JP2016095955A - ケーブル固定構造、及びケーブル - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のケーブルの並列固定方法は、長さ方向の一部にだけ固定部を設けるのには不向きな方法が多く、固定できたとしても強度が不十分で、曲げ部や分岐部の近傍で使用するには好ましくないことも多い。これを改善したケーブル固定構造を提供する。
【解決手段】ケーブルの最外層を補強部材で覆って融着固定する。この時、補強部材と最外層とは融着するが、最外層間では融着が起こらないよう融着し、適切な融着強度を得つつ、熱によるケーブルへの悪影響も低減させる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、主にケーブルに使用される固定構造に関する。
産業用ロボットなどの稼働部などにおいて、リボンケーブル、ベアケーブルなどと称される、複数本のケーブルを並列固定したものが広く使用されている。並列固定の方法としては、熱融着による方法、接着による方法などが知られている。
熱融着による方法としては、ケーブル間に熱風を当てて融着する方法(特許文献1)や、ケーブルを型で加熱プレスする方法(特許文献2)などが知られている。
一方、接着固定する方法としては接着剤として紫外線硬化塗料を使用して接合する方法(特許文献3)などが知られている。
ところで、従来使用されているケーブルの並列固定方法は、各ケーブルが伸びた状態で連続的に給線し、長さ方向の全体に渡って固定することを想定した物が殆どであり、長さ方向の一部分のみを固定したりするには不向きであることが多い。
特許文献2に記載の製造装置では、ケーブルを間欠的に固定することができるが、これも各ケーブルが伸びた状態で連続的に給線して固定することを想定したものであり、ケーブルが曲がった状態で固定するは不向きな方法である。
特に、図1のように、並列したケーブルによって形成される平面に沿って曲げた部分を有する形状のケーブルを得たくても、この形状は外側のケーブルを長く、内側のケーブルを短くする必要があるため、ケーブルの長さ方向の全体に渡って固定されたケーブルではこの形状を得ることができず、曲げた形状とした後にケーブル間を固定することも、先述の通り困難である。
また、従来の加熱融着による固定方法は、ケーブルに使用される材料によっては熱影響が大きく、ケーブル特性に悪影響を及ぼす可能性も存在する。
特許文献3に記載の接着剤塗布による固定方法を使用すれば、熱影響を抑えつつ、曲げた後にケーブル間を固定することが可能だが、接着固定では使用環境によっては固定強度が不十分なことがある。特に固定部の近傍でケーブルが分岐し、分岐部に引張応力が働くような環境で使用される際、固定部が破壊されてしまう可能性が高い。
また、上記の課題を解決する方法の一例として、本願の出願人が既に出願している特願2013−149969号がある。
特開昭54−037283 特開昭55−090017 特開平7−14437 特願2013−149969
本発明の課題は、ケーブルの並列固定構造に関して、長さ方向の一部にだけ固定部を設けるのに適し、ケーブルへの熱影響を抑え、ケーブルの曲げ部や分岐部の近傍で使用されるのが好ましいケーブル固定構造を提供することにある。
発明者は鋭意工夫を重ねた結果、ケーブルの固定が必要な箇所に補強部材を設け、補強部材とケーブルの最外層を融着層を融着する一方で、最外層同士は融着しないようケーブルを固定することで、従来の問題を解消できることを究明した。
本発明によって提供されるケーブル固定構造は、ケーブルの固定部において、並列した複数本のケーブルの少なくとも一面を覆うように補強部材が設けられ、隣り合う該ケーブルの最外層は融着されることなく、補強部材と最外層との間が互いに融着していることを特徴とする。
本発明のケーブル固定構造にあっては、以下に記載した優れた効果が期待できる。

(1)ケーブルの長さ方向の所望する位置だけに固定部を設けるのに適した構造である。

(2)このため、ケーブルを曲げた状態で固定部を設けることが可能であり、並列したケーブルによって形成される平面に沿った曲げ部を有するケーブルの製造が容易に行える。

(3)加えて、ケーブルの最外層同士は融着しないようケーブルが固定されるため、ケーブルへの熱影響は最小限に抑えられる。

(4)さらに、従来の固定方法と比較して極めて高い引張強度を得ることができ、固定部の近傍で長尺部材が分岐した状態での使用にも十分耐えうる。
並列したケーブルを、並列したケーブルによって形成される平面に沿って曲げた様子である。 本発明のケーブル固定構造の基本的態様である。 本発明のケーブル固定構造の態様の一種である。 本発明のケーブル固定構造において、自立部材を設けた場合の構造である。 本発明のケーブル固定構造において、自立部材を設けた場合の構造の一種である。 本発明のケーブル固定構造において、融着層を設けた場合の構造である。 本発明のケーブル固定構造を得る方法の一例である。 ケーブル固定構造の引張強度の測定方法である。 本発明のケーブル固定構造を得る方法の他の例である。 本発明のケーブル固定構造において、異なる外径を有するケーブルを組み合わせた場合の構造である。 本発明のケーブル固定構造を使用したケーブルの例である。
以下、本発明の基本的構成を、添付図面を参照しながら説明する。
図2において、1はケーブル、2はケーブルを構成する信号線、3はケーブルのシース、4は補強部材であり、5が本発明のケーブル固定構造(固定部)である。図2はケーブル1が5本、各ケーブル1を構成する信号線2が2本の場合を示しているが、ケーブル1は複数本であれば本数は限定されず、信号線2の本数、配列は適宜選択すれば良い。また、後述するようにケーブル1は信号線を含まないチューブなどであっても良い。
図2においては、シース3がケーブルの最外層となる。
本願発明におけるケーブル1とは、電線、同軸ケーブル、光ファイバなどの信号線2を必要に応じてシールド層などで覆い、シース3で一括被覆した一般的なケーブルに限定されるものではなく、導体線をシースで被覆したのみの公知の電線、導体線を誘電体、シールド層、シースで覆った公知の同軸ケーブル、光ファイバをシースで被覆した公知の光ファイバケーブル、エアーや液体を輸送する公知の単層もしくは多層チューブも含むものとする。なお、単層チューブの際はその単層を、多層チューブの際は最外層をケーブル1におけるシース3と見なす。
本発明で特徴的なことは、複数本のケーブル1の固定部5においてケーブル1の少なくとも一面を覆うように補強部材4が設けられており、補強部材4と各ケーブル1の最外層とが互いに融着されている一方、隣り合うケーブルの最外層は互いに融着されていないことである。
ケーブル1の長さ方向の所望する場所のみに補強部材4を設け、最外層と融着させることで、ケーブル1の必要な箇所のみを並列固定させることができる。さらに、本発明においては、ケーブル1の最外層同士は融着させないままとし、最外層と補強部材4の間での融着のみによって各ケーブル1を並列固定するのも特徴である。
これは最外層同士が融着するまで加熱を行うと、最外層(シース3)内の信号線2に熱影響が発生し、ケーブル特性に悪影響が発生する可能性があるためである。特に、熱に弱いプラスチック製光ファイバを信号線2として使用している際には、プラスチック製光ファイバ自体が溶けてケーブルとしての機能を失う可能性が極めて高いため、最外層と補強部材4とが十分に融着する程度の加熱に留めることがより重要となる。
図2はケーブル1の下面のみに補強部材4を設けたが、図3に示したように、ケーブル1の全周を覆うように補強部材4を設けても良い。ケーブル1の全周を補強部材4で覆うことで、固定部5の強度が上昇する。
本発明においては、最外層と補強部材4の間での融着によって固定強度を得る必要があるため、最外層と補強部材4が強固に融着する構成とするのが好ましい。
強固に融着するためには、最外層と補強部材4とが相溶性の材料であることが好ましい。相溶性であるとは、互いに同一の材料である、もしくは化学的構成が類似していることにより、融解した際に互いに混ざり合いやすいことを指す。最外層と補強部材4とが相溶性であることで、融着時に互いに混ざり合い、より強固な融着を得ることができる。
また補強部材4は多層構造とすることが好ましい。これは、最外層との相溶性を有する補強部材4の材料が必ずしも、柔軟性などその他の特性に優れたものであるとは限らないためである。例えば、固定部5に柔軟性が必要な場合は、補強部材4を2層構造とし、最外層と接する層(以下、溶融層と呼ぶ)は、最外層との相溶性が高い材料の層とし、もう1つの層は、溶融層と同種の材料としつつ、より柔軟性に富んだ組成の材料とすることで、強固な融着と柔軟性を両立することができる。溶融層以外の層は、柔軟性に限らず、必要な特性を有する材料を適宜選択すればよい。
補強部材4を多層構造とする際は、溶融層の融点を、ケーブルの最外層の融点より低いものとすることが好ましい。
この構成とすることで、加熱融着を行う際、最外層の融解が開始する前に補強部材4の溶融層が融解するため、ケーブル1に熱影響が発生する前に融着を完了することができる。なお、溶融層以外の層の融点は、溶融層の融点より高いものにしておくと、融着後の外観変化を最小限に留めることができて好ましい。
なお、本発明における融点は、その材料が融解して液体となる温度のみを指すものではなく、融着が可能な程度に材料が軟化する温度も、便宜上融点として扱う。
また、補強部材4を多層構造として、溶融層の融点をケーブル1の最外層の融点より低いものとした場合、ケーブル1の長さ方向における固定部5の端部において、溶融層が固定部5の端部から飛び出す構成を取るのが好ましい。
この構成を取ることで、固定部5の端部から補強部材4が剥がれにくくなる。
溶融層を固定部5の端部から飛び出させるには、補強部材4を加熱して溶融層が軟化した際に、補強部材4に圧力をかけて溶融層を飛び出させればよい。
補強部材4は、ケーブル1への熱影響軽減と取扱いの観点から、薄膜状のものが好ましい。薄膜状とは、補強部材4の長さ、幅、及びケーブル1の外径と比較してその厚さが十分に小さい形状のことを指し、いわゆるシート状のもの、テープ状のものなどが挙げられる。補強部材4を薄膜状とすることで、ケーブル1の最外層と補強部材4の接触面を素早く加熱することができ、短時間で融着が完了するため、ケーブル1への熱影響を最小限に留めることができる。加えて、補強部材4を設けても厚さの変化が少ないため、ケーブル1を使用する場面において、補強部材4が他の物体に干渉することも防ぐことができる。
薄膜状補強部材4を使用する際は、固定強度と融着の作業性の観点で、厚さが100〜2000μmの範囲にあるのが好ましい。薄膜状補強部材4を適切な厚さとすることで、最外層と補強部材4の接触面を素早く加熱できると共に、融着後の固定強度も確保することができる。
また、本発明においては必要に応じて、ケーブル1の最外層と接触するように、固定部5に自立部材6を設けた構成を取っても良い。
この自立部材6は原則として、ケーブル1及び補強部材4よりも剛性の高い材料が使用される。剛性が高い自立部材6を設けることによって、固定部5においてケーブル1が折れ曲がりにくくなり、固定部5を空中に浮かせて使用する際などに不用意に変形することを抑制できる。
固定部5へ自立部材6を設けた態様の1つとして、図4を示す。
図4ではケーブル1の片面を補強部材4で覆い、もう片面は自立部材6でケーブル1を覆った構成である。
自立部材6は補強部材4と同様、ケーブル1の最外層と融着可能な構成とし、自立部材6を設けたケーブル面において、ケーブル1の最外層と自立部材6が融着される。また、ケーブル1の幅方向の端部では、自立部材6と補強部材4とがそれぞれ互いに融着される。
固定部5へ自立部材6を設けた別態様の1つとして、図5を示す。
図5は、ケーブル1の片面に自立部材6を設け、ケーブル1と自立部材6の両方を覆うように補強部材4を設けた構成である。
この構成の場合は、ケーブル1の最外層と自立部材6の間を融着しなくても自立部材6を固定部5に設けることができるため、自立部材6を融着に不向きな材料とする必要がある場合に好適である。
自立部材6を最外層や補強部材4と融着して使用する際は、強固に融着できるよう、自立部材6の材料を最外層、補強部材4に対して相溶性の材料とすることが好ましい。
また、固定部5の不用意な変形を抑制できる効果が得られるなら、自立部材6はケーブル1及び補強部材4よりも剛性の高い材料に限定されない。
以上は、シース3をケーブルの最外層として述べたが、図6に示したように、シース3の外周に別途融着層7を設け、融着層7を最外層として構成しても良い。
これは補強部材4を多層構造とするのと同様、柔軟性などシース3に要求される特性を満たそうとした結果、シース3が融着に適した材料でなくなった場合、融着層7を別途設けることで、ケーブル1の最外層を融着に適したものとすることができる。
最外層と補強部材4の融着には、特許文献2に記載された公知の加熱プレス用の型と同様の断面形状を有する融着金型8を使用するのが好ましい。所定の長さの融着金型8を使用することで、ケーブル1の長さ方向の所望する位置のみに所定の長さの固定部5を形成することができる。
融着方法は融着金型8を使用した方法に限定されず、利用可能な方法を適宜選択すれば良い。
上述のように、本発明はケーブル1の長さ方向の所望する位置に固定部5を形成することができるため、ケーブル1を所望する形状に変形させた後に固定部5を形成するのに好ましく利用できる。
例えば、図1に示すように、並列した複数本のケーブル1を、並列したケーブルによって形成される面に沿って曲げた形状とする場合は、ケーブルを曲げた後、曲げ部9の近傍に固定部5を設ければ良い。
なお、本発明で言う固定部5の近傍とは、曲げ部9のような特定の形状を維持する効果、あるいは次段落に述べるようなケーブルの引裂きを防止する効果といった、固定部5の存在によってケーブルに発生する好影響が及ぶ範囲のことを指す。
さらに、本発明のケーブル固定構造は、その近傍でケーブル1が分岐して使用される場合にも好適である。
後述するように、本発明のケーブル固定構造(固定部5)は高い引張強度を有するため、分岐したケーブルが引張られて固定部5が裂けるような力が掛かっても、従来のケーブル固定構造と比較して高い耐久性を有する。
[実施例1]
本発明のケーブル固定構造の実施例として、図3に示した固定部5を得る方法について述べる。
複数本の信号線2上に融点が160〜170℃の範囲にあるポリウレタン製のシース3を押出し、外径を8mmとしたケーブル1を5本用意した。
5本のケーブル1を並列させた後、長さ方向の途中を10cmに渡って補強部材4で覆われるように、補強部材4を融着して固定部5を設ける。補強部材4として厚さ500μmの薄膜状で、2層構造となっているポリウレタンシートを使用した。このポリウレタンシート4のシース3と接する側の層は厚さ200μm、融点が115〜120℃の範囲にある、柔軟性の高いポリウレタン層となっており、もう1層は厚さ300μm、融点が140〜150℃の範囲にあり、機械的強度の高い熱可塑性ポリウレタン層となっている。
ケーブル1に補強部材4を融着する方法の一例を図7に示す。ケーブル形状に合わせて作成した融着金型8aにポリウレタンシート4を敷き(図7(a))、ケーブル1がポリウレタンシート4に、ポリウレタンシート4が融着金型8aに密着するよう5本のケーブル1を配置し(図7(b))、上から融着金型8bを押当て130℃で加熱融着を行った(図7(c))。この時、最も融点の低いポリウレタンシート4のポリウレタン層が最初に融解して、ケーブルの最外層であるシース3に固定される。加熱温度はポリウレタン層のみが融解する温度であり、シース3と熱可塑性ポリウレタン層が融解することなく融着を終えることができる。
シース3同士の融着が起こらないようにシース3とポリウレタンシート4の融着を行うため、シース3によって覆われたケーブル1への熱影響は極めて少なく、融着によるケーブル1への悪影響は抑えられる。
片面へのポリウレタンシート4の融着が完了したら(図7(d))、もう片面にも同様の方法でポリウレタンシート4を融着し、不要な部分を除去して固定部5の形成が完了する。
続いて、上述の方法、構成で形成した固定部5の引張強度を測定した。測定方法を図8に示す。
固定部5を形成し、ケーブル長40mmにカットしたものを評価サンプルとした。
比較例として、引用文献3に記載された接着による固定方法を使用して、評価サンプルと同等の構成のものを準備した。
サンプルの上端と下端を引張試験機のチャック10で固定し、引張速度200mm/minにて上下方向に引張り、固定部5が破断した時の値を引張強度とし、引張強度が240N以上のものを合格とした。なお、引張強度が240N以上という条件は、部分的に固定するのに不向きな特許文献1に記載の融着方法で、同等の評価サンプルを作成した際に得られる値である。
測定結果を表1に示す。比較例では大半のサンプルの引張強度が200N以下であるのに対し、本願発明では240N以上という高い引張強度を安定して得られることが確認できた。
以上、薄膜状補強部材であるポリウレタンシート4を2枚使用して片面ずつケーブル1に融着する方法について述べたが、薄膜状補強部材を使用する際の融着方法はこれに限定されるものでない。
例えば、図9(a)に示すように、1枚の薄膜状補強部材4でケーブル1をU字状に覆って融着する方法や、図9(b)に示したような、1枚の薄膜状補強部材4でケーブル1を一周するように覆って融着する方法を使用しても良い。図3の方法で薄膜状補強部材4を融着した際にはケーブル1の両側に薄膜状補強部材4同士が融着された部分が発生するが、図9(a)の方法の場合は薄膜状補強部材4同士が融着された部分がケーブル1の片側のみに発生、図9(b)の方法の場合には発生しないため、薄膜状補強部材4同士が融着された部分が周囲の物体に干渉する際に有効な方法である。
また、以上述べた例は、ケーブル1の外径が全て等しい場合であるが、本発明は一部のケーブル1の外径が異なる場合、あるいはケーブル1の外径が全て異なる場合など、異なる外径を有するケーブル1を組み合わせたものに固定部5を設けても良い。異なる外径を有するケーブル1を組み合わせる際には、図10(a)に示したように、隣り合う各ケーブル1の最外層が固定部5の片面において同一平面となるよう固定部5を形成する方法と、図10(b)に示したように、隣り合う各ケーブル1の中心を一致させるように固定部5を形成する方法がある。
[実施例2]
続いて、本発明のケーブル固定構造を使用したケーブルの実施例として、図11を示す。以下、図11の形状のケーブルを得る方法について述べる。
複数本の信号線2上に融点が130〜140℃の範囲にあるポリ塩化ビニル製のシース3を押出し、外径を8mmとしたケーブル1を6本用意した。各ケーブル1のシース3上に、融着層7として融点が150〜160℃の範囲にあるポリウレタンを押出し、外径を9mmとした。
融着層7を設けた5本のケーブル1を並列させた後、長さ方向の途中を10cmに渡って補強部材4で覆われるように、補強部材4を融着して固定部5を設ける。補強部材4として厚さ500μmの薄膜状で、2層構造となっているポリウレタンシートを使用した。このポリウレタンシート4の融着層7と接する側の層は厚さ250μm、融点が115〜120℃の範囲にあるポリウレタン層となっており、もう1層は厚さ250μm、融点が140〜150℃の範囲にある熱可塑性ポリウレタン層となっている。
なお、実施例2に使用するポリウレタンシート4は、実施例1に使用したものと比較して、柔軟性に優れる一方、機械的強度が劣る仕様のものを使用した。
固定方法は図4に示した方法を用い、150℃で加熱融着を行った。
この時、最も融点の低いポリウレタンシート4のポリウレタン層が最初に融解して、融着層7に固定される。加熱温度は融着層7、及び熱可塑性ポリウレタン層が融解する可能性のある温度であるが、加熱時間を調整することで、これらの層の融解が始まる前に必要な融着を終えることができる。
また、融着後の固定部5の端部に溶融層飛び出し部11が形成されるよう、溶融層が軟化した際に融着金型8に圧力をかけ、軟化した溶融層を飛び出させた。
融着層7同士の融着が起こらないように融着層7と補強部材4の融着を行うため、融着層7によって覆われたケーブル1への熱影響は極めて少なく、融着によるケーブル1への悪影響は抑えられる。
片面へのポリウレタンシート4の融着が完了したらもう片面にも同様の方法でポリウレタンシート4を融着し、不要な部分を除去して固定部5の形成が完了する。
次に、固定部5の近傍で並列したケーブル1によって形成される面に沿って、複数本のケーブル1を90°曲げた。この時曲げ部9において、外側のケーブル1が長く、内側のケーブル1が短くなるが、この時点では固定部5以外ではケーブル間の固定がされていないため、曲げ径に応じた長さ調整を容易に行うことができる。
曲げが完了したら、曲げ部9の反対側にも固定部5を先述した方法で形成する。
ケーブル端部の長さを揃え、機器接続用のコネクタ12を設ける。コネクタ12は周知のものから接続する機器に応じたものを適宜選択して設ければよい。この時ケーブルの片端は、ケーブル5本をまとめて1つのコネクタ12を設けるが、もう一端は固定部の近傍でケーブルを2本と3本に分岐させ、それぞれにコネクタ12を設けて完成となる。
続いて、[実施例2]の場合の固定部5の引張強度を測定した。測定方法は[実施例1]の場合と同様である。
測定結果を表2に示す。
[実施例1]と比較すると、使用したポリウレタンシートの違いによる引張強度の低下が見られるが、固定部の引張強度自体は240N以上という高い値を安定して得られることが確認でき、[実施例2]は引張方向の力が掛かるケーブル分岐部に好適に使用できる。
以上の例は、本発明の一例に過ぎず、本発明の思想の範囲内であれば、種々の変更および応用が可能であることは言うまでもない。本発明の固定構造は、ケーブルの並列固定を想定したものではあるものの、ケーブル以外、例えば、金属パイプの外周に融着層を設け、必要箇所のみ融着するなど、種々の長尺品に応用することが可能である。
1 ケーブル
2 信号線
3 シース
4 補強部材
5 ケーブル固定構造(固定部)
6 自立部材
7 融着層
8 融着金型
9 ケーブル曲げ部
10 引張試験機のチャック
11 溶融層飛び出し部
12 コネクタ

Claims (10)

  1. 並列した複数本のケーブルを、長さ方向の少なくとも一部において並列状態で固定した構造であって、該複数本のケーブルの固定部において、並列した該複数本のケーブルの少なくとも一面を覆うように補強部材が設けられ、隣り合う該ケーブルの最外層は融着されることなく、該補強部材と該最外層との間が互いに融着していることを特徴とするケーブル固定構造。
  2. 該最外層と、該補強部材とが相溶性の材料であることを特徴とする、請求項1に記載のケーブル固定構造。
  3. 該補強部材が多層構造であることを特徴とする、請求項1または2に記載のケーブル固定構造。
  4. 該多層構造を有する補強部材の、該最外層と接する層の融点が、該最外層の融点よりも低いことを特徴とする、請求項3に記載のケーブル固定構造。
  5. 該補強部材が薄膜状であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のケーブル固定構造。
  6. 該薄膜状補強部材の厚さが100〜2000μmの範囲にある、請求項5に記載のケーブル固定構造。
  7. 該複数本のケーブルに接触するよう、自立部材が設けられていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のケーブル固定構造。
  8. 該最外層は、該ケーブルのシースの外周に設けられた融着層であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載のケーブル固定構造。
  9. 請求項1〜8の何れかに記載の該ケーブル固定構造の近傍で、該並列した複数本のケーブルが曲げられていることを特徴とするケーブル。
  10. 請求項1〜8の何れかに記載の該ケーブル固定構造の近傍で、該ケーブルが分岐していることを特徴とするケーブル。
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