JP2016085871A - ワイヤーハーネスの組み付け方法及びワイヤーハーネスモジュール - Google Patents

ワイヤーハーネスの組み付け方法及びワイヤーハーネスモジュール Download PDF

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Abstract

【課題】ワイヤーハーネスの製造工程から車両への組み付け工程にかけて、複数のコネクタの取り扱いにかかる作業を容易にすることができる技術を提供することを目的とする。
【解決手段】ワイヤーハーネスの組み付け方法は、(a)複数のコネクタ18を保持可能なコネクタ保持部材20が図板80上に固定されたものを準備する工程と、(b)図板80上で、枝線部16の端部にそれぞれ設けられたコネクタ18をコネクタ保持部材20に保持させるとともに、電線の部分を配設経路に沿って配設し、コネクタ保持部材20が取り付けられたままのワイヤーハーネスモジュール10を製造する工程と、(c)コネクタ保持部材20を図板80から取り外し、ワイヤーハーネスモジュール10のうち電線部分を車両に配設するとともに、コネクタ保持部材20に保持された複数のコネクタ18を一括して車両の複数の相手側コネクタ90に接続する工程と、を備える。
【選択図】図1

Description

この発明は、分岐を有するワイヤーハーネスにおいて、分岐した枝線に設けられるコネクタを接続する技術に関する。
車両等に配設されるワイヤーハーネスは、複数の電線が幹線部から少なくとも1つの枝線部が分岐する態様で束ねられている場合がある。このようなワイヤーハーネスが例えば、特許文献1に開示されている。
特許文献1に記載のワイヤーハーネスは、分岐を両端部と1つの中間部とに集中させることで、ワイヤーハーネスのうち分岐以外の部分を直線状としてテープ等を巻回しやすくするものである。
また、特許文献2には、枠部と仕切部とを備え、複数のコネクタを所定の位置関係を維持した状態で保持可能なコネクタ保持用枠体が開示されている。
特開平4−328208号公報 特開2010−218930号公報
しかしながら、特許文献1に記載のワイヤーハーネスの場合、複数の枝線の端部にそれぞれ設けられたコネクタを、コネクタごとに別々にそれぞれの相手側コネクタに接続する必要があるため、作業工数の増加につながる恐れがあった。
また、特許文献2に記載のコネクタ保持用枠体では、コネクタに形成されている溝部をコネクタ保持用枠体への係止に使用しているが、当該溝部は本来、相手側コネクタとの接続に用いられるものである。このため、相手側コネクタとの接続の際には、コネクタをコネクタ保持用枠体から取り外さなければならない。従って、特許文献2に記載のコネクタ保持用枠体は、複数のコネクタを、所定位置を維持して一括して搬送することは可能であるが、一括して接続することはできない構成となっている。つまり、特許文献2に記載のコネクタ保持用枠体も、特許文献1に記載のワイヤーハーネスの場合と同様に、コネクタごとに別々にそれぞれの相手側コネクタに接続する必要があるため、作業工数の増加につながる恐れがあった。
そこで、本発明は、ワイヤーハーネスの製造工程から車両への組み付け工程にかけて、複数のコネクタの取り扱いにかかる作業を容易にすることができる技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、第1の態様に係るワイヤーハーネスの組み付け方法は、複数の電線が、幹線部から複数の枝線部が分岐する態様で束ねられたワイヤーハーネスを車両に組み付けるワイヤーハーネスの組み付け方法であって、(a)複数のコネクタを保持可能なコネクタ保持部材が図板上に固定されたものを準備する工程と、(b)前記図板上で、前記枝線部の端部にそれぞれ設けられたコネクタを前記コネクタ保持部材に保持させるとともに、前記電線部分を配設経路に沿って配設し、前記コネクタ保持部材が取り付けられたままのワイヤーハーネスモジュールを製造する工程と、(c)前記コネクタ保持部材を図板から取り外し、前記工程(b)で製造された前記ワイヤーハーネスモジュールのうち前記電線部分を車両に配設するとともに、前記コネクタ保持部材に保持された複数の前記コネクタを一括して車両の複数の相手側コネクタに接続する工程と、を備える。
第2の態様に係るワイヤーハーネスモジュールは、複数の電線が、幹線部から複数の枝線部が分岐する態様で束ねられたワイヤーハーネスと、前記幹線部の周囲に取り付けられ、前記幹線部の少なくとも一部を保護可能な保護部材と、前記複数の枝線部の端部にそれぞれ設けられた複数のコネクタを一括接続可能な状態で保持可能な保持部と、前記保護部材に取り付け可能な取付部とを含むコネクタ保持部材と、を備える。
第3の態様に係るワイヤーハーネスモジュールは、第2の態様に係るワイヤーハーネスモジュールであって、前記保護部材として環状凸部と環状凹部とが長手方向に沿って交互に連続するコルゲートチューブが用いられ、前記取付部は、前記コルゲートチューブの外周面の凹凸に対応する内周面を有し、前記コルゲートチューブの外周面に嵌り込むことで、前記コネクタ保持部材が前記コルゲートチューブに取り付けられている。
第4の態様に係るワイヤーハーネスモジュールは、第2又は第3の態様に係るワイヤーハーネスモジュールであって、前記保持部は、少なくとも1つの前記枝線部の入口と複数の前記枝線部の出口とを有し、前記枝線部を収容可能な枝線収容部と、前記枝線収容部の複数の前記出口にそれぞれ設けられ、前記枝線部の端部に設けられた前記コネクタの基端部に外嵌め可能な係合部と、を含む。
第5の態様に係るワイヤーハーネスモジュールは、第2〜第4のいずれか1つの態様に係るワイヤーハーネスモジュールであって、前記保持部と前記取付部とが別体で形成されると共に着脱可能に係合している。
第1の態様に係るワイヤーハーネスの組み付け方法によると、複数のコネクタを図板状に固定されたコネクタ保持部材に保持させるとともに、そのままコネクタ保持部材ごと一括して車両の複数の相手側コネクタに接続するため、ワイヤーハーネスの製造工程から車両への組み付け工程にかけて、複数のコネクタの取り扱いにかかる作業を容易にすることができる。
第2〜第5の態様に係るワイヤーハーネスモジュールによると、幹線部の周囲に取り付けられ、幹線部の少なくとも一部を保護可能な保護部材と、複数の枝線部の端部にそれぞれ設けられた複数のコネクタを一括接続可能な状態で保持可能な保持部と、保護部材に取り付け可能な取付部とを含むコネクタ保持部材と、を備えるため、複数のコネクタをワイヤーハーネスモジュールの製造時にはコネクタ保持部材の保持部に保持させつつ、車両への組み付け時にはそのままコネクタ保持部材ごと相手側コネクタに接続することができる。これにより、ワイヤーハーネスの製造工程から車両への組み付け工程にかけて、複数のコネクタの取り扱いにかかる作業を容易にすることができる。
特に、第3の態様に係るワイヤーハーネスモジュールによると、保護部材として環状凸部と環状凹部とが長手方向に沿って交互に連続するコルゲートチューブが用いられ、取付部は、コルゲートチューブの外周面の凹凸に対応する内周面を有し、コルゲートチューブの外周面に嵌り込むことで、コネクタ保持部材がコルゲートチューブに取り付けられているため、コネクタ保持部材を容易に保護部材に取り付けることができる。
特に、第4の態様に係るワイヤーハーネスモジュールによると、保持部は、少なくとも1つの枝線部の入口と複数の枝線部の出口とを有し、枝線部を収容可能な枝線収容部と、枝線収容部の複数の出口にそれぞれ設けられ、枝線部の端部に設けられたコネクタの基端部に外嵌め可能な係合部と、を含むため、複数のコネクタが保持部に一定の姿勢で保持されることによって、より容易に一括して接続することができる。
特に、第5の態様に係るワイヤーハーネスモジュールによると、保持部と取付部とが別体で形成されると共に着脱可能に係合しているため、コネクタの数に合わせて保持部を変えることができる。また、保護部材の形状に応じて、取付部を変えることができる。
実施形態に係るワイヤーハーネスモジュールを示す斜視図である。 実施形態に係るワイヤーハーネスモジュールを示す正面図である。 コネクタを保持する前のコネクタ保持部材を示す斜視図である。 コネクタを保持した後のコネクタ保持部材を示す斜視図である。 ワイヤーハーネスの組み付け方法の一工程を示す説明図である。 ワイヤーハーネスの組み付け方法の一工程を示す説明図である。 ワイヤーハーネスの組み付け方法の一工程を示す説明図である。 ワイヤーハーネスの組み付け方法の一工程を示す説明図である。 ワイヤーハーネスの組み付け方法の一工程を示す説明図である。
以下、実施形態に係るワイヤーハーネスモジュール10について説明する。図1は、実施形態に係るワイヤーハーネスモジュール10を示す斜視図である。図2は、実施形態に係るワイヤーハーネスモジュール10を示す正面図である。
実施形態に係るワイヤーハーネスモジュール10は、ワイヤーハーネス12と、保護部材60と、コネクタ保持部材20とを備える。ワイヤーハーネスモジュール10は、2輪車に搭載されてもよいし、4輪車等、他の種類の車両に搭載されてもよい。
ワイヤーハーネス12は、複数の電線が、幹線部14から複数の枝線部16が分岐する態様で束ねられている。
電線は、芯線の外周に樹脂が押出被覆等されることで被覆部が形成された構成とされている。電線の端部(ここでは、枝線部16の端部)にはコネクタ18が設けられ、車両等の配設対象箇所に配設された状態で、車両等に搭載された各種電気機器同士を電気的に接続するものとして用いられる。なお、ワイヤーハーネス12には、光ファイバ等が電線に沿って配設されていてもよい。
保護部材60は、幹線部14の周囲に取り付けられている。保護部材60は、幹線部14の少なくとも一部を保護可能である。ここでは、保護部材60としてコルゲートチューブ62が用いられている。
コルゲートチューブ62は、環状凸部64と環状凹部66とが長手方向に沿って交互に連続する態様で形成されている。これにより、コルゲートチューブ62は曲げ容易とされている。また、コルゲートチューブ62は、内部にワイヤーハーネス12を収容可能に設けられている。ここでは、コルゲートチューブ62は、幹線部14の長手方向に沿って、幹線部14から枝線部16が分岐する部分を挟むように分岐部分の前後に一対取り付けられている。コルゲートチューブ62とワイヤーハーネス12とは、その周囲にテープ等が巻回されることで固定されているとよい。
もっとも、保護部材60としてコルゲートチューブ62が用いられることは必須ではなく、例えば、保護部材として、長手方向に沿って凹凸のない円筒状に形成され、コルゲートチューブ62よりも剛性が大きく曲げにくい保護部材、いわゆる硬質チューブ等が用いられる場合もあり得る。また、保護部材として、角筒状に形成されると共に長手方向に沿ってリブが設けられ、曲げにくい形状に形成されたもの、或いは、上記リブが長手方向に沿って部分的になく、当該リブがない部分で曲げ容易とされたものなども考えられる。また、筒状に形成されたものの中間部分に枝線を引き出すための孔が設けられたものも考えられる。これらの場合でも、コネクタ保持部材に嵌め込むなどすることで固定することができる。
次に、コネクタ保持部材20について、図1及び図2に加えて図3及び図4を交えて説明する。図3は、コネクタ18を保持する前のコネクタ保持部材20を示す斜視図である。図4は、コネクタ18を保持した後のコネクタ保持部材20を示す斜視図である。なお、図3及び図4は、図1とは反対側から見た斜視図である。
コネクタ保持部材20は、保持部40と取付部30とを含む。ここでは、保持部40と取付部30とが別体で形成されると共に着脱可能に係合している。さらにここでは、コネクタ保持部材20は、図板固定部22を含む。ここでは、図板固定部22と取付部30とが別体で形成されると共に着脱可能に係合している。
保持部40は、複数の枝線部16の端部にそれぞれ設けられた複数のコネクタ18を一括接続可能な状態で保持可能に形成されている。ここでは、保持部40は、枝線収容部42と係合部46とを含む。
枝線収容部42は、少なくとも1つの枝線部16の入口43と、複数の枝線部16の出口44とを有し、枝線部16を収容可能に形成されている。ここでは、枝線収容部42は、1つの入口43と5つの出口44を有しているものとして説明する。つまりここでは、入口43から枝線収容部42内に進入した枝線部16が枝線収容部42の内部で順次分岐し、5つの出口からそれぞれ出てくるように設けられている。
より具体的には、枝線収容部42は、ここでは、四角筒状のうち周方向の一方が開口する樋状に形成されている。そして、枝線収容部42の長手方向一端部に入口43が設けられ、枝線収容部42のうち入口43が設けられた一端部から他端部に向けて長手方向に間隔をあけて5つの出口44が設けられている。なお、ここでは、出口44は入口43が向いている方向に直交する方向を向くように設けられているが、このことは必須ではない。出口44の向きは、コネクタ18の配設箇所に応じて任意の向きに設定されていればよい。
係合部46は、枝線収容部42の複数の出口44にそれぞれ設けられている。ここでは、枝線収容部42が5つの出口44を有しているため、係合部46も5つ設けられている。係合部46は、枝線部16の端部に設けられたコネクタ18の基端部に外嵌め可能に形成されている。なお、ここでは、5つの係合部46は、それぞれ異なるタイプのコネクタ18に嵌合可能に形成されているが、少なくとも一部が同じタイプのコネクタ18に嵌合可能に形成されていてもよい。
より具体的には、係合部46は、コネクタ収容部47と係合片48とを含む。
コネクタ収容部47は、枝線収容部42の出口44に連なるように設けられている。コネクタ収容部47は、枝線収容部42と同様に周方向の一方が開口した樋状に形成され、その内面がコネクタ18の基端部の外面に沿うように形成されている。
係合片48は、コネクタ収容部47の壁部の一部の役割を担うと共に、その先端にコネクタ18の外面の凹凸に嵌まる突起が設けられている。また、係合片48は、外側に向けて広がるように弾性変形可能に形成されている。これにより、係合部46に対して外側からコネクタ18を近づけていくと、係合片48が外側に広がるように弾性変形することでコネクタ18の凸部が係合片48の突起を通過可能となる。そして、コネクタ18の凸部が係合片48の突起を通過した後にコネクタ18がコネクタ収容部47に収まった状態で弾性変形していたものが元に戻ることで、コネクタ18に係合部46が外嵌めされた状態となる。
この際に、係合部46は、コネクタ18の基端部に外嵌めされているため、コネクタ18の先端が相手側コネクタ90と嵌合することを妨げない。これにより、係合部46がコネクタ18に外嵌めされた状態で、複数のコネクタ18を一括して相手側コネクタ90に接続することができる。
取付部30は、保護部材60に取り付け可能に形成されている。ここでは、取付部30は、コルゲートチューブ62の外周面の凹凸に対応する内周面を有する。取付部30が、一方のコルゲートチューブ62の外周面に嵌り込むことで、コネクタ保持部材20が一方のコルゲートチューブ62に取り付けられている。
取付部30の内周面は、周方向に180度より大きい領域(ここでは、210度分)で形成されている。これにより、取付部30が、コルゲートチューブ62の外周面に嵌り込んだ状態でコルゲートチューブ62が取付部30から外れにくくなる。
つまり、ここでは、取付部30の内周面に設けられた凸部31がコルゲートチューブ62の外周面の環状凹部66に嵌まることでコルゲートチューブ62が取付部30に対してその長手方向に沿って移動することが抑制される。さらに、ここでは、取付部30の内周面が周方向に210度分形成されていることにより、コルゲートチューブ62が取付部30に対してその径方向に沿って移動することが抑制される。
図板固定部22は、ここでは、図板80に設けられた保持部材用保持具82に突設された棒状の突設部82cを挿通可能な貫通孔26が形成された板状部24を含む。この貫通孔26に図板80に設けられた棒状の突設部82cを挿通するとともに、保持部材用保持具82に設けられた箱部82bに図板固定部22を収容することで、図板80に図板固定部22が固定された状態となる。
ここで、取付部30と保持部40、及び、取付部30と図板固定部22とはそれぞれ、凸部と凸部に嵌まる凹部との組み合わせで着脱可能とされている。
より詳細には、保持部40のうち枝線収容部42の入口43付近の外周面であって、出口44が設けられる側とは反対側を向く外周面から突出するように第1凸部49が形成されている。そして、取付部30の外周面であって、側方を向く面(側面)に第1凸部49と嵌合する第1凹部32が形成されている。ここでは、取付部30の外周面から一対の嵌合片34が互いに間隔をあけて平行に突出することで、一対の嵌合片34の間の間隙が第1凹部32となっている。
また、取付部30の外周面であってコルゲートチューブ62を嵌めるための開口とは反対側に位置する面(底面)の4隅から突出するように4つの第2凸部36が形成されている。そして、図板固定部22のうち、貫通孔26が形成された板状部24から突出する一対の突出部28の先端面に第2凸部36と嵌合可能な第2凹部がそれぞれ2つずつ形成されている。
もっとも、図板固定部22が取付部30と着脱可能に設けられていることは必須ではなく、図板固定部22と取付部30とは一体に形成され、着脱不能であってもよい。
次に、実施形態に係るワイヤーハーネスの組み付け方法について説明する。図5〜図9は、ワイヤーハーネスの組み付け方法の一工程を示す説明図である。なお、図5は、図板80を示す平面図である。図6及び図7は、図板80上でのワイヤーハーネスモジュール10の組み立て作業を示す斜視図及び正面図である。図8は、図板80からワイヤーハーネスモジュール10の取り外し作業を示す正面図である。図9は、ワイヤーハーネスモジュール10のコネクタ18を一括して相手側コネクタ90へ接続する作業を示す斜視図である。
実施形態に係るワイヤーハーネスの組み付け方法は、複数の電線が、幹線部14から複数の枝線部16が分岐する態様で束ねられたワイヤーハーネス12を車両に組み付けるものである。この際に、枝線部16の端部に設けられた複数のコネクタ18を図板80上で保持部40に一括して保持させるとともに、複数のコネクタ18を保持部40が一括して保持した状態のまま搬送、組み付けを行う。ここでは、図板80上で実施形態に係るワイヤーハーネスモジュール10を製造したのち、製造したワイヤーハーネスモジュール10を車両に組み付けるものを例にとり、説明する。
まず、図板80上でワイヤーハーネスモジュール10を製造する工程について説明する。
図板80上でワイヤーハーネスモジュール10を製造するには、最初に、複数のコネクタ18を保持可能なコネクタ保持部材20が図板80上に固定されたものを準備する(工程(a))。次に、図板80上で、枝線部16の端部にそれぞれ設けられたコネクタ18をコネクタ保持部材20に保持させるとともに、電線部分を配設経路に沿って配設し、コネクタ保持部材20が取り付けられたままのワイヤーハーネスモジュール10を製造する(工程(b))。
具体的には、図5に示されるように、図板80上に配設経路に沿ってワイヤーハーネス12を支持可能なU冶具86が配置されるとともに、コネクタ保持部材20を固定可能な保持部材用保持具82が配置される。ここで、図板80上での配設経路とは、実際の車両での配線経路に応じて決定され、一般的には、2次元に展開されたものである。そして、コネクタ保持部材20を保持部材用保持具82に固定するとともに、ワイヤーハーネス12を構成するための電線又はサブアッシーを配設経路に沿って配設し、U冶具86に支持させる。ここで、サブアッシーとは、完成品となるワイヤーハーネスよりも小さい形態である。ワイヤーハーネスを製造する際には、複数のサブアッシーに分けて製造し、そのサブアッシーを複数組み合わせてワイヤーハーネスの完成形態とする工法が採用される。サブアッシーの状態では、コネクタに挿入されていない端子が存在する場合もある。
この際に、ここでは、コネクタ保持部材20のうち図板固定部22を、まず保持部材用保持具82に固定する。ここでは、保持部材用保持具82は、図板80上に突設された棒治具82aと、棒治具82aの先端上に設けられた箱部82bと、箱部82bの底面から突設され、図板固定部22に形成された貫通孔26に挿通可能な突設部とを含む。そして、箱部82bに図板固定部22を収めるとともに、突設部82cを貫通孔26に通すことで図板固定部22が図板80上に固定された状態となる。なお、突設部82cの先端にねじが切られ、突設部82cを貫通孔26に挿通した状態でさらにナットが通されることで図板固定部22がねじ止めされる構成であってもよい。
図6は、図板80上でワイヤーハーネスモジュール10が完成した状態を示す斜視図である。この状態にするには、図7に示されるように、図板80上に固定された図板固定部22に取付部30を嵌めるとともに、取付部30に保持部40を嵌める。さらに、保持部40に枝線部16の端部に設けられたコネクタ18を嵌めるとともに、取付部30に幹線部14の周囲に取り付けられたコルゲートチューブ62を嵌める。これにより、図6に示されるような状態となり、ワイヤーハーネスモジュール10が完成となる。
より詳細には、ワイヤーハーネス12を構成する電線又はサブアッシーが配設経路に沿って配設された図5のような状態で、分岐部のコネクタ18に枝線部16の端部の端子を挿入する。これと同時に又は前後して、コネクタ保持部材20を所定の位置にセットするとともに、コネクタ18をコネクタ保持部材20に取り付ける。こののち、電線を束ねる、コルゲートチューブ62を幹線部14に取り付ける、及び、コルゲートチューブ62をコネクタ保持部材に保持させる等の作業を行うことで、図板80上でワイヤーハーネスモジュール10が完成する。
もっとも、図板固定部22に取付部30が嵌った状態で、図板固定部22を図板80上に固定してもよい。この際に、保持部40は、取付部30に嵌っていてもよいし嵌っていなくてもよい。また、取付部30にコルゲートチューブ62が嵌った状態で、取付部30を図板固定部22に嵌めてもよい。また、保持部40がコネクタ18を保持した状態で、保持部40を取付部30に嵌めてもよい。図板80上への図板固定部22の固定からワイヤーハーネスモジュール10の完成までの工程は順不同で行うことが可能である。
ワイヤーハーネスモジュール10が完成したら、次に車両への組み付け工程に移る。具体的には、コネクタ保持部材20を図板80から取り外し、工程(b)で製造されたワイヤーハーネスモジュール10のうち電線部分を車両に配設するとともに、コネクタ保持部材20に保持された複数のコネクタ18を一括して車両の複数の相手側コネクタ90に接続する(工程(c))。
より詳細には、図板80上でワイヤーハーネスモジュール10が完成したら、図8に示されるように、保持部材用保持具82から図板固定部22を取り外し、ワイヤーハーネスモジュール10を車両への組み付け場所に搬送する。この際に、保持部40が複数のコネクタ18を一括して保持しているため、コネクタ18を1つずつU冶具86に引っ掛けて製造する場合に比べて、図板80からの取り外し作業が容易になる。さらに、保持部40が複数のコネクタ18を一括して保持するとともに、保持部40が取付部30に嵌っているため、搬送中にコネクタ18同士が絡まることを抑えることができる。
そして、ワイヤーハーネスモジュール10が車両への組み付け場所に搬送されたら、電線部分を配設するとともに、保持部40に保持された複数のコネクタ18を、一括して相手側コネクタ90に接続する。ここでは、図9に示されるように、保持部40を取付部30から外して、枝線部16を曲げるようにして保持部40に保持されたコネクタ18を一括して相手側コネクタ90に接続する。この際に、ここでは、コネクタ18を保持する保持部40が取付部30に嵌っているため、コネクタ18の位置及び対応する相手側コネクタを探す手間を省くことが可能となる。さらに複数のコネクタ18を保持部40に保持されたまま一括して接続するため、コネクタ18の誤嵌合を抑制することができる。
実施形態に係るワイヤーハーネスモジュール10によると、幹線部14の周囲に取り付けられ、幹線部14の少なくとも一部を保護可能な保護部材60と、複数の枝線部16の端部にそれぞれ設けられた複数のコネクタ18を一括接続可能な状態で保持可能な保持部40と、保護部材60に取り付け可能な取付部30とを含むコネクタ保持部材20と、を備えるため、複数のコネクタ18をワイヤーハーネスモジュール10の製造時にはコネクタ保持部材20の保持部40に保持させつつ、車両への組み付け時にはそのままコネクタ保持部材20ごと相手側コネクタ90に接続することができる。これにより、ワイヤーハーネス12の製造工程から車両への組み付け工程にかけて、複数のコネクタ18の取り扱いにかかる作業を容易にすることができる。
また、保護部材60として環状凸部64と環状凹部66とが長手方向に沿って交互に連続するコルゲートチューブ62が用いられ、取付部30は、コルゲートチューブ62の外周面の凹凸に対応する内周面を有し、コルゲートチューブ62の外周面に嵌り込むことで、コネクタ保持部材20がコルゲートチューブ62に取り付けられているため、コネクタ保持部材20を容易に保護部材60に取り付けることができる。
また、保持部40は、少なくとも1つの枝線部16の入口43と複数の枝線部16の出口44とを有し、枝線部16を収容可能な枝線収容部42と、枝線収容部42の複数の出口44にそれぞれ設けられ、枝線部16の端部に設けられたコネクタ18の基端部に外嵌め可能な係合部46と、を含むため、複数のコネクタ18が保持部40に一定の姿勢で保持されることによって、より容易に一括して接続することができる。
また、保持部40と取付部30とが別体で形成されると共に着脱可能に係合しているため、コネクタ18の数に合わせて保持部40を変えることができる。また、保護部材60の形状に応じて、取付部30を変えることができる。
また、実施形態に係るワイヤーハーネスの組み付け方法によると、複数のコネクタ18を図板80状に固定されたコネクタ保持部材20に保持させるとともに、そのままコネクタ保持部材20ごと一括して車両の複数の相手側コネクタ90に接続するため、ワイヤーハーネス12の製造工程から車両への組み付け工程にかけて、複数のコネクタ18の取り扱いにかかる作業を容易にすることができる。
以上のようにこの発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
10 ワイヤーハーネスモジュール
12 ワイヤーハーネス
14 幹線部
16 枝線部
18 コネクタ
20 コネクタ保持部材
22 図板固定部
30 取付部
40 保持部
42 枝線収容部
43 入口
44 出口
46 係合部
60 保護部材
62 コルゲートチューブ
80 図板

Claims (5)

  1. 複数の電線が、幹線部から複数の枝線部が分岐する態様で束ねられたワイヤーハーネスを車両に組み付けるワイヤーハーネスの組み付け方法であって、
    (a)複数のコネクタを保持可能なコネクタ保持部材が図板上に固定されたものを準備する工程と、
    (b)前記図板上で、前記枝線部の端部にそれぞれ設けられたコネクタを前記コネクタ保持部材に保持させるとともに、前記電線の部分を配設経路に沿って配設し、前記コネクタ保持部材が取り付けられたままのワイヤーハーネスモジュールを製造する工程と、
    (c)前記コネクタ保持部材を図板から取り外し、前記工程(b)で製造された前記ワイヤーハーネスモジュールのうち前記電線の部分を車両に配設するとともに、前記コネクタ保持部材に保持された複数の前記コネクタを一括して車両の複数の相手側コネクタに接続する工程と、
    を備える、ワイヤーハーネスの組み付け方法。
  2. 複数の電線が、幹線部から複数の枝線部が分岐する態様で束ねられたワイヤーハーネスと、
    前記幹線部の周囲に取り付けられ、前記幹線部の少なくとも一部を保護可能な保護部材と、
    前記複数の枝線部の端部にそれぞれ設けられた複数のコネクタを一括接続可能な状態で保持可能な保持部と、前記保護部材に取り付け可能な取付部とを含むコネクタ保持部材と、
    を備える、ワイヤーハーネスモジュール。
  3. 請求項2に記載のワイヤーハーネスモジュールであって、
    前記保護部材として環状凸部と環状凹部とが長手方向に沿って交互に連続するコルゲートチューブが用いられ、
    前記取付部は、前記コルゲートチューブの外周面の凹凸に対応する内周面を有し、前記コルゲートチューブの外周面に嵌り込むことで、前記コネクタ保持部材が前記コルゲートチューブに取り付けられている、ワイヤーハーネスモジュール。
  4. 請求項2又は請求項3に記載のワイヤーハーネスモジュールであって、
    前記保持部は、少なくとも1つの前記枝線部の入口と複数の前記枝線部の出口とを有し、前記枝線部を収容可能な枝線収容部と、前記枝線収容部の複数の前記出口にそれぞれ設けられ、前記枝線部の端部に設けられた前記コネクタの基端部に外嵌め可能な係合部と、を含む、ワイヤーハーネスモジュール。
  5. 請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載のワイヤーハーネスモジュールであって、
    前記保持部と前記取付部とが別体で形成されると共に着脱可能に係合している、ワイヤーハーネスモジュール。
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