JP2016100577A - 気相成長装置の汚染管理方法、エピタキシャルシリコンウェーハの製造方法 - Google Patents
気相成長装置の汚染管理方法、エピタキシャルシリコンウェーハの製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】気相成長装置のチャンバーの内部にモニタウェーハを搬入するウェーハ搬入工程S1と、前記モニタウェーハを前記原料ガス及び前記水素を含むガス雰囲気下、0℃以上100℃以下の温度で保持するガス接触工程S2と、前記チャンバーの内部から前記モニタウェーハを搬出するウェーハ搬出工程S3と、前記モニタウェーハの金属汚染度を評価するウェーハ汚染評価工程とを実施し、前記ウェーハ汚染評価工程の測定結果に基づき、前記気相成長装置の汚染度を評価する。
【選択図】図2
Description
特に、撮像素子特有の白キズ問題に対する原因追及と工程管理強化が求められている。現在、白キズを生じさせる原因として考えられるのは金属汚染である。特に、Mo、W、Ti、Nb、Taなどの拡散が遅い金属が主要因であると考えられている。
エピタキシャルシリコンウェーハにおける金属汚染の汚染源としては、エピタキシャル成長時に使用する原料ガスや、チャンバーの内部をクリーニングするためのクリーニングガスが挙げられる。また、チャンバーを構成する素材、及び、配管系に通常用いられる金属部材などが挙げられる。更に、エピタキシャル成長装置の内部の例えば駆動部からの金属発塵が挙げられる。
気相成長装置のクリーニング、シリコンウェーハの搬入、エピタキシャル層の成長、シリコンウェーハの搬出、の各工程を1サイクルとし、このサイクルを所定の回数繰り返して、エピタキシャル層を所定の回数成長させたモニタウェーハを作製する。その後、モニタウェーハをライフタイム測定し、ライフタイム値から気相成長装置の清浄度を評価する方法が提案されている(特許文献1参照)。
また、シリコンウェーハが配置されたチャンバーの内部に、評価対象のガスを導入して、シリコンウェーハを評価対象のガスで暴露させた後に、シリコンウェーハを熱処理することで、評価対象のガスに含まれる金属の拡散を行う。そして、熱処理後のシリコンウェーハをライフタイム測定し、ライフタイム値から評価対象のガスの金属汚染を評価する方法が提案されている(特許文献2参照)。
更に、気相成長装置のチャンバー内をHClガスによるベーパーエッチングによりクリーニングする工程と、シリコンウェーハを水素雰囲気で熱処理する工程と、を所定の回数繰り返し行った後に、シリコンウェーハの表面上の汚染を回収し、ICP−MSによって汚染に含まれた金属不純物の濃度を測定する方法が提案されている(特許文献3参照)。
また、上記特許文献2では、ガスで暴露させた後に熱処理を実施するため、熱処理の影響を分離できない問題があった。
また、上記特許文献3では、原料ガスは導入せず、水素ガス雰囲気のみで熱処理を繰り返すため、原料ガスからの汚染の影響を知ることができない。また、熱処理を加えることによって発生する金属汚染の影響が明確ではなく、金属汚染の発生源を特定していくことに困難な面があった。
更に、上記特許文献1,3では、サイクル中にクリーニング工程が含まれているため、全体の処理時間が大幅にかかる問題があった。更に、クリーニング工程と熱処理工程とを繰り返し実施するので、チャンバーへのウェーハ搬入、及び、チャンバーからのウェーハ搬出の操作を伴うことから、搬送系からの金属汚染を拾い易い。
本発明によれば、ガス接触工程において、モニタウェーハを0℃以上100℃以下の低温で保持するので、金属汚染の強調に熱プロセスを伴わない。このため、チャンバーの内部での熱起因の金属汚染の影響を排除した状態で、原料ガスからの金属汚染の影響を効率よく評価できる。
また、このガス接触工程では、原料ガスを供給することから、原料ガスを供給する配管系を起因とする金属汚染も効率よく評価できる。
本発明によれば、第1モニタウェーハに対しては、低温でガス雰囲気に晒すガス接触工程を実施し、第2モニタウェーハに対しては、高温でガス雰囲気に曝す熱処理工程を実施する。そして、上記のように異なる工程を経た第1モニタウェーハと第2モニタウェーハとの、ウェーハ汚染評価結果を比較する。この比較によって、熱処理を加えることによって発生する金属汚染の影響を評価できる。
本発明によれば、第3モニタウェーハに対しては、低温で原料ガスを含むガス雰囲気に曝すガス接触工程を実施し、第4モニタウェーハに対しては、低温で原料ガスを含まないガス雰囲気に曝す水素ガス接触工程を実施する。そして、上記のように異なる工程を経た第3モニタウェーハと第4モニタウェーハとの、ウェーハ汚染評価結果を比較する。この比較によって、原料ガスから発生する金属汚染の影響を評価できる。
本発明によれば、ウェーハ汚染評価工程が、化学分析による金属濃度測定及び/又はライフタイム測定である。化学分析による金属濃度測定では、表層部分における各金属元素の濃度をそれぞれ検出できる。このため、気相成長装置の金属汚染状況を詳細に把握できるので、きめ細かな管理を行うことができる。またライフタイム測定は、どの種類の金属がどの程度の割合で含まれているかは判断できないが、測定対象がウェーハ全体であることや、測定手法が簡便であるという利点を有している。このため、気相成長装置の金属汚染状況を簡便に把握できる。これらは、ウェーハ汚染評価項目に応じて使い分けてもよいし、両者を組み合わせて実施してもよい。
本発明によれば、ウェーハ搬入工程、ガス接触工程、及び、ウェーハ搬出工程からなるサイクルを所定の回数繰り返し行う。上記サイクルを連続して実施することで、モニタウェーハは金属で汚染される環境下に繰り返し曝されることになる。これにより、ウェーハ汚染評価工程で確実に検出が可能なレベルにまで金属がモニタウェーハに蓄積される。結果として、MoやW、Ti、Nb、Taなどの超微量金属汚染に対しても、金属測定が可能となる。この測定された金属濃度に基づいて、気相成長装置の汚染を管理することができる。
本発明によれば、サイクルの繰り返し回数が2回以上20回以下である。サイクルの繰り返し回数を上記範囲とすることで、ウェーハ汚染評価工程で検出可能な濃度にまで、金属を蓄積したモニタウェーハを作製できる。結果として、MoやW、Ti、Nb、Taなどの超微量金属汚染に対しても、金属測定が可能となる。この測定された金属濃度に基づいて、気相成長装置の汚染を管理することができる。
また、本発明の気相成長装置の汚染管理方法では、前記化学分析が、気相分解法を使用して行われることが好ましい。
本発明によれば、化学分析に誘導結合プラズマ質量分析や気相分解法を使用するので、汚染強調されたモニタウェーハの表面並びに表層に含まれる、各金属元素の濃度をそれぞれ簡便に測定できる。
本発明によれば、上記汚染管理方法により金属汚染管理された気相成長装置を用いてエピタキシャルシリコンウェーハを製造するので、所定の金属濃度範囲内に管理されたエピタキシャルシリコンウェーハを得ることができる。
以下、本発明の第一実施形態を図面を参照して説明する。
〔気相成長装置の構成〕
第一実施形態の汚染管理対象となる気相成長装置としては、シリコンウェーハの表面上にエピタキシャル層を気相成長させる、枚葉式の気相成長装置が挙げられる。
図1に示すように、気相成長装置1は、搬送室7の周りに、気相成長のためのチャンバー2,3と、ロードロック室10,11と、クーリングチャンバー14とがそれぞれ接続されている。搬送室7にはウェーハ搬送装置6が配置されており、このウェーハ搬送装置6により、各チャンバーへのシリコンウェーハの搬入並びに搬出が行われる。チャンバー2,3には、サセプタ4,5が配置されている。ロードロック室10,11には、シリコンウェーハ12,13を収納可能なカセット8,9が配置されている。なお、クーリングチャンバー14は、シリコンウェーハ12,13を冷却するために設けられている。また、搬送室7とロードロック室10,11との間、並びに搬送室7とチャンバー2,3との間には、開閉するゲートバルブ15,16がそれぞれ設けられている。
次に、上記構成を有する気相成長装置1を用いてエピタキシャルシリコンウェーハを製造する方法を説明する。
先ず、カセット8,9に気相成長用のシリコンウェーハ12,13を充填する。そして、ロードロック室10,11へ搬入し、密閉する。この状態で、真空ポンプなどで真空引き(真空排気)することでロードロック室10,11を減圧する。その後、ロードロック室10,11の内部に窒素などの不活性ガスを導入することでロードロック室10,11の内部を不活性ガスで置換する。
続いて、搬出されたシリコンウェーハ12,13を水素ガス雰囲気に調整されたチャンバー2,3の内部に搬入し、サセプタ4,5上にシリコンウェーハ12,13を載置する。シリコンウェーハ12,13をチャンバー2,3に搬入する際の投入温度は、例えば550℃以上800℃以下が好ましい。
そして、ゲートバルブ15を閉じて、水素熱処理温度まで加熱する。水素熱処理温度としては、1050℃以上1200℃以下が好ましい。その後、シリコンウェーハ12,13を所望の成長温度にまで加熱するとともに、シリコンウェーハ12,13の表面上に、原料ガス及びキャリアガスをそれぞれ略水平に供給する。成長温度としては、950℃以上1180℃以下が好ましい。原料ガスとしてはTCS(トリクロロシラン:SiHCl3)、SiH2Cl2、SiCl4などのシランガスが、キャリアガスとしては水素ガスがそれぞれ好ましい。上記条件で所定時間処理することによって、シリコンウェーハ12,13の表面上に、所望の厚さのエピタキシャル層を気相成長させてエピタキシャルシリコンウェーハを製造する。
以下、各工程について詳述する。
第一実施形態の汚染管理方法では、先ず、上記のようなエピタキシャル成長を終えた気相成長装置1のチャンバー2,3の内部に水素ガスを流通させて、チャンバー2,3の内部を水素ガス雰囲気に置換する。その後、チャンバー2,3の内部のサセプタ4,5上にモニタウェーハを搬入する。この第一実施形態では、モニタウェーハを便宜的にシリコンウェーハ12,13として説明する。
ガス接触工程S2では、モニタウェーハを原料ガス及び水素を含むガス雰囲気下、0℃以上100℃以下の温度で保持する。
このうち、ガス接触工程S2における保持温度は、0℃以上100℃以下が好ましく、20℃以上50℃以下がより好ましい。ガス接触工程S2は室温で行ってもよい。また、原料ガス及び水素を含むガスを10秒以上300秒以下で流通させることが好ましい。
保持温度を上記範囲内としたのは、0℃より低い温度では、結露等の不具合を生じるおそれがあり、他方100℃より高い温度では加熱による金属汚染を生じるおそれがあるためである。
この保持時間は、10秒間以上300秒間以下が好ましい。保持時間を上記範囲内としたのは、10秒より短い時間では、汚染の取り込みが十分ではないおそれがあり、300秒より長い時間だと、処理時間が長くなりすぎるためである。
なお、図2において、ウェーハ搬入工程S1からウェーハ搬出工程S3までの間に示される太線は、ガス接触工程S2の温度プロファイルである。このガス接触工程S2では、チャンバー2,3の内部でモニタウェーハを保持している間、一定の温度に維持していることを示している。
次に、チャンバー2,3の内部から上記ガス接触工程S2を終えたモニタウェーハを搬送室7に搬出する。ガス接触工程S2で金属汚染強調されたモニタウェーハは、ウェーハ搬送装置6でチャンバー2,3から搬出され、クーリングチャンバー14の内部で冷却された後、気相成長装置1の外へ搬出される。
次に、上記ウェーハ搬出工程S3でチャンバー2,3の外へと搬出されたモニタウェーハの金属汚染度を評価する。ウェーハ汚染評価は、化学分析による金属濃度測定及び/又はライフタイム測定により行われることが好ましい。
金属汚染強調されたモニタウェーハに対して、化学分析を行い、そのモニタウェーハ中の金属濃度を測定する。化学分析による金属濃度測定では、表層部分における各金属元素の濃度をそれぞれ検出できる。このため、化学分析によって測定された金属濃度に基づいて、気相成長装置1のチャンバー2,3の内部の汚染状況を金属元素ごとに詳細に把握することができる。
第一実施形態の汚染管理方法における分析対象は、MoやW、Ti、Nb、Taなどの拡散速度が遅い金属である。また、上記拡散速度が遅い金属だけでなく、CrやFe、Ni、Cuについても併せて分析対象としてもよい。この第一実施形態では、化学分析が、誘導結合プラズマ質量分析を使用して行われることが好ましい。更に、化学分析が、気相分解法を使用して行われることが好ましい。
分析対象となるMoやW、Ti、Nb、Taなどの金属は、拡散速度が遅いため、その大部分はモニタウェーハの表面と、深さ5μm程度までの表層とに存在すると推察される。このため、金属汚染強調されたモニタウェーハの表面の分析と、表層の分析とを実施することで、金属汚染管理が可能となる。
ライフタイムは、例えば、μ−PCD法により金属汚染強調されたモニタウェーハのキャリア(正孔と電子)の再結合時間(再結合ライフタイム)を測定することで得られる。モニタウェーハに重金属汚染などが存在すると再結合ライフタイムが短くなるので、再結合ライフタイムを測定することによってモニタウェーハの良品判定を容易に行うことができる。
本実施形態のエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法では、上記汚染管理方法により管理された気相成長装置1を用いて、エピタキシャルシリコンウェーハを製造する。
上記汚染管理方法によって、チャンバー2,3の内部の汚染状況を金属元素ごとに把握した気相成長装置1を用いるため、所定の金属濃度範囲内に管理されたエピタキシャルシリコンウェーハを得ることができる。
上述したように、上記実施形態では、以下のような作用効果を奏することができる。
(1)ガス接触工程S2では、モニタウェーハを0℃以上100℃以下の低温で保持するので、金属汚染の強調に熱プロセスを伴わない。このため、チャンバー2,3の内部での熱起因の金属汚染の影響を排除した状態で、原料ガスからの金属汚染の影響を効率よく評価できる。
また、このガス接触工程S2では、原料ガスを供給することから、原料ガスを供給する配管系を起因とする金属汚染も効率よく評価できる。
(3)化学分析に誘導結合プラズマ質量分析や気相分解法を使用する。このため、汚染強調されたモニタウェーハの表面並びに表層に含まれる、各金属元素の濃度をそれぞれ簡便に測定できる。
なお、本発明は上記実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の改良ならびに設計の変更などが可能である。
上記実施形態では、化学分析として、モニタウェーハの表面並びに表層における金属濃度を測定したが、モニタウェーハに対してバルク分析を実施してもよい。
また、ウェーハ搬入工程S1で、チャンバー2,3の内部にモニタウェーハを搬入した後に、チャンバー2,3の内部に、原料ガスは供給せず、水素を含むガスを供給して、モニタウェーハを水素を含むガス雰囲気下で一定時間保持し、引き続いて、ガス接触工程S2を実施してもよい。
その他、本発明の実施の際の具体的な手順及び構造等は本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等としてもよい。
次に、本発明の第二実施形態を説明する。
第二実施形態の汚染管理対象となる気相成長装置は、上記第一実施形態と同様の図1に示す気相成長装置1であるため、その構成については説明を省略する。
第二実施形態では、先ず、第1モニタウェーハと、この第1モニタウェーハとは異なる第2モニタウェーハを用意する。
そして、図3(A)に示すように、第1モニタウェーハに対して、ウェーハ搬入工程S1、ガス接触工程S2、及び、ウェーハ搬出工程S3を実施して金属汚染強調した後、ウェーハ汚染評価工程を実施する。即ち、第1モニタウェーハに実施する各工程は、上記第一実施形態でモニタウェーハに実施する各工程と同様である。
次に、図3(B)に示すように、第2モニタウェーハに対して、ウェーハ搬入工程S1、熱処理工程S21、及び、ウェーハ搬出工程S3を実施して金属汚染強調した後、ウェーハ汚染評価工程を実施する。
熱処理工程S21では、第2モニタウェーハを原料ガス及び水素を含むガス雰囲気下で熱処理する。即ち、ガス接触工程S2と熱処理工程S21との違いは、原料ガス及び水素を含むガス雰囲気下にモニタウェーハを曝す温度が異なる点にある。ここで、熱処理工程S21における熱処理温度は、900℃以上1200℃以下が好ましく、1050℃以上1200℃以下がより好ましい。また、原料ガス及び水素を含むガスを10秒以上300秒以下で流通させることが好ましい。
熱処理温度を上記範囲内としたのは、900℃より低い温度ではチャンバー2,3の内部での熱起因の金属汚染の発生が十分とはいえないおそれがあり、他方1200℃より高い温度ではチャンバー2,3の加熱性能や耐熱性が十分とはいえないおそれがあるためである。また、熱処理時間を上記範囲内としたのは、10秒より短い時間では、熱起因の金属汚染の取り込みが十分とはいえないおそれがあり、300秒より長い時間だと、処理時間が長くなりすぎるためである。
最後に、金属汚染量を強調させた第1モニタウェーハの評価結果と、金属汚染量を強調させた第2モニタウェーハの評価結果とを比較する。
即ち、低温でモニタウェーハをガス雰囲気に晒した場合と、高温でモニタウェーハをガス雰囲気に曝した場合との、ウェーハ汚染評価結果を比較することになる。この比較によって、熱処理を加えることによって発生する金属汚染の影響を評価できる。
このクリーニング工程S11では、チャンバー2,3の内部を所定の温度にまで加熱して、塩化水素を含むガスを流通させる。これにより、エピタキシャル成長を実施してチャンバー2,3の内部に堆積した堆積物をエッチングする。クリーニング条件としては、チャンバー2,3の内部を900℃以上1200℃以下に加熱し、塩化水素を含むガスを10秒以上300秒以下で流通させることが好ましい。
上記温度範囲内としたのは、900℃より低い温度ではチャンバー2,3の内部での金属汚染の発生が十分ではなく、1200℃より高い温度ではチャンバー2,3の加熱性能や耐熱性が十分ではないためである。また、クリーニング時間を上記範囲内としたのは、10秒より短い時間では、塩化水素を含むガスによる汚染の発生が十分ではなく、300秒より長い時間だと、処理時間が長くなりすぎるためである。
次に、本発明の第三実施形態を説明する。
第三実施形態の汚染管理対象となる気相成長装置は、上記第一実施形態と同様の図1に示す気相成長装置1であるため、その構成については説明を省略する。
第三実施形態では、先ず、第3モニタウェーハと、この第3モニタウェーハとは異なる第4モニタウェーハを用意する。
そして、図4(A)に示すように、第3モニタウェーハに対して、ウェーハ搬入工程S1、ガス接触工程S2、及び、ウェーハ搬出工程S3を実施して金属汚染強調した後、ウェーハ汚染評価工程を実施する。即ち、第3モニタウェーハに実施する各工程は、上記第一実施形態でモニタウェーハに実施する各工程と同様である。
次に、図4(B)に示すように、第4モニタウェーハに対して、ウェーハ搬入工程S1、水素ガス接触工程S22、及び、ウェーハ搬出工程S3を実施して金属汚染強調した後、ウェーハ汚染評価工程を実施する。
水素ガス接触工程S22では、第4モニタウェーハを水素を含むガス雰囲気下、0℃以上100℃以下の温度で保持する。即ち、ガス接触工程S2と水素ガス接触工程S22との違いは、モニタウェーハを曝すガス雰囲気に原料ガスが含まれるか否かにある。
最後に、金属汚染量を強調させた第3モニタウェーハの評価結果と、金属汚染量を強調させた第4モニタウェーハの評価結果とを比較する。
即ち、低温でモニタウェーハを原料ガスを含むガス雰囲気に曝した場合と、低温でモニタウェーハを原料ガスを含まないガス雰囲気に曝した場合との、ウェーハ汚染評価結果を比較することになる。この比較によって、原料ガスから発生する金属汚染の影響を評価できる。
次に、本発明の第四実施形態を説明する。
第四実施形態の汚染管理対象となる気相成長装置は、上記第一実施形態と同様の図1に示す気相成長装置1であるため、その構成については説明を省略する。
第四実施形態では、ウェーハ搬入工程S1、ガス接触工程S2、及び、ウェーハ搬出工程S3からなるサイクルを、同一のモニタウェーハに対して、この順序で所定の回数繰り返す。これにより、モニタウェーハ中の金属汚染量を強調させた後、ウェーハ汚染評価工程を行う。
上記サイクルを繰り返し実施することで、モニタウェーハは金属で汚染される環境下に繰り返し曝されることになる。これにより、ウェーハ汚染評価工程で確実に検出が可能なレベルにまで金属がモニタウェーハに蓄積される。結果として、MoやW、Ti、Nb、Taなどの超微量金属汚染に対しても、金属測定が可能となる。この測定された金属濃度に基づいて、気相成長装置の汚染を管理することができる。
サイクルの繰り返し回数は、2回以上20回以下であることが好ましい。サイクルの繰り返し回数を上記範囲とすることで、ウェーハ汚染評価工程で検出可能な濃度にまで、金属を蓄積したモニタウェーハを作製できる。
モニタウェーハとして、直径300mmのn−型シリコンウェーハを使用した。
また気相成長装置として、撮像素子用エピタキシャルシリコンウェーハに対応可能なエピタキシャル成長装置を使用した。
・ モニタウェーハ:ウェーハ搬入工程、ガス接触工程、及びウェーハ搬出工程を行い、金属汚染強調されたモニタウェーハを作製。処理条件は、ガス接触工程が、TCSガス及び水素ガス雰囲気、保持温度室温、処理時間200秒。
金属汚染強調後の各モニタウェーハの表面にフッ酸と過酸化水素水との混合溶液を接触させることにより、ウェーハ表面に存在している金属を混合溶液により回収した。回収した金属は誘導結合プラズマ質量分析により測定し、モニタウェーハ表面の各金属元素における濃度を求めた。
上記実施例1と同様の直径300mmのn−型シリコンウェーハを2枚用意し、これを第1モニタウェーハ及び第2モニタウェーハとした。そして、上記実施例1と同様のエピタキシャル成長装置を使用した。
・ 第1モニタウェーハ:ウェーハ搬入工程、ガス接触工程、及びウェーハ搬出工程を行い、金属汚染強調されたモニタウェーハを作製。処理条件は、ガス接触工程が、TCSガス及び水素ガス雰囲気、保持温度室温、処理時間200秒。
・ 第2モニタウェーハ:ウェーハ搬入工程、熱処理工程、及びウェーハ搬出工程を行い、金属汚染強調されたモニタウェーハを作製。処理条件は、熱処理工程が、TCSガス及び水素ガス雰囲気、熱処理温度1115℃、処理時間200秒。
一方、第2モニタウェーハに対する強調汚染では、Fe、Ni、Cu及びWが検出され、Mo及びTiはそれぞれ検出下限以下であった。この比較結果から、熱処理を加えることによって、Fe及びNiが金属汚染として発生することが判った。
また、熱処理を加えることによって、Moが検出下限以下となっているのは、高温中での気相反応によりMoが除去される可能性があることを示している。
上記実施例1と同様の直径300mmのn−型シリコンウェーハを2枚用意し、これを第3モニタウェーハ及び第4モニタウェーハとした。そして、上記実施例1と同様のエピタキシャル成長装置を使用した。
・ 第3モニタウェーハ:ウェーハ搬入工程、ガス接触工程、及びウェーハ搬出工程を行い、金属汚染強調されたモニタウェーハを作製。処理条件は、ガス接触工程が、TCSガス及び水素ガス雰囲気、保持温度室温、処理時間200秒。
・ 第4モニタウェーハ:ウェーハ搬入工程、水素ガス接触工程、及びウェーハ搬出工程を行い、金属汚染強調されたモニタウェーハを作製。処理条件は、水素ガス接触工程が、水素ガス雰囲気、保持温度室温、処理時間200秒。
一方、第4モニタウェーハに対する強調汚染では、上記第3モニタウェーハと同様に、検出元素はCu、Mo及びWであったが、その検出濃度は、全体的に低く、特にMoの濃度が低く検出された。この比較結果から、原料ガスから発生する金属汚染としては、主としてMoが発生することが判った。
Claims (9)
- 気相成長装置のチャンバーの内部にモニタウェーハを搬入するウェーハ搬入工程と、
前記モニタウェーハを原料ガス及び水素を含むガス雰囲気下、0℃以上100℃以下の温度で保持するガス接触工程と、
前記チャンバーの内部から前記モニタウェーハを搬出するウェーハ搬出工程と、
前記モニタウェーハの金属汚染度を評価するウェーハ汚染評価工程と
を実施し、
前記ウェーハ汚染評価工程の測定結果に基づき、前記気相成長装置の汚染度を評価する
ことを特徴とする気相成長装置の汚染管理方法。 - 請求項1に記載の気相成長装置の汚染管理方法において、
第1モニタウェーハに対して、前記ウェーハ搬入工程、前記ガス接触工程、前記ウェーハ搬出工程、及び、前記ウェーハ汚染評価工程を実施し、
前記第1モニタウェーハとは異なる第2モニタウェーハに対して、前記ウェーハ搬入工程、前記第2モニタウェーハを前記原料ガス及び前記水素を含むガス雰囲気下で熱処理する熱処理工程、前記ウェーハ搬出工程、及び、前記ウェーハ汚染評価工程を実施し、
前記第1モニタウェーハの評価結果と、前記第2モニタウェーハの評価結果とを比較する
ことを特徴とする気相成長装置の汚染管理方法。 - 請求項1に記載の気相成長装置の汚染管理方法において、
第3モニタウェーハに対して、前記ウェーハ搬入工程、前記ガス接触工程、前記ウェーハ搬出工程、及び、前記ウェーハ汚染評価工程を実施し、
前記第3モニタウェーハとは異なる第4モニタウェーハに対して、前記ウェーハ搬入工程、前記第4モニタウェーハを前記水素を含むガス雰囲気下、0℃以上100℃以下の温度で保持する水素ガス接触工程、前記ウェーハ搬出工程、及び、前記ウェーハ汚染評価工程を実施し、
前記第3モニタウェーハの評価結果と、前記第4モニタウェーハの評価結果とを比較する
ことを特徴とする気相成長装置の汚染管理方法。 - 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の気相成長装置の汚染管理方法において、
前記ウェーハ汚染評価工程が、化学分析による金属濃度測定及び/又はライフタイム測定である
ことを特徴とする気相成長装置の汚染管理方法。 - 請求項1に記載の気相成長装置の汚染管理方法において、
前記ウェーハ搬入工程、前記ガス接触工程、及び、前記ウェーハ搬出工程からなるサイクルを、同一のモニタウェーハに対して、この順序で所定の回数繰り返すことにより、前記モニタウェーハ中の金属汚染量を強調させた後、前記ウェーハ汚染評価工程を行うことを特徴とする気相成長装置の汚染管理方法。 - 請求項5に記載の気相成長装置の汚染管理方法において、
前記サイクルの繰り返し回数が2回以上20回以下であることを特徴とする気相成長装置の汚染管理方法。 - 請求項4に記載の気相成長装置の汚染管理方法において、
前記化学分析が、誘導結合プラズマ質量分析を使用して行われることを特徴とする気相成長装置の汚染管理方法。 - 請求項4に記載の気相成長装置の汚染管理方法において、
前記化学分析が、気相分解法を使用して行われることを特徴とする気相成長装置の汚染管理方法。 - 請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の気相成長装置の汚染管理方法により管理された気相成長装置を用いて、エピタキシャルシリコンウェーハを製造することを特徴とするエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法。
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