JP2016079531A - 帯状物を表組織の緯糸に用いた織物 - Google Patents

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Abstract

【課題】組織の崩れや、カットしたときのほつれやすさなどが防止された、帯状物を表組織の緯糸に用いた織物を提供する。【解決手段】帯状の表組織用緯糸(A)1と、各帯状の表組織用緯糸(A)の間に配置される表組織・地組織連結用緯糸(C)2と、緯糸(A)の表側を押さえるための経糸(D)11と、緯糸(A)の裏側を押さえるための経糸(E)12とを少なくとも含み、経糸(D)と経糸(E)は、記経糸(D)と経糸(E)とが絡んで(15)から緯糸(A)の一方の横側に配置されている緯糸(C)2を挟み込み、更に前記経糸(D)と経糸(E)が絡んで(15)から帯状の表組織用緯糸(A)1を挟み込み、更に経糸(D)と経糸(E)が絡んで(15)から、帯状の表組織用緯糸(A)1の他方の横側に配置されている緯糸(C)2を挟み込み、次いでこの経糸(D)と経糸(E)が更に絡んでいる構造を含んでいる帯状物を表組織の緯糸に用いた織物。【選択図】図1

Description

本発明は、帯状の表組織用緯糸を用いた織物に関する。
帯状の緯糸を用いた織物として、帯状の緯糸又は帯状の緯糸と通常の緯糸との組み合わせを経糸でその上下から挟み込んで、当該緯糸を挟み込む前後で上下の経糸を絡ませて(もじり目とする)織るからみ織により、帯状の緯糸の上を通る経糸の密度を少なくして、帯状の緯糸が表面から見える割合を極めて大きくして当該帯状の緯糸の質感、風合い、色などの特性を発揮させる織物が下記特許文献1などに提案されている。
しかしながら、この織物は、絡み織り組織を採用しているが、帯状の緯糸を上下から挟み込む経糸の織密度が少ないため、当該帯状の緯糸がずれたりして、織組織が斜めにずれるなどの問題が生じるだけでなく、この織物を適宜の大きさにカットすると、ほつれが生じて分解しやすくなるという問題が生じるため、実用化されていない。
もし、組織の崩れや、カットしたときのほつれやすさを防止するため、帯状の緯糸を上下から挟み込む経糸の織密度を大きくすると、帯状の緯糸の上を通る経糸の密度も多くなり、帯状の緯糸が表面から見える割合が極めて小さくなってしまい、当該帯状の緯糸の質感、風合い、色などの特性を発揮させる織物としての特性が消滅してしまうという問題がある。
また、下記特許文献2に提案された織物は、カンガルーなどの革を帯状にして緯糸に用いるものであるが、示された組織は平織であり、帯状の緯糸を経糸でその上下から挟み込んでもいないし、当該緯糸を挟み込む前後で上下の経糸を絡ませて(もじり目とする)織るからみ織でもないので上記特許文献1に示された織物より一層帯状の緯糸がずれたりして、織組織が斜めにずれるなどの問題が生じやすくなり、この織物を適宜の大きさにカットすると、ほつれ、織組織の分解が簡単に生じてしまうという問題が生じる。
特開2005−23467号公報 実用新案登録第3098125号公報
本発明は、帯状物を表組織の緯糸に用いた織物において、上記の問題点を解決し、織物の柔軟性を保持しつつ当該帯状の緯糸の質感、風合い、色などの特性を発揮させながら、組織の崩れや、織物をカットしたときのほつれや分解しやすさなどが防止された、帯状物を表組織の緯糸に用いた織物を提供することを目的とする。
(1)前記課題を解決するため、本発明の帯状物を表組織の緯糸に用いた織物は、帯状の表組織用緯糸(A)と、
前記緯糸(A)の裏側に配置され、当該緯糸(A)1列につき複数列で当該列数が奇数個である地組織用緯糸(B)と、
各帯状の表組織用緯糸(A)の間に配置される表組織・地組織連結用緯糸(C)と、
前記帯状の表組織用緯糸(A)の表側を押さえるための経糸(D)と、前記帯状の表組織用緯糸(A)の裏側を押さえるための経糸(E)と、
前記経糸(D)1列と経糸(E)1列の組み合わせを単位としたときに、前記単位同士間に配置されていて、地組織用緯糸(B)と表組織・地組織連結用緯糸(C)の経糸として織り込まれて地組織を形成するための複数列の経糸(F)とを含み、
前記経糸(D)と経糸(E)は、前記経糸(D)が経糸(E)と絡んでから帯状の表組織用緯糸(A)の一方の横側に配置されている表組織・地組織連結用緯糸(C)の表側を通り、前記経糸(E)は当該緯糸(C)の裏側を通ることにより前記経糸(D)と経糸(E)により表組織・地組織連結用緯糸(C)を挟み込み、更に前記経糸(D)と経糸(E)が絡んでから前記経糸(D)は帯状の表組織用緯糸(A)の表側を通り、経糸(E)は帯状の表組織用緯糸(A)の裏側を通ることにより帯状の表組織用緯糸(A)を挟み込み、更に前記経糸(D)と経糸(E)が絡んでから、前記経糸(D)が前記帯状の表組織用緯糸(A)の他方の横側に配置されている表組織・地組織連結用緯糸(C)の表側を通り、経糸(E)は当該緯糸(C)の裏側を通ることにより前記経糸(D)と経糸(E)により表組織・地組織連結用緯糸(C)を挟み込み、次いでこの経糸(D)と経糸(E)が更に絡んでいる構造を含んでいることを特徴とする。
(2)前記(1)項に記載の帯状物を表組織の緯糸に用いた織物においては、前記、帯状の表組織用緯糸(A)が、天然皮革、合成皮革、不織布、軟質プラスチックシート状物、竹、硬質プラスチックシート状物から選ばれた少なくとも1種の帯状長尺物であることが好ましい。
(3)前記(1)項に記載の本発明の織物においては、前記、帯状の表組織用緯糸(A)が、天然皮革、合成皮革、不織布、又は、軟質プラスチックシート状物の帯状長尺物から選ばれた少なくとも1種であり、前記帯状の表組織用緯糸(A)の裏側を押さえるための経糸(E)の長さを、前記帯状の表組織用緯糸(A)の表側を押さえるための経糸(D)の長さよりも短くすることにより、帯状の表組織用緯糸(A)がその長さ方向に対し直角方向の横断面形状が表面側に凸になる突起模様が形成されていることが好ましい。
(4)前記(1)項〜(3)項のいずれかに記載の本発明の織物においては、帯状の表組織用緯糸(A)の幅が、1.5〜7mmであることが好ましい。
(5)また、前記(1)項〜(4)項のいずれかに記載に記載の本発明の織物においては、前記地組織用緯糸(B)と表組織・地組織連結用緯糸(C)の経糸として織り込まれて地組織を形成するための複数列の経糸(F)とからなる部分の織組織が平織であり、前記複数列の経糸(F)の列数が2列又は4列又は6列であることが好ましい。
(6)また、前記(1)項〜(5)項のいずれかに記載の本発明の織物においては、帯状の表組織用緯糸(A)の表側を押さえるための経糸(D)1列と、前記帯状の表組織用緯糸(A)の裏側を押さえるための経糸(E)1列とからなる組み合わせを単位とした場合に、生地横方向に数えて奇数列番目の経糸(D)と(E)の単位は、生地縦方向に数えて奇数列番目の帯状の表組織用緯糸(A)の表側と裏側を押さえて帯状の表組織用緯糸(A)を挟み込み、生地横方向に数えて偶数列番目の経糸(D)と(E)の単位は、生地縦方向に数えて偶数列番目の帯状の表組織用緯糸(A)の表側と裏側を押さえて帯状の表組織用緯糸(A)を挟み込んでいるか、
又は、生地横方向に数えて奇数列番目の経糸(D)と(E)の単位は、生地縦方向に数えて偶数列番目の帯状の表組織用緯糸(A)の表側と裏側を押さえて帯状の表組織用緯糸(A)を挟み込み、生地横方向に数えて偶数列番目の経糸(D)と(E)の単位は、生地縦方向に数えて奇数列番目の帯状の表組織用緯糸(A)の表側と裏側を押さえて帯状の表組織用緯糸(A)を挟み込んでいることにより、
経糸(D)と(E)の単位は、帯状の表組織用緯糸(A)を一つ置きにその表裏をそれぞれ押さえて挟み込んでおり、
経糸(D)と(E)が、それぞれ帯状の表組織用緯糸(A)の表側と裏側を押さえていない部分は、前記地組織用緯糸(B)と表組織・地組織連結用緯糸(C)の経糸として織り込まれて地組織の一部を形成していることが好ましい。
(7)また、前記(6)項に記載に記載の本発明の織物においては、前記経糸(D)と(E)が、それぞれ帯状の表組織用緯糸(A)の表側と裏側を押さえて挟み込んでいない部分であって、前記地組織用緯糸(B)と表組織・地組織連結用緯糸(C)の経糸として織り込まれて地組織の一部を形成している部分の織組織が、
前記経糸(D)は経糸(E)と絡んでから一つの表組織・地組織連結用緯糸(C)の表側を通り、前記経糸(E)は当該緯糸(C)の裏側を通ることにより当該表組織・地組織連結用緯糸(C)を挟み込み、更に前記経糸(D)と経糸(E)が絡んでから前記経糸(D)は前記地組織用緯糸(B)の裏側、表側と順次裏側、表側を繰り返し通り、前記経糸(E)は前記地組織用緯糸(B)の表側、裏側、と順次表側、裏側を繰り返し通り、前記経糸(D)と経糸(E)は次の表組織・地組織連結用緯糸(C)に達する直前に絡んでから、前記経糸(D)は次の表組織・地組織連結用緯糸(C)の表側を通り、前記経糸(E)は当該緯糸(C)の裏側を通ることにより当該表組織・地組織連結用緯糸(C)を挟み込み、次いでこの経糸(D)と経糸(E)が更に絡んでいる構造を含んでいることが好ましい。
(8)また、前記(7)項に記載の本発明の織物においては、
前記(7)項の織物において、
前記経糸(D)は前記地組織用緯糸(B)の裏側、表側と順次裏側、表側を繰り返し通り、前記経糸(E)は前記地組織用緯糸(B)の表側、裏側、と順次表側、裏側を繰り返し通る部分に代え、
前記経糸(D)と前記経糸(E)は前記地組織用緯糸(B)を横切る前後で互いに絡んでいることにより前記地組織用緯糸(B)を前記経糸(D)と前記経糸(E)で挟み込んでいる構造を少なくとも1つ含んでいることが好ましい。
(1)本発明の組織の織物とすることにより、帯状物を表組織の緯糸に用いた織物において、上記の問題点を解決し、織物の柔軟性を保持しつつ当該帯状の緯糸の質感、風合い、色などの特性を発揮させながら、組織の崩れや、織物をカットしたときのほつれや分解しやすさなどが防止された、織物を提供できる。特に、帯状の表組織用緯糸(A)の表側と裏側を押え挟み込むために用いられた前記経糸(D)と前記経糸(E)が更に前記帯状の表組織用緯糸(A)の両横側に配置されている表組織・地組織連結用緯糸(C)にも絡み織り組織で絡んでいるので、表組織と地組織の相互連携によるしっかりした織組織となり、上記機能が十分に発揮される利点を有する。更に、地組織用緯糸(B)と表組織・地組織連結用緯糸(C)の経糸として織り込まれて地組織を形成するための複数列の経糸(F)とを有するので地組織をしっかりしたものにしており、その結果、上記機能が十分に発揮される利点を有する。
(2)前記(2)項に記載のように、帯状の表組織用緯糸(A)の素材として、天然皮革、合成皮革、不織布、軟質プラスチックシート状物、竹、硬質プラスチックシート状物から選ばれた少なくとも1種の帯状長尺物とすることにより、当該素材の質感、風合い、色、触感などの各素材特有の特性を発揮させた織物を提供でき好ましい。
(3)また、前記(3)項に記載のように、帯状の表組織用緯糸(A)の素材として、軟質の素材を用い前記帯状の表組織用緯糸(A)の裏側を押さえるための経糸(E)の長さを、前記帯状の表組織用緯糸(A)の表側を押さえるための経糸(D)の長さよりも短くすることにより、帯状の表組織用緯糸(A)がその長さ方向に対し直角方向の横断面形状が表面側に凸になる突起模様が形成されるようにすることにより、立体感のある表面模様が発現し、特有の風合いの織物とすることができ好ましい。
(4)また、前記(4)項に記載のように、帯状の表組織用緯糸(A)の幅を、1.5〜7mmの好ましい範囲とすることにより、織物の強度、風合いのバランスを保って、且つ、織機で問題なく織れる範囲の緯糸として使用することができ好ましい。
(5)また、前記(5)項に記載のように、前記地組織用緯糸(B)と表組織・地組織連結用緯糸(C)の経糸として織り込まれて地組織を形成するための複数列の経糸(F)とからなる部分の織組織が平織であり、前記複数列の経糸(F)の列数が2列又は4列又は6列である好ましい態様とすることにより、地組織の風合いの柔軟性を保持したまま、しっかりした地組織とすることができ、従って、織物全体として、織物の柔軟性を保持しつつ当該帯状の緯糸の質感、風合い、色などの特性を発揮させながら、組織の崩れや、織物をカットしたときのほつれや分解しやすさなどが一層防止された、織物を提供でき好ましい。
(6)また前記(6)項に記載の構成とすることにより、表面側の柄模様が、いわゆる“一の字繋ぎ”(平行な線の間を交互に垂直線で区切った模様のこと、横長の同じ大きさの長方体を交互に積み上げたレンガ積みのような模様、後述の図9や図12で示されるような模様)の模様とすることができ好ましい。
(7)また前記(7)項に記載の構成とすることにより、帯状の表組織用緯糸(A)の表側と裏側を押さえて挟み込んでいない部分の前記経糸(D)と(E)が、前記地組織用緯糸(B)と平織組織で織り込まれるので、組織の崩れや、織物をカットしたときのほつれや分解しやすさなどが一層防止された、織物を提供でき好ましい。
(8)また前記(8)項に記載の構成とすることにより、帯状の表組織用緯糸(A)の表側と裏側を押さえて挟み込んでいない部分の前記経糸(D)と(E)が、前記地組織用緯糸(B)を横切る前後で互いに絡んでいる構造を少なくとも1つ含んでいることにより前記地組織用緯糸(B)を前記経糸(D)と前記経糸(E)で挟み込んでいる構造を少なくとも1つ含んでいる態様となり、帯状の表組織用緯糸(A)の表側と裏側を押え挟み込むために用いられた前記経糸(D)と前記経糸(E)が更に前記地組織用緯糸(B)との絡み織り部分を少なくとも有するので、組織の崩れや、織物をカットしたときのほつれや分解しやすさなどが更により一層防止された、織物を提供でき好ましい。
本発明の一実施形態の織物を説明するための表側から見た模式的組織図。 図1の織物において帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)を除いた状態で表面から見た模式的組織図。 図1のF−F´部の断面の端面模式図(但し図1のQで示す領域のみを表示した図)。 図1のG−G´部の断面の端面模式図(但し図1のQで示す領域のみを表示した図)。 図1のD−D´部の断面の端面模式図(但し図1のQで示す領域のみを表示した図)。 図1のE−E´部の断面の端面模式図(但し図1のQで示す領域のみを表示した図)。 経糸(D)と経糸(E)の絡んでいる構造を説明するための模式的概念図。 本発明の一実施形態の織物表面模様を示した部分的斜視図。 図8の織物の表面側から見た平面図。 本発明の別の実施形態の織物であって図1のF−F´部に相当する部位の断面の端面図(図3に相当する別の実施形態の断面の端面図)。 本発明の別の実施形態の織物であって図1のG−G´部に相当する部位の断面の端面図(図4に相当する別の実施形態の断面の端面図)。 扁平な帯状の表組織用緯糸とした場合の得られる織物の一実施形態例の表側から見た概略平面図。 図1の実施形態とは異なる本発明の別の実施形態例の織物の表側から見た模式的組織図。 図1の実施形態とは異なる本発明の更に別の実施形態例の織物の表側から見た模式的組織図。 図14の実施形態とは異なる本発明の更に別の実施形態例の織物の表側から見た模式的組織図。 図14や図15の組織で織物を作成した場合の、得られる織物の一実施形態例の表側から見た概略平面図。 図14や図15の組織で織物を作成した場合の、得られる織物の別の一実施形態例の表側から見た概略平面図。 図2に対応する別態様の図面。 図18のF−F´部の断面の端面模式図。 図18のG−G´部の断面の端面模式図。 図10に対応する別態様の図面。 図11に対応する別態様の図面。
以下、本発明で採用する織組織はやや複雑なので、理解を容易にするために、図面を引用しながら説明するが、本発明は図面で引用した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の目的を阻害しない限り、図面に示された態様や、以下に説明した態様を適宜組み合わせた織物にすることも含むものである。
図1に本発明の帯状物を表組織の緯糸に用いた一実施形態の織物を説明するための表側から見た模式的組織図を示し、図2に図1の帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)を除いた状態で表面から見た模式的組織図を示している。図2は、図1の帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)を除いた状態で表面から見た模式的組織図で図1のPで示す領域とQで示す領域の重なる部分の領域のみを示しているが、表組織用緯糸(A)(符号1)の表側を押さえるための経糸(D)(符号11)と、前記帯状の表組織用緯糸(A)の裏側を押さえるための経糸(E)(符号12)で図1の帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)を表裏から押さえて帯状の表組織用緯糸(A)を挟み込んでいる部分(例えば図1の上から2番目の帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)を表裏から押さえている部分で最も右側の経糸(D)と経糸(E)の列の部分など)の経糸(D)(符号11)と経糸(E)(符号12)はその糸の縁を点線で描き、表組織用緯糸(A)(符号1)の表側を押さえるための経糸(D)(符号11)及び前記帯状の表組織用緯糸(A)の裏側を押さえるための経糸(E)(符号12)で図1の帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)を表裏から押さえておらず帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)の下側を通過している部分(例えば図1の上から2番目の帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)を表裏から押さえて帯状の表組織用緯糸(A)を挟み込んでおらず帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)の下側を通過している部分で右側から2列目の経糸(D)と経糸(E)の列の部分など)はその糸の縁を実線で描いた模式的組織図である。
図3は、図1のF−F´部の断面の端面模式図(但し図1のQで示す領域のみを表示した図)、図4は、図1のG−G´部の断面の端面模式図(但し図1のQで示す領域のみを表示した図)、図5は、図1のD−D´部の断面の端面模式図(但し図1のQで示す領域のみを表示した図)、図6は、図1のE−E´部の断面の端面模式図(但し図1のQで示す領域のみを表示した図)であり、1が帯状の表組織用緯糸(A)、2が表組織・地組織連結用緯糸(C)、3が地組織用緯糸(B)、11が表組織用緯糸(A)(符号1)の表側を押さえるための経糸(D)、12が前記帯状の表組織用緯糸(A)の裏側を押さえるための経糸(E)、13a、13bが地組織を形成するための経糸(F)、15が経糸(D)と経糸(E)が絡んでいる部分(もじり目)を示している。尚、参考までに図2にも、図1のF−F´部、G−G´部、D−D´部、E−E´部に相当する部位を同様に示してある。
図1〜図6において、本発明の織物は、帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)の裏側に配置され、当該緯糸(A)1列につき複数列で当該列数が奇数個である地組織用緯糸(B)(図2〜図5の符号3)(図1においては、地組織用緯糸(B)は帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)の下に隠れてしまうので、図1には図示されていない)と、
各帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)の間に配置される表組織・地組織連結用緯糸(C)(符号2)と、
前記帯状の表組織用緯糸(A)の表側を押さえるための経糸(D)(符号11)と、前記帯状の表組織用緯糸(A)の裏側を押さえるための経糸(E)(符号12)と、
前記経糸(D)1列と経糸(E)1列の組み合わせを単位としたときに、前記単位同士間に配置されていて、地組織用緯糸(B)(符号3)と表組織・地組織連結用緯糸(C)(符号2)の経糸として織り込まれて地組織を形成するための複数列の経糸(F)(符号13a、13b)とを含み、
前記経糸(D)(符号11)と経糸(E)(符号12)は、前記経糸(D)が経糸(E)と絡んでから(絡んでいる部分を符号15で示した。「もじり目」とも言う。)帯状の表組織用緯糸(A)の一方の横側に配置されている表組織・地組織連結用緯糸(C)(符号2)の表側を通り、前記経糸(E)(符号12)は当該緯糸(C)(符号2)の裏側を通ることにより当該表組織・地組織連結用緯糸(C)(符号2)を挟み込み、更に前記経糸(D)(符号11)と経糸(E)(符号12)が絡んでから前記経糸(D)(符号11)は帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)の表側を通り、経糸(E)(符号12)は帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)の裏側を通ることにより当該帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)を挟み込み、更に前記経糸(D)と経糸(E)が絡んでから、前記経糸(D)(符号11)が前記帯状の表組織用緯糸(A)の他方の横側に配置されている表組織・地組織連結用緯糸(C)(符号2)の表側を通り、経糸(E)(符号12)は当該緯糸(C)(符号2)の裏側を通ることにより当該表組織・地組織連結用緯糸(C)(符号2)を挟み込み、次いでこの経糸(D)と経糸(E)が更に絡んでいる構造を含んでいることを特徴とする。
ここで、前記経糸(D)(符号11)と経糸(E)(符号12)の前記組織の説明で、本発明で言う「絡む」、「絡んでいる」という構造について一般的に図7を用いて説明する。
この図は、上記の点「絡み」部分の構造を理解を容易にするため一般的に説明するためのものであり、緯糸(53,54,55)は、一般的な緯糸を示したもので、本発明の帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)や表組織・地組織連結用緯糸(C)(符号2)を用いて図示したものではない。
図7[a]において、経糸11と12をそれぞれ矢印aとbの方向に引っ張って、経糸11と12を図7[b]に示したように交叉(クロス)させる(交叉しただけでは「絡む」とは言わない)。次に図7[b]の点cを図面用紙の裏側方向且つ図の下側方向に向けて回動させ、同時に図7[b]の点dを図面用紙の表側方向且つ図の上側方向に向けて回動させ図7[c]の状態にする。但し、図7[c]は、理解を容易にするため緯糸(53,54,55)の織り込み位置も示してある。符号15の部分が「絡む」、「絡んでいる」という構造の部分である。一般的にこの様な構造を用いた織方は絡み織(「搦み織」と言う文字も使用されている)や捩り織(もじりおりと読む)とも称され、「捩り織」の文字からも明らかなように、2本の経糸がねじれて絡んでから、緯糸の上下をはさんで通過し、再度ねじれて絡んでいる。符号15の部分をもじり目とも称する。
本発明においては、前記帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)の表側を通り帯状の表組織用緯糸(A)をカバーする経糸(D)(符号11)やそれと対になっている経糸(E)(符号12)の織り密度(織り込み間隔)を通常の織物に比べて比較的小さい密度(すなわち織り込み間隔が大きい)にすることにより、帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)の表側に現れる割合をかなり多くして、表側に帯状の表組織用緯糸(A)の独特の風合いが出るようにしても、組織の崩れや、帯状の表組織用緯糸(A)の抜けが生じなくなる。その理由は上記経糸(D)(符号11)とそれと対になっている経糸(E)(符号12)の絡み構造でしっかりと表組織用緯糸(A)をはさみこむとともに、上記経糸(D)と経糸(E)は、表組織・地組織連結用緯糸(C)(符号2)にも絡み構造(もじり構造)でしっかりと織り込まれており、且つ、表組織・地組織連結用緯糸(C)(符号2)は、更に、地組織用緯糸(B)(符号3)と表組織・地組織連結用緯糸(C)(符号2)の経糸として織り込まれて地組織を形成するための複数列の経糸(F)(符号13a、13b)によって地組織を形成しており、表組織・地組織連結用緯糸(C)(符号2)には、地組織を形成するための複数列の経糸(F)(符号13a、13b)と帯状の表組織用緯糸(A)を表面側から押さえる経糸(D)(符号11)やそれと対になっている経糸(E)(符号12)も織り込まれており、表組織が地組織としっかりと結合し、一体となっていることも組織の崩れやほつれ、帯状の表組織用緯糸(A)の抜けなどが生じなくなる効能に寄与している。経糸(D)(符号11)と(E)(符号12)が、それぞれ帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)の表側と裏側を押さえていない部分(帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)の表側と裏側を挟み込んでいない部分)は、図2に例示したように(そのほか図3中の右側の断面が湾曲した帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)の下側部分や図4中の左側の断面が湾曲した帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)の下側部分参照)、この実施形態においては前記地組織用緯糸(B)(符号3)と表組織・地組織連結用緯糸(C)(符号2)の経糸として織り込まれて地組織の一部も補強している。図2〜図4の例では、地組織を形成するための複数列の経糸(F)(符号13a、13b)と帯状の表組織用緯糸(A)をカバーする経糸(D)(符号11)やそれと対になっている経糸(E)(符号12)が織り込まれている部分(経糸(D)(符号11)と(E)(符号12)が、帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)の表側と裏側を挟み込んでいない部分)の織組織は平織り組織である。また、地組織用の複数列の経糸(F)(符号13a、13b)が表組織・地組織連結用緯糸(C)(符号2)と地組織用緯糸(B)(符号3)に織り込まれている部分の組織は特に限定するものではないがこの例では平織り組織である(図2、図5、図6参照)。
このことを別の表現で表現したものが、前記(7)項であり、前記経糸(D)(符号11)と(E)(符号12)が、それぞれ帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)の表側と裏側を押さえて挟み込んでいない部分であって、前記地組織用緯糸(B)(符号3)と表組織・地組織連結用緯糸(C)(符号2)の経糸として織り込まれて地組織の一部を形成している部分の織組織が、
前記経糸(D)(符号11)が経糸(E)(符号12)と絡んでから一つの表組織・地組織連結用緯糸(C)(符号2)の表側を通り、前記経糸(E)(符号12)は当該緯糸(C)(符号2)の裏側を通り、更に前記経糸(D)(符号11)と経糸(E)(符号12)が絡んでから前記経糸(D)(符号11)は前記地組織用緯糸(B)(符号3)の裏側、表側と順次裏側、表側を繰り返し通り、前記経糸(E)(符号11)は前記地組織用緯糸(B)(符号3)の表側、裏側、と順次表側、裏側を繰り返し通り、前記経糸(D)(符号11)と経糸(E)(符号12)は次の表組織・地組織連結用緯糸(C)(符号2)に達する直前に絡んでから、前記経糸(D)(符号11)が次の表組織・地組織連結用緯糸(C)(符号2)の表側を通り、前記経糸(E)(符号12)は当該緯糸(C)(符号2)の裏側を通り、次いでこの経糸(D)(符号11)と経糸(E)(符号12)が更に絡んでいる構造を含んでいることが好ましいのである[図2、図3、図4の経糸(D)(符号11)と経糸(E)(符号12)が帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)の表側と裏側を挟み込んでいない部分参照]。
前記経糸(D)(符号11)と経糸(E)(符号12)が、それぞれ帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)の表側と裏側を押さえて挟み込んでいない部分の上述した態様は、前記経糸(D)(符号11)と経糸(E)(符号12)が地組織用緯糸(B)(符号3)に平織り組織で織り込まれている態様を示したが、前記(8)項にも示した様に、帯状の表組織用緯糸(A)の表側と裏側を押さえて挟み込んでいない部分の前記経糸(D)と(E)が、前記地組織用緯糸(B)を横切る前後で互いに絡んでいることにより前記地組織用緯糸(B)を前記経糸(D)と前記経糸(E)で挟み込んでいる構造を少なくとも1つ含んでいる態様とすることも組織の崩れや、織物をカットしたときのほつれや分解しやすさなどが更により一層防止された、織物を提供でき好ましい。
この態様の一例を、図18、図19、図20に示し(これらは、帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)がその長さ方向に対し直角方向の横断面形状が表面側に凸になっている態様)、更に、この変形態様で、帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)がその長さ方向に対し直角方向の横断面形状が表側に凸とならず平面となる扁平な帯状の表組織用緯糸(A)を形成している場合の一実施形態例を図21、図22に示した。
図18は、図2に対応する別態様の図面であり、図19、図20は、それぞれ図18のF−F´部の断面の端面模式図、並びに図18のG−G´部の断面の端面模式図であり、、図19は図3に対応する別態様の図面、図20は図4に対応する別態様の図面の相当することになる。図2、図3、図4と同じ部分は同じ符号をつけて、再度の重複説明を省略している。図2、図3、図4と異なる部分は前記経糸(D)(符号11)と経糸(E)(符号12)が地組織用緯糸(B)(符号3)に織り込まれている部分が平織り組織で織り込まれているのではなく、符号15Bで示した様に、「絡んでいる」すなわち、もじり目が形成された絡み構造を有している点である。これらの図では、帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)1列につき、その裏側に配置される地組織用緯糸(B)(符号3)が3列の場合を例示しているが、地組織用緯糸(B)(符号3)は、5列、7列、9列など帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)の幅に応じて増やすこともできるが、その場合、符号15Bで示した様な「絡んでいる」構造は、すべての地組織用緯糸(B)(符号3)に対して「絡んでいる」構造としてもよいし、部分的に一部の地組織用緯糸(B)(符号3)に対して「絡んでいる」構造としてもよい。なお、これらの織物をその表組織側から見た図は、例えば図1と実質上同一になる。
また、図21、図22は、後述する図10、図11に対応する別態様の図面、あるいは上述した図19、図20において、帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)がその長さ方向に対し直角方向の横断面形状が表側に凸とならず平面となる扁平な帯状の表組織用緯糸(A)を形成している場合の一実施形態例に相当する端面模式図である。帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)がその長さ方向に対し直角方向の横断面形状が表側に凸とならず平面となる扁平な帯状の表組織用緯糸(A)を形成している点を除いて、実質上、図19、図20で示した態様と同様であり、同じ部分に同じ符号を付して、重複説明を省略している。帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)がその長さ方向に対し直角方向の横断面形状が表側に凸とならず平面となる扁平な帯状の表組織用緯糸(A)を形成している場合の一実施形態例については、後述する図10や図11の態様でも説明している。これらの図では、帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)1列につき、その裏側に配置される地組織用緯糸(B)(符号3)が3列の場合を例示しているが、地組織用緯糸(B)(符号3)は、5列、7列、9列など帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)の幅に応じて増やしてもよいが、その場合、符号15Bで示した様な「絡んでいる」構造は、すべての地組織用緯糸(B)(符号3)に対して「絡んでいる」構造としてもよいし、部分的に一部の地組織用緯糸(B)(符号3)に対して「絡んでいる」構造としてもよい。なお、これらの織物をその表組織側から見た図は、例えば、図1と実質上同一になる。
次に、前記経糸(D)と経糸(E)の織密度は、表面側の所望する模様によって異ならせるが、特に限定するものではないが、前記経糸(D)と経糸(E)併せて1セットを1列とすると、緯幅1cmあたり2列〜8列、好ましくは3〜7列程度が好ましい。あまりに織密度が小さすぎると、織組織ずれ、カットした場合のほつれが生じて分解しやすくなる傾向が生じやすくなる、あまりに織密度が大きすぎると、帯状の緯糸が表面から見える割合がかなり小さくなってしまい、当該帯状の緯糸の質感、風合い、色などの特性を発揮させる織物としての特性が減退する傾向になるので、上記の範囲が好ましい。
なお、図2〜図4、図10〜図11、図18〜図22では、帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)1列につき、その裏側に配置される地組織用緯糸(B)(符号3)が3列の場合を例示しているが、5列、7列、9列など帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)の幅に応じて増やすことができる。通常、3列、5列、7列、9列の奇数列から選ばれた列とすることが好ましい(他の図に示した態様においても同様)。
また、図1や図2において、前記経糸(D)(符号11)1列と経糸(E)(符号12)1列の組み合わせを単位としたときに、前記単位同士間に配置されている地組織を形成するための複数列の経糸(F)(符号13a、13b)の列数は2列の場合を図示しているが、偶数の2列、4列又は6列とするのが好ましいし、通常2列づつで十分である。あまりに列数を多くしすぎると、織物の柔軟性が低下する傾向になるので、上記の範囲が好ましい。他の態様についても同様である。
そして、図3〜図6並びに図19〜図20で示した例は、帯状の表組織用緯糸(A)として、天然皮革、合成皮革、不織布、又は、軟質プラスチックシート状物(なお、天然皮革、合成皮革にはスエード調その他の各種態様を含む)、の帯状に裁断された長尺物、すなわち、幅方向に柔軟性を有する帯状物を用い、前記帯状の表組織用緯糸(A)の裏側を押さえるための経糸(E)の張力を前記帯状の表組織用緯糸(A)の表側を押さえるための経糸(D)の張力より強くするなどの適宜の手段により、前記帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)の裏側を押さえるための経糸(E)(符号12)の長さを、前記帯状の表組織用緯糸(A)の表側を押さえるための経糸(D)(符号11)の長さよりも短くすることにより、帯状の表組織用緯糸(A)がその長さ方向に対し直角方向の横断面形状が表面側に凸になる突起模様が形成されている態様を示したものである。
この態様は、図3や図4或いは図19や図20からもわかるように、帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)の表側を押さえるための経糸(D)(符号11)が帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)の表側を押さえている部分は、当該経糸(D)(符号11)により表面側に凸になる突起模様のふくらみ具合が若干抑えられることになる。帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)の表側を押さえるための経糸(D)(符号11)が帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)の表側を押さえていない部分は、表面側に凸になる突起模様が前者の部分より高くなる。この様子を部分的に織物表面模様を斜視図で示したのが図8である。図9は当該織物の表面側から見た平面図である。図8や図9は一実施形態例である。経糸(D)(符号11)により表面側に凸になる突起模様のくびれる部分の程度は、帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)の表側を押さえるための経糸(D)(符号11)の張力を調整するなどして経糸(D)の長さにより適宜決めればよい。あまりくびれを大きくしたくなければ、当然、経糸(D)(符号11)の長さを長めにすればよい。
そして、このように帯状の表組織用緯糸(A)の長さ方向に対し直角方向の横断面形状が表面側に凸になる突起模様を形成するには、帯状の表組織用緯糸(A)として、幅方向に柔軟性を有する帯状物を用い、前記帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)の裏側を押さえるための経糸(E)(符号12)の長さを、前記帯状の表組織用緯糸(A)の表側を押さえるための経糸(D)(符号11)の長さよりも短くすることにより達成できる。どの程度前記帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)の裏側を押さえるための経糸(E)(符号12)の長さを、前記帯状の表組織用緯糸(A)の表側を押さえるための経糸(D)(符号11)の長さよりも短くするかについては、用いる帯状の表組織用緯糸(A)の素材の種類、その幅、厚み、凸にする場合のふくらみの高さ、用いる他の繊維の太さなどによって異なるが、例えば、前記帯状の表組織用緯糸(A)の表側を押さえるための経糸(D)(符号11)の長さを1とした場合、前記帯状の表組織用緯糸(A)の裏側を押さえるための経糸(E)の長さの比が0.5〜0.7程度の割合で適宜、目的の模様に応じて調整すればよい。
また、図10や図11あるいは図21や図22で示したように帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)の長さ方向に対し直角方向の横断面形状が表側に凸とならず平面となる扁平な帯状の表組織用緯糸(A)を形成するには、帯状の表組織用緯糸(A)として、竹の帯状に裁断された長尺物、硬質プラスチック帯状長尺物、エナメル加工皮革などの硬質素材の帯状の表組織用緯糸(A)を用いるか、前記のような軟質素材の帯状の表組織用緯糸(A)を用いた場合でも、前記帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)の裏側を押さえるための経糸(E)(符号12)の長さを、前記帯状の表組織用緯糸(A)の表側を押さえるための経糸(D)(符号11)の長さよりもあまり短くせずに、両者の長さをほぼ同じ程度か、若干、経糸(E)(符号12)の長さを経糸(D)(符号11)の長さより短くする程度にとどめることで達成できる。図10や図11あるいは図21や図22の帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)の上側を通過している経糸(D)(符号11)とその下側を通過する経糸(E)(符号12)などを比べると理解されるように、通常、帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)は、厚みが通常の繊維を用いた場合に比べて厚いことが多いので、経糸(D)(符号11)の長さが経糸(E)(符号12)の長さより若干長くなる場合が多い。言い換えれば、若干、経糸(E)(符号12)の長さを経糸(D)(符号11)の長さより短くしておくことも必要な場合がしばしばある。この場合において、用いる帯状の表組織用緯糸(A)の素材の種類、その幅、厚み、用いる他の繊維の太さなどによって異なるが、例えば、前記帯状の表組織用緯糸(A)の表側を押さえるための経糸(D)(符号11)の長さを1とした場合、前記帯状の表組織用緯糸(A)の裏側を押さえるための経糸(E)の長さの比が1〜0.9、より好ましくは1〜0.95程度の割合で適宜、調整すればよい。
なお、図10及び図11は、帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)の長さ方向に対し直角方向の横断面形状が表側に凸とならず平面となる扁平な帯状の表組織用緯糸(A)を形成した本発明の織物の別の一実施形態例であり、図10は図1のF−F´部に相当する部位の別態様の断面の端面図(図3に相当する断面の別態様の端面図)であり、図11は図1のG−G´部に相当する部位の別態様の断面の端面図(図4に相当する断面の別態様の端面図)である。図3や4との違いは、帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)の長さ方向に対し直角方向の横断面形状が表側に凸となっているか平面となる扁平な帯状の表組織用緯糸(A)を形成しているかの違いであるので、同じ部分には図3や4と同一の符号を付して、詳細説明を省略した。なお、図21、図22についても、図10及び図11の別の態様に相当するものであるが、前述したように、図10及び図11と対応する別態様の図面であり、図19や図20の態様において、帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)を扁平な形状にしたものであり、図19や図20と同じ部分には同じ符号を付して、詳細説明を省略している。
このような、扁平な帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)とした場合の得られる織物の一実施形態例の表側から見た概略平面図を、図12に示した。他の図も同様であるが、帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)同士の境目は肉眼で見えるが、その間に配置される表組織・地組織連結用緯糸(C)(符号2)は、肉眼で見えなくなるものもある。
なお、意匠性を向上させる場合に、表組織・地組織連結用緯糸(C)(符号2)を天然皮革、合成皮革、軟質プラスチックの紐状物(太さ1.5〜2mm程度)あるいはこれらの素材の長さ方向に対し直角方向の横断面形状が略四角形の長尺物(幅1.5〜2mm、厚さ0.5〜1mm)を用いて、表側にこの表組織・地組織連結用緯糸(C)が見えるようにしてもよい。
次に、図13に図1に示した実施形態とは若干異なる別の実施形態例の織物の表側から見た図1と同様の模式的組織図を示した。図1に示した実施形態と主に異なるのは、前記経糸(D)1列と経糸(E)1列の組み合わせ単位の絡み(もじり)が隣接する同単位と左右対称となっている点である。この点を除いて図1を用いて説明した実施形態例とほぼ同様であるので、図1と同じ部分には同一の符号を付して、詳細説明を省略した。
図9及び図12では、図1〜4や図13などで説明したような、帯状の表組織用緯糸(A)を挟んで横切る経糸(D)(符号11)と経糸(E)(符号12)が一つおきに帯状の表組織用緯糸(A)を挟む態様を示したが、図14に別の実施形態例として帯状の表組織用緯糸(A)を挟んで横切る経糸(D)(符号11)と経糸(E)(符号12)が一つおきでなくすべての帯状の表組織用緯糸(A)を挟む態様で図1に示した態様とは若干異なる別の実施形態例の織物の表側から見た図1と同様の模式的組織図を示した。
図1に示した実施形態と主に異なるのは、帯状の表組織用緯糸(A)を挟んで横切る経糸(D)(符号11)と経糸(E)(符号12)が一つおきでなくすべての帯状の表組織用緯糸(A)を挟む態様である点を除いて図1を用いて説明した実施形態例とほぼ同様であるので、図1と同じ部分には同一の符号を付して、詳細説明を省略した。なお、この態様の場合、経糸(E)(符号12)は、帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)の下側を通る際には、図3の右側に示された帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)のところに図示されたように、帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)の裏側で地組織用緯糸(B)(符号3)の上側を通ることになる。
図15に図14に示した実施形態とは若干異なる別の実施形態例の織物の表側から見た図14と同様の模式的組織図を示した。図14に示した実施形態と異なるのは、経糸(D)1列と経糸(E)1列の組み合わせ単位の絡み(もじり)の向きが、隣接する経糸(D)1列と経糸(E)1列の組み合わせ単位と左右対称となっている点である。この点を除いて図14を用いて説明した実施形態例とほぼ同様であるので、図14と同じ部分には同一の符号を付して、詳細説明を省略した。
なお、図16に図14や図15の組織で織物を作成した場合の、得られる織物の一実施形態例の表側から見た概略平面図を示した。図17は図14や図15の組織で織物を作成した場合の、得られる織物の別の一実施形態例の表側から見た概略平面図である。図17で示した織物は、図16に示した織物に比べ、経糸(D)1列と経糸(E)1列の組み合わせ単位の使用密度をより高くして、表側から見える織物の模様が図16に示した織物の模様より、細かい模様としたものである。なお、図16や図17は、扁平な帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)を扁平なまま用いた場合を想定した図であるが、帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)をその長さ方向に対し直角方向の横断面形状が表面側に凸になる突起模様が形成される実施形態としてもよいことは勿論である。
帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)は、前述した通りであるがこの帯状の表組織用緯糸(A)以外で用いる経糸、緯糸は、通常、織物に用いられる、各種、合成繊維、天然繊維、人造繊維を用いることができる。
中でも、帯状の表組織用緯糸(A)の表側を押さえるための経糸(D)(符号11)や帯状の表組織用緯糸(A)の裏側を押さえるための経糸(E)(符号12)としては、強度などがすぐれている点でポリエステル糸、ポリアミド糸が好ましく、特にポリエステル糸が好ましい。紡績糸でもよいがフィラメント糸が好ましい。太さは、例えば、112〜840dtexの範囲が好ましい。地組織を形成するための経糸(F)(符号13a、13b)も同様である。
また、地組織用緯糸(B)(符号3)や表組織・地組織連結用緯糸(C)(符号2)としては、ポリエステルフィラメント繊維と生糸(精練されていない絹の糸)の引きそろえ糸が組織の滑りを少なくして織幅をしっかり出しやすく好ましく、糸の太さとしては94〜564dtexの範囲が好ましい。ただ、前述したように表組織・地組織連結用緯糸(C)としては、上記の繊維のほか、意匠性を向上させる場合に、天然皮革、合成皮革、軟質プラスチックの紐状物で太さ1.5〜2mm程度あるいはこれらの素材からなる長尺物で長さ方向に対し直角方向の横断面形状が略四角形の幅1.5〜2mm、厚さ0.5〜1mmの長尺物を用いることも好ましい。
前記緯糸(A)の裏側に配置され、当該緯糸(A)1列につき複数列の地組織用緯糸(B)は、前記緯糸(A)の裏側に配置されているので表側からは当然見えないが、各帯状の表組織用緯糸(A)の間に配置される表組織・地組織連結用緯糸(C)も上記通常の繊維の糸を用いた場合には、地組織の織り方が緻密な場合とか、帯状の表組織用緯糸(A)の種類や、前記帯状の表組織用緯糸(A)の表側を押さえるための経糸(D)と前記帯状の表組織用緯糸(A)の裏側を押さえるための経糸(E)の張力が大きい場合には、表側からは見えにくいことが多い。図1その他の図は織組織の理解を容易にするために、模式的に描いた図であるので、少なくとも各帯状の表組織用緯糸(A)の間に配置される表組織・地組織連結用緯糸(C)も見えるように描いている。
天然皮革、合成皮革、軟質プラスチックシート状物などの帯状の表組織用緯糸(A)が軟質の場合、帯状の表組織用緯糸(A)が前記帯状の表組織用緯糸(A)の裏側を押さえるための経糸(E)の長さを、前記帯状の表組織用緯糸(A)の表側を押さえるための経糸(D)の長さよりも短くすることにより、帯状の表組織用緯糸(A)がその長さ方向に対し直角方向の横断面形状が表面側に凸になる突起模様が形成される場合の凸の部分は帯状の表組織用緯糸(A)の表側を押さえるための経糸(D)の(A)の表側を通過する張力を大きくした場合、当該経糸(D)が通過する部分はくびれることになるが、当該経糸(D)と隣の経糸(D)との間の部分のは、表面側に凸になる模様を形成することになるが、この様な場合を含めて本発明では「帯状の表組織用緯糸(A)がその長さ方向に対し直角方向の横断面形状が表面側に凸になる突起模様が形成され」ると称している。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図1〜6で説明した構成の織物を作成した。帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)として、幅3.5mm、厚さ0.5mmの黒色に染められた牛革、前記の表組織用緯糸(A)の表側を押さえるための経糸(D)(符号11)や帯状の表組織用緯糸(A)の裏側を押さえるための経糸(E)(符号12)として黒色の501dtexのポリエステルフィラメント糸(ポリエチレンテレフタレートフィラメント糸)を用い、地組織を形成するための経糸(F)(符号13a、13b)も同様のものを用い、前記経糸(D)と経糸(E)併せて1セットを1列とすると、その織密度を緯幅90cmあたり600列の織密度とした。地組織用緯糸(B)(符号3)並びに表組織・地組織連結用緯糸(C)(符号2)としては、ポリエステルフィラメント繊維168dtexと絹の生糸188dtexの引きそろえ糸(黒色)を用いた。経糸(D)(符号11)の長さを1とした場合に、経糸(E)(符号12)の長さが0.66となるように経糸(E)にかかる張力を、経糸(D)(符号11)に係る張力よりも大きくして織り込んだ。
得られた、織物は、表面側が図8や図9で示される外観を有する特有の風合いを有する柔軟な織物であり、カットしてもカット部分の縁の糸が脱落する程度で、織組織の崩れや、ほつれがこれ以上進行することはなかった。
(実施例2)
図10〜図11で説明した構成の織物を作成した。帯状の表組織用緯糸(A)(符号1)として、幅3.5mm、厚さ0.5mmの白色にエナメル加工された比較的硬質の牛革、前記の表組織用緯糸(A)の表側を押さえるための経糸(D)(符号11)や帯状の表組織用緯糸(A)の裏側を押さえるための経糸(E)(符号12)として黒色の501dtexのポリエステルフィラメント糸(ポリエチレンテレフタレートフィラメント糸)を用い、地組織を形成するための経糸(F)(符号13a、13b)も同様のものを用い、前記経糸(D)と経糸(E)併せて1セットを1列とすると、その織密度を緯幅90cmあたり600列の織密度とした。地組織用緯糸(B)(符号3)並びに表組織・地組織連結用緯糸(C)(符号2)としては、ポリエステルフィラメント繊維168dtexと絹の生糸188dtexの引きそろえ糸(黒色)を用いた。経糸(D)(符号11)の長さを1とした場合に、経糸(E)(符号12)の長さが0.95となるように経糸(E)にかかる張力を、経糸(D)(符号11)に係る張力よりも若干大きくして織り込んだ。
得られた、織物は、表面側が図16で示される外観を有する表面平坦な光沢のある特有の風合いを有するすだれのように容易に屈曲可能な織物であり、カットしてもカット部分の縁の糸が脱落する程度で、織組織の崩れや、ほつれがこれ以上進行することはなかった。
本発明の織物は、椅子のシート、鞄やバッグの表地、内装壁用クロス、靴、カーペット、レザージャケットの一部、コースター、ランチョンマット等各種用途に用いることができる。
1 帯状の表組織用緯糸(A)
2 表組織・地組織連結用緯糸(C)
3 地組織用緯糸(B)
11 帯状の表組織用緯糸(A)の表側を押さえるための経糸(D)
12 帯状の表組織用緯糸(A)の裏側を押さえるための経糸(E)
13a、13b 地組織を形成するための経糸(F)
15、15B 経糸(D)と経糸(E)が絡んでいる部分(もじり目)
53、54、55 緯糸

Claims (8)

  1. 帯状の表組織用緯糸(A)と、
    前記緯糸(A)の裏側に配置され、当該緯糸(A)1列につき複数列で当該列数が奇数個である地組織用緯糸(B)と、
    各帯状の表組織用緯糸(A)の間に配置される表組織・地組織連結用緯糸(C)と、
    前記帯状の表組織用緯糸(A)の表側を押さえるための経糸(D)と、前記帯状の表組織用緯糸(A)の裏側を押さえるための経糸(E)と、
    前記経糸(D)1列と経糸(E)1列の組み合わせを単位としたときに、前記単位同士間に配置されていて、地組織用緯糸(B)と表組織・地組織連結用緯糸(C)の経糸として織り込まれて地組織を形成するための複数列の経糸(F)とを含み、
    前記経糸(D)と経糸(E)は、前記経糸(D)が経糸(E)と絡んでから帯状の表組織用緯糸(A)の一方の横側に配置されている表組織・地組織連結用緯糸(C)の表側を通り、前記経糸(E)は当該緯糸(C)の裏側を通ることにより前記経糸(D)と経糸(E)により表組織・地組織連結用緯糸(C)を挟み込み、更に前記経糸(D)と経糸(E)が絡んでから前記経糸(D)は帯状の表組織用緯糸(A)の表側を通り、経糸(E)は帯状の表組織用緯糸(A)の裏側を通ることにより帯状の表組織用緯糸(A)を挟み込み、更に前記経糸(D)と経糸(E)が絡んでから、前記経糸(D)が前記帯状の表組織用緯糸(A)の他方の横側に配置されている表組織・地組織連結用緯糸(C)の表側を通り、経糸(E)は当該緯糸(C)の裏側を通ることにより前記経糸(D)と経糸(E)により表組織・地組織連結用緯糸(C)を挟み込み、次いでこの経糸(D)と経糸(E)が更に絡んでいる構造を含んでいることを特徴とする帯状物を表組織の緯糸に用いた織物。
  2. 前記、帯状の表組織用緯糸(A)が、天然皮革、合成皮革、不織布、軟質プラスチックシート状物、竹、硬質プラスチックシート状物から選ばれた少なくとも1種の帯状長尺物である請求項1に記載の織物。
  3. 前記、帯状の表組織用緯糸(A)が、天然皮革、合成皮革、不織布、又は、軟質プラスチックシート状物の帯状長尺物から選ばれた少なくとも1種であり、前記帯状の表組織用緯糸(A)の裏側を押さえるための経糸(E)の長さを、前記帯状の表組織用緯糸(A)の表側を押さえるための経糸(D)の長さよりも短くすることにより、帯状の表組織用緯糸(A)がその長さ方向に対し直角方向の横断面形状が表面側に凸になる突起模様が形成された請求項1に記載の織物。
  4. 帯状の表組織用緯糸(A)の幅が、1.5〜7mmである請求項1〜3のいずれか1項に記載の織物。
  5. 前記地組織用緯糸(B)と表組織・地組織連結用緯糸(C)の経糸として織り込まれて地組織を形成するための複数列の経糸(F)とからなる部分の織組織が平織であり、前記複数列の経糸(F)の列数が2列又は4列又は6列である請求項1〜4のいずれか1項に記載の織物。
  6. 帯状の表組織用緯糸(A)の表側を押さえるための経糸(D)1列と、前記帯状の表組織用緯糸(A)の裏側を押さえるための経糸(E)1列とからなる組み合わせを単位とした場合に、生地横方向に数えて奇数列番目の経糸(D)と(E)の単位は、生地縦方向に数えて奇数列番目の帯状の表組織用緯糸(A)の表側と裏側を押さえて帯状の表組織用緯糸(A)を挟み込み、生地横方向に数えて偶数列番目の経糸(D)と(E)の単位は、生地縦方向に数えて偶数列番目の帯状の表組織用緯糸(A)の表側と裏側を押さえて帯状の表組織用緯糸(A)を挟み込んでいるか、
    又は、生地横方向に数えて奇数列番目の経糸(D)と(E)の単位は、生地縦方向に数えて偶数列番目の帯状の表組織用緯糸(A)の表側と裏側を押さえて帯状の表組織用緯糸(A)を挟み込み、生地横方向に数えて偶数列番目の経糸(D)と(E)の単位は、生地縦方向に数えて奇数列番目の帯状の表組織用緯糸(A)の表側と裏側を押さえて帯状の表組織用緯糸(A)を挟み込んでいることにより、
    経糸(D)と(E)の単位は、帯状の表組織用緯糸(A)を一つ置きにその表裏をそれぞれ押さえて挟み込んでおり、
    経糸(D)と(E)が、それぞれ帯状の表組織用緯糸(A)の表側と裏側を押さえていない部分は、前記地組織用緯糸(B)と表組織・地組織連結用緯糸(C)の経糸として織り込まれて地組織の一部を形成している請求項1〜5のいずれか1項に記載の織物。
  7. 前記経糸(D)と(E)が、それぞれ帯状の表組織用緯糸(A)の表側と裏側を押さえて挟み込んでいない部分であって、前記地組織用緯糸(B)と表組織・地組織連結用緯糸(C)の経糸として織り込まれて地組織の一部を形成している部分の織組織が、
    前記経糸(D)は経糸(E)と絡んでから一つの表組織・地組織連結用緯糸(C)の表側を通り、前記経糸(E)は当該緯糸(C)の裏側を通ることにより当該表組織・地組織連結用緯糸(C)を挟み込み、更に前記経糸(D)と経糸(E)が絡んでから前記経糸(D)は前記地組織用緯糸(B)の裏側、表側と順次裏側、表側を繰り返し通り、前記経糸(E)は前記地組織用緯糸(B)の表側、裏側、と順次表側、裏側を繰り返し通り、前記経糸(D)と経糸(E)は次の表組織・地組織連結用緯糸(C)に達する直前に絡んでから、前記経糸(D)は次の表組織・地組織連結用緯糸(C)の表側を通り、前記経糸(E)は当該緯糸(C)の裏側を通ることにより当該表組織・地組織連結用緯糸(C)を挟み込み、次いでこの経糸(D)と経糸(E)が更に絡んでいる構造を含んでいることを特徴とする請求項6に記載の織物。
  8. 請求項7の織物において、
    前記経糸(D)は前記地組織用緯糸(B)の裏側、表側と順次裏側、表側を繰り返し通り、前記経糸(E)は前記地組織用緯糸(B)の表側、裏側、と順次表側、裏側を繰り返し通る部分に代え、
    前記経糸(D)と前記経糸(E)は前記地組織用緯糸(B)を横切る前後で互いに絡んでいることにより前記地組織用緯糸(B)を前記経糸(D)と前記経糸(E)で挟み込んでいる構造を少なくとも1つ含んでいることを特徴とする請求項7に記載の織物。
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