JP2017044446A - ヒートポンプ装置およびこれを備えた給湯装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】冷媒を用いた湯水加熱が可能な凝縮熱交換器12、および外気からの吸熱が可能な蒸発熱交換器10を有している冷凍サイクル1と、外気温度と蒸発熱交換器10の冷媒出口側温度との温度差αを検出し、かつこの温度差αが所定の第1の閾値TH1以上になったとき、または冷凍サイクル1の所定の定常運転開始時を基準とする温度差αの変化値Δαが所定の第2の閾値TH2以上となったときに、蒸発熱交換器10についての除霜運転を開始させる動作制御を実行する制御手段4Aと、を備えている、ヒートポンプ装置Hであって、第1および第2の閾値TH1,TH2は、外気温度が低くなるほど低い値となるように外気温度の変化に応じて変更される。
【選択図】 図1
Description
同文献に記載のヒートポンプ装置においては、冷凍サイクル中の蒸発熱交換器に着霜を生じ、これが検出された際には除霜運転が開始されるように構成されている。蒸発熱交換器に着霜を生じると、ヒートポンプ装置の出力や効率が低下するが、除霜運転が実行されることによってそのような不具合を解消することができる。
ここで、前記文献においては、着霜を検出するための手段として、たとえばファンから送風されて蒸発熱交換器を通過する風量に基づき、着霜の有無を判断する例が挙げられている。これは、着霜が生じると、蒸発熱交換器が目詰まり状態となり、蒸発熱交換器の通過風量が減少することに基づくものである。ただし、たとえば蒸発熱交換器の目詰まりは、着霜以外の現象によっても生じるなど、着霜の有無と通過風量とは常に正確に対応するものではない。このため、前記した手段における着霜の有無の判断精度は必ずしも高いものとはいえない。
すなわち、蒸発熱交換器への着霜が生じると、外気温度と蒸発熱交換器の冷媒出口側温度との温度差は大きくなるが、外気温度が低くなるほど、着霜が生じた際における前記温度差は小さめとなる傾向がある。このため、着霜が生じた際における前記温度差は、外気温度が低い場合には、外気温度が高い場合よりも小さい値となる。これに対し、外気温度が低くなるほど、着霜の有無の判断を行なうための閾値を低い値とすれば、前記したように温度差が小さめとなる場合であっても、着霜に起因する前記温度差の変化を適切に察知し得ることとなり、着霜の有無の判断精度を高くすることができる。前記構成は、そのような判断手法に則した構成となっているため、実際に着霜が生じた際には、除霜運転が適切に行なわれる。その結果、着霜が生じているにも拘わらず、除霜運転が行なわれることなく、ヒートポンプ装置が効率の悪い状態のまま長時間にわたって運転されるといったことを適切に回避することが可能である。
すなわち、凝縮熱交換器への入水温度が高くなると、外気温度が低くなった場合と同様に、外気温度と蒸発熱交換器の冷媒出口側温度との温度差が小さめとなる傾向がある。このため、着霜が生じた際における前記温度差は、入水温度が高い場合は、入水温度が低い場合よりも小さい値となる。これに対し、入水温度が高くなるほど、着霜の有無の判断を行なうための閾値を低い値とすれば、前記したように温度差が小さめとなる場合であっても、着霜に起因する前記温度差の変化を適切に察知し得ることとなり、着霜の有無の判断精度を高くすることができる。前記構成は、そのような判断手法に則した構成となっているため、実際に着霜が生じた際には、除霜運転が適切に行なわれる。その結果、本発明の第1の側面により提供されるヒートポンプ装置と同様に、着霜が生じているにも拘わらず、除霜運転が行なわれることなく、ヒートポンプ装置が効率の悪い状態のまま運転されるといったことが適切に回避される。
ルと、外気温度と前記蒸発熱交換器の冷媒出口側温度との温度差を検出し、かつこの温度差が所定の第1の閾値以上になったとき、または前記冷凍サイクルの所定の定常運転開始時を基準とする前記温度差の変化値が所定の第2の閾値以上となったときに、前記蒸発熱交換器についての除霜運転を開始させる動作制御を実行する制御手段と、を備えている、ヒートポンプ装置であって、前記第1および第2の閾値は、外気温度が低くなるほど低い値とされ、かつ前記凝縮熱交換器への湯水の入水温度が高くなるほど低い値とされるように、外気温度および前記入水温度のそれぞれの変化に応じて変更されるように構成されていることを特徴としている。
貯湯タンクユニットUは、貯湯タンク2、およびリモコン40が接続された主制御部4を備えている。貯湯タンク2は、ヒートポンプ装置Hによって加熱された湯水を貯留させておくためのものである。貯湯タンク2の下部には、水道管などの給水管31が接続される下部配管32が接続されており、給水管31から供給される水が貯湯タンク2内にその下部から入水可能である。貯湯タンク2の上部には、三方弁V1を有する上部配管33が接続され、かつこの上部配管33には、給湯栓9に配管接続される出湯管35、および下
部配管32からの分岐配管36が混合弁V2を介して接続されている。このことにより、給湯栓9を開いた際には、貯湯タンク2への給水圧によって出湯が行なわれ、貯湯タンク2から出湯した湯水と分岐配管36からの水とが混合して温度調整された湯水が、給湯栓9に供給可能である。
て適切な値が算出されるように予め定められた演算式を用いた演算処理によって求められる。もちろん、これに代えて、外気温度Taおよび入水温度Tcと第1の閾値TH1との対応関係を緻密に示す表のデータ、あるいは前記対応関係を連続的に示す線形のデータを補助制御部4Aなどの記憶部に記憶させておき、このデータに基づいて第1の閾値TH1を決定してもよい。
すなわち、「発明の概要」の欄においても述べたように、蒸発熱交換器10への着霜が生じた際には、外気温度Taと蒸発熱交換器10の冷媒出口側温度Tbとの温度差αが大きくなるが、外気温度Taが低いほど、および凝縮熱交換器12への入水温度Tcが高いほど、蒸発熱交換器10に着霜が生じる場合の温度差αが小さめの値となる傾向がある。これに対し、前記した一連の動作手順では、第1の閾値TH1は、外気温度Taが低いほど低い値とされ、かつ入水温度Tcが高いほど低い値とされるために、外気温度Taが低く、かつ入水温度Tcが高い条件下で着霜が発生し、温度差αがやや小さめの値になった場合であっても、着霜が生じている旨を適切に察知し得ることとなる。したがって、着霜の有無の判断精度を高くし、着霜が生じているにも拘わらず、除霜運転が行なわれることなく、ヒートポンプ装置Hがそのまま継続して運転されるといった不具合を回避することが可能である。
水温度の変化値ΔTcがともにゼロの場合には、第2の閾値TH2は4℃とされるが、変化値ΔTaが−5℃となり、変化値ΔTcが+50℃となった場合には、第2の閾値TH2は2.5℃とされる。
また、閾値は、必ずしも外気温度Taと入水温度Tcとの双方に基づいて決定しなくてもよい。たとえば、入水温度Tcを考慮することなく、外気温度Taのみに基づいて閾値を決定してもよい。また、これとは反対に、外気温度Taを考慮することなく、入水温度Tcのみに基づいて閾値を決定してもよい。
除霜運転は、除霜用バイパス路18を利用する手段に限らず、たとえばヒータを利用し
て蒸発熱交換器を加熱するといった手段を採用することができ、その具体的な内容は限定されない。
H ヒートポンプ装置
U 貯湯タンクユニット
Sa 外気温度センサ
Sb 冷媒出口側温度センサ
Sc 入水温度センサ
1 冷凍サイクル
10 蒸発熱交換器
12 凝縮熱交換器
18 除霜用バイパス路
4A 補助制御部(制御手段)
Claims (4)
- 冷媒を用いた湯水加熱が可能な凝縮熱交換器、および外気からの吸熱が可能な蒸発熱交換器を有している冷凍サイクルと、
外気温度と前記蒸発熱交換器の冷媒出口側温度との温度差を検出し、かつこの温度差が所定の第1の閾値以上になったとき、または前記冷凍サイクルの所定の定常運転開始時を基準とする前記温度差の変化値が所定の第2の閾値以上となったときに、前記蒸発熱交換器についての除霜運転を開始させる動作制御を実行する制御手段と、
を備えている、ヒートポンプ装置であって、
前記第1および第2の閾値は、外気温度が低くなるほど低い値となるように外気温度の変化に応じて変更されるように構成されていることを特徴とする、ヒートポンプ装置。 - 冷媒を用いた湯水加熱が可能な凝縮熱交換器、および外気からの吸熱が可能な蒸発熱交換器を有している冷凍サイクルと、
外気温度と前記蒸発熱交換器の冷媒出口側温度との温度差を検出し、かつこの温度差が所定の第1の閾値以上になったとき、または前記冷凍サイクルの所定の定常運転開始時を基準とする前記温度差の変化値が所定の第2の閾値以上となったときに、前記蒸発熱交換器についての除霜運転を開始させる動作制御を実行する制御手段と、
を備えている、ヒートポンプ装置であって、
前記第1および第2の閾値は、前記凝縮熱交換器への湯水の入水温度が高くなるほど低い値となるように前記入水温度の変化に応じて変更されるように構成されていることを特徴とする、ヒートポンプ装置。 - 冷媒を用いた湯水加熱が可能な凝縮熱交換器、および外気からの吸熱が可能な蒸発熱交換器を有している冷凍サイクルと、
外気温度と前記蒸発熱交換器の冷媒出口側温度との温度差を検出し、かつこの温度差が所定の第1の閾値以上になったとき、または前記冷凍サイクルの所定の定常運転開始時を基準とする前記温度差の変化値が所定の第2の閾値以上となったときに、前記蒸発熱交換器についての除霜運転を開始させる動作制御を実行する制御手段と、
を備えている、ヒートポンプ装置であって、
前記第1および第2の閾値は、外気温度が低くなるほど低い値とされ、かつ前記凝縮熱交換器への湯水の入水温度が高くなるほど低い値とされるように、外気温度および前記入水温度のそれぞれの変化に応じて変更されるように構成されていることを特徴とする、ヒートポンプ装置。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載のヒートポンプ装置を備えており、かつこのヒートポンプ装置によって給湯用の湯水加熱が可能とされていることを特徴とする、給湯装置。
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