JP2013150376A - ワイヤーハーネス、ワイヤーハーネスの経路規制部材及びワイヤーハーネスの組立方法 - Google Patents

ワイヤーハーネス、ワイヤーハーネスの経路規制部材及びワイヤーハーネスの組立方法 Download PDF

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Abstract

【課題】固定維持可能なワイヤーハーネスを比較的安価に得ることができるワイヤーハーネスを得る。
【解決手段】透明チューブ部材5が一体化されたワイヤーハーネス本体部2を、経路規制部分A1において一定の経路に沿った所望の空間形状に設定する。そして、上記空間形状を維持させながら、樹脂吸引部7による吸引機能により樹脂供給部6から熱硬化性を有する硬化性樹脂4の液剤を透明チューブ部材5内に注入する。その後、透明チューブ部材5内に注入された硬化性樹脂4に対し、熱処理を施し、硬化性樹脂4を硬化状態に変移させて、形状規制部材3(主として透明チューブ部材5内の硬化性樹脂4)によって、経路規制部分A1が上記空間形状に合致した形状で固定維持されるワイヤーハーネス1を得る。
【選択図】図2

Description

この発明は、車両等においてワイヤーハーネスの経路を規制する技術に関する。
車両には、当該車両に搭載された各種電気部品を相互接続する配線材として、複数の電線を束ねたワイヤーハーネスが配設されている。かかるワイヤーハーネスに対しては、ワイヤーハーネスと他の車両搭載部品との干渉を抑制するために、経路規制が行われることがある。
例えば、特許文献1には、屈曲自在な蛇腹部と、蛇腹部を含む本体の溝部に嵌められ且つ蛇腹部の屈曲状態を保持する芯材(針金)とを有するケーブル保護部材の両端部に、直状モールをそれぞれ連結させることにより、ケーブルの経路規制を行う技術が記載されている。
特開2003−116213号公報
しかしながら、特許文献1においては、蛇腹部を含む本体に経路規制に沿って成形された針金を取付ける必要があった。針金としては、初期形状から経路規制に沿った形状に成型する必要がある汎用タイプの針金と、所定の経路規制に沿った形状に成形済みの専用タイプの針金とが考えられる。
汎用タイプの針金の場合、針金の成型時にワイヤーハーネス等を傷つける恐れがあるとともに、2次元状の布線を行うために一般的に用いられる組立図板上において、3次元形状となる所定の経路規制に沿った形状を満足する針金を成形することは困難であり、ワイヤーハーネスの組立作業に手間と費用を要してしまうという問題点があった。
一方、専用タイプの針金の場合、必然的に所定の経路規制にのみ利用可能であり、経路規制の形状種類毎に専用の針金を準備する必要があるため、多様な経路規制を行う必要がある場合に比較的費用を要してしまうという問題点があった。
この発明は上記問題点を解決するためになされたもので、固定維持可能なワイヤーハーネスを比較的安価に得ることができるワイヤーハーネスを得ることを目的とする。
この発明に係る請求項1記載のワイヤーハーネスは、少なくとも1本の電線を有するワイヤーハーネス本体部と、前記ワイヤーハーネス本体部の所定の経路規制部分において一体的に組み込まれ、前記所定の経路規制部分を一定の経路に沿った形状に維持する経路規制部材とを備え、前記経路規制部材は、前記所定の経路規制部分に沿って設けられる透明チューブ部材と、前記透明チューブ部材内に注入された硬化性樹脂とを含み、前記硬化性樹脂は所定の物理的処理の実行後の硬化状態を呈する。
請求項2の発明は、請求項1記載のワイヤーハーネスであって、前記ワイヤーハーネス本体部は車両全体の電線経路として用いられる。
請求項3の発明は、請求項2記載のワイヤーハーネスであって、前記電線経路は少なくとも一部において屈曲部分を有し、前記所定の経路規制部分は前記屈曲部分を含む。
請求項4の発明は、請求項1記載のワイヤーハーネスであって、前記ワイヤーハーネス本体部は車両の一部における電線経路として用いられる。
請求項5の発明は、請求項4記載のワイヤーハーネスであって、前記電線経路は少なくとも一部に経路規制が必要な部分である経路規制電線部分を有し前記所定の経路規制部分は前記経路規制電線部分を含む。
請求項6の発明は、請求項1ないし請求項5のうち、いずれか1項に記載のワイヤーハーネスであって、前記経路規制部材は、前記透明チューブ部材に一体的に形成され、前記所定の経路規制部分において前記ワイヤーハーネス本体部を保持する複数の保持部材をさらに備え、前記複数の保持部材による前記ワイヤーハーネス本体部を保持することにより、前記経路規制部材は前記ワイヤーハーネス本体部に一体的に組み込まれる。
請求項7の発明は、請求項6記載のワイヤーハーネスであって、前記複数の保持部材は、先端部同士が離間した開リング姿勢と、先端部同士が連結した閉リング姿勢とに変形可能に形成されている。
請求項8の発明は、請求項6あるいは請求項7記載のワイヤーハーネスであって、延在方向に沿って環状凸部と環状凹部とが交互にそれぞれ複数形成され、内部に前記ワイヤーハーネス本体部を配設するコルゲートチューブをさらに備え、前記複数の保持部材は、前記複数の環状凹部のうちの少なくとも一部の環状凹部に嵌め込まれることにより、前記コルゲートチューブ及び内部の前記ワイヤーハーネス本体部を保持する。
この発明に係る請求項9のワイヤーハーネスの経路規制部材は、少なくとも1本の電線を有するワイヤーハーネス本体部の所定の経路規制部分にその延在方向に沿って配設され、前記所定の経路規制部分を一定の経路に沿った形状に維持するワイヤーハーネスの経路規制部材であって、前記所定の経路規制部分に沿って設けられる透明チューブ部材と、前記透明チューブ部材内に注入された硬化性樹脂とを備え、前記硬化性樹脂は所定の物理的処理の実行後の硬化状態を呈し、前記透明チューブ部材に一体的に形成され、前記ワイヤーハーネス本体部を保持可能な複数の保持部材をさらに備える。
この発明に係る請求項10記載のワイヤーハーネスの組立方法は、(a)ワイヤーハーネス本体部における所定の経路規制部分に透明チューブ部材を一体的に固定するステップと、(b)少なくとも前記所定の経路規制部分において、一体的に固定された前記ワイヤーハーネス本体及び前記透明チューブ部材を一定の経路に沿った空間形状に設定するステップと、(c)前記空間形状を維持しながら前記透明チューブ部材内に液体状の硬化性樹脂を注入するステップと、(d)前記透明チューブ部材内に注入された前記硬化性樹脂に対し所定の物理的処理を施し硬化状態に変移させるステップとを備え、前記ステップ(d)実行後の前記透明チューブ部材内の硬化性樹脂によって、前記所定の経路規制部分が前記空間形状に合致した形状で固定維持される。
請求項1記載の本願発明のワイヤーハーネスにおける経路規制部材は、所定の経路規制部分に沿って設けられる透明チューブ部材内に注入された硬化性樹脂を有するため、ワイヤーハーネス本体部の所定の経路規制部分を安定して固定維持することができる。この際、上記所定の経路規制部材を規制するための専用のプロテクタ等の専用部品を別途設ける必要はない。
その結果、所定の経路規制部分を安定して固定維持可能なワイヤーハーネスを比較的安価に得ることができるという効果を奏する。
請求項2記載の本願発明は、車両全体の電線経路として用いられるワイヤーハーネス本体部における所定の経路規制部分を安定して固定維持することができる。
請求項3記載の本願発明は、車両全体の電線経路として用いられるワイヤーハーネス本体部における屈曲部分を安定して固定維持することができる。
請求項4記載の本願発明は、車両一部の電線経路として用いられるワイヤーハーネス本体部における所定の経路規制部分を安定して固定維持することができる。
硬化性樹脂4発は、車両一部の電線経路として用いられるワイヤーハーネス本体部における経路規制電線部分を安定して固定維持することができる。
請求項6記載の本願発明は、透明チューブ部材に一体的に形成された複数の保持部材をワイヤーハーネス本体部に取付けることにより、経路規制部材をワイヤーハーネス本体部に容易に一体的に組み込むことができるため、経路規制部材によるワイヤーハーネスにおける経路規制を比較的容易に行うことができる。
請求項7記載の本願発明は、複数の保持部材を開リング姿勢にしてワイヤーハーネス本体部を取り付け可能にセットした後、複数の保持部材を閉リング姿勢にすることにより、ワイヤーハーネス本体部に経路規制部材を容易に取付けることができると共に、ワイヤーハーネス本体部が保持部材から脱落するのを抑制できる。
請求項8記載の本願発明は、コルゲートチューブの環状凹部に複数の保持部材が嵌め込まれるため、内部にワイヤーハーネス本体部が配置されたコルゲートチューブの延在方向に対する保持部材の位置決めを容易に行うことができる。
請求項9記載の本願発明であるワイヤーハーネスの経路規制部材は、透明チューブ部材に一体的に形成された複数の保持部材によりワイヤーハーネス本体部が保持可能であるため、ワイヤーハーネス本体部に容易に取付けることができ、ワイヤーハーネスにおける経路規制を容易に行うことができる。
請求項10記載の本願発明のワイヤーハーネスの組立方法は、硬化性樹脂が硬化状態となるステップ(d)より前にステップ(b)の空間形状設定処理を実行することができるため、空間形状を所望の形状に比較的容易に設定することができる。
したがって、ステップ(d)実行後に固定維持される最終的な空間形状を精度良く得ることができ、完成後のワイヤーハーネスを車両に取り付ける際、他の部品との干渉する可能性が実質的に無くなるため、プロテクタやコルゲートチューブ等の外装部品は不要なる。その結果、所定の経路規制部分が上記空間形状で固定維持されたワイヤーハーネスを比較的安価に組み立てることができる。
加えて、上述したように上記空間形状を精度良く得ることができるため、車両への取り付け時においてスペースが小さい空間に対しても比較的容易にワイヤーハーネスを取り付けることができる。
さらに、ステップ(b)実行時に空間形状を多種多様に決定することができるため、プロテクタ等の他の形状規制部材のように一品一葉で形状規制部材を製造する必要がない分、ワイヤーハーネス全体の製造コストの低減化を図ることができる。
この発明の実施の形態1であるのワイヤーハーネスの組立工程を模式的に示す説明図である。 実施の形態1のワイヤーハーネスの組立工程を模式的に示す説明図である。 各々が経路規制部分を有する複数の部分ワイヤーハーネスの結合方法を模式的に示す説明図である。 この発明の実施の形態2であるワイヤーハーネスを示す概略斜視図である。 図4で示した保持部材の開リング姿勢を示す概略正面図である。 図4で示した保持部材の閉リング姿勢を示す概略正面図である。 この発明の実施の形態2であるのワイヤーハーネスの組立工程を模式的に示す説明図である。 この発明の実施の形態3であるワイヤーハーネスを示す概略側面図である。 図8のI-I線断面図である。
<実施の形態1>
図1及び図2は、この発明の実施の形態1であるのワイヤーハーネスの組立工程を模式的に示す説明図である。以下、これらの図を参照して、実施の形態1のワイヤーハーネスの組立方法を説明する。
図1に示すように、ワイヤーハーネス主要部分2m及びワイヤーハーネス主要部分2mから分岐する複数のワイヤーハーネス分岐部分2rからなるワイヤーハーネス本体部2に対し、図示しない組立図板上で布線(及び結束)を行う。
ワイヤーハーネス本体部2は、複数の電線が結束された構成とされている。より具体的には、ワイヤーハーネス本体部2は、複数の電線が配設対象となる車両への配線形態に応じて分岐しつつ結束された構成とされている。なお、ワイヤーハーネス本体部2は、必ずしも分岐している必要はない、単一の電線によって構成されていてもよい。
そして、図1の(a)に示すように、ワイヤーハーネス主要部分2mの経路規制部分A1に透明チューブ部材5を一体的に固定する。一体的に固定する方法としてはテープ巻き等が考えられる。なお、テープ巻きの態様は透明チューブ部材5をワイヤーハーネス主要部分2mの経路規制部分A1に固定できれば十分であるため、透明チューブ部材5が外部から視認可能に透明チューブ部材5の一部を露出させてテープ巻きすることができる。なお、透明チューブ部材5は同図(b)に示すように、内部に樹脂が注入可能な開口部5aを有している。
その後、図2に示すように、車体における電線経路に応じて屈曲させた形状を有する治具(図示せず)に、透明チューブ部材5が取付けられたワイヤーハーネス本体部2をセットする。そして、透明チューブ部材5が一体化されたワイヤーハーネス本体部2を、経路規制部分A1において一定の経路に沿った所望の空間形状に設定する。なお、図2では経路規制部分A1の部分は直線状で示されているが、実際には3次元空間上のあらゆる空間形状が設定可能である。
そして、上記空間形状を維持させながら、図2に示すように、透明チューブ部材5の一方端に樹脂供給部6を接続し、他方端に樹脂吸引部7を接続し、樹脂吸引部7による吸引機能により樹脂供給部6から熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂等の硬化性樹脂4の液剤を透明チューブ部材5(の開口部5a)内に注入(充填)する。この際、一部が露出した透明チューブ部材5から内部の硬化性樹脂4の注入状況を確認することができる。
その後、透明チューブ部材5内に注入された硬化性樹脂4に対し、所定の物理的処理の一つである熱処理を施し、硬化性樹脂4を硬化状態に変移させる。
その結果、透明チューブ部材5と透明チューブ部材5内の硬化状態の硬化性樹脂4により形状規制部材3を形成することができるため、形状規制部材3(主として透明チューブ部材5内の硬化性樹脂4)によって、経路規制部分A1が上記空間形状に合致した形状で固定維持されるワイヤーハーネス1を得ることができる。
なお、透明チューブ部材5において経路規制部分A1に沿った領域以外の部分5xは、上記空間形状の設定後、しかるべきタイミングで除去される。
このように、実施の形態1におけるワイヤーハーネスの組立方法は、硬化性樹脂4が硬化状態となる熱処理より前に上記空間形状の設定処理を実行することができるため、上記空間形状を所望の形状に比較的容易に設定することができる。
したがって、熱処理実行後に固定維持される最終的な空間形状を精度が良く得ることができ、完成後のワイヤーハーネス1を車両に取り付ける際、他の部品との干渉する可能性が実質的に無くなるため、プロテクタやコルゲートチューブ等の外装部品は不要なる。その結果、経路規制部分A1が上記空間形状で固定維持されたワイヤーハーネス1を比較的安価に組み立てることができる。
加えて、上述したように上記空間形状を精度良く得ることができるため、車両への取り付け時においてスペースが小さい空間に対しても比較的容易にワイヤーハーネス1を取り付けることができる。
さらに、上記空間形状の設定処理の実行時に多種多様な空間形状を決定することができるため、針金やプロテクタ等の他の形状規制部材のように専用品として形状規制部材を製造する必要がない分、形状規制部材3の汎用性が高くワイヤーハーネス1全体の製造コストの低減化を図ることができる。
上述した組立方法により組み立てられる実施の形態1のワイヤーハーネス1は、ワイヤーハーネス本体部2と、経路規制部材3とを備えている。ワイヤーハーネス1は、経路規制部材3に取付けられるクランプ等を使用して車両に取り付けられる。
このように、実施の形態1のワイヤーハーネス1は、透明チューブ部材5と透明チューブ部材5内に注入された硬化性樹脂4によりなる形状規制部材3を有している。形状規制部材3は、経路規制部分A1に沿って設けられる透明チューブ部材5に注入された硬化状態の硬化性樹脂4を有するため、ワイヤーハーネス本体部2の経路規制部分A1を安定して固定維持することができる。
この際、上述したように、上記経路規制部分A1を規制するための専用の針金、プロテクタ等の専用部品を別途設ける必要はないため、経路規制部分A1を安定して固定維持可能なワイヤーハーネス1を比較的安価に得ることができるという効果を奏する。
(経路規制部分の分岐構造)
図3は各々が経路規制部分A11〜A13を有する部分ワイヤーハーネス1A〜1Cの結合方法を模式的に示す説明図である。同図に示すように、継ぎ手8を介在させることにより、部分ワイヤーハーネス1Aの経路規制部分A11と部分ワイヤーハーネス1Cの経路規制部分A13とを直列に連結し、部分ワイヤーハーネス1A,1C間から分岐する部分ワイヤーハーネス1Bの経路規制部分A12を分岐させている。
すなわち、継ぎ手8の左連結部8Lに部分ワイヤーハーネス1Aの一端を結合し、右連結部8Rに部分ワイヤーハーネス1Bの一端を結合し、継ぎ手8の分岐連結部8Mに部分ワイヤーハーネス1Cの一端を結合している。
このように、継ぎ手8を介在させることにより、経路規制部分A11〜A13を有する部分ワイヤーハーネス1A〜1Cによる分岐構造も比較的簡単に実現することができる。
<実施の形態2>
図4は、この発明の実施の形態2であるワイヤーハーネスを示す概略斜視図であり、図5は、図4で示した保持部材の開リング姿勢を示す概略正面図であり、図6は、保持部材の閉リング姿勢を示す概略正面図である。なお、図4は、ワイヤーハーネス11における経路規制部分A2の途中部分を屈曲させて屈曲部分12cを設けている。
実施の形態2のワイヤーハーネス11は、ワイヤーハーネス本体部12と、経路規制部材13とを備えている。ワイヤーハーネス11は、経路規制部材13に取付けられるクランプ等を使用して車両に固定される。
ワイヤーハーネス本体部12は、ワイヤーハーネス本体部2と同様、複数の電線が結束された構成とされている。図4では、ワイヤーハーネス本体部12のうち経路規制部分A2を示している。このワイヤーハーネス本体部12の一部分である経路規制部分A2に経路規制部材13が配設される。なお、経路規制部分A2は、ワイヤーハーネス本体部12の少なくとも一部であればよく、ワイヤーハーネス本体部12の一部であっても、ほぼ全体であってもよい。
経路規制部材13は、透明チューブ部材15と、透明チューブ部材15(の開口部15a)内に注入される熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂等の硬化性樹脂14と、複数の保持部材16とを備えている。硬化性樹脂14は硬化性樹脂4と同様、熱処理により硬化状態となる熱硬化性を有している。
硬化性樹脂14が、経路規制部分A2が屈曲部分12cを含む図4に示す空間形状を維持すべく、熱処理後の硬化状態を呈している。
硬化性樹脂14が内部に注入される透明チューブ部材15には、その延在方向に沿って間隔をあけて複数(図4で示す実施の形態2では6つ)の保持部材16が一体的に形成されている。ここで、透明チューブ部材15と複数の保持部材16は、金型成形により一体的に形成されている。
図5に示すように、一単位の保持部材16は先端側が開いた円弧状に形成され、円弧の中央部分が透明チューブ部材15と連なるように、透明チューブ部材15と保持部材16は一体的に形成されている。保持部材16は、ワイヤーハーネス本体部12を保持するものであり、例えば、樹脂により弾性変形可能に形成され、先端部16aと先端部16bが離間した開リング姿勢と、図6に示す先端部16aと先端部16bが連結した閉リング姿勢とに変形可能に形成されている。閉リング姿勢における保持部材16の内周側には、ワイヤーハーネス本体部12を保持するための空間19が形成され、複数の保持部材16の空間19における中心同士を結ぶ線が、透明チューブ部材15の延在方向と平行となるように、複数の保持部材16は形成されている。このため、ワイヤーハーネス本体部12は経路規制部分A2において、複数の保持部材16により透明チューブ部材15の延在方向と平行に取付けることができる。
保持部材16における一方の先端部16aには、外方に突出する突出部17が形成され、保持部材16における他方の先端部16bには、突出部17が嵌合される凹部18が形成されている。開リング姿勢にある保持部材16の先端部分をそれぞれ動かすことで、保持部材16全体が撓み、凹部18に突出部17を嵌め込むだけで、突出部17と凹部18とを連結させることができる。突出部17と凹部18とが連結した状態では、突出部17と凹部18との接触面に摩擦力が作用することにより、先端部16aと先端部16bとの連結状態を維持することができる。ここで、保持部材16は、閉リング姿勢に変形させた状態を維持することができ、且つ、取付けられたワイヤーハーネス本体部12を保持できる程度の剛性を有している。
また、凹部18と突出部17との嵌合を解除すると共に保持部材16の先端部分をそれぞれ動かして、先端部16aと先端部16bを離間させることにより、保持部材16を開リング姿勢に弾性復帰させることができる。
図5に示すように、保持部材16を開リング姿勢にした状態で、ワイヤーハーネス本体部12が保持部材16の先端部16aと先端部16bの間を通ることができるように、開リング姿勢における先端部16aと先端部16bとの距離が、ワイヤーハーネス本体部12の直径よりも大きな(僅かに大きい)寸法に形成されている。このため、保持部材16が開リング姿勢のとき、保持部材16の空間19に、先端部16a及び先端部16b側からワイヤーハーネス本体部12をセットすることが可能となる。なお、開リング姿勢における先端部16aと先端部16bとの距離が、ワイヤーハーネス本体部12の直径よりも小さな寸法に形成されていてもよい。この場合、保持部材16の先端部分をそれぞれ動かして先端部16aと先端部16bとの距離を広げてから、保持部材16に対してワイヤーハーネス本体部12をセットする。
図6に示すように、保持部材16を閉リング姿勢にした状態で、保持部材16の内周部の長さが、ワイヤーハーネス本体部12の外周長さよりも大きな(僅かに大きい)寸法に形成されている。このため、保持部材16が閉リング姿勢のとき、保持部材16の空間19でワイヤーハーネス本体部12を保持することができる。また、凹部18と突出部17との嵌合により先端部16aと先端部16bが連結されるため、ワイヤーハーネス本体部12が保持部材16から脱落しないようになっている。
なお、保持部材16は針金であってもよい。この場合、透明チューブ部材15を金型成形するときに保持部材16としての針金をインサート成形する。保持部材16として針金を用いることにより、保持部材16は、閉リング姿勢に変形させた状態を維持することができ、且つ、ワイヤーハーネス本体部12を保持できる程度の剛性を維持できることから、保持部材16が閉リング姿勢の状態で先端部同士を連結しなくてもよい。また、保持部材16は結束バンドであってもよい。この場合、樹脂製の結束バンドと線状部材を一体的に金型成形する。
以上のように構成された実施の形態2のワイヤーハーネス11は、硬化性樹脂14が内部に注入された透明チューブ部材15に一体的に形成された複数の保持部材16をワイヤーハーネス本体部12に取付けることにより、経路規制部材13をワイヤーハーネス本体部12に一体的に固定して組み込むことができるため、ワイヤーハーネス11における経路規制を比較的容易に行うことができる。
複数の保持部材16は、先端部16aと先端部16bが離間した開リング姿勢と、先端部16aと先端部16bが連結した閉リング姿勢とに変形可能に形成されているため、ワイヤーハーネス本体部12をセットした状態で複数の保持部材16を閉リング姿勢にすることにより、経路規制部材13をワイヤーハーネス本体部12に容易に取付けることができると共に、ワイヤーハーネス本体部12が保持部材16から脱落するのを抑制することができる。
経路規制部材13は、透明チューブ部材15と透明チューブ部材15内に注入された硬化性樹脂14と複数の保持部材16とで構成され、経路規制部材13をワイヤーハーネス本体部12に取付けるに際して、ケーブル保護部材など別の取付部品を必要としないため、取付部品に経路規制部材13を取付ける工程が不要となり、ワイヤーハーネス11の組立工程数を削減することができる。また、上記取付部品を必要としないことから、経路規制部材13を大型化させることなく簡単な構成で実現することができるため、ワイヤーハーネス11の配設するためのスペースをほとんど増加させることなく、経路規制を行うことができる。さらに、複数の保持部材16によりワイヤーハーネス本体部12を保持するため、特に、経路規制部分A2における屈曲部分12cについて、ワイヤーハーネス本体部12が経路規制部材13から分離するのを抑制できる。
(組立方法)
図7はこの発明の実施の形態2であるのワイヤーハーネス2の組立工程を模式的に示す説明図である。以下、図7と前述した図4〜図6を参照して実施の形態2の組立方法を説明する。
まず、最初に、図示しない組立図板上でワイヤーハーネス本体部12の布線を行う。
そして、図7に示すように、ワイヤーハーネス本体部12の経路規制部分A2において、複数の保持部材16によって透明チューブ部材15をワイヤーハーネス本体部12に一体的に取り付けて固定する。透明チューブ部材15は同図(b)に示すように、内部に樹脂が注入可能な開口部分15aを有している。以下、複数の保持部材16による取り付け作業を具体的に説明する。
まず、複数の保持部材16を開リング姿勢にして、透明チューブ部材15にワイヤーハーネス本体部12を沿わせながら、複数の保持部材16の空間19にワイヤーハーネス本体部12をセットする。その後、複数の保持部材16を閉リング姿勢に弾性変形させて、ワイヤーハーネス本体部12の経路規制部分A2に経路規制部材13を取付ける。
この際、ワイヤーハーネス本体部12の経路規制部分A2が図4で示すような、屈曲部分12cを有する最終的な空間形状でなく、図7に示すように直線状にして行う方が経路規制部材13の取り付け作業が容易であるので望ましい。実施の形態2では複数の保持部材16を用いてワイヤーハーネス本体部12への取り付けを行うことができるため、実施の形態1のワイヤーハーネス1のようにテープ巻きを行う必要がなく、透明チューブ部材15がテープ等で覆われることはない。
次に、車体における電線経路に応じて屈曲させた形状を有する治具(図示せず)に、経路規制部材13が取付けられたワイヤーハーネス本体部12をセットする。そして、透明チューブ部材15が一体化されたワイヤーハーネス本体部12を、図4に示すように、経路規制部分A2において一定の経路に沿った空間形状に設定する。
そして、実施の形態1と同様にして、上記空間形状を維持させながら、透明チューブ部材15の一方端に樹脂供給部6(図2参照)を接続し、他方端に樹脂吸引部7(図2参照)を接続し、樹脂吸引部7による吸引機能により樹脂供給部6から熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂等の硬化性樹脂14の液剤を透明チューブ部材15(の開口部15a)内に注入する。この際、露出した透明チューブ部材5から内部の硬化性樹脂4の注入状況を確認することができる。
その後、透明チューブ部材15内に注入された硬化性樹脂14に対し、所定の物理的処理の一つである熱処理を施し、硬化性樹脂14を硬化状態に変移させる。
その結果、透明チューブ部材15と透明チューブ部材15内の硬化状態の硬化性樹脂14により経路規制部材13の経路規制部分を形成することができるため、経路規制部材13(主として透明チューブ部材15内の硬化性樹脂14)によって、経路規制部分A2が上記空間形状に合致した形状で固定維持されるワイヤーハーネス11を得ることができる。
なお、透明チューブ部材15において経路規制部分A2に沿った領域以外の部分は、上記空間形状の設定後、しかるべきタイミングで除去される。この際、切断対象となる透明チューブ部材15に設けられた保持部材16は、ワイヤーハーネス本体部12を保持することなく、開リング姿勢の状態にしておくことが望ましい。
このように、実施の形態2のワイヤーハーネスの組立方法は、硬化性樹脂14が硬化状態となる熱処理より前に上記空間形状の設定処理を実行することができるため、比較的容易に上記空間形状を所望の形状に設定することができる。
したがって、熱処理実行後に固定維持される最終的な空間形状を精度が良く得ることできるため、ワイヤーハーネス11を比較的安価に組み立てることができ、取り付け時においてスペースが小さい空間に対しても比較的容易にワイヤーハーネス11を取り付けることができる等、実施の形態1と同様の効果を奏する。
また、実施の形態2のワイヤーハーネス11は、透明チューブ部材15と透明チューブ部材15内に注入された硬化性樹脂14と複数の保持部材16とによりなる経路規制部材13を有している。経路規制部材13は、経路規制部分A2に沿って設けられる透明チューブ部材15に注入された硬化状態の硬化性樹脂14を有するため、ワイヤーハーネス本体部2の経路規制部分A2を安定して固定維持することができ、実施の形態1のワイヤーハーネス1と同様な効果を奏する。
さらに、実施の形態2のワイヤーハーネス11における経路規制部材13は、透明チューブ部材15に一体的に形成された複数の保持部材16によりワイヤーハーネス本体部12を保持可能であるため、経路規制部材13をワイヤーハーネス本体部12に容易に取付けることができ、ワイヤーハーネス11における経路規制を容易に行うことができる効果を奏する。
<実施の形態3>
図8は、この発明の実施の形態3であるワイヤーハーネスを示す概略側面図であり、図9は、図8のI-I線断面図である。なお、本実施の形態の説明において、実施の形態2で説明したものと同様構成要素については同一符号を付してその説明を適宜省略する。
実施の形態3のワイヤーハーネス11Aは、ワイヤーハーネス本体部12と、コルゲートチューブ20と、経路規制部材13とを備えている。コルゲートチューブ20は、延在方向に沿って環状凸部21と環状凹部22とが交互に形成された筒状部材であり、樹脂等で形成されている。このコルゲートチューブ20内にワイヤーハーネス本体部12を配設している。
かかるコルゲートチューブ20は、環状凸部21と環状凹部22との間の段部等で容易に弾性変形するため、それ自体では全体として曲げ変形容易な性質を有している。通常、コルゲートチューブ20としては、装着対象となるワイヤーハーネス本体部12の部分の外径よりも大きい(通常は多少大きい程度)内径を有するものが用いられる。
また、コルゲートチューブ20の一側部にその延在方向に沿ってスリット23が形成されている。そして、当該スリット23で割り開くようにして、ワイヤーハーネス本体部12をコルゲートチューブ20内に容易に配設できるようになっている。
経路規制部材13は、硬化性樹脂14と、複数の保持部材16とを備えている。複数(本実施の形態では10個)の保持部材16は、コルゲートチューブ20において複数の環状凹部22が形成される間隔と同じ間隔で形成され、コルゲートチューブ20における複数(本実施の形態では10個)の環状凹部22にそれぞれ嵌め込まれている。なお、複数の保持部材16は、複数の環状凹部22のうちの一部の環状凹部22に嵌め込まれていてもよい。また、使用が想定される複数種類のコルゲートチューブにおいて、環状凹部が形成される間隔の最小公倍数を、複数の保持部材が形成される間隔として設定してもよい。これにより、使用が想定される複数種類のコルゲートチューブに対して、複数の保持部材が形成される間隔の異なる複数種類の経路規制部材を準備することなく、1種類の経路規制部材で経路規制を行うことができるため、経路規制部材の汎用性が向上する。
保持部材16を開リング姿勢にした状態で、コルゲートチューブ20が保持部材16の先端部16aと先端部16bの間を通ることができるように、開リング姿勢における先端部16aと先端部16bの距離が、コルゲートチューブ20における環状凹部22の直径よりも大きな(僅かに大きい)寸法に形成されている。このため、保持部材16が開リング姿勢の場合、保持部材16の空間19にコルゲートチューブ20をセットすることが可能となる。なお、開リング姿勢における先端部16aと先端部16bとの距離が、コルゲートチューブ20における環状凹部22の直径よりも小さな寸法に形成されていてもよい。この場合、保持部材16の先端部分をそれぞれ動かして先端部16aと先端部16bとの距離を広げてから、保持部材16に対してコルゲートチューブ20をセットする。
保持部材16を閉リング姿勢にした状態で、保持部材16の内周部の長さが、コルゲートチューブ20の外周長さよりも大きな(僅かに大きい)寸法に形成されている。このため、保持部材16が閉リング姿勢の場合は、保持部材16の空間19でコルゲートチューブ20における環状凹部22を保持することができる。また、凹部18と突出部17との嵌合により先端部16aと先端部16bが連結されるため、コルゲートチューブ20が保持部材16から脱落しないようになっている。なお、先端部16aと先端部16bを環状凹部22に嵌め込むだけで、コルゲートチューブ20に対して経路規制部材13を装着できる場合は、先端部16aと先端部16bが連結されなくてもよい。
以上のように構成された実施の形態3のワイヤーハーネス11Aは、複数の保持部材16は、複数の環状凹部22のうちの少なくとも一部の環状凹部22に嵌め込まれるため、内部にワイヤーハーネス本体部12が配置されたコルゲートチューブ20の延在方向に対する保持部材16の位置決めを容易に行うことができる。
(組立方法)
次に、ワイヤーハーネス11Aの組立方法について説明する。最初に、図示しない組立図板上でワイヤーハーネス本体部12の布線を行ってから、コルゲートチューブ20をスリット23で開くことで、コルゲートチューブ20内にワイヤーハーネス本体部12を収容する。
そして、ワイヤーハーネス本体部12の経路規制部分(図4,図7の経路規制部分A2で示す部分)に対応する部分において、複数の保持部材16によって透明チューブ部材15をコルゲートチューブ20に一体的に取り付けて固定する。以下、複数の保持部材16による取り付け作業を具体的に説明する。
まず、複数の保持部材16を開リング姿勢にして、透明チューブ部材15にワイヤーハーネス本体部12を収容したコルゲートチューブ20を沿わせながら、複数の保持部材16の空間19にコルゲートチューブ20をセットする。それから、複数の保持部材16を閉リング姿勢に弾性変形させて、コルゲートチューブ20を取付ける。
この際、コルゲートチューブ20内に配置されたワイヤーハーネス本体部12の経路規制部分が最終的な空間形状でなく、経路規制部材13の取り付け作業が容易である形状で行う方が望ましい。
次に、車体における電線経路に応じて屈曲させた形状等を有する治具(図示せず)に、経路規制部材13が取付けられたコルゲートチューブ20をセットする。そして、透明チューブ部材15が一体化されたコルゲートチューブ20及びワイヤーハーネス本体部12を、実施の形態2と同様、経路規制部分において一定の経路に沿った空間形状に設定する。
そして、実施の形態1と同様にして、上記空間形状を維持させながら、透明チューブ部材15の一方端に樹脂供給部6(図2参照)を接続し、他方端に樹脂吸引部7(図2参照)を接続し、樹脂吸引部7による吸引機能により樹脂供給部6から熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂等の硬化性樹脂14の液剤を透明チューブ部材15内に注入する。
その後、透明チューブ部材15内に注入された硬化性樹脂14に対し、所定の物理的処理の一つである熱処理を施し、硬化性樹脂14を硬化状態に変移させる。
その結果、透明チューブ部材15と透明チューブ部材15内の硬化状態の硬化性樹脂14により経路規制部材13の経路規制部分を形成することができるため、経路規制部材13(主として透明チューブ部材15内の硬化性樹脂14)によって、経路規制部分が上記空間形状に合致したる形状で固定維持されるコルゲートチューブ20及びワイヤーハーネス11Aを得ることができる。
なお、透明チューブ部材15において経路規制部分に沿った領域以外の部分は、上記空間形状の設定後、しかるべきタイミングで除去される。この際、切断対象となる透明チューブ部材15に設けられた保持部材16は、コルゲートチューブ20を保持することなく、開リング姿勢の状態にしておくことが望ましい。
このように、実施の形態3のワイヤーハーネスの組立方法は、硬化性樹脂14が硬化状態となる熱処理より前に上記空間形状の設定処理を実行することができるため、上記空間形状を比較的容易に所望の形状に設定することができる。
したがって、熱処理実行後に固定維持される最終的な空間形状を精度が良く得ることができるため、ワイヤーハーネス11Aを比較的安価に組み立てることができ、車両へのワイヤーハーネス11Aの取り付け時においてスペースが小さい空間に対しても比較的容易にワイヤーハーネス11Aを取り付けることができる等、実施の形態1及び実施の形態2と同様の効果を奏する。
そして、実施の形態3のワイヤーハーネス11Aは、透明チューブ部材15と透明チューブ部材15内に注入された硬化性樹脂14と複数の保持部材16とによりなる経路規制部材13を有することにより、実施の形態2のワイヤーハーネス11と同様な効果を奏する。
<ワイヤーハーネス1(11,11A)の車両における利用態様>
本実施の形態で述べたワイヤーハーネス1(11,11A)におけるワイヤーハーネス本体部2(ワイヤーハーネス本体部12)の利用形態として以下の態様が考えられる。
(車両全体の電線経路として利用)
ワイヤーハーネス本体部12は車両全体の電線経路として用いられる場合が考えられる。
この場合、車両全体の電線経路として用いられるワイヤーハーネス本体部2における経路規制部分A1(A2)を安定して固定維持することができる。
さらに、当該電線経路は少なくとも一部において屈曲部分(例えば、図4の屈曲部分12c)を有している場合、経路規制部分A1は当該屈曲部分を含む態様が考えられる。
この場合、車両全体の電線経路として用いられるワイヤーハーネス本体部2における屈曲部分を安定して固定維持することができる効果を奏する。
(車両一部の電線経路として利用)
ワイヤーハーネス本体部2は車両の一部における電線経路として用いられる態様が考えられる。
この場合、車両一部の電線経路として用いられるワイヤーハーネス本体部2における経路規制部分A1を安定して固定維持することができる効果を奏する。
さらに、当該電線経路は少なくとも一部に経路規制が必要な部分である経路規制電線部分を有し、経路規制部分A1はその経路規制電線部分を含む態様が考えられる。なお、経路規制電線部分は、直線形状、屈曲形状等を含む任意の空間形状による電線における経路規制部分を含んでいる。
この場合、車両一部の電線経路として用いられるワイヤーハーネス本体部2における経路規制電線部分を安定して固定維持することができる効果を奏する。
<硬化性樹脂4(14)について>
上述した実施の形態では、硬化性樹脂4(14)として熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂を用いて、所定の物理的処理として熱処理を施すことにより硬化性樹脂4を硬化状態に変移させる例を示した。
他に硬化性樹脂4として光硬化性樹脂を用い、光照射処理(紫外線等の照射も含む)を所定の物理的処理として硬化性樹脂4を硬化状態に変移させても良い。また、他に時間経過と共に硬化状態となる樹脂(2液混合型エポキシ系接着剤等)を硬化性樹脂4として用い、所定時間が経過するまで設定した空間形状を維持させる処理を所定の物理的処理として施すことにより硬化性樹脂4を硬化状態に変移させても良い。
すなわち、経路規制部分A1(A2)における空間形状設定時には透明チューブ部材15(15)と共に変形可能であり、所定の物理的処理の実行後は硬化状態となり固定維持される硬化性を有する硬化性樹脂4を用いれば良い。
なお、透明チューブ部材5は内部の硬化性樹脂4が確認可能ために透明性を有している。特に硬化性樹脂4が光硬化性樹脂である場合、透明チューブ部材5を介して内部の硬化性樹脂4に光を照射する必要があるため、透明チューブ部材5が透明性を有することは不可欠となる。
以上のようにこの発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
1,11,11A ワイヤーハーネス
2,12 ワイヤーハーネス本体部
3,13 形状規制部材
4,14 硬化性樹脂
5,15 透明チューブ部材
16 保持部材
20 コルゲートチューブ

Claims (10)

  1. 少なくとも1本の電線を有するワイヤーハーネス本体部と、
    前記ワイヤーハーネス本体部の所定の経路規制部分において一体的に組み込まれ、前記所定の経路規制部分を一定の経路に沿った形状に維持する経路規制部材とを備え、
    前記経路規制部材は、
    前記所定の経路規制部分に沿って設けられる透明チューブ部材と、
    前記透明チューブ部材内に注入された硬化性樹脂とを含み、
    前記硬化性樹脂は所定の物理的処理の実行後の硬化状態を呈する、
    ワイヤーハーネス。
  2. 請求項1記載のワイヤーハーネスであって、
    前記ワイヤーハーネス本体部は車両全体の電線経路として用いられる、
    ワイヤーハーネス。
  3. 請求項2記載のワイヤーハーネスであって、
    前記電線経路は少なくとも一部において屈曲部分を有し、前記所定の経路規制部分は前記屈曲部分を含む、
    ワイヤーハーネス。
  4. 請求項1記載のワイヤーハーネスであって、
    前記ワイヤーハーネス本体部は車両の一部における電線経路として用いられる
    ワイヤーハーネス。
  5. 請求項4記載のワイヤーハーネスであって、
    前記電線経路は少なくとも一部に経路規制が必要な部分である経路規制電線部分を有し前記所定の経路規制部分は前記経路規制電線部分を含む、
    ワイヤーハーネス。
  6. 請求項1ないし請求項5のうち、いずれか1項に記載のワイヤーハーネスであって、
    前記経路規制部材は、
    前記透明チューブ部材に一体的に形成され、前記所定の経路規制部分において前記ワイヤーハーネス本体部を保持する複数の保持部材をさらに備え、
    前記複数の保持部材による前記ワイヤーハーネス本体部を保持することにより、前記経路規制部材は前記ワイヤーハーネス本体部に一体的に組み込まれる、
    ワイヤーハーネス。
  7. 請求項6記載のワイヤーハーネスであって、
    前記複数の保持部材は、先端部同士が離間した開リング姿勢と、先端部同士が連結した閉リング姿勢とに変形可能に形成されている、
    ワイヤーハーネス。
  8. 請求項6あるいは請求項7記載のワイヤーハーネスであって、
    延在方向に沿って環状凸部と環状凹部とが交互にそれぞれ複数形成され、内部に前記ワイヤーハーネス本体部を配設するコルゲートチューブをさらに備え、
    前記複数の保持部材は、前記複数の環状凹部のうちの少なくとも一部の環状凹部に嵌め込まれることにより、前記コルゲートチューブ及び内部の前記ワイヤーハーネス本体部を保持する、
    ワイヤーハーネス。
  9. 少なくとも1本の電線を有するワイヤーハーネス本体部の所定の経路規制部分にその延在方向に沿って配設され、前記所定の経路規制部分を一定の経路に沿った形状に維持するワイヤーハーネスの経路規制部材であって、
    前記所定の経路規制部分に沿って設けられる透明チューブ部材と、
    前記透明チューブ部材内に注入された硬化性樹脂とを備え、
    前記硬化性樹脂は所定の物理的処理の実行後の硬化状態を呈し、
    前記透明チューブ部材に一体的に形成され、前記ワイヤーハーネス本体部を保持可能な複数の保持部材をさらに備える、
    ワイヤーハーネスの経路規制部材。
  10. (a)ワイヤーハーネス本体部における所定の経路規制部分に透明チューブ部材を一体的に固定するステップと、
    (b)少なくとも前記所定の経路規制部分において、一体的に固定された前記ワイヤーハーネス本体及び前記透明チューブ部材を一定の経路に沿った空間形状に設定するステップと、
    (c)前記空間形状を維持しながら前記透明チューブ部材内に液体状の硬化性樹脂を注入するステップと、
    (d)前記透明チューブ部材内に注入された前記硬化性樹脂に対し所定の物理的処理を施し硬化状態に変移させるステップとを備え、前記ステップ(d)実行後の前記透明チューブ部材内の硬化性樹脂によって、前記所定の経路規制部分が前記空間形状に合致した形状で固定維持される、
    ワイヤーハーネスの組立方法。
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