JP2016082052A - 導電性高分子溶液、導電性高分子組成物、ならびに電解コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】導電性高分子層の密着性を改良する層を形成することなく被覆性良く導電性高分子層を形成できる導電性高分子溶液を提供し、漏れ電流による不良が起こりにくく、信頼性に優れた電解コンデンサを製造可能とする。【解決手段】導電性高分子、水、有機溶媒、を含み、ゼータ電位が絶対値50mV以下である導電性高分子溶液を用いることで、弁作用金属表面に酸化皮膜を形成したコンデンサ素子表面にこの導電性高分子溶液を塗布又は浸漬して、コンデンサ素子の角部(21)と平面部(22)の導電性高分子層の膜厚の比(角部膜厚(21t)/平面部膜厚(22t))が0.05以上1以下である電解コンデンサが提供できる。【選択図】図3
Description
本発明は、導電性高分子組成物を電解質に用いた電解コンデンサに関し、詳しくは、導電性高分子をコンデンサ素子の角部に十分付着させる方法を提供し、漏れ電流が抑制された電解コンデンサに関する。また本発明は、被覆性に優れた導電性高分子溶液に関する。
従来、固体電解コンデンサとしては、弁作用金属からなる陽極導体の表面に誘電体膜を形成し、陰極となる導電性高分子で誘電体膜を被覆した固体電解コンデンサが知られている。
例えば、特許文献1には、弁作用金属粉末の焼結体からなる陽極表面に誘電体酸化皮膜を形成する工程と、その酸化皮膜上に密接して化学酸化重合により第一の導電性高分子化合物層を形成する工程と、導電性高分子化合物懸濁水溶液に浸漬し、前記第一の導電性高分子化合物層上に第二の導電性高分子化合物層を形成する工程と、グラファイト粉末含有懸濁水溶液に浸漬し、前記第二の導電性高分子化合物層上にグラファイト層を形成後、銀塗料層を形成し、陰極層を形成する工程を含むことを特徴する固体電解コンデンサの製造方法が開示されている。
化学酸化重合で形成した層と導電性高分子溶液を塗布し乾燥して形成した層との密着性は低いため、実装等の熱ストレスや応力によって剥離しやすいといった問題がある。特許文献2には、二層の固体電解質層間の密着性を改善するため、第一の固体電解質層の形成後に、アミン化合物の層を形成し、さらに第二の固体電解質層を形成する方法が開示されている。この方法では、ドーパントとして取り込んだスルホン酸系化合物の影響でマイナスに帯電した固体電解質層に、プラスに帯電したアミン化合物の層を密着させることにより、均一な厚みで密着性に優れた固体電解質層を有する信頼性に優れた固体電解コンデンサが得られるとされている。
また、特許文献3には、誘電体酸化皮膜の形成された弁作用金属の陽極導体表面にシランカップリング処理した後、導電性高分子の固体電解質を形成した固体電解コンデンサが開示されており、特に、ポリアニオンを含有する導電性高分子分散液を塗布し乾燥して固体電解質層を形成する方法において、下地のシランカップリング層としてアミノ基を持つシランカップリング剤層を形成することを特徴としている。また、導電性高分子分散液として、負のゼータ電位を有するもの、特に−50mV以下のものが好ましいとされている。
導電性高分子の水溶液(水分散液)を塗布して固体電解質層形成する方法において、特許文献2では、導電性高分子水溶液の表面張力や濡れ性の影響により、形成される導電性高分子層は、中央部は厚く、周辺部(角部)は薄くなる傾向が強いとされている。
特許文献2,3では、下地又は中間に所定の層を設けることで、外装時や実装時等の熱や応力を受けても、漏れ電流による不良やESR増大の起こりにくい、信頼性に優れた固体電解コンデンサが得られている。しかしながら、このような層を形成することで工程が増加し、コスト増になるため、更なる改良が望まれる。
本発明では、このような特定の層を形成することなく被覆性良く導電性高分子層を形成できる導電性高分子溶液を提供し、漏れ電流による不良が起こりにくく、信頼性に優れた電解コンデンサを製造可能とすることを目的とする。
本発明者らは上記目的を達成するために鋭意検討した結果、特定の導電性高分子溶液を用いることで、密着性を改良する層を形成することなく、被覆性に優れた導電性高分子層が形成できることを見出した。
すなわち、本発明の一態様では、導電性高分子、水、有機溶媒、を含み、ゼータ電位が絶対値50mV以下である導電性高分子溶液が提供される。
また、本発明の別の態様では、上記導電性高分子溶液を加熱乾燥して得られる導電性高分子組成物が提供される。
さらに、本発明の別の態様では、弁作用金属表面に酸化皮膜を形成したコンデンサ素子表面を上記の導電性高分子組成物を含む導電性高分子層で被覆した電解コンデンサであって、コンデンサ素子の角部と平面部の導電性高分子層の膜厚の比(角部膜厚/平面部膜厚)が0.05以上1以下である電解コンデンサが提供される。
加えて、本発明の別の態様では、上記導電性高分子溶液に、弁作用金属表面に酸化皮膜を形成したコンデンサ素子を浸漬、あるいは前記コンデンサ素子に前記導電性高分子溶液を塗布する工程と、前記導電性高分子溶液を加熱乾燥して導電性高分子層を形成する工程、とを備える電解コンデンサの製造方法が提供される。
本発明に係る導電性高分子溶液によれば、1回の塗布又は浸漬によって、より多くの導電性高分子組成物を、密着層等の形成されていないコンデンサ素子表面に付着させることができる。特に、コンデンサ素子の角部と平面部との膜厚差が小さくなり、漏れ電流が少なく、不良の起こりにくい、信頼性に優れた電解コンデンサを提供することができる。
以下、本発明について実施形態例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施形態例のみに限定されるものではない。
〔実施形態例1:導電性高分子溶液〕
本実施形態に係る導電性高分子溶液は、導電性高分子、水、有機溶媒、を含み、ゼータ電位が絶対値50mV以下であることを特徴とする。
本実施形態に係る導電性高分子溶液は、導電性高分子、水、有機溶媒、を含み、ゼータ電位が絶対値50mV以下であることを特徴とする。
ゼータ電位とは、溶液中の微粒子の周りに形成する電気二重層中の液体の流動が起こり始めるすべり面の電位として定義され、これが0に近づく程、微粒子の相互反発力が弱まり凝集しやすくなる傾向にある。したがって、通常は、ゼータ電位を0から遠ざける、すなわち、ゼータ電位の絶対値が大きいほど、微粒子を含む分散液では分散性が良好となり、均一な膜形成に有利と考えられていた。
特許文献2では、導電性高分子水溶液の表面張力や濡れ性の影響により被覆が不均一になると考えていたが、本発明者らは、先にコンデンサ素子に付着した導電性高分子と溶液中の導電性高分子との電気的な反発力により被覆が不均一になっていると仮定して、鋭意検討した。特許文献3では、ゼータ電位が負、望ましくは−50mV以下(絶対値で50mV以上)の導電性高分子分散液を用いて形成することによって、アミノ基を持つシランカップリング剤層のカチオンと導電性高分子分散液の導電性高分子の間に静電的作用が発生し、固体電解質層とシランカップリング剤層の間の密着力を増大させることができることが記載されている。しかしながら、シランカップリング剤層を形成していない場合、単にゼータ電位を調整しても密着性の改善に至らなかった。そこで、本発明者らは導電性高分子分散液に有機溶媒を添加して試験したところ、ゼータ電位の絶対値が50mV以下で密着性が改善できることを見出した。
つまり、有機溶媒を添加した導電性高分子溶液のゼータ電位の絶対値を50mV以下とすることでコンデンサ素子へ付着・乾燥した導電性高分子と溶液中に分散している導電性高分子の電気的な反発が弱くなる。電解質層を形成するために繰り返し導電性溶液に浸漬・塗布する際、電気的反発が強いとコンデンサ素子上に先に形成した導電性高分子組成物と導電性高分子溶液中の導電性高分子の反発が強く、コンデンサ素子を十分に被覆することができなかった。
本発明ではこのように、導電性高分子の電気的反発を抑えることにより導電性高分子が接近しやすくなり、コンデンサ素子に対する導電性高分子組成物の付着性が良くなるため、コンデンサ素子を十分に被覆することができる。その結果コンデンサの漏れ電流を低減することができる。
ゼータ電位は、電気泳動法により微粒子の移動速度から計算により求められ、ゼータ電位の測定装置は市販されている。
本発明に係る導電性高分子溶液が含有する有機溶媒は、ゼータ電位の絶対値を50mV以下にすることができれば特に限定されない。単体の溶媒のみでも複数の混和溶媒などでも良い。例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、酢酸、ホルムアミド等のプロトン性極性溶媒、エチレングリコール、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトニトリル、アセトン等の非プロトン性極性溶媒、またはその混和溶媒等が挙げられる。特に、ホルムアミド、DMF、DMSO、アセトニトリル、アセトン等の誘電率が20以上の極性溶媒を少なくとも1種類以上含むことが望ましい。誘電率が20以上の極性溶媒を少なくとも1種類以上含むことで、ゼータ電位を優位に低下させることができる。
なお、ゼータ電位の絶対値が0に近づく程、分散性が十分に発揮されず、特に長時間同じ溶液を使用している場合に沈殿や凝集が起こる可能性が高くなる。そのため、ゼータ電位の絶対値は5mV以上であることが好ましく、10mV以上であることがより好ましい。
本発明で使用する導電性高分子は、通常、水に不溶であり、従来技術においては水分散液として使用されている。また、導電性高分子は、導電性を発現するためにドーパントを含むのが一般的である。本発明では、水を主溶媒として有機溶媒を含む溶液中に導電性高分子、特にドーパントを含む導電性高分子が分散して、導電性高分子溶液を構成する。
導電性高分子としては、特に限定されないが、例えば、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリンおよびそれらの誘導体が挙げられる。中でも、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)またはその類縁体が好ましい。導電性高分子は、ホモポリマーでもよく、コポリマーでもよく、1種でもよく、2種以上を混合してもよい。
ドーパントとしては、導電性高分子にドープして導電性を発現させるものであれば特に限定されないが、後述するポリ酸のアニオンが好ましい。
導電性高分子溶液における導電性高分子と導電性を発現させるためのドーパントを合わせた含有量は、固形分含有量として1質量%以上であることが好ましい。また、30質量%以下、好ましくは20質量%以下であることがより好ましい。導電性高分子とドーパントとの質量比は、導電性高分子溶液のゼータ電位の絶対値を50mV以下にすることができれば特に限定されない。導電性高分子とドーパントの質量比率が1/0.5〜1/10であることが好ましく、1/0.5〜1/3であることがより好ましい。
導電性高分子溶液は、ポリ酸を含有することが好ましい。ポリ酸の少なくとも一部は導電性高分子にドープしており、ポリアニオンとして導電性高分子に導電性を付与する。
ポリ酸としては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸等のポリカルボン酸;ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸等のポリスルホン酸;およびこれらの構造単位を有する共重合体が挙げられる。中でも、ポリスチレンスルホン酸が好ましい。ポリ酸は、1種でもよく、2種以上でもよい。
ポリ酸の重量平均分子量は、2,000〜500,000であることが好ましく、10,000〜200,000であることがより好ましい。
導電性高分子溶液におけるポリ酸の含有量は、導電性高分子100質量部に対して50〜1,000質量部であることが好ましく、50〜500質量部であることがより好ましい。導電性高分子100質量部に対して、ポリ酸の量を250質量部以下とすることで、導電性高分子のゼータ電位を下げることができ、より少ない有機溶媒の添加量でゼータ電位の絶対値を50mV以下とすることができる。
導電性高分子の粒径は1〜500nmであることが好ましい。粒径が500nm以下であれば、乾燥後の導電性高分子粒子同士の接続が悪くなり、導電率が悪化し、その影響でコンデンサのESRも悪化することが抑制される。また、粒径が小さい方がコンデンサ素子への付着性も良く、漏れ電流を低減することができる。
導電性高分子溶液は界面活性剤を含んでも良い。界面活性剤は、導電性高分子へ分散性能を付与または補助し、Z電位の絶対値が50mVを超えない範囲であれば、種類、添加量、分子量等は限定されないが、特に分岐型の構造を持つ界面活性剤を含むことが望ましい。分岐型の構造を持つ界面活性剤を含むことで、液中の導電性高分子粒子同士が立体的な障害に阻まれ分散安定性を保ちやすくなり、界面活性剤の添加量を少なくすることが可能となる。更に分岐した部分が少なくとも一部にエーテル結合のような親水性かつゼータ電位に影響を与えないノニオン性の基を持つことで、ゼータ電位に影響を与えずに良好な分散安定性を付与することができる。
界面活性剤の例としては、ドデシルベンゼンスルホン酸、BYK-Chemie GmbH製のDISPER-BYKシリーズなどが挙げられる。
界面活性剤の例としては、ドデシルベンゼンスルホン酸、BYK-Chemie GmbH製のDISPER-BYKシリーズなどが挙げられる。
導電性高分子溶液は多価アルコール、多価カルボン酸を含有することが望ましい。
導電性高分子溶液が含有する多価アルコールは、2つ以上のOH基を持つアルコールである。多価アルコールは、1種でもよく、2種以上でもよい。
多価アルコールと多価カルボン酸が反応し、乾燥時にポリエステルを生成することによって、製膜性に優れ、低吸湿性の導電性高分子膜を作成することができる。導電性高分子層形成の際、多価アルコールと多価カルボン酸との縮重合反応の観点から、50℃以上200℃以下で乾燥する事が望ましい。
導電性高分子溶液が含有する多価アルコールは、2つ以上のOH基を持つアルコールである。多価アルコールは、1種でもよく、2種以上でもよい。
多価アルコールと多価カルボン酸が反応し、乾燥時にポリエステルを生成することによって、製膜性に優れ、低吸湿性の導電性高分子膜を作成することができる。導電性高分子層形成の際、多価アルコールと多価カルボン酸との縮重合反応の観点から、50℃以上200℃以下で乾燥する事が望ましい。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、ブチレングリコール、プロピレングリコール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、イノシトール、キシロース、グルコース、マンニトール、トレハロース、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、ペンタエリトリトール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコールおよびこれらの誘導体等が好ましいが、エリスリトールまたはペンタエリトリトールがより好ましい。エリスリトールまたはペンタエリトリトールは、導電性高分子溶液中の導電性高分子粒子の近傍に存在する未ドープのポリ酸アニオン(抵抗成分)と相互作用することで、導電性高分子粒子の間の抵抗を下げるとともに、導電性高分子の密度を高めるため、さらなる高導電率化が可能となる。
また、多価アルコールは、3価以上であることが好ましい。3価以上の水溶性多価アルコールと、多価カルボン酸とを縮重合して得られる樹脂は架橋構造をとるため、直鎖構造の樹脂に比べて吸水性が低く、耐水性にも優れている。その観点からも、エリスリトールまたはペンタエリトリトールがより好ましい。
エリスリトールは、例えば、ソルビトールやマルチトースなどに比べて結晶性が高いため、吸湿性が小さく、取扱いが容易である。また、エリスリトールは、甘味料として用いられる食品添加物として知られており、安全面および安定性にも優れており、さらに水に対する溶解度においても、例えば、エチレングリコールやグリセリンなどに比べて数倍高く、添加量の設計自由度が高い利点がある。
ペンタエリトリトールは、加熱すると徐々に昇華し、融点以上の加熱で脱水して重合する特徴を有している。これによって、有機材料の物性が変化し、密度および強度が向上する利点を有する。このような反応は、その化学構造に起因しており、例えば、エリスリトールやソルビトールのような化学構造では起こり難い。
導電性高分子溶液が含有する多価カルボン酸は、上記の多価アルコールと縮重合可能なカルボキシル基を2つ以上持つ。多価カルボン酸は、1種でもよく、2種以上でもよいが、少なくとも1種に、共鳴構造を多く持ち加水分解反応を抑制する芳香族単環、芳香族縮合環を分子内に持つ多価カルボン酸芳香族単環化合物、多価カルボン酸芳香族縮合環化合物を含むことが望ましい。多価カルボン酸芳香族単環化合物、多価カルボン酸芳香族縮合環化合物を使用することにより、耐水性が強化された導電性高分子組成物が得られる。多価カルボン酸芳香族単環化合物、多価カルボン酸芳香族縮合環化合物は特に制限されないが、オルト−フタル酸、ヘミメリト酸、トリメシン酸、メロファン酸、ベンゼンペンタカルボン酸、メリト酸等の多価カルボン酸芳香族単環化合物や4−スルホフタル酸等の多価カルボン酸芳香族単環化合物の誘導体、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸などのナフタレンをカルボン酸のみで置換したもの、2,3−アントラセンジカルボン酸無水物等のアントラセンをカルボン酸のみで置換したもの、ナフタセン、ペンタセン、ベンゾピレン、ベンゾピレン、クリセン、ピレン、トリフェニレン、コランニュレン、コロネン、オバレン等の多環芳香族炭化水素を多価カルボキシル化したもの等の多価カルボン酸芳香族縮合環化合物、3−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジカルボン酸、4−クロロ−1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物、4−スルホ−1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物などの多価カルボン酸芳香族縮合環化合物の誘導体等が挙げられる。
導電性高分子溶液における多価アルコールと多価カルボン酸を合計した含有量は、導電性高分子とドーパントであるポリ酸との複合体100質量部に対して1〜500質量部であることが好ましく、50〜200質量部であることがより好ましい。
導電性高分子溶液は粘度、結着性の改善のために樹脂成分を含んでも良い。
樹脂成分としてはポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリ酪酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリル酸アミド、ポリメタクリル酸エステル、ポリメタクリル酸アミド、ポリアクリロニトリル、スチレン/アクリル酸エステル、酢酸ビニル/アクリル酸エステルおよびエチレン/酢酸ビニルコポリマー、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリスチレン、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルホン、メラミンホルムアルデヒド樹脂、エポキシド樹脂、シリコーン樹脂、セルロース、メラミン化合物、イソシアネート、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリオレフィンまたは、3−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、テトラエトキシシランおよびテトラエトキシシラン水解物等の官能性シラン等が挙げられる。
樹脂成分としてはポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリ酪酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリル酸アミド、ポリメタクリル酸エステル、ポリメタクリル酸アミド、ポリアクリロニトリル、スチレン/アクリル酸エステル、酢酸ビニル/アクリル酸エステルおよびエチレン/酢酸ビニルコポリマー、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリスチレン、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルホン、メラミンホルムアルデヒド樹脂、エポキシド樹脂、シリコーン樹脂、セルロース、メラミン化合物、イソシアネート、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリオレフィンまたは、3−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、テトラエトキシシランおよびテトラエトキシシラン水解物等の官能性シラン等が挙げられる。
樹脂成分の中でも導電性を下げず、水への溶解性も良好な事から水溶性ポリエステルが望ましく、水溶性ポリエステルの中でもスルホン化ポリエステルが望ましい。
〔実施形態例2:導電性高分子組成物〕
本発明の一実施形態に係る導電性高分子組成物は、上記の導電性高分子溶液を乾燥して、溶媒を除去したものであり、基材への密着性と耐水性に優れ、かつ高導電率である。溶媒を除去するための乾燥温度は、導電性高分子の分解温度以下であれば特に制限されないが、300℃以下が好ましい。
本発明の一実施形態に係る導電性高分子組成物は、上記の導電性高分子溶液を乾燥して、溶媒を除去したものであり、基材への密着性と耐水性に優れ、かつ高導電率である。溶媒を除去するための乾燥温度は、導電性高分子の分解温度以下であれば特に制限されないが、300℃以下が好ましい。
〔実施形態例3:電解コンデンサおよびその製造方法〕
本実施形態に係る電解コンデンサは、上記の導電性高分子組成物を含む電解質層を有する。電解質層は、固体状であることが好ましい。本実施形態に係る電解コンデンサにおいては、電解質層を形成する材料が高い被覆性を持つため、低い漏れ電流の電解コンデンサとなる。さらに、コンデンサ素子角部の膜厚を十分に確保できる事から、応力に強くなり電解コンデンサの歩留まりも向上することが見込まれる。図1に、本実施形態に係る電解コンデンサの構造を示す模式的断面図を示す。この電解コンデンサは、陽極導体1上に、誘電体層2、電解質層3がこの順に形成された構造を有している。電解質層3の外周には、グラファイト層4と銀層5形成して陰極を形成し、更に、導電接着剤6を介して外部との接続端子となる電極7に接続される。また、陽極導体1の電解質層3を形成していない面には陽極導体1と同様の弁作用金属からなる金属リード8が設けられており、金属リード8は、陰極とは異なる接続端子の電極7に接続されている。また、全体はエポキシ樹脂等の絶縁性の外装樹脂9で覆われ、電解コンデンサが形成される。
本実施形態に係る電解コンデンサは、上記の導電性高分子組成物を含む電解質層を有する。電解質層は、固体状であることが好ましい。本実施形態に係る電解コンデンサにおいては、電解質層を形成する材料が高い被覆性を持つため、低い漏れ電流の電解コンデンサとなる。さらに、コンデンサ素子角部の膜厚を十分に確保できる事から、応力に強くなり電解コンデンサの歩留まりも向上することが見込まれる。図1に、本実施形態に係る電解コンデンサの構造を示す模式的断面図を示す。この電解コンデンサは、陽極導体1上に、誘電体層2、電解質層3がこの順に形成された構造を有している。電解質層3の外周には、グラファイト層4と銀層5形成して陰極を形成し、更に、導電接着剤6を介して外部との接続端子となる電極7に接続される。また、陽極導体1の電解質層3を形成していない面には陽極導体1と同様の弁作用金属からなる金属リード8が設けられており、金属リード8は、陰極とは異なる接続端子の電極7に接続されている。また、全体はエポキシ樹脂等の絶縁性の外装樹脂9で覆われ、電解コンデンサが形成される。
陽極導体1は、弁作用金属の板、箔または線;弁作用金属の微粒子からなる焼結体;エッチングによって拡面処理された多孔質体金属などによって形成される。弁作用金属としては、タンタル、アルミニウム、チタン、ニオブ、ジルコニウムおよびこれらの合金などが挙げられる。中でも、アルミニウム、タンタルおよびニオブから選択される少なくとも1種の弁作用金属であることが好ましい。本実施形態例に係る陽極導体1としては、少なくとも1つの角部を有し、従来の導電性高分子溶液を塗布・浸漬した時に、該角部での被覆性が問題となる形状に対して、本発明に係る導電性高分子の適用が効果的である。特に、直方体等の角柱構造に対して効果的である。角部21に面取り処理等が行われ、Rがついている場合も含まれる。
誘電体層2は、陽極導体1の表面を電解酸化させることで形成することができる層であり、焼結体や多孔質体などの空孔部にも形成される。誘電体層2の厚みは、電解酸化の電圧及び時間、などの電解酸化処理条件によって適宜調整できる。
電解質層3は、上記の導電性高分子溶液または導電性高分子組成物を含む導電性高分子層で構成される。電解質層3は、図1に示すような単層の導電性高分子層構造でもよいが、多層構造でもよい。図2に示す電解コンデンサでは、電解質層3が、第一の導電性高分子層3Aおよび第二の導電性高分子層3Bからなる。第一の導電性高分子層3Aに含まれる第一の導電性高分子と、第二の導電性高分子層3Bに含まれる第二の導電性高分子は、同一種の導電性高分子を含むことが好ましい。
電解質層3は、さらに、前記導電性高分子溶液を塗布して形成した導電性高分子層以外に、ピロール、チオフェン、アニリンまたはその誘導体を化学酸化重合、電解重合して得られる導電性重合体を含んでいても良い。さらに、本実施形態に係る電解コンデンサでは、電解質層3が導電性高分子以外の電解質を含んでいてもよい。例えば、二酸化マンガン、酸化ルテニウムなどの酸化物誘導体;TCNQ(7,7,8,8−テトラシアノキノジメタンコンプレックス塩)などの有機物半導体、電解液が挙げられる。
電解質層3の形成方法としては、誘電体層2を形成した陽極導体1(以下、コンデンサ素子という)に、前述の導電性高分子溶液を繰り返し塗布または、前述の導電性高分子溶液にコンデンサ素子を浸漬し、その導電性高分子溶液から溶媒を除去する方法が挙げられる。多価アルコールと多価カルボン酸の両方が導電性高分子溶液に含有されている場合、この溶媒を除去する際の乾燥時の加熱により、多価アルコールと多価カルボン酸の縮重合反応が起こる。
上記の様に形成した電解質層3の膜厚について説明する。図3に示すように、陽極導体1の角部21へ導電性組成物を十分に付着させることで、漏れ電流の低減を図ることができ、更に陽極導体1の角部21の膜厚21tと平面部22の膜厚22tとを比較して角部膜厚/平面膜厚の比を1に近づける事が材料の使用効率やコンデンサESRの観点から望ましい。角部膜厚/平面膜厚の比は0.05以上1以下が好ましい。角部膜厚/平面膜厚の比が0.05以上であれば、漏れ電流による不良率を低減することができる。角部膜厚/平面膜厚の比は、実用的には0.1以上0.7以下程度がより好ましい。なお、図3では、陽極導体1は角柱形状であり、誘電体層2は省略しており、金属リード8の形成面と平行な断面について示している。
また、図2に示す電解コンデンサにおける電解質層3は、誘電体層2上に、第一の導電性高分子組成物を与えるモノマーの化学酸化重合または電解重合により、第一の導電性高分子層3Aを形成し、その第一の導電性高分子層3A上に、上記の導電性高分子溶液を塗布または導電性高分子溶液にコンデンサ素子を浸漬し、第二の導電性高分子層3Bを形成する方法で形成することができる。逆に、第一の導電性高分子層3Aを上記の導電性高分子溶液を塗布または導電性高分子溶液にコンデンサ素子を浸漬して形成し、第二の導電性高分子層3Bを化学酸化重合または電解重合により形成してもよい。
第一の導電性高分子組成物を与えるモノマーとしては、ピロール、チオフェン、アニリンおよびそれらの誘導体から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。このモノマーを化学酸化重合または電解重合して第一の導電性高分子組成物を得る際に使用するドーパントとしては、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、フェノールスルホン酸、スチレンスルホン酸およびその誘導体等のスルホン酸系化合物が好ましい。ドーパントの分子量としては、低分子化合物から高分子量体まで適宜選択して用いることができる。溶媒としては、水のみでもよく、水と水に可溶な有機溶媒とを含む混和溶媒でもよい。
塗布または含浸の方法としては、特に制限はされないが、十分に多孔質細孔内部へ導電性高分子水溶液を充填させるために、塗布または含浸後に数分〜数10分放置することが好ましい。浸漬の繰り返しや、減圧方式または加圧方式が好ましい。
本発明に係る導電性高分子溶液はゼータ電位の絶対値が小さくなっているため、長時間放置していると沈殿してしまうことがある。このため、長時間にわたり使用する際には一定時間毎に再攪拌することや、装置自体に導電性高分子溶液を対流させるような攪拌装置やポンプを付けることが考えられる。但し、前記したような分岐型の構造を持つ界面活性剤を含む場合は十分な分散性を保つため、その限りではない。
以下、実施例を参照して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
<比較例1>
導電性高分子としてポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)と、ドーパントとしてポリスチレンスルホン酸と、溶媒として水を含む導電性高分子溶液を調製した。なお、導電性高分子は、特許第2636968号を参考に、モノマーである3,4−エチレンジオキシチオフェン(以下、EDTと略す)と、ドーパント及び分散剤として機能するポリスチレンスルホン酸(以下、PSSと略す)との質量比率がEDT/PSS=1/3となるように水に混合し、化学酸化重合にて重合反応を起こし、重合反応後、未反応のモノマーなどの不純物を取り除き、残部を導電性高分子溶液として得た。得られた導電性高分子溶液において、導電性高分子とドーパントとを合わせた含有量は1.0質量%であった。また、得られた導電性高分子溶液のゼータ電位をELS−Z2(商品名、大塚電子株式会社)にて測定した。結果を表1に示す。
導電性高分子としてポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)と、ドーパントとしてポリスチレンスルホン酸と、溶媒として水を含む導電性高分子溶液を調製した。なお、導電性高分子は、特許第2636968号を参考に、モノマーである3,4−エチレンジオキシチオフェン(以下、EDTと略す)と、ドーパント及び分散剤として機能するポリスチレンスルホン酸(以下、PSSと略す)との質量比率がEDT/PSS=1/3となるように水に混合し、化学酸化重合にて重合反応を起こし、重合反応後、未反応のモノマーなどの不純物を取り除き、残部を導電性高分子溶液として得た。得られた導電性高分子溶液において、導電性高分子とドーパントとを合わせた含有量は1.0質量%であった。また、得られた導電性高分子溶液のゼータ電位をELS−Z2(商品名、大塚電子株式会社)にて測定した。結果を表1に示す。
<比較例2〜4>
EDTとPSSの質量比率を表1の通りに変更した以外は比較例1と同様にして導電性高分子溶液を製造し、ゼータ電位を測定した。結果を表1に示す。
EDTとPSSの質量比率を表1の通りに変更した以外は比較例1と同様にして導電性高分子溶液を製造し、ゼータ電位を測定した。結果を表1に示す。
<実施例1>
本実施例では、比較例1と同様に調製された導電性高分子とドーパントと水を含む導電性高分子溶液100質量部に対して、さらに溶媒としてDMSOを20質量部加えた。このとき導電性高分子とドーパントとを合わせた含有量は1.0質量%であった。この導電性高分子溶液のゼータ電位をELS−Z2(大塚電子株式会社)にて測定した。結果を表1に示す。
本実施例では、比較例1と同様に調製された導電性高分子とドーパントと水を含む導電性高分子溶液100質量部に対して、さらに溶媒としてDMSOを20質量部加えた。このとき導電性高分子とドーパントとを合わせた含有量は1.0質量%であった。この導電性高分子溶液のゼータ電位をELS−Z2(大塚電子株式会社)にて測定した。結果を表1に示す。
<実施例2〜34、比較例5〜16>
EDTとPSSの質量比率、添加有機溶媒、有機溶媒添加量を表1の通りに変更した以外は実施例1と同様にして導電性高分子溶液を製造した。このとき、全ての溶液の導電性高分子とドーパントとを合わせた含有量は1.0質量%であった。ゼータ電位の結果を実施例1同様に表1に示す。
EDTとPSSの質量比率、添加有機溶媒、有機溶媒添加量を表1の通りに変更した以外は実施例1と同様にして導電性高分子溶液を製造した。このとき、全ての溶液の導電性高分子とドーパントとを合わせた含有量は1.0質量%であった。ゼータ電位の結果を実施例1同様に表1に示す。
<比較例17>
タンタル粉末を用いた縦3.5mm、横3.0mm、厚さ1.5mmの直方体に陽極リード3としてタンタルワイヤーが埋め込まれたプレス体を焼結し、タンタル焼結体すなわち陽極導体1を作製した。陽極酸化により陽極導体1の表面に誘電体層2となる酸化皮膜を形成した。次いで、誘電体層2を形成した陽極導体1を、比較例1で製造した導電性高分子溶液に浸漬し引き上げた後、恒温槽中で125℃5分、180℃1時間の乾燥を行い、完全に溶媒を揮発させて乾燥することで、電解質層3を形成した。この時、平面部の膜厚は10〜50μmとなるように作製した。その後、電解質層3の上に、グラファイト層4および銀層5を順番に形成して、電解コンデンサを100個製造した。得られた電解コンデンサの漏れ電流を、デジタルマルチメーターを用いて測定した。ショートしているものを不良として、不良率を求めた。また、測定した100個のコンデンサ素子を半分まで研磨し、コンデンサ素子の角部21と平面部22の膜厚を測定し、平均値を角部膜厚/平面部膜厚比として算出した。両結果を表2に示す。
タンタル粉末を用いた縦3.5mm、横3.0mm、厚さ1.5mmの直方体に陽極リード3としてタンタルワイヤーが埋め込まれたプレス体を焼結し、タンタル焼結体すなわち陽極導体1を作製した。陽極酸化により陽極導体1の表面に誘電体層2となる酸化皮膜を形成した。次いで、誘電体層2を形成した陽極導体1を、比較例1で製造した導電性高分子溶液に浸漬し引き上げた後、恒温槽中で125℃5分、180℃1時間の乾燥を行い、完全に溶媒を揮発させて乾燥することで、電解質層3を形成した。この時、平面部の膜厚は10〜50μmとなるように作製した。その後、電解質層3の上に、グラファイト層4および銀層5を順番に形成して、電解コンデンサを100個製造した。得られた電解コンデンサの漏れ電流を、デジタルマルチメーターを用いて測定した。ショートしているものを不良として、不良率を求めた。また、測定した100個のコンデンサ素子を半分まで研磨し、コンデンサ素子の角部21と平面部22の膜厚を測定し、平均値を角部膜厚/平面部膜厚比として算出した。両結果を表2に示す。
<実施例35〜53,比較例18〜27>
コンデンサ素子形成の際に表2に記載した溶液を用いた以外は比較例17と同様にして、電解コンデンサを製造し、不良率、膜厚比を算出した。結果を表2に示す。
コンデンサ素子形成の際に表2に記載した溶液を用いた以外は比較例17と同様にして、電解コンデンサを製造し、不良率、膜厚比を算出した。結果を表2に示す。
<実施例54>
実施例1で用いた溶液を50mLのPP製広口ビン(商品名「アイボーイ」、アズワン株式会社製)の中に20質量部分取し、1時間かけて十分に攪拌した導電性高分子溶液の外観を確認した。また、この溶液を用いた以外は比較例17と同様にして電解コンデンサを製造し、不良率を算出した。結果を表3に示す。
実施例1で用いた溶液を50mLのPP製広口ビン(商品名「アイボーイ」、アズワン株式会社製)の中に20質量部分取し、1時間かけて十分に攪拌した導電性高分子溶液の外観を確認した。また、この溶液を用いた以外は比較例17と同様にして電解コンデンサを製造し、不良率を算出した。結果を表3に示す。
<実施例55>
実施例1で用いた溶液を50mLの「アイボーイ」の中に20質量部分取し、関東化学株式会社製のドデシルベンゼンスルホン酸(90重量%)を2質量部加えて1時間攪拌した導電性高分子溶液の外観を確認した。また、この溶液を用いた以外は比較例17と同様にして、電解コンデンサを製造し、不良率を算出した。結果を表3に示す。
実施例1で用いた溶液を50mLの「アイボーイ」の中に20質量部分取し、関東化学株式会社製のドデシルベンゼンスルホン酸(90重量%)を2質量部加えて1時間攪拌した導電性高分子溶液の外観を確認した。また、この溶液を用いた以外は比較例17と同様にして、電解コンデンサを製造し、不良率を算出した。結果を表3に示す。
<実施例56>
実施例1で用いた溶液を50mLの「アイボーイ」の中に20質量部分取しBYK−Chemie GmbH製の「DISPER−BYK190」(商品名、40重量%水溶液)を1質量部加えて1時間攪拌した導電性高分子溶液の外観を確認した。また、この溶液を用いた以外は比較例17と同様にして、電解コンデンサを製造し、不良率を算出した。結果を表3に示す。
実施例1で用いた溶液を50mLの「アイボーイ」の中に20質量部分取しBYK−Chemie GmbH製の「DISPER−BYK190」(商品名、40重量%水溶液)を1質量部加えて1時間攪拌した導電性高分子溶液の外観を確認した。また、この溶液を用いた以外は比較例17と同様にして、電解コンデンサを製造し、不良率を算出した。結果を表3に示す。
<実施例57>
実施例54で用いた溶液を20℃で300時間静置した後、攪拌せずに導電性高分子溶液の外観を確認し、比較例17と同様にして電解コンデンサを製造し、不良率を算出した。結果を表3に示す。
実施例54で用いた溶液を20℃で300時間静置した後、攪拌せずに導電性高分子溶液の外観を確認し、比較例17と同様にして電解コンデンサを製造し、不良率を算出した。結果を表3に示す。
<実施例58>
実施例55で用いた溶液を20℃で300時間静置した後、攪拌せずに導電性高分子溶液の外観を確認し、比較例17と同様にして電解コンデンサを製造し、不良率を算出した。結果を表3に示す。
実施例55で用いた溶液を20℃で300時間静置した後、攪拌せずに導電性高分子溶液の外観を確認し、比較例17と同様にして電解コンデンサを製造し、不良率を算出した。結果を表3に示す。
<実施例59>
実施例56で用いた溶液を20℃で300時間静置した後、攪拌せずに導電性高分子溶液の外観を確認し、比較例17と同様にして電解コンデンサを製造し、不良率を算出した。結果を表3に示す。
実施例56で用いた溶液を20℃で300時間静置した後、攪拌せずに導電性高分子溶液の外観を確認し、比較例17と同様にして電解コンデンサを製造し、不良率を算出した。結果を表3に示す。
本発明に係る導電性高分子溶液は、電解コンデンサの製造に限定されず、導電性薄膜、有機EL、ITO代替材料、太陽光発電、等において導電性高分子を重ねて塗布する場合に有効である。
1:陽極導体(弁作用金属)
2:誘電体層
3:電解質層(導電性高分子層)
3A:第一の導電性高分子層
3B:第二の導電性高分子層
4:グラファイト層
5:銀層
6:導電接着剤
7:電極
8:金属リード(弁作用金属)
9:外装樹脂
21:角部膜厚
22:平面部膜厚
2:誘電体層
3:電解質層(導電性高分子層)
3A:第一の導電性高分子層
3B:第二の導電性高分子層
4:グラファイト層
5:銀層
6:導電接着剤
7:電極
8:金属リード(弁作用金属)
9:外装樹脂
21:角部膜厚
22:平面部膜厚
Claims (11)
- 導電性高分子、水、有機溶媒、を含み、ゼータ電位が絶対値50mV以下である導電性高分子溶液。
- 前記有機溶媒が誘電率20以上の極性溶媒である請求項1に記載の導電性高分子溶液。
- 前記有機溶媒がアセトン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ホルムアミドから選ばれる少なくとも1種である請求項2に記載の導電性高分子溶液。
- 前記導電性高分子は、ポリ酸のドーパントを含み、導電性高分子とドーパントの質量比率が1/0.5〜1/10である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の導電性高分子溶液。
- さらに界面活性剤を含む請求項1乃至4のいずれか1項に記載の導電性高分子溶液。
- 前記界面活性剤が分岐型の構造を持つ、請求項5に記載の導電性高分子溶液。
- 前記導電性高分子溶液に含まれる導電性高分子固形分含有量が1質量%以上である、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の導電性高分子溶液。
- 前記導電性高分子は、ピロール、チオフェン、アニリン又はそれらの誘導体から選択される少なくとも1種のモノマーの重合体である請求項1乃至7のいずれか1項に記載の導電性高分子溶液。
- 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の導電性高分子溶液を加熱乾燥して得られる導電性高分子組成物。
- 弁作用金属表面に酸化皮膜を形成したコンデンサ素子表面を請求項9に記載の導電性高分子組成物を含む導電性高分子層で被覆した電解コンデンサであって、コンデンサ素子の角部と平面部の導電性高分子層の膜厚の比(角部膜厚/平面部膜厚)が0.05以上1以下である電解コンデンサ。
- 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の導電性高分子溶液に、弁作用金属表面に酸化皮膜を形成したコンデンサ素子を浸漬、あるいは前記コンデンサ素子に前記導電性高分子溶液を塗布する工程と、
前記導電性高分子溶液を加熱乾燥して導電性高分子層を形成する工程、
とを備える電解コンデンサの製造方法。
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WO2018038201A1 (ja) * | 2016-08-24 | 2018-03-01 | 株式会社村田製作所 | 固体電解コンデンサ素子、固体電解コンデンサ、固体電解コンデンサ素子の製造方法、及び、固体電解コンデンサの製造方法 |
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-
2014
- 2014-10-16 JP JP2014211525A patent/JP2016082052A/ja active Pending
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