JP2018085612A - 超音波センサー及び超音波センサー用圧電デバイス - Google Patents

超音波センサー及び超音波センサー用圧電デバイス Download PDF

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Abstract

【課題】配線の配置により効率的に且つ高周波帯における電圧降下を効率的に抑制すると共に、配線抵抗を低減して感度を向上させることができ、更に超音波ビームの平滑性の向上化を図ることが可能な超音波センサー及び超音波センサー用圧電デバイスを提供する。【解決手段】超音波素子10は、第1電極14及び第2電極16の何れか一方の電極が、グループ毎に連続して第1方向に延設され、第1電極14及び第2電極16の何れか他方の電極が、第2方向に亘って連続して延設され、一方の電極は、グループの第1方向の一方側で複数の配線を連結する第1バイパス配線と連結され、他方の電極は、第2方向の両端でグループ毎に連結する第2バイパス配線と、グループの第1方向の他方側に延設されて第2バイパス配線と連結する第3バイパス配線と、超音波素子10の間で第1方向に延設されて他方の電極と第3バイパス配線とを接続する第4バイパス配線とを具備する。【選択図】図3

Description

本発明は、超音波センサー及び超音波センサー用圧電デバイスに関する。
従来、プローブ先端から対象物に向かって超音波を出射し、その対象物から反射された超音波を検出する超音波装置が知られており、この超音波装置は、例えば、患者の体内を映像化して診断に用いる超音波画像装置等として用いられる。この超音波装置に搭載され、超音波を出射する超音波素子としては、例えば、圧電素子が用いられる(例えば特許文献1参照)。
圧電素子への電圧(VPP)印加は、コモン電極(COM)の標準電位(VCOM)とシグナル電極(SIG)の電位(VSIG)の電位差により行われる。このため、超音波素子は、配線長に応じた配線抵抗(R)を有し、この影響度は、当該素子のインピーダンスにより異なる。超音波素子のインピーダンス(|Z|)は、角周波数(ω)と静電容量(C)から下記式(1)で表される。
|Z|=1/ωC ・・・ (1)
式(1)からわかるように、超音波素子のインピーダンスは、角周波数が高くなると低下する。このため、高周波数のパルス波を用いる超音波素子では、配線抵抗の影響が相対的に大きくなる。
このような問題を解決するために、超音波素子アレイを構成する複数の超音波素子列の両端から送信信号を印加する構成が提案されている(例えば特許文献2参照)。かかる構成によれば、超音波素子列に接続された信号電極線が高抵抗である等の理由により、送信信号が減衰する場合であっても、対称な超音波ビームを形成することが可能となる。しかしながら、この構成例では、超音波ビームの対称性は確保できるものの、SIGにおける配線方向での電圧降下の影響を排除することができない。
加えて、従来、全ての超音波素子に対して共通したCOMを接続していたため、VCOMを供給するコモン端子から遠い超音波素子ほど、駆動信号に応じてVCOMが変動し、VPPが小さくなるという問題があった。
そこで、このような問題を解決するために、SIG毎に個別のCOMを有する構成が提案されている(例えば特許文献3参照)。かかる構成によれば、コモン端子から遠い超音波素子におけるVPPの低下を防ぐことができる。しかしながら、この構成例であっても、SIGにおける配線方向での電圧降下の影響を排除することができない。
特開2007−142555号公報 特開2014−83281号公報 特開2014−161707号公報
本発明は、このような実情に鑑みて提案されるものであり、配線の配置により効率的に且つ高周波帯における電圧降下を効率的に抑制すると共に、配線抵抗を低減して感度を向上させることができ、更に超音波ビームの平滑性の向上化を図ることが可能な超音波センサー及び超音波センサー用圧電デバイスを提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の態様は、キャビティを有する基板上に、第1電極と圧電体層と第2電極とを備えた超音波素子を具備する超音波センサーであって、前記超音波素子は、第1方向及び第2方向に亘って複数配置され、前記第1方向に複数のグループに分割されており、前記第1電極及び前記第2電極の何れか一方の電極が、前記グループ毎に連続して前記第1方向に延設され、前記第1電極及び前記第2電極の何れか他方の電極が、前記第2方向に亘って連続して延設され、前記一方の電極は、前記グループの前記第1方向の一方側で複数の配線を連結する第1バイパス配線と連結され、前記他方の電極は、前記第2方向の両端で前記グループ毎に連結する第2バイパス配線と、前記グループの前記第1方向の他方側に延設されて前記第2バイパス配線と連結する第3バイパス配線と、前記超音波素子の間で前記第1方向に延設されて前記他方の電極と前記第3バイパス配線とを接続する第4バイパス配線とを具備することを特徴とする超音波センサーにある。
かかる態様によれば、配線の配置により効率的に且つ高周波帯における電圧降下を効率的に抑制すると共に、配線抵抗を低減して感度を向上させることができ、更に超音波ビームの平滑性の向上化を図ることができる。
また、前記超音波センサーにおいて、前記第2電極は、前記第1方向の少なくとも一方側で複数の前記第1バイパス配線を連結する共通配線により共通化され、前記第1電極は、前記グループ毎に独立した信号配線であってもよい。
これによれば、配線の配置により効率的に且つ高周波帯における電圧降下を効率的に抑制すると共に、配線抵抗を低減して感度を向上させることができ、更に超音波ビームの平滑性の向上化を図ることができる。
また、前記超音波センサーにおいて、前記第1方向の両側及び前記グループの間には、前記第2方向に配置されたダミーキャビティが設けられていてもよい。
これによれば、上述の効果を享受できると共に、周囲のコンプライアンスを一定とし、超音波素子の均一性を向上させることができる。
また、前記超音波センサーは、少なくとも前記第1バイパス配線及び前記第3バイパス配線の何れか一方のバイパス配線が、前記ダミーキャビティ上に設けられていてもよい。
これによれば、上述の効果を享受できると共に、更に周囲のコンプライアンスを一定とし、超音波素子の均一性を向上させることができる。
上記課題を解決する本発明の他の態様は、上記の何れかの超音波センサーを具備することを特徴とする超音波センサー用圧電デバイスにある。
これによれば、配線の配置により効率的に且つ高周波帯における電圧降下を効率的に抑制すると共に、配線抵抗を低減して感度を向上させることができ、更に超音波ビームの平滑性の向上化を図ることが可能な超音波センサー用圧電デバイスを提供することができる。
実施形態1の超音波センサー用圧電デバイスの構成例を示す断面図。 実施形態1の超音波センサーの構成例を示す分解斜視図。 実施形態1の超音波センサーの構成例を示す平面図。 図3の拡大平面図。 図3のA−A′線断面図。 図3のB−B′線断面図。 図3のC−C′線断面図。 実施形態1の超音波センサーの製造例を示すA−A′線断面図。 実施形態1の超音波センサーの製造例を示すA−A′線断面図。 実施形態1の超音波センサーの製造例を示すB−B′線断面図。 実施形態1の超音波センサーの製造例を示すA−A′線断面図。 実施形態1の超音波センサーの製造例を示すB−B′線断面図。 実施形態1の超音波センサーの製造例を示すA−A′線断面図。 実施形態1の超音波センサーの製造例を示すB−B′線断面図。 実施形態1の超音波センサーの製造例を示すA−A′線断面図。 実施形態1の超音波センサーの製造例を示すB−B′線断面図。 実施形態2の超音波センサーの構成例を示す平面図。 実施形態3の超音波センサーの構成例を示す平面図。 実施形態4の超音波センサーの構成例を示す平面図。 実施形態5の超音波センサーの構成例を示す平面図。 サンプル1のインピーダンスと有効電界の周波数依存性を示す図。 サンプル1及びサンプル2の有効電界比較結果を示す図。 超音波診断装置の一例を示す斜視図。 超音波プローブの一例を示す正面図。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の説明は、本発明の一態様を示すものであって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で任意に変更可能である。なお、各図面において同じ符号を付したものは同一の部材を示しており、適宜説明が省略されている。また、X,Y及びZは、互いに直交する3つの空間軸を表している。本明細書では、これらの軸に沿った方向を、それぞれ第1の方向X(X方向)、第2の方向Y(Y方向)及び第3の方向Z(Z方向)とし、各図の矢印の向かう方向を正(+)方向、矢印の反対方向を負(−)方向として説明する。X方向及びY方向は、板、層及び膜の面内方向を表し、Z方向は、板、層及び膜の厚み方向又は積層方向を表す。
また、各図面において示す構成要素、即ち、各部の形状や大きさ、層の厚さ、相対的な位置関係、繰り返し単位等は、本発明を説明する上で誇張して示されている場合がある。更に、本明細書の「上」という用語は、構成要素の位置関係が「直上」であることを限定するものではない。例えば、「基板上の第1電極」や「第1電極上の圧電体層」という表現は、基板と第1電極との間や、第1電極と圧電体層との間に、他の構成要素を含むものを除外しない。
(実施形態1)
(超音波センサー用圧電デバイス)
図1は、本発明の実施形態1にかかる超音波センサーを搭載した超音波センサー用圧電デバイスの構成例を示す断面図である。本実施形態では、超音波センサー用圧電デバイスとして超音波プローブを例示して説明する。図示するように、超音波プローブIは、CAV面型の超音波センサー1と、超音波センサー1に接続されたフレキシブルプリント基板(FPC基板2)と、図示しない装置端末から引き出されたケーブル3と、FPC基板2及びケーブル3を中継ぎする中継基板4と、超音波センサー1、FPC基板2及び中継基板4を保護する筐体5と、筐体5及び超音波センサー1の間に充填された耐水性樹脂6とを具備して構成されている。また、詳細は後述するが、超音波センサー1は、超音波素子10、音響整合層30、レンズ部材31及び包囲板40を含んで構成されている。なお、超音波プローブIは、上記の構成に限定されず、必要に応じて他の要素を含んで構成されてもよい。
超音波プローブIに搭載された超音波センサー1は、送受信一体型に構成されている。この超音波センサー1では、超音波センサー1の繰り返し発信周期に応じ、送信超音波が、音響整合層30及びレンズ部材31を通じて送信される。送信超音波が所定の間隔で送信されるなかで、測定対象物から反射された反射超音波が、音響整合層30及びレンズ部材31を通って受信される。これらの送信超音波や反射超音波の波形信号に基づき、超音波プローブIの装置端末において、測定対象物に関する情報(位置や形状等)が検出される。
このような超音波センサー1によれば、後述のように、送受信感度のばらつきを抑制し、受信感度の向上化を図ることができる。従って、超音波プローブIに超音波センサー1を搭載することで、検出感度に優れた超音波センサー用圧電デバイスとなる。超音波センサー1は、送受信一体型に限定されず、送信専用型や受信専用型等にも適用できる。超音波センサー1を搭載可能な超音波センサー用圧電デバイスは、超音波プローブIに限定されない。
また、超音波センサー1は、詳細は後述するが、振動板50の圧電素子17とは反対側が超音波の通過領域となる型(CAV面型)に限定されず、振動板50の圧電素子17側が超音波の通過領域となる型(ACT面型)にも適用できる。CAV面型の超音波センサー1は、ACT面側の超音波センサーと比べて、測定対象物に対して超音波素子10を構成する圧電素子17が離れた位置にある。従って、外部からの水分が圧電素子17に極めて到達し難い構成となり、使用時の電気的安全性に優れる超音波センサー1となる。しかも、圧電素子17が薄膜である場合、製造時のハンドリング性も向上させることができるので、超音波センサー1の取り扱いが容易となる。なお、圧電素子17の詳細については、後述する。
(超音波センサー)
図2は、超音波センサーの分解斜視図である。図1及び図2に示すように、超音波センサー1は、超音波素子10、音響整合層30、レンズ部材31及び包囲板40を含んで構成されている。図2において、包囲板40と支持部材41とは別体に示されているが、実際には、図1に示すように、両者は一体的に構成されている。なお、超音波センサー1は、上記の構成に限定されず、他の要素を含んで構成されてもよい。また、支持部材41の詳細については、後述する。
超音波センサー1がCAV面型に構成されていることから、音響整合層30は、空間20内に設けられている。音響整合能を有する樹脂等が基板11の空間20内等に充填されて音響整合層30を構成することで、超音波素子10及び測定対象物の間で音響インピーダンスが急激に変化することを防止でき、その結果、超音波の伝播効率の低下を防止することができる。音響整合層30は、例えば、シリコーンオイル、シリコーン樹脂又はシリコーンゴムから構成できるが、前記の例に限定されず、超音波センサー1の用途等に応じた材料を適宜選択して用いることができる。なお、基板11及び空間20の詳細については、後述する。
レンズ部材31は、基板11上の振動板50とは反対側に設けられている。レンズ部材31は、超音波を収束させる役割を有している。超音波を電子フォーカス法で収束させる場合等には、レンズ部材31は省略可能である。また、レンズ部材31は、超音波の収束機能を有しない保護板等に代替させることも可能である。本実施形態では、上記の音響整合層30が、レンズ部材31と基板11との接着機能も有している。レンズ部材31と基板11との間に音響整合層30を介在させ、超音波センサー1が構成されている。なお、振動板50の詳細については、後述する。
包囲板40は、振動板50の第2面50b側に設けられている。包囲板40の中央には凹部(圧電素子保持部32)が形成され、この圧電素子保持部32の周囲は、包囲板40の縁部40a及び面40bで囲われている。圧電素子保持部32によって、超音波素子10の周囲の領域(超音波素子10の上面及び側面を含む領域)が覆われる。従って、超音波素子10の上面は包囲板40の面40bで覆われ、側面は縁部40aで覆われることになる。
圧電素子保持部32のZ方向の長さは約80μmであるが、前記の値に限定されない。圧電素子保持部32の長さは、超音波素子10の駆動を阻害しない程度のスペースが確保される値であればよい。また、圧電素子保持部32は、空気で満たされていてもよく、樹脂で満たされていてもよい。
包囲板40は、縁部40a及び後述する支持部材41を介して、振動板50と接着又は接合されている。包囲板40の接着又は接合には、接着剤等を用いることができるが、前記の例に限定されない。包囲板40の厚さは約400μmであるが、前記の値に限定されない。
超音波センサー1には、包囲板40の面40bと振動板50の第2面50bとの間、且つ、超音波素子10と重ならない位置に、支持部材41が設けられており、この支持部材41により振動板50を支持できる。このため、例えば、レンズ部材31を超音波素子10に実装する際や、超音波素子10とレンズ部材31の密着性を確保する際に、レンズ部材31を音響整合層30側に押圧することがある。レンズ部材31を具備していない場合や、レンズ部材31の代わりに他の部材を設けた場合にも、各部材の密着性を確保するため、音響整合層30側から振動板50に押圧力を付すこともある。超音波センサー1では、支持部材41を具備して構成されているため、上記の通り、所定の外圧が振動板50に加わったとしても、構造歪みが生じることを抑制でき、高い信頼性を確保できる。
また、支持部材41が超音波素子10と重ならない位置に設けられているため、圧電素子17が支持部材41によって過度に拘束されることが回避される。よって、支持部材41を設けていない場合と比べて、超音波の送信効率や受信効率が過度に低下することも防止される。
ここで、超音波素子10と重ならない位置とは、超音波素子10をZ方向から見たとき、後述する能動部(超音波素子10を構成する第1電極14と第2電極16とで挟まれた部分(図5等参照))に重ならない位置である。特に、超音波センサー1では、後述する隔壁19よりも狭い幅を有している支持部材41が、X方向に沿って整列する超音波素子10間に設けられている。つまり、超音波センサー1では、超音波素子10をZ方向から見たとき、支持部材41が、後述する可動部(振動板50の第2面50b側のうち空間20に対応する部分)にすら重なっていない。このため、支持部材41を設けていない場合と比べ、超音波送信効率や受信効率が過度に低下することが確実に防止される。支持部材41は、接着剤等により超音波素子10側に接着又は接合されているが、この手法は前の例に限定されない。
支持部材41は、Y方向に沿って延びる梁形状を有している。これによれば、Y方向に亘る広い範囲で振動板50を支持できる。梁形状の支持部材41は、Y方向ではなく、X方向に沿って延在していてもよい。梁形状の支持部材41は、延在する片方の端部が包囲板40の縁部40aから離れていてもよい。延在方向の少なくとも片方の端部が包囲板40の縁部40aに接していれば、本発明の梁形状の支持部材41に含まれる。
勿論、支持部材41は、梁形状を有していなくてもよい。支持部材41は、延在方向に直線状でなくてもよい。支持部材41の作製手法によっては、支持部材41のXY平面の断面積がZ方向に応じて異なる態様となる場合があるものの、かかる態様も、振動板50を支持できる限り、本発明の支持部材41に含まれる。
圧電素子保持部32の中心部分は、包囲板40の縁部40aから比較的離れている。従って、振動板50において、圧電素子保持部32の中心部分に対応する中心箇所Cでは、支持部材41がない場合に剛性が低くなりやすい。そこで、支持部材41は、そのような振動板50の中心箇所Cを支持するように、圧電素子保持部32の中心部分に設けられている。これにより、より高い信頼性を確保できる。
超音波センサー1において、支持部材41の数、配置、形状等は種々に選択が可能である。例えば、支持部材41は複数であってもよい。その場合、支持部材41は、圧電素子保持部32内に、等間隔に設けられることが好ましい。これによれば、振動板50を万遍なく支持できる。従って、振動板50の数は、3つ以上の奇数であることが好ましい。これは、圧電素子保持部32内に支持部材41を等間隔に設けたとき、その真ん中の支持部材41が、振動板50の中心箇所Cの近傍に位置し得るためである。例えば、支持部材41の数は、3つ程度であるとバランスがよい。勿論、支持部材41は、振動板50の中心箇所Cからずれた部分のみに設けられてもよい。
梁形状の支持部材41は、包囲板40をウェットエッチングすることで作製されたものである。このように、支持部材41は、包囲板40の構成材料を活かして作製されており、包囲板40と同一の構成を有している。ウェットエッチングは、例えばドライエッチングに比べ、短時間で多くの領域を削ることができるため、梁形状の支持部材41を作製するのには好適な手法である。
超音波素子10は、基板11、振動板50及び圧電素子17を含んで構成されている。なお、超音波素子10は、上記の構成に限定されず、他の要素を含んで構成されてもよい。
基板11には、複数の隔壁19が形成されている。この複数の隔壁19により、X方向及びY方向に沿って、複数の空間20(キャビティ)が区画されている。空間20は、Z方向に基板11を貫通するように形成されている。つまり、基板11には、その振動板50側に開口した開口部18が形成されている。開口部18(空間20)は、二次元状、即ち、X方向に複数且つY方向に複数形成されている。開口部18(空間20)の配列や形状は、種々に変形が可能である。例えば、開口部18(空間20)は、一次元状、即ち、X方向及びY方向の何れか一方の方向に沿って複数形成されてもよい。また、開口部18(空間20)は、超音波素子10をZ方向から見たときに、正方形状(X方向とY方向との長さの比が1:1)に形成されてもよいし、長方形状(X方向とY方向との長さの比が1:1以外)に形成されてもよい。
基板11は、例えばシリコン(Si)単結晶基板を用いることができるが、これに限定されるものではない。例えば、SOI基板やガラス基板等を用いてもよい。
振動板50は、開口部18(空間20)を塞ぐように基板11上に設けられており、基板11上に形成された弾性膜12と、弾性膜12上に形成された絶縁体膜13とによって構成されている。以降、振動板50の基板11側の面を第1面50aと称し、第1面50aに対向する面を第2面50bと称する。振動板50は、この場合、弾性膜12によって第1面50aが構成され、絶縁体膜13によって第2面50bが構成される。
本実施形態では、二酸化シリコン(SiO)等からなる弾性膜12と、酸化ジルコニウム(ZrO)等からなる絶縁体膜13とで振動板50を構成したが、これに限定されるものではない。例えば、弾性膜12又は絶縁体膜13の何れか一方でもよく、又は他の膜としてもよい。或いは、振動板50を設けずに、後述する第1電極14のみが振動板として機能するようにしてもよい。基板11上に第1電極14を直接設ける場合には、第1電極14を絶縁性の保護膜等で保護することが好ましい。また、弾性膜12は、基板11と別部材でなくてもよい。基板11の一部を薄く加工し、これを弾性膜12として使用してもよい。
ここで、振動板50の第2面50b側のうち、空間20に対応する部分を可動部と称する。可動部は、圧電素子17の変位によって振動が生じる部分である。例えば、圧電素子17に電圧を印加したとき、可動部に振動が生じる。この振動によって空間20内の媒質である音響整合層30に圧力変動が生じ、この圧力変動に応じて超音波センサー1から送信超音波が送信され、或いは、受信超音波が受信される。
振動板50は、空間20に対応する領域(可動部)が、圧電素子17に電圧を印加していない状態で、空間20とは反対側に凸(即ち上凸)となる撓みを有している。かかる撓みを有する振動板50となるように、超音波センサー1、特に圧電素子17が構成されている。本明細書において、空間20とは反対側(+Z方向側)に凸であることは「上凸」で表される。また、空間20側(−Z方向側)に凸であることは「下凸」で表される。超音波センサー1の型によって圧電素子17近傍の構成が異なるが、振動板50の空間20に対向する側に圧電素子17が設けられている超音波センサー1であれば、何れの型でも、上記のように「上凸」及び「下凸」と解釈される。
図3は、超音波センサーの構成例を示す平面図であり、図4は、図3の拡大平面図であり、図5は、図3のA−A′線断面図であり、図6は、B−B′線断面図であり、図7は、C−C′線断面図である。なお、これらの各図においては、開口部18(空間20)がZ方向から見たときに長方形状(X方向とY方向との長さの比が1:2)に形成された超音波センサー1を例示した。また、以降に示す図8〜図20についても同様の形状の超音波センサー1とする。
図示するように、圧電素子17は、弾性膜12及び絶縁体膜13からなる振動板50上に設けられており、振動板50の開口部18(空間20)に対向する位置に設けられている。圧電素子17は、第1電極14、圧電体層15及び第2電極16を含んで構成されている。この圧電素子17に対応する領域には開口部18(空間20)が形成され、これは隔壁19により区切られている。圧電素子17のうち、第1電極14と第2電極16とがZ方向で重なった部分を能動部と称する。能動部は、選択された第1電極14と第2電極16による電圧の印加により駆動される領域であり、上述した可動部内に存在する。
圧電素子17は、第1電極14と圧電体層15と第2電極16とを含む部分であり、圧電素子17をZ方向から見たとき、開口部18の内側の領域にある。即ち、圧電素子17のX方向及びY方向は、何れも開口部18より短い。ただし、圧電素子17のX方向が開口部18より長い場合や、圧電素子17のY方向が開口部18より長い場合も、本発明に含まれる。
図示しないものの、圧電素子17と振動板50との間に、他の層が設けられてもよい。例えば、圧電素子17と振動板50との間に、密着性を向上させるための密着層が設けられてもよい。このような密着層は、例えば、酸化チタン(TiO)層、チタン(Ti)層、窒化シリコン(SiN)層等から構成できる。
ここで、本実施形態では、圧電素子17と、弾性膜12及び絶縁体膜13からなる振動板50とを合わせてアクチュエーター装置と称する。このアクチュエーター装置では、圧電素子17を構成する第1電極14及び第2電極16が、図示しない駆動回路に電気的に接続されており、この駆動回路から第1電極14及び第2電極16に電気信号(駆動信号)が入力されることで、圧電素子17に電圧が印加され、圧電体層15に分極が生じて圧電素子17及び振動板50が変位する。また、圧電素子17が変位すると、圧電体層15に分極が生じて表面電荷が発生する。表面電荷は、駆動回路にて電圧として検出される。
圧電素子17は、超音波の送信のみに最適化して構成されていてもよく、超音波の受信のみに最適化して構成されていてもよく、超音波の送信及び受信の両方に最適化して構成されていてもよい。超音波センサー1は、送受信一体型に構成されているが、圧電素子17は、送信専用型、受信専用型、送受信一体型等の何れの型にも適用でき、CAV型、AVT型、送信専用型、受信専用型、送受信一体型等に応じて、高い検出感度を有するように設計することが可能である。
圧電素子17を構成する圧電体層15は、空間20(開口部18)毎にパターニングして構成されている。この圧電体層15は、電気機械変換能力を有しており、厚さが3μm以下、好ましくは0.3μm以上1.5μm以下の薄膜である。ただし、この膜厚に限定されない。
圧電体層15は、電気機械変換能力を有していればよく、必要に応じて構成材料を適宜選定することができる。圧電体層15は、代表的にはチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系のペロブスカイト構造を有する複合酸化物(ペロブスカイト型複合酸化物)を用いることができる。これによれば、圧電素子17の変位量を確保しやすくなる。また、この他に、鉛(Pb)、マグネシウム(Mg)、ニオブ(Nb)及びTiを含むPMN−PT系やPMN−PZT系の多成分系の複合酸化物等も適用できる。
また、圧電体層15は、鉛を含まない非鉛系材料、例えば、ビスマス(Bi)及び鉄(Fe)を含むBFO系の複合酸化物、Bi、バリウム(Ba)、Fe及びTiを含むBF−BT系の複合酸化物、Bi、Fe、マンガン(Mn)、Ba及びTiを含むBFM−BT系の複合酸化物、カリウム(K)、ナトリウム(Na)及びNbを含むKNN系の複合酸化物等のペロブスカイト型複合酸化物を用いることもできる。これによれば、環境への負荷が少ない非鉛系材料を用いて超音波素子10を実現できる。
なお、圧電体層15は、前記の例に制限されず、他の元素を含んで構成してもよく、例えば、Mnを更に含むことが好ましい。これによれば、リーク電流を抑制しやすくなり、例えば非鉛系材料として信頼性の高い超音波素子10を実現できる。このような他の元素を含む圧電体層15である場合も、複合酸化物がペロブスカイト構造を有するように構成されることが好ましい。
ペロブスカイト型複合酸化物は、例えば、一般式ABOで示される。この場合、Aサイトは酸素(O)原子が12配位しており、BサイトはO原子が6配位して8面体(オクタヘドロン)をつくっている。なお、ペロブスカイト型複合酸化物がペロブスカイト構造を取り得る限りにおいて、格子不整合、酸素欠損・過剰等による不可避な化学量論の組成のずれは勿論のこと、元素の一部置換等も許容され、これらは本実施形態のペロブスカイト型複合酸化物に含まれる。
例えば、BF−BT系の複合酸化物は、その組成式は(Bi、Ba)(Fe、Ti)Oとして表され、AサイトにBi及びBaが、BサイトにFe及びTiが位置している。代表的な組成としては、鉄酸ビスマスとチタン酸バリウムとの混晶として表される。かかる混晶は、X線回折パターンで、鉄酸ビスマスやチタン酸バリウムが単独では検出できないものをいう。ただし、特に断りが無い限り、BF−BT系の複合酸化物は、混晶の組成から外れる組成も含むものである。
また、BF−BT系の複合酸化物は、そのAサイトのBiをリチウム(Li)、サマリウム(Sm)、セリウム(Ce)等で置換するようにしてもよく、BサイトのFeをアルミニウム(Al)、コバルト(Co)等で置換するようにしてもよい。これによれば、各種特性を向上させて構成や機能の多様化を図りやすくなる。
次に、超音波センサー1の各電極の配置について説明する。通常、超音波センサーでは、超音波素子をX方向及びこれに直交するY方向に、二次元的に並設しており、X方向をスキャン方向、Y方向をスライス方向とする。本実施形態の構成例では、スライス方向であるY方向に、16個の超音波素子10が並設され、スキャン方向であるX方向に、64個の超音波素子10が並設されているが、図3及び図4には、それぞれその一部のみを示している。このような超音波センサー1では、スキャン方向(X方向)にスキャンしながら、スライス方向(Y方向)に延びる列毎に駆動、即ち、超音波の送信及び受信を行うことにより、スライス方向のセンシング情報を、スキャン方向に連続して取得することができる。
また、通常、圧電素子を駆動する場合、何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極を個別電極とする。しかしながら、本実施形態では、Y方向を一列とし、X方向に3列ずつ配置された超音波素子10毎にグループ化され、当該グループ毎に駆動して、X方向にスキャンすることが行われるので、何れか一方が共通電極で他方が個別電極という区別は現実的ではない。何れにしても、超音波素子10を二次元的に並列させた態様とする場合には、圧電素子17を構成する第1電極14を一方向に亘るように設け、第2電極16を前記一方向に直交する方向に亘るように設け、共通化された共通電極と信号電極との間に電圧を印加することにより、グループ毎に圧電素子17を駆動することが一般的に行われる。
本実施形態では、第1電極14は、Y方向に延びた列が3列毎に束ねられて共通化されている。これを仮に1チャンネルと呼び、このチャンネルはX方向に亘って複数設けられている。つまり、第1電極14は、3列毎に共通化され、3列1チャンネル毎に駆動可能となっている。本実施形態では、共通化された電極を共通電極(コモン電極(COM)とも呼ばれる)と呼称し、グループ毎に共通化された電極を信号電極(シグナル電極(SIG)とも呼ばれる)と呼称する。
一方、第2電極16は、X方向に沿って一列に連続して設けられ、Y方向に沿って複数列設けられている。このような構成においては、第2電極16を1列毎に共通化して、1チャンネル内の全ての圧電素子17を同時に駆動し、順次各チャンネルを駆動すると、X方向に沿った1次元のデータが取得できる。また、第2電極16を1列毎又は複数列毎に共通化し、1チャンネル内の圧電素子17をグループ毎に順次駆動し、順次各チャンネルを駆動すると、XY方向の二次元データが取得できる。
超音波センサー1では、X方向又はY方向の一方端又は両端に、図示しない外部接続端子を具備することになるが、この外部接続端子から距離が離れるにしたがって、各電極及び後述する各バイパス配線のインピーダンスが増大することになる。そこで、本実施形態では、各電極及び各バイパス配線の配置を工夫することで、高周波帯における電圧降下を効率的に抑制して、インピーダンスの増加を抑制した。以下、詳細を説明する。
第2電極16は、グループ毎にX方向に連続し、各グループのX方向の一方側(図3中の−X方向側)でY方向に延びる第1共通バイパス配線21a(第1バイパス配線)に接続され、更に、グループ毎に設けられた第1共通バイパス配線21aがY方向の両端で、X方向に延設される第2共通バイパス配線21b(共通配線)に接続されている。即ち、第2電極16は、共通電極となる。
一方、信号電極となる第1電極14は、Y方向に連続して延設され、グループ毎に共通化されている。具体的には、第1電極14のY方向の両端を連結する第1信号バイパス配線22a(第2バイパス配線)がX方向に亘ってグループ毎に設けられ、第1信号バイパス配線22aに外部入力するための端子部23が設けられている。また、各列の第1電極14のY方向の中央でのインピーダンスの増大を防止するために、Y方向の両側に設けられて第1信号バイパス配線22aを連結する第2信号バイパス配線22b(第3バイパス配線)が、各グループのX方向の他方側(図3中の+X方向側)に設けられている。更に、各超音波素子10間であって開口部18(空間20)を跨がない領域において、Y方向に延びる第1電極14と、第2信号バイパス配線22bとを連結する第3信号バイパス配線22c(第4バイパス配線)が設けられている。
超音波センサー1では、X方向に延びる第2電極16を各グループのX方向の一方側で共通化するバイパス電極(図3中の第1共通バイパス配線21a)を設け、これにより、各グループ内の第2電極16を、櫛歯状に設けている。一方、Y方向に延びる第1電極14については、各グループのX方向の他方側で、Y方向でのインピーダンスの増大を防止する櫛歯状で、同じく櫛歯状の第2電極16と噛み合うように配置されたバイパス電極(図3中の第3信号バイパス配線22c)を設け、この櫛歯状の第3信号バイパス配線22cが、第2信号バイパス配線22bで連結されているので、各バイパス配線の配置の効率化を図りつつ、Y方向の中央でのインピーダンスの増大を防止することができる。
なお、本実施形態では、第1電極14を信号電極とし、第2電極16を共通電極とする構成としたが、第2電極16が信号電極、第1電極14が共通電極となるように、それぞれ配置して超音波センサー1を構成してもよい。
上述の各バイパス配線は、後述するように、第2電極16のパターニングの後に、第1電極14又は第2電極16とは異なる材質で形成されたものである。つまり、各バイパス配線と、第1電極14又は第2電極16とが重畳している領域では、各バイパス配線が、第1電極14又は第2電極16より上方に設けられている。
具体的に、本実施形態では、第1共通バイパス配線21a及び第2共通バイパス配線21bの下層に、第2電極16と同一パターンの導電層が連続して延設され、この上に、図示しないニクロム等の下地層を介して金(Au)からなるAu層(各バイパス配線)が設けられている。なお、第2電極16と同一パターンの導電層の下層には、更に第1電極14と同一パターンの導電層を、第1電極14とは接続しない状態で配置してもよい。
一方、第1信号バイパス配線22a、第2信号バイパス配線22b及び第3信号バイパス配線22cの下層には、第1電極14と同一パターンの導電層が設けられ、この上に、図示しない上記の下地層を介してAu層が設けられている。なお、第1電極14と同一パターンの導電層の上層には、更に第2電極16と同一パターンの導電層を、第2電極16とは接続しない状態で配置してもよい。
各バイパス配線は、後述する第1電極14や第2電極16とは異なる材料、例えば、電気抵抗率が小さい材料を用いるのが好ましく、Au、銀(Ag)、銅(Cu)、Al等を挙げることができる。ここで、各電極と異なる材料とは、構成する主成分(成分中の50%以上を占める成分)が異なることを意味する。本実施形態では、Auを用いた。なお、Auからなる各バイパス配線を形成する場合には、下地として上記の下地層を形成するが、後述する製造方法の説明では、下地層の説明は省略する。また、第1共通バイパス配線21a及び第2共通バイパス配線21bは、単層である必要はなく、二層以上の積層膜であってもよく、積層の場合には、全体の電気抵抗値が第2電極16より小さくなるように形成するのが好ましい。また、同様に、第1信号バイパス配線22a、第2信号バイパス配線22b及び第3信号バイパス配線22cは、単層である必要はなく、二層以上の積層膜であってもよく、積層の場合には、全体の電気抵抗値が第1電極14より小さくなるように形成するのが好ましい。
一般に、超音波素子の薄膜製造プロセスで、各電極及び各バイパス配線を同時に形成するものでは、自由な膜厚の各バイパス配線を形成することができず、配線幅も自由にはならない。これは、上層をパターニングする際の下層の薄膜化等のプロセス上の問題もあり、小さなインピーダンスの配線を形成できないからである。そこで、本実施形態では、詳細は後述するが、各バイパス配線を、超音波素子10の薄膜製造プロセスとは別工程で製造することにより、製造による歩留まりを向上させ、第1電極14や第2電極16とは異なる材料で且つ断面積で形成した。
圧電素子17を構成する第1電極14や第2電極16は、導電性を有するものであれば制限されず、例えば、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、Au、Al、Cu、Ti、Ag、ステンレス鋼等の金属材料、酸化インジウムスズ(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)等の酸化スズ系導電材料、酸化亜鉛系導電材料、ルテニウム酸ストロンチウム(SrRuO)、ニッケル酸ランタン(LaNiO)、元素ドープチタン酸ストロンチウム等の酸化物導電材料、導電性ポリマー等を用いることができる。ただし、前記の材料に制限されない。
(超音波センサーの制御系及び駆動方法)
図1の超音波プローブIは、駆動回路(不図示)に電気的に接続されてなる超音波センサー1と、超音波センサー1の駆動を制御する制御装置(不図示)とを含んで構成されている。制御装置は、例えば、外部インターフェース(外部I/F)、各種データを一時的に記憶するRAM、制御プログラム等を記憶したROM、CPU等を含む制御部、クロック信号を発生する発振回路、超音波センサー1へ供給するための駆動信号を発生する駆動信号形成回路、この駆動信号形成回路で使用するための電源を生成する電源生成部と、クロック信号や駆動信号等を駆動回路に送信する内部インターフェース(内部I/F)等を含んで構成されている。このうち、電源生成部は、駆動信号形成回路に対し、駆動電源を供給する。そして、駆動信号形成回路は、電源生成部が生成した駆動電源に基づいて駆動信号を生成する。また、超音波センサー1の駆動回路には、接続配線を介して、各部からCOM信号や駆動波形、更に、所定のセンサー制御信号(クロック信号(CLK)、ラッチ信号(LAT)、チェンジ信号(CH)、画素データ(SI)、設定データ(SP)等)等が入力される。更に、制御装置は、公知の構成からなるマイクロコンピューターを中心に構成されている。制御装置の各部の動作は、具体的には、マイクロコンピューターによるプログラムの実行によって実現される。上記の制御装置を具備することで、本実施形態に係る圧電素子17の駆動方法を実現できる超音波センサー1(超音波センサー用圧電デバイス)が提供される。
超音波センサー1は、上述した駆動回路から第1電極14及び第2電極16の何れか一方にCOM信号が、他方に所定の駆動波形(入力波形)がそれぞれ入力されることで、圧電素子17に電圧が印加され、圧電体層15に分極が生じて圧電素子17及び振動板50が変位して、超音波の送受信が行われる。ここで、所定の駆動波形とは、COM信号が入力される電極に対して他方の電極に印加される電位状態を示す波形であり、圧電素子17を基準となる状態(基準電位)から変位(又は変形)させた後、再び基準となる状態に戻すように圧電素子17を駆動する、一連の駆動電圧の変化を示す波形の単位である。圧電素子17を基準となる状態から変位(又は変形)させた後、再び基準となる状態へ戻すための駆動は、第1電極14と第2電極16との間に印加される電圧(即ち、圧電体層15に印加される電圧)を変化させる一連の工程によって実施される。
(超音波センサーの製造方法)
次に、超音波センサー1の製造方法について説明する。図8〜図16は、超音波センサーの製造方法の一例を示すA−A′線断面図又はB−B′線断面図である。なお、各A−A′線断面図においては、図3のA−A′線断面における製造工程を示し、各B−B′線断面図においては、図3のB−B′線断面における製造工程を示している。
まず、図8に示すように、基板11としてシリコン基板を準備する。次に、基板11を熱酸化することによって、その表面に二酸化シリコン(SiO)からなる弾性膜12を形成する。更に、弾性膜12上にスパッタリング法や蒸着法等でジルコニウム膜を形成し、これを熱酸化することによって、酸化ジルコニウム(ZrO)からなる絶縁体膜13を得る。このようにして、基板11上に、弾性膜12と絶縁体膜13とからなる振動板50を形成する。
次に、図9及び図10に示すように、振動板50の絶縁体膜13上に第1電極14を形成する。第1電極14は、例えばスパッタリング法、真空蒸着法(PVD法)、レーザーアブレーション法等の気相法、スピンコート法等の液相法等により形成することができる。次に、第1電極14をパターニングする。第1電極14のパターニングは、例えば、反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)、イオンミリング等のドライエッチングや、エッチング液を用いたウェットエッチングにより行うことができる。なお、第1電極14のパターニングにおける形状は、特に限定されない。
次に、図11及び図12に示すように、圧電体層15を形成する。圧電体層15の形成方法は限定されない。例えば、金属錯体を含む溶液(前駆体溶液)を塗布乾燥し、更に高温で焼成することで金属酸化物を得るMOD(Metal−Organic Decomposition)法や、ゾル−ゲル法等の化学溶液法(湿式法)を用いることができる。その他、レーザーアブレーション法、スパッタリング法、パルス・レーザー・デポジション法(PLD法)、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、エアロゾル・デポジション法等、気相法、液相法、又は固相法により圧電体層15を製造することができる。
例えば、湿式法によって形成された圧電体層15は、詳細は後述するが、前駆体溶液を塗布して前駆体膜を形成する工程(塗布工程)、前駆体膜を乾燥する工程(乾燥工程)、乾燥した前駆体膜を加熱して脱脂する工程(脱脂工程)、及び、脱脂した前駆体膜を焼成する工程(焼成工程)までの一連の工程によって形成された圧電体膜(不図示)を複数有する。即ち、圧電体層15は、塗布工程から焼成工程までの一連の工程を複数回繰り返すことによって形成される。なお、上述した一連の工程において、塗布工程から脱脂工程までを複数回繰り返した後に、焼成工程を実施してもよい。
湿式法によって形成された層や膜は、界面を有する。湿式法によって形成された層や膜には、塗布又は焼成の形跡が残り、このような形跡は、その断面を観察したり、層内(又は膜内)における元素の濃度分布を解析したりすることによって確認可能な「界面」となる。「界面」とは、厳密には層間又は膜間の境界を意味するが、ここでは、層又は膜の境界付近を意味するものとする。湿式法によって形成された層や膜の断面を観察した場合、このような界面は、隣の層や膜との境界付近に、他よりも色が濃い部分、又は他よりも色が薄い部分として確認される。また、元素の濃度分布を解析した場合、このような界面は、隣の層や膜との境界付近に、他よりも元素の濃度が高い部分、又は他よりも元素の濃度が低い部分として確認される。圧電体層15は、塗布工程から焼成工程までの一連の工程を複数繰り返して、或いは、塗布工程から脱脂工程までを複数回繰り返した後に焼成工程を実施して形成される(複数の圧電体膜によって構成される)ため、各圧電体膜に対応して、複数の界面を有することとなる。
圧電体層15を湿式法で形成する場合の具体的な手順の例は、次の通りである。まず、金属錯体を含むMOD溶液やゾルからなり、圧電体層15を形成するための前駆体溶液を調整する(調整工程)。そして、この前駆体溶液を、パターニングした第1電極14上に、スピンコート法等を用いて塗布して前駆体膜を形成する(塗布工程)。次に、この前駆体膜を所定温度、例えば130℃〜250℃程度に加熱して一定時間乾燥させ(乾燥工程)、更に乾燥した前駆体膜を所定温度、例えば300℃〜450℃程度に加熱して一定時間保持することによって脱脂する(脱脂工程)。更に、脱脂した前駆体膜をより高い温度、例えば650℃〜800℃程度に加熱し、この温度で一定時間保持することによって結晶化させ、圧電体膜を形成する(焼成工程)。そして、上記の塗布工程、乾燥工程、脱脂工程及び焼成工程を複数回繰り返すことにより、複数層の圧電体膜からなる圧電体層15を形成する。
なお、上述の前駆体溶液は、焼成により、上述したペロブスカイト型複合酸化物を形成し得る金属錯体を、それぞれ有機溶媒に溶解又は分散させたものである。つまり、前駆体溶液は、金属錯体の中心金属として、上述したペロブスカイト型複合酸化物を形成し得る各元素を含むものである。このとき、前駆体溶液中に、上記元素以外の元素を含む金属錯体、例えば、Mn、Li、Ba、Ca、Sr、Zr、Ti、Ta、Sb、Fe、Co、Ag、Mg、Zn、Cu、La、Sm、Ce、Al等の添加物を含む金属錯体を更に混合してもよい。
上記各元素を含む金属錯体としては、例えば、アルコキシド、有機酸塩、β−ジケトン錯体等を用いることができる。前駆体溶液において、これらの金属錯体の混合割合は、ペロブスカイト型複合酸化物に含まれる各金属元素が所望のモル比となるように混合すればよい。
前駆体溶液の作製に用いられる有機溶媒としては、例えば、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、オクタン、デカン、シクロヘキサン、キシレン、トルエン、テトラヒドロフラン、酢酸、オクチル酸、2−n−ブトキシエタノール、n−オクタン等、又はこれらの混合溶媒等が挙げられる。なお、前駆体溶液は、各金属錯体の分散を安定化する添加剤を含んでもよい。このような添加剤としては、2−エチルヘキサン酸等が挙げられる。
乾燥工程、脱脂工程及び焼成工程で用いられる加熱装置としては、例えば、赤外線ランプの照射により加熱するRTA(Rapid Thermal Annealing)装置、ホットプレート等が挙げられる。
次いで、複数の圧電体膜からなる圧電体層15をパターニングする。パターニングは、反応性イオンエッチングやイオンミリング等のドライエッチングや、エッチング液を用いたウェットエッチングによって行うことができる。なお、圧電体層15のパターニングにおける形状は、特に限定されない。
次に、図13及び図14に示すように、パターニングした圧電体層15上に第2電極16を形成する。第2電極16は、第1電極14と同様の方法により形成することができる。なお、第2電極16のパターニングにおける形状は、特に限定されない。本実施形態では、圧電体層15上に第2電極16を形成する前後で、必要に応じて600℃〜800℃程度の温度域で再加熱処理(ポストアニール)を行ってもよい。このように、ポストアニールを行うことで、圧電体層15と第1電極14や第2電極16との良好な界面を形成することができ、且つ圧電体層15の結晶性を改善することができる。
以上の工程によって、第1電極14と圧電体層15と第2電極16とを備えた圧電素子17が完成する。
次に、図15及び図16に示すように、パターニングした第2電極16上に、第1共通バイパス配線21a、第2共通バイパス配線21b、第1信号バイパス配線22a、第2信号バイパス配線22b及び第3信号バイパス配線22cの各バイパス配線を形成する。各バイパス配線は、第1電極14や第2電極16と同様の方法により形成することができる。本実施形態では、電極材料としてAuを用いた。各バイパス配線のパターニングにおける形状は、図3に示すように、超音波素子10のグループのX方向の一方側で、第2電極16と連結された複数の配線を連結する第1共通バイパス配線21aが配置され、更に、Y方向の両端で当該グループ毎に連結する第1信号バイパス配線22aと、当該グループのX方向の他方側に延設されて第1信号バイパス配線22aと連結する第2信号バイパス配線22bと、超音波素子10の間でX方向に延設されて第1電極14と第2信号バイパス配線22bとを接続する第3信号バイパス配線22cとが配置されたものとした。即ち、本実施形態のパターン形状によれば、第2電極16は、X方向の少なくとも一方側で複数の第2共通バイパス配線21bを連結する第1共通バイパス配線21aにより共通化され、第1電極14は、超音波素子10のグループ毎に独立した信号配線となる。
その後は、不要部分をダイシング等により切断・除去し、常法により、図1等に示す空間20、音響整合層30、包囲板40等を設け、超音波センサー1とする。なお、超音波センサー1の製造方法は、上記製法に限定されない。
(実施形態2)
図17は、実施形態2の超音波センサーの構成例を示す平面図である。図示するように、超音波センサー1Aは、図中の+Y方向側及び−Y方向側の端子部23Aのうち何れか一方(図中では+Y方向側)を形成しない片入れの構成であること以外は、実施形態1の超音波センサー1と同様の構成である。超音波センサー1Aは、端子部23Aが片入れの構成であっても、超音波センサー1と同様の性能を有しているが、一方の端子部23Aが形成されないので、その分の製造コストが低減される。なお、後述する実施形態3〜実施形態5の超音波センサーにおいても、信号電極が片入れの構成であってもよい。
(実施形態3)
図18は、実施形態3の超音波センサーの構成例を示す平面図である。図示するように、超音波センサー1Bは、各グループ間であって、第1共通バイパス配線21aBに隣接した領域に、Y方向に沿って配置された1列の超音波素子(以下、「ダミー素子100B」と称する)列が設けられた構成であること以外は、実施形態1の超音波センサー1と同様の構成である。ダミー素子100Bは、圧電体層15Bまでは形成されているが、第2電極は形成されていない構成である。ダミー素子100Bは、周囲のコンプライアンスを一定にするために設けられたものであり、チャンネル間の空間20B(開口部18B)の壁厚を、チャンネル内の空間20B(開口部18B)の壁厚と同一にすることができ、超音波素子10Bの均一性を向上させることができる。
(実施形態4)
図19は、実施形態4の超音波センサーの構成例を示す平面図である。図示するように、超音波センサー1Cは、各グループ間であって、第1共通バイパス配線21aCに隣接した領域に、Y方向に沿って配置された1列の空間(開口部、以下、「ダミーキャビティ200C」と称する)列が設けられ、第2信号バイパス配線22bCがダミーキャビティ200C列上に形成された構成であること以外は、実施形態1の超音波センサー1と同様の構成である。超音波センサー1Cは、ダミーキャビティ200Cを設けることにより、周囲のコンプライアンスを一定にすることができる。即ち、チャンネル間の空間20C(開口部18C)の壁厚を、チャンネル内の空間20C(開口部18C)の壁厚と同一にすることができ、超音波素子10Cの均一性を向上させることができる。なお、周囲のコンプライアンスを一定にするためには、少なくともダミーキャビティ200Cが設けられていればよく、素子構造を形成しなくてもよい。また、第1共通バイパス配線21aC及び第2共通バイパス配線21bC上に、ダミーキャビティ200Cを設けてもよい。
(実施形態5)
図20は、実施形態5の超音波センサーの構成例を示す平面図である。図示するように、超音波センサー1Dは、ACT面型に構成され、各グループ間であって、第1共通バイパス配線21aDに隣接した領域に、Y方向に沿って配置された1列の超音波素子(以下、「ダミー素子100D」と称する)列が設けられ、第2信号バイパス配線22bDがダミー素子100D列上に形成された構成であること以外は、実施形態1の超音波センサー1と同様の構成である。超音波センサー1Dは、ダミー素子100D列を設けることにより、周囲のコンプライアンスを一定にすることができる。即ち、チャンネル間の空間20D(開口部18D)の壁厚を、チャンネル内の空間20D(開口部18D)の壁厚と同一にすることができ、超音波素子10Dの均一性を向上させることができる。なお、第1共通バイパス配線21aD及び第2共通バイパス配線21bD上に、ダミーキャビティ200C(図19参照)を設けてもよい。
(サンプル1の作製)
基本的な構造は、上述した超音波センサー1と同様にしてサンプル1を作製した。具体的に、サンプル1は、電極の有効サイズを17μm×36μmとし、圧電体層15として厚さが1.2μmのPZT膜を形成し、比誘電率が1600で、静電容量Cが7.23pFである圧電素子17を有するものとした。また、サンプル1においては、各バイパス配線の材料としてAuを用い、これらのバイパス配線の厚さを3μmとした。
(サンプル2の作製)
基本的な構造は、上述した超音波センサー1Bと同様の構造であること以外はサンプル1と同様にして、サンプル2を作製した。
(インピーダンスと有効電界の周波数依存性)
作製したサンプル1を用いてインピーダンスと有効電界を測定し、これらの周波数に対する依存性について調べた。図21は、サンプル1(素子)のインピーダンスと有効電界の周波数依存性を示す図である。図示するように、周波数5MHzにおけるサンプル1のインピーダンスは4.4kΩであった。このサンプル1について、シート抵抗が5Ω/sq.で、幅17μm及び長さ2.5μmの配線構造とした場合、抵抗値は735Ωとなり、この圧電素子17にかかる有効電界は86%となった。このような条件において、サンプル1の周波数が1MHzであるとき有効電界は97%であるのに対し、周波数が15MHzであるとき有効電界は67%であった。なお、有効電界は、サンプル1のインピーダンス、シート抵抗及び配線長により変動するものである。
(超音波センサー構造による有効電界の比較)
作製したサンプル1及びサンプル2を用いて有効電界を測定し、両者を比較した。図22は、サンプル1及びサンプル2の有効電界比較結果を示す図である。サンプル2は、サンプル1と比較して、シート抵抗を0.035Ω/sq.まで下げることができ、図示するように、周波数が15MHzであるときに99.8%の有効電界を維持できることが明らかとなった。サンプル2は、圧電素子17B列のダミー素子100B列を1列追加した構造であるため、チャンネル間の空間20B(キャビティ)の壁厚をチャンネル内の壁厚と同じにすることができ、圧電素子17Bの均一性を向上することができた。
(他の実施形態)
上述した各実施形態では説明を省略したが、例えば、振動板の圧電素子とは反対側が、測定対象物に向けて発信される超音波や測定対象物から反射した超音波(エコー信号)の通過領域となる構成とすることができる。これによれば、振動板の圧電素子とは反対側の構成を簡素化させ、超音波等の良好な通過領域を確保できる。また、電極や配線等の電気的領域や各部材の接着固定領域を測定対象物から遠ざけて、これらと測定対象物との間での汚染や漏れ電流を防止しやすくなる。従って、汚染や漏れ電流を特に嫌う医療用の機器、例えば超音波診断装置、血圧計及び眼圧計にも好適に適用できる。
更に、圧電素子を含む領域を封止する封止板を基板に接合するのが好ましい。これによれば、圧電素子を物理的に保護でき、また超音波センサーの強度も増加するため、構造安定性を高めることができる。更に、圧電素子が薄膜として構成される場合には、その圧電素子を含む超音波センサーのハンドリング性も向上させることができる。
また、上述した各実施形態では、開口部は、圧電素子毎に形成した例を示したが、これに限定されず、複数の圧電素子に対応して開口部を形成してもよい。例えば、スキャン方向(X方向)に亘って並設される圧電素子の列に共通する開口部を設けてもよく、又は全体に1つの開口部としてもよい。なお、このような複数の圧電素子に対して共通する開口部を設けた場合には、圧電素子の振動状態が異なるようになるが、振動板の基板とは反対側から、各圧電素子の間を押さえ込む部材等を設けて、独立した開口部を設けた場合と同様な振動を行うようにしてもよい。
本発明の超音波センサーは、種々の圧力センサーとして用いることができる。例えば、プリンター等の液体噴射装置において、インクの圧力を検知するセンサーとしても適用できる。また、本発明の超音波センサーの構成は、超音波モーター、圧電トランス、振動式ダスト除去装置、圧力電気変換機、超音波発信機及び加速度センサー等に好適に応用できる。この種の超音波センサーの構成を利用して得られた完成体、例えば、上記の超音波センサーを搭載したロボット等も、超音波センサー用圧電デバイスに含まれる。
ここで、上述した超音波センサーを用いた超音波診断装置の一例について説明する。図23は超音波診断装置の一例の概略構成を示す斜視図、図24は超音波プローブを示す平面図である。
図23に示すように、超音波診断装置101は、装置端末102と超音波プローブ103とを備える。装置端末102と超音波プローブ103とはケーブル104で接続される。装置端末102と超音波プローブ103とはケーブル104を通じて電気信号をやり取りする。装置端末102にはディスプレイパネル(表示装置)105が組み込まれる。ディスプレイパネル105の画面は、装置端末102の表面に露出する。装置端末102では、超音波プローブ103の超音波センサー1(図24参照)から送信され、検出された超音波に基づき画像が生成される。画像化された検出結果は、ディスプレイパネル105の画面に表示される。
図24に示すように、超音波プローブ103は、筐体106を有する。筐体106内には、複数の超音波素子10(図2等参照)がX方向及びY方向の二次元に配列された超音波センサー1が収納される。超音波センサー1は、その表面が筐体106の表面に露出するように設けられる。超音波センサー1は、表面から超音波を出力すると共に、超音波の反射波を受信する。また、超音波プローブ103は、プローブ本体103aに着脱自在となるプローブヘッド103bを備えることができる。このとき、超音波センサー1は、プローブヘッド103bの筐体106内に組み込むことができる。
I,103…超音波プローブ、1,1A,1B,1C,1D…超音波センサー、2…FPC基板、3,104…ケーブル、4…中継基板、5,106…筐体、6…耐水性樹脂、10,10B,10C,10D…超音波素子、11…基板、12…弾性膜、13…絶縁体膜、14…第1電極、15,15B…圧電体層、16…第2電極、17,17B…圧電素子、18,18B,18C,18D…開口部、19…隔壁、20,20B,20C,20D…空間、21a,21aB,21aC,21aD…第1共通バイパス配線、21b,21bC,21bD…第2共通バイパス配線、22a…第1信号バイパス配線、22b,22bC,22bD…第2信号バイパス配線、22c…第3信号バイパス配線、23,23A…端子部、30…音響整合層、31…レンズ部材、32…圧電素子保持部、40…包囲板、40a…縁部、40b…面、41…支持部材、50…振動板、50a…第1面、50b…第2面、100B,100D…ダミー素子、101…超音波診断装置、102…装置端末、103a…プローブ本体、103b…プローブヘッド、105…ディスプレイパネル(表示装置)、200C…ダミーキャビティ

Claims (5)

  1. キャビティを有する基板上に、第1電極と圧電体層と第2電極とを備えた超音波素子を具備する超音波センサーであって、
    前記超音波素子は、第1方向及び第2方向に亘って複数配置され、前記第1方向に複数のグループに分割されており、
    前記第1電極及び前記第2電極の何れか一方の電極が、前記グループ毎に連続して前記第1方向に延設され、
    前記第1電極及び前記第2電極の何れか他方の電極が、前記第2方向に亘って連続して延設され、
    前記一方の電極は、前記グループの前記第1方向の一方側で複数の配線を連結する第1バイパス配線と連結され、
    前記他方の電極は、前記第2方向の両端で前記グループ毎に連結する第2バイパス配線と、前記グループの前記第1方向の他方側に延設されて前記第2バイパス配線と連結する第3バイパス配線と、前記超音波素子の間で前記第1方向に延設されて前記他方の電極と前記第3バイパス配線とを接続する第4バイパス配線とを具備することを特徴とする超音波センサー。
  2. 前記第2電極は、前記第1方向の少なくとも一方側で複数の前記第1バイパス配線を連結する共通配線により共通化され、
    前記第1電極は、前記グループ毎に独立した信号配線であることを特徴とする請求項1に記載の超音波センサー。
  3. 前記第1方向の両側及び前記グループの間には、前記第2方向に配置されたダミーキャビティが設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の超音波センサー。
  4. 少なくとも前記第1バイパス配線及び前記第3バイパス配線の何れか一方のバイパス配線が、前記ダミーキャビティ上に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の超音波センサー。
  5. 請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の超音波センサーを具備することを特徴とする超音波センサー用圧電デバイス。
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