JP2016088894A - 化合物 - Google Patents

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Abstract

【課題】カラーフィルター用着色顔料として用いる耐熱性に優れた化合物の提供。【解決手段】式(A−V)で表される化合物。[Yはp価のアニオン;R1A〜R8Aは各々独立にH、又はC1〜10のアルキル基;R9A及びR10Aは各々独立にH、C1〜10のアルキル基、置換されていてもよい芳香族炭化水素基、又は置換されていてもよいアラルキル基;R11A〜R14Aは各々独立にH、ハロゲン原子、C1〜10のアルキル基;R15A〜R20Aは各々独立にH、C1〜10のアルキル基。]【選択図】なし

Description

本発明は、化合物に関するものである。
液晶表示装置等や固体撮像素子等に含まれているカラーフィルタ用青色顔料として、特許文献1には、式(A−III−1)で表される化合物が記載されている。
特開2011−186043号公報
上記化合物は分解温度が低く、耐熱性の点で劣っていた。そこで本発明は、耐熱性に優れた化合物を提供することを目的とする。
本発明は、以下の[1]〜[4]を提供するものである。
[1]式(A−V)で表されることを特徴とする化合物。
[式(A−V)中、Yはp価のアニオンを表す。
1A、R2A、R3A、R4A、R5A、R6A、R7A及びR8Aは、それぞれ独立して、水素原子、又は炭素数1〜10のアルキル基を表す。
9A及びR10Aは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、置換されていてもよい芳香族炭化水素基、又は置換されていてもよいアラルキル基を表す。
11A〜R14Aは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基を表す。
15A、R16A、R17A、R18A、R19A及びR20Aは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基を表す。
上記R1A〜R20Aにおいて、上記アルキル基は、構成するメチレン基間に酸素原子が挿入されていてもよい。
46は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、又は置換されていてもよい芳香族炭化水素基を表し、R46において、上記アルキル基は、構成するメチレン基間に酸素原子が挿入されていてもよい。
Dは置換されていてもよい芳香族基を表す。
Aは、置換されていてもよいm価の有機基を表す。
mは2〜6の整数を表す。
nは1〜6の整数を表す。
pは1〜6の整数を表す。
qは1〜6の整数を表す。]
[2]式(A−I)で表されることを特徴とする化合物。
[式(A−I)中、Yはp価のアニオンを表す。
1A、R2A、R3A、R4A、R5A、R6A、R7A及びR8Aは、それぞれ独立して、水素原子、又は炭素数1〜10のアルキル基を表す。
9A及びR10Aは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、置換されていてもよい芳香族炭化水素基、又は置換されていてもよいアラルキル基を表す。
11A〜R14Aは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基を表す。
15A、R16A、R17A、R18A、R19A及びR20Aは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基を表す。
上記R1A〜R20Aにおいて、上記アルキル基は、構成するメチレン基間に酸素原子が挿入されていてもよい。
46は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、又は置換されていてもよい芳香族炭化水素基を表し、R46において、上記アルキル基は、構成するメチレン基間に酸素原子が挿入されていてもよい。
55は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、又は置換されていてもよい芳香族炭化水素基を表し、R55において、上記アルキル基は、構成するメチレン基間に酸素原子が挿入されていてもよい。
Xは、O、S又はNHを表す。
Aは、置換されていてもよいm価の有機基を表す。
mは2〜6の整数を表す。
nは1〜6の整数を表す。
pは1〜6の整数を表す。
qは1〜6の整数を表す。]
[3]対イオンは、タングステン、モリブデン、ケイ素及びリンからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素と、酸素とを必須元素として含有するアニオンである[1]又は[2]に記載の化合物。
[4]式(B−I)で表されることを特徴とする化合物。
[式(B−I)中、
46は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、又は置換されていてもよい芳香族炭化水素基を表し、R46において、上記アルキル基は、構成するメチレン基間に酸素原子が挿入されていてもよい。
55は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、又は置換されていてもよい芳香族炭化水素基を表し、R55において、上記アルキル基は、構成するメチレン基間に酸素原子が挿入されていてもよい。
Xは、O、S又はNHを表す。
Aは、置換されていてもよいm価の有機基を表す。
mは2〜6の整数を表す。]
本発明によれば、耐熱性のよいカラーフィルタを得ることができる。
本発明に係る新規化合物は、下記式(A−V)で表されることを特徴とする。
[式(A−V)中、Yはp価のアニオンを表す。
1A、R2A、R3A、R4A、R5A、R6A、R7A及びR8Aは、それぞれ独立して、水素原子、又は炭素数1〜10のアルキル基を表す。
9A及びR10Aは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、置換されていてもよい芳香族炭化水素基、又は置換されていてもよいアラルキル基を表す。
11A〜R14Aは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基を表す。
15A、R16A、R17A、R18A、R19A及びR20Aは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基を表す。
上記R1A〜R20Aにおいて、上記アルキル基は、構成するメチレン基間に酸素原子が挿入されていてもよい。
46は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、又は置換されていてもよい芳香族炭化水素基を表し、R46において、上記アルキル基は、構成するメチレン基間に酸素原子が挿入されていてもよい。
Dは置換されていてもよい芳香族基を表す。
Aは、置換されていてもよいm価の有機基を表す。
mは2〜6の整数を表す。
nは1〜6の整数を表す。
pは1〜6の整数を表す。
qは1〜6の整数を表す。]
1A〜R20Aで表されるアルキル基は、直鎖、分岐鎖及び環状の何れであってもよい。直鎖又は分岐鎖のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。該アルキル基は、好ましくは炭素数1〜10であり、より好ましくは炭素数1〜8であり、更に好ましくは炭素数1〜6である。
1A〜R20Aで表される環状のアルキル基は、単環でも多環でもよい。該環状のアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基等が挙げられる。該環状のアルキル基は、好ましくは炭素数3〜10であり、より好ましくは炭素数6〜10である。
1A〜R20Aで表されるアルキル基の具体例として、下記式で表される基が挙げられる。下記式中、*は結合手を表す。
1A〜R20Aで表される基のうち、該アルキル基を構成するメチレン基間に酸素原子が挿入されている基としては、例えば、下記式で表される基が挙げられる。下記式中、*は結合手を表す。
該アルキル基を構成するメチレン基間に酸素原子が挿入されている基としては、炭素数1〜10の基が好ましく、炭素数1〜6の基がより好ましい。酸素原子が挿入されるアルキル基は、直鎖アルキル基が好ましい。また酸素原子間の炭素数は、1〜4個が好ましく、2〜3個がより好ましい。
9A〜R10Aにおいて、芳香族炭化水素基としてはフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
9A〜R10Aにおいて、アラルキル基における芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
9A〜R10Aで表される基のうち、上記芳香族炭化水素基及び上記アラルキル基における置換基としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;ヒドロキシ基;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;スルファモイル基;メチルスルホニル基等の炭素数1〜6のアルキルスルホニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基等が挙げられる。
置換されてもよい芳香族炭化水素基の具体例としては、下記式で表される基が挙げられる。下記式中、*は結合手を表す。
置換されてもよいアラルキル基の具体例としては、下記芳香族炭化水素基の各具体例の結合手にメチレン基が結合した基が挙げられる。
1A〜R8Aは、合成の容易さの点から、それぞれ独立して、水素原子、又は炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましく、水素原子、又はメチル基であることがより好ましく、水素原子が特に好ましい。
9A〜R10Aは、合成の容易さの点から、それぞれ独立して、炭素数1〜10アルキル基、置換されていてもよい芳香族炭化水素基又は置換されていてもよいアラルキル基であることが好ましく、それぞれ独立して、炭素数1〜8のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、メチル基を有するフェニル基、メチル基を有するナフチル基;無置換の、又はハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基、スルファモイル基、メチルスルホニル基、メトキシカルボニル基、及びエトキシカルボニル基から選ばれる1種以上、特に1種で置換されたアラルキル基であることがより好ましく、それぞれ独立して、炭素数1〜4の直鎖アルキル基であることが更に好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
11A〜R14Aで表される基のうち、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられ、フッ素原子が好ましい。R11A〜R14Aとしては、合成の容易さの点から、水素原子が好ましい。
15A〜R20Aは、合成の容易さの点から、それぞれ独立して、水素原子、又は炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましく、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であることがより好ましく、水素原子、又はメチル基であることが更に好ましく、水素原子が特に好ましい。
46におけるアルキル基としては、R1A〜R20Aにおける炭素数1〜10のアルキル基が挙げられる。
46において、炭素数1〜10のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等の直鎖アルキル基;イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、1−メチルペンチル基、1−プロピルブチル基等の分岐鎖状アルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基等の環状アルキル基;等が挙げられ、例えば、下記式で表される基が挙げられる。下記式中、*は結合手を表す。中でも、炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が特に好ましい。
46において、該アルキル基を構成するメチレン基間に酸素原子が挿入されている基としては、例えば、下記式で表される基が挙げられる。下記式中、*は結合手を表す。
該アルキル基を構成するメチレン基間に酸素原子が挿入されている基としては、炭素数1〜10の基が好ましく、炭素数1〜6の基がより好ましい。酸素原子が挿入されるアルキル基は、直鎖アルキル基が好ましい。また酸素原子間の炭素数は、1〜4個が好ましく、2〜3個がより好ましい。
46における芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
46において、芳香族炭化水素基における置換基としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素等のハロゲン原子;クロロメチル基、トリフルオロメチル基等の炭素数1〜6のハロアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;ヒドロキシ基;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;スルファモイル基;メチルスルホニル基等の炭素数1〜6のアルキルスルホニル基;メトキシカルボニル基等の炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基等が挙げられる。
置換されてもよい芳香族炭化水素基の具体例としては、下記式で表される基が挙げられる。下記式中、*は結合手を表す。
46は、合成の容易さの点から、炭素数1〜10のアルキル基又は置換されていてもよい芳香族炭化水素基であることが好ましく、炭素数1〜8のアルキル基、又はハロゲン原子、炭素数1〜4のハロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ヒドロキシ基、炭素数1〜4のアルキル基、或いはメチルスルホニル基で置換されていてもよい芳香族炭化水素基であることがより好ましく、炭素数1〜8のアルキル基又は下記式で表される芳香族炭化水素基であることが更に好ましい。下記式中、*は結合手を表す。
Aは、置換されていてもよいm価の有機基を表す。m価の有機基には、m個全ての結合手が脂肪族化合物上に存在する有機基(以降、m価の脂肪族基と称する場合がある)、m個全ての結合手が芳香族化合物上に存在する有機基(以降、m価の芳香族基と称する場合がある)、及びm個の結合手の一部が脂肪族化合物上に存在し、残りの結合手が芳香族化合物上に存在する有機基が含まれる。
mは2〜6の整数を表し、2〜4の整数がより好ましく、2又は3が更に好ましく、合成の容易さから、特に2が好ましい。
m価の脂肪族基の炭素数は、例えば、1〜10が好ましく、より好ましくは2〜10であり、更に好ましくは4〜10である。またAにおけるm価の脂肪族基には、脂肪族化合物の水素原子をm個取り除いた置換基だけでなく、結合手を有するm個の脂肪族基が、環状構造で連結されている置換基も含まれる。前記環状構造としては、例えば、シクロヘキサン、ベンゼン、ピリジン等の単環;ナフタレン等の縮合環;アダマンタン等の架橋環;等が挙げられる。
またm価の脂肪族基の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素等のハロゲン原子;クロロメチル基、トリフルオロメチル基等の炭素数1〜6のハロアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;ヒドロキシ基;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;スルファモイル基;メチルスルホニル基等の炭素数1〜6のアルキルスルホニル基;メトキシカルボニル基等の炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基等が挙げられる。m価の脂肪族基の具体例としては、下記式で表される基が挙げられる。下記式中、*は、結合手を表す。
m価の芳香族基の炭素数は、例えば、6〜40が好ましく、より好ましくは6〜30であり、更に好ましくは6〜25である。またAにおけるm価の芳香族基には、芳香族炭化水素、芳香族ヘテロ環化合物等の芳香族化合物の水素原子をm個取り除いた置換基だけでなく、結合手が芳香族化合物に存在する限り、結合手を有するm個の芳香族基が脂肪族基で連結されている置換基も含まれる。
またm価の芳香族基の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素等のハロゲン原子;クロロメチル基、トリフルオロメチル基等の炭素数1〜6のハロアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;ヒドロキシ基;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;スルファモイル基;メチルスルホニル基等の炭素数1〜6のアルキルスルホニル基;メトキシカルボニル基等の炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基等が挙げられる。m価の芳香族基の具体例としては、下記式で表される基が挙げられる。下記式中、*は、結合手を表す。
Aとしては、例えば、下記式(E−I)で表される芳香族炭化水素基が好ましい。
[式(E−I)中、R51、R52、R53、及びR54は、それぞれ独立して、水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表す]
51〜R54は、合成の容易さの点から、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、又はエチル基であることが好ましい。
Dは置換されていてもよい芳香族基であり、式(A−V)に示される様に、陽イオン化炭素原子とN原子とを連結している。Dの芳香族基には、例えば、チアゾリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、ピリジル基等の硫黄原子、酸素原子、窒素原子を有する芳香族ヘテロ環置換基、及びフェニル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素基が含まれる。芳香族基の炭素数は、例えば、6〜20が好ましく、より好ましくは6〜16であり、更に好ましくは6〜12である。
芳香族炭化水素基における置換基としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素等のハロゲン原子、炭素数1〜4のハロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシ基、SO3 -基、メチルスルホニル基、ジアルキルアミノ基、フェニルアミノ基等が挙げられ、該フェニルアミノ基は、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシ基、SO3 -基、メチルスルホニル基、ジアルキルアミノ基等で置換されていてもよい。
ヘテロ芳香族基における置換基としては、フェニル基、フェニルアミノ基等が挙げられ、該フェニルアミノ基は、炭素数1〜4のアルキル基等で置換されていてもよい。
置換されてもよい芳香族基の具体例としては、下記式で表される基が挙げられる。下記式中、*は陽イオン化炭素原子との結合手を表し、**はN原子との結合手を表す。
上記式中、R55は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、又は置換されていてもよい芳香族炭化水素基を表し、R55において、上記アルキル基は、構成するメチレン基間に酸素原子が挿入されていてもよい。X1はハロゲン原子である。前記X1は、より好ましくは塩素原子又は臭素原子であり、更に好ましくは塩素原子である。
55におけるアルキル基としては、それぞれR1A〜R20Aにおける炭素数1〜10のアルキル基が挙げられる。
55において、炭素数1〜10のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等の直鎖アルキル基;イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、1−メチルペンチル基、1−プロピルブチル基等の分岐鎖状アルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基等の環状アルキル基;等が挙げられ、例えば、下記式で表される基が挙げられる。下記式中、*は結合手を表す。中でも、炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が特に好ましい。
55において、該アルキル基を構成するメチレン基間に酸素原子が挿入されている基としては、例えば、下記式で表される基が挙げられる。下記式中、*は結合手を表す。
55における芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられ、フェニル基が好ましい。
55において、芳香族炭化水素基における置換基としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素等のハロゲン原子;クロロメチル基、トリフルオロメチル基等の炭素数1〜6のハロアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;ヒドロキシ基;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;スルファモイル基;メチルスルホニル基等の炭素数1〜6のアルキルスルホニル基;メトキシカルボニル基等の炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基等が挙げられる。置換されてもよい芳香族炭化水素基の具体例としては、下記式で表される基が挙げられる。下記式中、*は、結合手を表す。
55は、合成の容易さの点から、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基又は置換されていてもよい芳香族炭化水素基であり、より好ましくは炭素数1〜8のアルキル基又はハロゲン原子、炭素数1〜4のハロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ヒドロキシ基、炭素数1〜4のアルキル基、或いはメチルスルホニル基で置換されていてもよい芳香族炭化水素基であり、更に好ましくは下記式で表される芳香族炭化水素基である。下記式中、*は、結合手を表す。
式(A−V)で表される化合物は、式(A−I)で表される化合物(以下、化合物(A−I)ということがある。)であることが好ましい。式(A−I)で表される化合物には、その互変異性体も含まれる。
[式(A−I)中、Yはp価のアニオンを表す。
1A、R2A、R3A、R4A、R5A、R6A、R7A及びR8Aは、それぞれ独立して、水素原子、又は炭素数1〜10のアルキル基を表す。
9A及びR10Aは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、置換されていてもよい芳香族炭化水素基、又は置換されていてもよいアラルキル基を表す。
11A〜R14Aは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基を表す。
15A、R16A、R17A、R18A、R19A及びR20Aは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基を表す。
上記R1A〜R20Aにおいて、上記アルキル基は、構成するメチレン基間に酸素原子が挿入されていてもよい。
46は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、又は置換されていてもよい芳香族炭化水素基を表し、R46において、上記アルキル基は、構成するメチレン基間に酸素原子が挿入されていてもよい。
55は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、又は置換されていてもよい芳香族炭化水素基を表し、R55において、上記アルキル基は、構成するメチレン基間に酸素原子が挿入されていてもよい。
Xは、O、S又はNHを表す。
Aは、置換されていてもよいm価の有機基を表す。
mは2〜6の整数を表す。
nは1〜6の整数を表す。
pは1〜6の整数を表す。
qは1〜6の整数を表す。]
式(A−V)及び式(A−I)において、nは、カチオンの電荷mとアニオンの電荷pに応じて決定され、一般的には、式(A−V)及び式(A−I)全体の電荷が0となるようにして調整される。通常、nは、mとpの最小公倍数をmで除した値であり、本発明では、nは1〜6が好ましく、より好ましくは1〜3である。
式(A−V)及び式(A−I)のカチオン部分は、それぞれ式(A−V−2)及び(A−I−3)で示される。
(上記式中、R1A〜R20A、R46、D、A及びmは前記式と同じ。)
(上記式中、R1A〜R20A、R46、R55、A及びmは前記式と同じ。)
具体的には、(A−I−3)において、例えば、下記表に示す置換基を有するカチオン1〜カチオン198等が挙げられる。
上記表中、各置換基は以下の通りである。
中でも、式(A−I−3)で表されるカチオン部分としては、カチオン1〜カチオン102が好ましく、カチオン55〜カチオン102がより好ましく、カチオン55〜66が更に好ましい。
式(A−V)におけるYは、p価のアニオンを表す。[Y]p-としては、公知のアニオンが挙げられるが、耐熱性の点から、含ホウ素アニオン、含アルミニウムアニオン、含フッ素アニオン、並びに、タングステン、モリブデン、ケイ素及びリンからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素と酸素とを必須元素として含有するアニオンが好ましい。
含ホウ素アニオン及び含アルミニウムアニオンとしては、例えば、下記式(4)で表されるアニオンが挙げられる。
[式(4)中、W1、W2は、それぞれ独立に、1価のプロトン供与性置換基からプロトンを放出してなる置換基2つを有する基を表す。Mは、ホウ素又はアルミニウムを表す。]
1価のプロトン供与性置換基からプロトンを放出してなる置換基2つを有する基としては1価のプロトン供与性置換基(例えばヒドロキシ基、カルボン酸基等)を少なくとも2つ有する化合物から2つのプロトン供与性置換基それぞれからプロトンが放出されてなる基が挙げられる。当該化合物としては、置換基を有していてもよいカテコール、置換基を有していてもよい2,3−ジヒドロキシナフタレン、置換基を有していてもよい2,2’−ビフェノール、置換基を有していてもよい3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、置換基を有していてもよい2−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、置換基を有していてもよい1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、置換基を有していてもよいビナフトール、置換基を有していてもよいサリチル酸、置換基を有していてもよいベンジル酸又は置換基を有していてもよいマンデル酸であることが好ましい。
前記例示の化合物において、置換基としては、飽和炭化水素基(例えば、アルキル基、シクロアルキル基等)、ハロゲン原子、ハロアルキル基、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、アルコキシ基等が挙げられる。
置換基を有していてもよいサリチル酸としては、サリチル酸、3−メチルサリチル酸、3−tert−ブチルサリチル酸、3−メトキシサリチル酸、3−ニトロサリチル酸、4−トリフルオロメチルサリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸、3−アミノサリチル酸、4−アミノサリチル酸、5−アミノサリチル酸、6−アミノサリチル酸などのモノアミノサリチル酸;3−ヒドロキシサリチル酸(2,3−ジヒドロキシ安息香酸)、4−ヒドロキシサリチル酸(2,4−ジヒドロキシ安息香酸)、5−ヒドロキシサリチル酸(2,5−ジヒドロキシ安息香酸)、6−ヒドロキシサリチル酸(2,6−ジヒドロキシ安息香酸)などのモノヒドロキシサリチル酸;4,5−ジヒドロキシサリチル酸、4,6−ジヒドロキシサリチル酸などのジヒドロキシサリチル酸;3−クロロサリチル酸、4−クロロサリチル酸、5−クロロサリチル酸、6−クロロサリチル酸、3−ブロモサリチル酸、4−ブロモサリチル酸、5−ブロモサリチル酸、6−ブロモサリチル酸などのモノハロサリチル酸;3,5−ジクロロサリチル酸、3,5−ジブロモサリチル酸、3,5−ジヨードサリチル酸などのジハロサリチル酸;3,5,6−トリクロロサリチル酸等のトリハロサリチル酸;等が挙げられる。
置換基を有していてもよいベンジル酸としては、
置換基を有していてもよいマンデル酸としては、
等が挙げられる。
式(4)で表されるアニオンのうち好ましいアニオンとしては、下記式で表されるアニオンであって、表に記載の置換基を有するアニオン(BC−1)〜アニオン(BC−24)、並びに、それぞれ式(BC−25)、式(BC−26)、式(BC−27)及び式(BC−28)で示されるアニオン(BC−25)〜アニオン(BC−28)等が挙げられる。
式(4)で表されるアニオンとしては、アニオン(BC−1)、アニオン(BC−2)、アニオン(BC−3)、アニオン(BC−25)、アニオン(BC−26)、アニオン(BC−27)が好ましく、アニオン(BC−1)、アニオン(BC−2)、アニオン(BC−25)がより好ましく、アニオン(BC−1)、アニオン(BC−2)が更に好ましい。これらのアニオンの何れかと、式(A−V−2)又は式(A−I−3)で表されるイオンにより形成された塩は有機溶剤への溶解性に優れる傾向がある。
含フッ素アニオンとしては、例えば、下記式(6)、(7)、(8)、(9)で表される基が挙げられる。
[式(6)中、W3及びW4はそれぞれ独立に、フッ素原子若しくは炭素数1〜4のフッ化アルキル基を表すか、又は、W3とW4とが一緒になって炭素数1〜4のフッ化アルカンジイル基を表す。]
[式(7)中、W5〜W7はそれぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜4のフッ化アルキル基を表す。]
[式(8)中、Y1は炭素数1〜4のフッ化アルカンジイル基を表す。]
[式(9)中、Y2は炭素数1〜4のフッ化アルキル基を表す。]
式(6)及び(7)において、炭素数1〜4のフッ化アルキル基としては、パーフルオロアルキル基が好ましい。該パーフルオロアルキル基としては、−CF3、−CF2CF3、−CF2CF2CF3、−CF(CF32、−CF2CF2CF2CF3、−CF2CF(CF32、−C(CF33等が挙げられる。
式(6)において、炭素数1〜4のフッ化アルカンジイル基としては、パーフルオロアルカンジイル基が好ましく、−CF2−、−CF2CF2−、−CF2CF2CF2−、−C(CF32−、−CF2CF2CF2CF2−等が挙げられる。
式(8)において、炭素数1〜4のフッ化アルカンジイル基としては、パーフルオロアルカンジイル基が好ましい。パーフルオロアルカンジイル基としては、−CF2−、−CF2CF2−、−CF2CF2CF2−、−C(CF32−、−CF2CF2CF2CF2−等が挙げられる。
式(9)において、炭素数1〜4のフッ化アルキル基としては、パーフルオロアルキル基が好ましい。パーフルオロアルキル基としては、−CF3、−CF2CF3、−CF2CF2CF3、−CF(CF32、−CF2CF2CF2CF3、−CF2CF(CF32、−C(CF33等が挙げられる。
式(6)で表されるアニオン(以下「アニオン(6)」という場合がある)としては、それぞれ式(6−1)〜式(6−6)で示されるアニオン(以下、「アニオン(6−1)」〜「アニオン(6−6)」という場合がある)が挙げられる。
式(7)で表されるアニオン(以下「アニオン(7)」という場合がある)としては、下記式で示されるアニオン(7−1)が挙げられる。
式(8)で表されるアニオン(以下「アニオン(8)」という場合がある)としては、それぞれ式(8−1)〜式(8−4)で示されるアニオン(以下「アニオン(8−1)」〜「アニオン(8−4)」という場合がある)が挙げられる。
式(9)で表されるアニオン(以下「アニオン(9)」という場合がある)としては、それぞれ式(9−1)〜式(9−4)で示されるアニオン(以下「アニオン(9−1)」〜「アニオン(9−4)」という場合がある)が挙げられる。
アニオン(6)、アニオン(7)、アニオン(8)及びアニオン(9)からなる群より選ばれる少なくとも1つのアニオン(すなわち含フッ素アニオン。以下「アニオン(6)〜(9)」という場合がある)を含有することにより、式(A−V−2)又は式(A−I−3)で表されるイオンと該アニオンにより形成された塩の有機溶媒への溶解性を向上させることができる。中でも、アニオン(6−1)、アニオン(6−2)、アニオン(7−1)が好ましく、アニオン(6−2)が特に好ましい。
式(A−V−2)又は式(A−I−3)で表されるイオンと塩を形成するアニオンとして、タングステン、モリブデン、ケイ素及びリンからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素と、酸素とを必須元素として含有するアニオンが挙げられ、タングステンを必須元素として含有するヘテロポリ酸又はイソポリ酸のアニオンが好ましく、さらに、リンタングステン酸、ケイタングステン酸及びタングステン系イソポリ酸のアニオンが好ましい。
この様なタングステンを必須元素として含有するヘテロポリ酸又はイソポリ酸のアニオンとしては、例えば、ケギン型リンタングステン酸イオンα−[PW12403-、ドーソン型リンタングステン酸イオンα−[P218626-、β−[P218626-、ケギン型ケイタングステン酸イオンα−[SiW12404-、β−[SiW12404-、γ−[SiW12404-、さらにその他の例として[P2176110-、[P2155612-、[H22124812-、[NaP53011014-、α−[SiW93410-、γ−[SiW10368-、α−[SiW11398-、β−[SiW11398-、[W6192-、[W10324-、WO4 2-等が挙げられる。
また、タングステンを必須元素として含有するヘテロポリ酸又はイソポリ酸のアニオン以外のアニオンのなかでは、ケイ素及びリンからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素と、酸素とからなるアニオンが好ましい。
この様なケイ素、及びリンからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素と、酸素とからなるアニオンとしては、SiO3 2-、PO4 3-が挙げられる。
特に合成と後処理の容易さから、ケギン型リンタングステン酸イオン、ドーソン型リンタングステン酸イオン、ケギン型ケイタングステン酸イオン等のヘテロポリ酸アニオン、[W10324-等のイソポリ酸アニオンが好ましい。
pは、通常1〜14であり、好ましくは1〜12であり、より好ましくは1〜10であり、更に好ましくは1〜6であり、特に好ましくは1〜4である。
式(A−V)及び式(A−I)において、qは、カチオンの電荷mとアニオンの電荷pに応じて決定され、一般的には、式(A−V)及び式(A−I)全体の電荷が0となるようにして調整される。通常、qは、mとpの最小公倍数をpで除した値であり、本発明では、qは1〜6が好ましく、より好ましくは1〜3である。
化合物(A−V)としては、前記カチオン1〜198のうち任意の1つのカチオンと、アニオン(BC−1)〜(BC−28)、アニオン(6−1)〜(6−6)、アニオン(7−1)、アニオン(8−1)〜(8−4)、及びアニオン(9−1)〜(9−4)のうち任意の1つのアニオンとの組み合わせ、前記カチオン1〜198のうち任意の3つのカチオンとアニオンα−[PW12403-との組み合わせ、前記カチオン1〜198のうち任意の6つのカチオンとアニオンα−[P218626-との組み合わせ、前記カチオン1〜198のうち任意の4つのカチオンとアニオンα−[SiW12404-、又は[W10324-との組み合わせ等が挙げられる。本発明では耐熱性が上がることから、特に、カチオン1〜198と、アニオンα−[PW12403-の組み合わせが好ましい。
化合物(A−V)は、化合物(A−V)のカチオン(すなわち、式(A−V−2))部分を含む塩と、アニオン[Y]p-アルカリ金属塩又はプロトン酸とを、混合することで製造することができる。カチオン部分を含む塩としては、例えば、塩酸塩、リン酸塩、硫酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、過塩素酸塩、BF4塩、PF6塩等が挙げられる。またアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム及びカリウム等が挙げられる。
化合物(A−V−2)に対して、アニオン[Y]p-のアルカリ金属塩又はプロトン酸の使用量は、化合物(A−V−2)のカチオンと、アニオン[Y]p-の電荷が釣り合うように化学量論比で加えるとよいが、化合物(A−V−2)1モルに対して、例えば、好ましくは0.5モル以上8モル以下であり、より好ましくは1モル以上3モル以下である。
化合物(A−V−2)及びアニオン[Y]p-のアルカリ金属塩又はプロトン酸との混合は、両者を上記の溶媒に溶解させて行ってもよいし、溶解させずに行ってもよい。
溶媒としては、N,N−ジメチルホルミアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、酢酸エチル、トルエン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、水及びクロロホルムが挙げられる。
中でも、N,N−ジメチルホルミアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、イソプロパノール及び水が好ましい。これらの溶媒であると、化合物(A−V−2)及びアニオン[Y]p-のアルカリ金属塩の溶解度が高い傾向にある。
溶媒の使用量は、化合物(A−V−2)1質量部に対して、好ましくは1質量部以上30質量部以下であり、より好ましくは2質量部以上20質量部以下である。
溶媒が水である場合、酢酸や塩酸等の酸を加えてもよい。
化合物(A−V−2)及びアニオン[Y]p-のアルカリ金属塩との混合温度は、好ましくは0℃〜150℃、より好ましくは10℃〜120℃、さらに好ましくは20℃〜100℃である。混合時間は、好ましくは1時間〜72時間、より好ましくは2時間〜24時間、さらに好ましくは3時間〜12時間である。
水と相溶する溶媒を用いた場合は、該溶液を混合し、必要に応じてさらに1〜3時間攪拌して、その後、析出物を濾過により取得することにより、化合物(A−V)を得ることができる。必要に応じて、得られた化合物(A−V)をイオン交換水で洗浄してもよい。
水と相溶しない溶媒を用いた場合は、反応混合物とイオン交換水を混合し、必要に応じてさらに1〜3時間攪拌して、その後、有機層を分液により取得することにより、化合物(A−V)を含む溶液を得ることができる。必要に応じて、該溶液をイオン交換水で洗浄してもよい。化合物(A−V)を含む溶液から溶媒を除去することにより、化合物(A−V)を得ることができる。
化合物(A−V−2)は、例えば、式(B−IX)で表される化合物と、式(C−I)で表される化合物とを、反応させることにより製造することができ、特にDがチアゾリル基である化合物(A−I−3)は式(B−I)で表される化合物と、式(C−I)で表される化合物とを、反応させることにより製造することができる。かかる反応は、有機溶媒の存在下で行ってもよいし、無溶媒で行ってもよい。
[式(B−IX)、(B−I)及び式(C−I)中、R1A〜R20A、R46、R55、D、A及びmは、それぞれ前記と同じ意味を表す。]
また化合物(A−V−2)は、例えば、式(B−X)で表される化合物と、式(C−II)及び式(C−III)で表される化合物とを、反応させることにより製造することができ、特にDがチアゾリル基の化合物(A−I−3)は、式(B−II)で表される化合物と、式(C−II)及び式(C−III)で表される化合物とを、反応させることにより製造することができる。かかる反応は、有機溶媒の存在下で行ってもよいし、無溶媒で行ってもよい。
[式(B−X)、(B−II)、(C−II)、及び(C−III)中、R1A〜R20A、R46、R55、D、A及びmは、それぞれ前記と同じ意味を表す。]
式(C−I)で表される化合物の使用量は、式(B−IX)又は(B−I)で表される化合物1モルに対して、好ましくは0.5モル以上10モル以下であり、より好ましくは1モル以上4モル以下である。
式(C−II)で表される化合物及び式(C−III)で表される化合物の合計の使用量は、式(B−X)又は(B−II)で表される化合物1モルに対して、好ましくは0.5モル以上20モル以下であり、より好ましくは1モル以上10モル以下である。
反応温度は、30℃〜180℃が好ましく、80℃〜130℃がより好ましい。反応時間は、1時間〜12時間が好ましく、1時間〜8時間がより好ましい。
いずれの反応も、収率の点から、有機溶媒中で行うことが好ましい。有機溶媒としては、トルエン、キシレン等の炭化水素溶媒;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素溶媒;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール溶媒;ニトロベンゼン等のニトロ炭化水素溶媒;メチルイソブチルケトン等のケトン溶媒;1−メチル−2−ピロリドン等のアミド溶媒;等が挙げられる。有機溶媒の使用量は、式(B−IX)、(B−I)、(B−X)、(B−II)で表される化合物1質量部に対して、好ましくは1質量部以上20質量部以下であり、より好ましくは2質量部以上10質量部以下である。
上記反応は、収率の点から、縮合剤の存在下に実施することが好ましい。縮合剤としては、リン酸、ポリリン酸、オキシ塩化リン、硫酸、塩化チオニル等が挙げられる。
縮合剤の使用量は、式(B−IX)、(B−I)、(B−X)、(B−II)で表される化合物1質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上20質量部以下であり、より好ましくは0.2質量部以上10質量部以下である。
反応混合物から化合物化合物(A−V−2)を取得する方法は特に限定されず、公知の種々の手法が採用できる。例えば、反応混合物をアルコール(例えば、メタノール等)等の溶媒と共に混合し、析出した結晶を濾取する方法を挙げることができる。反応混合物は前記アルコール等の溶媒に添加することが好ましい。反応混合物を添加するときの温度は、好ましくは−100℃以上50℃以下、より好ましくは−80℃以上0℃以下である。また、この後、同温度で0.5〜2時間程度攪拌することが好ましい。濾取した結晶は、水等で洗浄し、次いで乾燥することが好ましい。また必要に応じて、再結晶等の公知の手法によってさらに精製してもよい。
化合物(B−I)及び化合物(B−II)の製造方法としては、公知の種々の手法、例えば、西ドイツ国特許出願P3928243.0号に記載されている手法が挙げられる。
具体的に、化合物(B−I)は、化合物(B−III)をアルキル化剤と反応させることで製造できる。
[式(B−III)中、R55、A及びmは、上記と同じ意味を表す。]
アルキル化剤としては、ハロゲン化アルキル、硫酸エステル等の公知のアルキル化剤を用いることができ、とりわけ入手の容易さからハロゲン化アルキルが好ましく、合成の容易さから一級のヨウ化アルキルが特に好ましい。
アルキル化剤の例として、具体的には、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化ノルマルブチル、臭化エチル、臭化ノルマルブチル、1,2−ジヨードエタン、1,4−ジヨードブタン、1,6−ジヨードヘキサン、1,8−ジヨードオクタン、1,2−ジブロモエタン、1,4−ジブロモブタン、1,6−ジブロモヘキサン、1,8−ジブロモオクタン、1,4−ビス(ブロモメチル)ベンゼン、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル等が挙げられる。
式(B−III)で表される化合物に対して、アルキル化剤の使用量は、式(B−III)で表される化合物1モルに対して、好ましくは2モル以上6モル以下であり、より好ましくは2モル以上4モル以下である。
反応温度は、20℃〜180℃が好ましく、30℃〜50℃がより好ましい。反応時間は、10分〜10時間が好ましく、30分〜2時間がより好ましい。
本反応は、収率の点から、有機溶媒中でおこなうことが好ましい。有機溶媒としては、トルエン、キシレン等の炭化水素溶媒;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素溶媒;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール溶媒;ニトロベンゼン等のニトロ炭化水素溶媒;メチルイソブチルケトン等のケトン溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン等のアミド溶媒;等が挙げられる。有機溶媒の使用量は、式(B−III)で表される化合物1質量部に対して、好ましくは1質量部以上20質量部以下であり、より好ましくは2質量部以上10質量部以下である。
上記反応は、収率の点から、塩基性物質の存在下に実施することが好ましい。塩基性物質としては、水素化ナトリウム、LDA、DIBAL、t−ブトキシカリウム等が挙げられる。
塩基性物質の使用量は、式(B−III)で表される化合物1モルに対して、好ましくは2モル以上6モル以下であり、より好ましくは2モル以上4モル以下である。
また化合物(B−I)は、式(B−IV)で表される化合物と、前述した置換されていてもよいm価の有機基の結合手(*)が、ハロゲン原子で置換されている連結剤と反応させることでも製造できる。
[式(B−IV)中、R46、R55は、それぞれ上記と同じ意味を表す。]
連結剤におけるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、連結剤1分子におけるハロゲン原子は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。連結剤の具体例としては、下記式で表される有機基において、結合手*がハロゲン原子で置換された化合物が好ましく、結合手*が塩素原子又は臭素原子で置換された化合物がより好ましい。
式(B−IV)で表される化合物に対して、連結剤の使用量は、式(B−IV)で表される化合物1モルに対して、好ましくは0.1モル以上2モル以下であり、より好ましくは0.2モル以上1.2モル以下である。
反応温度は、20℃〜180℃が好ましく、40℃〜100℃がより好ましい。反応時間は、30分〜20時間が好ましく、2時間〜12時間がより好ましい。
本反応は、収率の点から、有機溶媒中でおこなうことが好ましい。有機溶媒としては、トルエン、キシレン等の炭化水素溶媒;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素溶媒;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール溶媒;ニトロベンゼン等のニトロ炭化水素溶媒;メチルイソブチルケトン等のケトン溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン等のアミド溶媒;等が挙げられる。有機溶媒の使用量は、式(B−IV)で表される化合物1質量部に対して、好ましくは1質量部以上20質量部以下であり、より好ましくは2質量部以上10質量部以下である。
上記反応は、収率の点から、塩基性物質の存在下に実施することが好ましい。塩基性物質としては、水素化ナトリウム、炭酸カリウム、LDA、DIBAL、t−ブトキシカリウム等が挙げられる。
塩基性物質の使用量は、式(B−IV)で表される化合物1モルに対して、好ましくは2モル以上6モル以下であり、より好ましくは2モル以上4モル以下である。
反応混合物から式(B−III)又は式(B−IV)で表される化合物を取得する方法は特に限定されず、公知の種々の手法が採用できる。例えば、反応混合物をアルコール(例えば、メタノール等)と共に混合し、析出した結晶を濾取する方法を挙げることができる。反応混合物は前記アルコールに添加することが好ましい。反応混合物を添加するときの温度は、好ましくは−100℃以上50℃以下、より好ましくは−80℃以上0℃以下である。また、この後、同温度で0.5〜2時間程度攪拌することが好ましい。濾取した結晶は、水などで洗浄し、次いで乾燥することが好ましい。また必要に応じて、再結晶などの公知の手法によってさらに精製してもよい。
式(B−III)又は式(B−IV)で表される化合物の製造方法としては、Tetrahedron,2008,vol.64,p.5019−5022、又はEuropean Journal of Medicinal Chemistry,2014,vol.72,p.26−34に記載されている手法等の公知の種々の手法が挙げられる。
具体的に、式(B−III)で表される化合物は、化合物(B−V)と化合物(B−VII)とを反応させることで製造できる。
[式(B−V)及び式(B−VII)中、R55、A及びmは、それぞれ上記と同じ意味を表す。]
式(B−VII)で表される化合物の製造方法としては、Synthesis,1988,vol.6,p.456-559に記載されている手法等の公知の種々の手法が挙げられる。
また、式(B−IV)で表される化合物は、化合物(B−V)と化合物(B−VI)を反応させることで製造できる。
[式(B−V)及び式(B−VI)中、R46及びR55は、それぞれ上記と同じ意味を表す。X2はハロゲン原子を表す。]
式(B−V)で表される化合物に対して、式(V−II)又は式(B−VI)で表される化合物の使用量は、式(B−V)で表される化合物1モルに対して、好ましくは1モル以上5モル以下であり、より好ましくは1モル以上3モル以下である。
反応温度は、20℃〜180℃が好ましく、30℃〜100℃がより好ましい。反応時間は、10分〜10時間が好ましく、30分〜2時間がより好ましい。
本反応は、収率の点から、有機溶媒中でおこなうことが好ましい。有機溶媒としては、トルエン、キシレン等の炭化水素溶媒;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素溶媒;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール溶媒;ニトロベンゼン等のニトロ炭化水素溶媒;メチルイソブチルケトン等のケトン溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン等のアミド溶媒;等が挙げられる。有機溶媒の使用量は、式(B−V)で表される化合物1質量部に対して、好ましくは1質量部以上20質量部以下であり、より好ましくは2質量部以上10質量部以下である。
反応混合物から式(B−III)又は式(B−IV)で表される化合物を取得する方法は特に限定されず、公知の種々の手法が採用できる。例えば、反応混合物をアルコール(例えば、メタノール等)と共に混合し、析出した結晶を濾取する方法を挙げることができる。反応混合物は前記アルコールに添加することが好ましい。反応混合物を添加するときの温度は、好ましくは−100℃以上50℃以下、より好ましくは−80℃以上0℃以下である。また、この後、同温度で0.5〜2時間程度攪拌することが好ましい。濾取した結晶は、水などで洗浄し、次いで乾燥することが好ましい。また必要に応じて、再結晶などの公知の手法によってさらに精製してもよい。
化合物(C−II)及び(C−III)の製造方法としては、国際公開第2012/053211号に記載されている手法等の公知の種々の手法が挙げられる。
化合物(C−I)は、R9A及びR10Aがアルキル基又はアラルキル基の時は、式(C−IV)で表される化合物(以下、化合物(C−IV)という)をアルキル化剤又はアラルキル化剤と反応させることで製造でき、この化合物(C−IV)は式(C−V)で表される化合物(以下、化合物(C−V)という)と式(C−VI)で表される化合物(以下、化合物(C−VI)という)とを反応させることで製造できる。また化合物(C−I)は、R9A及びR10Aの種類によらず、化合物(C−V)と化合物(C−VI)とから直接製造することもできる。
(式中、R1A〜R20Aは前記に同じ。R1BはR9A、R10Aと同じであり、R2BはR11A、R13Aと同じであり、R3Bは、R12A、R14Aと同じであり、R4BはR15A、R18Aと同じであり、R5BはR16A、R19Aと同じであり、R6BはR17A、R20Aと同じである。R7B、R8Bはハロゲン原子である)。
アルキル化剤としては、ハロゲン化アルキル、硫酸エステル等の公知のアルキル化剤を用いることができ、とりわけ入手の容易さからハロゲン化アルキルが好ましく、合成の容易さから一級のヨウ化アルキルが特に好ましい。アラルキル化剤としては、ハロゲン化ベンジル等を用いることができる。
アルキル化剤の例として、具体的には、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化ノルマルブチル、臭化エチル、臭化ノルマルブチル、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル等が挙げられる。アラルキル化剤の例として、具体的には、ヨウ化ベンジル、臭化ベンジル等が挙げられる。
アルキル化剤又はアラルキル化剤の使用量は、式(C−IV)で表される化合物1モルに対して、それぞれ好ましくは2モル以上6モル以下であり、より好ましくは2モル以上4モル以下である。
反応温度は、20℃〜180℃が好ましく、30℃〜50℃がより好ましい。反応時間は、10分〜10時間が好ましく、30分〜2時間がより好ましい。
いずれの反応も、収率の点から、有機溶媒中で行うことが好ましい。有機溶媒としては、トルエン、キシレン等の炭化水素溶媒;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素溶媒;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール溶媒;ニトロベンゼン等のニトロ炭化水素溶媒;メチルイソブチルケトン等のケトン溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン等のアミド溶媒;等が挙げられる。有機溶媒の使用量は、式(C−IV)で表される化合物1質量部に対して、好ましくは1質量部以上20質量部以下であり、より好ましくは2質量部以上10質量部以下である。
上記反応は、収率の点から、塩基性化合物の存在下に実施することが好ましい。塩基性化合物としては、水素化ナトリウム、LDA、DIBAL、t−ブトキシカリウム等が挙げられる。
塩基性化合物の使用量は、式(C−IV)で表される化合物1モルに対して、それぞれ好ましくは2モル以上6モル以下であり、より好ましくは2モル以上4モル以下である。
反応混合物から化合物(C−IV)を取得する方法は特に限定されず、公知の種々の手法が採用できる。例えば、反応混合物をアルコール(例えば、メタノール等)等の溶媒と共に混合し、析出した結晶を濾取する方法を挙げることができる。反応混合物は前記アルコール等の溶媒に添加することが好ましい。反応混合物を添加するときの温度は、好ましくは−100℃以上50℃以下、より好ましくは−80℃以上0℃以下である。また、この後、同温度で0.5〜2時間程度攪拌することが好ましい。濾取した結晶は、水等で洗浄し、次いで乾燥することが好ましい。また必要に応じて、再結晶等の公知の手法によってさらに精製してもよい。
前記化合物(C−IV)は、上述した様に、化合物(C−V)と化合物(C−VI)とを反応させることで製造できる。また前記化合物(C−I)も、上述した様に、化合物(C−V)と化合物(C−VI)とを反応させることで製造できる。
式(C−VI)中、R7B、R8Bで表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、原料入手の容易さの観点から、フッ素原子、塩素原子が好ましい。
化合物(C−V)の使用量は、化合物(C−VI)1モルに対して、それぞれ好ましくは2モル以上5モル以下であり、より好ましくは2モル以上3モル以下である。
反応温度は、20℃〜180℃が好ましく、30℃〜50℃がより好ましい。反応時間は、10分〜10時間が好ましく、30分〜2時間がより好ましい。
いずれの反応も、収率の点から、有機溶媒中でおこなうことが好ましい。有機溶媒としては、トルエン、キシレン等の炭化水素溶媒;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素溶媒;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール溶媒;ニトロベンゼン等のニトロ炭化水素溶媒;メチルイソブチルケトン等のケトン溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン等のアミド溶媒;等が挙げられる。有機溶媒の使用量は、式(C−VI)で表される化合物1質量部に対して、好ましくは1質量部以上20質量部以下であり、より好ましくは2質量部以上10質量部以下である。
上記反応は、収率の点から、パラジウム化合物、ホスフィン化合物及び塩基性化合物の存在下に実施することが好ましい。
パラジウム化合物としては、酢酸パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)、臭化パラジウム(II)、ビス(2,4−ペンタンジオナト)パラジウム(II)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)等が挙げられる。
パラジウム化合物の使用量は、化合物(C−VI)1モルに対して、それぞれ好ましくは0.0001モル以上0.5モル以下であり、より好ましくは0.001モル以上0.1モル以下である。
ホスフィン化合物としては、dppf、Xantphos、BINAP、XPhos、SPhos、MePhos等が挙げられる。
ホスフィン化合物の使用量は、化合物(C−VI)1モルに対して、それぞれ好ましくは0.001モル以上0.5モル以下であり、より好ましくは0.003モル以上0.1モル以下である。
塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、t−ブトキシナトリウム、t−ブトキシカリウム等が挙げられる。
塩基性化合物の使用量は、化合物(C−VI)1モルに対して、それぞれ好ましくは1モル以上5モル以下であり、より好ましくは1モル以上3モル以下である。
反応混合物から化合物(C−IV)を取得する方法は特に限定されず、公知の種々の手法が採用できる。例えば、反応混合物をアルコール(例えば、メタノール等)と共に混合し、析出した結晶を濾取する方法を挙げることができる。反応混合物は前記アルコールに添加することが好ましい。反応混合物を添加するときの温度は、好ましくは−100℃以上50℃以下、より好ましくは−80℃以上0℃以下である。また、この後、同温度で0.5〜2時間程度攪拌することが好ましい。濾取した結晶は、水等で洗浄し、次いで乾燥することが好ましい。また必要に応じて、再結晶等の公知の手法によってさらに精製してもよい。
式(4)で表されるアニオンのアルカリ金属塩は、市販のものを用いてもよいし、例えば、日本国特許第4097704号公報や日本国特許第4341251号公報及びJournal of The Electrochemical Society,第148巻第1期、2001年.に記載される方法で製造できる。
式(6)、式(7)、式(8)又は式(9)で表されるアニオンのアルカリ金属塩は、市販のものを用いてもよいし、国際出願第2008/075672号やJP2010−280586号公報に記載される方法等により製造できる。
タングステン、ケイ素、及びリンからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素と、酸素とを必須元素として含有するアニオンのアルカリ金属塩は、公知慣用の方法で製造することができるが、市販品をそのまま用いてもよい。この様な化合物としては、例えば、対応するヘテロポリ酸塩、イソポリ酸塩、或いは珪酸塩、燐酸塩等が挙げられる。これら各種塩としては、ナトリウム、リチウム、カリウム等の一価金属塩であることが、水溶性に優れるため、合成と後処理が容易となるので好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、以下においては、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味する。
以下において、化合物の構造は質量分析(LC;Agilent製1200型、MASS;Agilent製LC/MSD型)、UV−VIS(日本分光製V−650)で確認した。
合成例1
以下の反応は、窒素雰囲気下で行った。冷却管及び攪拌装置を備えたフラスコに、2’−フルオロアセトフェノン(東京化成社製)15部と酢酸エチル105部、48%臭化水素酸0.15部を仕込み、室温で臭素17.9部を滴下する。その後、室温で30分反応させた。その反応液を約1%の亜硫酸ナトリウム水溶液、次いで約7%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、有機層を分離した。その有機層を水、10%食塩水で洗浄し、減圧濃縮することで2−ブロモ−2’−フルオロアセトフェノンを淡黄色液体として得た。
そして以下の反応を、窒素雰囲気下で行った。冷却管及び攪拌装置を備えたフラスコにトリルチオ尿素(東京化成社製)17.2部とメタノール105部を仕込み、これに調製した2−ブロモ−2’−フルオロアセトフェノンの全量を室温で滴下した。そのまま室温で1時間反応させた後、イオン交換水100部を滴下し、さらに30%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH=5〜6に調整した。このスラリーを濾過し、得られたケーキを水洗、乾燥することで、式(B−IV−1)で表される化合物を白色結晶として27.0部得た。収率91.9%
以下の反応は、窒素雰囲気下で行った。冷却管及び攪拌装置を備えたフラスコに、式(B−IV−1)で表される化合物10部、α,α’−ジブロモ−p−キシレン(東京化成社製)4.6部、炭酸カリウム5.8部、ジメチルアセトアミド36.7部を仕込み、70℃で6時間反応させた。この反応液をアセトニトリル46部とイオン交換水31部の混合溶液に注入し、晶析させた。室温で濾過し、得られたケーキをイオン交換水、アセトニトリルで洗浄し、乾燥することで、式(B−I−1)で表される化合物の粗結晶を得た。この粗結晶をアセトニトリル100部に懸濁し、80℃で20分間撹拌した後、室温まで冷却後濾過した。得られたケーキをアセトニトリルで洗浄後、乾燥することで、式(B−I−1)で表される化合物を白色結晶として9.6部得た。収率81.8%
以下の反応は、窒素雰囲気下で行った。冷却管及び撹拌装置を備えたフラスコにN−メチルアニリン(東京化成(株)社製)15.3部及びN,N−ジメチルホルムアミド60部を投入した後、混合溶液を氷冷した。氷冷下に60%水素化ナトリウム(東京化成(株)社製)5.7部を30分かけて少しずつ加えた後、室温に昇温しながら1時間撹拌した。4,4’−ジフルオロベンゾフェノン(東京化成(株)社製)10.4部を少しずつ反応液に加えて室温で24時間撹拌した。反応液を氷水200部に少しずつ加えた後、室温で15時間静置し、水をデカンテーションで取り除くと残渣として粘調な固体が得られた。この粘調な固体にメタノール60部を加えた後、室温で15時間撹拌した。析出した固体をろ別した後、カラムクロマトグラフィーで精製した。精製した淡黄色固体を減圧下60℃で乾燥し、式(C−I−1)で表される化合物を9.8部得た。収率53%
以下の反応は、窒素雰囲気下で行った。冷却管及び攪拌装置を備えたフラスコに、式(B−I−1)で表される化合物3.0部、式(C−I−1)で表される化合物3.51部、トルエン14部を仕込み、100℃まで昇温後、オキシ塩化リン(和光純薬社製)2.1部を100〜110℃で滴下し、110℃で5時間反応させた。反応終了後、室温まで冷却し、メタノール10.5部を滴下した。この反応液を20%食塩水30部とトルエン21部を入れた分液漏斗にイソプロパノール15部で洗いこみながら注入した。室温で撹拌したのち、有機層を分離し、20%食塩水30部で2回洗浄した後、濃縮した。この濃縮残渣に酢酸エチル33部を添加して結晶化させ、濾過した。更に酢酸エチル30部を用いた懸濁洗浄を3回繰り返し、乾燥することで、青色個体として式(A−II−1)で表される化合物を6.2部得た。収率92.8%
以下の反応は、窒素雰囲気下で行った。冷却管及び攪拌装置を備えたフラスコに、式(A−II−1)で表される化合物1.00部、ホスホタングステン酸n水和物(Aldrich社製)1.61部、及びジメチルスルホキシド5.3部を投入した後、40℃で1時間攪拌した。次いで、反応混合物を室温に冷却した後、水道水150.0部へ1時間攪拌しながら滴下すると、暗青色懸濁液が得られた。得られた懸濁液をろ過すると、青紫色固体を得られた。さらに得られた青紫色固体をイオン交換水とメタノールで懸濁洗浄し精製した。精製した青紫色固体を減圧下60℃で乾燥し、式(A−I−1)で表される化合物を0.67部得た。収率29.9%
式(A−I−1)で表される化合物の同定(UV−VIS):
式(A−I−1)で表される化合物0.10gをN,N−ジメチルホルムアミドに溶解して体積を100cm3とし、そのうちの2cm3をN,N−ジメチルホルムアミドで希釈して体積を250cm3として(濃度:0.008g/L)、分光光度計(石英セル、光路長;1cm)を用いて吸収スペクトルを測定した。この化合物は、λmax=630nmで吸光度0.2(任意単位)を示した。
合成例2
以下の反応は、窒素雰囲気下で行った。冷却管及び攪拌装置を備えたフラスコに、チオシアン酸カリウム(和光純薬社製)2.5部、テトラヒドロフラン15部を仕込み、ベンゾイルクロライド(東京化成社製)3.0部を滴下した。室温で30分撹拌後、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン(東京化成社製)2.17部を室温で投入した。その後、室温で2時間反応させ、イオン交換水30部を滴下して晶析させた。得られた結晶を濾過し、イオン交換水で洗浄することで、式(B−VIII−2)で表される化合物の粗結晶を得た。更にこの粗結晶をメタノールで懸濁精製し、式(B−VIII−2)で表される化合物をウェットケーキとして6.5部得た。
以下の反応は、窒素雰囲気下で行った。冷却管及び攪拌装置を備えたフラスコに、式(B−VIII−2)で表される化合物6.5部、メタノール15部を仕込み、室温で30%水酸化ナトリウム水溶液4.3部を滴下し、60℃に加温して反応させた。途中、メタノールを15部追添し、反応継続した。反応時間は1.5時間であった。その後、イオン交換水30部を滴下して結晶化させ、得られた結晶を濾過し、イオン交換水で洗浄後、乾燥することで、式(B−VII−2)で表される化合物を白色結晶として3.05部得た。収率92.1%
以下の反応は、窒素雰囲気下で行った。冷却管及び攪拌装置を備えたフラスコに、式(B−VII−2)で表される化合物4.0部、メタノール20部を仕込み、2−ブロモ−2’−フルオロアセトフェノン(Aldrich社製)5.9部を室温で滴下した。途中、メタノール40部を追添し、反応温度を35℃に昇温した。反応時間は1時間であった。その後、室温まで冷却し、イオン交換水20部を滴下し、さらに30%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH=7〜6に調整した。そのスラリーを濾過し、得られたケーキをイオン交換水で洗浄後、乾燥することで、式(B−III−2)で表される化合物を白色結晶として6.4部得た。収率94.4%
以下の反応は、窒素雰囲気下で行った。冷却管及び攪拌装置を備えたフラスコに、式(B−III−2)で表される化合物5.93部、N,N−ジメチルホルムアミド20部を仕込み、そこに60%水素化ナトリウム(東京化成社製)0.86部を室温で投入した。室温で5分間撹拌したのち、同じく室温でヨウ化エチル(和光純薬社製)3.34部を滴下した。室温で1時間反応させた後、イオン交換水100部と酢酸エチル32部で分配し、有機相を飽和食塩水100部で洗浄し、無水硫酸マグネシウム(和光純薬社製)で乾燥後、濃縮した。濃縮残渣にメタノール21部添加することで結晶化させ、得られた結晶を濾過し、メタノールで洗浄後、乾燥することで、式(B−I−2)で表される化合物の粗結晶を得た。この粗結晶をアセトニトリル15部に懸濁し60℃で30分間撹拌した後、室温まで冷却し濾過した。得られた結晶をアセトニトリル洗浄した後、乾燥することで、式(B−I−2)で表される化合物を白色結晶として5.6部得た。収率86.2%
以下の反応は、窒素雰囲気下で行った。冷却管及び攪拌装置を備えたフラスコに、式(B−I−2)で表される化合物4.46部、式(C−I−1)で表される化合物5.5部、トルエン16.5部を仕込み、100℃まで昇温する。この溶液にオキシ塩化リン(和光純薬社製)3.22部を100〜110℃で滴下し、110℃で7時間反応させた。反応終了後、室温まで冷却し、アセトニトリル10部、ついでメタノール19部を滴下した。この反応液を20%食塩水275部とトルエン55部を入れた分液ロートにイソプロパノール93.5部で洗いこみながら注入した。室温で撹拌したのち、有機層を分離し、20%食塩水275部で3回洗浄した後、濃縮した。この濃縮残渣をアセトン20部に溶解させ、酢酸エチル275部に滴下して、結晶化させた。得られた結晶を濾過し、酢酸エチルで洗浄後、乾燥することで、式(A−II−2)で表される化合物を青色個体として10.0部得た。収率97.8%
式(A−II−2)で表される化合物の同定(質量分析):
イオン化モード=ESI+: m/z= 693.3[(M−2Cl)/2]+
Exact Mass: 1456.5
以下の反応は、窒素雰囲気下で行った。冷却管及び攪拌装置を備えたフラスコに、式(A−II−2)で表される化合物0.86部、ホスホタングステン酸n水和物(Aldrich社製)1.41部、及びジメチルスルホキシド4.7部を投入した後、40℃で1時間攪拌した。次いで、反応混合物を室温に冷却した後、水道水150.0部へ1時間攪拌しながら滴下すると、暗青色懸濁液が得られた。得られた懸濁液をろ過すると、青紫色固体を得られた。さらに得られた青紫色固体をイオン交換水とメタノールで懸濁精製した。精製した青紫色固体を減圧下60℃で乾燥し、式(A−I−2)で表される化合物を0.73部得た。収率37.5%
式(A−I−2)で表される化合物の同定(UV−VIS):
式(A−I−2)で表される化合物0.10gをN,N−ジメチルホルムアミドに溶解して体積を100cm3とし、そのうちの2cm3をN,N−ジメチルホルムアミドで希釈して体積を250cm3として(濃度:0.008g/L)、分光光度計(石英セル、光路長;1cm)を用いて吸収スペクトルを測定した。この化合物は、λmax=627nmで吸光度0.2(任意単位)を示した。
合成例3
以下の反応は、窒素雰囲気下で行った。冷却管及び攪拌装置を備えたフラスコに、ビクトリアピュアブルー BOH conc(保土ヶ谷化学社製)1.00部、ホスホタングステン酸n水和物(Aldrich社製)2.33部、及びジメチルスルホキシド15.4部を投入した後、40℃で1時間攪拌した。次いで、反応混合物を室温に冷却した後、水道水300.0部へ1時間攪拌しながら滴下すると、暗青色懸濁液が得られた。得られた懸濁液をろ過すると、青緑色固体を得られた。さらに得られた青緑色固体をカラムクロマトグラフィーで精製した。精製した青緑色固体を減圧下60℃で乾燥し、式(A−III−1)で表される化合物を2.8部得た。収率100%
式(A−III−1)で表される化合物の同定(UV−VIS):
式(A−III−1)で表される化合物0.10gをN,N−ジメチルホルムアミドに溶解して体積を100cm3とし、そのうちの2cm3をN,N−ジメチルホルムアミドで希釈して体積を250cm3として(濃度:0.008g/L)、分光光度計(石英セル、光路長;1cm)を用いて吸収スペクトルを測定した。この化合物は、λmax=626nmで吸光度0.2(任意単位)を示した。
(分解温度の測定)
示差熱熱重量同時測定装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー製 TG/DTA6200R)を用いて、合成例1〜合成例3で得られた化合物の示差走査熱量測定を行った。一回の測定に用いた試料量は5mgであった。測定は25℃から開始し、毎分10℃の速度で昇温し、600℃まで測定した。得られたTG曲線のピークの外挿温度を分解温度とした。測定は、窒素雰囲気下と空気存在下の2回行った。なお分解温度は耐熱性を示す指標とすることができる。

Claims (4)

  1. 式(A−V)で表されることを特徴とする化合物。

    [式(A−V)中、Yはp価のアニオンを表す。
    1A、R2A、R3A、R4A、R5A、R6A、R7A及びR8Aは、それぞれ独立して、水素原子、又は炭素数1〜10のアルキル基を表す。
    9A及びR10Aは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、置換されていてもよい芳香族炭化水素基、又は置換されていてもよいアラルキル基を表す。
    11A〜R14Aは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基を表す。
    15A、R16A、R17A、R18A、R19A及びR20Aは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基を表す。
    上記R1A〜R20Aにおいて、上記アルキル基は、構成するメチレン基間に酸素原子が挿入されていてもよい。
    46は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、又は置換されていてもよい芳香族炭化水素基を表し、R46において、上記アルキル基は、構成するメチレン基間に酸素原子が挿入されていてもよい。
    Dは置換されていてもよい芳香族基を表す。
    Aは、置換されていてもよいm価の有機基を表す。
    mは2〜6の整数を表す。
    nは1〜6の整数を表す。
    pは1〜6の整数を表す。
    qは1〜6の整数を表す。]
  2. 式(A−I)で表されることを特徴とする化合物。
    [式(A−I)中、Yはp価のアニオンを表す。
    1A、R2A、R3A、R4A、R5A、R6A、R7A及びR8Aは、それぞれ独立して、水素原子、又は炭素数1〜10のアルキル基を表す。
    9A及びR10Aは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、置換されていてもよい芳香族炭化水素基、又は置換されていてもよいアラルキル基を表す。
    11A〜R14Aは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基を表す。
    15A、R16A、R17A、R18A、R19A及びR20Aは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基を表す。
    上記R1A〜R20Aにおいて、上記アルキル基は、構成するメチレン基間に酸素原子が挿入されていてもよい。
    46は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、又は置換されていてもよい芳香族炭化水素基を表し、R46において、上記アルキル基は、構成するメチレン基間に酸素原子が挿入されていてもよい。
    55は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、又は置換されていてもよい芳香族炭化水素基を表し、R55において、上記アルキル基は、構成するメチレン基間に酸素原子が挿入されていてもよい。
    Xは、O、S又はNHを表す。
    Aは、置換されていてもよいm価の有機基を表す。
    mは2〜6の整数を表す。
    nは1〜6の整数を表す。
    pは1〜6の整数を表す。
    qは1〜6の整数を表す。]
  3. 対イオンは、タングステン、モリブデン、ケイ素及びリンからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素と、酸素とを必須元素として含有するアニオンである請求項1又は2に記載の化合物。
  4. 式(B−I)で表されることを特徴とする化合物。

    [式(B−I)中、
    46は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、又は置換されていてもよい芳香族炭化水素基を表し、R46において、上記アルキル基は、構成するメチレン基間に酸素原子が挿入されていてもよい。
    55は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、又は置換されていてもよい芳香族炭化水素基を表し、R55において、上記アルキル基は、構成するメチレン基間に酸素原子が挿入されていてもよい。
    Xは、O、S又はNHを表す。
    Aは、置換されていてもよいm価の有機基を表す。
    mは2〜6の整数を表す。]
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