JP2016102773A - 超音波センサー及びそれを用いた測定方法並びに超音波センサーの製造方法 - Google Patents

超音波センサー及びそれを用いた測定方法並びに超音波センサーの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】超音波の伝播効率を向上させることができる超音波センサーを提供する。
【解決手段】開口部Wが形成された基板10と、開口部Wを塞ぐように基板10上に設けられた振動板50と、振動板50の前記開口部とは反対側の面上に積層され、第1電極60、圧電体層70及び第2電極80を含む圧電素子300と、を具備する超音波センサー1であって、振動板50の開口部Wとは反対側の面上の、前記圧電素子の周囲の空間に、測定対象物側に発信される発信超音波とは異なる方向に発信される他の超音波が圧電素子300との界面で反射され、該発信超音波に重畳するような厚みを有する反射層71を具備することを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、超音波センサー及びそれを用いた測定方法並びに超音波センサーの製造方法に関する。
従来、測定対象物に関する各種情報を取得するための検出器の一つとして超音波センサーが知られている。超音波センサーは、超音波を発信した時点から、その発信した超音波が測定対象物に反射されて戻ってくるエコー信号を受信する時点までの時間に基づいて、測定対象物の位置、形状及び速度等に関する情報を得るものである。
この種の超音波センサーとしては、例えば、振動板及び圧電体を有する超音波センサーユニットから発信された超音波と、検出対象により反射され超音波センサーユニットにより受信される超音波と、に基づいて、検出対象(測定対象物)の位置、形状及び速度を算出する制御演算部を備え、上記の圧電体の周囲を反射室により覆ったものが知られている(特許文献1参照)。また、この種の超音波センサーとしては、例えば、開口部が形成された支持体と、開口部を閉塞するように設けられた支持膜と、支持膜の支持体とは反対側に設けられた圧電体(圧電素子)と、圧電素子の周りに設けられた枠体と、を具備する超音波センサーに、圧電素子を封止する封止膜を更に設け、この封止膜によって封止される空間(圧電素子を含む空間)に圧力媒体としてのシリコーンオイルを充填し、圧力センサーとして適用したものが知られている(特許文献2参照)。
特開2010−164331号公報 特開2012−215533号公報(図3(B)等)
しかしながら、特許文献1の超音波センサーでは、測定対象物側に発信される超音波とは異なる方向に発信される他の超音波が発生することがあった。そのため、発生する全超音波に対して、測定対象物側へ発信される超音波の割合が低くなる場合があった。測定対象物側へ発信される超音波の伝播効率が十分でないと、測定対象物に関する各種情報を精度よく取得できない可能性が生じる。また、特許文献2では、圧電素子を含む空間にシリコーンオイルを充填しているため、圧電素子の駆動時にシリコーンオイルを介したリーク電流が生じる場合があった。この場合、測定対象物を分離して識別できる能力(距離分解能)をはじめとする検出精度の向上を図ることが困難となる可能性が生じる。
尚、このような問題は、特許文献1の超音波センサーだけではなく、例えば振動板及び圧電体を有し、測定対象物側に発信される超音波とは異なる方向に発信される他の超音波が発生する超音波センサーにおいても同様に存在する。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、超音波の伝播効率を向上させることができる超音波センサー及びそれを用いた測定方法並びに超音波センサーの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の態様は、開口部が形成された基板と、前記開口部を塞ぐように前記基板上に設けられた振動板と、前記振動板の前記開口部とは反対側の面上に積層され、第1電極、圧電体層及び第2電極を含む圧電素子と、を具備する超音波センサーであって、前記振動板の前記開口部とは反対側の面上の、前記圧電素子の周囲の空間に、測定対象物側に発信される発信超音波とは異なる方向に発信される他の超音波が前記圧電素子との界面で反射され、前記発信超音波に重畳するような厚みを有する反射層を具備することを特徴とする超音波センサーにある。
かかる態様によれば、測定対象物側に発信される発信超音波とは異なる方向(例えば反対方向)に発信される他の超音波を該発信超音波に重畳させ、その振幅を増大させることができる。よって、発信超音波の強度を大きくし、超音波の伝播効率を向上させることができる。
上記の態様において、反射層は、空気層として構成することもできる。反射層を空気層として構成すれば、圧電素子の周囲の領域に音響整合層(シリコーンオイル等)が設けられる場合と比べ、圧電素子の駆動時におけるリーク電流を著しく低減できる。これにより、測定対象物の検出に悪影響が生じることを防止でき、その結果、測定対象物を分離して識別できる能力(距離分解能)をはじめとする検出精度の向上を図ることができる。しかも、上記のようにリーク電流を著しく低減できるため、電気的安全性に優れた超音波センサーとなる。また、かかる態様によれば、振動板の圧電素子とは反対側に基板が取り付けられるため、開口部の加工が容易となる。
ここで、前記反射層及び前記圧電素子の音響インピーダンス比が3倍以上であることが好ましい。これによれば、反射層及び圧電素子の界面で上記の他の超音波を好適に反射できる。よって、超音波の伝播効率を確実に向上させることができる。
また、前記反射層が、前記圧電素子の音響インピーダンスよりも小さい音響インピーダンスを有することが好ましい。これによれば、上記の反射層の構成材料の選択性を広くできる。よって、超音波の伝播効率を向上させることができ、かつ超音波センサーの構成自由度も大きくできる。
また、前記反射層は、前記圧電素子と、前記圧電素子及び前記空間を包囲するように振動板上に形成された包囲板と、の間に形成される空気層からなることが好ましい。これによれば、反射層を容易に形成できる上、包囲板によって圧電素子を保護できる。よって、超音波の伝播効率を向上させる超音波センサーを容易に構成でき、かつ超音波センサーの構造安定性も高めることができる。更に、上記のように圧電素子の駆動時におけるリーク電流を著しく低減できるため、検出精度の向上も図ることができる。しかも、圧電素子が薄膜として構成される場合、ハンドリング性も向上させることができるので、超音波センサーの製造や取り扱いが容易となる。
また、前記反射層は、前記圧電素子と、前記圧電素子及び前記空間を包囲するように振動板上に形成された包囲板と、の間に充填される樹脂組成物層からなることが好ましい。これによれば、音響インピーダンスの異なる反射層を容易に形成できる上、包囲板によって圧電素子を保護できる。よって、超音波の伝播効率を向上させる超音波センサーを容易に構成でき、かつ超音波センサーの構造安定性も高めることができる。
また、前記反射層及び前記圧電素子の界面で反射された前記他の超音波が、前記発信超音波に対して0度より大きく120度以下の位相差を具備することが好ましい。これによれば、位相差に応じて超音波の振幅を増大させることができる。よって、超音波の伝播効率をより向上させることができる。
また、前記圧電素子の厚みが0.4〜2.0μmであることが好ましい。これによれば、上記の他の超音波が発生した時点から、反射層及び圧電素子の界面で反射され測定対象物側に伝播する時点までの差を小さくできる。よって、他の超音波を発信超音波に重畳させやすくなり、他の超音波が測定対象物側でエコー信号と干渉することもなくなる。よって、超音波の伝播効率を向上させることができる上、測定分解能も高めることができる。
また、前記振動板の厚みが0.5〜3.0μmであることが好ましい。これによれば、上記の他の超音波が発生した時点から、反射層及び圧電素子の界面で反射され測定対象物側に伝播する時点までの差を小さくできる。よって、他の超音波を発信超音波に重畳させやすくなり、他の超音波が測定対象物側でエコー信号と干渉することもなくなる。よって、超音波の伝播効率を向上させることができる上、測定分解能も高めることができる。
また、本発明の態様は、第1の面と第2の面とを有する振動板と、前記振動板の前記第1の面上に設けられ、第1電極、圧電体層及び第2電極を含む圧電素子と、前記振動板の前記第2の面に取り付けられ、前記圧電素子と対向する位置に開口部を有する基板と、前記開口部と前記振動板の前記第2の面とによって形成された空間内に設けられ、前記圧電素子の駆動によって発生する超音波を伝播させる音響整合層と、を具備し、前記圧電素子の周囲の領域は、空気層とされていることを特徴とする超音波センサーにある。
かかる態様によれば、振動板及び圧電素子の開口部に対向する領域が空気層とされているため、圧電素子の周囲の領域に音響整合層が設けられる場合と比べ、圧電素子の駆動時におけるリーク電流を著しく低減できる。これにより、測定対象物の検出に悪影響が生じることを防止でき、その結果、測定対象物を分離して識別できる能力(距離分解能)をはじめとする検出精度の向上を図ることができる。しかも、上記のようにリーク電流を著しく低減できるため、電気的安全性に優れた超音波センサーとなる。また、かかる態様によれば、振動板の圧電素子とは反対側に基板が取り付けられるため、開口部の加工が容易となる。
ここで、前記基板は、前記振動板の前記第2の面に対して平行であって前記第2の面と接合される第1の壁面と、前記開口部を区画する第2の壁面と、を有し、前記第2の壁面は、前記第1の壁面に対して垂直な垂直壁と、前記第1の壁面と第2の壁面との間に設けられ、前記第1及び第2の壁面に対して傾斜した傾斜壁と、を有し、前記傾斜壁と前記振動板の前記第2の面との成す角度は90度以上であることが好ましい。これによれば、開口部における開口面積を厚さ方向で異ならせて、振動板側の開口の面積を、他方の開口の面積よりも大きくすることができる。このため、振動板と音響整合層との接触面積が大きくなる。よって、基板によって振動板の変位が拘束される面積を低減することができ、振動板の稼働領域を大きくすることができる。振動板と音響整合層との接触面積が大きくなり、振動板の稼働領域が大きくなることによって、音響整合層内に残留振動が仮に発生したとしても、かかる残留振動を振動板によって好適に吸収できるようになる。つまり、音響整合層が所謂ダンパーとしての機能を発揮するようになり、音響整合層における残留振動を低減できるようになる。その結果、距離分解能をはじめとする検出精度の向上をより図ることができる。特に、1つの圧電素子と1つの開口部と有する最小単位の構成からなる超音波センサーのユニットを、2個以上並べて超音波センサーを構成した場合、隣接するユニットの開口部の間に基板によって隔壁が形成される。このように、隣接する開口部間に隔壁が存在することによって、音響整合層を伝搬する残留振動を遮断することができ、隣接する素子の振動減衰を抑制できる。その結果、距離分解能をはじめとする検出精度のさらなる向上を図ることができる。
また、前記圧電素子への駆動信号の送受信を行う回路を具備し、前記回路は、前記圧電素子を共振モードで共振させる該駆動信号の送受信を行うことが好ましい。これによれば、共振を利用して、圧電素子及び振動板を大きく変位させて強度の大きい超音波を発信することができ、また測定対象物からの反射超音波に応じて圧電素子及び振動板を大きく変位させ、強度の大きい電気信号を得ることができる。このように、強度の大きい電気信号を用いた検出が可能となるため、距離分解能をはじめとする検出精度の向上を更に図ることができる。
上記課題を解決する本発明の他の態様は、開口部が形成された基板と、前記開口部を塞ぐように前記基板上に設けられた振動板と、前記振動板上に積層され、第1電極、圧電体層及び第2電極を含む圧電素子と、を具備する超音波センサーを用いた測定方法であって、前記振動板の前記開口部とは反対側の面上の、前記圧電素子の周囲の空間に設けられた反射層により、測定対象物側に発信される発信超音波とは異なる方向に発信される他の超音波を反射させ、前記発信超音波に重畳させる工程を有することを特徴とする超音波センサーを用いた測定方法にある。
かかる態様によれば、測定対象物側に発信される発信超音波とは異なる方向(例えば反対方向)に発信される他の超音波を該発信超音波に重畳させ、その振幅を増大させることができる。よって、発信超音波の強度を大きくし、超音波の伝播効率を向上させることができる。
上記課題を解決する本発明の更に他の態様は、基板を準備し、前記基板上に、第1の面と第2の面とを有する振動板を形成し、前記振動板の前記第1の面上に、第1電極、圧電体層及び第2電極を含む圧電素子を形成し、前記基板の前記圧電素子と対向する位置に開口部を形成し、前記開口部と前記振動板の前記第2の面とによって形成された空間内に、前記圧電素子の駆動によって発生する超音波を伝播させる音響整合層を設け、前記圧電素子の周囲の領域を、空気層とすることを特徴とする超音波センサーの製造方法にある。
かかる態様によれば、振動板及び圧電素子の開口部に対向する領域を空気層として製造するため、圧電素子の周囲の領域に音響整合層が設けられる場合と比べ、圧電素子の駆動時におけるリーク電流を著しく低減できる超音波センサーとなる。これにより、測定対象物の検出に悪影響が生じることを防止でき、その結果、測定対象物を分離して識別できる能力(距離分解能)をはじめとする検出精度の向上を図ることができる。しかも、上記のようにリーク電流を著しく低減できるため、電気的安全性に優れた超音波センサーを製造できる。また、かかる態様によれば、振動板の圧電素子とは反対側に基板が取り付けられるため、開口部の加工が容易となる。
ここで、前記開口部を形成する工程は、前記振動板の前記第2の面に対して垂直となるように前記基板をエッチングして垂直壁を形成する工程と、前記振動板の前記第2の面及び前記垂直壁に対して傾斜するように、かつ、前記第2の面に対する角度が90度以上となるように、傾斜壁を形成する工程と、を含むことが好ましい。これによれば、開口部における開口面積を厚さ方向で異ならせて、振動板側の開口の面積を、他方の開口の面積よりも大きくすることができるため、振動板と音響整合層との接触面積が大きくなる。よって、基板によって振動板の変位が拘束される面積を低減することができ、振動板の稼働領域を大きくすることができる。振動板と音響整合層との接触面積が大きくなり、振動板の稼働領域が大きくなることによって、音響整合層内に残留振動が仮に発生したとしても、かかる残留振動を振動板によって好適に吸収できるようになる。つまり、音響整合層が所謂ダンパーとしての機能を発揮するようになり、音響整合層における残留振動を低減できるようになる。その結果、距離分解能をはじめとする検出精度の向上をより図ることができる。特に、1つの圧電素子と1つの開口部と有する最小単位の構成からなる超音波センサーのユニットを、2個以上並べて超音波センサーを構成した場合、隣接するユニットの開口部の間に基板によって隔壁が形成される。このように、隣接する開口部間に隔壁が存在することによって、音響整合層を伝搬する残留振動を遮断することができ、隣接する素子の振動減衰を抑制できる。その結果、距離分解能をはじめとする検出精度のさらなる向上を図ることができる。
また、前記振動板の前記第1の面上に、前記圧電素子及び前記空気層を包囲する包囲板を更に設けることが好ましい。これによれば、圧電素子の周囲の領域に空気層を確保できる上、圧電素子を物理的に保護できるため、距離分解能をはじめとする検出精度の向上を図ることができ、かつ電気的安全性に優れる超音波センサーの構造強度を更に高めることができる。しかも、圧電素子が薄膜として構成される場合、ハンドリング性も向上させることができるので、超音波センサーの製造や取り扱いが容易となる。
実施形態1に係る超音波センサーの概略構成を示す分解斜視図。 実施形態1に係る超音波センサーの断面図。 実施形態1に係る超音波センサーの動作等を示す図。 実施形態1に係る超音波センサーの動作等を示す図。 実施形態1に係る超音波センサーの超音波波形等を説明するグラフ。 実施形態1に係る超音波センサーの超音波波形等を説明するグラフ。 実施形態1に係る超音波センサーの製造例を説明する図。 実施形態1に係る超音波センサーの製造例を説明する図。 実施形態1の変形例に係る超音波センサーの概略構成を示す図。 実施形態2に係る超音波センサーの概略構成を示す分解斜視図。 実施形態2及び変形例に係る超音波センサーの断面図。 実施形態2に係る超音波センサーの動作等を示す図。 実施形態3に係る超音波センサーの断面図。 実施形態3に係る超音波センサーの拡大断面図及び第1の壁面側から見た平面図、並びに変形例に係る超音波センサーの拡大断面図。 実施形態3に係る超音波センサーの残留振動低減機機能を説明する図。 実施形態3に係る超音波センサーの製造例を説明する図。 実施形態3に係る超音波センサーの製造例を説明する図。 本発明の一実施形態に係る液体噴射装置の概略構成を示す図。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。ただし、以下の説明は、本発明の一態様を示すものであって、本発明の範囲内で任意に変更可能である。各図において同じ符号を付したものは、同一の部材を示しており、適宜説明が省略されている。
(実施形態1)
本発明の実施形態1は、測定対象物側に発信される発信超音波とは異なる方向に発信される他の超音波が圧電素子との界面で反射され、発信超音波に重畳するような厚みを有する反射層を具備する超音波センサー等に関する。
図1は、本発明の実施形態1に係る超音波センサーの概略構成を示す分解斜視図であり、図2は、図1の超音波センサーを幅方向に沿って切断した断面図である。図示するように、超音波センサー1は、開口部Wが形成された基板10と、開口部Wを塞ぐように基板10上に設けられた振動板50と、振動板50上に積層され、第1電極60、圧電体層70及び第2電極80を含む圧電素子300と、を具備する。
基板10は、例えばシリコン(Si)単結晶基板を用いることができ、振動板50は、例えば二酸化シリコン(SiO)からなる弾性膜51と、酸化ジルコニウム等からなる絶縁体膜52と、から構成できる。圧電素子300への電圧印加によって圧電素子300がたわみ変形し、これによる圧電素子300及び振動板50の変位に応じて超音波が発生する。尚、絶縁体膜52は省略が可能である。
本実施形態では、開口部Wが、測定対象物側に発信される超音波(以下、単に「発信超音波」と称することがある。)の通過領域とされており、圧電素子300が、振動板50の開口部Wとは反対側に形成されている。これによれば、振動板50の圧電素子300とは反対側の構成を簡素化させ、超音波の良好な通過領域を確保できる。また、電極や配線等の電気的領域や各部材の接着固定領域を測定対象物から遠ざけて、これらと測定対象物との間での汚染や漏れ電流を防止しやすくなる。
従って、本実施形態は、プリンターに搭載される圧力センサー等として好適に使用できるのはもちろん、安全性等の点から汚染や漏れ電流を特に嫌う医療用の機器、例えば超音波診断装置、血圧計及び眼圧計にも好適に使用できる超音波センサー1となる。
尚、本実施形態では、圧電素子300上(圧電素子300の上面上及び側面上)に空間が確保されており、この圧電素子300及び空間を包囲するように振動板50上に包囲板40が形成されているが、この包囲板40は省略が可能である。ただし、このような包囲板40を設けることで、圧電素子300を物理的に保護でき、また超音波センサー1の強度も増加するため、構造安定性を高めることができる。更に、圧電素子300が薄膜として構成される場合には、その圧電素子300を含む超音波センサー1のハンドリング性も向上させることができる。このような包囲板40は、例えばシリコン系材料から構成でき、基板10や振動板50にもシリコン系材料を用いれば、同種の材料によって各部を接合できるようになる。
基板10の振動板50とは反対側には、超音波等を透過可能なレンズ部材30が設けられている。レンズ部材30、基板10及び振動板50によって形成される空間Sには、所定の樹脂組成物が充填されて音響整合層20が形成されている。これによれば、圧電素子300と測定対象物との間での急激な音響インピーダンス変化を防止できる。超音波を収束させる必要がない場合は、レンズ部材30を省略したり、レンズ部材30の代わりに開口部Wを塞ぐ蓋部材を設けたりしてもよい。
すなわち、圧電素子300及び測定対象物の間で音響インピーダンスが急激に変化する場合、超音波は、その界面を介しては伝播せず該界面で反射する。一方、音響整合層20により圧電素子300及び測定対象物の間で音響インピーダンスが段階的に変化するようにすることで、圧電素子300及び測定対象物の間で音響インピーダンスが急激に変化することに起因する超音波の反射を防止でき、超音波が効率よく測定対象物側に伝播されるようになる。
また、本実施形態では、基板10に開口部Wが一つである最小単位の構成が採用されており、小型化に有利な態様となっている。ただし、これを幅方向又は長さ方向に一次元的に並列させ、或いは幅方向及び長さ方向に二次元的に並列させてもよい。この場合、測定対象物に関する各種情報を取得するために多数の検出信号を用いることができ、信頼性を向上させることができる。
超音波センサー1を一次元的又は二次元的に並列させる場合、個々の超音波センサー1を構成した後にそれらを接続固定して構成してもよく、開口部Wが複数形成された基板を用い、振動板やレンズ部材等が共通部材となるように構成してもよい。
振動板50の開口部Wとは反対側には、厚さ30〜50nm程度の酸化チタン等からなり第1電極60の下地との密着性を向上させる密着層56が設けられている。絶縁体膜52や密着層56は必要に応じて省略可能である。密着層56上には、第1電極60、圧電体層70及び第2電極80を含む圧電素子300が形成されている。ここで、圧電素子300は、第1電極60、圧電体層70及び第2電極80を含む部分をいう。
一般に、圧電素子300では何れか一方の電極が共通電極とされ、他方の電極及び圧電体層70が開口部W毎のパターニングにより構成される。従って、超音波センサー1を一次元的又は二次元的に並列させた態様とする場合には、例えば第1電極60を圧電素子300の共通電極とし、第2電極80を圧電素子300の個別電極とすることができるが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。
ここでは、圧電素子300と、当該圧電素子300の駆動により変位が生じる振動板50と、を合わせてアクチュエーター装置と称することができる。上述した例では、振動板50と、必要に応じて設けられる絶縁体膜52及び密着層56と、第1電極60と、が振動板として作用するが、これに限定されるものではない。例えば、振動板50を設けず、圧電素子300自体が実質的に振動板としての機能を兼ねるようにしてもよい。
第1電極60や第2電極80は導電性を有するものであれば制限されず、例えば白金(Pt)、イリジウム(Ir)、金(Au)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、チタン(Ti)、ステンレス鋼等の金属材料、酸化インジウムスズ(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)等の酸化スズ系導電材料、酸化亜鉛系導電材料、ルテニウム酸ストロンチウム(SrRuO)、ニッケル酸ランタン(LaNiO)、元素ドープチタン酸ストロンチウム等の酸化物導電材料や、導電性ポリマー等を用いることができる。ただし、前記の材料に制限されない。
圧電体層70は、代表的にはチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系のペロブスカイト構造の複合酸化物を用いることができる。これによれば、圧電素子300の変位量を確保しやすくなる。また、圧電体層70は、鉛を含まないもの、例えば少なくともビスマス(Bi)、バリウム(Ba)、鉄(Fe)及びチタン(Ti)を含む、いわゆるBF−BT系のペロブスカイト構造の複合酸化物や、少なくともカリウム(K)、ナトリウム(Na)、ニオブ(Nb)を含む、いわゆるKNN系のペロブスカイト構造の複合酸化物を用いることもできる。これによれば、環境への負荷が少ない非鉛系材料を用いて超音波センサー1を実現できる。
このようなペロブスカイト型構造、すなわち、ABO型構造のAサイトは、酸素が12配位しており、また、Bサイトは酸素が6配位して8面体(オクタヘドロン)をつくっている。上記のBF−BT系による圧電体層70の例では、AサイトにBi、Ba及びLiが、BサイトにFe、Tiが位置している。
また、上記のBF−BT系の例では、その組成式は(Bi、Ba)(Fe、Ti)Oとして表されるが、代表的な組成としては、鉄酸ビスマスとチタン酸バリウムとの混晶として表されるものである。かかる混晶は、X線回折パターンで、鉄酸ビスマスやチタン酸バリウムが単独では検出できないものをいう。混晶の組成から外れる組成も含むものである。一方、いわゆるKNN系の例では、AサイトにK及びNaが、BサイトにNbが位置している。その組成式は(K,Na)NbOとして表される。
ここでのペロブスカイト構造の複合酸化物には、欠損・過剰により化学量論の組成からずれたものや、元素の一部が他の元素に置換されたものも含まれる。すなわち、ペロブスカイト構造を取り得る限りにおいて、格子不整合、酸素欠損等による不可避な組成のずれは勿論、元素の一部置換等も許容される。
例えば上記のBF−BT系やKNN系のペロブスカイト型複合酸化物は、マンガン(Mn)をさらに含むことが好ましい。これによれば、リーク電流を抑制しやすくなり、例えば非鉛系の材料として信頼性の高い超音波センサー1を実現できる。
上記のBF−BT系におけるマンガン(Mn)以外の添加物の例としては、圧電体層70のAサイトのBiの一部と置換されるリチウム(Li)、サマリウム(Sm)、セリウム(Ce)や、BサイトのFeの一部と置換されるアルミニウム(Al)、コバルト(Co)等が挙げられる。また、上記のKNN系における、Mn以外の添加物の例としては、リチウム(Li)、バリウム(Ba)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、ビスマス(Bi)、タンタル(Ta)、アンチモン(Sb)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)等が挙げられる。添加物は1つ以上含んでいてもよい。一般的に、添加物の量は、主成分となる元素の総量に対して15%以下である。添加物を利用することにより、各種特性を向上させて構成や機能の多様化を図りやすくなる。これら他の元素を含む複合酸化物である場合も、ペロブスカイト構造を有するように構成されることが好ましい。
以上説明した圧電素子300は、回路120(図3等を参照)からの電圧印加によってたわみ変形する。圧電素子300のたわみ変形のしやすさは、圧電素子300や振動板50の構成材料や厚さ、配置や大きさ等によって変わってくるため、用途や使用態様に応じて適宜調節することが可能である。各材料に固有の共振周波数を利用して、これと圧電素子300に印加する電荷信号の周波数とを一致又は実質的に一致させ、共振を利用して圧電素子300をたわみ変形させるようにしてもよい。
圧電素子300のたわみ変形の結果、圧電素子300や振動板50が変位し、この変位に応じて例えば測定対象物側への発信超音波が発生する。具体的には、図3(a)に示すように、回路120から配線121を介して電荷信号Iinが圧電素子300に印加され、第1電極60及び第2電極80で挟まれた実質的に駆動部となる圧電体層70を中心に圧電素子300がたわみ変形する結果、圧電素子300や振動板50が変位して、測定対象物側(図中の下方側)への発信超音波が発生する。
上記のように、本実施形態では、振動板50の圧電素子300とは反対側が超音波の通過領域となる構成が採用されており、超音波の良好な通過領域が確保されている。また、電極や配線等の電気的領域や各部材の接着固定領域を測定対象物から遠ざけて、これらと測定対象物との間での汚染や漏れ電流を防止しやすくなっている。
回路120は、公知の電源装置(図示せず)や公知のマイクロコンピューターを中心に構成された制御手段(図示せず)等を組み合わせて適宜構成できる。回路120は、第1電極60及び第2電極80に接続固定でき、これにより構造安定性や電気的信頼性が向上する。ただし、本発明の要旨を変更しない範囲において、第1電極60及び第2電極80とは電気的に分離可能に回路を構成してもよく、これによりメンテナンスや修理交換が容易となり、また、超音波センサー1自体の構成を簡素化させることができる。
測定対象物側への発信超音波は、測定対象物がある場合にはその測定対象物に反射され、超音波センサー1側に戻ってくる。図3(b)に示すように、測定対象物に反射した超音波はエコー信号として振動板50に入射して、これにより振動板50とともに圧電素子300が変位し、発生した電荷信号Ioutが回路120で測定される。そして、図示しない制御手段において、電荷信号Iin及び電荷信号Ioutの時差等に基づいた演算がなされ、測定対象物の位置、形状及び速度等が検出される。
このような圧電素子300及び振動板50の変位を利用した超音波センサー1では、測定対象物側への発信超音波とは異なる方向(例えば測定対象物とは反対側)に発信される他の超音波が発生する場合がある。そこで、本実施形態では、振動板50の開口部Wとは反対側に、発信超音波とは異なる方向に発信される他の超音波が圧電素子300との界面で反射され、発信超音波に重畳するような厚みを有する領域71を具備している。かかる領域は、本実施形態に係る反射層71として機能する。
反射層71による超音波の反射は、反射層71及び圧電素子300の界面での音響インピーダンス比に基づくものである。よって、反射層71は、圧電素子300との音響インピーダンス比が3倍以上であることが好ましい。これによれば、反射層71及び圧電素子300の界面で上記の他の超音波を好適に反射でき、超音波の伝播効率を確実に向上させることができるようになる。
このような反射層71は、圧電素子300との音響インピーダンス比が所定値以上となるものであればよく、圧電素子300の音響インピーダンスより大きい音響インピーダンスを有するものであっても、圧電素子300の音響インピーダンスより小さい音響インピーダンスを有するものであってもよい。このように、反射層71の構成材料は、圧電素子300の構成に応じて適宜選択が可能である。
例えば反射層71は、圧電素子300及び包囲板40の間に形成される空気層71aからなるように構成できる。空気の音響インピーダンスは、約4.3×10−4MRalyであることが知られている。また、圧電素子300が上記の第1電極60、圧電体層70及び第2電極80から構成される場合、その音響インピーダンスは、例えば約0.7MRaly(1.0×10−6kg・m−2・s−1)となることが多い。このとき、下式(1)に表される反射率Rを算出すると、反射率Rは約0.998となり、圧電素子300及び空気層71aの界面では、超音波が約99.8%反射する、すなわち超音波がほとんど伝播しないことが分かる。
[式1]
反射率R=(Z−Z)/(Z+Z
(Z:圧電素子の音響インピーダンス、Z:空気層の音響インピーダンス)
よって、空気層71aからなる反射層71を具備することで、該反射層71を更に容易に形成できる。尚、包囲板40によって圧電素子300を保護できる上記の効果も奏することができる。
本実施形態の超音波センサー1について図4を用いて更に詳述する。図4は、本実施形態の超音波センサー1の拡大断面図である。図中、測定対象物側への発信超音波が実線矢印A、反射層71によって反射されて測定対象物側に発信される他の超音波が破線矢印B、測定対象物に反射したエコー信号が一点鎖線矢印Cで示されている。
超音波センサー1では、電圧印加によって圧電素子300が開口部W方向にたわみ変形し、その結果、圧電素子300や振動板50が変位して、測定対象物側に発信超音波Aが発生する。
一方、圧電素子300のたわみ変形に応じて、測定対象物側とは異なる方向にも超音波が発生する場合がある。例えば、測定対象物側とは反対側に、他の超音波Bが発生する場合がある。超音波センサー1は上記の反射層71を具備するため、このような他の超音波Bは反射層71及び圧電素子300の界面において反射し、その発信方向を変化させられて、測定対象物側に発信されることとなる。
ここで、本実施形態では、圧電素子300の厚みが0.4〜2.0μmであることが好ましい。また、振動板50の厚みが0.5〜3.0μmであることが好ましい。圧電素子300や振動板50が上記のように比較的薄いものであれば、圧電素子300や振動板50が比較的厚いもの、例えば圧電素子がバルクであるものと比べ、他の超音波Bが反射層71及び圧電素子300の界面に達するまでの伝播距離を短くでき、また、該界面で反射された他の超音波Bが測定対象物側に達するまでの伝播距離も短くできる。このため、他の超音波Bが発生した時点から、反射層71及び圧電素子300の界面で反射され測定対象物側に伝播する時点までの差を小さくできる。よって、他の超音波Bを、発信超音波Aに好適に重畳させることができる。
図5は、発信超音波A、他の超音波B及びエコー信号Cの振幅を示すタイムチャートである。図5に示すように、本実施形態では、発信超音波Aが発生した時点tから他の超音波Bが発信超音波Aに重なる時点tまでの期間Pの方が、発信超音波Aが発生した時点tからエコー信号Cを受信する時点tまでの期間Pよりも短くなる。
このように、圧電素子300や振動板50が上記のように比較的薄いものであれば、測定対象物との距離にもよるが、他の超音波Bが発信超音波Aに重畳する前にエコー信号Cが入射することを防止でき、他の超音波Bがエコー信号Cに干渉する可能性も極めて低くなる。
発信超音波A及び他の超音波Bの位相差については、他の超音波Bがエコー信号Cに干渉せず、また、発信超音波Aの振幅に悪影響を与えないような値であれば、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜選択可能である。図6は、発信超音波A及び他の超音波Bが重畳した際の振幅の変化を説明する図である。
図示するように、理論上、発信超音波A及び他の超音波Bの両者の位相差が0度であれば、波形は完全に一致し、振幅は二倍になり、その強度を向上させることができる。圧電素子300や振動板50が上記のように比較的薄いものであれば、他の超音波Bが反射層71及び圧電素子300の界面で反射され測定対象物側に達するまでの伝播距離を短くできるため、発信超音波A及び他の超音波Bの両者の実際の位相差を小さくすることが容易となる。
例えば、他の超音波Bが発信超音波Aに重畳するまでの遅れが該発信超音波Aの周期の1/3以下であること、言い換えれば、他の超音波Bが発信超音波Aに対して0度より大きく120度以下の位相差を具備することが好ましく、他の超音波Bが0度より大きく60度以下の位相差を具備することがより好ましい。これによれば、発信超音波Aの振幅に悪影響を与えないような他の超音波Bとなる。また、位相差によっては超音波の振幅を増大させ、その伝播効率をより向上させることができる。
一例として、発信超音波Aの周波数が約7.5MHzである場合を説明する。この場合、発信超音波Aの周期は、発信超音波Aの周波数の逆数から約1.3×10−7sとなる。また、圧電素子300の密度を約2×10kg/m、その圧電素子300内の超音波速度、すなわち音速を約1×10m/sとし、圧電素子300の膜厚を1μmとすると、他の超音波Bの伝搬時間(遅れ)は1μm/1×10m/s=1ns(1×10−9s)となる。よって、発信超音波Aの周波数に対して他の超音波Bの伝搬時間(遅れ)は上記の範囲内となり、発信超音波Aの振幅に悪影響を与えないような他の超音波Bとなることが分かる。
このような超音波センサー1では、圧電素子300が、超音波を発信させる発信装置及び反射するエコー信号を受信する受信装置を兼ねることが好ましい。これによれば、小型化に有利な超音波センサー1を提供できる。ただし、超音波を発信させる発信装置と、反射するエコー信号を受信する受信装置と、を別個に具備しても構わない。
次に、本実施形態の超音波センサーの製造方法の一例について、図7〜図8を参照して説明する。図7〜図8は、超音波センサーの製造例を示す断面図である。
まず、図7(a)に示すように、基板10上に振動板50を熱酸化等で形成後、振動板50上に、ジルコニウムを成膜して例えば500〜1200℃の拡散炉で熱酸化し、酸化ジルコニウムからなる絶縁体膜52を形成する。そして、絶縁体膜52上に、密着層56をスパッタリング法や熱酸化等で形成する。その後、図7(b)に示すように、密着層56上に、第1電極60をスパッタリング法や蒸着法等により形成し、この密着層56及び第1電極60が所定の形状となるように同時にパターニングする。
次いで、第1電極60上に圧電体層70を積層する。圧電体層70は、例えば金属錯体を溶媒に溶解・分散した溶液を塗布乾燥し、さらに高温で焼成することで金属酸化物からなる圧電材料を得る、CSD(Chemical Solution Deposition)法を用いて形成できる。尚、CSD法に限定されず、例えば、ゾル−ゲル法や、レーザーアブレーション法、スパッタリング法、パルス・レーザー・デポジション法(PLD法)、CVD法、エアロゾル・デポジション法等を用いてもよい。その後、圧電体層70に、第2電極80をスパッタリング法や熱酸化等により形成する。これにより、図7(c)に示すように、密着層56上に第1電極60、圧電体層70及び第2電極80を含む圧電素子300が形成される。
次に、図8(a)に示すように、基板10上の全周にマスク膜53を形成する。そして、図8(b)に示すように、マスク膜53を介して基板10をKOH等のアルカリ溶液を用いた異方性エッチング(ウェットエッチング)することにより、基板10の圧電素子300に対向する領域を除去する。
そして、図8(c)に示すように、振動板50の圧電素子300とは反対側を、音響整合層20となる樹脂組成物で満たし、基板10の振動板50とは反対側にレンズ部材30を接合する。その後、例えばシリコン材料からなる包囲板形成基板に対し、圧電素子300を包囲する領域をエッチング等により形成された包囲板40を振動板50に接合する。以上のように、超音波センサー1を製造することができる。
以上説明した超音波センサーを用いた測定方法は、振動板50の開口部Wとは反対側の面上の、圧電素子300の周囲に設けられた反射層71により、測定対象物側に発信される発信超音波とは異なる方向に発信される他の超音波を反射させ、発信超音波に重畳させる工程を有するものである。超音波センサー1は上記のものを用いることができ、これによれば、測定対象物側に発信される発信超音波とは異なる方向に発信される他の超音波を該発信超音波に重畳させ、その振幅を増大させることができる。
(実施形態1の変形例)
以上、本発明の一実施形態を説明したが、その構成は上述したものに限定されるものではない。
例えば、図9(a)に示すように、反射層が、圧電素子300と、圧電素子300及び空間を包囲するように振動板50上に形成された包囲板40と、の間に充填される樹脂組成物層71bからなるように構成できる。これによれば、樹脂組成物の種類を変えることで、音響インピーダンスの異なる反射層を容易に形成できる。充填される樹脂組成物は、圧電素子300との音響インピーダンス比が所定値以上となるものを適宜選択して用いることができる。このような樹脂組成物層としては、例えば塩化ビニルが挙げられるが、前記の例に制限されない。
また、後述する実施形態2で詳述するが、例えば図9(b)に示すように、包囲板を省略して反射層71を形成することもできる。これによっても、反射層としての空気層71a及び圧電素子300の界面でのインピーダンス比に基づいて、発信超音波を反射させることができる。
(実施形態2)
図10は、本発明の実施形態2に係る超音波センサーの概略構成を示す分解斜視図であり、図11(a)は、図10に示す超音波センサーを幅方向に沿って切断した断面図である。尚、図11(b)はその変形例である。図中、超音波センサーにおける幅方向は第1の方向Xに対応し、第1の方向Xと直交する方向は第2の方向Yに対応する。
これらの図に示すように、超音波センサー1Aは、実質的に上記の実施形態1と同様の構成を有している。そのため、本実施形態に係る超音波センサー1Aも、上記の実施形態1と同様の機能を有しており、実施形態1と同様の効果を得ることができる。更に、本実施形態においても、上記の実施形態1と同様の材料、構造、及び方法を適用することができる。同様に、上記の実施形態1に係る超音波センサー1も、以下に説明する実施形態2と同様の機能を有しており、実施形態2と同様の効果を得ることができる。更に、以下の実施形態2に説明する材料、構造、及び方法は、上記の実施形態1にも適用することが可能である。なお、本実施形態において、上記の実施形態1と共通している部分については、同様の符号を利用し、その説明を一部省略する。
本実施形態に係る超音波センサー1Aは、上記の実施形態1と同様に、圧電素子300と開口部Wがそれぞれ一つである最小単位の構成を有している。このような最小単位の構成からなる超音波センサー1Aは、小型化に有利である。上記の実施形態1でも述べたが、この最小単位からなるセンサー(以下、「センサーユニット」と称する)を幅方向又は長さ方向に一次元的に2個以上並べて、或いは幅方向及び長さ方向に二次元的に複数並べて、1つのセンサーを構成することも、勿論可能である。複数のセンサーユニットを一次元的又は二次元的に並べる場合、個々のユニットを構成した後にそれらを接続してもよいが、基板10、振動板50、レンズ部材30等を共通化してもよい。第1電極60と第2電極80のどちらを共通電極とするかは、駆動回路や配線の都合、あるいは製造上の都合等で、適宜選択することが可能である。
基板10は、振動板50の第2の面50aに取り付けられている。基板10は、開口部Wを有している。開口部Wは、圧電素子300と対向する位置に設けられている。基板10は、振動板の第2の面50aに対して平行な第1の壁面11xと、振動板の第2の面50aに対して垂直な第2の壁面11yとを備えている。第1の壁面11は、振動板50の第2の面50aと接合される。第2の壁面11yは、開口部Wを区画する。基板10としては、例えばエッチングにより一方面側から開口部Wを形成可能なもの、一例としてシリコン(Si)単結晶基板を用いることができる。また、振動板50としては、圧電素子300の撓み変形によって変位可能なもの、一例として二酸化シリコン(SiO)からなる弾性膜51として構成されたものを用いることができる。本実施形態では、振動板50として、弾性膜51に、酸化ジルコニウム等からなる絶縁体膜52を更に形成したものを使用したが、この絶縁体膜52は省略可能である。
本実施形態は、振動板50の第2の面50a側、すなわち、圧電素子300が設けられる第1の面50bとは反対側の面に基板10が取り付けられるため、基板10に開口部Wを形成したり、後述する変形例のように振動板50と基板10との接続部分の角度を調節したりする際の加工やエッチング作業が容易である。
振動板50の第1の面50b上には、圧電素子300が設けられる。圧電素子300の周囲の領域71(圧電素子300の上面及び側面を含む領域)は空気層71aとされている。空気層71aは、例えば図11(a)に示すように、圧電素子300の周囲の領域71を開放させるようにして構成することができる。これによれば、空気層71aを簡易かつ安価に構成することができる。このように、圧電素子300の周囲の領域71が空気層71aとされていることで、圧電素子300の周囲の領域に音響整合層が設けられる従来の場合と比べ、圧電素子300の駆動時におけるリーク電流を著しく低減できる。これにより、測定対象物の検出に悪影響が生じることを防止でき、その結果、測定対象物を分離して識別できる能力(距離分解能)をはじめとする検出精度の向上を図ることができる。
しかも、上記のようにリーク電流を著しく低減できるため、電気的安全性に優れた超音波センサー1Aとなる。よって、プリンターをはじめとする液体噴射装置に搭載される圧力センサー等として好適に使用できるのはもちろん、安全性等の点からリーク電流を特に嫌う医療用の機器、例えば超音波診断装置、血圧計及び眼圧計にも好適に使用できる超音波センサー1Aとなっている。また、かかる態様によれば、振動板50の圧電素子300とは反対側で基板10が接続された構成を実現できるため、変形例で例示されるような振動板50及び基板10の接続部分の角度を調節するための加工やエッチング作業も容易となる。
空気層71aは、図11(a)に示した構成に限定されない。例えば図11(b)に示すように、圧電素子300の周囲の領域(圧電素子300の上面及び側面を含む領域)に空間を確保しつつ、圧電素子300及び空間を包囲するように振動板50の第1の面50b上に包囲板40を取り付けてもよい。この場合、かかる空間が空気層71aとして機能する。つまり、包囲板40によって覆われた領域内に、空気層71aが形成される。これによれば、上記の実施形態1と同様に、圧電素子300を物理的に保護できるため、距離分解能をはじめとする検出精度の向上を図ることができ、かつ電気的安全性に優れる超音波センサーの構造強度を高めることができる。しかも、圧電素子300が薄膜として構成される場合、ハンドリング性も向上させることができるので、超音波センサーの製造や取り扱いが容易となる。尚、包囲板40は、基板10や振動板50と同様に、例えばシリコン系材料を用いて構成することができるが、構成材料は適宜選択可能である。
第1電極60、圧電体層70及び第2電極80の各層は互いに接していなくてもよく、これらの間に他の層が介在していてもよい。第1電極60や第2電極80の材料は、上記の実施形態1と同様の材料を用いることができる。圧電体層70も、上記の実施形態1と同様の材料を用いることができる。実施形態1で説明したように、ペロブスカイト構造の複合酸化物には、欠損・過剰により化学量論の組成からずれたものや、元素の一部が他の元素に置換されたものも含まれる。すなわち、ペロブスカイト構造を取り得る限りにおいて、格子不整合、酸素欠損等による不可避な組成のずれは勿論、元素の一部置換等も許容される。
開口部Wは、振動板50を挟んで、圧電素子300と対向する位置に設けられている。そして、この開口部Wが超音波の通過領域となっている。開口部Wと振動板50の第2の面50aとによって形成された空間S内には、超音波を伝播させる音響整合層20が充填されている。音響整合層20は、例えばアクリル系やエポキシ系の樹脂によって構成される。本実施形態では、音響整合層20は、樹脂の接着剤によって構成されており、レンズ部材30を基板10に接着する接着剤としての機能も兼ね備えている。ここでは、レンズ部材30と基板10との間に音響整合層20による接着層20aを介在させるように構成した。実施形態1においても、同様に、音響整合層20による接着層20aを介在させるようにしても良い。レンズ部材30は、ガラスや樹脂によって構成される。開口部Wの2つの開口のうち、一方は振動板50の第2の面50aによって塞がれており、他方は音響整合層20及びレンズ部材30によって塞がれる。
音響整合層20は、上記の実施形態1と同様に、圧電素子300と測定対象物との間での急激な音響インピーダンス変化を防止する。圧電素子300と測定対象物との間に音響整合層20を設けると、圧電素子300と音響整合層20との界面、及び音響整合層20と測定対象物との間の界面の前後における音響インピーダンスの変化を低減することができる。そして、これらの界面における超音波の反射を低減することができ、超音波が効率よく測定対象物側に伝播され、また反射超音波が効率よく振動板50に伝播されるようになる。また、本実施形態では、上記の実施形態1と同様に、レンズ部材30が設けられているため、圧電素子300と測定対象物との間には、3つの界面が存在する。3つの界面とは、圧電素子300と音響整合層20との界面(第1の界面)、音響整合層20とレンズ部材30との間の界面(第2の界面)、及び、レンズ部材30と測定対象物との界面(第3の界面)である。音響整合層20は、これらのうち、第1の界面と第2の界面の前後における超音波の反射を低減することができる。第3の界面の前後における超音波の反射は、レンズ部材30によって低減される。第2の界面における超音波の反射を低減するために、音響整合層20とレンズ部材30は、音響インピーダンスの値が互いに近い材料によって構成されることが好ましい。
表1は、音響整合層20として用いることができる樹脂材料と、その音響インピーダンスの一例である。圧電素子300及び測定対象物の間で音響インピーダンスが段階的に変化するような材料を適宜選択することが可能である。尚、音響整合層20は、本発明の要旨を変更しない範囲において開口部W内に充填されていればよく、気泡等が混在していてもよい。表1の材料は、上記の実施形態1でも同様に用いることができる。
Figure 2016102773
圧電素子300は、上記の実施形態1と同様に、公知の電源装置や公知のマイクロコンピューターを中心に構成された制御手段からなる回路120(図12等を参照)からの電圧印加によって撓み変形する。圧電素子300の撓み変形のしやすさは、圧電素子300や振動板50の構成材料や厚さ、配置や大きさ等によって変わってくるため、用途や使用態様に応じて適宜調節することが可能である。各材料に固有の共振周波数を利用して、これと圧電素子300に供給する電気信号の周波数とを一致又は実質的に一致させ、共振モードで圧電素子300を共振させるようにしてもよい。これによれば、共振を利用して、圧電素子300及び振動板50を大きく変位させて強度の大きい超音波を発信することができ、また測定対象物からの反射超音波に応じて圧電素子300及び振動板50を大きく変位させ、強度の大きい電気信号を得ることができる。このように、強度の大きい電気信号を用いた検出が可能となるため、距離分解能をはじめとする検出精度の向上を更に図ることができる。
図12(a)〜(b)は、図10に示す超音波センサーの動作を示す模式図である。回路120からの配線121を介した電気信号Iout(実施形態1では、電荷信号Ioutとも称した。)の供給により、第1電極60及び第2電極80で挟まれた実質的に駆動部となる圧電体層70を中心に圧電素子300が撓み変形する。これに伴って振動板50が変位し、この変位に応じて超音波が発生して、音響整合層20を伝播して測定対象物に到達する。図12(a)はこのプロセス、つまり、超音波の発信のプロセスを示したものである。
測定対象物側へ発信された超音波は、測定対象物がある場合にはその測定対象物に反射され、超音波センサー1A側に戻ってくる。測定対象物からの反射超音波は、音響整合層20を伝播して振動板50に入射し、これにより振動板50とともに圧電素子300が変位する。この変位に応じて圧電素子300から電荷が生成され、電気信号Iin(実施形態1では、電荷信号Iinとも称した。)として配線121を介して回路120に入力される。図12(b)はこのプロセス、つまり、超音波の受信のプロセスを示したものである。そして、このような電気信号Iin及び電気信号Ioutの強度やタイミング等をもとに、測定対象物の位置や形状及等が検出される。ここでは、レンズ部材30と基板10との間に音響整合層20による接着層20aを介在させるように構成したが、かかる構成でも、上記の実施形態1と同様の機能が発揮される。
(実施形態3)
次に、本発明の実施形態3に係る超音波センサーについて説明する。本実施形態の超音波センサーは、音響整合層の残留振動を低減でき、これにより測定対象物を分離して識別できる能力(距離分解能)をはじめとする検出精度の向上を更に図ることができる態様となっている。以下、実施形態1や実施形態2と同様の部分は適宜省略し、異なる部分を中心に説明する。
図13は、本実施形態に係る超音波センサー1Bを幅方向に沿って切断した断面図であり、図14(a)は、図13における振動板50と基板10との接合部分を示す拡大断面図である。図14(b)は、本実施形態に係る超音波センサー1Bの基板10aを第1の壁面11x側から見た平面図である。尚、図14(c)はその変形例である。
上記の実施形態2において、音響整合層20内に、圧電素子300の駆動によって発生する振動が残留する場合がある。この振動が長期間残留してしまうと、測定対象物からの反射超音波と干渉し合い反射超音波を正確に検知することが難しくなる。よって、残留振動は十分に低減されることが好ましい。本実施形態では、振動板50と基板10aとの接合部分において、基板10aの面の角度を調節することで、残留振動の問題を低減している。本実施形態の超音波センサー1Bは、基板10aの壁面の構成、具体的には、振動板50との接合部分の壁面の構成が、実施形態1や実施形態2と異なっている。それ以外の点は、実施形態2と同じである。超音波センサー1Bについて、上記の実施形態と同様の構成については、同じ符号を用い、それらの詳細な説明を省略する。
実施形態2の基板10は、図11(a)及び(b)に示したように、開口部Wを区画する第2の壁面11yが、振動板の第2の面50aに対して垂直な壁面(第2の壁面11y)のみによって構成されていた。これに対し、図13及び図14(a)に示すように、本実施形態の超音波センサー1Bでは、基板10aの、振動板50との接合部分に傾斜壁11aが設けられる。すなわち基板10aは、振動板50と接合される第1の壁面11xと、開口部Wを区画する第2の壁面11yaとを有し、第2の壁面11yaは、傾斜壁11aと、垂直壁11cとを有する。第1の壁面11xは、振動板50の第2の面50aに対して平行である。第2の壁面11yaを構成する2つの壁(傾斜壁11aと垂直壁11c)のうち、垂直壁11cは振動板50の第2の面50aに対して垂直である。傾斜壁11aは、第1の壁面11x及び垂直壁11cに対して傾斜している。つまり傾斜壁11aは、第1の壁面11x及び垂直壁11cに対し、平行でも垂直でもない。傾斜壁11aと振動板50の第2の面50aとの成す角度θは90度より大きい。
開口部Wを区画する第2の壁面11yaに傾斜壁11aを設け、当該傾斜壁11aと振動板50の第2の面50aとの成す角度θを90度より大きくすることにより、開口部Wの断面積(振動板50を第1の面50bや第2の面50aに平行な面に沿って切断したときの断面積)を、振動板50側へ向かうに従って大きくすることができる。開口部Wにおける開口の二つについて、振動板50側の開口OPaの面積をSopa、他方(振動板50側とは反対側)の開口OPbの面積をSopbとした場合、図14(b)に示すように、振動板50側の開口の面積Sopaを、他方の開口の面積Sopbよりも大きくすることができる。すなわち、実施形態2のように、第2の壁面11yを垂直壁のみによって構成した場合、振動板50側の開口の面積はSopbであるのに対して、本実施形態のように傾斜壁11aを設けた場合、振動板50側の開口の面積はSopaとなるため、振動板50と音響整合層20の接触面積が大きくなる。よって、基板10によって振動板50の変位が拘束される面積を低減することができ、振動板50の稼働領域を大きくすることができる。振動板50と音響整合層20との接触面積が大きくなり、振動板50の稼働領域が大きくなることによって、音響整合層20内に残留振動が仮に発生したとしても、かかる残留振動を振動板50によって好適に吸収できるようになる。つまり、音響整合層20が所謂ダンパーとしての機能を発揮するようになり、音響整合層20における残留振動を低減できるようになる。その結果、距離分解能をはじめとする検出精度の向上をより図ることができる。
また、このように傾斜壁11aを設けることによって、振動板50側の開口の面積Sopaを大きくする構造は、図13及び図14(a)に示した例には限定されない。図14(c)は、本実施形態の変形例をしている。本変形例では、基板10bの壁面の構成、具体的には、振動板50との接合部分の壁面の構成が、実施形態3と異なっている。それ以外の点は、実施形態3と同じである。この変形例において、上記の実施形態と同様の構成については、同じ符号を用い、それらの詳細な説明を省略する。
図14(c)に示すように、基板10bは、振動板50と接合される第1の壁面11xと、開口部Wを区画する第2の壁面11ybとを有する。第2の壁面11ybは、傾斜壁11bと、2つの垂直壁11d及び11eとを有する。第1の垂直壁11dは、第1の壁面11xと傾斜壁11bとを接続するように設けられる。傾斜壁11bは、第1の垂直壁11dと第2の垂直壁11eの間に設けられる。傾斜壁11bは、第1の垂直壁11dと第2の垂直壁11eとを接続するように設けられる。第1の壁面11xは、振動板50の第2の面50aに対して平行である。第1の垂直壁11d及び第2の垂直壁11eは、いずれも、振動板50の第2の面50aに対して垂直である。傾斜壁11bは、第1の壁面11x及び垂直壁11d,11eに対して傾斜している。つまり、傾斜壁11bは、第1の壁面11x及び垂直壁11d及び11eに対して、平行でも垂直でもない。傾斜壁11bと、振動板50の第2の面50aとの成す角度θは、90度よりも大きい。
実施形態3及びその変形例において、角度θは90度より大きく、180度より小さい範囲内の値である。加工のし易さや残留振動の低減効果をより確実に得られるという観点では、95度以上105度以下くらいの角度であることが好ましい。傾斜壁11aを含む第2の壁面11ybは、縦横比が比較的小さい開口部Wを一次元的又は二次元的に並べて加工するのに有利な方法(各種のミリング等)によって、好適に形成できる。
尚、傾斜壁11aは、第2の壁面11ybの全体に設けられている必要はない。例えば、図14(b)のように長方形の断面を有する開口部Wの場合、長方形のいずれか一辺に対応する面のみに設けられていても構わない。また、超音波センサーユニットを一次元的又は二次元的に並列させる場合において、一部のユニットの開口部Wのみを、図14(a)〜(b)や図14(c)のような構成にしても構わない。
図15は、圧電素子の駆動によって生じる音響整合層の残留振動の推移や、上記の角度θを調節することによる音響整合層のダンパー機能を説明する図である。図中における波長の縦軸は振幅(超音波強度)であり、横軸は時間である。尚、対比のため、実施形態2の例も示してある。
図15に示すように、本実施形態において、圧電素子300の駆動によって音響整合層20に振動が生じた時点t1から、その振動が収まる時点t2´までの期間は、実施形態2において、振動が生じた時点t1から振動が収まる時点t2までの期間よりも短い。つまり、本実施形態は、実施形態2に比べて、残留振動の低減の点でより優れている。しかも、本実施形態は、実施形態2に対して、超音波強度の低下も見られない。
従って、本実施形態によれば、実施形態1や実施形態2に比べ、測定対象物に関する情報の検出精度の向上を図ることができる。例えば、実施形態2の超音波センサー1Aが、測定対象物AとBの距離がd以上離れていないと、これらを分離して検出できないとした場合、本実施形態の超音波センサー1Bでは、測定対象物AとBの距離がdよりも小さくても、測定対象物A及びBを分離して検出することができる。
次に、本実施形態の超音波センサーの製造方法の一例について、図16〜図17を参照して説明する。図16〜図17は、超音波センサーの製造例を示す断面図である。
まず、図16(a)に示すように、基板10aの一方の面12上に、振動板50を熱酸化等で形成後(弾性膜51)、振動板50上に、ジルコニウムを成膜して例えば500〜1200℃の拡散炉で熱酸化し、酸化ジルコニウムからなる絶縁体膜52を形成する。そして、絶縁体膜52上に、密着層56をスパッタリング法や熱酸化等で形成する。その後、図16(b)に示すように、密着層56上に、第1電極60をスパッタリング法や蒸着法等により形成し、この密着層56及び第1電極60が所定の形状となるように同時にパターニングする。
次いで、第1電極60上に圧電体層70を積層する。圧電体層70は、例えば金属錯体を溶媒に溶解・分散した溶液を塗布乾燥し、さらに高温で焼成することで金属酸化物からなる圧電材料を得る、CSD(Chemical Solution Deposition)法を用いて形成できる。尚、CSD法に限定されず、例えば、ゾル−ゲル法や、レーザーアブレーション法、スパッタリング法、パルス・レーザー・デポジション法(PLD法)、CVD法、エアロゾル・デポジション法等を用いてもよい。その後、圧電体層70に、第2電極80をスパッタリング法や熱酸化等により形成する。これにより、図16(c)に示すように、密着層56上に第1電極60、圧電体層70及び第2電極80を含む圧電素子300が形成される。
次に、図17(a)に示すように、基板10の圧電素子300が形成された面12とは反対側の面13上に、マスク膜53を形成する。マスク膜53には開口53Wが設けられる。そして、図17(b)に示すように、マスク膜53の開口53Wを介して基板10をKOH等のアルカリ溶液を用いた異方性エッチング(ウェットエッチング)することにより、基板10の圧電素子300に対向する領域を除去する。このようにしてエッチングされた領域が、開口部Wとなる。ここでのエッチング工程において、基板10をオーバーエッチングさせることにより、傾斜壁11aと、振動板50の第2の面50aとの成す角度θを調節する。このような角度の調節においては、各種のミリング装置を用いるようにしてもよい。
そして、図17(c)に示すように、開口部Wに樹脂の接着剤を注入する。樹脂の接着剤は、開口部Wの体積よりも多く注入する。そして、開口部Wに充填された接着剤と、開口部Wからあふれ出た接着剤とによって、基板10の振動板50とは反対側の面13に対してレンズ部材30を取り付ける。その後、必要に応じて、振動板50に包囲板40(図11(b)を参照)を接合してもよい。包囲板40は、例えばシリコン材料からなる封止板形成基板に対し、圧電素子300を包囲する領域をエッチング等することにより形成される。尚、実施形態2の超音波センサー1Aや、図5(b)の変形例の構成を備えた超音波センサーも、上記と同様の方法によって製造することが可能である。本実施形態と、実施形態2や変形例とでは、開口部Wを区画する第2の壁面の形状が異なるだけである。第2の壁面の形状は、基板10のエッチングの制御によって、適宜変更することが可能である。
(他の実施形態)
以上、本発明の一実施形態を説明したが、その構成は上述したものに限定されるものではない。例えば、上記の態様では、圧電素子300が、超音波を発信させる発信装置及び測定対象物からの反射超音波を受信する受信装置を兼ねるものとして説明したが、前記の例に限定されず、超音波を発信させる発信装置と、反射するエコー信号を受信する受信装置と、を別個に構成するようにしても構わない。
更に本発明の一実施形態である超音波センサーは、種々の圧力センサーとして用いることができるため、プリンター等の液体噴射装置にも適用できる。図18は、インクジェット式記録装置(液体噴射装置)の一例を示す概略図である。
図18に示すインクジェット式記録装置IIにおいて、インクジェット式記録ヘッドを有する記録ヘッドユニットは、インク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニットを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。この記録ヘッドユニットは、例えば、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。
そして、駆動モーター6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニットを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4には搬送手段としての搬送ローラー8が設けられており、紙等の記録媒体である記録シートSが搬送ローラー8により搬送されるようになっている。なお、記録シートSを搬送する搬送手段は、搬送ローラーに限られずベルトやドラム等であってもよい。
また、本発明の超音波センサーの構成は、超音波モーター、圧電トランス、振動式ダスト除去装置、圧力電気変換機、超音波発信機及び加速度センサー等に好適に応用することができる。
上記のとおり本発明の超音波センサーは、圧電素子300の周囲の領域71が空気層71aとされ、圧電素子300の駆動時におけるリーク電流を著しく低減できる構成が採用されており、電気的安全性に優れたセンサーとなっている。よって、安全性等の点からリーク電流を特に嫌う医療用の機器、例えば超音波診断装置、血圧計及び眼圧計に好適に使用できる。
そのほか、上記のとおり超音波センサーでは、振動板の圧電素子とは反対側が、測定対象物に向けて発信される超音波や測定対象物からのエコー信号の通過領域となる構成が採用されており、電極や配線等の電気的領域や各部材の接着固定領域を測定対象物から遠ざけて、これらと測定対象物との間での汚染や漏れ電流を防止しやすくなる。従って、汚染や漏れ電流を特に嫌う医療用の機器、例えば超音波診断装置、血圧計及び眼圧計にも好適に適用できる。
1,1A,1B 超音波センサー、 10 基板、 11x 第1の壁面、 11y,11ya,11yb 第2の壁面、 11a,11b 傾斜壁、 11c,11d,11e 垂直壁、 20 音響整合層、 20a 接着層、 30 レンズ部材、 40 包囲板、 50 振動板、 50a 振動板の第2の面、 50b 振動板の第1の面、 51 弾性膜、 52 絶縁体膜、 53 マスク膜、 56 密着層、 60 第1電極、 70 圧電体層、 71 反射層(圧電素子の周囲の領域)、 71a 空気層、 71b 樹脂組成物層、 80 第2電極、 120 回路、 121 配線、 300 圧電素子
上記課題を解決する本発明の態様は、開口部が形成された基板と、前記開口部を塞ぐように前記基板上に設けられた振動板と、前記振動板の前記開口部とは反対側の面上に積層され、第1電極、圧電体層及び第2電極を含む圧電素子と、を具備する超音波センサーであって、前記振動板の前記開口部とは反対側の面上の、前記圧電素子の周囲の空間に反射層が設けられ、測定対象物側に発信される発信超音波とは異なる方向に発信される他の超音波が前記圧電素子と前記反射層との界面で反射され、前記振動板及び前記圧電素子は、前記発信超音波に重畳するような厚みを有することを特徴とする超音波センサーにある。
かかる態様によれば、測定対象物側に発信される発信超音波とは異なる方向(例えば反対方向)に発信される他の超音波を該発信超音波に重畳させ、その振幅を増大させることができる。よって、発信超音波の強度を大きくし、超音波の伝播効率を向上させることができる。
上記の態様において、反射層は、空気層として構成することもできる。反射層を空気層として構成すれば、圧電素子の周囲の領域に音響整合層(シリコーンオイル等)が設けられる場合と比べ、圧電素子の駆動時におけるリーク電流を著しく低減できる。これにより、測定対象物の検出に悪影響が生じることを防止でき、その結果、測定対象物を分離して識別できる能力(距離分解能)をはじめとする検出精度の向上を図ることができる。しかも、上記のようにリーク電流を著しく低減できるため、電気的安全性に優れた超音波センサーとなる。また、かかる態様によれば、振動板の圧電素子とは反対側に基板が取り付けられるため、開口部の加工が容易となる。

Claims (16)

  1. 開口部が形成された基板と、
    前記開口部を塞ぐように前記基板上に設けられた振動板と、
    前記振動板の前記開口部とは反対側の面上に積層され、第1電極、圧電体層及び第2電極を含む圧電素子と、を具備する超音波センサーであって、
    前記振動板の前記開口部とは反対側の面上の、前記圧電素子の周囲の空間に、測定対象物側に発信される発信超音波とは異なる方向に発信される他の超音波が前記圧電素子との界面で反射され、前記発信超音波に重畳するような厚みを有する反射層を具備することを特徴とする超音波センサー。
  2. 前記反射層及び前記圧電素子の音響インピーダンス比が3倍以上であることを特徴とする請求項1に記載の超音波センサー。
  3. 前記反射層が、前記圧電素子の音響インピーダンスよりも小さい音響インピーダンスを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の超音波センサー。
  4. 前記反射層は、前記圧電素子と、前記圧電素子及び前記空間を包囲するように前記振動板上に形成された包囲板と、の間に形成される空気層からなることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の超音波センサー。
  5. 前記反射層は、前記圧電素子と、前記圧電素子及び前記空間を包囲するように前記振動板上に形成された包囲板と、の間に充填される樹脂組成物層からなることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の超音波センサー。
  6. 前記反射層及び前記圧電素子の界面で反射された前記他の超音波が、前記発信超音波に対して0度より大きく120度以下の位相差を具備することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の超音波センサー。
  7. 前記圧電素子の厚みが0.4〜2.0μmであることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の超音波センサー。
  8. 前記振動板の厚みが0.5〜3.0μmであることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の超音波センサー。
  9. 第1の面と第2の面とを有する振動板と、
    前記振動板の前記第1の面上に設けられ、第1電極、圧電体層及び第2電極を含む圧電素子と、
    前記振動板の前記第2の面に取り付けられ、前記圧電素子と対向する位置に開口部を有する基板と、
    前記開口部と前記振動板の前記第2の面とによって形成された空間内に設けられ、前記圧電素子の駆動によって発生する超音波を伝播させる音響整合層と、を具備し、
    前記圧電素子の周囲の領域は、空気層とされていること
    を特徴とする超音波センサー。
  10. 前記基板は、
    前記振動板の前記第2の面に対して平行であって前記第2の面と接合される第1の壁面と、前記開口部を区画する第2の壁面と、を有し、
    前記第2の壁面は、前記第1の壁面に対して垂直な垂直壁と、前記第1の壁面と第2の壁面との間に設けられ、前記第1及び第2の壁面に対して傾斜した傾斜壁と、を有し、
    前記傾斜壁と前記振動板の前記第2の面との成す角度は90度以上であること
    を特徴とする請求項9に記載の超音波センサー。
  11. 前記圧電素子への駆動信号の送受信を行う回路を具備し、
    前記回路は、前記圧電素子を共振モードで共振させる該駆動信号の送受信を行うこと
    を特徴とする請求項9又は10に記載の超音波センサー。
  12. 前記振動板の前記第1の面上に、前記圧電素子及び前記空気層を包囲する包囲板を更に具備すること
    を特徴とする請求項9〜11の何れか一項に記載の超音波センサー。
  13. 開口部が形成された基板と、前記開口部を塞ぐように前記基板上に設けられた振動板と、前記振動板上に積層され、第1電極、圧電体層及び第2電極を含む圧電素子と、を具備する超音波センサーを用いた測定方法であって、
    前記振動板の前記開口部とは反対側の面上の、前記圧電素子の周囲に設けられた反射層により、測定対象物側に発信される発信超音波とは異なる方向に発信される他の超音波を反射させ、前記発信超音波に重畳させる工程を有することを特徴とする超音波センサーを用いた測定方法。
  14. 基板を準備し、
    前記基板上に、第1の面と第2の面とを有する振動板を形成し、
    前記振動板の前記第1の面上に、第1電極、圧電体層及び第2電極を含む圧電素子を形成し、
    前記基板の前記圧電素子と対向する位置に開口部を形成し、
    前記開口部と前記振動板の前記第2の面とによって形成された空間内に、前記圧電素子の駆動によって発生する超音波を伝播させる音響整合層を設け、
    前記圧電素子の周囲の領域を、空気層とすること
    を特徴とする超音波センサーの製造方法。
  15. 前記開口部を形成する工程は、
    前記振動板の前記第2の面に対して垂直となるように前記基板をエッチングして垂直壁を形成する工程と、
    前記振動板の前記第2の面及び前記垂直壁に対して傾斜するように、かつ、前記第2の面に対する角度が90度以上となるように、傾斜壁を形成する工程と、を含むこと
    を特徴とする請求項14に記載の超音波センサーの製造方法。
  16. 前記振動板の前記第1の面上に、前記圧電素子及び前記空気層を包囲する包囲板を更に設けること
    を特徴とする請求項14又は15に記載の超音波センサーの製造方法。
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