JP2016102067A - オルガノキシシランの製造方法 - Google Patents

オルガノキシシランの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】クロロシランとアルコールとを尿素の存在下で反応させるにあたり、尿素及び尿素塩酸塩が溶解したアルコール溶液層を分離した後のアルコキシシラン層の蒸留において、混入した尿素及び尿素塩酸塩を昇華させずに、高品質なアルコキシシランを容易に製造する方法を提供。【解決手段】式(1)で示されるクロロシランと、式(2)で示されるアルコールとを尿素の存在下で反応させ、式(3)で示されるオルガノキシシランを製造する方法であって、上記反応により発生した塩化水素と、尿素の反応によって生じる尿素塩酸塩と、反応系中の尿素と、を反応系中のアルコールに溶解したアルコール溶液として系内から除去した後、得られるオルガノキシシラン層に金属アルコキシドを加えて蒸留するするオルガノキシシランの製造方法。(R1及びR2は1価炭化水素基;aは1〜3の整数;bは0〜2の整数;a+bは1〜3の整数;R3は1価炭化水素基)【選択図】なし

Description

本発明は、オルガノキシシランの製造方法に関する。
アルコキシシランの製造方法は、対応するクロロシランをトリエチルアミン、ピリジン等のアミンの存在下でアルコールと反応させ、発生する塩化水素をアミンが捕捉して生成するアミン塩酸塩とアルコキシシランを濾過により分離した後、蒸留を行い単離する方法(特許文献1:特開昭62−149686号公報、特許文献2:特開平03−066694号公報、非特許文献1:「シリコーンハンドブック」,日刊工業新聞社,伊藤邦雄著,p.48〜50)が一般的である。
しかしながら、上記の製法では、アルコキシシランに溶解性の低い結晶性のアミン塩酸塩が大量に生成・析出し、反応中の撹拌性が低下して反応効率の低下を招くおそれがある。反応中の撹拌性を保つためには大量の反応溶媒を使用する必要があるが、この場合は生産性が低下してコスト高になる。また、生成する大量のアミン塩酸塩の濾過には長時間を要するため、製造工程が煩雑になり、更には濾過残渣にアルコキシシランが吸着して収率が低下することも問題であった。
一方、トリエチルアミン、ピリジン等のアミンの代わりに尿素を使用する場合、発生する塩化水素を尿素が捕捉して生じる尿素塩酸塩は反応系中に存在するアルコールに溶解する。このアルコール溶液はアルコキシシランと相溶性の低い液状であるため、濾過を行うことなく分液操作により尿素塩酸塩を含むアルコール溶液層とアルコキシシラン層とを分離することが基本的には可能になり、より簡便な方法(特許文献3:特開平04−202196号公報)である。
特開昭62−149686号公報 特開平03−066694号公報 特開平04−202196号公報
「シリコーンハンドブック」,日刊工業新聞社,伊藤邦雄著,p.48〜50
しかしながら、上記の尿素を使用する方法では、アルコキシシラン層側にも僅かに尿素塩酸塩及び尿素が溶解しており、アルコール溶液層を分離した後のアルコキシシラン層中への尿素及び尿素塩酸塩の混入を完全に避けることはできず、蒸留時にアルコキシシラン層に混入した尿素及び尿素塩酸塩が昇華する。昇華した尿素及び尿素塩酸塩は、アルコキシシラン中に析出して液外観に濁りを生じさせる他に、アルコキシシラン中の全窒素原子含有量及び塩素イオン含有量を高くする要因になるため、アルコキシシランの加水分解性に影響を及ぼす等、得られるアルコキシシランの品質が低下する原因になる。また、昇華物が蓄積すると蒸留設備の閉塞を招く等、尿素塩酸塩含有アルコール溶液層を分離後のアルコキシシラン層を直接蒸留して高品質なアルコキシシランを単離することは困難であるという問題点があった。
このため、上記問題点を解決するため、クロロシランとアルコールとを尿素の存在下で反応させるにあたり、尿素及び尿素塩酸塩が溶解したアルコール溶液層を分離した後のアルコキシシラン層の蒸留において、アルコキシシラン層中に混入した尿素及び尿素塩酸塩を昇華させずに、高品質なアルコキシシランを容易に製造する方法が望まれていた。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、クロロシランとアルコールとを尿素の存在下で反応させるに際し、尿素及び尿素塩酸塩が溶解したアルコール溶液層を分離した後、アルコキシシラン等のオルガノキシシラン層の蒸留において、アルコキシシラン等のオルガノキシシラン層中に混入した残留尿素及び残留尿素塩酸塩を昇華させずに、高品質なアルコキシシラン等のオルガノキシシランを容易に製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、クロロシランとアルコールとを尿素の存在下で反応させた後、反応系中の尿素及び尿素塩酸塩を含むアルコール溶液層を分離した後、アルコキシシラン等のオルガノキシシラン層に金属アルコキシドを加えて蒸留することで、尿素及び尿素塩酸塩の昇華物を含まないアルコキシシラン等のオルガノキシシランが容易に製造可能であることを見出し、本発明をなすに至った。
通常、尿素塩酸塩と金属アルコキシドとの反応では、尿素塩酸塩は尿素に転換され、昇華性のある尿素としてアルコキシシラン等のオルガノキシシラン層中に残ると考えられるが、驚くべきことに、実際には蒸留時に尿素の昇華は起こらず、尿素及び尿素塩酸塩の昇華物を含まない高品質のアルコキシシラン等のオルガノキシシランが得られることが判明した。尿素塩酸塩から転換された尿素は、金属アルコキシドとの反応で、尿素の金属塩に転換されたと推定され、生成した尿素の金属塩には昇華性が無いと考えられるため、蒸留時における残留尿素及び残留尿素塩酸塩の昇華物の混入が抑制されたと考えられる。
従って、本発明は、下記のオルガノキシシランの製造方法を提供する。
[1]
下記一般式(1)
Figure 2016102067
(式中、R1は炭素数1〜20の非置換又は置換の1価炭化水素基であり、R2は炭素数1〜10の非置換又は置換の1価炭化水素基である。aは1〜3の整数、bは0〜2の整数、a+bは1〜3の整数である。aが2以上の場合、R1は各々同一又は異なっていてもよく、bが2の場合、R2は各々同一又は異なっていてもよい。)
で示されるクロロシランと、下記一般式(2)
Figure 2016102067
(式中、R3は炭素数1〜10の非置換又は置換の1価炭化水素基である。)
で示されるアルコールとを尿素の存在下で反応させ、下記一般式(3)
Figure 2016102067
(式中、R1は炭素数1〜20の非置換又は置換の1価炭化水素基であり、R2,R3は炭素数1〜10の非置換又は置換の1価炭化水素基である。aは1〜3の整数、bは0〜2の整数、a+bは1〜3の整数である。aが2以上の場合、R1は各々同一又は異なっていてもよく、bが2の場合、R2は各々同一又は異なっていてもよい。)
で示されるオルガノキシシランを製造する方法であって、上記反応により発生した塩化水素及び尿素の反応によって生じる尿素塩酸塩と反応系中の尿素とをこれらが反応系中のアルコールに溶解したアルコール溶液として系内から除去した後、得られるオルガノキシシラン層に金属アルコキシドを加えて蒸留することを特徴とするオルガノキシシランの製造方法。
[2]
オルガノキシシラン層中の窒素原子及び塩素イオンの総当量に対し、金属アルコキシドを1〜10倍当量の割合で加えて蒸留することを特徴とする[1]記載のオルガノキシシランの製造方法。
[3]
蒸留して得られる式(3)のオルガノキシシラン中、窒素原子含有量が10質量ppm以下であり、塩素イオン含有量が100質量ppm以下である[1]又は[2]記載のオルガノキシシランの製造方法。
[4]
尿素塩酸塩及び反応系中の尿素を含むアルコール溶液が、オルガノキシシラン層と分液可能である[1]〜[3]のいずれかに記載のオルガノキシシランの製造方法。
[5]
一般式(1)で示されるクロロシランのSi−Cl結合1モルに対して、一般式(2)で示されるアルコールを1〜50モル使用する[1]〜[4]のいずれかに記載のオルガノキシシランの製造方法。
本発明の製造方法を用いることにより、クロロシランとアルコールとを尿素の存在下で反応させるにあたり、尿素及び尿素塩酸塩が溶解したアルコール溶液を分離する一方、アルコキシシラン等のオルガノキシシラン層中に混入した残留尿素及び残留尿素塩酸塩については、金属アルコキシドとの反応で、残留尿素塩酸塩が尿素に転換され、転換された尿素は、残留尿素とともに更に尿素の金属塩に転換されると推定される。そして、生成した尿素の金属塩には昇華性が無いと考えられるため、蒸留時に残留尿素及び残留尿素塩酸塩の昇華物を混入させることなく、高品質のアルコキシシラン等のオルガノキシシランを容易に製造することができる。
本発明の方法は、下記一般式(1)
Figure 2016102067
(式中、R1は炭素数1〜20の非置換又は置換の1価炭化水素基であり、R2は炭素数1〜10の非置換又は置換の1価炭化水素基である。aは1〜3の整数、bは0〜2の整数、a+bは1〜3の整数である。aが2以上の場合、R1は各々同一又は異なっていてもよく、bが2の場合、R2は各々同一又は異なっていてもよい。)
で示されるクロロシランと、下記一般式(2)
Figure 2016102067
(式中、R3は炭素数1〜10の非置換又は置換の1価炭化水素基である。)
で示されるアルコールとを、尿素の存在下で反応させ、生成する尿素塩酸塩及び反応系中の尿素を含む反応系中のアルコール溶液層を分離した後、オルガノキシシラン層に金属アルコキシドを加えて蒸留するもので、これにより、下記一般式(3)
Figure 2016102067
(式中、R1は炭素数1〜20の非置換又は置換の1価炭化水素基であり、R2,R3は炭素数1〜10の非置換又は置換の1価炭化水素基である。aは1〜3の整数、bは0〜2の整数、a+bは1〜3の整数である。aが2以上の場合、R1は各々同一又は異なっていてもよく、bが2の場合、R2は各々同一又は異なっていてもよい。)
で示されるオルガノキシシランを、残留尿素及び残留尿素塩酸塩の昇華物を混入させることなく、高品質且つ容易に製造することができるものである。
上記式(1)中、R1は炭素数1〜20、特に1〜10の非置換又は置換の1価炭化水素基であり、直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられる。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、テキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、イコシル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基;フェニル基、トリル基;ベンジル基等が例示される。
また、炭化水素基の水素原子の一部又は全部が置換されていてもよく、該置換基としては、具体的には、例えば、メトキシ基、エトキシ基、(イソ)プロポキシ基等のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子からなる基、シアノ基、アミノ基、芳香族炭化水素基、エステル基、酸素原子を介したアルキル基、アシル基、スルフィド基、アルキルシリル基、アルコキシシリル基等が挙げられ、これらを組み合わせて用いることもできる。
2,R3は炭素数1〜10、特に1〜6の非置換又は置換の1価炭化水素基であり、R2,R3の具体例としては、直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられる。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、テキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基;フェニル基、トリル基;ベンジル基等が例示される。また、これらの炭化水素基の水素原子の一部又は全部が置換されていてもよく、該置換基としては、具体的には、例えば、メトキシ基、エトキシ基、(イソ)プロポキシ基等のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子からなる基、シアノ基、アミノ基、芳香族炭化水素基、エステル基、酸素原子を介したアルキル基、アシル基、スルフィド基、アルキルシリル基、アルコキシシリル基等が挙げられ、これらを組み合わせて用いることもできる。R2,R3としては、特に、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基が好ましい。
一般式(1)のクロロシランとしては、具体的には、
メチルトリクロロシラン、メチルメトキシジクロロシラン、
メチルエトキシジクロロシラン、メチルプロポキシジクロロシラン、
メチルブトキシジクロロシラン、メチルジメトキシクロロシラン、
メチルジエトキシクロロシラン、メチルジプロポキシクロロシラン、
メチルジブトキシクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、
ジメチルメトキシクロロシラン、ジメチルエトキシクロロシラン、
ジメチルプロポキシクロロシラン、ジメチルブトキシクロロシラン、
トリメチルクロロシラン、エチルトリクロロシラン、
エチルメトキシジクロロシラン、エチルエトキシジクロロシラン、
エチルプロポキシジクロロシラン、エチルブトキシジクロロシラン、
エチルジメトキシクロロシラン、エチルジエトキシクロロシラン、
エチルジプロポキシクロロシラン、エチルジブトキシクロロシラン、
エチルメチルジクロロシラン、エチルメチルメトキシクロロシラン、
エチルメチルエトキシクロロシラン、エチルメチルプロポキシクロロシラン、
エチルメチルブトキシクロロシラン、エチルジメチルクロロシラン、
プロピルトリクロロシラン、プロピルメトキシジクロロシラン、
プロピルエトキシジクロロシラン、プロピルプロポキシジクロロシラン、
プロピルブトキシジクロロシラン、プロピルジメトキシクロロシラン、
プロピルジエトキシクロロシラン、プロピルジプロポキシクロロシラン、
プロピルジブトキシクロロシラン、プロピルメチルジクロロシラン、
プロピルメチルメトキシクロロシラン、プロピルメチルエトキシクロロシラン、
プロピルメチルプロポキシクロロシラン、プロピルメチルブトキシクロロシラン、
プロピルジメチルクロロシラン、ブチルトリクロロシラン、
ブチルメトキシジクロロシラン、ブチルエトキシジクロロシラン、
ブチルプロポキシジクロロシラン、ブチルブトキシジクロロシラン、
ブチルジメトキシクロロシラン、ブチルジエトキシクロロシラン、
ブチルジプロポキシクロロシラン、ブチルジブトキシクロロシラン、
ブチルメチルジクロロシラン、ブチルメチルメトキシクロロシラン、
ブチルメチルエトキシクロロシラン、ブチルメチルプロポキシクロロシラン、
ブチルメチルブトキシクロロシラン、ブチルジメチルクロロシラン、
ヘキシルトリクロロシラン、ヘキシルメトキシジクロロシラン、
ヘキシルエトキシジクロロシラン、ヘキシルプロポキシジクロロシラン、
ヘキシルブトキシジクロロシラン、ヘキシルジメトキシクロロシラン、
ヘキシルジエトキシクロロシラン、ヘキシルジプロポキシクロロシラン、
ヘキシルジブトキシクロロシラン、ヘキシルメチルジクロロシラン、
ヘキシルメチルメトキシクロロシラン、ヘキシルメチルエトキシクロロシラン、
ヘキシルメチルプロポキシクロロシラン、ヘキシルメチルブトキシクロロシラン、
ヘキシルジメチルクロロシラン、シクロペンチルトリクロロシラン、
シクロペンチルメトキシジクロロシラン、シクロペンチルエトキシジクロロシラン、
シクロペンチルプロポキシジクロロシラン、シクロペンチルブトキシジクロロシラン、
シクロペンチルジメトキシクロロシラン、シクロペンチルジエトキシクロロシラン、
シクロペンチルジプロポキシクロロシラン、シクロペンチルジブトキシクロロシラン、
シクロペンチルメチルジクロロシラン、シクロペンチルメチルメトキシクロロシラン、
シクロペンチルメチルエトキシクロロシラン、
シクロペンチルメチルプロポキシクロロシラン、
シクロペンチルメチルブトキシクロロシラン、シクロペンチルジメチルクロロシラン、
シクロヘキシルトリクロロシラン、シクロヘキシルメトキシジクロロシラン、
シクロヘキシルエトキシジクロロシラン、シクロヘキシルプロポキシジクロロシラン、
シクロヘキシルブトキシジクロロシラン、シクロヘキシルジメトキシクロロシラン、
シクロヘキシルジエトキシクロロシラン、シクロヘキシルジプロポキシクロロシラン、
シクロヘキシルジブトキシクロロシラン、シクロヘキシルメチルジクロロシラン、
シクロヘキシルメチルメトキシクロロシラン、
シクロヘキシルメチルエトキシクロロシラン、
シクロヘキシルメチルプロポキシクロロシラン、
シクロヘキシルメチルブトキシクロロシラン、シクロヘキシルジメチルクロロシラン、
ビニルトリクロロシラン、ビニルメトキシジクロロシラン、
ビニルエトキシジクロロシラン、ビニルプロポキシジクロロシラン、
ビニルブトキシジクロロシラン、ビニルジメトキシクロロシラン、
ビニルジエトキシクロロシラン、ビニルジプロポキシクロロシラン、
ビニルジブトキシクロロシラン、ビニルメチルジクロロシラン、
ビニルメチルメトキシクロロシラン、ビニルメチルエトキシクロロシラン、
ビニルメチルプロポキシクロロシラン、ビニルメチルブトキシクロロシラン、
ビニルジメチルクロロシラン、アリルトリクロロシラン、
アリルメトキシジクロロシラン、アリルエトキシジクロロシラン、
アリルプロポキシジクロロシラン、アリルブトキシジクロロシラン、
アリルジメトキシクロロシラン、アリルジエトキシクロロシラン、
アリルジプロポキシクロロシラン、アリルジブトキシクロロシラン、
アリルメチルジクロロシラン、アリルメチルメトキシクロロシラン、
アリルメチルエトキシクロロシラン、アリルメチルプロポキシクロロシラン、
アリルメチルブトキシクロロシラン、アリルジメチルクロロシラン、
ブテニルトリクロロシラン、ブテニルメトキシジクロロシラン、
ブテニルエトキシジクロロシラン、ブテニルプロポキシジクロロシラン、
ブテニルブトキシジクロロシラン、ブテニルジメトキシクロロシラン、
ブテニルジエトキシクロロシラン、ブテニルジプロポキシクロロシラン、
ブテニルジブトキシクロロシラン、ブテニルメチルジクロロシラン、
ブテニルメチルメトキシクロロシラン、ブテニルメチルエトキシクロロシラン、
ブテニルメチルプロポキシクロロシラン、ブテニルメチルブトキシクロロシラン、
ブテニルジメチルクロロシラン、ヘキセニルトリクロロシラン、
ヘキセニルメトキシジクロロシラン、ヘキセニルエトキシジクロロシラン、
ヘキセニルプロポキシジクロロシラン、ヘキセニルブトキシジクロロシラン、
ヘキセニルジメトキシクロロシラン、ヘキセニルジエトキシクロロシラン、
ヘキセニルジプロポキシクロロシラン、ヘキセニルジブトキシクロロシラン、
ヘキセニルメチルジクロロシラン、ヘキセニルメチルメトキシクロロシラン、
ヘキセニルメチルエトキシクロロシラン、ヘキセニルメチルプロポキシクロロシラン、
ヘキセニルメチルブトキシクロロシラン、ヘキセニルジメチルクロロシラン、
フェニルトリクロロシラン、フェニルメトキシジクロロシラン、
フェニルエトキシジクロロシラン、フェニルプロポキシジクロロシラン、
フェニルブトキシジクロロシラン、フェニルジメトキシクロロシラン、
フェニルジエトキシクロロシラン、フェニルジプロポキシクロロシラン、
フェニルジブトキシクロロシラン、フェニルメチルジクロロシラン、
フェニルメチルメトキシクロロシラン、フェニルメチルエトキシクロロシラン、
フェニルメチルプロポキシクロロシラン、フェニルメチルブトキシクロロシラン、
フェニルジメチルクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、
ジフェニルメトキシクロロシラン、ジフェニルエトキシクロロシラン、
ジフェニルプロポキシクロロシラン、ジフェニルブトキシクロロシラン、
ジフェニルメチルクロロシラン等が挙げられる。
一般式(2)のアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等が挙げられる。
一般式(3)のオルガノキシシランとしては、具体的には、
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、
メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、
ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジブトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、
トリメチルエトキシシラン、トリメチルプロポキシシラン、トリメチルブトキシシラン、
エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、
エチルトリブトキシシラン、エチルメチルジメトキシシラン、
エチルメチルジエトキシシラン、エチルメチルジプロポキシシラン、
エチルメチルジブトキシシラン、エチルジメチルメトキシシラン、
エチルジメチルエトキシシラン、エチルジメチルプロポキシシラン、
エチルジメチルブトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、
プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリプロポキシシラン、
プロピルトリブトキシシラン、プロピルメチルジメトキシシラン、
プロピルメチルジエトキシシラン、プロピルメチルジプロポキシシラン、
プロピルメチルジブトキシシラン、プロピルジメチルメトキシシラン、
プロピルジメチルエトキシシラン、プロピルジメチルプロポキシシラン、
プロピルジメチルブトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、
ブチルトリエトキシシラン、ブチルトリプロポキシシラン、
ブチルトリブトキシシラン、ブチルメチルジメトキシシラン、
ブチルメチルジエトキシシラン、ブチルメチルジプロポキシシラン、
ブチルメチルジブトキシシラン、ブチルジメチルメトキシシラン、
ブチルジメチルエトキシシラン、ブチルジメチルプロポキシシラン、
ブチルジメチルブトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、
ヘキシルトリエトキシシラン、ヘキシルトリプロポキシシラン、
ヘキシルトリブトキシシラン、ヘキシルメチルジメトキシシラン、
ヘキシルメチルジエトキシシラン、ヘキシルメチルジプロポキシシラン、
ヘキシルメチルジブトキシシラン、ヘキシルジメチルメトキシシラン、
ヘキシルジメチルエトキシシラン、ヘキシルジメチルプロポキシシラン、
ヘキシルジメチルブトキシシラン、シクロペンチルトリメトキシシラン、
シクロペンチルトリエトキシシラン、シクロペンチルトリプロポキシシラン、
シクロペンチルトリブトキシシラン、シクロペンチルメチルジメトキシシラン、
シクロペンチルメチルジエトキシシラン、シクロペンチルメチルジプロポキシシラン、
シクロペンチルメチルジブトキシシラン、シクロペンチルジメチルメトキシシラン、
シクロペンチルジメチルエトキシシラン、シクロペンチルジメチルプロポキシシラン、
シクロペンチルジメチルブトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、
シクロヘキシルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリプロポキシシラン、
シクロヘキシルトリブトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、
シクロヘキシルメチルジエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジプロポキシシラン、
シクロヘキシルメチルジブトキシシラン、シクロヘキシルジメチルメトキシシラン、
シクロヘキシルジメチルエトキシシラン、シクロヘキシルジメチルプロポキシシラン、
シクロヘキシルジメチルブトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、
ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、
ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、
ビニルメチルジプロポキシシラン、ビニルメチルジブトキシシラン、
ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、
ビニルジメチルプロポキシシラン、ビニルジメチルブトキシシラン、
アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、アリルトリプロポキシシラン、
アリルトリブトキシシラン、アリルメチルジメトキシシラン、
アリルメチルジエトキシシラン、アリルメチルジプロポキシシラン、
アリルメチルジブトキシシラン、アリルジメチルメトキシシラン、
アリルジメチルエトキシシラン、アリルジメチルプロポキシシラン、
アリルジメチルブトキシシラン、ブテニルトリメトキシシラン、
ブテニルトリエトキシシラン、ブテニルトリプロポキシシラン、
ブテニルトリブトキシシラン、ブテニルメチルジメトキシシラン、
ブテニルメチルジエトキシシラン、ブテニルメチルジプロポキシシラン、
ブテニルメチルジブトキシシラン、ブテニルジメチルメトキシシラン、
ブテニルジメチルエトキシシラン、ブテニルジメチルプロポキシシラン、
ブテニルジメチルブトキシシラン、ヘキセニルトリメトキシシラン、
ヘキセニルトリエトキシシラン、ヘキセニルトリプロポキシシラン、
ヘキセニルトリブトキシシラン、ヘキセニルメチルジメトキシシラン、
ヘキセニルメチルジエトキシシラン、ヘキセニルメチルジプロポキシシラン、
ヘキセニルメチルジブトキシシラン、ヘキセニルジメチルメトキシシラン、
ヘキセニルジメチルエトキシシラン、ヘキセニルジメチルプロポキシシラン、
ヘキセニルジメチルブトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、
フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、
フェニルトリブトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、
フェニルメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジプロポキシシラン、
フェニルメチルジブトキシシラン、フェニルジメチルメトキシシラン、
フェニルジメチルエトキシシラン、フェニルジメチルプロポキシシラン、
フェニルジメチルブトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、
ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジプロポキシシラン、
ジフェニルジブトキシシラン、ジフェニルメチルメトキシシラン、
ジフェニルメチルエトキシシラン、ジフェニルメチルプロポキシシラン、
ジフェニルメチルブトキシシラン等が挙げられる。
一般式(1)のクロロシランと、一般式(2)のアルコールとから一般式(3)のオルガノキシシランを得る反応は、通常の条件下で行うことができ、例えば、クロロシランのSi−Cl結合1モルに対して、アルコール1〜50モル、特に1〜20モルを用い、50〜120℃、特に60〜100℃で、1〜30時間、特に1〜10時間反応させることができる。
なお、上記反応は無溶媒でも進行するが、溶媒を用いることもできる。用いられる溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素系溶媒等が例示される。これらの溶媒は1種を単独で使用してもよく、あるいは2種以上を混合して使用してもよい。
本発明において、一般式(1)のクロロシランと、一般式(2)のアルコールとの反応で発生する塩化水素は、尿素によって捕捉され、尿素塩酸塩が形成される。
尿素の使用量は特に限定されないが、反応性、生産性の点から、発生する塩化水素1モルに対して、好ましくは尿素1〜50モル、より好ましくは1.05〜30モル、更に好ましくは1.1〜10モルの範囲である。
また、尿素塩酸塩と反応系中の尿素を含むアルコール溶液を系内から除去する方法としては、分液、濾過、デカンテーション等の方法が挙げられるが、生産性の点から、分液が好ましい。
本発明において、蒸留時にオルガノキシシラン層に加えて用いられる金属アルコキシドとしては、カリウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムエトキシド等のアルカリ金属アルコキシド等が挙げられる。
金属アルコキシドの使用量は特に限定されないが、金属アルコキシドが、尿素塩酸塩を尿素に転換する反応、尿素(反応液中の尿素及び尿素塩酸塩から転換された尿素)との反応、残存クロロシランが存在する場合、残存クロロシランとの反応に関わることを考慮すると、反応性、生産性の点から、オルガノキシシラン層中の全窒素原子及び塩素イオンの総当量に対し、金属アルコキシドを好ましくは1〜10倍当量、より好ましくは1.1〜8倍当量、更に好ましくは1.2〜5倍当量の範囲で添加する。
前記全窒素原子は、アルコキシシラン層に混入した残留尿素及び残留尿素塩酸塩中の尿素の含有量を表す指標であり、塩素イオンは残留尿素塩酸塩中の塩酸、塩化水素及び残存クロロシランの含有量を表す指標である。全窒素原子は酸化分解化学発光法により、塩素イオンは電位差滴定法により測定することができる。
本発明の製造方法は、オルガノキシシランを製造する従来の手段と組み合わせて使用しても良い。例えば、一般式(1)のクロロシランに対して一般式(2)のアルコールを部分的に反応させた後、尿素を加え、残りのアルコールを反応させても良い。
通常、尿素塩酸塩と金属アルコキシドとの反応では、尿素塩酸塩は尿素に転換されるのみと考えられており、クロロシランとアルコールとを尿素の存在下で反応させるにあたり、生成する尿素塩酸塩及び反応系中の尿素が溶解した反応系中のアルコール溶液を分離後のアルコキシシラン等のオルガノキシシラン層に金属アルコキシドを加えて蒸留を行っても、昇華性の有る尿素がアルコキシシラン等のオルガノキシシラン層中に残るため、残留尿素及び残留尿素塩酸塩の昇華は抑えられないと考えられていた。本発明の製造方法によれば、アルコキシシラン等のオルガノキシシラン層中に混入した残留尿素及び残留尿素塩酸塩は、金属アルコキシドとの反応で、尿素塩酸塩が尿素に転換され、転換された尿素は、残留尿素とともに更に尿素の金属塩に転換すると推定される。そして、生成した尿素の金属塩には昇華性が無いと考えられるため、アルコキシシラン等のオルガノキシシラン層の蒸留時における残留尿素及び残留尿素塩酸塩の昇華物の混入が抑制される。
本発明によれば、蒸留して得られるオルガノキシシランに含まれる全窒素原子含有量を好ましくは10質量ppm以下、より好ましくは5質量ppm以下、更に好ましくは3質量ppm以下、塩素イオン含有量を好ましくは100質量ppm以下、より好ましくは50質量ppm以下、更に好ましくは10質量ppm以下とすることができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例1]デシルトリメトキシシランの製造
デシルジメトキシクロロシラン266.9g(1.000モル)とメタノールとを尿素の存在下で反応させ、引き続き分液操作により尿素塩酸塩及び残留尿素を含んだアルコール溶液を分離した。得られたデシルトリメトキシシラン反応液259.9g中、全窒素原子含有量は19ppm(0.00035モル)、塩素イオン含有量は522ppm(0.00383モル)だった。
前記反応液に、ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(28質量%ナトリウムメトキシド)1.6g(0.00836モル)を加え、蒸留することで、沸点132〜133℃/1.3kPaの無色透明留分を253.3g(0.965モル、収率96.5%)得た。蒸留時には尿素及び尿素塩酸塩の昇華物は見られず、蒸留後のデシルトリメトキシシランの全窒素原子含有量、塩素イオン含有量は共に1ppm未満に減少した。
[実施例2]シクロヘキシルメチルジメトキシシランの製造
シクロヘキシルメチルメトキシクロロシラン192.8g(1.000モル)とメタノールとを尿素の存在下で反応させ、引き続き分液操作により尿素塩酸塩及び残留尿素を含んだアルコール溶液を分離した。得られたシクロヘキシルメチルジメトキシシラン反応液187.3g中、全窒素原子含有量は39ppm(0.00052モル)、塩素イオン含有量は331ppm(0.00175モル)だった。
前記反応液に、ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(28質量%ナトリウムメトキシド)0.9g(0.00454モル)を加え、蒸留することで、沸点75〜76℃/1.3kPaの無色透明留分を160.4g(0.852モル、収率85.2%)得た。蒸留時には尿素及び尿素塩酸塩の昇華物は見られず、蒸留後のシクロヘキシルメチルジメトキシシランの全窒素原子含有量、塩素イオン含有量は共に1ppm未満に減少した。
[実施例3]ヘキセニルジメチルメトキシシランの製造
ヘキセニルジメチルクロロシラン176.8g(1.000モル)とメタノールとを尿素の存在下で反応させ、引き続き分液操作により尿素塩酸塩及び残留尿素を含んだアルコール溶液を分離した。得られたヘキセニルジメチルメトキシシラン反応液170.2g中、全窒素原子含有量は18ppm(0.00022モル)、塩素イオン含有量は1556ppm(0.00747モル)だった。
前記反応液に、ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(28質量%ナトリウムメトキシド)3.0g(0.01538モル)を加え、蒸留することで、沸点107〜108℃/0.5kPaの無色透明留分を95.9g(0.556モル、収率55.6%)得た。蒸留時には尿素及び尿素塩酸塩の昇華物は見られず、蒸留後のヘキセニルジメチルメトキシシランの全窒素原子含有量、塩素イオン含有量は共に1ppm未満に減少した。
[実施例4]フェニルトリメトキシシランの製造
フェニルジメトキシクロロシラン202.7g(1.000モル)とメタノールとを尿素の存在下で反応させ、引き続き分液操作により尿素塩酸塩及び残留尿素を含んだアルコール溶液を分離した。得られたフェニルトリメトキシシラン反応液198.7g中、全窒素原子含有量は29ppm(0.00041モル)、塩素イオン含有量は712ppm(0.00399モル)だった。
前記反応液に、ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(28質量%ナトリウムメトキシド)1.7g(0.00880モル)を加え、蒸留することで、沸点89〜90℃/1.3kPaの無色透明留分を161.2g(0.813モル、収率81.3%)得た。蒸留時には尿素及び尿素塩酸塩の昇華物は見られず、蒸留後のフェニルトリメトキシシランの全窒素原子含有量、塩素イオン含有量は共に1ppm未満に減少した。
[実施例5]シクロヘキシルトリエトキシシランの製造
シクロヘキシルトリクロロシラン217.6g(1.000モル)をエタノールと尿素の存在下で反応させ、引き続き分液操作により尿素塩酸塩及び残留尿素を含んだアルコール溶液を分離した。得られたシクロヘキシルトリエトキシシラン反応液204.2g中、全窒素原子含有量は35ppm(0.00051モル)、塩素イオン含有量は597ppm(0.00343モル)だった。
前記反応液に、ナトリウムエトキシドのエタノール溶液(14質量%ナトリウムエトキシド)3.8g(0.00790モル)を加え、蒸留することで、沸点91〜93℃/1.0kPaの無色透明留分を205.0g(0.832モル、収率83.2%)得た。蒸留時には尿素及び尿素塩酸塩の昇華物は見られず、蒸留後のシクロヘキシルトリエトキシシランの全窒素原子含有量、塩素イオン含有量は共に1ppm未満に減少した。
[比較例1]デシルトリメトキシシランの製造
ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(28質量%ナトリウムメトキシド)を使用しない以外は実施例1と同様の条件で蒸留することで、沸点132〜133℃/1.3kPaの白色微濁留分を249.1g(0.949モル、収率94.9%)得た。蒸留時には尿素及び尿素塩酸塩の昇華物が見られ、蒸留後のデシルトリメトキシシラン中、全窒素原子含有量は11ppm、塩素イオン含有量は204ppmだった。
[比較例2]シクロヘキシルメチルジメトキシシランの製造
ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(28質量%ナトリウムメトキシド)を使用しない以外は実施例2と同様の条件で蒸留することで、沸点75〜76℃/1.3kPaの白色微濁留分を162.7g(0.864モル、収率86.4%)得た。蒸留時には尿素及び尿素塩酸塩の昇華物が見られ、蒸留後のシクロヘキシルメチルジメトキシシラン中、全窒素原子含有量は22ppm、塩素イオン含有量は166ppmだった。
[比較例3]ヘキセニルジメチルメトキシシランの製造
ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(28質量%ナトリウムメトキシド)を使用しない以外は実施例3と同様の条件で蒸留することで、沸点107〜108℃/0.5kPaの無色透明留分を91.4g(0.530モル、収率53.0%)得た。蒸留時には尿素及び尿素塩酸塩の昇華物が見られ、蒸留後のヘキセニルジメチルメトキシシラン中、全窒素原子含有量は12ppm、塩素イオン含有量は310ppmだった。
[比較例4]フェニルトリメトキシシランの製造
ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(28質量%ナトリウムメトキシド)を使用しない以外は実施例4と同様の条件で蒸留することで、沸点89〜90℃/1.3kPaの無色透明留分を159.6g(0.805モル、収率80.5%)得た。蒸留時には尿素及び尿素塩酸塩の昇華物が見られ、蒸留後のフェニルトリメトキシシラン中、全窒素原子含有量は16ppm、塩素イオン含有量は142ppmだった。
[比較例5]シクロヘキシルトリエトキシシランの製造
ナトリウムエトキシドのエタノール溶液(14質量%ナトリウムエトキシド)を使用しない以外は実施例5と同様の条件で蒸留することで、沸点91〜93℃/1.0kPaの無色透明留分を200.1g(0.812モル、収率81.2%)得た。蒸留時には尿素及び尿素塩酸塩の昇華物が見られ、蒸留後のシクロヘキシルトリエトキシシラン中、全窒素原子含有量は16ppm、塩素イオン含有量は233ppmだった。
[比較例6]デシルトリメトキシシランの製造
尿素の代わりにトリエチルアミンを使用する以外は実施例1と同様の条件で反応を行い、引き続きトリエチルアミン塩酸塩を濾過により分離したデシルトリメトキシシラン反応液207.9gに、ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(28質量%ナトリウムメトキシド)を加え、蒸留することで、沸点132〜133℃/1.3kPaの無色透明留分を190.0g(0.724モル、収率72.4%)得た。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 2016102067
    (式中、R1は炭素数1〜20の非置換又は置換の1価炭化水素基であり、R2は炭素数1〜10の非置換又は置換の1価炭化水素基である。aは1〜3の整数、bは0〜2の整数、a+bは1〜3の整数である。aが2以上の場合、R1は各々同一又は異なっていてもよく、bが2の場合、R2は各々同一又は異なっていてもよい。)
    で示されるクロロシランと、下記一般式(2)
    Figure 2016102067
    (式中、R3は炭素数1〜10の非置換又は置換の1価炭化水素基である。)
    で示されるアルコールとを尿素の存在下で反応させ、下記一般式(3)
    Figure 2016102067
    (式中、R1は炭素数1〜20の非置換又は置換の1価炭化水素基であり、R2,R3は炭素数1〜10の非置換又は置換の1価炭化水素基である。aは1〜3の整数、bは0〜2の整数、a+bは1〜3の整数である。aが2以上の場合、R1は各々同一又は異なっていてもよく、bが2の場合、R2は各々同一又は異なっていてもよい。)
    で示されるオルガノキシシランを製造する方法であって、上記反応により発生した塩化水素及び尿素の反応によって生じる尿素塩酸塩と反応系中の尿素とをこれらが反応系中のアルコールに溶解したアルコール溶液として系内から除去した後、得られるオルガノキシシラン層に金属アルコキシドを加えて蒸留することを特徴とするオルガノキシシランの製造方法。
  2. オルガノキシシラン層中の窒素原子及び塩素イオンの総当量に対し、金属アルコキシドを1〜10倍当量の割合で加えて蒸留することを特徴とする請求項1記載のオルガノキシシランの製造方法。
  3. 蒸留して得られる式(3)のオルガノキシシラン中、窒素原子含有量が10質量ppm以下であり、塩素イオン含有量が100質量ppm以下である請求項1又は2記載のオルガノキシシランの製造方法。
  4. 尿素塩酸塩及び反応系中の尿素を含むアルコール溶液が、オルガノキシシラン層と分液可能である請求項1〜3のいずれか1項記載のオルガノキシシランの製造方法。
  5. 一般式(1)で示されるクロロシランのSi−Cl結合1モルに対して、一般式(2)で示されるアルコールを1〜50モル使用する請求項1〜4のいずれか1項記載のオルガノキシシランの製造方法。
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