JP6386255B2 - ワイヤーハーネス - Google Patents
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Description
この特許文献1では、ワイヤーハーネスを構成する電線群の所要位置に、樹脂棒をその軸線方向と平行にあてがい、テープで固定することにより、ワイヤーハーネスと樹脂棒とを一体化している。そして、樹脂棒の剛性により、ワイヤーハーネスを所定の方向に経路規制し、ワイヤーハーネスが意図しない方向に屈曲されたりすることを防止している。
また、特許文献2では、複数本の電線(ケーブル)を概ね円柱状とした線状体に電線固定具を結束材で固定する構造が提案されている。この構造では、電線固定具の線状体との接触面が谷状の凹みに形成されており、これにより、振動などによって線状体に曲げ方向の力が加わった場合でも電線固定具と線状体との位置ずれ及び結束材による結束の緩みが生じにくいことが記載されている。
なお、各ケーブルは係止フック部により係止されているだけであるから、簡単に取り外すことも可能であり、配線し直す際の作業も容易である。
一対の係止フック部を構成する各係止フック部を、間隔をあけて配置する場合でも、各係止フック部の先端部を配索板の幅方向中央を越える位置まで突出させて互い違いに配置することで、ケーブルを先端部と配索板との間に挟持して保持することができる。
ガイド壁部を設けることで、係止フック部による係止位置以外でケーブルが配索経路からはみ出して周囲の部品と干渉することを防止でき、ケーブルの損傷等を防止することができる。
ガイド壁部の取出口から各ケーブルを引き出すことができ、各ケーブルを所定位置で容易に配線することができる。
ケーブルの挿入時には、傾斜面に沿って先端部を下方に押し込むことで容易に嵌め込むことができる。一方で、ケーブルの装着後は、係止フック部の先端部がケーブルの脱離を阻害するのでケーブルが不用意に外れることを防止することができる。
配索板の一部を薄肉に設けることで、その部分の剛性を弱めることができるので、溝部を境に配索板を容易に曲げ変形させることができる。これにより、ワイヤーハーネスを平面方向だけでなく、ワイヤーハーネスの取付面の形状に沿って立体的に取り付けることができる。また、ワイヤーハーネス配索部材の成形時においては、配索板は平面状に成形することができるので、安価に製造することができる。さらに、平面状のまま取扱うことにより、保管、運搬等も容易である。
複雑な形状や大型の配索経路も、個々のワイヤーハーネス配索部材を組み合わせることで容易に形成することができる。また、個々のワイヤーハーネス配索部材は小型であるので、小さな成型機で成型が可能であり、さらに輸送時の搬送箱への入り数を増やすことができる等、製造コストを大幅に低減させることが可能となる。
図1に示した本発明の第1実施形態におけるワイヤーハーネス配索部材モジュール10は、図2に示すように、ワイヤーハーネス配索部材1(1a〜1c)を組み合わせて接続することにより構成され、これらのワイヤーハーネス配索部材1によって形成される配索経路に沿って、ワイヤーハーネスを構成する複数本のケーブル7(図3参照)を所定の形状に規制することができるようになっている。
ワイヤーハーネス配索部材1は、図1及び図2に示すように、配索経路に沿って形成された帯板状の配索板2と、その配索板2の表面に立設され、先端部31が配索板2の幅方向内側に突出する鉤状に形成された一対の係止フック部3とを備える。
この場合、各ケーブル7は弾性を有することから、図4に示すように、配索板2の長さ方向に間隔をあけて配置される一対の係止フック部3の間で、同時に取り付けられる複数本のケーブル7と一緒に捻れた状態で各係止フック部3により係止される。これにより、一対の係止フック部3の開口幅wが一本のケーブル7の外径dよりも大きくても、複数本のケーブル7を束ねた状態の外径Dよりも小さく形成されていれば、各ケーブル7を配索板2に沿って保持することができる。
そして、これらガイド壁部4には、図4に示すように、配索経路の途中でケーブル7の一部を引き出すための取出口41が設けられ、この取出口41からケーブル7を引き出すことで、各ケーブル7を所定位置で容易に配線することができるようになっている。
なお、図5及び図6では、ワイヤーハーネス配索部材1b,1cによりT字状に分岐する配索経路を形成しているが、図7に示すように、ワイヤーハーネス配索部材1a,1bの端部どうしを連結してL字状に屈曲させて形成したり、図示はしないが、各ワイヤーハーネス配索部材を直線状に連結したりすることもできる。
このように、個々のワイヤーハーネス配索部材1a〜1bを組み合わせることで、図1に示すワイヤーハーネス配索部材モジュール10のように、分岐部11を有する複雑な形状や大型の配索経路も容易に形成することができる。一方、各ワイヤーハーネス配索部材1a〜1bは、平坦で長尺状の比較的簡易な形状とされていることから、分岐部や大型の配索経路を一体で成型する場合に比べて安価に製造することができる。
なお、このようにワイヤーハーネス配索部材1a〜1dにより、ケーブル7を予め定められた形状に保持した状態で一体化されたワイヤーハーネスは、装置等に取り付ける際には、配索板2の裏面を粘着テープ等により取付面に取り付けて、各ケーブル7の配線が行われる。
なお、各ケーブル7は係止フック部3により係止されているだけであるから、簡単に取り外すことも可能であり、配線し直す際の作業も容易である。
また、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
1,1a〜1d ワイヤーハーネス配索部材
2 配索板
3 一対の係止フック部
3A,3B 係止フック部
31 先端部
32 傾斜面
35 空間部
4 ガイド壁部
5 溝部
6 接続部
61 雄部
62 雌部
63 爪部
64 穴部
65 挿入口
7 ケーブル
70 ケーブル群
Claims (7)
- ワイヤーハーネス配索部材を複数組み合わせて接続することにより構成されたワイヤーハーネス配索部材モジュールに、複数本のケーブルが保持されてなるワイヤーハーネスであって、
前記ワイヤーハーネス配索部材は、前記ワイヤーハーネスを構成する前記ケーブルを配索経路に沿って規制する樹脂部材からなり、配索経路に沿って形成された帯板状の配索板と、前記配索板の両側部の表面に立設され、先端部が前記配索板の幅方向内側に突出する鉤状に形成された一対の係止フック部とを備え、前記一対の係止フック部は、前記配索板の長さ方向に間隔をあけて複数設けられ、前記先端部と前記配索板との間に前記ケーブルを挟持することで該ケーブルを前記配索板に沿って保持する構成とされており、
前記一対の係止フック部を構成するそれぞれの係止フック部は、前記配索経路を幅方向に挟むように対向して配置されており、前記先端部どうしの間に形成される開口幅が、保持する複数本のケーブルのうちの一本の外径よりも大きく、前記複数本のケーブルを束ねた状態の外径よりも小さく設けられており、
前記ケーブルは、前記係止フック部により複数本が束ねられていることを特徴とするワイヤーハーネス。 - 前記一対の係止フック部を構成するそれぞれの係止フック部が前記配索板の長さ方向に間隔をあけて配置されるとともに、各係止フック部の先端部が前記配索板の幅方向中央を越える位置まで延びて形成され、前記先端部の向きが互い違いに形成されていることを特徴とする請求項1記載のワイヤーハーネス。
- 前記配索板の両側部に前記係止フック部の配設位置を避けて立設され、前記ケーブルを前記配索板に沿って案内する一対のガイド壁部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のワイヤーハーネス。
- 前記ガイド壁部に、前記配索経路の途中で前記ケーブルの一部を引き出すための取出口が設けられていることを特徴とする請求項3記載のワイヤーハーネス。
- 前記係止フック部は、上端面が先端に向かうにしたがって漸次下り勾配となる傾斜面に設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のワイヤーハーネス。
- 前記配索板には、薄肉に設けられた溝部が幅方向に沿って形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のワイヤーハーネス。
- 各ワイヤーハーネス配索部材には、それぞれを接続するための接続部が設けられており、前記接続部は、爪部を有する雄部と穴部を有する雌部とから構成され、前記爪部と前記穴部との係脱により着脱可能に設けられていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のワイヤーハーネス。
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