JP2016097978A - 高粘性液体用二重容器 - Google Patents

Abstract

【課題】特に粘性の高い、例えば粘度１０００〜１００，０００ｍPa/sの液体を収容し、従来と大きく変わらない成形技術によって容易に製造可能で、比較的剛性な外容器と、該外容器内で収容物の充填量に対応して容量を変更可能な二重容器において、該内容物を、酸化させることなく収容し、外容器は当初の外形・寸法を維持し続け、残存収容物の量に拘わらず、外容器を押し潰すことによって収容物を吐出することができる高粘性液体用二重容器を提供すること。
【解決手段】互いに接触して成形されかつ部分的に剥離可能な剛性外層容器部と柔軟性内層容器部とを有し、前記剛性外層容器部と柔軟性内層容器部とが剥離してできた空間に外気を入れるための一方向弁を備えた高粘性液体用二重容器。
【選択図】図１

Description

本発明は、マヨネーズ、グリース等の高粘性液体を収容する二重容器に関する。さらに詳しくは、本発明は、比較的剛性な外容器と、該外容器内で収容物の充填量に対応して容量を変更可能な柔軟内容器とからなる二重容器であって、マヨネーズ、グリース等の高粘性液体を、残留収容量の多少に拘わらず空気に接触させることなく収容でき、かつ使い勝手よく吐出することができる高粘性液体用二重容器に関する。

液体の容器は、収容物の一部を使用しても、残留収容物が外気に触れることなく収容物の酸化を防ぐことができることが理想である。ここで、液体とは、一定の体積をもつが一定の形状をもたないもので、粘性の低い水、醤油、酢等や、粘性の高い油、マヨネーズ、グリース等を含む。
すなわち、一般の液体容器において、収容物の充填後、容器内の空間を真空にしたり窒素ガス等の不活性ガスを充填すること等によって、充填容器を開封するまで収容物の酸化を防ぐことは容易である。しかし、一般的には、容器を開封して収容物を一部消費し、容器内に使用残りの収容物が残留している状態では、容器内に収容物の消費量に対応した容積の外気が入り、残留収容物が酸化する。この酸化を防ぐため、収容物に酸化防止剤を含有することもある。

液体は、また、変形可能な容器に収容する場合がある。その場合、収容物の使用によって容器が当初形状から萎み変形する。萎み変形した容器は、醜くなり、例えばレストランのテーブル上に置くことが好ましくないという問題がある。また、容器の外面には、食用に供するための注意書、賞味期限、アレルギー関連注意書き、性能等が記載されている。前記容器の萎み変形によって、これらの記載が読み難くなったり、読むことが不可能になったりする問題がある。さらに、残留収容物の減少によって、残留収容物が容器の隅部に集まり、容器が平面上に垂直に立たなくなったり、残留収容物を容器より吐出するために、残留収容物を容器の吐出口近傍に移動させなければならないという問題がある。

この残留収容物の酸化を防ぎ、また容器の萎み変形の弊害を除くため、容器を剛性外容器（剛性外層容器部）と柔軟内容器（柔軟性内層容器部）で構成する。収容物の使用に当たり、剛性外容器は変形させず、柔軟内容器の容積を収容物の消費量に対応した量だけ減少させて柔軟内容器には外気を入れないようにした構成が提案され、醤油等の液体調味料容器等として使用されている。

前述した外容器を変形させず、柔軟内容器の容積を収容物の消費量に対応した分だけ減少させて、柔軟内容器に外気を入れないようにした構成の従来技術の二重容器として、内容物が収容されるとともに該内容物の減少に伴いしぼみ変形する可撓性の内容器、および該内容器が内装されており、弾性変形して該内容器との間に外気を吸入するための吸気孔が形成された外容器を有する容器本体と、前記内容物を吐出する吐出口が天面部に形成されており、該容器本体の口部に装着される吐出キャップと、外部と前記吸気孔とを連通する外気導入孔と、該外気導入孔と前記吸気孔との連通およびその遮断を切り替える空気弁部と、を備える吐出容器であって、前記内容器内に、前記内容物よりも圧縮されやすい気体が収容されて気体スペースが形成されており、前記気体の容量が前記内容器の容量の４％以上であり、前記気体は、前記吐出口から前記内容物を吐出させるために当該吐出容器を傾けて吐出姿勢にした際、前記内容器内を速やかに移動するものである、吐出容器が提案されている（例えば、特許文献１参照）。

一方、前述した外容器を変形させず、柔軟内容器の容積を収容物の消費量に対応した分だけ減少させて、外気が入らず萎み変形する柔軟内容器を有する構成の二重容器において解決しなければならない問題は、製造時に柔軟内容器は外容器の内面に接触していて、収容物の消費量に対応して柔軟内容器が外容器の内面から剥離して柔軟内容器と外容器の間に外気を吸入しなければならないことである。この外気の吸入のための開口を比較的容易に形成することを特徴とする従来技術として、外殻を形成する外層と、該外層に剥離自在に積層し、内袋を形成する内層とから成る合成樹脂製ブロー成形容器であって、口筒部の周壁に形成した前記内層の膨出部の先端部近傍に積層する外層部分で、前記先端部周縁を基端部として、該基端部を引き千切り可能に扁平状の摘み片を起立形成し、該基端部はノッチ状の形状とし、前記内層の膨出部は容器のブロー成形時に口筒部の周壁の一部を外層と共に膨出成形することにより形成したものとし、前記摘み片は内層の先端部近傍に積層する外層部分をブロー成形に使用する割金型の合わせ面でプレス状にして形成したものとし、前記基端部のノッチ状の形状は前記膨出部の形成時に金型キャビティの形状に沿って形成したものとし、該摘み片により、前記内層の先端部近傍から外層を剥離状に除去して、前記外層と内層の間に外気を導入する吸気孔を開設する構成とした合成樹脂製ブロー成形容器が提案されている（例えば、特許文献２参照）。

特許第５２９５４６０号公報 特許第４９３６２４９号公報

特許文献１によって提案された吐出容器は、内容物が粘性の低い純水に似た粘性の液体、例えば醤油、酢等のいわゆる液体調味料である場合には、所定の作動、すなわち外容器を変形させず、柔軟内容器の容積を収容物の消費量に対応した分だけ減少させて、柔軟内容器に外気を入れないようにして内容物の酸化を防止することができる。しかし、内容物がマヨネーズ等の高粘性物の場合には、内容物が構造状必要な非常に小さい力で作動しなければならない弁構造の作動を妨げて所定の弁作動が行なわれないだけでなく、内容物が狭い通気路を塞ぐおそれが高く、粘性の高い内容物を入れて実際上家庭で使用することは極めて問題が多い。

さらに、特許文献１の吐出容器は、粘性の低い内容物を収容することを目的としており、吐出は、該吐付容器を横向き又は下向きにして、注ぎ口から重力で吐出させすなわち流出させあるいは滴下させることにより行う。他方、マヨネーズ等の高粘性調味料は、一般的な寸法の容器の注ぎ口からは、流出したり滴下することはない。そのため、内容物の吐出には、柔軟内容器を押し潰す等して容量を減少させることが必要である。しかし、特許文献１の吐出容器は、当初形状の外容器及び柔軟内容器の間に空気を吸入排出自在の状態で空気吸入して、外容器が形状・寸法を維持している。従って、外容器を押し潰しても柔軟内容器を押し潰すことはできず、内容物を吐出することはできないと推定される。

引用文献２に開示された合成樹脂製ブロー成形容器においても、粘性の低い内容物を収容することを目的としており、吐出は、該吐付容器を横向きまたは下向きに傾けて、収容物を注ぎ口から重量で流出させあるいは滴下させることにより行う。従って、マヨネーズ等の高粘性調味料は、一般的な寸法の注ぎ口からは流出したり滴下することはない。そのため、内容物の吐出には、柔軟内容器を押し潰す等して容量を減少させることが必要である。引用文献２に開示された合成樹脂製ブロー成形容器においても、当初形状の外容器及び柔軟内容器の間に空気を吸入排出自在の状態で空気吸入して、外容器が形状・寸法を維持している。従って、外容器を押し潰しても柔軟内容器を押し潰すことはできず、内容物を吐出することはできないと推定される。

（発明の目的）
本発明は、比較的剛性な外容器と、該外容器内で収容物の充填量に対応して容量を変更可能な柔軟内容器とからなる二重容器によって高い粘性の液体を収容する場合の上述した問題に鑑みてなされたものである。本発明は、特に粘性の高い、例えば粘度１０００〜１００，０００ｍPa/sの液体を収容し、従来と大きく変わらない成形技術によって容易に製造可能で、比較的剛性な外容器と、該外容器内で収容物の充填量に対応して容積を変更可能な二重容器において、該内容物を、酸化させることなく収容し、外容器は当初の外形・寸法を維持し続け、残存収容物の量に拘わらず、外容器を押し潰すことによって収容物を吐出することができる高粘性液体用二重容器を提供することを目的とする。

本発明はまた、収容物の使用によって容器が当初形状から萎み変形し、醜くなったり、自立不可能になったり、例えばレストランのテーブル上に置くことが好ましくないという問題がない高粘性液体用二重容器を提供することを目的とする。
また、容器の外面には、食用に供するための注意書、賞味期限、アレルギー関連注意書き、性能等が記載されている。前記容器の萎み変形によって、これらの記載が読み難くなったり、読むことが不可能にならない高粘性液体用二重容器を提供することを目的とする。

本発明は、さらに、残留収容物の減少によって、残留収容物が容器の隅部に集まり、容器が平面上に垂直に立たなくなったり、残留収容物を容器より吐出するために、残留収容物を容器の吐出口近傍に移動させなければならないという問題がない高粘性液体用二重容器を提供することを目的とする。

第１発明は、互いに接触して成形されかつ部分的に剥離可能な剛性外層容器部と柔軟性内層容器部とを有し、前記剛性外層容器部と柔軟性内層容器部とが剥離してできた空間に外気を入れるための一方向弁を備えたことを特徴とする高粘性液体用二重容器である。

本発明によれば、特に粘性の高い、例えば粘度１０００〜１００，０００ｍPa/sの液体を収容し、従来と大きく変わらない成形技術によって容易に製造可能で、比較的剛性な外容器と、該外容器内で収容物の充填量に対応して容積を変更可能な柔軟内容器とからなる二重容器において、該内容物を、酸化させることなく収容し、外容器は当初の外形・寸法を維持し続け、残存収容物の量に拘わらず、外容器を押し潰すことによって収容物を吐出することができる高粘性液体用二重容器を構成することができる。
本発明は、粘度２０００〜９０，０００ｍPa/sの液体について、さらには粘度３０００〜８０，０００ｍPa/sの液体について好適に実施できる。

本発明によればまた、収容物の使用によって容器が当初形状から萎み変形し、醜くなったり、自立不可能になったり、例えばレストランのテーブル上に置くことが好ましくないという問題がなく、また、容器の外面には、食用に供するための注意書、賞味期限、アレルギー関連注意書き、性能等が記載されているが、前記容器の萎み変形によって、これらの記載が読み難くなったり、読むことが不可能にならない高粘性液体用二重容器を構成することができる。

本発明によれば、さらに、柔軟内容器を周囲の気体圧力によって押圧することによって、待残留収容物が残留収容物の減少によって柔軟内容器の隅部に集まり、重心が偏ったところに移動して、容器が平面上に垂直に立たなくなったり、残留収容物を容器より吐出するために、残留収容物を容器の吐出口近傍に移動させなければならないという問題がない高粘性液体用二重容器を構成することができる。

第２発明は、収容物が、粘度１０００〜１００，０００ｍPa/sの液体であって、互いに接触して成形されかつ部分的に剥離可能な剛性外層容器部と柔軟性内層容器部とを有し、前記剛性外層容器部と柔軟性内層容器部とが剥離してできた空間に外気を入れるための一方向弁を備えた高粘性液体用二重容器に収容された二重容器入りの液体である。

第３発明は、収容物が、マヨネーズであって、互いに接触して成形されかつ部分的に剥離可能な剛性外層容器部と柔軟性内層容器部とを有し、前記剛性外層容器部と柔軟性内層容器部とが剥離してできた空間に外気を入れるための一方向弁を備えた高粘性液体用二重容器に収容された二重容器入りの液体である。

第４発明は、収容物が、グリースであって、互いに接触して成形されかつ部分的に剥離可能な剛性外層容器部と柔軟性内層容器部とを有し、前記剛性外層容器部と柔軟性内層容器部とが剥離してできた空間に外気を入れるための一方向弁を備えた高粘性液体用二重容器に収容された二重容器入りの液体である。

（発明の第１実施態様）
前記本発明において、前記一方向弁が、前記剛性外層容器部の底部に設けられていることを特徴とする。
（発明の第２実施態様）
前記本発明において、前記一方向弁が、前記剛性外層容器部の底部に取付けられた内側底キャップに固着されていることを特徴とする。
（発明の第３実施態様）
前記本発明において、前記一方向弁が、前記剛性外層容器部の底部に取付けられた外側底キャップに被われていることを特徴とする。

本発明の第１実施形態の高粘性液体用二重容器の垂直断面図である。 本発明の第１実施形態の高粘性液体用二重容器のボトル本体部の成形品の垂直断面図であり、（ａ）は全体垂直断面図であり、（ｂ）は（ａ）の点線Ｂで示す部分の拡大垂直断面図である。 本発明の第１実施形態の高粘性液体用二重容器に使用する第１実施例の一方向弁の斜視図である。 図３の線IV−IVに沿った断面図である。 本発明の第１実施形態の高粘性液体用二重容器に使用する第２実施例の一方向弁の斜視図である。 本発明の第１実施形態の高粘性液体用二重容器に使用する第２実施例の一方向弁の付近の断面図である。 本発明の第２実施形態の高粘性液体用二重容器の垂直断面図である。

（第１実施形態）
（構成）
本発明の第１実施形態の高粘性液体用二重容器１０は、図１に示すように、上方部において、ボトル本体１２の吐出口１４にパッキン１６付きの容器キャップ１８が螺合され、蓋される。
ボトル本体１２の底部領域は、環状で水平に延びた陥凹部２０と、その下の円錐面２２と、円錐面２２の下方の密封円柱部２４と、密封円柱部２４の底部２６とを有する。

高粘性液体用二重容器１０の下方部には、陥凹部２０に嵌合した外側底キャップ３０、ボトル本体１２の密封円柱部２４と外側底キャップ３０と嵌合した内側底キャップ３２、さらに内側底キャップ３２の中央に形成された弁受け孔３４に嵌合した一方向弁４０が配置されている。密封円柱部２４への内側底キャップ３２の嵌合、弁受け孔３４への一方向弁４０の嵌合には、嵌合や密封を確実にするため接着剤を使用することもある。

ボトル本体１２は、パリソンを割型の成形型で挟み込んだ後、該パリソンを前記成形型内にブロー圧力で押し付けることによって成形される。ボトル本体１２は、図２に示すように、内側から、低密度ポリエチレン（ＬＤＰＥ）層、ポリオレフィン系接着性樹脂等の接着剤層、及びエチレンビニルアルコール共重合体（ＥＶＯＨ）層の３層の柔軟性内層５０と、ポリプロピレン（ＰＰ）の剛性外層５２とからなる。

ボトル本体１２の柔軟性内層５０と剛性外層５２の間には、互いに接着性はなく、容易に剥離可能である。しかし、ボトル本体１２の上方部、特に吐出口１４は、吐出通路の断面積がパリソンの太さと大きく変わらず、従ってブロー圧力による拡大が少なく、パリソンの厚さを維持しているから、一体化して成形された柔軟性内層５０と剛性外層５２は、強固に一体化していて、通常その部分において剥離することはない。

ボトル本体１２の下方部では、底部２６より下側のパリソンが、ピンチ部ＰＰを介して底バリ６０として形成される。底バリ６０では、円錐面２２、密封円柱部２４、底部２６の内側面を形成していた柔軟性内層５０が、中央部に一層となって存在する。底バリ６０の両側には、剛性外層５２が延在する。

底バリ６０は、断面積の小さいピンチ部ＰＰの存在によって、ボトル本体１２から容易に掻き取ることができる。底バリ６０を掻き取った底部２６の部分には、図２（ｂ）から理解できるように、一層の柔軟性内層５０の端部と、その両側の剛性外層５２の端部が露出する。柔軟性内層５０と剛性外層５２が剥離してこれらの間が低圧になると、底バリ６０を掻き取った底部２６の部分の柔軟性内層５０と剛性外層５２も剥離し、細い空隙が形成される。従って、上述した柔軟性内層５０と剛性外層５２の剥離によって形成された空隙すなわち空間は、この細い空隙からの通気により常に外気と同じ１気圧になる。

外側底キャップ３０は、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン（HDPE）等のオレフィン系樹脂あるいは比較的高い樹脂によって成形される。

内側底キャップ３２は、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン（HDPE）等のオレフィン系樹脂あるいは比較的高い樹脂によって成形される。

一方向弁４０は、熱可塑性エラストマー等の弾力性を有する樹脂によって成形される。一方向弁４０は、図３及び図４に示すように、円盤状の基板部７０と、基板部７０の一方の面７２から徐々に高くなった山部７４からなる。山部７４の頂上部７６は長方形であり、頂上部７６の中央部分には、基板部７０の他面７８まで延びた通気溝８０が形成されている。

一方向弁４０は、図４において、矢印８２の方向から高い圧力が掛かるすなわち矢印８４がある領域が矢印８２が記載されている領域より低圧になると、山部７４は通気溝８０を押し開くように変形して、矢印８２の方向に通気する。
他方、図４において、矢印８４の方向から高い圧力が掛かるすなわち矢印８２が記載された領域が矢印８４が記載された領域より低圧になると、山部７４は押し潰されて通気溝８０をより強く閉じ、矢印８４の方向の通気を不可能にする。

他の形態の一方向弁１４０は、熱可塑性エラストマー等の弾力性を有する樹脂によって成形される。一方向弁１４０は、図５及び図６に示すように、円盤状であって、中央部に、Ｃ字形の通気溝１４２を有する。通気溝１４２は、その両側部が切り離されているが、外部からの荷重が無い場合は、通気溝１４２は塞がっており、一方向弁１４０の通気は不可能である。

一方向弁１４０は、図６に示すように、内側底キャップ１３２の中央部に形成された、環状の陥入内溝１９０に陥入される。陥入内溝１９０の下側すなわち外気側の支持突出部１９２は通気溝１４２を被い、陥入内溝１９０の上側すなわち内側底キャップ１３２の内側支持突出部１９４は通気溝１４２を被っていない。

一方向弁１４０は、図６において、矢印１８２の方向から高い圧力が掛かると、Ｃ字形の通気溝１４２に囲まれた部分ＶＶは通気溝１４２を押し広げるように変形して、矢印１８２の方向に通気する。
他方、図６において、矢印１８４の方向から高い圧力が掛かっても、部分ＶＶは支持突出部１９２よって支持されているから、通気溝１４２は押しげられることはなく、矢印１８４の方向の通気は不可能である。

（作用）
上述した構成の高粘性液体用二重容器１０に、マヨネーズ等の高粘性液体を収容する。容器キャップ１８を外して、剛性外層５２を押し潰して吐出口１４から収容物を押し出す。所定量の収容物の押し出し後、高粘性液体用二重容器１０をテーブル等の水平なところに垂直に立てて置く。

剛性外層５２は、高粘性液体用二重容器１０を押し潰す力を減退することに対応して元の形状に戻ろうとする。一方、吐出口１４にある収容物は所定の粘度をもっているから、柔軟性内層５０は外気を吸入して容積を増やすことはできない。従って、柔軟性内層５０と剛性外層５２は剥離し、それらの間に低圧の空間ができる。この低圧が、通気溝８０を押し開いて通気可能にする。通気溝８０の通気により、柔軟性内層５０と剛性外層５２が剥離してできた空間が１気圧になり、安定した状態になる。

続いて、内容物をさらに吐出するために、剛性外層５２を押し潰す。柔軟性内層５０と剛性外層５２の間の空間が１気圧より高くなり、通気溝８０は塞がり、弁部材８０の通気は不可能になる。剛性外層５２のさらなる押し潰しにより、柔軟性内層５０と剛性外層５２の間の空間が１気圧より高くなり、該１気圧より高い圧力によって柔軟性内層５０が押し潰され、内容物が吐出される。

（第２実施形態）
（構成）
第２実施形態の高粘性液体用二重容器２１０の構成について以下に説明するが、第１実施形態の高粘性液体用二重容器１０と同一の構成については、図面に第１実施形態と同一の参照番号を付して、その説明を省略する。

高粘性液体用二重容器２１０の下方部には、陥凹部２０に嵌合した外側底キャップ２３０、ボトル本体１２の密封円柱部２２４に嵌合した内側底キャップ２３２、さらに内側底キャップ２３２の中央に形成された弁受け孔２３４に嵌合した一方向弁４０が配置されている。密封円柱部２２４への内側底キャップ２３２の嵌合、弁受け孔２３４への一方向弁４０の嵌合には、嵌合や密封を確実にするため接着剤を使用することもある。

外側底キャップ２３０の上端部すなわちボトル本体１２の陥凹部２０に陥入する部分には、縦に延びる複数本の通気縦溝２９２が形成されている。通気縦溝２９２は、陥凹部２０において外側底キャップ２３０の内外を通気する。

高粘性液体用二重容器２１０の下方部には、ボトル本体１２の密封円柱部２２４に嵌合した内側底キャップ２３２、さらに内側底キャップ２３２の中央に形成された弁受け孔３２４に嵌合した一方向弁４０が配置されている。密封円柱部２２４への内側底キャップ２３２の嵌合、弁受け孔２３４への一方向弁４０の嵌合には、嵌合や密封を確実にするため接着剤を使用することもある。

高粘性液体用二重容器２１０の利点は、高粘性液体用二重容器２１０を水が溜まった場所においても、その水の深さが外側底キャップ２３０より小さければ、高粘性液体用二重容器２１０が水を吸い込むことがなく、正常に使用できることである。

ＰＰ ピンチ部
１０、２１０ 高粘性液体用二重容器
１２ ボトル本体
１４ 吐出口
１８ 容器キャップ
２０ 陥凹部
２２ 円錐面
２４、２２４ 密封円柱部
２６ 底部
３０、２３０ 外側底キャップ
３２、１３２、２３２ 内側底キャップ
３４、２３４ 弁受け孔
４０，１４０ 一方向弁
５０ 柔軟性内層
５２ 剛性外層
６０ 底バリ
７０ 基板部
７４ 山部
７６ 頂上部
８２，８４ 矢印
１８０ 通気溝
１９０ 陥入内溝
１９２ 支持突出部
１９４ 側支持突出部
２９２ 通気縦溝

Claims (7)

1. 互いに接触して成形されかつ部分的に剥離可能な剛性外層容器部と柔軟性内層容器部とを有し、前記剛性外層容器部と柔軟性内層容器部とが剥離してできた空間に外気を入れるための一方向弁を備えたことを特徴とする高粘性液体用二重容器。
2. 前記一方向弁が、前記剛性外層容器部の底部に設けられていることを特徴とする請求項１に記載の高粘性液体用二重容器。
3. 前記一方向弁が、前記剛性外層容器部の底部に取付けられた内側底キャップに固着されていることを特徴とする請求項１に記載の高粘性液体用二重容器。
4. 前記一方向弁が、前記剛性外層容器部の底部に取付けられた外側底キャップに被われていることを特徴とする請求項１に記載の高粘性液体用二重容器。
5. 収容物が、粘度１０００〜１００，０００ｍPa/sの液体であって、請求項１に記載の高粘性液体用二重容器に収容された二重容器入りの液体。
6. 収容物が、マヨネーズであることを特徴とする請求項１に記載の二重容器入りの液体。
7. 収容物が、グリースであることを特徴とする請求項１に記載の二重容器入りの液体。

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