JP5260595B2 - モケットと肢体支持装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ベース織地が緻密に織成されたモケットに関するものである。
地経糸と地緯糸によって織成されるベース織地にパイル糸を経糸として織り込んで構成されるモケットは周知である。そのモケットのパイルの形態には、ループパイルとカットパイルとの2種類があり、そのループパイルとカットパイルを選択的に形成することも周知である。
ループパイルは、モケットを織成する過程において、パイル糸と地経糸が上下に分けられた開口にワイヤーを投入し、その開口を閉じてワイヤーをベース織地に織り込んでパイル糸によって係止した後、そのワイヤーをベース織地から引き抜き、そのときワイヤーを係止していたパイル糸をワイヤー引抜跡として輪奈状に残すことによって形成される。
カットパイルとループパイルを選択的に形成するためには、そのベース織地に織り込むワイヤーとして、その引き抜く先端にナイフを付設したナイフ付きワイヤーと、そのナイフが付設されていないナイフ無しワイヤーとの二種類のワイヤーを使用して選択的に開口に投入し、そのナイフ付きワイヤーをベース織地から引き抜くときにナイフによってパイル糸を切断してカットパイルを形成し、ナイフ無しワイヤーを引き抜くときにはパイル糸を切断することなく輪奈状に残してループパイルを形成することになる。
従って、ナイフ無しワイヤーを使用せず、ナイフ付きワイヤーだけを使用する場合には、カットパイルだけが形成されることになる。しかし、カットパイルだけを形成する場合、ナイフ付きワイヤーを使用することは必ずしも必要とはされない。そのように、ナイフ付きワイヤーを使用せずにカットパイルだけを形成したモケットは、ダブルモケットと称される。
ダブルモケットは、上布と下布と称される2枚のベース織地を上下二重に織成する過程において、パイル糸を織り込んで上布と下布を連結し、その後、その連結しているパイル糸を上布と下布の間で切断、即ち、センターカットして上布と下布の間を切り離すことによって織成され、そのとき切断されたパイル糸は、上布と下布のそれぞれにカットパイルを形成することになる。尚、ダブルモケットに対し、ワイヤーを使用して織成されるモケットは、シングルモケットと称される。
ベース織地の地経糸や地緯糸に弾性糸を使用した弾性モケットは公知である(例えば、特許文献1と2参照)。
特開2000−017543号公報(特許第4000191号) 特開2003−129356号公報(特許第4092615号)
従来公知の弾性モケットでは、弾性糸として伸縮性に富む単繊維繊度が30dtex前後のポリウレタン系弾性繊維が使用されており(例えば、特許文献2参照)、その製織過程では筬打ち毎に製織方向の前後に織前が大きく振動するだけで緯糸密度を緻密にすることは出来ず、伸縮性に富むが故に肌身に柔らかく衣料生地に適し、又、深絞り成形加工に適するとしても、ベース織地が伸縮性に富むのでパイル抜糸強度が低く、座席や椅子などの肢体支持装置の向き合う支桿と支桿の間に張設して肢体を載せようとしても大きく窪み込むので肢体支持面材に使用することも出来ない。
そこで本発明は、パイル密度が緻密で寸法・形状安定性に優れ、肢体支持装置の向き合う支桿と支桿の間に張設して使用し得るモケットを得ることを目的とする。
本発明に係るモケットは、ベース織地14の地緯糸12が、繊度が300〜2000dtex、破断伸度が60%以上、10%伸長時の伸長応力が0.05〜0.6cN/dtex、15%伸長後の弾性回復率が90%以上のポリエーテルエステル系モノフィラメント弾性糸によって構成されており、ベース織地14の地経糸11が、主として単繊維繊度が7dtex以下であり、15%伸長後の弾性回復率が90%未満である多数の非弾性繊維によって構成された総繊度150〜900dtexの非弾性糸によって構成されていることを第1の特徴とする。
本発明に係るモケットの第2の特徴は、上記第1の特徴に加えて、(a)ベース織地の経糸密度が10〜30本/cm、緯糸密度が13〜30本/cmであり、(b) ベース織地14の織幅方向Wにおける寸法Aと、その寸法内に織り込まれている地緯糸12の寸法A+ΔAとの差ΔAを、そのベース織地14の寸法Aで除した値(ΔA/A)に100を掛けて算定される地緯糸12の縮率Mが9%以下であり、(c) ベース織地14の製織方向Lにおける寸法Bと、その寸法内に織り込まれている地経糸11の寸法B+ΔBとの差ΔBを、そのベース織地14の寸法Bで除した値(ΔB/B)に100を掛けて算定される地経糸11の縮率Nが、地緯糸12の縮率Mよりも大きく、(d) 地緯糸12の繊度をPdtexとし、緯糸密度をn本/cmとする計算式K=n×(P)1/2 によって示されるベース織地14における地緯糸12のカバーファクターKが400〜500であり、(e) 織幅方向における10%伸長時の伸長応力が60〜300N/5cmである点にある。
本発明に係る肢体支持装置は、上記第1と第2の何れかの特徴を有するモケット20が、肢体支持装置の肢体支持面材として互いに向き合って肢体支持面25を形取る一対の支桿24と支桿24の間に、モケット20の地緯糸12が連続する織幅方向Wを肢体支持装置の一対の支桿24と支桿24が向き合う方向に向けて張設されており、織幅方向Wにおいて向き合うモケット20の両側縁部23・23が、それら一対の支桿24と支桿24にそれぞれ係止されていることを特徴とする。
製織過程において、緯糸には差程強い張力(テンション)は作用せず、その張力は経糸によって形成される開口に緯糸が投入される極短い時間に作用する。しかし、経糸には製織中の長時間にわたって強い張力が作用し、而も、緯糸の場合とは異なり、経糸の場合には、織地の全長にわたって長く連続する経糸の全長にわたって張力が作用する。
そして、経糸が巻き取られている経糸ビームの外径は、製織が進むにつれて細くなり、経糸ビームから織前に到る経糸の張力(テンション)が次第に強まる。
そのため、弾性糸を経糸に使用すると、経糸の張力斑に起因して緯糸密度にバラツキが発生し易くなる。
この点本発明では、地緯糸12にポリエーテルエステル系モノフィラメント弾性糸を使用し、地経糸11には単繊維繊度7dtex以下、総繊度150〜900dtexの非弾性糸を使用することによって、緯糸密度の安定したモケット20を得ることが出来る。
製織中の織物の織前19は、筬打ち毎に前後に振動しており、開口に投入した地緯糸12aを筬羽21によって織前19に打ち込むとき、先に織り込んだ地緯糸12b・12cやパイル糸13や地経糸11に押し返されるので、緯糸密度を緻密にするにも限度があり、経糸密度が10本/cm以上の織物では、筬羽21が織前19で押し返され易い。
しかし、本発明では、10%伸長時の伸長応力が0.6cN/dtex以下のポリエーテルエステル系モノフィラメント弾性糸を地緯糸12に使用しており、経糸密度を10本/cm以上に緻密にするとき、先に織り込んだ地緯糸12b・12cやパイル糸13や地経糸11に押し返されても、それを織前19へと押し込む筬羽21からの押圧力と先に織り込んだ糸条(11・12・13)からの反力を受けて筬羽間(21・21)で僅かながらも伸長し、それが弓形に変形して織前19の布目(22)へと筬羽21によって押し込まれるので、経糸密度を10本/cm以上にするときでも予想以上に緯糸密度を緻密にすることが出来、パイルの根元18が隣り合う地緯糸12と地緯糸12の間で一層強く弾性的に把持される。
そのように緯糸密度を緻密にすることが出来、ベース織地の製織方向Lの寸法内(B)の地経糸11の曲折跡の数が増え、その結果、地経糸11の縮率が増え、その地経糸11の縮率に対して地緯糸12の縮率が相対的に少なくなるので、地緯糸12が弾性的に伸長し難くなり、それと共に緯糸密度が緻密になれば、モケットの織幅方向における10%伸長時の伸長応力も増えるので、モケットを肢体支持面に使用しても窪みや皺が発生し難くなる。
総繊度が同じであっても、繊度300〜2000dtexの比較的太手のモノフィラメント糸は、その表面に毛羽がなく、嵩高に脹らむことがないので、嵩高に脹らみ易い多繊糸条である短繊維紡績糸やマルチフィラメント糸よりも嵩が低く、ベース織地の地緯糸12と地経糸11に囲まれる布目隙間22が塞がれ難く、モノフィラメント糸に囲まれる僅かな隙間22を通って空気が流通し易くなる。
従って、本発明によると、モノフィラメント弾性糸を地経糸11と地緯糸12との少なくとも一方に使用する場合、パイル密度が緻密であっても、ベース織地14の経糸密度と緯糸密度が同じであれば、地経糸11と地緯糸12との双方に多繊糸条を使用する場合に比して通気性のよいモケット20が得られる。
繊度300〜2000dtexの比較的太手のモノフィラメントは、周面が平滑な円柱形を成していて滑り易く、それをモケットのパイルを係止する地緯糸に用いると、パイルが抜け易く、パイル面の耐摩耗性が損なわれる。
しかし、本発明では、ゴム弾性を有し、10%伸長時の伸長応力が0.05cN/dtex以上で15%伸長後の弾性回復率90%以上のポリエーテルエステル系モノフィラメント弾性糸を地緯糸12に使用しており、地緯糸12に係止されたパイルの根元18が、その係止する地緯糸12に隣り合う地緯糸12と地緯糸12に挟まれ、その隣り合う地緯糸12と地緯糸12の間で弾性圧力を受けて把持されるのでパイルが抜け難くなる。
経糸と緯糸は、それらの交絡点において互いに拘束し合って織物としての形状を維持しており、ベース織地14では、図1に示すように、地経糸11と地緯糸12が交絡しており、地経糸が地緯糸の上に重なる箇所15では、地経糸11は地緯糸12に押し上げられ、地緯糸12は地経糸11に押し下げられている。それとは逆に、地緯糸が地経糸の上に重なる箇所16では、地緯糸12は地経糸11に押し上げられ、地経糸11は地緯糸12に押し下げられている。従って、ベース織地を分解して取り出された地経糸や地緯糸には、互いに押し上げられ、又、押し下げられてジグザグに折れ曲った曲折跡が残る。弾性糸に成る地緯糸では、非弾性糸に成る地経糸に比して少ないとは言え、織密度が緻密になるほど、そのような曲折跡は少なからず発生する。
本発明において、地緯糸や地経糸の縮率M・Nは、所定の寸法(A・B)の織地を分解して取り出された地緯糸や地経糸に付いている曲折跡をなくし、直線状に直した地緯糸や地経糸の糸足と称される実測長さ(A+ΔA・B+ΔB)と、それらを取り出す前の織地の所定の寸法(A・B)との差(ΔA・ΔB)のベース織地の所定の寸法(A・B)に対する比率を意味し、その縮率は、地緯糸や地経糸に付いている曲折跡の程度を計る指標となる。
モケット20には、繊度300〜2000dtexのポリエーテルエステル系モノフィラメント弾性糸が地緯糸に使用され、その緯糸密度は13〜30本/cmに設定されるが、それらは地緯糸の繊度をPdtexとし、緯糸密度をn本/cmとする計算式K=n×(P)1/2 によって算定される地緯糸のカバーファクターK(=400〜500)によって規定される範囲で設定されるので、織幅方向における10%伸長時の伸長応力が60〜300N/5cmのモケット20が設計し易くなる。
地経糸に非弾性糸が用いられ、地緯糸に弾性糸が用いられ、肢体支持面材として使用して窪みの生じたモケットでは、その使用中に肢体からの押圧荷重が繰り返し作用するとき、図1のベース織地14から取り出された地経糸11に点線で示す曲折跡のように、非弾性糸(地経糸)は塑性変形して弛緩状態になる。その結果、地緯糸との交絡点において、地経糸11が地緯糸12を押し下げ或いは押し上げる力、即ち、地経糸11の地緯糸12に対する締束力Fが弱まる(図1参照)。
その点、弾性糸(地緯糸)は塑性変形せず、地経糸(非弾性糸)が塑性変形して弛緩状態になり、地緯糸を押し下げ或いは押し上げる地経糸11の締束力Fが弱まると、地経糸との交絡点15・16において地経糸11に押し下げられ或いは押し上げられる程度も少なくなるので、縮率(100×ΔA/A)に応じて弾性的に真っ直ぐに伸長した直線状態に復元する。
そのように、ベース織地14の中で地経糸11からの締束力Fを受けてジグザグに折れ曲った曲折跡の付いた状態にあった地緯糸12が、その締束力Fから解放され、弾性糸である地緯糸12の有する弾性回復力によって曲折跡が消失して直線状態に復元するとき、その曲折跡が消失した直線状態の地緯糸12の長さは、曲折跡が付いていてジグザグに折れ曲った状態の地緯糸12の長さよりも長くなる。
そして、地経糸11の締束力Fから解放されて地緯糸12の長さが長くなれば、モケットの織幅方向Wの寸法も長くなる一方、肢体支持面の向き合う支桿と支桿の間の距離、即ち肢体支持面の幅は一定であるから、肢体支持面の支桿と支桿の間に張設されたモケットは、その支桿と支桿の間で弛緩状態になる。
このように使用中に肢体支持面に生じる窪みの原因を究明し、非弾性糸(地経糸)が塑性変形して地緯糸12に対する締束力Fが弱まっても、弾性糸(地緯糸)が直線状に弾性変形することがないようにその縮率(100×ΔA/A)を9%以下にし、その縮率に応じて伸長して支桿と支桿の間に張設すると、仮に非弾性糸(地経糸)が大きく塑性変形して弛み出しても、肢体支持面25に窪みや皺が発生し難くなるとの知見を得た。
そこで本発明では、ベース織地14の地緯糸12の縮率(100×ΔA/A)を9%以下にしているが、モケット20の織幅方向における10%伸長時の伸長応力を60〜300N/5cmにしており、地緯糸12の縮率に応じてモケットを織幅方向に無理なく引っ張って支桿24と支桿24の間に張設することが出来、その支桿24と支桿24の間に張設された状態においては、地経糸11が塑性変形して地緯糸12に対する締束力Fが弱まっても、地緯糸12の長さが支桿24と支桿24の間隔以上に弾性的に伸長して弛緩することなく、地緯糸12によってモケット20が織幅方向において緊張状態に保たれ、その肢体支持面25に窪みや皺が発生することはない。
モケットを模式的に示す斜視図である。 製織過程における本発明のモケットの織前部分の平面図である。 本発明に係るモケットの使用された肢体支持装置の斜視図である。
筬打ち時に弓形に変形した地緯糸12aは、製織が進行して織前19から離れるにつれて、地緯糸(ポリエーテルエステル系モノフィラメント弾性糸)の有する弾性回復力によって、先に織り込まれた地緯糸12cは、次第に織幅方向Lに直線状に復元する。その復元力と筬打ち時での変形し易さを考慮すると、地緯糸12には10%伸長時の伸長応力が0.1〜0.3cN/dtex(0.2cN/dtex前後)のポリエーテルエステル系モノフィラメント弾性糸を使用することが推奨される。
地経糸11や地緯糸12に使用するポリエーテルエステル系モノフィラメント弾性糸には、ポリエーテルエステルを芯成分とし、そのポリエーテルエステルよりも融点の低い熱融着性ポリエステルを鞘成分とする熱融着性ポリエーテルエステル系モノフィラメント弾性糸を使用し、その鞘成分の熱融着性ポリエステルを介してパイルの根元18をベース織地14に接着固定する。
そのように、熱融着性ポリエーテルエステル系モノフィラメント弾性糸を地経糸11や地緯糸12に使用すると、ベース織地14において交絡する地経糸11と地緯糸12が融着し、ベース織地14の織組織が崩れることがなく、寸法と形状が安定したモケットが得られる。
加えて、パイルの根元18を支える地緯糸12が繊度300〜2000dtexの比較的太手のモノフィラメント弾性糸であるから、パイル17が傾倒するときは、その傾倒する方向と逆方向に作用する回転モーメントが地緯糸12に発生し、その回転モーメントに起因する反力によってパイル17が押し返されることになるから、弾性糸である地緯糸12にパイル17が弾性付勢されて直立状態に復帰し、モケットのクッション性が高まると共に、パイル17が特定方向に傾倒してパイル面が特定方向に滑り易くなることはなく、パイル面の摩擦係数が全方向で均等なモケットが得られる。
嵩高に脹らみ易い単繊維繊度7dtex以下の短繊維紡績糸やマルチフィラメント糸を地経糸11に使用する場合、地緯糸12が表面毛羽のない滑り易い単なるモノフィラメント糸であっても、その地緯糸12が熱融着性ポリエーテルエステル系モノフィラメント弾性糸であり、地経糸11やパイルの根元18が地緯糸12に融着してズレ動かず、使用中にモケット20が伸縮変動しても布目隙間22が塞がれることはなく、肢体支持面材としての長時間の使用において蒸れ感を与えないモケット20が得られる。
パイルの根元18をベース織地14に確り係止するためには、熱融着性ポリエーテルエステル系モノフィラメント弾性糸を地緯糸12に使用してもよいが、モケットの裏面に裏打ち用接着剤を塗布することも出来る。
裏打ち用接着剤には、ポリエーテルエステル系モノフィラメント弾性糸との接着性を考慮して、厚み500μmの乾燥塗膜の破断伸度が200〜1350%となり、その破断時の抗張力が5〜40%となり、その100%モジュラスが0.5〜22N/mm2 となるポリウレタン系樹脂組成物やアクリル系樹脂組成物を使用するとよく、好ましくは、ポリウレタン系樹脂組成物を使用する。
モケットの裏面に塗布する裏打ち用接着剤の乾燥塗布量は20〜300g/cm2 にし、その裏打ち用接着剤の塗布後のモケットの織幅方向における10%伸長時の伸長応力が100〜350N/5cmになるようにするとよい。
パイル17を係止する地緯糸12が、地緯糸12が表面毛羽のない滑り易い単なるモノフィラメント糸であっても、ポリエーテルエステルを芯成分とし、そのポリエーテルエステルよりも融点の低い熱融着性ポリエステルを鞘成分とする熱融着性ポリエーテルエステル系モノフィラメント弾性糸であり、パイルの根元18が地緯糸12に融着しており、而も、ポリウレタン系樹脂組成物を裏面に塗布して仕上げられたモケット20では、その厚み500μmの乾燥塗膜の破断伸度が200〜1350%であり、その破断時の抗張力が5〜40%であり、その100%モジュラスが0.5〜22N/mm2 であることから、非弾性糸である地経糸11が弛緩してもパイル17がベース織地14から抜け易くなることはなく、又、そのポリウレタン系樹脂組成物の乾燥塗膜によって地緯糸12によるモケット20の弾性が損なわれることはない。
又、そのように、ポリウレタン系樹脂組成物の厚み500μmの乾燥塗膜の破断伸度が200〜1350%であり、その破断時の抗張力が5〜40%であり、その100%モジュラスが0.5〜22N/mm2 であるので、その乾燥塗膜は、使用中に伸縮するモケット生機に追随して伸縮し、特に、熱融着性ポリエーテルエステル系モノフィラメント弾性糸がポリウレタン系樹脂組成物の乾燥塗膜に対して良好な接着性を示すことから、その乾燥塗膜がモケット生機から剥離脱落することはなく、その乾燥塗膜によってモケットの耐久性が損なわれることはない。
複数種類の色糸をパイル糸に使用し、その複数種類の色糸を択一的に選択してカットパイルを形成し、その選択された色糸によってパイル面に絵柄を描出する場合、その複数種類の色糸を1組として地経糸間に配列し、それらの色糸によって製織方向Lに続くパイル列において選択された任意の色糸のカットパイルと、その任意の色糸のカットパイルに続いて選択された他の色糸のカットパイルに続いて再び選択されて形成する先の任意の色糸のカットパイルとの間に、カットパイルを形成するために選択されない先の任意の色糸がデットパイルとしてベース織地に織り込まないようにし、そうすることによって緯糸密度を緻密化する。
デットパイルのないモケットは、ダブルモケットとして織成される。
地経糸11に沿って製織方向Lに続くパイル列にパイル糸13として複数種類の色糸が配置され、それらの色糸によって択一的にカットパイル17をパイル列に形成し、パイル列において択一的に形成された任意の色糸のカットパイルと、その任意の色糸のカットパイルに続いて形成された他の色糸のカットパイルに続いて再び形成された先の任意の色糸のカットパイルとの間に、カットパイルを形成するために選択されない色糸によるデットパイルを介在させない。
そうすると、製織過程において筬羽21がベース織地14に介在するデットパイルによって押し返されることがなく、モケット20の緯糸密度を緻密にすることが出来、又、ベース織地14に介在するデットパイルによって布目隙間22が塞がれることはなく、緯糸密度を緻密で使用中に窪みが発生せず、通気性に富み、複数種類の色糸で絵柄が彩られた多彩なモケット20が得られる。
カットパイルを形成するために選択されない色糸がデットパイルにならないようにするためには、その選択されない色糸をベース織地14に織り込まず、ベース織地14の表面(パイル面側)か裏面に浮き糸として浮き出させ、モケットの製織後に、表面(パイル面側)に浮き出させたときはシャリングによって切除し、裏面に浮き出させたときは抜き取って除去する。
本発明のモケット20は、弾性糸が地緯糸に使用され、織幅方向における10%伸長時の伸長応力が60〜300N/5cmであり、織幅方向における弾性に優れているものの、地経糸11には塑性変形し易い非弾性糸が使用されている。
しかし、本発明の肢体支持装置では、一対の支桿24と支桿24が向き合う方向に地緯糸12の連続する織幅方向Wを向け、それら一対の支桿24・24に側縁部23・23を係止してモケット20を張設しており、非弾性糸である地経糸11の続く製織方向Lに緊張されることはないので、その使用中に地経糸11の地緯糸12に対する締束力Fが弱まるとしても、その肢体支持面25に窪みが発生することはない。
肢体支持装置の一対の支桿24と支桿24が向き合う方向に織幅方向Wを向けてモケット20を張設する際には、その一対の支桿24と支桿24が向き合う織幅方向Wにモケット20を伸長するが、その場合、その一対の支桿24と支桿24の間に張設されるモケット20の織幅方向Wにおける寸法Hと、その一対の支桿24と支桿24の間の距離H+ΔHとの差ΔHを、そのモケット20の織幅方向Wにおける寸法Hで除した値(ΔH/H)に100を掛けて算定されるモケット20の伸長率Kと、その寸法Hのモケット20の織幅方向Wに織り込まれている地緯糸12の縮率Mとの差Q=M−Kが+2%以下(Q≦2)になるようにする。
パイル密度は、パイル面の単位面積1cm2 に介在するパイル17を構成しているパイル繊維の単繊維繊度の合計量として示されるパイル・デシテックス換算密度が150000dtex/cm2 に、概して160000〜300000dtex/cm2 になるようにするとよい。
ここに、”パイル・デシテックス換算密度”とは、モケットの単位面積(1cm2 )に含まれる全てのパイル繊維を太い一本の繊維に集約した場合の当該一本の仮想繊維の繊度、即ち、モケットの単位面積(1cm2 )内に介在されていると仮想することの出来る太い一本の仮想パイル繊維の繊度を意味し、パイル密度の2倍とパイル糸の総繊度(dtex)との積として算定される。その算定において、パイル密度の2倍をパイル糸の総繊度に掛けるのは、パイル糸のニードルループ(輪奈)が破断されて2本一番(つがい)のカットパイル片が発生することによる。
モケット20は、ダブルモケットでもシングルモケットでもよく、パイル17は、カットパイルでもループパイルでもよく、そのパイル長は、2〜10mmにする。
モケットの織幅方向における10%伸長時の伸長応力が60〜300N/5cmに成るようにするには、地緯糸12のカバーファクターKが400〜500になるようにするとよいが、具体的に言えば、織り込まれて製織方向の1cmの間に介在する地緯糸12の合計総繊度が5000〜30000dtex/cmになるように緯糸密度を設定する。
バッキング工程で非弾性(地経糸11)が収縮して弾性糸(地緯糸12)に曲折跡が生じないようにし、又、弾性糸(地緯糸12)の弾性が損なわれないようにするため、裏打ち用接着剤の塗膜の乾燥は低温で行うとよい。
地緯糸12の縮率(100×ΔA/A)を9%以下にするには、製織過程での地経糸11のテンションを緩くし、地経糸11の縮率(100×ΔB/B)が10〜20%になるようにする。好ましくは地緯糸12の縮率(100×ΔA/A)を7%以下に、更に好ましくは5%以下で概して1〜4%にし、地緯糸12の縮率(P=100×ΔA/A)と地経糸11の縮率(100×ΔB/B)との縮率比(Q/P)が2〜10(倍)に、好ましくは3〜5(倍)になるようにする。
地緯糸12の縮率を4%以下にするときは、支桿24と支桿24の間に張設する際にモケット20を十分に緊張して地緯糸12の縮率を吸収し易く、又、非弾性糸(地経糸)が塑性変形して地緯糸12に対する拘束力Fが弱まっても、地緯糸12が曲折跡のあるジグザグに曲折した状態から直線状態に弾性復元する程度も少なくなり、モケット20の張設された支桿24と支桿24の間で窪みが発生せず、肢体支持面25を緊張状態に保つことが出来る。
地経糸11には、それが非弾性糸であれば、短繊維紡績糸とマルチフィラメント糸の何れをも使用することが出来るが、地経糸11が塑性変形して地緯糸12に対する締束力Fが弱い弛緩状態になり、地緯糸12が縮率(100×ΔA/A)に応じて真っ直ぐに伸長した状態に弾性的に復帰し易くする上では、繊維自体が伸長したり弛緩しなくても繊維間のズレによって糸条自体が弛緩し易い構造になっている短繊維紡績糸を地経糸11に使用し、その単繊維繊度を3dtex以下にすることが望ましい。
本発明において、『非弾性糸』とは、ポリエーテルエステル系モノフィラメント弾性糸に対する用語であり、15%伸長後の弾性回復率が90%未満のレーヨン、ナイロン、ポリエステル繊維、アクリル繊維等の通常の繊維糸条を意味する。
非弾性糸である地経糸11には、それが塑性変形して締束力Fが弱い弛緩状態になり易いナイロン、ポリエステル繊維、アクリル繊維等の熱可塑性合成繊維、特にポリエステル繊維を使用するとよい。
支桿24と支桿24の間に張設したモケット20の窪みや皺の発生を予防する上では、地緯糸12にだけではなく、一部の地経糸11に、例えば、図示するように隣り合うパイル列とパイル列の間に地経糸を複数本1組として配列する場合において、各組の複数本の中の1本の地経糸、或いは、複数組の中の何れか1組の複数本の中の1本の地経糸に弾性糸を使用することも出来る。
本発明において、『地経糸が、主として非弾性糸によって構成』とは、そのように、隣り合うパイル列とパイル列の間に配列される複数本1組となる一部の地経糸に弾性糸を使用することが出来ることを意味する。
裏打ち用接着剤には、厚み500μmの乾燥塗膜の破断伸度が200〜1350%であり、その破断時の抗張力が5〜40%であり、その100%モジュラスが0.5〜22N/mm2 となるポリウレタン系樹脂組成物を使用するとよい。その裏打ち用接着剤を塗布して仕上げたモケットは、その織幅方向における10%伸長時の伸長応力が120〜150N/5cmになるようにすることが望ましい。
[耐久性試験法]
内部寸法縦400mm、横400mmの水平に向けた矩形型枠に、製織方向を縦にし、織幅方向を横にし、製織方向に1.5%伸長し、織幅方向に3%伸長し、パイル面を表側に向けてモケットを張設し、荷重50kgf、縦250mm、横300mmの矩形鉄板を20mmの高さから矩形鉄板の中心をモケットの中心に合わせ、0.5秒につき1回のサイクルで繰り返し落下させ、その落下回数が500回、1000回、5000回、10000回、50000回の各回後に、縦250mm、横300mm、荷重5Nの矩形加圧板をモケットの中心部に載せたときの矩形型枠周辺からのモケットの中心部の窪み量をへたり量(h)として測定する。
同時に、落下回数が500回、1000回、5000回、10000回、50000回の各回後に、パイル面を表側に向けて矩形型枠に張設されたモケットの中心部に縦250mm×横300mmの矩形鉄板を当てて押圧荷重を掛ける過程において、荷重が98Nに達した時点でのモケットの静バネ定数と、荷重が490Nに達した時点でのモケットの静バネ定数と、荷重が980Nに達した時点でのモケットの撓み量と、荷重を掛け始めてから除重して荷重0Nに復帰させる過程でのモケットのヒステリシスロス率を測定する。
[通気性試験法]
JIS−L−1096(フラジール法)によってモケットの通気量を測定する。
[10%伸長時伸長応力測定法]
モケットから織幅方向に250mm、製織方向に50mmの試験片を採取し、荷重−歪・試験機にかけて10%伸長時の伸長荷重(単位:N/5cm)を測定する。
[実施例1]
繊度500dtex、破断伸度160%、10%伸長時の伸長応力0.24cN/dtex、15%伸長後の弾性回復率90%以上の熱融着性芯鞘複合ポリエーテルエステル系モノフィラメント弾性糸(東洋紡績株式会社商品名:Tダイヤフローラ500T−1CD−W)を地緯糸12に使用し、単繊維繊度3dtex、総繊度354dtex(30番手/2本撚り)のポリエステル短繊維紡績糸を地経糸11に使用し、単繊維繊度2dtex以下、総繊度531dtex(20番手/2本撚り)のポリエステル短繊維紡績糸をパイル糸13に使用して織成された経糸密度16.5本/cm、緯糸密度20本/cm、パイル長2.2mmのモケット20の裏面にアルキルリン酸金属塩30重量部とポリエーテル系ポリウレタン樹脂40重量部と水20重量部と増粘剤5重量部から成るポリウレタン系樹脂裏打ち用接着剤を120g/m2 (乾燥塗布量)塗布し、加熱乾燥し仕上げた。
そのベース織地の地緯糸のカバーファクターは447であり、地経糸11の縮率は14%、地緯糸12の縮率は2%であった。
裏打ち用接着剤の厚み500μmの乾燥塗膜の破断伸度は1350%であり、その破断時の抗張力は17%であり、その100%モジュラスは0.7N/mm2 であった。
この実施例1で得られたモケット20の通気度は0.27cc/cm2 /sec、織幅方向での10%伸長時の伸長応力は139N/5cmであった。
この実施例1で得られたモケット20の耐久性は[表1]に示す通りである。
Figure 0005260595
[実施例2]
繊度1000dtex、破断伸度150%、10%伸長時の伸長応力0.35cN/dtex、15%伸長後の弾性回復率90%以上の熱融着性芯鞘複合ポリエーテルエステル系モノフィラメント弾性糸(東洋紡績株式会社商品名:Tダイヤフローラ1000T−1BD−B)を地緯糸12に使用し、単繊維繊度3dtex、総繊度354dtex(30番手/2本撚り)のポリエステル短繊維紡績糸を地経糸11に使用し、単繊維繊度2dtex以下、総繊度531dtex(20番手/2本撚り)のポリエステル短繊維紡績糸をパイル糸13に使用して織成された経糸密度22本/cm、緯糸密度15.5本/cm、パイル長2.2mmのモケット20の裏面にアルキルリン酸金属塩30重量部とポリエーテル系ポリウレタン樹脂40重量部と水20重量部と増粘剤5重量部から成るポリウレタン系樹脂裏打ち用接着剤を120g/m2 (乾燥塗布量)塗布し、加熱乾燥して仕上げた。
そのベース織地の地緯糸のカバーファクターは490であり、地経糸11の縮率は20%、地緯糸12の縮率は5%であった。
裏打ち用接着剤の厚み500μmの乾燥塗膜の破断伸度は1350%であり、その破断時の抗張力は17%であり、その100%モジュラスは0.7N/mm2 であった。
この実施例2で得られたモケット20の通気度は0.74cc/cm2 /sec、織幅方向での10%伸長時の伸長応力は258N/5cmであった。
この実施例2で得られたモケット20の耐久性は[表2]に示す通りである。
Figure 0005260595
[比較例]
繊度550dtex、破断伸度36%、10%伸長時の伸長応力0.63cN/dtex、15%伸長後の弾性回復率50%以下、ポリエステル短繊維紡績糸(30番手/2本撚り)に繊度40dtex、破断伸度100%以上、10%伸長時の伸長応力が微弱(0.05cN/dtex以下)なポリウレタンモノフィラメント糸を巻き付けたポリエステル/ポリウレタン合撚糸を地緯糸12に使用し、単繊維繊度3dtex、総繊度354dtex(30番手/2本撚り)のポリエステル短繊維紡績糸を地経糸11に使用し、単繊維繊度2dtex以下、総繊度531dtex(20番手/2本撚り)のポリエステル短繊維紡績糸をパイル糸13に使用して織成された経糸密度21.5本/cm、緯糸密度19本/cm、パイル長2.2mmのモケット20の裏面にアルキルリン酸金属塩30重量部とポリエーテル系ポリウレタン樹脂40重量部と水20重量部と増粘剤5重量部から成るポリウレタン系樹脂裏打ち用接着剤を120g/m2 (乾燥塗布量)塗布し加熱乾燥し仕上げた。
そのベース織地の地緯糸のカバーファクターは445であり、地経糸11の縮率は7%、地緯糸12の縮率は11%であった。
裏打ち用接着剤の厚み500μmの乾燥塗膜の破断伸度は1350%であり、その破断時の抗張力は17%であり、その100%モジュラスは0.7N/mm2 であった。
この比較例で得られたモケット20の通気度は0.24cc/cm2 /sec、織幅方向での10%伸長時の伸長応力は163N/5cmであった。
この比較例で得られたモケット20の耐久性は[表3]に示す通りである。
Figure 0005260595
[考察]
実施例1のモケットは、比較例のモケットに比較し、地緯糸の繊度が500〜550dtexであり、地緯糸のカバーファクターが445〜447であって略同じであるが、地緯糸にモノフィラメント糸を使用した実施例1のモケットは、地緯糸に短繊維紡績糸(マルチフィラメント)を使用した比較例のモケットに比較して通気度が高く、通気性に優れていた。
又、実施例2のモケットは、その地緯糸の繊度が2000dtexであり、繊度が550dtexの地緯糸を使用した比較例のモケットに比較し、地緯糸の繊度が比較例の地緯糸の繊度の約4倍であるが、地緯糸にモノフィラメント糸を使用した実施例1のモケットは、地緯糸に短繊維紡績糸(マルチフィラメント)を使用した比較例のモケットに比較して通気度が高く、通気性に優れていた。
実施例1・2のモケットは、比較例のモケットに比較してバネ定数と伸長量が低くクッション性に富むが、地緯糸の縮率が比較例の地緯糸の縮率の半分以下であり、へたり量が比較例のモケットに比較して著しく少なく、耐久性に優れていた。
尚、比較例のモケットの耐久性試験は、矩形鉄板の落下回数が5000回に達した時点でのへたり量が、矩形鉄板の落下回数が50000回に達した時点での実施例1・2のモケットのへたり量に比して余りにも多いことから、矩形鉄板の落下回数が50000回に達するまでの比較例のモケットのへたり量の測定を省略している。
本発明のモケットは、ベンチ、ソファー、座席、椅子、座椅子、肘掛け、枕、オットマン等の肢体支持装置の向き合う支桿と支桿の間に張設して肢体を弾性的に支持する肢体支持面材に使用されるほか、座席、椅子、座椅子等の肢体支持面を構成するポリウレタンフォームその他の発泡体や樹脂綿不織布等のクッション材の表面を覆う椅子張り地等の表面材や車両内装材に使用される。
11:地経糸
12:地緯糸
13:パイル糸
14:ベース織地
15:重なる箇所
16:重なる箇所
17:カットパイル
18:パイル根元
19:織前
20:モケット
21:筬羽
22:布目
23:側縁
24:支桿
25:肢体支持面
F :締束力
L :製織方向
W :織幅方向

Claims (3)

  1. ベース織地(14)の地緯糸(12)が、繊度が300〜2000dtex、破断伸度が60%以上、10%伸長時の伸長応力が0.05〜0.6cN/dtex、15%伸長後の弾性回復率が90%以上のポリエーテルエステル系モノフィラメント弾性糸によって構成されており、
    ベース織地(14)の地経糸(11)が、主として単繊維繊度が7dtex以下であり、15%伸長後の弾性回復率が90%未満である多数の非弾性繊維によって構成された総繊度150〜900dtexの非弾性糸によって構成されているモケット。
  2. (a) ベース織地(14)の経糸密度が10〜30本/cm、緯糸密度が13〜30本/cmであり、
    (b) ベース織地(14)の織幅方向(W)における寸法と、その寸法内に織り込まれている地緯糸(12)の寸法との差を、そのベース織地(14)の寸法で除した値に100を掛けて算定される地緯糸(12)の縮率Mが9%以下であり、
    (c) ベース織地(14)の製織方向(L)における寸法と、その寸法内に織り込まれている地経糸(11)の寸法との差を、そのベース織地(14)の寸法で除した値に100を掛けて算定される地経糸(11)の縮率Nが、地緯糸(12)の縮率Mよりも大きく、
    (d) 地緯糸(12)の繊度をPdtexとし、緯糸密度をn本/cmとする計算式K=n×(P)1/2 によって示されるベース織地(14)における地緯糸(12)のカバーファクターKが400〜500であり、
    (e) 織幅方向における10%伸長時の伸長応力が60〜300N/5cmである前掲請求項1に記載のモケット。
  3. 前掲請求項1と2の何れかに記載のモケット(20)が、
    肢体支持装置の肢体支持面材として互いに向き合って肢体支持面(25)を形取る一対の支桿(24)と支桿(24)の間に、
    モケット(20)の地緯糸(12)が連続する織幅方向(W)を肢体支持装置の一対の支桿(24)と支桿(24)が向き合う方向に向けて張設されており、
    織幅方向(W)において向き合うモケット(20)の両側縁部(23・23)が、それら一対の支桿(24)と支桿(24)にそれぞれ係止されている肢体支持装置。
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