JP2016084987A - 空調機の運転方法、その運転方法を用いた空調機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】空調機10では、試運転モードにおいて、第1グループに属する室内膨張弁41A〜41G対して基準開度決定制御を行った後に、圧縮機21を停止させることなく引き続き第2グループに属する室内膨張弁41H〜41Nに対して基準開度決定制御を行い、その際、第1グループに属する室内膨張弁41A〜41Gに対する基準開度決定制御において採用した第1蒸発温度目標値Tet1とは異なる第2蒸発温度目標値Tet2を設定して基準開度決定制御を行う。
【選択図】図5
Description
(1)空調機10の構成
図1は、本発明の第1実施形態に係る空調機の概略構成図である。空調機10は、蒸気圧縮式の冷凍サイクル運転によって、ビル等の室内の冷暖房を行う装置である。空調機10は、1台の空調室外機20と、それに並列に接続された複数台の空調室内機40A〜40Nと、空調室外機20と空調室内機40A〜40Nとを接続する液冷媒連絡管71およびガス冷媒連絡管72とを備えている。
空調室内機40A〜40Nは、ビル等の室内の天井に埋め込みや吊り下げ等により、または、室内の壁面に壁掛け等により設置されている。
室内膨張弁41Aは、電動式膨張弁である。室内膨張弁41Aは、室内側冷媒回路11a内を流れる冷媒の流量の調節等を行うために、室内熱交換器42Aの液側に接続される。また、室内膨張弁41は、冷媒の通過を遮断することもできる。
室内熱交換器42Aは、伝熱管と多数のフィンとにより構成されたクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器である。室内熱交換器42Aは、冷房運転時には冷媒の蒸発器として機能して室内空気を冷却し、暖房運転時には冷媒の凝縮器として機能して室内空気を加熱する。
空調室内機40Aは、室内ファン43Aを有している。室内ファン43Aは、空調室内機40A内に室内空気を吸入して、室内熱交換器42Aにおいて冷媒と熱交換させた後に、供給空気として室内に供給する。また、室内ファン43Aは、室内熱交換器42Aに供給する空気の風量を所定風量範囲において変更することができる。
空調室内機40Aには、各種のセンサが設けられている。先ず、液側温度センサ44Aが、室内熱交換器42Aの液側に設けられている。液側温度センサ44Aは、暖房運転時における凝縮温度Tcに対応する冷媒温度を、または冷房運転時における蒸発温度Teに対応する冷媒温度を検出する。
図2は、空調室内機の制御部を示すブロック図である。図2において、空調室内機40Aは、室内側制御部47Aを有している。室内側制御部47Aは、空調室内機40Aを構成する各部の動作を制御する。室内側制御部47Aには、空調能力演算部47aa、要求温度演算部47ba、及びメモリ47caが含まれている。
空調室外機20は、ビル等の室外に設置されており、液冷媒連絡管71およびガス冷媒連絡管72を介して空調室内機40A〜40Nに接続されており、空調室内機40A〜40Nとともに冷媒回路11を構成している。
圧縮機21は容量可変式圧縮機であり、そのモータ21mの駆動はインバータにより回転数が制御される。本実施形態において、圧縮機21は1台のみであるが、これに限定されず、空調室内機の接続台数等に応じて、2台以上の圧縮機が並列に接続されていても良い。
四路切換弁22は、冷媒の流れの方向を切り換える弁である。冷房運転時、四路切換弁22は圧縮機21の吐出側と室外熱交換器23のガス側とを接続するとともに圧縮機21の吸入側(具体的には、アキュムレータ24)とガス冷媒連絡管72側とを接続する(冷房運転状態:図1の四路切換弁22の実線を参照)。
室外熱交換器23は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器である。但し、これに限定されず、他の型式の熱交換器であっても良い。
室外膨張弁38は、電動膨張弁であり、室外側冷媒回路11z内を流れる冷媒の圧力や流量等の調節を行う。室外膨張弁38は、冷房運転時の冷媒回路11における冷媒の流れ方向において室外熱交換器23の下流側に配置されている。
室外ファン28は、吸入した室外空気を室外熱交換器23に送風して冷媒と熱交換させる。室外ファン28は、室外熱交換器23に送風する際の風量を可変することができる。室外ファン28は、プロペラファン等であり、DCファンモータ等からなるモータ28mによって駆動される。
液側閉鎖弁26及びガス側閉鎖弁27は、液冷媒連絡管71及びガス冷媒連絡管72との接続口に設けられる弁である。
空調室外機20には、吸入圧力センサ29、吐出圧力センサ30、吸入温度センサ31、吐出温度センサ32、及び室外温度センサ36が設けられている。
また、図2に示すように、空調室外機20は室外側制御部37を有している。室外側制御部37は、目標値決定部37a、メモリ37b、インバータ回路(図示せず)等を有している。目標値決定部37aは、目標蒸発温度差ΔTetまたは目標凝縮温度差ΔTctを決定する。メモリ37bは、各種データを格納する。
制御部80は、室内側制御部47A〜47Nと室外側制御部37と伝送線80aとによって構成されている。制御部80は、各種センサと接続され、各種センサからの検出信号等に基づいて各種機器を制御する。
冷媒連絡管71,72は、空調機10をビル等の設置場所に設置する際に、現地にて施工される冷媒管である。冷媒連絡管71,72は、設置場所や空調室外機と空調室内機との組み合わせ等の設置条件に応じて種々の長さや管径を有するものが使用されるので、空調機10の据付時には、冷媒連絡管71,72の長さや管径等の設置条件に応じた適正な量の冷媒が充填される。
ここでは、冷房運転及び暖房運転を例に、能力制御による空調機10の動作について説明する。
冷房運転時、四路切換弁22は、圧縮機21の吐出側と室外熱交換器23のガス側とを接続し、且つ圧縮機21の吸入側と室内熱交換器42A〜42Nのガス側とを接続する(図1の実線で示される状態)。
暖房運転時は、四路切換弁22は、圧縮機21の吐出側と室内熱交換器42A〜42Nのガス側とを接続し、且つ圧縮機21の吸入側と室外熱交換器23のガス側とを接続する(図1の破線で示される状態)。
空調機10では、室内膨張弁41A〜41Nの低開度領域を利用することがある。しかし、各室内膨張弁41A〜41Nにおける冷媒の流通停止状態から流通状態に切り換わる基準開度となる位置には個体差があり、弁が閉まるか閉まらないかの低開度領域は特にバラツキが大きい。それゆえ、冷媒流量を絞る制御においては低開度領域を上手く利用するためには、各室内膨張弁41A〜41Nの基準開度となる位置を事前に決定しておく必要がある。
図3及び図4において、制御部80はステップS1で試運転指令があるか否かを判定し、試運転指令があるときはステップS2へ進み、試運転指令がないときは判定を継続する。
次に制御部80は、ステップS9において圧縮機21を停止し、ステップS10において全室内膨張弁41A〜41Nを閉位置まで動作させる。
空調機10では、制御部80は、試運転時に、基準開度決定制御を実行する。基準開度決定制御において、制御部80は先ず第1グループの空調室内機40A〜40Gそれぞれに対応する室内膨張弁41A〜41Gの基準開度を決定し、次に第2グループの空調室内機40H〜40Nそれぞれに対応する室内膨張弁41H〜41Nの基準開度を決定する。
空調室内機40A〜40Nのグループ分けは、空調機10の試運転の前に行ってもよい。また、空調室内機40A〜40Nのグループ分けにおけるグループ数は、3以上であってもよい。
(1)室内膨張弁41A〜41Nの基準開度決定制御
第1実施形態では、図3に示すように第1グループに属する室内膨張弁41A〜41Gそれぞれの基準開度が決定されてから第2グループに属する室内膨張弁41H〜41Nそれぞれの基準開度決定制御が開始されるまでの間に、第2グループに属する空調室内機40H〜40Nそれぞれの液管温度Th2が室内温度Tr近くになるまでの期間(以下、液管温度上昇待機期間という。)を確保する必要があった。
図5及び図6において、制御部80はステップS101で試運転指令があるか否かを判定し、試運転指令があるときはステップS102へ進み、試運転指令がないときは判定を継続する。
次に制御部80は、ステップS109において第2グループに属する空調室内機40H〜40Nに対して、室内膨張弁41H〜41Nを閉位置まで動作させる。
空調機10では、試運転モードにおいて、第1グループに属する室内膨張弁41A〜41G対して基準開度決定制御を行った後に、圧縮機21を停止させることなく引き続き第2グループに属する室内膨張弁41H〜41Nに対して基準開度決定制御を行い、その際、第1グループに属する室内膨張弁41A〜41Gに対する基準開度決定制御において採用した第1蒸発温度目標値Tet1とは異なる第2蒸発温度目標値Tet2を設定して基準開度決定制御を行う。
(3−1)
空調室内機40A〜40Nのグループ分けは、空調機10の試運転の前に行ってもよい。また、空調室内機40A〜40Nのグループ分けにおけるグループ数は、3以上であってもよい。
第2実施形態では、第1グループに属する室内膨張弁41A〜41G対して基準開度決定制御を行った後に、圧縮機21を停止させることなく引き続き第2グループに属する室内膨張弁41H〜41Nに対して基準開度決定制御を行っている。
(1)室内膨張弁41A〜41Nの基準開度決定制御
第1実施形態及び第2実施形態では、液管温度Th2が所定の目標値に到達したと判定したときの室内膨張弁に対する駆動パルス入力値を基準開度位置としており、制御パラメータは液管温度Th2である。
図7は、第3実施形態における基準開度決定制御のフローチャートである。図5及び図7において、制御部80はステップS201で試運転指令があるか否かを判定し、試運転指令があるときはステップS202へ進み、試運転指令がないときは判定を継続する。
次に制御部80は、ステップS209において第2グループに属する空調室内機40H〜40Nに対して、室内膨張弁41H〜41Nを閉位置まで動作させる。
空調機10では、試運転モードにおいて、第1グループに属する室内膨張弁41A〜41G対して基準開度決定制御を行った後に、圧縮機21を停止させることなく引き続き第2グループに属する室内膨張弁41H〜41Nに対して基準開度決定制御を行い、その際、第1グループに属する室内膨張弁41A〜41Gに対する基準開度決定制御において採用した第1蒸発温度目標値Tet1とは異なる第2蒸発温度目標値Tet2を設定して基準開度決定制御を行う。
(3−1)
空調室内機40A〜40Nのグループ分けは、空調機10の試運転の前に行ってもよい。また、空調室内機40A〜40Nのグループ分けにおけるグループ数は、3以上であってもよい。
第3実施形態では、第1グループに属する室内膨張弁41A〜41G対して基準開度決定制御を行った後に、圧縮機21を停止させることなく引き続き第2グループに属する室内膨張弁41H〜41Nに対して基準開度決定制御を行っている。
21 圧縮機
40,40A〜40N 空調室内機
41,41A〜41N 室内膨張弁
80 制御部
Claims (2)
- 室外機(20)に対して複数の室内機(40,40A〜40N)が接続される空調機の運転方法であって、
複数の前記室内機(40,40A〜40N)それぞれに対応する膨張弁(41,41A〜41N)を全閉状態から徐々に開状態に向かわせる動作が行われると共に、冷媒の制御パラメータが所定の目標値に達したか否かが判定され、前記目標値に達したと判定されたときの弁位置が基準開度として決定される、基準開度決定制御を実行する制御部(80)を備え、
複数の前記室内機(40,40A〜40N)のうち最初に前記基準開度決定制御が行われる第1グループとその次に前記基準開度決定制御が行われる第2グループとが選択され、
前記第1グループに対する前記基準開度決定制御の終了後に、前記第2グループに対しても前記基準開度決定制御が行われ、その際、前記第1グループに対する前記基準開度決定制御において採用された前記制御パラメータの前記目標値とは異なる第2目標値が設定されて前記基準開度決定制御が行われる、
空調機の運転方法。 - 室外機(20)に対して複数の室内機(40,40A〜40N)が接続される空調機であって、
前記室外機(21)に搭載されている圧縮機(21)を稼動させ、複数の前記室内機(40,40A〜40N)それぞれに対応する膨張弁(41,41A〜41N)に全閉状態から徐々に開状態に向かう動作を行わせると共に、冷媒の制御パラメータが所定の目標値に達したか否かを判定し、前記目標値に達したと判定したときの弁位置を基準開度として決定する、基準開度決定制御を実行する制御部(80)を備え、
前記制御部(80)は、試運転時に、第1グループと第2グループとに分けられている複数の前記室内機(40,40A〜40N)に対して前記基準開度決定制御を前記グループ毎に順番に行わせる試運転モードを有しており、
さらに前記制御部(80)は、前記試運転モードにおいて、前記第1グループに対して前記基準開度決定制御を行った後に前記圧縮機(21)を停止させることなく引き続き前記第2グループに対して前記基準開度決定制御を行い、その際、前記第1グループに対する前記基準開度決定制御において採用した前記制御パラメータの前記目標値とは異なる第2目標値を設定して前記基準開度決定制御を行う、
空調機。
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