JP6118148B2 - ワイヤハーネス - Google Patents

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Description

本発明は、複数本の電線を束ねたワイヤハーネスに関する。
予め定められた経路に沿って配索された電線を束ねたワイヤハーネスにおいて、電線群の分岐位置を経由して2方向の経路にわたる電線群に、電線結束具を巻き付けて電線群の分岐状態を保持することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−120361号公報
ところで、図12に示すように、ワイヤハーネス1は、所定経路に沿った位置に治具2が設けられた作業板3を用意し、この作業板3に対して作業者Sが複数本の電線4を癖付けしながら治具2へ引っ掛けつつ配索して束ね、その後、束ねた複数本の電線4からなる電線群にテープを巻き付けて結束することで形成される。したがって、ワイヤハーネス1を形成するには、そのワイヤハーネス1の種類毎に異なる作業板3を要するため、多数の作業板3を保管しておく保管スペースが必要であった。
また、電線4を束ねた電線群にテープを巻いたワイヤハーネス1は、柔軟であるために配索形状を維持することが困難である。したがって、図13(a)に示すように、ワイヤハーネス1を装置等の筺体5へ組み付けるには、図13(b)から図13(d)に示すように、筺体5に対してワイヤハーネス1を、その一端側から順次固定して筺体5における被配線箇所へ組み付けなければならないため、組み付け作業が煩雑であり、誤配線を招いたり、組み付けに長時間を要していた。
しかも、柔軟で変形し易いワイヤハーネス1では、筺体5へ組み付けても、コネクタ6を有する端部が変形するため、図14に示すように、コネクタ6が、他の筺体7の機器8に設けられた接続相手のコネクタ9の近傍位置に配置されず、よって、コネクタ6を接続相手のコネクタ9へ容易かつ正確に接続することが困難であった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、作業板が不要であり、しかも、電線の配索作業の容易化が図られ、正確にかつ短時間で配索することができ、さらには、被配線箇所へ正確かつ容易に組み付けることが可能なワイヤハーネスを提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係るワイヤハーネスは、下記(1)〜(9)を特徴としている。
(1) 所定経路に沿う形状に形成された剛性を有する芯材と、
該芯材に沿って配索される複数本の電線と、
前記芯材の周囲に配索された前記電線の周囲を覆うように貼り付けられて前記芯材の周囲に前記電線を束ねるテープ材と、
を備え
前記テープ材としての自己粘着性を有するシート状の一対のテープが、前記芯材の表裏から重ね合わされることで前記電線に接着すると共に、前記一対のテープの両側の縁部同士が互いに接着されていること。
(2) 上記(1)の構成のワイヤハーネスにおいて、前記芯材は、主線部と、この主線部に連結されて側方へ延在する副線部とを備え、
前記芯材における前記主線部と前記副線部との連結箇所には、前記主線部と前記副線部との間で前記電線を案内する電線ガイドが形成されていること。
(3) 上記(1)または(2)の構成のワイヤハーネスにおいて、前記芯材は、平板状に形成されていること。
(4) 上記(1)または(2)の構成のワイヤハーネスにおいて、前記芯材は、断面視円形状に形成されていること。
(5) 上記(1)から(4)の構成のワイヤハーネスにおいて、前記芯材には、被配線箇所へ固定される固定部を有すること。
(6) 上記(1)から(5)の構成のワイヤハーネスにおいて、前記芯材は、樹脂から形成されていること。
(7) 上記(6)の構成のワイヤハーネスにおいて、前記樹脂は、形状記憶樹脂であること。
(8) 上記(1)から(5)の構成のワイヤハーネスにおいて、前記芯材は、金属から形成されていること。
(9) 上記(8)の構成のワイヤハーネスにおいて、前記金属は、形状記憶合金であること。
上記(1)の構成のワイヤハーネスでは、所定経路に沿う形状の剛性を有する芯材を備えているので、この芯材に沿って電線を配索することができ、よって、所定経路に沿った位置に治具が設けられた作業板を用いることなく形成することができる。これにより、保管するための保管スペースを要する作業板を不要とすることができる。しかも、芯材の周囲に配索された電線の周囲を覆うようにテープ材を貼り付けることで、結束具などで電線を結束することなく、電線を束ねることができる。
また、芯材が剛性を有するため、配索形状が維持される。したがって、被配線箇所へ一括して位置合わせして組み付けることができ、よって、組み付け作業の容易化を図ることができ、誤配線などを招くことなく、短時間で組み付けることができる。
しかも、被配線箇所へ組み付けることで、電線の端部のコネクタを接続相手のコネクタの近傍に配置された状態に維持させることができ、よって、コネクタを接続相手のコネクタへ容易かつ正確に接続することができる。また、被配線箇所に組み付けたワイヤハーネスの一部を他の被配線箇所へ組み付ける際にも、ワイヤハーネスの一部が他の被配線箇所へ配置された状態に維持させることができ、よって、他の被配線箇所へ容易かつ正確に組み付けることができる。
上記(2)の構成のワイヤハーネスでは、芯材に沿って電線を配索する際に、電線が電線ガイドによって案内されるので、電線の配索作業の容易化を図ることができる。
上記(3)の構成のワイヤハーネスでは、芯材が平板状に形成されているので、芯材の周囲に電線を配索しても、高さ寸法を極力抑えることができる。
上記(4)の構成のワイヤハーネスでは、芯材が断面視円形状に形成されているので、芯材の周囲に電線を配索しても、外径を極力抑えることができる。
上記(5)の構成のワイヤハーネスでは、芯材に被配線箇所へ固定される固定部を設けたので、この固定部を被配線箇所へ固定することで、極めて容易に被配線箇所へ組み付けることができる。
上記(6)の構成のワイヤハーネスでは、芯材を樹脂で形成することで全体の軽量化を図りつつ芯材の剛性によって配索状態を維持させることができる。また、樹脂からなる芯材を弾性変形させることで、被配線箇所の形状に合わせて変形させて3次元的に組み付けることができる。
上記(7)の構成のワイヤハーネスでは、形状記憶樹脂で芯材を形成することで、特に狭隘な配線スペースへワイヤハーネスを折り曲げて変形させながら配線しても、配線後にワイヤハーネスが初期の形状に復元することとなり、コネクタの接続相手のコネクタとの接続や他の筺体への組み付けのさらなる容易化を図ることができる。
上記(8)の構成のワイヤハーネスでは、金属から形成された芯材の剛性によって配索状態を維持させることができる。また、電線で生じた熱を金属からなる芯材から外部へ放出させることができる。
上記(9)の構成のワイヤハーネスでは、形状記憶合金で芯材を形成することで、特に狭隘な配線スペースへワイヤハーネスを折り曲げて変形させながら配線しても、配線後にワイヤハーネスが初期の形状に復元することとなり、コネクタの接続相手のコネクタとの接続や他の筺体への組み付けのさらなる容易化を図ることができる。
本発明によれば、作業板が不要であり、しかも、電線の配索作業の容易化が図られ、正確にかつ短時間で配索することができ、さらには、被配線箇所へ正確かつ容易に組み付けることが可能なワイヤハーネスを提供できる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
図1は、本実施形態に係るワイヤハーネスの斜視図である。 図2は、図1におけるA−A断面図である。 図3は、ワイヤハーネスに設けられた芯材の斜視図である。 図4は、芯材に電線を配索した状態の斜視図である。 図5は、図4におけるV部拡大図である。 図6(a)及び図6(b)は、本実施形態に係るワイヤハーネスの被配線箇所への組み付け状況を示す図であって、それぞれ被配線箇所の斜視図である。 図7は、本実施形態に係るワイヤハーネスのコネクタと接続相手のコネクタを示す概略斜視図である。 図8は、他の実施形態に係るワイヤハーネスの斜視図である。 図9は、図8におけるC−C断面図である。 図10は、ワイヤハーネスに設けられた芯材の斜視図である。 図11は、芯材に電線を配索した状態の斜視図である。 図12は、一般的なワイヤハーネスの配索作業を説明する図である。 図13(a)から図13(d)は、一般的なワイヤハーネスの被配線箇所への組み付け状況を示す図であって、それぞれ被配線箇所の斜視図である。 図14は、一般的なワイヤハーネスのコネクタと接続相手のコネクタを示す概略斜視図である。
以下、本発明に係る実施の形態の例を、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るワイヤハーネスの斜視図、図2は、図1におけるA−A断面図、図3は、ワイヤハーネスに設けられた芯材の斜視図、図4は、芯材に電線を配索した状態の斜視図、図5は、図4におけるV部拡大図、図6(a)及び(b)は、本実施形態に係るワイヤハーネスの被配線箇所への組み付け状況を示す図であって、それぞれ被配線箇所の斜視図、図7は、本実施形態に係るワイヤハーネスのコネクタと接続相手のコネクタを示す概略斜視図である。
図1及び図2に示すように、ワイヤハーネス10は、複数本の電線12を備えている。これらの電線12は、予め定められた所定経路に沿って配索されている。
ワイヤハーネス10は、分岐部14及び屈曲部15を有している。分岐部14では、電線12が分岐されて側方へ屈曲されて導かれ、屈曲部15では、電線12が側方へ屈曲されて導かれている。
このワイヤハーネス10は、複数のコネクタ17を備えており、電線12の端部がコネクタ17に接続されている。
ワイヤハーネス10は、芯材21を備えている。この芯材21は、合成樹脂から形成されたもので、剛性を有している。この芯材21は、樹脂板に対してプレス加工を施すことで形成されている。
図3及び図4に示すように、芯材21は、主線部22と、分岐線部(副線部)23と、屈曲線部(副線部)24とを有している。分岐線部23及び屈曲線部24は、主線部22に一体的に形成され、それぞれ側方へ延出されている。また、芯材21の主線部22の一端には、板状の固定部25が設けられている。この固定部25には、固定孔26が形成されている。
そして、電線12は、芯材21の主線部22、分岐線部23及び屈曲線部24に沿って配線されている。
また、図5に示すように、芯材21には、主線部22と分岐線部23との連結箇所における縁部に、表裏面から突出する電線ガイド28が形成されており、電線12は、電線ガイド28の間に通されている。これにより、電線12は、主線部22と分岐線部23との連結箇所で、電線ガイド28によって案内されて主線部22から分岐線部23または分岐線部23から主線部22へ導かれている。なお、この電線ガイド28は、主線部22と屈曲線部24との連結箇所にも形成されており、その電線ガイド28によって、電線12が主線部22と屈曲線部24との連結箇所で案内されて主線部22から屈曲線部24または屈曲線部24から主線部22へ導かれている。
図2に示すように、芯材21は、平板状に形成されており、この芯材21の周囲に、電線12が配列されている。そして、芯材21の周囲に配列された電線12は、その周囲が、表裏から貼り付けられたテープ材31で覆われて保護されている。このテープ材31は、自己粘着性を有するもので、芯材21の表裏から重ね合わされることで、電線12に接着するとともに、縁部31a同士が互いに接着される。これにより、電線12は、芯材21に沿って配列されて束ねられた状態で一体化されている。なお、固定部25を含む芯材21の一部は、テープ材31で覆われずに露出されている。
上記構成のワイヤハーネス10を形成するには、芯材21に電線12を沿わせて配索し、その周囲にテープ材31を貼り付け、その後、電線12の端部にコネクタ17を接続する。そして、このようにして組み立てられたワイヤハーネス10では、剛性を有する芯材21によって配索形状が維持される。
また、上記のワイヤハーネス10を各種装置等へ組み付けるには、図6(a)に示すように、各種装置等の筺体41の被配線箇所に対して、図6(b)に示すように、ワイヤハーネス10を配置させる。このようにすると、ワイヤハーネス10は、被配線箇所の固定具(図示略)が設けられた所定位置に位置決めされる。この状態で、固定部25の固定孔26へボルト(図示略)を挿し込み、筺体41のネジ孔(図示略)へねじ込む。また、ワイヤハーネス10の他の部分は、固定具(図示略)によって筺体41に固定する。このようにすると、ワイヤハーネス10が筺体41の被配線箇所に組み付けられることとなる。
このとき、ワイヤハーネス10は、剛性を有する芯材21によって配索状態が維持されることより、筺体41の被配線箇所へ容易に配置させて組み付けることができる。また、ワイヤハーネス10では、芯材21によって配索状態が維持されるので、図7に示すように、筺体41に組み付けることで、コネクタ17が、他の筺体44の機器45に設けられた接続相手のコネクタ46の近傍位置に配置された状態に維持される。したがって、このコネクタ17を接続相手のコネクタ46へ容易かつ正確に接続することができる。
なお、樹脂からなる芯材21を有するワイヤハーネス10は、筺体41への組み付け時や梱包時に曲げられたとしても、弾性変形された芯材21が復元することで、元の形状に戻される。
以上、説明したように、本実施形態に係るワイヤハーネス10によれば、所定経路に沿う形状の剛性を有する芯材21を備えているので、この芯材21に沿って電線12を配索することができ、よって、所定経路に沿った位置に治具が設けられた作業板を用いることなく形成することができる。これにより、保管するための保管スペースを要する作業板を不要とすることができる。しかも、芯材21の周囲に配索された電線12の周囲を覆うようにテープ材31を貼り付けることで、結束具などで電線12を結束することなく、電線12を束ねることができる。
また、芯材21が剛性を有するため、配索形状が維持される。したがって、筺体41等の被配線箇所へ一括して位置合わせして組み付けることができ、よって、組み付け作業の容易化を図ることができ、誤配線などを招くことなく、短時間で組み付けることができる。なお、芯材21の剛性は、芯材21の厚さや幅を調整して断面積を増減させることで容易に調整することができる。
しかも、筺体41等の被配線箇所へ組み付けることで、電線12の端部のコネクタ17を接続相手のコネクタ46の近傍に配置された状態に維持させることができ、コネクタ17を接続相手のコネクタ46へ容易かつ正確に接続することができる。また、筺体41に組み付けたワイヤハーネス10の一部を他の筺体44へ組み付ける際にも、ワイヤハーネス10の一部が他の筺体44の被配線箇所へ配置された状態に維持させることができ、よって、他の筺体44へ容易かつ正確に組み付けることができる。
また、芯材21に沿って電線12を配索する際に、電線12が電線ガイド28によって案内されるので、電線12の配索作業の容易化を図ることができる。
また、芯材21が平板状に形成されているので、芯材21の周囲に電線12を配索しても、高さ寸法を極力抑えることができる。
さらには、芯材21に筺体41等の被配線箇所へ固定される固定部25を設けたので、この固定部25を筺体41等の被配線箇所へ固定することで、極めて容易に被配線箇所へ組み付けることができる。
しかも、芯材21を樹脂で形成することで全体の軽量化を図りつつ芯材21の剛性によって配索状態を維持させることができる。また、樹脂からなる芯材21を弾性変形させることで、被配線箇所の形状に合わせて変形させて3次元的に組み付けることができる。また、被配線箇所の狭隘な部分へ組み付ける際にも、樹脂からなる芯材21を折り曲げて被配線箇所へ配置させてから芯材21を延ばし、その後、コネクタ17を接続相手のコネクタ46へ接続させることができる。
なお、芯材21を形成する樹脂としては、形状記憶樹脂を用いるのが好ましい。この形状記憶樹脂で芯材21を形成すれば、特に狭隘な配線スペースへワイヤハーネス10を折り曲げて変形させながら配線しても、配線後にワイヤハーネス10が初期の形状に復元することとなり、コネクタ17の接続相手のコネクタ46との接続や他の筺体44への組み付けのさらなる容易化を図ることができる。
また、上記ワイヤハーネス10の芯材21としては、分岐線部23と屈曲線部23とが主線部22の側方で異なる方向へ延在した3次元形状としても良い。その場合、芯材21は、射出成形によって形成するのが好ましい。
次に、他の実施形態に係るワイヤハーネスについて説明する。
なお、上記の実施形態と同一構成部分は同一符号を付して説明を省略する。
図8は、他の実施形態に係るワイヤハーネスの斜視図、図9は、図8におけるC−C断面図、図10は、ワイヤハーネスに設けられた芯材の斜視図、図11は、芯材に電線を配索した状態の斜視図である。
図8及び図9に示すように、このワイヤハーネス50は、金属製の棒材からなる剛性を有する芯材51を備えている。
図10及び図11に示すように、この芯材51も、主線部52と、分岐線部53と、屈曲線部54とを有している。分岐線部53及び屈曲線部54は、主線部52に対して、例えば、溶接、接着あるいは加締め等によって所定方向及び所定角度に連結されている。分岐線部53と屈曲線部54とは、異なる方向へ延出されており、よって、この芯材51は、3次元形状とされている。また、芯材51の主線部52の一端には、金属棒を屈曲させることにより、固定孔56を有する固定部57が形成されている。
そして、電線12は、芯材51の主線部52、分岐線部53及び屈曲線部54に沿って配線されている。
図9に示すように、芯材51を構成する金属棒は、断面視円形状に形成されており、この芯材51の周囲に、電線12が同心円状に配列されている。そして、芯材51の周囲に配列された電線12は、その周囲が、表裏から貼り付けられたテープ材31で覆われて保護され、芯材51に沿って配列されて束ねられた状態で一体化されている。なお、固定部57を含む芯材51の一部は、テープ材31で覆われずに露出されている。
上記構成のワイヤハーネス50を形成するには、芯材51に電線12を沿わせて配索し、その周囲にテープ材31を貼り付ける。その後、電線12の端部にコネクタ17を接続する。そして、このようにして形成されたワイヤハーネス50では、剛性を有する芯材51によって配索形状が維持される。
また、上記のワイヤハーネス50を各種装置等へ組み付けるには、各種装置等の筺体41の被配線箇所に対して、ワイヤハーネス50を配置させる。このようにすると、ワイヤハーネス50は、被配線箇所の固定具が設けられた所定位置に位置決めされる。この状態で、固定部57の固定孔56へボルト58を挿し込み、筺体41のネジ孔へねじ込む。また、ワイヤハーネス50の他の部分は、固定具によって筺体41に固定する。このようにすると、ワイヤハーネス50が筺体41の被配線箇所に組み付けられることとなる。
このとき、ワイヤハーネス50は、剛性を有する芯材51によって配索状態が維持されることより、筺体41の被配線箇所へ容易に配置させて組み付けることができる。また、ワイヤハーネス50では、芯材51によって配索状態が維持されるので、筺体41に組み付けることで、コネクタ17が、他の筺体44の機器45に設けられた接続相手のコネクタ46の近傍位置に配置された状態となる。したがって、このコネクタ17を接続相手のコネクタ46へ容易かつ正確に接続することができる。
なお、金属からなる芯材51を有するワイヤハーネス50は、筺体41への組み付け時や梱包時に曲げられたとしても、弾性変形された芯材51が復元することで、元の形状に戻される。
以上、説明したように、他の実施形態に係るワイヤハーネス50の場合も、所定経路に沿う形状の剛性を有する芯材51を備えているので、この芯材51に沿って電線12を配索することができ、よって、所定経路に沿った位置に治具が設けられた作業板を用いることなく形成することができる。これにより、保管するための保管スペースを要する作業板を不要とすることができる。しかも、芯材51の周囲に配索された電線12の周囲を覆うようにテープ材31を貼り付けることで、結束具などで電線12を結束することなく、電線12を束ねることができる。
また、芯材51が剛性を有するため、配索形状が維持される。したがって、筺体41等の被配線箇所へ一括して位置合わせして組み付けることができ、よって、組み付け作業の容易化を図ることができ、誤配線などを招くことなく、短時間で組み付けることができる。なお、芯材51の剛性は、芯材51の径を調整して断面積を増減させることで容易に調整することができる。
しかも、筺体41等の被配線箇所へ配線して組み付けることで、電線12の端部のコネクタ17を接続相手のコネクタ46の近傍に配置された状態に維持させることができ、コネクタ17を接続相手のコネクタ46へ容易かつ正確に接続することができる。また、筺体41に組み付けたワイヤハーネス50の一部を他の筺体44へ組み付ける際にも、ワイヤハーネス50の一部が他の筺体44の被配線箇所へ配置された状態に維持させることができ、よって、他の筺体44へ容易かつ正確に組み付けることができる。
また、芯材51が断面視円形状に形成されているので、芯材51の周囲に電線12を配索しても、外径を極力抑えることができる。
また、芯材51に筺体41等の被配線箇所へ固定される固定部57を設けたので、この固定部57を筺体41等の被配線箇所へ固定することで、極めて容易に被配線箇所へ組み付けることができる。
しかも、金属から形成された芯材51の剛性によって配索状態を維持させることができ、また、電線12で生じた熱を金属からなる芯材51から外部へ放出させることができる。特に、芯材51は、その端部の固定部57が筺体44に固定されるので、芯材51に伝達された熱を筺体44へ良好に放出させることができる。
なお、芯材51を形成する金属としては、形状記憶合金を用いるのが好ましい。この形状記憶合金で芯材51を形成すれば、特に狭隘な配線スペースへワイヤハーネス50を折り曲げて変形させながら配線しても、配線後にワイヤハーネス50が初期の形状に復元することとなり、コネクタ17の接続相手のコネクタ46との接続や他の筺体44への組み付けのさらなる容易化を図ることができる。
また、上記のワイヤハーネス10,50では、電線12の配索経路の全体にわたって芯材21,51を設けたが、この芯材21,51は、電線12の配索経路における剛性を必要とする一部に設けても良い。
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
10,50 ワイヤハーネス
12 電線
21,51 芯材
22 主線部
23 分岐線部(副線部)
24 屈曲線部(副線部)
25 固定部
28 電線ガイド
31 テープ材

Claims (5)

  1. 所定経路に沿う形状に形成された剛性を有する芯材と、
    該芯材に沿って配索される複数本の電線と、
    前記芯材の周囲に配索された前記電線の周囲を覆うように貼り付けられて前記芯材の周囲に前記電線を束ねるテープ材と、
    を備え
    前記テープ材としての自己粘着性を有するシート状の一対のテープが、前記芯材の表裏から重ね合わされることで前記電線に接着すると共に、前記一対のテープの両側の縁部同士が互いに接着されていることを特徴とするワイヤハーネス。
  2. 前記芯材は、主線部と、この主線部に連結されて側方へ延在する副線部とを備え、
    前記芯材における前記主線部と前記副線部との連結箇所には、前記主線部と前記副線部との間で前記電線を案内する電線ガイドが形成されていることを特徴とする請求項1に記載のワイヤハーネス。
  3. 前記芯材は、平板状に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のワイヤハーネス。
  4. 前記芯材は、断面視円形状に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のワイヤハーネス。
  5. 前記芯材には、被配線箇所へ固定される固定部を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のワイヤハーネス。
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