JP6894150B2 - シラノール化合物及びシラノール化合物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、シラノール化合物及びシラノール化合物の製造方法に関し、より詳しくはケイ酸塩からシラノール化合物を生成するシラノール化合物の製造方法に関する。
シロキサンは、その特異的な性質から自動車、建築、エレクトロニクス、医薬等の幅広い分野で利用されている非常に重要な化合物である。近年ではLEDの封止材やエコタイヤ用シランカップリング剤など、環境・エネルギー分野においても、シロキサンは不可欠である。シロキサン化合物を使用していない分野は無いといっても過言ではない。シロキサン化合物の2009年の市場規模は115億ドルで、生産量は年間123万トンである。
一般に、シロキサンの大部分は、アルコキシシランやハロゲン化シラン等を原料とするゾル−ゲル法などの加水分解により、シラノールを経由して合成する。シランジオール、シラントリオール、シランテトラオールを含むこのシラノールは、フェニル基等の嵩高い置換基を有する一部のシランジオールやシラントリオールを除き、水が存在すると加水分解と同時に縮合してしまうため、収率良く合成する事が困難である。また、シラノールは、水存在下で不安定で、速やかに縮合してしまうことが知られている(非特許文献1及び非特許文献2参照)。
Fyfe, C. A.; Aroca, P. P. J. Phys. Chem. B 1997, 101, 9504. Kim, Y.; Jung, E. Chem. Lett. 2002, 992.
本発明は、シラノール化合物が効率良く製造できるシラノール化合物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ケイ酸塩を酸解離定数pKが特定の範囲である酸性化合物によってプロトン交換することにより、シラノール化合物を効率良く製造できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明のシラノール化合物の製造方法は、下記式(a)で表される構造を有するケイ酸塩と、ジメチルスルホキシド(DMSO)中における酸解離定数pKが−1〜20である酸性化合物を反応させて下記式(c)で表される構造を有するシラノール化合物を生成するプロトン交換工程を含む。
Figure 0006894150
(式(a)中、Qi+はi価の陽イオンを、iは1〜4の整数を表す。)
本発明のシラノール化合物は下記式(D)で表される。
Figure 0006894150
本発明の固体組成物は上記式(D)で表されるシラノール化合物を含む。本発明の組成物は上記式(D)で表されるシラノール化合物を30質量%以上含む。本発明の他の組成物は上記式(D)で表されるシラノール化合物とアミド化合物からなる結晶構造を備えている。本発明の脱水縮合物は上記式(D)で表されるシラノール化合物が脱水縮合されたものである。
本発明の製造方法によれば、シラノール化合物が効率良く製造できる。また、本発明のシラノール化合物、シラノール化合物を含む固体組成物及び組成物、並びにシラノール化合物の脱水縮合物は、幅広い分野で利用されているシロキサン化合物の原料等として有用である。
実施例1で得られた溶液の29Si−NMRの測定結果である。 (a)実施例5で得られた溶液の29Si−NMRの測定結果である。(b)実施例5で得られた溶液の高分解能質量分析(TOF−MS)の測定結果である。 メルドラム酸構造を有する樹脂を充填したカラムに、式(a)で表される構造を有するケイ酸塩を通過させて、シラノール化合物を生成するプロトン交換工程を表した模式図である。 実施例16で得られた固体の熱重量示差熱分析の測定結果である。 実施例31で得られた固体の溶液の29Si−NMRの測定結果である。 実施例31で得られた固体の熱重量示差熱分析の測定結果である。 (a)実施例41で得られた固体の溶液のH−NMRの測定結果である。(b)実施例41で得られた固体の溶液の29Si−NMRの測定結果である。 実施例41で得られた固体の熱重量示差熱分析の測定結果である。 (a)実施例42で得られた固体の溶液のH−NMRの測定結果である。(b)実施例42で得られた固体の溶液の29Si−NMRの測定結果である。 実施例42で得られた固体の熱重量示差熱分析の測定結果である。 (a)実施例47で得られた固体の溶液のH−NMRの測定結果である。(b)実施例47で得られた固体の溶液の29Si−NMRの測定結果である。 実施例47で得られた固体の熱重量示差熱分析の測定結果である。 実施例48で得られた固体の高分解能質量分析(TOF−MS)の測定結果である。 実施例49で得られた溶液の29Si−NMRの測定結果である。 実施例49で得られた溶液の高分解能質量分析(TOF−MS)の測定結果である。 (a)実施例50で得られた液状物の溶液のH−NMRの測定結果である。(b)実施例50で得られた液状物の溶液の29Si−NMRの測定結果である。
具体例を挙げて本発明を詳細に説明するが、趣旨を逸脱しない限り、本発明は以下の内容に限定されるものではなく、適宜変更して実施することができる。なお、「〜」を用いて2つの数値範囲を表す場合、これら2つの数値もその範囲に含まれる。
<シラノール化合物の製造方法> 本発明の一態様であるシラノール化合物の製造方法(以下、「本発明の製造方法」と略す場合がある。)は、下記式(a)で表される構造を有するケイ酸塩(以下、「ケイ酸塩」と略す場合がある。)と、ジメチルスルホキシド(DMSO)中における酸解離定数pK(以下、「pK(DMSO)」と略す場合がある。)が−1〜20である酸性化合物(以下、「酸性化合物」と略す場合がある。)を反応させて、下記式(c)で表される構造を有するシラノール化合物を生成するプロトン交換工程(以下、「プロトン交換工程」と略す場合がある。)を含むことを特徴とする。
Figure 0006894150
(式(a)中、Qi+はi価の陽イオンを、iは1〜4の整数を表す。)
シラノール化合物を合成するために、アルコキシシランやハロゲン化シラン等と水を単に反応させても、生成したシラノールが縮合してシロキサンが生成してしまう(下記式参照)ため、シラノール自体を収率良く合成することが困難である。
Figure 0006894150
本発明者らは、式(a)で表される構造を有するケイ酸塩を、pK(DMSO)が−1〜20である酸性化合物によってプロトン交換することにより、シラノール化合物を効率良く製造できることを見出した。pK(DMSO)が−1〜20であると、ケイ酸塩の陽イオン(Qi+)と酸性化合物のプロトン(H)の交換が効率良く進むとともに、副反応や生成したシラノール化合物の縮合が抑えられる。このため、シラノール化合物自体を収率良く合成できる。また、本発明の製造方法は、反応が穏和な条件で速やかに進行するため、工業的に非常に適した製造方法である。なお、pK(DMSO)が小さいほど、プロトン交換工程が速く進行する。
なお、式(a)及び式(c)中の波線は、その先が任意の構造であることを意味する。従って、「シラノール化合物」は、ケイ素原子(Si)にヒドロキシル基(−OH)が少なくとも1つ結合した化合物であればよく、ヒドロキシル基の数やその他の構造は特に限定されない。シラノール化合物は、反応に関与しない官能基等を含んでいてもよい。また、pK(DMSO)は、DMSO中における酸性化合物の25℃での酸解離平衡の各成分の濃度から算出される公知の数値を意味する。具体的には下記式で算出される数値Kを常用対数化した数値である。
Figure 0006894150
以下、プロトン交換工程における式(a)で表される構造を有するケイ酸塩、pK(DMSO)が−1〜20である酸性化合物、及びその他の反応条件等について詳細に説明する。
(プロトン交換工程) 下記の化学反応式に示すプロトン交換工程で用いるケイ酸塩の具体的種類、酸性化合物の具体的種類、酸性化合物の使用量、溶媒又は分散媒である反応媒体の種類、反応条件等は特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができる。
Figure 0006894150
(式(a)中、Qi+はi価の陽イオンを、iは1〜4の整数を表す。)
iは1であることが特に好ましい。Qi+としては、リチウムイオン(Li)、ナトリウムイオン(Na)、カリウムイオン(K)等のアルカリ金属イオン、マグネシウムイオン(Mg2+)、カルシウムイオン(Ca2+)等のアルカリ土類金属イオン、鉄(III)イオン(Fe3+)、銅(II)イオン(Cu2+)、亜鉛イオン(Zn2+)等の遷移金属イオン、アンモニウムイオン(NH )、テトラメチルアンモニウムイオン(NMe )、エチルトリメチルアンモニウムイオン(NEtMe )、ジエチルジメチルアンモニウムイオン(NEtMe )、トリエチルメチルアンモニウムイオン(NEtMe)、テトラエチルアンモニウムイオン(NEt )、テトラプロピルアンモニウムイオン(NPr )、テトラブチルアンモニウムイオン(NBu )等のアンモニウムイオン等が挙げられる。これらの中でも、ナトリウムイオン(Na)、カリウムイオン(K)、テトラメチルアンモニウムイオン(NMe )、テトラエチルアンモニウムイオン(NEt )、エチルトリメチルアンモニウムイオン(NEtMe )が特に好ましい。
ケイ酸塩としては、下記式(A−1)〜(A−33)で表されるケイ酸塩が挙げられる。
Figure 0006894150
Figure 0006894150
Figure 0006894150
Figure 0006894150
Figure 0006894150
Figure 0006894150
Figure 0006894150
(式(A−1)〜(A−33)中、Qは1価の陽イオンを、Rはそれぞれ独立して窒素原子、酸素原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基を、nは1〜4の整数を表す。)
ここで、「窒素原子、酸素原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含んでいてもよい」とは、窒素原子、酸素原子、ハロゲン原子等を含む官能基を含んでいてもよいほか、窒素原子、酸素原子等を含む連結基を炭素骨格の内部又は末端に含んでいてもよいことを意味する。また、「炭化水素基」は、分岐構造、環状構造、炭素−炭素不飽和結合(炭素−炭素二重結合、炭素−炭素三重結合)のそれぞれを有していてもよく、飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基、芳香族炭化水素基等の何れであってもよい。
Rの炭化水素基に含まれる官能基や連結基としては、アミド基(−NHCO−)、エーテル基(オキサ基,−O−)、フッ素原子(フルオロ基,−F)、塩素原子(クロロ基,−Cl)、臭素原子(ブロモ基,−Br)、ヨウ素原子(ヨード基,−I)等が挙げられる。Rの炭化水素基の炭素原子数は、好ましくは1以上であり、好ましくは14以下、より好ましくは10以下、さらに好ましくは6以下である。Rが芳香族炭化水素基である場合の炭素原子数は、通常6以上である。上記範囲内であると、シラノール化合物が効率良く製造できる。
Rとしては、メチル基(−Me)、エチル基(−Et)、n−プロピル基(−Pr)、i−プロピル基(−Pr)、n−ブチル基(−Bu)、sec−ブチル基(−Bu)、t−ブチル基(−Bu)、フェニル基(−Ph)、アリール基(−Ar)、ビニル基(−Vi)、アリル基(−CHCH=CH)等が挙げられる。
酸性化合物は、pK(DMSO)が−1〜20である化合物であるが、pK(DMSO)は、好ましくは0以上、より好ましくは1以上、さらに好ましくは3以上であり、好ましくは16以下、より好ましくは14以下、さらに好ましくは8以下である。上記範囲内であると、シラノール化合物が効率良く製造できる。酸性化合物は、pK(DMSO)が−1〜20であれば、具体的な構造等は特に限定されない。
酸性化合物としては、硝酸(pK(DMSO)が1.4)、硫酸(pK1(DMSO)が1.4、pK2(DMSO)が14.7)、塩酸(pK(DMSO)が2.1)、リン酸(pK1(DMSO)が1.83、pK2(DMSO)が6.43、pK3(DMSO)が11.46)等の無機酸、又は酢酸若しくは下記式(b−1)〜(b−5)で表される構造を有する化合物からなる群より選択される少なくとも1種である有機酸が挙げられる。
反応媒体であるN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)やメタノール(MeOH)などの中で、有機酸を用いたプロトン交換反応を行うと、生成するアンモニウム塩が反応媒体に溶解する。このため、カラム精製等によって副生成物であるアンモニウム塩を分離する必要がある。一方、反応媒体であるテトラヒドロフラン(THF)などの中で、無機酸を用いたプロトン交換反応を行うと、生成するアンモニウム塩は反応媒体に溶解しない。このため、フィルター濾過等の簡易な分離手段によりアンモニウム塩の分離ができ、濾液であるシラノール化合物溶液が得られる。従って、酸性化合物は無機酸であることが好ましい。
無機酸の中でも、硝酸、硫酸、塩酸、リン酸が好ましく、硝酸又は硫酸が特に好ましい。硝酸イオン、硫酸水素イオン、及び硫酸イオンは、シラノール化合物との相互作用(水素結合など)が弱く、シラノール化合物と副生するアンモニウム塩が反応媒体に不溶な複合体を形成しにくいからである。一方、塩化物イオン、リン酸二水素イオン、リン酸水素イオン、及びリン酸イオンは、シラノール化合物との相互作用(水素結合など)が強い。このため、塩酸又はリン酸を用いたプロトン交換では、シラノール化合物とアンモニウム塩が反応媒体に不溶な複合体を形成するときがあり、目的のシラノール化合物の収率が少し下がることがある。
Figure 0006894150
(式(b−1)〜(b−5)中、Xはそれぞれ独立して酸素原子、硫黄原子、又はアミノ基(−NR−)を、Rは水素原子又は炭素原子数1〜14の炭化水素基を、Rはそれぞれ独立して水素原子又は炭素原子数1〜14の炭化水素基を表す。)
なお、式(b−2)〜(b−5)中の波線は、その先が任意の構造であることを意味する。例えば、酸性化合物は、反応に関与しない官能基等を含んでいてもよい。従って、例えば式(b−4)で表される構造を有する酸性化合物は、下記式のマロン酸ジメチルのように、Xに該当する酸素原子の先にメチル基のような炭化水素基を含む化合物であってもよい。また、例えば式(b−4)で表される構造を有する酸性化合物は、下記式のメルドラム酸のように、Xに該当する酸素原子の先の炭化水素基が結合して、環状構造を形成している化合物であってもよい。
Figure 0006894150
式(b−1)〜(b−5)で表される構造は、いわゆるβ−ジカルボニル構造であるが、2つのカルボニル基に挟まれたメチレン基の水素、即ちα−水素は酸点として働くことが知られている。式(b−1)〜(b−5)で表される構造を有することによって、酸性化合物は、適度な酸解離定数を示すとともに、プロトンの解離によって生成した陰イオンの電子が構造内で非局在化する。例えば、式(b−2)で表される構造を有する酸性化合物は、下記式で表されるようにプロトン解離する。このため、式(b−1)〜(b−5)で表される構造を有する酸性化合物は、陰イオンの塩基性や求核性が抑えられて、副反応やシラノール化合物の縮合が効果的に抑制できると考えられる。
Figure 0006894150
Xであるアミノ基(−NR−)としては第二級アミノ基(−NH−)等が挙げられる。Xは酸素原子であることが特に好ましい。Rが炭化水素基である場合の炭素原子数は、好ましくは6以下、より好ましくは5以下、さらに好ましく4以下である。Rとしては、水素原子、メチル基(−Me)、エチル基(−Et)、n−プロピル基(−Pr)、i−プロピル基(−Pr)、n−ブチル基(−Bu)、フェニル基(−Ph)等が挙げられるが、水素原子であることが好ましい。
が炭化水素基である場合の炭素原子数は、好ましくは5以下、より好ましくは4以下、さらに好ましくは3以下である。Rとしては、水素原子、メチル基(−Me)、エチル基(−Et)、n−プロピル基(−Pr)、i−プロピル基(−Pr)、n−ブチル基(−Bu)等が挙げられるが、水素原子であることが好ましい。
式(b−4)で表される酸性化合物としては、下記式(b−4−1)で表される酸性化合物が挙げられる。式(b−5)で表される酸性化合物としては、下記式(b−5−1)で表される酸性化合物が挙げられる。
Figure 0006894150
(式(b−4−1)及び(b−5−1)中、Rは水素原子又は炭素原子数1〜14の炭化水素基を、Rは炭素原子数1〜14の2価の炭化水素基を表す。)
としてはメチレン基(−CH−)、エチレン基(−CHCH−)、n−プロピレン基(−CHCHCH−)、ジメチルメチレン基(−C(CH−)、i−プロピレン基(−CH(CH)CH−)等が挙げられる。
酸性化合物としては、酢酸(pK(DMSO)が12.6)、安息香酸(pK(DMSO)が11.1)、メルドラム酸(pK(DMSO)が7.3)、メルドラム酸誘導体、ジメドン(pK(DMSO)が11.2)、ジメドン誘導体、アセチルアセトン(pK(DMSO)が13.3)、アセチルアセトン誘導体等が挙げられる(下記式参照)。
Figure 0006894150
酸性化合物として、メルドラム酸のような低分子化合物、又は樹脂等の有機固体材料若しくはシリカやカーボン等の無機固体材料に式(b−2)〜(b−5)で表される化合物が導入されたものが利用できる。酸性化合物がこのような固体であると、図3に示すようにカラムに充填してイオン交換樹脂のように利用することができる。このため、シラノール化合物を非常に効率良く製造できる。
特に酸性化合物は、式(b−2)〜(b−5)からなる群より選択される少なくとも1種の構造を有する樹脂であることが好ましく、プロトン交換工程を行った後、塩酸等の酸性水溶液にさらすことによって、酸性化合物として再生できるものであることが好ましい。
プロトン交換工程における酸性化合物の使用量は、ケイ酸塩に対して物質量換算で、通常1倍以上、好ましくは1.05倍以上、より好ましくは1.1倍以上であり、通常50倍以下、好ましくは20倍以下、より好ましくは5倍以下である。上記範囲内であると、シラノール化合物を効率良く製造できる。
プロトン交換工程における反応は液体中で行われることが好ましい。このような液体としては、THF、テトラヒドロピラン、ジオキサン、ジエチルエーテル(EtO)、ジメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジフェニルエーテル、メチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系液体、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール等のアルコール系液体、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、DMAc、尿素、テトラメチル尿素等のアミド系液体、酢酸エチル、酢酸n−アミル、乳酸エチル等のエステル系液体、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、テトラクロロエタン、ヘキサクロロエタン等のハロゲン系液体、アセトン、メチルエチルケトン、フェニルメチルケトン、DMSO、水等が挙げられる。なお、液体は、1種類に限られず、2種類以上を組み合せてもよい。
プロトン交換工程における液体の使用量は、ケイ酸塩の含有量が0.005〜0.04mol/Lとなる量であることが好ましい。このケイ酸塩の含有量であると、シラノール化合物を効率良く製造できるからである。プロトン交換工程における反応温度は、通常−80℃以上、好ましくは0℃以上、より好ましくは20℃以上であり、通常200℃以下、好ましくは70℃以下、より好ましくは40℃以下である。プロトン交換工程における反応時間は、通常48時間以下、好ましくは24時間以下、より好ましくは8時間以下、特に好ましくは1時間以下である。上記範囲内であると、シラノール化合物を効率良く製造できる。
本発明の製造方法は、プロトン交換工程以外の工程を含んでいてもよい。プロトン交換工程以外の具体的な工程としては、プロトン交換工程で得られた生成物にアンモニウム塩を添加するアンモニウム塩添加工程(以下、「アンモニウム塩添加工程」と略す場合がある。)、プロトン交換工程で得られた生成物又はアンモニウム塩添加工程で得られた生成物を凍結させて、減圧下にさらす凍結乾燥工程(以下、「凍結乾燥工程」と略す場合がある。)、プロトン交換工程で得られた生成物又はアンモニウム塩添加工程で得られた生成物から貧溶媒法又は蒸発法により結晶を析出させる結晶化工程(以下、「結晶化工程」と略す場合がある。)が挙げられる。以下、「アンモニウム塩添加工程」、「凍結乾燥工程」、「結晶化工程」等について詳細に説明する。
(アンモニウム塩添加工程) アンモニウム塩の種類や使用量等は特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができる。なお、「アンモニウム塩」とは、アンモニウムイオンと対アニオンからなる化合物を意味し、アンモニウムイオンと対アニオンの構造は特に限定されない。アンモニウム塩の添加によって、シラノール化合物の縮合が抑えられると考えられる。アンモニウムイオンとしては、テトラヒドロアンモニウムイオン(NH )、テトラメチルアンモニウムイオン(NMe )、テトラプロピルアンモニウムイオン(NPr )、テトラブチルアンモニウムイオン(NBu )、ベンジルトリブチルアンモニウムイオン(NBnBu )、トリブチル(メチル)アンモニウム(NBuMe)イオン、テトラペンチルアンモニウムイオン(NPen )、テトラへキシルアンモニウムイオン(NHex )、テトラヘプチルアンモニウムイオン(NHep )、1−ブチル−1メチルピロリジウムイオン(BuMePyr)、メチルトリオクチルアンモニウムイオン(NMeOct )、ジメチルジオクタデシルアンモニウムイオン、メルドラム酸−テトラメチルアンモニウム塩等が挙げられる。
対アニオンとしては、フッ化物イオン(F)、塩化物イオン(Cl)、臭化物イオン(Br)、ヨウ化物イオン(I)、アセトキシイオン(AcO)、硝酸イオン(NO )、アジ化物イオン(N )、テトラフルオロホウ酸イオン(BF )、過塩素酸イオン(ClO )、硫酸イオン(SO )等が挙げられる。
アンモニウム塩は、テトラブチルアンモニウムクロリド(NBuCl)、テトラブチルアンモニウムブロミド(NBuBr)、テトラペンチルアンモニウムクロリド(NPenCl)、メルドラム酸−テトラメチルアンモニウム塩、ジメチルジオクタデシルアンモニウムクロリドであることが特に好ましい。なお、組成物に含まれるアンモニウム塩は、1種類に限られず、2種類以上含んでいてもよい。アンモニウム塩の使用量は、シラノール化合物に対して物質量換算で、1〜4倍であることが好ましい。
(凍結乾燥工程) 凍結乾燥工程における凍結温度、乾燥温度、乾燥圧力、乾燥時間等は特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができる。凍結温度は、プロトン交換工程で得られた生成物又はアンモニウム塩添加工程で得られた生成物が凍結する温度であれば特に限定されないが、通常10℃以下、好ましくは0℃以下、より好ましくは−20℃以下であり、通常−196℃以上、好ましくは−150℃以上、より好ましくは−100℃以上である。
乾燥温度は、通常10℃以下、好ましくは0℃以下、より好ましくは−20℃以下であり、通常−196℃以上、好ましくは−150℃以上、より好ましくは−100℃以上である。乾燥圧力は、通常100Pa以下、好ましくは20Pa以下、より好ましくは3Pa以下であり、通常10−5Pa以上、好ましくは0.01Pa以上、より好ましくは1Pa以上である。乾燥時間は、通常200時間以下、好ましくは100時間以下、より好ましくは50時間以下であり、通常1時間以上、好ましくは5時間以上、より好ましくは10時間以上である。
(結晶化工程)
結晶化工程における使用溶媒、結晶化時間(静置時間)等は特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができる。使用する溶媒の沸点は、通常0℃以上、好ましくは10℃以上、より好ましくは30℃以上であり、通常300℃以下、好ましくは200℃以下、より好ましくは100℃以下である。使用する溶媒としては、EtO、THF、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、DMAc、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、DMSO、テトラメチル尿素等が挙げられる。結晶化時間(静置時間)は、通常720時間以下、好ましくは360時間以下、より好ましくは168時間以下であり、通常1時間以上、好ましくは5時間以上、より好ましくは10時間以上である。
<シラノール化合物・固体組成物・組成物・シラノール化合物の脱水縮合物> 本発明の製造方法によって製造でき、シロキサン化合物の原料等として有用な下記式(D)で表されるシラノール化合物(以下、「本発明のシラノール化合物」と略す場合がある。)、下記式(D)で表されるシラノール化合物を含む固体組成物(以下、「本発明の固体組成物」と略す場合がある。)、下記式(D)で表されるシラノール化合物を含む組成物(以下、「本発明の組成物」と略す場合がある。)、及び下記式(D)で表されるシラノール化合物の脱水縮合物(以下、「本発明の脱水縮合物」と略す場合がある。)も本発明の一態様である。
Figure 0006894150
式(D)で表されるシラノール化合物以外の化合物であって、本発明の固体組成物又は組成物に含まれる化合物の種類等は特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができる。なお、前述した本発明の製造方法によって、式(D)で表されるシラノール化合物が高濃度で得られるため、本発明の固体組成物又は組成物中の式(D)で表されるシラノール化合物の含有量は適宜調整できる。例えば、脱水縮合が進行しにくい100℃程度で溶媒を蒸発させることによって、固体組成物又は組成物中の式(D)で表されるシラノール化合物の含有量を95質量%以上にもできる。なお、本発明の固体組成物を100℃程度で加熱しても、式(D)で表されるシラノール化合物の籠状骨格構造が維持されていることが、ラマン分析結果からわかっている。
式(D)で表されるシラノール化合物以外の化合物としては、水、エーテル化合物、アミン化合物、アミド化合物、アンモニウム塩等が挙げられる。なお、アミン化合物、アミド化合物、アンモニウム塩は、シラノール化合物の縮合を抑える効果がある。一方、大気中から混入したり、シラノール化合物の脱水縮合によって生じたりする可能性があるほか、ハロゲン化シランやアルコキシシラン等の加水分解を利用した製造方法で得られた組成物の中には水が含まれ易い。シラノール化合物の縮合を促進し、本発明の固体組成物又は組成物の安定性を低下させる要因となるため、本発明の組成物中の水の含有量は極力少ない方が好ましい。
アミン化合物は、アミノ基(第一級アミン、第二級アミン、第三級アミンの何れであってもよい。)を有するものであれば、具体的な種類は特に限定されない。なお、アミノ基とアミド基の両方を有する化合物は、「アミド化合物」に分類する。アミン化合物としては、アニリン(NHPh)、ジフェニルアミン(NHPh)、ジメチルピリジン(MePyr)、ジ−tert−ブチルピリジン(BuPyr)、ピラジン(Pyraz)、トリフェニルアミン(NPh)、トリエチルアミン(EtN)、ジ−イソプロピルエチルアミン(PrEtN)等が挙げられる。アミン化合物の中でも、アニリン(NHPh)が特に好ましい。なお、組成物に含まれるアミン化合物は、1種類に限られず、2種類以上を含むものであってもよい。
本発明の固体組成物又は組成物におけるアミン化合物の含有量(2種類以上含む場合は総含有量)は、好ましくは0.1質量%より多く、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上であり、通常95質量%未満、好ましくは80質量%以下、より好ましくは60質量%以下、さらに好ましくは50質量%以下である。
アミド化合物は、アミド結合を有するものであれば、具体的な種類は特に限定されない。アミド化合物としては、下記式(i)又は(ii)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006894150
(式(i)及び(ii)中、R’及びR”はそれぞれ独立して水素原子又は炭素原子数1〜10の炭化水素基を表す。)
R’及びR”としては、水素原子、メチル基(−Me)、エチル基(−Et)、n−プロピル基(−Pr)、i−プロピル基(−Pr)、フェニル基(−Ph)等が挙げられる。式(i)で表される化合物としては、ホルムアミド、DMF、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、DMAc等が挙げられる。式(ii)で表される化合物としては、尿素、テトラメチル尿素(MeUrea)等が挙げられる。本発明の固体組成物又は組成物におけるアミド化合物の含有量(2種類以上含む場合は総含有量)は、0質量%(含有しない)以上90質量%以下であってもよい。
アンモニウム塩は、アンモニウムイオンと対アニオンからなる化合物であれば、具体的な種類は特に限定されない。アンモニウムイオンとしては、テトラヒドロアンモニウムイオン(NH )、テトラメチルアンモニウムイオン(NMe )、テトラエチルアンモニウムイオン(NEt )、テトラプロピルアンモニウムイオン(NPr )、テトラブチルアンモニウムイオン(NBu )、ベンジルトリブチルアンモニウムイオン(NBnBu )、トリブチル(メチル)アンモニウム(NBuMe)イオン、テトラペンチルアンモニウムイオン(NPen )、テトラへキシルアンモニウムイオン(NHex )、テトラヘプチルアンモニウムイオン(NHep )、1−ブチル−1メチルピロリジウムイオン(BuMePyr)、メチルトリオクチルアンモニウムイオン(NMeOct )、ジメチルジオクタデシルアンモニウムイオン、ヒドロピリジニリウムイオン(CH)、ヒドロアニリニウムイオン(PhNH H)、メルドラム酸イオン等が挙げられる。また、対アニオンとしては、フッ化物イオン(F)、塩化物イオン(Cl)、臭化物イオン(Br)、ヨウ化物イオン(I)、アセトキシイオン(AcO)、硝酸イオン(NO )、アジ化物イオン(N )、テトラフルオロホウ酸イオン(BF )、過塩素酸イオン(ClO )、硫酸イオン(HSO )等が挙げられる。
アンモニウム塩としては、テトラブチルアンモニウムクロリド(NBuCl)、テトラブチルアンモニウムブロミド(NBuBr)、テトラペンチルアンモニウムクロリド(NPenCl)、ジメチルジオクタデシルアンモニウムクロリド、メルドラム酸−テトラメチルアンモニウム塩が特に好ましい。なお、組成物に含まれるアンモニウム塩は、1種類に限られず、2種類以上を含むものであってもよい。
本発明の固体組成物又は組成物におけるアンモニウム塩の含有量(2種類以上含む場合は総含有量)は、好ましくは0.1質量%より多く、より好ましくは50質量%以上であり、通常95質量%未満、好ましくは80質量%以下である。また、本発明の固体組成物又は組成物におけるアンモニウム塩のシラノール化合物に対する比率(アンモニウム塩の総物質量/シラノール化合物の総物質量)は、好ましくは0より大きく、より好ましくは1以上であり、通常8以下、好ましくは6以下、より好ましくは4以下である。
本発明の脱水縮合物は、下記式で表される二量体や三量体のように、式(D)で表されるシラノール化合物のヒドロキシル基が脱水縮合することによって生成する化合物である。本発明の脱水縮合物は、式(D)で表されるシラノール化合物が通常2以上縮合したものであり、通常20以下、好ましくは10以下、より好ましくは5以下縮合したものである。上記範囲内であると、シロキサン化合物の原料等として利用しやすくなる。
Figure 0006894150
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
<実施例1> 下記の化学反応式に示すように、ナトリウムトリメチルシラノラート(MeSiONa)56.2mg(0.50mmol)とメルドラム酸72.1mg(0.50mmol)をフラスコに入れ、重テトラヒドロフラン(THF−d)2mLを投入し、3分間攪拌した。この反応溶液の29Si−NMR(条件:インバースゲートデカップリング法)を測定した。この結果を図1に示す。各種NMR及び質量分析によりトリメチルシラノールが生成していることが確認された(収率:99%以上)。
Figure 0006894150
<実施例2> アセチルアセトン24mg(0.24mmol)をフラスコに入れ、重トルエン(Tol−d)0.8mLを加えた。そこにナトリウムトリメチルシラノラート(MeSiONa)22mg(0.20mmol)を加え、30分間攪拌した。内標としてビストリメチルシリルベンゼンを添加し、各種NMR及び質量分析によりトリメチルシラノールが生成していることを確認した(収率:76%)。
<実施例3> 既報(Xian Huang, Zhanxiang Liu, J. Org. Chem. 2002, 67, 6731)の合成法を参考に自作した化学式(E)で表される樹脂を合成し、その435mgをカラムに充填した。化学式(E)で表される樹脂をTHFで膨潤させたところに、ナトリウムトリメチルシラノラート(MeSiONa)34mg(0.30mmol)のTHF1mL溶液を流し落とした。流出した溶液を留去し各種NMR及び質量分析によりトリメチルシラノールを単離した(収率:99%以上)。
Figure 0006894150
<実施例4> 三菱ケミカル製アクリル系ダイヤイオンWK40L、915mg(カルボン酸ユニットで5.00mmol相当)とナトリウムトリメチルシラノラート(MeSiONa)112mg(1.00mmol)をフラスコに入れ、そこにトルエン3mLを添加した。30分間攪拌した後、反応溶液の各種NMR及び質量分析によりトリメチルシラノールが生成していることが確認され、ビストリメチルシリルベンゼンを内標とすることで収率を求めた(収率:99%以上)。
<実施例5> 下記の化学反応式に示すように、オクタキス(テトラメチルアンモニウム)ペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13.]オクタシロキサン−1, 3, 5, 7, 9, 11, 13, 15−オクタキス(イルオキシド)水和物(CAS番号69667−29−4(以下、「Q(TMA)・nHO」と略す場合がある。))633mg(0.30mmol)をDMAc8mLに懸濁させた分散液にメルドラム酸411mg(2.85mmol)を加え、10分間攪拌することで無色透明の溶液を得た。
この溶液の29Si−NMR及び高分解能質量分析(TOF−MS)を測定した。この結果を図2(a)及び図2(b)にそれぞれ示す。各種NMR、質量分析、及びX線結晶構造解析により、溶液にはプロトンにイオン交換された籠型オクタオール(組成式Si20(以下、「Q」と略
す場合がある。))が生成していることが確認された。反応溶液を濃縮して、GPCによりQに帰属されるピーク部分を分取した。
Figure 0006894150
を含む溶液を濃縮し、貧溶媒法により2℃にて再結晶化することにより、Qを無色固体(板状結晶)として収率84%(375mg)で単離することに成功した。すなわち、Qを37.5質量%含む組成物を得た。また、反応溶液を濃縮し貧溶媒法により2℃にて再結晶化することにより、この組成物は、1分子のQと、10分子のDMAcからなる結晶構造を備えていることが明らかになった(H−NMR(Acetone−d):6.44ppm、29Si−NMR(Acetone−d):−100.2ppm)。このように、Qとアミド化合物からなる結晶構造を備えている組成物が得られた。
<実施例6> 酢酸72mg(1.20mmol)をDMAc10mLに溶解した溶液に対し、Q(TMA)・54HO、171mg(0.15mmol)をMeOH0.5mLに溶解した溶液を1.5時間かけて滴下した。各種NMR及び質量分析によりQが生成していることが確認された。
<実施例7> 下記の化学反応式に示すように、DMAc1mLにメルドラム酸86mg(0.60mmol)を溶解させた溶液に対し、オルトケイ酸ナトリウム28mg(0.15mmol)を重水2mLに溶解させた溶液を加えた。室温にてこの溶液を1.5時間攪拌し、29Si−NMRを測定した。各種NMR及び質量分析により、シランテトラオールが収率81%で生成していることが確認された。
Figure 0006894150
<実施例8> 下記の化学反応式に示すように、既報(O. I Shchegolikhina, Yu. A. Pozdnyakova, A. A. Chetverikov, A. S. Peregudov, M. I. Buzin, E. V. Matukhina, Rus. Chem. Bull., Int. Ed., 2007, 56, 83-90)の合成法を参考に自作したカリウム−all−cis−テトラメチルシクロテトラシロキサンテトラシラノラート21mg(0.10mmol)をジメチルアセトアミド0.3mLに懸濁させた分散液に対し、メルドラム酸43mg(0.30mmol)を重アセトン0.3mLに溶解させた溶液を加え、室温にて10分間攪拌した。各種NMR及び質量分析により、all−cis−テトラメチルシクロテトラシロキサンテトラオールの生成を確認した。ビストリメチルシリルベンゼンを内標とすることで収率を求めた(収率87%)。
Figure 0006894150
<実施例9>
(TMA)・54HO、211mg(0.10mmol)をDMAc5mLに懸濁させた分散液にメルドラム酸121mg(0.84mmol)を加え、5分間攪拌することでQを含む無色透明の溶液を得た。この溶液の29Si−NMRを測定した。ビストリメチルシリルベンゼンを内標とすることでQの収率を求めた(収率:94%、29Si−NMR(Acetone−d):−100.6ppm)。
<実施例10>
(TMA)・54HO、211mg(0.10mmol)をDMAc5mLに懸濁させた分散液に硝酸77mg(0.84mmol)を加え、15分間攪拌することでQを含む懸濁液を得た。この懸濁液をフィルター濾過した後、29Si−NMRを測定した。ビストリメチルシリルベンゼンを内標とすることでQの収率を求めた(収率:95%、29Si−NMR(Acetone−d):−100.4ppm)。
<実施例11>
(TMA)・54HO、211mg(0.10mmol)をDMAc5mLに懸濁させた分散液に塩酸70μL(0.84mmol)を加え、10分間攪拌することでQを含む懸濁液を得た。この懸濁液をフィルター濾過した後、29Si−NMRを測定し、Qの収率を求めた(収率:89%、29Si−NMR(Acetone−d):−100.4ppm)。
<実施例12>
(TMA)・54HO、211mg(0.10mmol)をDMAc2mLに懸濁させた分散液にジメドン135mg(0.96mmol)を加え、5分間攪拌することでQを含む無色透明の溶液を得た。この溶液の29Si−NMRを測定し、Qの収率を求めた(収率:32%、29Si−NMR(Acetone−d):−101.2ppm)。
<実施例13>
(TMA)・55.4HO(Aldrich社製、製品番号522260−5G)、640mg(0.30mmol)をDMAc8mLに懸濁させた分散液にメルドラム酸363mg(2.52mmol)を加え、10分間攪拌することでQを含む無色透明の溶液を得た。反応溶液からGPCによりQに帰属されるピーク部分を分取した。Qを含む溶液を濃縮し、貧溶媒法により2℃にて再結晶化することにより、Qを36.3質量%含む組成物である無色固体(白色粉末)を収率85%(390mg)で単離した(H−NMR(THF−d):6.30ppm、29Si−NMR(THF−d):−100.0ppm)。
<実施例14>
(TMA)・54HO、1055mg(0.50mmol)をDMAc20mLに懸濁させた分散液にメルドラム酸605mg(4.20mmol)を加え、7分間撹拌することで無色透明の溶液を得た。この溶液にエタノール/アセトニトリル(1/1体積比)混合溶媒200mLを添加した後、無水硫酸マグネシウム20gを加えて10分間撹拌し、フィルター濾過して溶液を得た。この溶液をシリカゲルカラム(展開溶媒としてエタノール/アセトニトリル(1/1体積比)混合溶媒)によってQのピーク部分を分取した。この分取したQを含む溶液を濃縮し、貧溶媒法により2℃にて再結晶化することにより、Qを47質量%含む組成物である無色固体を収率61%(349mg)で単離した(29Si−NMR(Acetone−d):−100.0ppm)。
<実施例15>
実施例5で得られたQ組成物20mgをTHF1mLに溶かし、微量の不溶物をフィルター濾過にて分離した。この溶液を−30℃にて再結晶化することにより、Qを68.4質量%含む組成物である無色固体(角柱状結晶)を単離した。また、単結晶X線結晶構造解析により、得られた結晶は、1分子のQと、1分子のDMAcと、2分子のTHFからなる結晶構造を備えていることが明らかになった。
<実施例16>
(TMA)・54HO、212mg(0.10mmol)をDMAc4mLに懸濁させた分散液にメルドラム酸141mg(0.98mmol)を加え、10分間撹拌することで無色透明の溶液を得た。この溶液にTHF2mLを少しずつ添加した。室温で静置して、Qを35.3質量%含む組成物である無色固体(板状結晶)を収率94%(147mg)で単離した。また、単結晶X線結晶構造解析により、得られた結晶は、1分子のQと、4分子のメルドラム酸−テトラメチルアンモニウム塩と、2分子のTHFからなる結晶構造を備えていることが明らかになった。この固体の熱重量示差熱分析の測定結果を図4に示す。なお、実線(−)が「TG %」を、破線(--)が「DTA μV」を、点線(・・)が「Temp Cel」をそれぞれ表している(以下同様)。
<実施例17>
(TMA)・54HO、423mg(0.20mmol)をDMAc8mLに懸濁させた分散液にメルドラム酸277mg(1.92mmol)を加え、10分間撹拌することで無色透明の溶液を得た。この溶液にTHF10mLとシリカゲル(シリカゲル60、pH6(関東化学))4.0gを加え5分間撹拌した。その後、シリカゲルをフィルター濾過(THF10mLで洗浄)にて分離し、濾液にシリカゲル(シリカゲル60、pH6(関東化学))2.0gを加え5分間撹拌した。シリカゲルをフィルター濾過(THF5mLで洗浄)にて分離した。濾液を減圧留去して濃縮し、貧溶媒法により−5℃にて再結晶化することにより、Qを65質量%含む組成物である無色固体を収率40%(68mg)で単離した(H−NMR(THF−d):6.29ppm、29Si−NMR(THF−d):−100.0ppm)。
<実施例18>
(TMA)・54HO、423mg(0.20mmol)をDMAc8mLとTHF2.5mLに懸濁させた分散液に塩酸0.141mL(1.67mmol)を加え、10分間撹拌することで懸濁液を得た。この懸濁液をフィルター濾過(THF1mLで洗浄)した後、濾液にシリカゲル(シリカゲル60、pH6(関東化学))1.0gとTHF5mLを加え5分間撹拌した。その後、シリカゲルをフィルター濾過(THF7.5mLで洗浄)にて分離した。濾液を減圧留去して濃縮し、貧溶媒法により−5℃にて再結晶化することにより、Qを47質量%含む組成物である無色固体を収率86%(202mg)で単離した(H−NMR(Acetone−d):6.37ppm、29Si−NMR(Acetone−d):−100.0ppm)。
<実施例19>
(TMA)・54HO、845mg(0.40mmol)をTHF15mLとDMAc8mLに懸濁させた分散液に硝酸0.212mL(3.35mmol)を加え、10分間撹拌することで懸濁液を得た。この懸濁液をフィルター濾過(THF2mLで洗浄)した後、濾液にシリカゲル(シリカゲル60、pH6(関東化学))2.0gを加え5分間撹拌した。その後、シリカゲルをフィルター濾過(THF6mLで洗浄)にて分離した。濾液を減圧留去して濃縮し、貧溶媒法により−5℃にて再結晶化することにより、Qを44質量%含む組成物である無色固体を収率68%(341mg)で単離した(29Si−NMR(Acetone−d):−100.2ppm)。
<実施例20>
硝酸の使用量を0.212mL(3.35mmol)から0.250mL(3.95mmol)に変更した以外は実施例19と同様の方法で、Qを37質量%含む組成物である無色固体を収率72%(429mg)で単離した(Q)(29Si−NMR(Acetone−d):−100.2ppm)。
<実施例21>
(TMA)・48.7HO、8.062g(4.00mmol)をTHF150mLとDMAc80mLに懸濁させた分散液に硝酸2.12mL(33.5mmol)を加え、10分間撹拌することで懸濁液を得た。この懸濁液をフィルター濾過(THF20mLで洗浄)した後、濾液にシリカゲル(シリカゲル60、pH6(関東化学))20.0gを加え5分間撹拌した。その後、シリカゲルをフィルター濾過(THF60mLで洗浄)にて分離した。濾液を減圧留去して濃縮し、貧溶媒法により−5℃にて再結晶化することにより、Qを39質量%含む組成物である無色固体を収率63%(3.56g)で単離した(29Si−NMR(Acetone−d):−100.2ppm)。
<実施例22>
硝酸の使用量2.12mL(33.5mmol)から2.53mL(40.0mmol)に変更した以外は実施例21と同様の方法で、Qを36質量%含む組成物である無色固体を収率62%(3.851g)で単離した(29Si−NMR(Acetone−d):−100.2ppm)。
<実施例23>
(TMA)・54HO、846mg(0.40mmol)をTHF20mLに懸濁させた分散液に硝酸0.212mL(3.35mmol)を加え、5分間撹拌することで懸濁液を得た。この懸濁液をフィルター濾過(THF5mLで洗浄)した。濾液にDMAc8mLを加えてから減圧留去して濃縮し、貧溶媒法により−5℃にて再結晶化することにより、Qを43質量%含む組成物である無色固体を収率73%(376mg)で単離した(29Si−NMR(Acetone−d):−100.2ppm)。
<実施例24>
(TMA)・48.7HO、8.062g(4.00mmol)をTHF200mLに懸濁させた分散液に硝酸2.12mL(33.5mmol)を加え、5分間撹拌することで懸濁液を得た。この懸濁液をフィルター濾過(THF50mLで洗浄)した。濾液にDMAc80mLを加えてから減圧留去して濃縮し、貧溶媒法により−5℃にて再結晶化することにより、Qを37質量%含む組成物である無色固体を収率33%(2.022g)で単離した(29Si−NMR(Acetone−d):−100.2ppm)。
<実施例25>
THFの使用量を200mLから150mLに変更した以外は実施例24と同様の方法で、Qを40質量%含む組成物である無色固体を収率43%(2.427g)で単離した(29Si−NMR(Acetone−d):−100.2ppm)。
<実施例26>
THFの使用量を200mLから100mLに変更した以外は実施例24と同様の方法で、Qを37質量%含む組成物である無色固体を収率50%(2.988g)で単離した(29Si−NMR(Acetone−d):−100.2ppm)。
<実施例27>
撹拌時間を5分間から30分間に変更した以外は実施例24と同様の方法で、Qを37質量%含む組成物である無色固体を収率43%(2.552g)で単離した(29Si−NMR(Acetone−d):−100.2ppm)。
<実施例28>
撹拌時間を5分間から30分間に変更した以外は実施例25と同様の方法で、Qを43質量%含む組成物である無色固体を収率63%(3.237g)で単離した(29Si−NMR(Acetone−d):−100.2ppm)。
<実施例29>
硝酸の使用量を2.12mL(33.5mmol)から2.53mL(40.0mmol)に変更した以外は実施例27と同様の方法で、Qを36質量%含む組成物である無色固体を収率47%(2.872g)で単離した(29Si−NMR(Acetone−d):−100.2ppm)。
<実施例30>
硝酸の使用量を2.12mL(33.5mmol)から3.04mL(48.0mmol)に変更した以外は実施例27と同様の方法で、Qを41質量%含む組成物である無色固体を収率86%(4.717g)で単離した(29Si−NMR(Acetone−d):−100.2ppm)。
<実施例31>
硝酸の使用量を2.12mL(33.5mmol)から3.55mL(56.0mmol)に変更した以外は実施例27と同様の方法で、Qを37質量%含む組成物である無色固体を収率99%(5.889g)で単離した。この固体の29Si−NMRの測定結果を図5に示す(29Si−NMR(Acetone−d):−100.2ppm)。また、この固体の熱重量示差熱分析の測定結果を図6に示す。
<実施例32>
硝酸の使用量を2.12mL(33.5mmol)から3.04mL(48.0mmol)に変更した以外は実施例28と同様の方法で、Qを37質量%含む組成物である無色固体を収率85%(5.135g)で単離した(29Si−NMR(Acetone−d):−100.2ppm)。
<実施例33>
硝酸の使用量を2.12mL(33.5mmol)から3.04mL(48.0mmol)に変更した以外は実施例26と同様の方法で、Qを37質量%含む組成物である無色固体を収率84%(4.926g)で単離した(29Si−NMR(Acetone−d):−100.1ppm)。
<実施例34>
(TMA)・54HO、845mg(0.40mmol)をTHF20mLに懸濁させた分散液に硫酸333mg(3.29mmol)を加え、5分間攪拌することで懸濁液を得た。この懸濁液をフィルター濾過(THF5mLで洗浄)した。濾液にDMAc8mLを加えてから減圧留去して濃縮し、貧溶媒法により−5℃にて再結晶化することにより、Qを36質量%含む組成物である無色固体を収率55%(333mg)で単離した(H−NMR(Acetone−d):7.32ppm、29Si−NMR(Acetone−d):−100.2ppm)。
<実施例35>
(TMA)・48.7HO、8.062g(4.00mmol)をTHF200mLに懸濁させた分散液に硫酸3.066g(30.3mmol)を加え、30分間攪拌することで懸濁液を得た。この懸濁液をフィルター濾過(THF50mLで洗浄)した。濾液にDMAc80mLを加えてから減圧留去して濃縮し、貧溶媒法により−5℃にて再結晶化することにより、Qを32質量%含む組成物である無色固体を収率47%(3.294g)で単離した(H−NMR(Acetone−d):6.67ppm、29Si−NMR(Acetone−d):−100.2ppm)。
<実施例36>
硫酸の使用量を3.066g(30.3mmol)から3.274g(32.4mmol)に変更した以外は実施例35と同様の方法で、Qを37質量%含む組成物である無色固体を収率70%(4.168g)で単離した(H−NMR(Acetone−d):6.67ppm、29Si−NMR(Acetone−d):−100.2ppm)。
<実施例37>
硫酸の使用量を3.066g(30.3mmol)から3.492g(34.5mmol)に変更した以外は実施例35と同様の方法で、Qを39質量%含む組成物である無色固体を収率91%(5.099g)で単離した(29Si−NMR(Acetone−d):−100.2ppm)。
<実施例38>
硫酸の使用量を硫酸3.066g(30.3mmol)から3.642g(36.0mmol)に変更した以外は実施例35と同様の方法で、Qを38質量%含む組成物である無色固体を収率87%(5.104g)で単離した(29Si−NMR(Acetone−d):−100.2ppm)。
<実施例39>
(TMA)・54HO、845mg(0.40mmol)をTHF20mLに懸濁させた分散液にリン酸369mg(3.20mmol)を加え、5分間攪拌することで懸濁液を得た。この懸濁液をフィルター濾過(THF5mLで洗浄)した。濾液にDMAc8mLを加えてから減圧留去して濃縮し、貧溶媒法により−5℃にて再結晶化することにより、Qを11質量%含む組成物であるペースト状固体物を収率7%(143mg)で単離した(29Si−NMR(Acetone−d):−100.2ppm)。
<実施例40>
(TMA)・54HO、845mg(0.40mmol)をTHF20mLに懸濁させた分散液に硝酸0.212mL(3.35mmol)を加え、5分間攪拌することで懸濁液を得た。この懸濁液をフィルター濾過(THF5mLで洗浄)した。濾液を減圧留去し、Qを69質量%、HOを24質量%含む組成物である無色固体を収率64%(207mg)で単離した(29Si−NMR(MeOD−d):−100.1ppm)。
<実施例41>
(TMA)・48.7HO、8.062g(4.00mmol)をTHF200mLに懸濁させた分散液に硝酸3.04mL(48.0mmol)を加え、30分間攪拌することで懸濁液を得た。この懸濁液をフィルター濾過(THF50mLで洗浄)した。濾液を減圧留去し、Qを80質量%、HOを1質量%含む組成物である無色固体を収率95%(2.493g)で単離した。この固体のH−NMRの測定結果を図7(a)に示す(H−NMR(DMSO−d):7.87ppm)。また、この固体の29Si−NMRの測定結果を図7(b)に示す(29Si−NMR(DMSO−d):−100.6ppm)。また、この固体の熱重量示差熱分析の測定結果を図8に示す。
<実施例42>
(TMA)・54HO、845mg(0.40mmol)をTHF20mLに懸濁させた分散液に硝酸0.212mL(3.35mmol)を加え、5分間攪拌することで懸濁液を得た。この懸濁液をフィルター濾過(THF5mLで洗浄)した。濾液を減圧留去して元の体積の1/3程度まで濃縮した。この濃縮溶液を減圧度23331Pa(175torr)の条件下で濃縮することで、Qを70質量%、HOを2質量%含む組成物である無色固体(板状結晶)を単離した。この固体のH−NMRの測定結果を図9(a)に示す(H−NMR(DMF−d):7.73ppm)。また、この固体の29Si−NMRの測定結果を図9(b)に示す(29Si−NMR(DMF−d):−100.1ppm)。また、この固体の熱重量示差熱分析の測定結果を図10に示す。
<実施例43>
(TMA)・54HO、845mg(0.40mmol)をTHF20mLに懸濁させた分散液に硝酸0.212mL(3.35mmol)を加え、5分間攪拌することで懸濁液を得た。この懸濁液をフィルター濾過(THF5mLで洗浄)した。濾液にジエチレングリコールジメチルエーテル3mLを加えてから減圧留去して濃縮することで、Qを33質量%含む組成物であるペースト状固形物を収率86%(573mg)で単離した(29Si−NMR(Acetone−d):−100.2ppm)。
<実施例44>
ジエチレングリコールジメチルエーテル3mLをトリエチレングリコールジメチルエーテル2mLに変更した以外は実施例43と同様の方法で、Qを31質量%含む組成物であるペースト状固形物を収率87%(615mg)で単離した(29Si−NMR(Acetone−d):−100.2ppm)。
<実施例45>
(TMA)・48.7HO、8.062g(4.00mmol)をTHF150mLに懸濁させた分散液に硝酸3.04mL(48.0mmol)を加え、30分間攪拌することで懸濁液を得た。この懸濁液をフィルター濾過(THF50mLで洗浄)した。濾液にジエチレングリコールジメチルエーテル30mLを加えてから減圧留去して濃縮することで、Qを26質量%含む組成物であるペースト状固形物を収率95%(8.103g)で単離した(29Si−NMR(Acetone−d):−100.2ppm)。
<実施例46>
(TMA)・54HO、845mg(0.40mmol)をTHF20mLに懸濁させた分散液に硝酸0.212mL(3.35mmol)を加え、5分間攪拌することで懸濁液を得た。この懸濁液をフィルター濾過(THF5mLで洗浄)した。濾液にジエチレングリコールジメチルエーテル3mLを加えてから減圧留去して濃縮し、貧溶媒法(蒸気拡散)により室温にて再結晶化することで、Qを78.9質量%含む組成物である無色固体(板状結晶)を収率65%(176mg)で単離した(H−NMR(DMF−d):7.73ppm、29Si−NMR(DMF−d):−100.0ppm)。また、単結晶X線結晶構造解析により、得られた結晶は、1分子のQと、2分子のEtOからなる結晶構造を備えていることが明らかになった。
<実施例47>
(TMA)・48.7HO、8.062g(4.00mmol)をTHF200mLに懸濁させた分散液に硝酸2.12mL(33.5mmol)を加え、30分間攪拌することで懸濁液を得た。この懸濁液をフィルター濾過(THF50mLで洗浄)した。濾液にジエチレングリコールジメチルエーテル30mLを加えてから減圧留去して濃縮し、貧溶媒法(蒸気拡散)により室温にて再結晶化することで、Qを77質量%含む組成物である無色固体を収率80%(2.309g)で単離した。この固体のH−NMRの測定結果を図11(a)に示す(H−NMR(DMF−d):7.73ppm)。また、この固体の29Si−NMRの測定結果を図11(b)に示す(29Si−NMR(DMF−d):−99.8ppm)。また、この固体の熱重量示差熱分析の測定結果を図12に示す。
<実施例48>
(TMA)・54HO、1055mg(0.50mmol)をエタノール100mLに溶かした溶液に、メルドラム酸605mg(4.20mmol)をアセトニトリル100mLに溶かした溶液を加え、5分間攪拌することで無色透明な溶液を得た。この溶液に無水硫酸マグネシウム10gを加え、10分間攪拌し、フィルター濾過して溶液を得た。この溶液をシリカゲルカラム(展開溶媒としてエタノール/アセトニトリル(1/1体積比)混合溶媒)によってQの二量化した成分を含むピーク部分を分取した。
この分取した溶液にDMAc10mLを添加した後に濃縮し、貧溶媒法により2℃にて再結晶化することにより、Q及びQの脱水縮合物の二量体を無色固体として収率46%(127mg)で得た(29Si−NMR(Acetone−d):−100.3ppm、−109.7ppm)。また、得られた無色固体の一部をアセトニトリルに溶かし、高分解能質量分析(TOF−MS)を行った(理論値:H1339Si16[M−H]1084.5337、実測値:1084.5336)。この結果を図13に示す。
<実施例49> 下記の化学反応式に示すように、ヘキサキス(テトラエチルアンモニウム)テトラシクロ[5.5.1.13,11.15,9.]ヘキサシロキサン−1,3,5,7,9,11−ヘキサキス(イルオキシド)水和物(CAS番号73697−41−3:以下、「Q(TEA)・nHO」と略す場合がある。)48.5mg(0.02mmol)をDMAc0.8mLに懸濁させた分散液に硝酸0.0117mL(0.18mmol)を加え、10分間攪拌することで懸濁液を得た。この懸濁液をフィルター濾過(DMAc2mLで洗浄)した。
この濾液の29Si−NMRの測定結果を図14に示す(29Si−NMR(Acetone−d):−90.9ppm)。また、高分解能質量分析(TOF−MS)の測定結果を図15に示す(理論値:HNO18Si[M+NO475.8206、実測値:475.8207)。各種NMR及び質量分析により、溶液にはプロトンにイオン交換された籠型ヘキサオール(組成式Si15(以下、「Q」と略す場合がある。))が生成していることが確認された。
Figure 0006894150
<実施例50> Q(TEA)・68.8HO、243mg(0.10mmol)をDMAc8.0mLに懸濁させた分散液に硫酸76mg(0.75mmol)を加え、10分間攪拌することで懸濁した懸濁液を得た。この懸濁液をフィルター濾過(DMAc1mLで洗浄)した。濾液をGPCによりQに帰属されるピーク部分を分取し、減圧留去により濃縮することで、Qを15質量%含む組成物である無色液状物を収率55%(150mg)で単離した。この液状物のH−NMRの測定結果を図16(a)に示す(H−NMR(DMF−d):8.32ppm)。また、この固体の29Si−NMRの測定結果を図16(b)に示す(29Si−NMR(DMF−d):−90.8ppm)。
<実施例51> Q(TEA)・68.8HO、240mg(0.10mmol)をDMAc8.0mLとTHF12mLに懸濁させた分散液に硫酸76mg(0.75mmol)を加え、10分間攪拌することで懸濁した懸濁液を得た。この懸濁液をフィルター濾過(THF3mLで洗浄)した。濾液にシリカゲル(シリカゲル60、pH6(関東化学))1.0gを加え5分間攪拌した。シリカゲルをフィルター濾過(THF3mLで洗浄)にて分離した。濾液を減圧留去により濃縮することで、Qを0.3質量%含む組成物である無色液状物を収率41%で得た(29Si−NMR(Acetone−d):−91.0ppm)。
<実施例52> Q(TEA)・68.8HO、243mg(0.10mmol)をDMAc8.0mLとTHF12mLに懸濁させた分散液に硫酸76mg(0.75mmol)を加え、10分間攪拌することで懸濁した懸濁液を得た。この懸濁液をフィルター濾過(THF3mLで洗浄)した。濾液を減圧留去により濃縮することで、Qを0.5質量%含む組成物である無色液状物を収率66%で得た(29Si−NMR(Acetone−d):−91.0ppm)。
<実施例53> THFの使用量を12mLから8mLに変更した以外は実施例52と同様の方法で、Qを0.6質量%含む組成物である無色液状物を収率81%で得た(29Si−NMR(Acetone−d):−91.0ppm)。
<実施例54> THFの使用量を12mLから4mLに変更した以外は実施例52と同様の方法で、Qを0.5質量%含む組成物である無色液状物を収率88%で得た(29Si−NMR(Acetone−d):−91.0ppm)。
<実施例55> Q(TEA)・68.8HO、243mg(0.10mmol)をDMAc8.0mLに懸濁させた分散液に硫酸76mg(0.75mmol)を加え、10分間攪拌することで懸濁した懸濁液を得た。この懸濁液をフィルター濾過(DMAc1mLで洗浄)した。濾液をGPCによりQに帰属されるピーク部分を分取し、減圧留去により濃縮することで、Qを含む無色液状物を243mg得た。この無色液状物に対し、ジエチルエーテルを0.22mL加え、−40℃で冷却することで無色固体(結晶)を18mgで単離した。
このようにして、下記式(F)で表されるシラノール化合物が得られる。
Figure 0006894150
(式中、nは1〜3の整数を表す。)
このシラノール化合物は、n=1のときQであり、n=2のときQである。
本発明の製造方法によって製造されたシラノール化合物は、自動車、建築、エレクトロニクス、医薬等の幅広い分野で利用されているシロキサン化合物の原料等として有用である。

Claims (10)

  1. 下記式(a)で表される構造を有するケイ酸塩と、ジメチルスルホキシド(DMSO)中における酸解離定数pKaが−1〜20である酸性化合物を反応させて、下記式(c)で表される構造を有するシラノール化合物を生成するプロトン交換工程を含み、
    前記酸性化合物が、無機酸、酢酸、及び下記式(b−1)〜(b−5)で表される構造を有する化合物からなる群より選択される少なくとも1種である、シラノール化合物の製造方法。
    Figure 0006894150
    (式(a)中、Qi+はi価の陽イオンを、iは1〜4の整数を表す。)
    Figure 0006894150
    (式(b−1)〜(b−5)中、Xはそれぞれ独立して酸素原子、硫黄原子、又はアミノ基(−NR 3 −)を、R 1 及びR 2 はそれぞれ独立して水素原子又は炭素原子数1〜14の炭化水素基を表す。)
  2. 前記酸性化合物のジメチルスルホキシド(DMSO)中における酸解離定数pKaが12.6以下である、請求項1に記載のシラノール化合物の製造方法。
  3. 前記酸性化合物が無機酸である、請求項1又は2に記載のシラノール化合物の製造方法。
  4. 前記無機酸が硝酸又は硫酸である、請求項3に記載のシラノール化合物の製造方法。
  5. 前記酸性化合物が、酢酸及び前記式(b−1)〜(b−5)で表される構造を有する化合物からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載のシラノール化合物の製造方法
  6. 前記酸性化合物が、前記式(b−2)〜(b−5)で表される構造からなる群より選択される少なくとも1種の構造を有する樹脂である、請求項5に記載のシラノール化合物の製造方法。
  7. 前記プロトン交換工程が、水、エーテル系液体、アルコール系液体、アミド系液体、エステル系液体、ハロゲン系液体、及び非プロトン性極性液体からなる群より選択される少なくとも1種の液体中で行われる、請求項1〜6の何れか1項に記載のシラノール化合物の製造方法。
  8. 前記プロトン交換工程で得られた生成物にアンモニウム塩を添加するアンモニウム塩添加工程をさらに含む、請求項1〜7の何れか1項に記載のシラノール化合物の製造方法。
  9. 前記プロトン交換工程で得られた生成物又は前記アンモニウム塩添加工程で得られた生成物を凍結させて、減圧下にさらす凍結乾燥工程をさらに含む、請求項1〜8の何れか1項に記載のシラノール化合物の製造方法。
  10. 前記プロトン交換工程で得られた生成物又は前記アンモニウム塩添加工程で得られた生成物から貧溶媒法又は蒸発法により結晶を析出させる結晶化工程をさらに含む、請求項1〜8の何れか1項に記載のシラノール化合物の製造方法。
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