厚さの塗膜とした後、ワイヤー上で搾水して(脱水するという意味。ある程度、脱水が進んだ部分では、装備されているサクションボックス〈真空ポンプにより水を吸引する装置〉によって、脱水が促進される。)、「シート基材A」用の「湿紙(未だ、水分を含んでいる状態という意味。)」が形成される。
また、「抄紙工程2:乾燥&プレス処理」とは、いわゆる、「プレスパート」であって、
ワイヤーからはがされた「湿紙」がフェルトに移され、圧力をかけてさらに水分を絞るプレス装置に入って、数本のロールからなるロールプレス処理が施されることとなる。ここで、「湿紙」に十分なプレスを行うことにより、密度の高い「紙」とすることができる。
次いで、水分の蒸発によって湿紙を乾燥させる、いわゆる「ドライヤーパート」にはいり、スチームによって加熱する多数のシリンダドラムに次々と転移させながら、巻き付けて、乾燥させる。
最後に、「加工&仕上げ工程」とは、いわゆる「紙の加工工程」に属し、その用途に基づき、サイズプレス処理、艶出し等の塗工処理や、カレンダー処理などの工程に入る。塗工処理やカレンダー処理は、オフマシン(一旦、巻き取ってから、別の専用装置にかけるという意味。)で行ってもよい。
本発明の「シート基材A」は、手漉き方法でも、作製できるが、大量に生産するためには、以上の「製紙工程」を達成することが可能な抄紙機、例えば、長網方式、ツインワイヤー方式、ギャップフォーマー方式、丸網方式、ヤンキー方式など各方式の抄紙機を用いる。さらに、マシンカレンダー処理機を追加することもできる。
本発明の「シート基材A」の厚さは、5μm〜500μm、とするが、中でも、「用紙」特有の重量表記において、52.3g/m2〜360g/m2であって、そのサイズが、JIS P 0202 による A系全判、A全判、A半裁、A4切、A8切、A16切、菊判、四六判、ハトロン判のサイズ、もしくは、JIS P 0138 によるA系列やB系列のサイズである、A0〜A10、または、B0〜B10とすることが特に好ましい。
但し、この範囲外の厚さや、サイズとすることも、本発明の「シート基材A」の用途によって必要となることはいうまでもない。
また、上記した組成の材料を、所定の方法を用いて「微粒子」化、さらには、「超微粒子」化して、「所定の形状」の「応力発光材料PP3」とする。(以下、『微粒子』と『超微粒子』を併せて『微粒子等』とも称する。)
さらには、その「微粒子」化、または、「超微粒子」化した、「応力発光材料PP3」を、適宜な樹脂材料、特に、「紙パルプ繊維PP1」と水素結合し易いものに混入させた後、ステンレススクリーン印刷や、凹版印刷等の適宜な印刷方式を用いて、適宜な剥離性フィルム上に形成し、乾燥後、その適宜な剥離性フィルムから剥離して、所望の形状の「応力発光材料PP3」とすることも好適である。
もちろん、そのような「微粒子等を樹脂材料に混入させたもの」を、適宜な「成形型」を用いて、所望の形状に成形することもできる。
いずれの場合も、樹脂材料中に含まれる微粒子の発光が、それを包んでいる樹脂材料中を通過して、広がり、観察者の目に届くこととなり、「発光面積(発光点の占める面積)」を大きくすることを可能として好適である。
特に、「微粒子」、または、「超微粒子」の「応力発光材料PP3」は、「応力発光材料の平板」や、「応力発光材料の塊」を、物理的に粉砕して「微粒子」、または、「超微粒子」とするが(これが、『微粒子化』、または、『超微粒子化』である。)、その粉砕の際、例えば、衝撃式粉砕機を用いて、「微粒子」、または、「超微粒子」が比較的不規則な形となるように制御し、且つ、粉砕した微粒子間、または、超微粒子間の衝突を抑制しつつ、「分級装置」にて、所望の粒径(粒径分布)の所望の形を有する「微粒子」、または、「超微粒子」を作製する。
さらには、「焼成前の『応力発光材料』用組成物」(所定の『焼成』手順によって、目的とする『応力発光材料』となる、所定の各元素を所定の割合で含む、水酸化物、水和物、酸化物、複合酸化物、硝酸塩、塩酸塩、炭酸塩、酢酸塩、硫酸塩等の原材料及びその混合物を意味する。『前駆体』ともいう。また、発光中心元素を、ドーピング手段等により別途添加することもできる。これらの混合物、さらには、粉末混合物、もしくは、粉体混合物を、直接、『焼成』すると、『応力発光材料』となる。)を、セルロース系樹脂やエチルセルロース系樹脂等の「焼成によって分解しやすい樹脂」(いわゆる、『セラミックス』製造用の樹脂。焼成によって、その樹脂の成分が、炭酸ガスや水となって、ほぼ完全に焼失するもの。焼成時の『煤』や『残渣』が比較的少ないという特徴を持つ。)に分散させ、個々の「焼成前の応力発光材料」が、いわば「個々の粒子として、独立して、分散している状態」(この樹脂によって、互いに離間させられている状態という意味。)とし、所定の焼成を行うことで、「応力発光材料PP3」を、「個々の粒子として、独立して、分散している状態」のまま焼成し、燒結させることも、焼成後の個々の形をより複雑なものとすることを可能とし、好適である。
さらには、噴霧熱分解法、ゾルーゲル法、及び、フラックスフィーダー法などを用いることもできるが、これらの方法は、特に、「焼成前の『応力発光材料』用組成物」から、直接的に、「超微粒子」状の「応力発光材料PP3」を製造することができ、また、その「粒子径(分布)」の制御性に優れ、好適である。
もちろん、微粒子の「形を」、所望の「形」とするため、その所望の「形」をその内部の形として持つ「成形型(金属製、もしくは、セラミックス製)」に、上記した「焼成前の『応力発光材料』用組成物」を充填して(もしくは、その成形型で成形と同時に充填して。)、焼成後、その成形型から取り出す製法も採用することができる。
この「微粒子」、または、「超微粒子」の「形」が不規則であればある程、さらには、「微粒子」、または、「超微粒子」の表面が粗面であればある程、「微粒子」、または、「超微粒子」の表面においても、同様に定義できる「応力集中係数α>2」となる「箇所」を広範囲に有することを可能とし、さらには、その「微粒子」、または、「超微粒子」の表面における「応力集中係数α」が非常に大きい(α≧500)形状を持つことをも可能とする。
このような「微粒子」、または、「超微粒子」は、そもそも、「応力発光材料」用組成物を、所定の条件にて焼成して、「平板状」や「塊状」などとした「応力発光材料」を、所定の粉砕手段や分級手段等を用いて「微粒子化」、または、「超微粒子化」したものである。
もしくは、その「微粒子化」したもの、すなわち、「微粒子化した粉体」を、一旦、適宜な「透明な樹脂」(特には、その『樹脂』の体積弾性率が、その『微粒子化粉体』の体積弾性率より大きいものとすると、その樹脂に負荷された『変形』がそのまま『微粒子化粉体』に伝わるため、好適。その『透明な樹脂』と、その『応力発光材料』の組成比は、10/1〜1/10である。体積弾性率と、他の指標である、ヤング率、ポアソン比、剛性率、ラメの第一定数には、所定の相関関係がある。)に分散してペレット状などとしたものを、再び、粉砕、及び、分級して「微粒子化」したものである。(ここで、得られた『微粒子化した粉体』と『透明な樹脂』で構成されるものが、本発明の『微粒子状の応力発光材料PP3』である。)
さらに、それらの処理中、微粒子間の衝突を抑制して処理すると(粉砕後の微粒子を互いに衝突させると、徐々に微粒子の表面が滑らかな面となってしまうため。)、それらの「微粒子」の「形」そのものが、複雑な「形」を成し、さらに、その「微粒子」の表面も、非常にランダムな凹凸形状(凹凸の周期や深さが、小さいものでは、ナノサイズの非常に微細なものから、大きいものでは、数ミクロンメートルサイズのものまで、そして、その分布幅までも、ランダムに存在するという意味。)を維持するようにすることができる。
そして、「微粒子状の応力発光材料」を、さらに、所定の粉砕手段や分級手段等を用いて「超微粒子化」し、「超微粒子状の応力発光材料PP3」とする際に、「微粒子状の応力発光材料」を上記したように、一旦、「透明な樹脂」に分散し、改めて、「『微粒子状の応力発光材料』を含んだ『透明な樹脂』」を、所定の粉砕手段や分級手段等を用いて「超微粒子化」してもよい(このときの『超微粒子状の応力発光材料PP3』は、その『透明な樹脂』に覆われていることとなる)。
「微粒子」状の「応力発光材料PP3」、または、「超微粒子」状の「応力発光材料PP3」の、いずれにしても、「応力発光材料PP3」が、「透明な樹脂」に覆われているばあには、「応力発光材料の屈折率」、「透明な樹脂の屈折率」、「紙パルプ繊維PP1の屈折率」の差は、0.03以下、特には、0.01以下とすることで、これらの接点における「界面」の「透過率」を高め、その「界面」の反射率を下げることができる。
すなわち、それらの「界面」の「透過性」を高め、「反射」を抑制して、「応力発光材料PP3」の発光の視認性を向上することができる。
粉砕手段としての粉砕機には、ボールミル、ロッドミル、自生粉砕ミル、SAG(準自生粉砕)ミル、高圧粉砕ロール、縦軸インパクタ(VSI)ミルなどがある。
この中で、細粒を得るための粉砕機の代表的なものであって、少し傾いて、または水平に回転するシリンダーの中に、金属でできたボールが詰まっており、ボールとの衝突や摩擦によって粉砕が行われるボールミルにおいては、乾式ボールミルや、湿式ボールミル(いずれも、内容積100〜10000リットルで、回転速度10〜50回転/分。)が好適に用いられる。
また、ロッドミルは、粉砕媒体としてボールではなくロッド(金属製の円柱)を使用し、回転するドラム(胴体)によって、粉砕物にロッドの衝撃を与えることで粉砕するものである。特に、インパクタミルは、衝撃歯を高速回転させ、衝撃力によって原料を粉砕する微粉砕機であり、直径100〜1000mmの回転盤を500〜10000回転/分で高速回転させるものであって、微粒子、または、超微粒子の形状そのものが複雑な形となり、また、微粒子や、超微粒子の表面も粗い凹凸形状となり易く、好適である。
また、一旦、「応力発光材料」を、「微粒子化」、さらには、「超微粒子化(平均粒径が、0.005〜0.5μm、特には、0.05〜0.5μmであるものを『超微粒子』と称する。これより大きいものが『微粒子』である。)」したものを、造粒機等の「造粒」手段を用いて、「『超微粒子』間の結合が強固な2次凝集物」とすることで、さらに「不定形」で「複雑な形状」を有する「微粒子」状の「応力発光材料PP3」を得ることが出来る。
このような造粒機とは、「粉体」や「微細粒子」を固めて、「粒状」にする装置のことであって、「粒状」のペレットをつくれることから、ペレタイザとも呼ばれる。
そして、この「造粒」の方式には、自立造粒の旋回式(ローター式)、混練式、攪拌式、転動式、流動層式や、強制造粒の圧縮式(ロールプレス式)、二軸押出し式、湿式押出し式、およびこれらを組合せた方式などがあり、混合、分散、及び造粒を連続して行う機種もある。
そのような粉砕手段で「微粒子化」、または、「超微粒子化」した「応力発光材料PP3」(『応力発光材料』で100%組成されているもの、複数の応力発光材料から成る『応力発光材料の複合体』、及び、『応力発光材料と透明な樹脂』で組成されたものを含む。)を、分級手段を用いて、選別し、または、造粒手段を用いて造粒した後、さらに、分級手段を用いて選別し、最大直径で、1.0μm〜20μm、好適には、1.0μm〜10μmの「微粒子PP3」とし、及び、平均直径D50で、0.5μm〜15μm、好適には、0.5μm〜5μmの「微粒子状の応力発光材料PP3」とする。
このときの「粒径」及び「粒子形状」は、レーザー回折式粒度分布測定装置など、種々の粒度分布測定法に基づく装置を使用して決定する。
このような粒度分布測定法には、細く絞ったX線ビームを用いて、分散媒中の粒子濃度を直接測定するX線透過式沈降法、粒子が細孔(アパチャー)の検知領域を通過する際に生じる、2つの電極間の電気抵抗の変化を測定する電気的検知帯法、粒子を、所定の分散媒に均一に分散し、フローセルを通過させるもので、光源からフローセルに光をあて、粒子がセル内を通過した時の投影像を、高感度CCDカメラで撮影して、その粒子像をデジタル変換し、解析用プログラム処理によって、粒子の円相当径、形状情報などを求める画像解析法(数十種類の形状パラメータ、及び、円形モデル、繊維モデル、長方形モデル、多角形モデル、楕円モデル、不規則モデルなどの画像解析モデルを用いる。)、粒子懸濁液の中で「ブラウン運動」をしている粒子に、レーザー光をし照射し、その運動をしている粒子による散乱光から、粒子径を測定する動的光散乱法、粒子にレーザー光を照射することによる光の回析/散乱現象を利用するもので、その回折/散乱光の強度パターンが、粒子の大きさに依存しており、回析/散乱光の角度により異なる強度パターン(強度分布)が観測されて、フランホーファ回折理論や、ミー散乱理論を用いて、粒子径分布を求めるレーザー回折散乱法、粉体の充填層に空気を流す時、粉体粒子が細かいほど流れにくくなり、また、粉体の粒子径と流体の透過性との間の相関関係から粉体の比表面積を求める空気透過法などを用いることができる。
そして、本発明の「フォーム用紙A1」に用いられる、「微粒子状、または、超微粒子状の応力発光材料PP3」の「形」とは、本発明の「フォーム用紙A1」に含まれる「多数ある微粒子状、または、超微粒子状の応力発光材料PP3の平均的な形」を意味し、いわゆる光学式微粒子形状測定装置等で決定可能な「形」とする。もちろん、この「サンプリング測定」の条件を、具体的に、例えば、本発明の「フォーム用紙A1」の任意の縦10mm×横10mmの領域を切り出して、適宜な溶剤等を用いて、含まれる「微粒子状、または、超微粒子状の応力発光材料PP3」を全て抽出して、上記の測定を行うこととすることもできる。
このようにして得られた本発明の「粒子状」の「応力発光材料PP3」を、上述した「紙パルプ繊維PP1」を作製する「製紙工程」(図7参照。)の中の「パルプの精選&脱水工程」において、さらには、その脱水工程前の状態である、いわば「パルプ懸濁液」の段階において、その「パルプ懸濁液」に所定の割合で「混合」し、図7における、残りの「製紙工程」である、「原料調整工程2:サイジング剤等薬品添加」、「抄紙工程1:ワイヤリング&搾水」、「抄紙工程2:乾燥&プレス処理」、及び「加工&仕上げ工程」を経て、本発明の「フォーム用紙A1」を得る。(図5、及び、図7参照。図5では、サイジング剤を表示していない。)
このときの、「紙パルプ繊維PP1」に対する「応力発光材料PP3」の割合は、「紙パルプ繊維PP1」100%に対して、0.5〜30%、特には、1〜10%とし、具体的な割合は、本発明の「フォーム用紙A1」の品質仕様、及び、使用目的により設定する。
この「応力発光材料PP3」の割合が、0.5%未満では、「フォーム用紙A1」に所定の外部負荷を与えた程度では、視認できるほどの十分な発光が得られず、30%を超えると、「フォーム用紙A1」の剛性が強くなり過ぎたり、「フォーム用紙A1」の比重が大きくなり過ぎ、品質仕様を達成することが困難となる。
ここで、「抄紙工程1:ワイヤリング&搾水」とは、いわゆる「ワイヤーパート」であって、PET(ポリエチレンテレフタレート)繊維、または、青銅繊維などで織られた網(ワイヤー)で、連続して回転できるような帯状としたものの上に、上記した「パルプ懸濁液」を幅方向に均質で、適切な濃度、速度、及び、角度で供給することで、所定の厚さの塗膜とした後、ワイヤー上で搾水して(脱水するという意味。ある程度、脱水が進んだ部分では、装備されているサクションボックス〈真空ポンプにより水を吸引する装置〉によって、脱水が促進される。)、「フォーム用紙A1」用の「湿紙(未だ、水分を含んでいる状態という意味。)」が形成される。
また、「抄紙工程2:乾燥&プレス処理」とは、いわゆる、「プレスパート」であって、
ワイヤーからはがされた「湿紙」がフェルトに移され、圧力をかけてさらに水分を絞るプレス装置に入って、数本のロールからなるロールプレス処理が施されることとなる。ここで、「湿紙」に適宜なプレスを行うことにより、「フォーム用紙A1」の密度を調整することができる。
次いで、水分の蒸発によって湿紙を乾燥させる、いわゆる「ドライヤーパート」に入り、スチームによって加熱する多数のシリンダドラムに次々と転移させながら、巻き付けて、乾燥させる。
最後に、「加工&仕上げ工程」とは、いわゆる「フォーム用紙A1の加工工程(上述した、『後処理』とは異なる、加工工程。)」に属し、その用途に基づき、サイズプレス処理、艶出し等の塗工処理や、カレンダー処理などの工程に入る。塗工処理やカレンダー処理は、オフマシン(一旦、巻き取ってから、別の専用装置にかけるという意味。)で行ってもよい。
本発明の「フォーム用紙A1」は、手漉き方法でも、作製できるが、品質仕様を満足させつつ、大量に生産するためには、以上の「製紙工程」を達成することが可能な抄紙機、例えば、長網方式、ツインワイヤー方式、ギャップフォーマー方式、丸網方式、ヤンキー方式など各方式の抄紙機を用いる。さらに、マシンカレンダー処理機を追加することもできる。
(実施例1)
実施例1において、本発明の「圧着シート」の代表例である「圧着はがきシート1」を作成する。(図1〜図3参照。)
まず、針葉樹材(ニドマツと、トドマツの混合材)チップを、リファイナーによって解繊し、濾水度600ml(叩解度。カナディアン・スタンダードによる。)の未漂白機械パルプの懸濁液(1)を得た。この懸濁液1を、酢酸緩衝液でpH4,0に調整し、またパルプ濃度を3%に調整した後、シングルディスクリファイナ−(叩解機)で、濾水度が300mlになるまで叩解し、「紙パルプ繊維PP1」を含む、懸濁液(2)とした。
このときの「紙パルプ繊維PP1」は、平均「太さ」が30μm、平均「長さ」が3.0mmであった。
これとは別に、母体材料であるSr3Al26に、発光中心となるEuを1%、ホウ酸を1%添加し、「所定の焼成用型(1)」に入れて、水素添加アルゴン還元雰囲気中で、1300℃で、4時間焼成して、一旦、厚さ100μmのごく薄い板状としたものを、細かく粉砕して、最大直径が1.0〜50μmで、平均粒径が30μmの「粒子状」とした「応力発光材料」を得た。(図示していない。この中から、『粒子』をサンプリングし、その外形を、レーザー回折式粒度分布測定装置で測定したところ、『粒子状』の応力発光材料の表面は、凹凸形状となっており、この凹部が応力集中部分となる『所定の部位』になると推定された。)
ここで、「焼成用型」を「所定の焼成用型(1)」としたのは、その「焼成用型」の内側の形状(型形状)に合わせて「材料」を100%充填しても、上記の焼成によって、「材料」が収縮し、その「焼成用型」の内側の形状(型の形状)より、かなり小さい形状となるため、この収縮も見込んで「焼成用型」の内側の形状(型形状)を定めたことを意味している。
そして、上記の懸濁液(2)の「紙パルプ繊維PP1」100部に対して、この「応力発光材料」60部を混入させ、懸濁液(3)とした。
さらに、この懸濁液(3)に、適宜なサイジング剤を1部添加して、角型手抄きシートマシンにて、坪量60g/m2となるように「湿紙」を作成し(乾燥処理を見越して「所定の厚さ」とすることを意味する。)、ドラム式乾燥器にて、120℃×2分乾燥し、20℃50%条件で、24時間調湿した後、はがきサイズ3面分の大きさに断裁して、坪量60g/m2である、本発明の実施例1の「圧着はがきシート1」に用いる「基材シート10」を得た。(図1、図2、及び、図7参照。図7の「製紙工程」の一部のみを採用している。)
さらに、下記組成の「感圧接着剤層31/32用インキ組成物」を用いて、フレキソ印刷方式により、シート基材10のそれぞれの面のそれぞれの位置に、7g/m2の厚さで、「剥離可能再貼付不能な接着剤層」である感圧接着剤層31、及び、感圧接着剤層32を設け、さらに、往信情報22、マーク図柄14の図柄文字印刷、及び、インクジェット方式による宛先情報21の印字を施し、さらに、折畳み予定部11及び12と、引き剥がし予定部13を施して、本発明の実施例1の「圧着シート」、すなわち、実施例1の「圧着はがきシート1」を得た。(図1、及び、図2参照。)
<感圧接着剤層31/32用インキ組成物>
・粘着主剤:スチレンブタジエンゴム 100部
・粘着力調整剤:微粒状物質(合成ゼオライト。平均粒径:5μm) 10部
・添加物1:ポリエチレンワックス 3部
・添加物2:消泡剤(非イオン系界面活性剤) 微量
・エマルジョン化成分1:水 300部
・エマルジョン化成分2:乳化剤(オレイン酸石鹸) 0.5部
・エマルジョン化成分3:低密度ポリエチレン樹脂 10部
この実施例1の「圧着はがきシート1」を、図3のごとく、折畳み予定部11、及び、折畳み予定部12にて、所定の方向に折畳み(三つ折り。)、圧着ロール間に、1kg/cm線圧を掛け、2m/分の速度で通して、圧着し、坪量が、210g/m2の「圧着はがき」とした。(図3参照。このときの感圧接着剤層31どおし、及び、感圧接着剤層32どおしの180度剥離強度は、測定速度500mm/分で、いずれも、40g/50mmであった。)
このように作製した「はがき」の全重量は、郵便法及び郵便規則の規格内であり「郵便はがき」として使用できることが確認された。
この実施例1の「圧着はがきシート1」による「圧着はがき」を、「底のサイズが、縦30mm×横100mmのかまぼこ型」であって、その曲率半径が60mmの「治具(最表面を鏡面仕上げしたステンレス製。)」の、その曲面上に、「外力負荷」、すなわち、「シート基材10に対する所定の外力負荷」として、手の指で押し当てたところ、「圧着はがき」、すなわち、「圧着はがきシート1(圧着シート)」、さらには、「シート基材10」が変形し、特に、治具の突出部分(頂点)付近に対応する部分が「緑色」に発光し、目視にて視認することができ、この「圧着はがき」、すなわち、「圧着はがきシート1(圧着シート)」の、その高い意匠性と、高度な真正性判定性を確認できた。(評価状況は図示せず。)
このことは、「シート基材10」に対する所定の外力負荷(手の指による押し当て。)によって、「紙パルプ繊維PP1」が「シート基材10」内で変形を生じ、且つ、「応力発光材料」の「所定の部位」に、「紙パルプ繊維PP1」のその変形に対応した変形応力が発生するとともに、その「所定の部位」からその変形応力に応じた強度を有する所定波長の光(「緑色の光」)が発光して、その所定波長の光が視認可能となったものと考えられた。
さらに、「圧着はがき」を引き剥がし予定部13から引き剥がし、開封して、往信情報22及び、マーク図柄14を確認後、再び、上記の「治具」にて、同様の評価をしたところ、同様の発光を視認でき、このような本発明の実施例1の「圧着シート」である「圧着はがきシート1」による「圧着はがき」の開封率が向上するものと思われた。(評価状況は図示せず。)
(実施例2)
実施例1において、母体材料であるSr3Al26に、発光中心となるEuを1%、ホウ酸を1%添加し、「所定の焼成用型(2)」に入れて、水素添加アルゴン還元雰囲気中で、1300℃で、4時間焼成して、一旦、厚さ100μmのごく薄い板状としたものを、細かく粉砕して、「断面」の平均直径50μm程度、平均「長さ」が1.0mmの形状の「応力発光材料PP2(『針状の形状』を有する。)」を得た後、実施例1の「紙パルプ繊維PP1」を含む懸濁液(2)を手漉きにて、「湿紙(1)」とし、この上に、上記の「応力発光材料PP2」を「懸濁液」状としたものを用いて、「湿紙(2)」として重ね、この操作を、3回繰り返して、多層の「湿紙」としたこと以外は、実施例1と同様にして、本発明の実施例2の「シート基材A」、そして、本発明の実施例2の「圧着シート」、すなわち、実施例2の「圧着はがきシート1」を得た。(図1、図2、及び、図4参照。図4において、多層とした状態、及び、サイジング剤は示していない。また、『紙パルプ繊維PP1』と『応力発光材料PP2』とが『交差』している部分である『応力集中部分PS1(所定の部位)』を示している。)
この実施例2の「圧着はがきシート1」による「圧着はがき」を、実施例1と同様に評価したところ、実施例1より発光が強く視認されたこと以外は、実施例1と同様の良好な結果を得た。(評価状況は図示せず。)
また、このことは、「紙パルプ繊維PP1」と「応力発光材料PP2」が互いに交差した状態で含まれている効果であると考えられ、実際に、実施例2の「シート基材A」の断面を、実施例1のものと、顕微鏡観察にて、比較したところ、「交差した状態」が多く観察された。(同上。)
(実施例3)
実施例2において、「所定の焼成用型(3)」を用いて、「応力発光材料PP2」の形状を、平均厚さ20μm、平均横幅30μm(厚さ/横幅比=1/3。)、平均「長さ」が1.0mmの「帯状の形状の応力発光材料PP2」としたこと以外は、実施例2と同様にして、本発明の実施例3の「シート基材A」、そして、本発明の実施例3の「圧着シート」、すなわち、実施例3の「圧着はがきシート1」を得た。(図1、図2、及び、図4参照。図4において、多層とした状態、及び、サイジング剤は、示していない。図4において、『応力発光材料PP2』としての『針状の形状』が『帯状の形状』となる。また、『紙パルプ繊維PP1』と『応力発光材料PP2』とが『交差』している部分である『応力集中部分PS1(所定の部位)』を示している。)
この実施例3の「圧着はがきシート1」による「圧着はがき」を、実施例2と同様に評価したところ、実施例2より発光が強く視認されたこと以外は、実施例2と同様の良好な結果を得た。(評価状況は図示せず。)
また、このことは、「紙パルプ繊維PP1」と「応力発光材料PP2」が互いに交差した状態で含まれている効果であると考えられ、実際に、実施例2の「シート基材A」の断面を、実施例1のものと、顕微鏡観察にて、比較したところ、「交差した状態」が多く観察された。(同上。)
(実施例4)
実施例3において、「所定の焼成用型(4)」を用いて、「帯状の応力発光材料PP2」のほぼ中央部位に、「帯」の幅を1/2とする切り込みを、「帯」の両側に入れたこと以外は、実施例3と同様にして、本発明の実施例4の「シート基材A」、そして、本発明の実施例4の「圧着シート」、すなわち、実施例4の「圧着はがきシート1」を得た。(図1、図2、及び、図4参照。図4において、多層とした状態、及び、サイジング剤は、示していない。図4において、『応力発光材料PP2』としての『針状の形状』が『帯状の形状』となり、且つ、『帯の中央部分が両側から切り込みが入って細くなっている状態』となるが、その『帯状の形状』、及び、その『切り込み』も図示していない。また、『紙パルプ繊維PP1』と『応力発光材料PP2』とが『交差』している部分である『応力集中部分PS1』を示している。このときの、『応力発光材料PP2』の『帯』の切り込み部位は、応力集中係数αが2以上であることは明らかであり、『応力発光材料PP2』は、応力集中係数αが2以上となる部位を有する形状であった。)
この実施例4の「圧着はがきシート1」による「圧着はがき」を、実施例3と同様に評価したところ、実施例3より、発光がさらに強く視認されたこと以外は、実施例3と同様の良好な結果を得た。(評価状況は図示せず。)
(実施例5)
実施例1において、焼成用の「型」の「空洞の形(その『型』の内側の『空間』の形)」を、縦30mm×横100mm×厚さ5.0mmの「形」とした、ステンレスを内貼りした金属製の「焼成用型(5)」を準備した。
次いで、母体材料であるSr3Al26に、発光中心となるEuを1%、ホウ酸を1%添加し、その縦30mm×横100mm×厚さ5.0mmの直方体の「空洞」を持つ「焼成用型(1)」に入れて、水素添加アルゴン還元雰囲気中で、900℃まで徐々に昇温して、仮焼成した後、引き続き、水素添加アルゴン還元雰囲気中で、1300℃で、4時間焼成し、自然冷却させて、その「焼成用型(5)」から取り出して、縦30mm×横100mm×厚さ5.0mmの直方体の「形」を持つ、「平板状の応力発光材料シート(H1)」とし、この操作を繰り返して、同様の形の「平板状の応力発光材料シート(H1)」100枚を得た。(ここで、『焼成用型』の内側の形、すなわち、『型』の内側の空間の形に合わせて『応力発光材料』を100%充填しても、上記の『焼成』によって、『応力発光材料』が収縮し、『応力発光材料』の『形状』は、その『焼成用型』の内側の形より、かなり小さい『形状』として仕上がることとなるが、本説明においては、この詳細を省略した。もちろん、この『収縮』をも見込んで『焼成用型』の内側の形を定めて用いても良い。)
この100枚の「平板状の応力発光材料シート(H1)」を、内容積200リットルで、回転速度50回転/分、金属ボールミル(乾式ボールミル。)を用いて、60分の粉砕を3回繰り返し、「粒子化」した。
この「粒子」を、レーザー回折法で「粒径」(粒子直径)を管理しつつ、空気分級式で、1000回転/分のステンレス製分級ロータを装備した分級機にて分級し、粒径分布幅(粒子の最大直径分布幅)1.0〜30μm、平均粒径(粒子の平均直径)D50=15μmの「粒子状の応力発光材料PP3」を得た。(図5参照。図5においては、『粒子状の応力発光材料PP3』を『模式的』に大きく、且つ、表面の凹凸形状を誇張して示している。)
この「粒子状の応力発光材料PP3」の中から、任意サンプリングにて100個の「粒子状の応力発光材料PP3」の「形状(表面の凹凸形状を含む外形。)」を測定し、その「形状」の「3次元画像データ」を、「構造解析ソフト(応力分布解析ソフト)」にかけ、いずれの「粒子状の応力発光材料PP3」も、その「粒子状の応力発光材料PP3」を曲げる「変形応力」の負荷に対して、応力集中係数αは、ほぼ5以上であり、ほぼ全ての「粒子状の応力発光材料PP3」が、「応力集中係数αが2.0以上である部位を有する形状(この場合の応力集中部分S1は、『粒子状の応力発光材料PP3』の表面の凹凸形状の凹部の底の位置であった。)」を持つであろうことを確認した。(確認状況は図示せず。)
そして、実施例1の懸濁液(2)の「紙パルプ繊維PP1」100部に対して、この「応力発光材料PP3」20部を混入させ、実施例5の懸濁液(3)とした。
このこと以外は、実施例1と同様にして、本発明の実施例5の「フォーム用紙A1」、そして、本発明の実施例5の「圧着シート」、すなわち、実施例5の「圧着はがきシート1」を得た。(図1、図2、図5、及び、図7参照。図5においては、サイジング剤を表示していない。図7の「製紙工程」の一部のみを採用している。)
この実施例5の「フォーム用紙A1」の「品質仕様(品質特性)」は、厚さ84μmで、且つ、坪量64g/m2、平滑度(表)25、平滑度(裏)14、クラークこわさ(縦)70cm3/100、クラークこわさ(横)35cm3/100、引っ張り強度(縦)4.5、引っ張り強度(横)2.5、引き裂き強度(縦)220、引き裂き強度(横)240、ISO白色度85%であった。
この実施例5の「圧着はがきシート1」による「圧着はがき」を、実施例1と同様に評価したところ、実施例1より、フレキソ印刷適性、インクジェット印字適性、及び、折畳み予定部11等の加工適性に優れていると思われたこと以外は、実施例1と同様の良好な結果を得た。(評価状況は図示せず。)
(実施例6)
実施例5において、母体材料であるSr3Al26に、発光中心となるEuを1%、ホウ酸を1%添加し、その縦30mm×横100mm×厚さ0.1mmの直方体の「空洞」を持つ「焼成用型(6)」に入れて、水素添加アルゴン還元雰囲気中で、900℃まで徐々に昇温して、仮焼成した後、引き続き、水素添加アルゴン還元雰囲気中で、1300℃で、4時間焼成し、自然冷却させて、その「焼成用型(6)」から取り出して、縦30mm×横100mm×厚さ0.1mmの直方体の「形」を持つ、「平板状の応力発光材料シート(H2)」とし、 この100枚の「平板状の応力発光材料シート(H2)」を、内容積100リットルで、回転速度50回転/分、金属ボールミル(乾式ボールミル。)を用いて、60分の粉砕を5回繰り返して(繰り返す毎に、金属ボールミルの直径を徐々に小さくした。)、平均直径10μmの形状の「微粒子状」とし、直径15μmより大きい粒子を除去する分級装置を3回通して、最大直径が15μmで、且つ、平均直径D50が12μmである「微粒子形状」の、実施例6の「応力発光材料PP3」を得たこと、及び、「実施例1の懸濁液(2)」の「紙パルプ繊維PP1」100部に対して、この「応力発光材料PP3」10部を混入させ、「実施例6の懸濁液(3)」としたこと以外は、実施例5と同様にして、本発明の実施例6の「フォーム用紙A1」、そして、本発明の実施例6の「圧着シート」、すなわち、実施例6の「圧着はがきシート1」を得た。(図1、図2、図5、及び、図7参照。図5においては、サイジング剤を表示していない。図7の「製紙工程」の一部のみを採用している。)
この実施例6の「フォーム用紙A1」の「品質仕様(品質特性)」は、坪量64g/m2、厚さ84μmで、平滑度(表)27、平滑度(裏)16、クラークこわさ(縦)65cm3/100、クラークこわさ(横)33cm3/100、引っ張り強度(縦)4.2、引っ張り強度(横)2.2、引き裂き強度(縦)200、引き裂き強度(横)225、ISO白色度83%であり、品質仕様(品質特性)を、「応力発光材料PP3」を含まない「フォーム用紙」(比較例1参照。)の品質仕様(品質特性)に調整し易くなっていた。(比較例1の『フォーム用紙』の『品質特性』に合致させ易くなっているという意味。図5及び図7参照。図5においては、サイジング剤を表示していない。図7の「製紙工程」の一部のみを採用している。)
この実施例6の「圧着はがきシート1」による「圧着はがき」を、実施例1と同様に評価したところ、実施例1より、フレキソ印刷印刷適性、インクジェット印字適性、及び、折畳み予定部11等の加工適性に優れていると思われたこと、及び、実施例5と比較しても、「応力発光材料PP3」の添加量を、実施例5の「1/2」(20%→10%)と少なくしたにもかかわらず、実施例5とほぼ同様の発光強度を示し、いわゆる「発光効率」が上昇したと思われたこと以外は、実施例1、及び、実施例5と同様の良好な結果を得た。
(実施例7)
サイジング剤として、粒径1〜10μmのサイズで、実施例2の「応力発光材料PP2」の色調との色差が、0.4である「色調」を持つ、「カオリン(白土)」を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、本発明の実施例7の「シート基材A」、そして、本発明の実施例7の「圧着シート」、すなわち、実施例7の「圧着はがきシート1」を得た。(図1、図2、及び、図4参照。図4において、多層とした状態、及び、サイジング剤は示していない。また、『紙パルプ繊維PP1』と『応力発光材料PP2』とが『交差』している部分である『応力集中部分PS1(所定の部位)』を示している。)
この実施例7の「圧着はがきシート1」及び、これを圧着した「圧着はがき」の外観を観察したところ、単なる「白い紙で構成されている。」と認識できるのみであって、この「紙」の中に、「応力発光材料PP2」が混入しているとは想像できなかったこと以外は、実施例2と同様の良好な結果を得た。(評価状況は図示せず。)
(比較例1)
実施例1において、「応力発光材料」を含めず、「圧着はがきシート」、及び、それを圧着した「圧着はがき」とし、比較例1とした。
この比較例1を、実施例1と同様に評価したところ、何らの発光も生じず、この「圧着はがきシート」、及び、「圧着はがき」が、意匠性に乏しく、何らの開封率向上効果もなく、さらには、「真正なもの」でないと判断できた。
1 圧着はがきシート
10、A シート基材
11、12 折畳み予定部
13 引き剥がし予定部
14 マーク図柄
21 宛先情報
22 往信情報
31、32 感圧接着剤層
A1、A2 フォーム用紙
PP1 紙パルプ繊維
PP2、PP3 応力発光材料
PS1 応力集中部分
M1 横ミシン
M2 縦ミシン
HL 送り孔
SL スリット端面

Claims (3)

  1. 少なくとも、シート基材と剥離可能再貼付不能な接着剤層からなる圧着シートであって、
    前記シート基材は、少なくとも紙パルプ繊維、及び、応力発光材料を含み、
    前記シート基材に対する所定の外力負荷によって、前記紙パルプ繊維が前記シート基材内で変形を生じ、且つ、
    前記応力発光材料の所定の部位に、前記紙パルプ繊維の前記変形に対応した変形応力が発生するとともに、前記所定の部位から前記変形応力に応じた発光強度を有する所定波長の光が発光して、前記所定波長の光が視認可能であり、
    前記応力発光材料は、前記紙パルプ繊維の1/10〜1/2の長さを持つ、針状、または、帯状の形状を有し、且つ、前記紙パルプ繊維と前記応力発光材料が互いに交差した状態で含まれていることを特徴とする圧着シート
  2. 請求項1に記載の前記圧着シートにおいて、前記応力発光材料の前記形状は、前記圧着シートに対する請求項1に記載の前記所定の外力負荷に対して、応力集中係数αが2以上となる部位を有する形状であることを特徴とする圧着シート。
  3. シート基材は、フォーム用紙であって、
    前記フォーム用紙は、少なくとも紙パルプ繊維、及び、応力発光材料を含み、
    前記フォーム用紙に対する所定の外力負荷によって、前記紙パルプ繊維が前記フォーム用紙内で変形を生じ、且つ、
    前記応力発光材料の所定の部位に、前記紙パルプ繊維の前記変形に対応した変形応力が発生するとともに、前記所定の部位から前記変形応力に応じた発光強度を有する所定波長の光が発光して、前記所定波長の光が視認可能であり、
    前記応力発光材料は、前記紙パルプ繊維の1/10〜1/2の長さを持つ、針状、または、帯状の形状を有し、且つ、前記紙パルプ繊維と前記応力発光材料が互いに交差した状態で含まれていることを特徴とするシート基材

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