JP4736087B2 - 弾性布帛 - Google Patents

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Description

本発明は、枕、座布団、腰掛け、背凭れ、肘掛け、椅子、座席、ベット、マットレス等、肢体を載せて使用する体重支持弾性面材(以下、単に「弾性面材」と言う。)に関するものである。
この種の弾性面材は、ウレタンフォームその他の樹脂発泡体やポリエステル繊維その他の繊維を積層した繊維積層体等の弾力性のある多孔質構造物の外面を布帛や皮革等の可撓な表面材で被覆し、或いは、板バネやコイルバネその他のバネを組み合わせて構築したバネ構造物の外面を布帛や皮革等の可撓な表面材で被覆して構成されている。
従来の弾性面材は、それに肢体を載せたとき、その厚み方向に生じる圧縮歪みと、その圧縮歪みに応じて生じる圧縮弾性回復力とのバランスに立って程よい弾力性を感じさせ、その圧縮弾性回復力に比して圧縮歪みが少な過ぎれば硬く痛みを感じさせ、圧縮弾性回復力に比して圧縮歪みが多過ぎれば不安定で疲れを感じさせる。そのように厚み方向に生じる圧縮歪みと圧縮弾性回復力とのバランスに立って程よい弾力性を感じさせるので、従来の弾性面材には一定の厚みが要求され、その結果、従来の弾性面材は、重厚で持ち運び難く、又、嵩張って居場所を塞ぎ、その不使用時には邪魔になる等の点で改善を必要としている。
軽く嵩張らない弾性面材として、熱融着性芯鞘複合ポリエーテル系エステル弾性糸条を経緯何れか少なくとも一方に織編み込んで構成されて10%伸長時の応力(F)(N/5cm)が150≦F≦600(N/5cm)の弾性布帛の四方を鉄製フレームに緊張固定したものがインテリア用座席シートとして研究されている(例えば、特許文献1,2参照)。
特開2001−159052号公報 特開2001−303395号公報
上記特許文献1と2に記載の15%伸長時の伸長回復率が75%以上で残留歪みが1%以下の弾性布帛は、耐久性(耐ヘタリ性)に優れている点で弾性面材に好適と言える。しかし、単に耐久性(耐ヘタリ性)に優れていると言うことだけでは、心地よい弾性特性を有する弾性面材は得られない。そこで、向き合ってフレームを構成する支材と支材の間に弾性布帛を張設して成る弾性面材の耐久性と心地よさとの関係を究明するに、弾性糸条が連続している延在方向における弾性布帛の10%伸長時の応力(F)(N/5cm)が150≦F≦600(N/5cm)であっても、その弾性糸条が延在する延在方向における10%伸長時までの荷重伸度曲線図に示されるヒステリシスの加圧曲線(f0 )によって表される荷重伸度関係式(f0 (ρ))の積分値(V)と、そのヒステリシスの減圧曲線(f1 )によって表される荷重伸度関係式(f1 (ρ))の積分値(W)との差として表されるヒステリシスロス(C=V−W)の加圧曲線(f0 )によって表される荷重伸度関係式(f0 (ρ))の積分値(V)に占めるヒステリシスロス率が20%未満になるときは、その弾性布帛の弾性特性が金属バネに近似したものになり、弾性布帛の弾力性が向上するものの、弾性布帛が硬さを感じさせる一方、ヒステリシスロス率が45%を超えると、肢体を載せたときに弾性布帛から底打ち感を受けるようになり、又、載せた肢体が離れるとき弾性布帛が原形を回復し難く、その原形回復の遅れの荷重履歴疲労によって肢体を載せた跡が弾性布帛に残り易くなり、感触がよく耐荷重履歴疲労性に富むクッションは得難くなる、との知見を得、本発明を完成するに至った。
本発明に係る弾性布帛は、(1) 弾性糸条(11)が、経糸と緯糸の双方に適用されており、(2) その弾性糸条(11)の破断伸度が60(%)以上であり、15%伸長後の弾性回復率が90(%)以上であり、(3) その弾性糸条(11)が連続している方向(X)における布帛の10%伸長時の応力(F)(単位:N/5cm)が、150≦F≦600(N/5cm)であり、(4) その弾性糸条(11)が弾性布帛の幅の一部または全幅若しくは長さの一部または全長にわたって長くなって延在する延在方向(X)における10%伸長時までの荷重伸度曲線図に示されるヒステリシスの加圧曲線(f0 )によって表される荷重伸度関係式(f0 (ρ))の積分値(V)と、そのヒステリシスの減圧曲線(f1 )によって表される荷重伸度関係式(f1 (ρ))の積分値(W)との差として表されるヒステリシスロス(C=V−W)の前記加圧曲線(f0 )によって表される荷重伸度関係式(f0 (ρ))の積分値(V)に占めるヒステリシスロス率(ΔE=100×C/V=100×(V−W)/V)が、20〜45%(20≦ΔE≦45)であることを特徴とする。
先に説明の通り、弾性糸条が連続している延在方向における弾性布帛の10%伸長時の応力(F)(N/5cm)が150≦F≦600(N/5cm)であっても、ヒステリシスロス率が20%未満になるときは、その弾性布帛の弾性特性が金属バネに近似したものになり、弾性布帛の弾力性が向上するものの、弾性布帛が硬さを感じさせる一方、ヒステリシスロス率が45%を超えると、肢体を載せたときに弾性布帛から底打ち感を受けるようになり、又、載せた肢体が離れるとき弾性布帛が原形を回復し難く、その原形回復の遅れの荷重履歴疲労によって肢体を載せた跡が弾性布帛に残り易くなり、感触がよく耐荷重履歴疲労性に富むクッションは得難くなる。
本発明では、弾性糸条が連続している延在方向における弾性布帛の10%伸長時の応力(F)(N/5cm)を150≦F≦600(N/5cm)にすると共に、その弾性糸条の延在方向(X)における弾性布帛の10%伸長時のヒステリシスロス率(ΔEを20〜45%(20≦ΔE≦45)としたので、預けた体重が布帛全体に均等に分散し、体形に応じた適度の凹みが出来、底打ち感を与えず、波打ち皺(クリンプ)が発生せず、耐荷重履歴疲労性に富み、弾性面材に適用するとき肢体の挙動に追随して伸縮挙動する弾性布帛が得られ、それをフレームから突き出て向き合う2条の支材に両縁を固定して架け渡すことによって、預けた体重が安定に支えられ、全体として薄く軽量で嵩張らず、コンパクトで扱い易く、心地よく、安らぎを与える弾性面材が得られる。
以下、本発明の最良の形態を示しつつ本発明の効果を具体的に説明する。
本発明の好ましい実施の態様は、弾性糸条(11)の平均繊度(T)(dtex/本)と、その弾性糸条(11)が弾性布帛の幅の一部または全幅もしくは長さの一部または全長にわたって長くなって延在する延在方向(X)に直交する直交方向(Y)における一定間隔(L)(cm)において布帛に配置されている弾性糸条(11)の本数(M)を 当該布帛の一定間隔(L)で除して示される弾性糸条(11)の配置密度(G=M/L)(本/cm)との積(T×G)として表される弾性糸条(11)の布帛に占める嵩密度(J=T×G)(dtex/cm)を、17000dtex/cm以上(J=T×G≧17000)に設定することである。
本発明の好ましい他の実施の態様は、弾性糸条(11)の延在方向(X)に直交する方向(Y)における一定間隔(L)において布帛に配置されている弾性糸条の本数(M)と、当該一定間隔(L)において布帛に配置されている弾性糸条の断面積(S)(cm2 )と係数k=4×π−1 との積(S×k)の平方根によって示される弾性糸条(11)の平均直径(D)(cm)との積(M×D)を、当該一定間隔(L)で除して表される弾性糸条(11)のカバー率(K)を、30%以上(K=100×M×D/L≧30%)に設定することである。
弾性布帛(10)を経糸と緯糸によって織成する場合は、経糸と緯糸の双方に弾性糸条(11)を用いるが、経糸と緯糸の双方の一部に非弾性糸条(22)を用いることも出来る。弾性布帛を構成する織組織は、接結点(20)の連続する方向Rがジグザグ又は放射状を成す山形斜紋、網代斜紋、杉綾斜紋、千鳥斜紋等の変化斜紋織組織、又は、組織率(H=P/m)が0.5以下となる斜子織(並子、七子、魚子、経緯斜子)、不規則斜子織(変則斜子、飾斜子)、接結斜子織等の変化平織組織とするとよい(図3)。
経糸と緯糸によって織成される弾性布帛(10)は、その織組織の一完全(A)において弾性糸条(11)と交叉糸条(22)(非弾性糸条)が、接結点(20)の前後において曲折して弾性布帛(10)の表側または裏側へと配置を変える曲折点(p−1・p−2・p−3・p−4………)の数(P)を、その一完全(A)を構成する交叉糸条22の本数(m)で除して表される組織率(H=P/m)が、0.5以下(H=P/m≦0.5)になるように設計されることが望ましい(図4)。又、経糸と緯糸によって織成される弾性布帛(10)は、その組織率(H)と弾性糸条(11)のカバー率(K)との積(H×K)が0.1以上(H×K≧0.1)になるように設計されることが望ましい。
更に、経糸と緯糸によって織成される弾性布帛(10)は、弾性糸条(11)の嵩密度(J)(dtex/cm)が、弾性糸条11に直交する交叉糸条(22)の嵩密度(j)(dtex/cm)の0.5〜3.0倍(0.5×j≦J≦3.0×j)になるように設計されることが望ましい。ここに、弾性糸条の嵩密度(J)は、弾性糸条の平均繊度(T)(dtex)と、その直交方向(Y)の一定間隔(L)(cm)の中に配置されている弾性糸条の本数(n)を当該一定間隔(L)で除して示される弾性糸条(11)の配置密度(G=n/L)(本/cm)との積(T×G)として算定される。同様に、交叉糸条(22)の嵩密度(j)は、交叉糸条(22)の平均繊度(t)(dtex)と、その交叉糸条の直交方向(X)、即ち、弾性糸条(11)の延在方向(X)における一定間隔(L)(cm)の中に配置されている交叉糸条(22)の本数(m)を当該一定間隔(L)で除して示される配置密度(g=m/L)(本/cm)との積(t×g)として算定される。
弾性面材(62)は、肢体を支える弾性布帛(10)を所要の間隔をおいてフレーム(60)から突き出て向き合う一対の支材(61a)と支材(61b)の間に架け渡して構成される。その肢体を支えるクッション面(63)は、弾性布帛(10)によって構成される。その弾性布帛(10)は、それに組み込まれている弾性糸条(11)の延在方向(X)を支材(61a)と支材(61b)との向き合う方向、つまり、弾性面材の幅方向に向けて、フレーム(60)にセットされる。
弾性糸条の延在方向(X)における10%伸長時の応力Fを150≦F≦600(N/5cm)とし、その延在方向(X)から45度傾いた45度バイアス方向Zにおける10%伸長時の応力が延在方向(X)における10%伸長時の応力Fの5%以上で且つ20%以下であり、その弾性糸条の延在方向(X)における10%の伸長時のヒステリシスロス率ΔEが20〜45%になるように弾性布帛を設計する。その弾性布帛をフレーム(60)から突き出て向き合う2条の支材(61a,61b)に両縁を固定し架け渡して弾性面材(62)を作成する。そのように弾性面材(62)を作成すると、その弾性布帛に肢体を載せた状態において、弾性布帛が弾性糸条(11)の延在方向(X)に弓形に撓む。同時に、弾性布帛は、その弾性糸条(11)の延在方向(X)に直交する直交方向(Y)においても弓形に撓み、載せた肢体の体重が四方八方に分散して程よい形に変形する。このため、弾性布帛から硬さを感じることがなく、その肢体が離れるときは、弾性布帛が原形を弾性的に回復し易く、長時間肢体を載せても、その肢体の跡が弾性布帛に残らない。
10%伸長時の応力(F)が150N未満になると、肢体を載せた状態において、弾性布帛の沈み込みが大きく、その沈み込んだ弾性布帛の周囲から受ける側圧感が大きくなる。又、載せた肢体が離れても、弾性布帛は原形を回復し難い。その原形回復の遅れの荷重履歴疲労によって、肢体を載せた跡が弾性布帛に残り易くなる。一方、10%伸長時の応力(F)が600Nを超えると、肢体を載せた弾性布帛から受ける硬さが大きく、長時間肢体を載せるに耐えなくなる。本発明において、10%伸長時のヒステリシスロス率ΔEを20〜45%とするのは、それが20%未満になるときは、弾性布帛の弾性特性が金属バネに近似したものになり、弾性布帛の弾力性が向上するものの、弾性布帛が硬さを感じさせるものになるからである。一方、10%伸長時のヒステリシスロス率ΔEが45%を超えると、肢体を載せたときに弾性布帛から底打ち感を受けるようになり、又、載せた肢体が離れるとき弾性布帛が原形を回復し難く、その原形回復の遅れの荷重履歴疲労によって肢体を載せた跡が弾性布帛に残り易くなり、感触がよく耐荷重履歴疲労性に富むクッションは得難くなる。これらの点を考慮して、10%伸長時の応力Fが200〜400(N/5cm)となり、10%伸長時のヒステリシスロス率ΔEが25%前後になるように、弾性布帛を設計する。
本発明におけるヒステリシスロス率ΔEは、弾性糸条(11)の延在方向(X)における10%伸長時までの荷重伸度曲線図に示されるヒステリシスの加圧曲線(f0 )によって表される荷重伸度関係式(f0 (ρ))の積分値(V)と、そのヒステリシスの減圧曲線(f1 )によって表される荷重伸度関係式(f1 (ρ))の積分値(W)との差として表されるヒステリシスロス(C)を、加圧曲線(f0 )によって表される荷重伸度関係式(f0 (ρ))の積分値(V) で除して算出される。詳しく説明すると、弾性布帛の10%伸長時のヒステリシスロス率ΔEは、(1) 弾性布帛から切り取られた幅50mm×長さ250mmの試験片を、掴み代間隔が150mm、加重伸長速度が150mm/分、測定開始時の初期荷重(F0 )が4.9Nに調整された荷重・伸度測定試験機にセットし、(2) 試験片が伸度10%に達するまで荷重を加えて予備伸長し、(3) 初期荷重(F0 )に戻るまで除重してコンディショニングを行い、(4) その後試験片が伸度10%に達するまで荷重を加えるとき、伸度表示座標軸(Xρ)と荷重表示座標軸(YF )との直交座標(図5)に描かれる加圧曲線(f0 )と、その加圧曲線(f0 )において試験片の伸度(ρ)が10%に達した10%伸度荷重点(F10)を通って伸度表示座標軸(Xρ)に直交する直線(F10−ρ10)と、その加圧曲線(f0 )の起点、即ち荷重・伸度0点(F0 ・ρ0 )を通る伸度表示座標軸(Xρ)に囲まれる部分の加圧履歴面積(V)と、試験片の伸度(ρ)が10%に達した10%伸度荷重点(F10)から初期荷重(F0 )に戻るまで除重するとき直交座標に描かれる減圧曲線(f1 )と、前記の10%伸度荷重点(F10)を通って伸度表示座標軸(Xρ)に直交する直線(F10−ρ10)と、伸度表示座標軸(Xρ)に囲まれる部分の減圧履歴面積(W)との差(V−W)として算出されるヒステリシスロス(C)を、前記の加圧履歴面積(V)で除して算出される。
弾性糸条(11)の延在方向(X)から45度傾いた45度バイアス方向Zにおける10%伸長時の応力(B)を、その延在方向(X)における10%伸長時の応力Fの5%以上で且つ20%以下にするとよい。それは次の理由による。即ち、そのバイアス方向での応力(B)が弾性糸条(11)の延在方向(X) での応力(F)の5%未満になると、弾性布帛の編組織や織組織の変形、つまり弾性布帛を構成している編糸や織糸(11,22)のズレ、所謂編目や織目の目ズレが大きくなり、載せた肢体が離れたときの弾性布帛の原形の回復が遅れる。一方、そのバイアス方向での応力(B)が弾性糸条(11)の延在方向(X) での応力(F)の20%を超えると、編目や織目の目ズレが起き難くなり、載せた肢体の体重が四方八方に分散せず、その体重に応じた窪みが弾性布帛に出来ず、肢体が移動し易い不安定な状態で支えられることになるので、弾性布帛が硬く感触の悪いものになる。
弾性糸条(11)の嵩密度(J=T×G)を17000dtex/cm以上とする。それは次の理由による。即ち、弾性布帛を構成している弾性糸条は、それらが触れ合う程度に隣合って平行に並んでおり、1本1本の弾性糸条が互いに独立して伸縮するのではなく、その隣合う1本に伸長応力が作用するときは、それが隣合う他の弾性糸条(11)にも伝播して伸縮する。そのようにして、体重は、順次隣合う多数の弾性糸条へと分散する。従って、限られた極く一部の弾性糸条(11)だけが目ズレを起こすことはない。そこで、弾性布帛を構成している多くの弾性糸条が、弾性布帛の織編組織に回復し得ない変形をもたらさない程度に分散して僅かな目ズレを起こすようにする。そのようにすると、載せた肢体が離れるとき弾性布帛が、原形を弾性的に回復し易くなり、又、長時間肢体を載せても跡が残らない程度に弾性布帛が、耐荷重履歴疲労性に富むものとなる。これらの点を考慮して、弾性糸条(11)の嵩密度(J)を17000dtex/cm以上にし、そうすることによって、弾性糸条(11)の延在方向(X)における10%伸長時の応力(F)が、150(N/5cm)以上で600(N/5cm)になるようにし、又、 その45度バイアス方向(Z)における10%伸長時の応力(B)が、弾性糸条の延在方向(X)における10%伸長時の応力(F)の5%以上であり、且つ20%以下になるようにする。そうすると、弾性糸条(11)の延在方向(X)における10%の伸長時のヒステリシスロス率ΔEを、20〜45%に設定し易くなる。
それと同じ理由からして、弾性糸条(11)のカバー率(K)を30%以上に設定する。特に、弾性糸条(11)のカバー率(K)を30%以上に設定すると、緻密に配置された多数の弾性糸条は、それに交叉する方向(Y)に配置されている交叉糸条(22)に対して、その多数の交叉糸条(22)の配列の中に打ち込まれた楔のように、その交叉糸条(22)に伸長(緊張)を促すことになる。このため、体重は、交叉糸条(22)を介して、隣合う弾性糸条から弾性糸条へと分散し易くなる。その結果、弾性布帛は、載せた肢体に応じて程よく弾性的に変形し易くなり、感触がよく耐荷重履歴疲労性に富む弾性布帛が得易くなる。
弾性糸条(11)は、弾性布帛(10)の幅の一部分において断続的に/または全幅にわたって連続して、若しくは、弾性布帛(10)の長さの一部分において断続的に/または全長にわたって連続して、一直線状になって長く延在するように、弾性布帛(10)に織り込み/または編み込まれる。弾性糸条が、その一直線状に配置された状態を維持し易くするためには、弾性糸条の繊度(T)を大きく(太く)し、配置密度(G)を粗くし、それらの積として表される嵩密度(J)が17000dtex/cm以上になるようにするとよい。又、弾性糸条が、その一直線状に配置された状態を維持し易くするためには、弾性糸条をモノフィラメント糸にすることが望ましい。仮に、弾性糸条をマルチフィラメント糸のように多数の繊維によって構成するとしても、その繊維糸条(単糸)の数は5本以下にする。即ち、太手のモノフィラメント糸を数本引き揃えた恰好に弾性糸条を構成する。弾性糸条は、弾性繊維を芯とし、非弾性繊維を鞘とし、弾性繊維が非弾性繊維によって捲撚被覆された芯鞘構造を成すものであってもよい。
芯鞘構造を成す弾性糸条では、その鞘成分である非弾性繊維を熱融着性ポリマーとし、その弾性糸条が交叉する他の糸条に熱融着させるとよい。そのように弾性糸条が交叉する他の糸条に熱融着させるためには、その交叉する他の糸条に、鞘成分を熱融着性ポリマーとする熱融着性芯鞘複合繊維糸条を使用することも出来る。即ち、弾性糸条と非弾性糸条の双方に熱融着性芯鞘複合繊維糸条を使用することも出来る。
図1〜図3は、弾性布帛の織編組織を例示するものである。
図1に図示する弾性布帛では、非弾性糸条(交叉糸条)(13)がベース経編地を形成しており、その各コースに弾性糸条(11)が挿入され、その弾性糸条はニットループ(40)とシンカーループ(50)の間に通ってコース方向(Γ)に一直線状に連続している。図3に図示する弾性布帛では、非弾性糸条(13x)がウエール方向に真っ直ぐ鎖編目列を形成し、その隣合う鎖編目列と鎖編目列を非弾性糸条の挿入糸(交叉糸条)(22a)で連結してベース経編地を形成しており、弾性糸条(11)は、その隣合う鎖編目列(39)と鎖編目列(39)の間に挿入され、その隣合う鎖編目列と鎖編目列の間を連結している挿入糸(22a)の上を1コースおきに越え、そして挿入糸(22a)の下を潜り抜けてウエール方向(Σ)に一直線状に連続している。
編組織に成る弾性布帛では、図1〜図2に示すように、一直線状に連続する弾性糸条(11)に交叉する交叉糸条(22)の全てに非弾性糸条を適用するとよい。又、図1〜図2に示すように、弾性糸条(11)を、編組織に成る弾性布帛の縦横何れの方向にも一直線状に配置することが出来る。織組織に成る弾性布帛では、製織のし易さの点で、弾性糸条(11)を緯糸に適用し、経糸、即ち交叉糸条(22)には非弾性糸条を適用するとよい。図3は、弾性糸条を緯糸に適用し、非弾性糸条を経糸に適用して織成された弾性布帛を図示している。
編組織に成る弾性布帛は、糸条が円形に弯曲したニットループとシンカーループによってベース編地が構成されており、そのニットループ(40)とシンカーループ(50)の形状からして縦横に伸縮変形自在になっている。このため、弾性糸条の延在方向(X)に対して左側に45度傾いた左45度バイアス方向(Z1 )での10%伸長時の応力(B1 )と、右側に45度傾いた右45度バイアス方向(Z2 )での10%伸長時の応力(B2 )との間に格別な差異は見られず、弾性布帛に作用する体重は、弾性布帛の四方八方に均等に分散し易い。しかし、織組織に成る弾性布帛では、その織組織における接結点(20)の連続の仕方によって左45度バイアス方向(Z1 )での10%伸長時の応力(B1 )と、右45度バイアス方向(Z2 )での10%伸長時の応力(B2 )との間に生じる差異が大きくなる。このため、その左45度バイアス方向(Z1 )と右45度バイアス方向(Z2 )の10%伸長時の応力差によって、織組織に成る弾性布帛は、編組織に成る弾性布帛に比して荷重履歴疲労し易くなる。その応力差を少なくするには、接結点の配置に方向性のない朱子織組織を弾性布帛に採用すればよい。しかし、朱子織組織では、経糸と緯糸の密着(結合)性が少なく、隣合う弾性糸条間での応力が分散し難いので、弾性布帛の耐荷重履歴疲労性が損なわれる。
そこで、織組織に成る弾性布帛には、接結点(20)の連続する方向(R)がジグザグ又は放射状を描く山形斜紋、網代斜紋、杉綾斜紋、千鳥斜紋等の変化斜紋織組織、又は、組織率(H=P/m)が0.5以下となる斜子織(並子、七子、魚子、経緯斜子)、不規則斜子織(変則斜子、飾斜子)、接結斜子織等の変化平織組織を採用する。そのようにすると、弾性糸条(11)の延在方向(X)に対し、接結点(20)が左斜め方向にも右斜め方向にも同じ程度に連続し、その結果、経糸と緯糸との密着(結合)性が保たれ、弾性糸条(11)の延在方向(X)に対する左45度バイアス方向(Z1 )における接結点(20)の連続の仕方と、右45度バイアス方向(Z2 )における接結点20の連続の仕方が均等になる。従って、それらの方向(Z1 とZ2 )における10%伸長時の応力(B) に大きな差異が生ぜず、織組織に成る弾性布帛の耐荷重履歴疲労性が高まる。
弾性布帛の耐荷重履歴疲労性を高めるためには、弾性糸条(11)のカバー率(K)を30%以上とし、弾性糸条に交叉する交叉糸条(22)が、その弾性糸条との接結点(20m)と接結点(20n)の間において、弾性糸条(11a,11b,11c………)によって伸長され、その伸長歪みに応じた内部収縮応力によって弾性糸条(11a,11b,11c………)が接結点(20m)と接結点(20n)の間で引き寄せられて密着し、各弾性糸条間のズレが最小限に止まるようにする。しかし、弾性糸条(11)のカバー率(K)を30%以上とする場合において、弾性糸条の繊度(太さ)を織密度との関係で規定される一定の限度を超えて太くすると、弾性布帛に波打ち皺(クリンプ)が発生し、耐荷重履歴疲労性に富む弾性布帛が得られなくなる場合もある。
その理由について説明するに、凡そ、織物では、経糸密度を緻密にすると、織組織の1完全(A)を構成している複数本の各経糸(22a,22b,22c………)は、それらの経糸に交叉する緯糸(弾性糸条)(11)が経糸(22a,22b,22c………)と共に構成する接結点(22a)と接結点(20b)の間において、その配列幅が広がらないように交叉する緯糸(11)に拘束された状態にある。一方、緯糸(11)は、接結点(22a)と接結点(20b)の間に緻密に配列され、その配列幅を押し広げようとする複数本の経糸(22a,22b,22c………)からの反力を受けて緊張状態におかれることになる。経糸密度が緻密な織物では、その接結点(22a)と接結点(20b)の間における緯糸(11)の緊張状態と、一定の配列幅に抑えられた複数本の各経糸(22a,22b,22c)の配列状態とのバランスが保たれて、織物の平らな状態が維持される。そして、その接結点(22a)と接結点(20b)の間に配列される経糸(22a,22b,22c)の本数が一定の限度を越えて多くなると、緯糸(11)が織物内部で過度に緊張した状態におかれることになり、所定の経糸(交叉糸条)(22a,22b,22c)の本数に応じた所定の長さに戻ろうとする収縮応力が織物内部に発生し、緯糸(弾性糸条)(11)に引きつりが生じると共に、経糸(交叉糸条)(22a,22b,22c)も、2つの接結点(22a)と接結点(20b)によって設定された配列幅を維持するために、その一部の経糸(交叉糸条)(22)が配列から織物の厚み方向に食み出したり、重なり合ったりして、織物の表面に隆起が生じることになる。このように、織物を、経糸(22)の太さに応じた所定の経糸密度を越えて緻密にすると、緯糸(弾性糸条)(11)が引きつられてクリンプが生じ、一部の経糸(22)が経糸の配列から食み出し、織物の表面に波打ち皺が発生し、織物の表面が平らに維持されなくなる。このことは、緯糸(11)の太さに応じた限度を越えて、緯糸密度を緻密にする場合も同様である。
弾性糸条の組織率(H)を0.5以下とするのは、弾性糸条(11)に交叉する交叉糸条(22)が、その弾性糸条を構成する接結点(20m)と接結点(20n)の間において、弾性糸条によって過度に伸長されることがなく、弾性布帛に波打ち皺(クリンプ)が発生することがないようにするためである。即ち、弾性糸条の組織率(H)が0.5以上になる場合とは、弾性糸条に直交する経糸(22)が緯糸( 弾性糸条) (11)と接結点(20)を構成する頻度が少なく、その経糸(22)がより多く弾性糸条(11)の上を越えて弾性布帛の表面に浮き出る場合である。その浮き出る長さ(U)が長ければ、接結点(20m)と接結点(20n)の間に含まれる複数本の弾性糸条(11a,11b,11c………)による経糸(22)への伸長作用が少なくなる。しかし、その場合は、その接結点(20m)と接結点(20n)の間に含まれる複数本の弾性糸条(11a,11b,11c………)も、その交叉糸条(22)によって強くは束縛されず、その各弾性糸条間がフリーになり、弾性布帛に載せた体重が隣合う弾性糸条(11)から弾性糸条(11)へと伝播し難くなる。
そこで弾性布帛の耐荷重履歴疲労性を更に高めるために、(1) 織組織の一完全(A)において弾性糸条(11)の延在方向(X)に直交する交叉糸条(22)が、その弾性糸条(11)と交叉して構成する接結点(20)の前後において曲折して織物の表側または裏側へと配置を変える曲折点(p−1, p−2, p−3, p−4………)の数(P)を、その一完全(A)を構成する交叉糸条(22)の本数(m)で除して表される組織率(H=P/m)が、0.5以下(H=P/m≦0.5)になるようにすると共に、(2)
その組織率(H)と弾性糸条(11)のカバー率(K)との積(H×K)を0.1以上(H×K≧0.1)にする。更に好ましくは、弾性糸条(11)の嵩密度(J)(dtex/cm)を、弾性糸条(11)に直交する交叉糸条(22)の嵩密度(j)(dtex/cm)の0.5〜3.0倍(0.5×j≦J≦3.0×j)にする。ここに、弾性糸条の嵩密度(J)は、弾性糸条の平均繊度(T)(dtex)と、その直交方向(Y)の一定間隔(L)(cm)の中に配置されている弾性糸条の本数(n)を当該一定間隔(L)で除して示される弾性糸条の配置密度(G=n/L)(本/cm)との積(T×G)として算定される。同様に、交叉糸条(22)の嵩密度(j)は、交叉糸条(22)の平均繊度(t) (dtex)と、その直交方向(X)、即ち、弾性糸条(11)の延在方向(X)における一定間隔(L)(cm)の中に配置されている交叉糸条(22)の本数(m)を当該一定間隔(L)で除して示される配置密度(g)(g=m/L)(本/cm)との積(t×g)として算定される。
弾性糸条(11)の組織率(H)と弾性糸条(11)のカバー率(K)との積(H×K)を0.1以上とするのは、弾性布帛に預けた体重が隣合う弾性糸条(11)から弾性糸条(11)へと分散し易くするためである。その弾性糸条の組織率(H)と弾性糸条のカバー率(K)との積(H×K)を0.1以上(H×K≧0.1)とすることによって、隣合う弾性糸条(11,11)が交叉糸条(22)によって極端に強く束縛されることなく、隣合う弾性糸条(11,11)が互いに程よく密着して体重が弾性布帛全体に分散するようになると共に、その交叉糸条(22)に生じる収縮応力によって弾性布帛に波打ち皺(クリンプ)が生じないようにすることが出来る。
弾性糸条の組織率(H)は、織組織の一完全(A)を構成する複数本の各弾性糸条毎に異なることもある。その場合、その各弾性糸条の組織率(H)の平均値が0.5以下となり、又、その平均値(H)とカバー率(K)との積が0.1以上になればよい。繊度の異なる数種類の弾性糸条を使用する場合、弾性糸条(11)の平均直径(D)は、それら数種類の弾性糸条の各直径(Dn )の和(D1 +D2 +D3 +………+Dn )を、それらの種類の数で除して算出される。
弾性糸条(11)の嵩密度(J)(dtex/cm)を、弾性糸条(11)に直交する交叉糸条(22)の嵩密度(j)(dtex/cm)の0.5〜3.0倍(0.5×j≦J≦3.0×j)にするのは、織物としての弾性布帛の経糸と緯糸の配置のバランスを保ち、織物の形状を安定にするためである。弾性糸条(11)の嵩密度(J)と 交叉糸条(22)の嵩密度(j)との比率(J/j)は、好ましくは1.0〜2.5に、更に好ましくは略1.0にする。
弾性糸条(11)が一直線状に保持されるようにするためには、それに交叉する交叉糸条(22)の繊度(t)を弾性糸条(11)に比して小さく(細く)し、その交叉糸条(22)の配置密度(g)を緻密にし、弾性糸条(11)の嵩密度(J)と交叉糸条(22)の嵩密度(j)との比率(J/j)を0.5〜3.0にする。又、弾性糸条(11)が一直線状に保持されるようにするためには、マルチフィラメント糸や紡績糸のように多数の繊維によって構成される多繊糸条を交叉糸条(22)に適用するとよい。特に、多繊糸条を交叉糸条(22)に適用すると、交叉糸条(22)が弾性糸条(11)と交叉する接結点(20m)と接結点(20n)との間に含まれる弾性糸条(11)の本数が多く、その間に介在する弾性糸条(11)によって交叉糸条(22)が緊張(伸長) 状態におかれるとしても、非弾性繊維に成る交叉糸条(22)では、その内部に弾性布帛に織り込まれて潜在的に生じた収縮応力が時間の経過と共に次第に緩和して消滅するので、その交叉糸条(22)に生じた潜在的収縮応力が弾性布帛に波打ち皺(クリンプ)を発生させるようには作用しない。従って、弾性布帛の形状安定性を確保するためには、多繊糸条を交叉糸条(22)に適用するとよい。
弾性糸条(11)には、繊度が500dtex以上、好ましくは1100dtex以上、更に好ましくは、1650〜3000dtexであり、10%伸長時の応力が0.1cN/dtex以上、好ましくは0.3〜0.8cN/dtexの太手のモノフィラメント弾性糸条を用い、編成過程では左程伸長せずに弾性糸条(11)を編み込む。
弾性布帛(10)の張設の仕方や、弾性布帛(10)への体重の掛り具合によって、弾性布帛(10)が部分的に大きく窪んだり、強い反力を弾性布帛(10)から局部的に受けることがある。そのような不都合を解消するためには、弾性布帛(10)を、表糸(31)に成る表布(32)と裏糸(33)に成る裏布(34)との二重構造にし、その裏糸(33)の少なくとも一部に弾性糸条(11)を適用するとよい。
そうすると、裏布の弾性糸条(裏糸)の伸び率が、非弾性糸条に成る表布に抑えられ、弾性面材が局部的に大きく伸びたり大きく窪んで底打ち感を与えることがなく、ソファーやマットレスの表地に適した二重弾性面材が得られる。
弾性布帛(10)を二重構造にするためには、織機や編機により、表布(32)と裏布(34)を同時に織編しつつ、一部の表糸を裏布の一部に交絡させ、或いは、一部の裏糸を表布の一部に交絡させて、弾性布帛(10)を形成する。織機による場合、経緯二重織物として通常の織機によって二重弾性布帛を織成することが出来る。
図9は、ダブルモケット織機によって織成された二重弾性布帛を図示し、表経糸(31y)と表緯糸(31x)、および、裏経糸(33y)と裏緯糸(33x)は、それぞれ平織組織による表布(32)と裏布(34)を形成しており、それらの間を連結する連結糸(35)によって空隙層(36)が形成されている。
その表布(32)と裏布(34)の間に袋状隙間を層厚0.3m/m以上の空隙層(36)にすると、二重弾性布帛(10)の保温・断熱性が高まるとともに、二重弾性布帛(10)を押圧する度に空隙層(36)の内部の空気が表布(32)や裏布(34)を透過して出入りするので、二重弾性布帛(10)を弾性面材(62)に使用して蒸れ感を与えず、クッション性に優れたソファーやマットレスを得ることが出来る。
特に、連結糸(35)に弾性糸条(11)を用いたものでは、表布(32)と裏布(34)の間の空隙層(36)が押しつぶされ難く、蒸れ感を与えず、クッション性に優れ、ソファーやマットレスに最適のものとなる。
弾性面材(10)のクッション面は平板になっており、強く緊張させて張設されたクッション面に肢体を載せるときは、固い板に肢体を載せた場合と同じように、クッション面から反力が肢体に集中して痛く感じられ、長時間肢体を載せておくのに耐え難くなる。
この点に関し、本発明では、弾性布帛に織編込まれている何れかの糸条が連続している糸条連続方向に直交する糸条直交方向において離れている少なくとも2つの部位における糸条連続方向において弾性布帛に作用する所要の伸び率に伸長時の弾性布帛の伸長応力が異なるようにしている。即ち、クッション面が平板であっても、体重が強く作用する部位では局部的に大きく窪み、体重が左程作用しない部位では殆ど窪まないと言うように、クッション面の弾性を部分的に変える。そうすると、クッション面が肢体の起伏に応じて変形し、肢体にフイットするようになる。その結果、肢体を載せたとき、クッション面から受ける反力が均等に分散されて肢体に作用することになり、クッション面に長時間肢体を載せても痛みを感じることがなく、座り心地のよい弾性面材(10)が得られる。
ここに「所要の伸び率に伸長時の弾性布帛の伸長応力(以下、定伸強度と言う。)」とは、クッション面の異なる部位の伸縮弾性を比較するために必要とされる伸び率に達した時点おいて、弾性布帛に作用している伸長応力を意味する。その定伸強度に関しては、伸縮弾性を比較しようとしているクッション面の各部位が、押圧荷重を受けて3%から10%までの範囲内の所定の伸び率に達するまで、そのクッション面の各部位に作用する押圧荷重を徐々に増やし、その所定の伸び率に達した時点における押圧荷重をもって定伸強度とし、それによって各部位の伸縮弾性を比較すればよい。
「織編込まれている何れかの糸条が連続している糸条連続方向に直交する糸条直交方向において離れている少なくとも2つの部位」とは、
(1) 経編物のように布帛の長さ方向(h) に連続している経糸(18)だけで構成される弾性布帛では、弾性布帛の幅方向(r) において離れている2つの部位(r−1,r−2 )、即ち、ある経糸(18a)で構成されている部位(r−1) と、別の経糸(18b)によって構成されている部位(r−2) との少なくとも2つの部位(r−1,r−2 )を意味する(図10参照)。
(2) 緯糸挿入経編物や織物のように布帛の長さ方向(h) に連続している経糸(18)と布帛の幅方向(r) に連続している緯糸(19)によって構成される弾性布帛では、弾性布帛の幅方向(r) において離れている2つの部位(r−1,r−2 )と、それらの部位(r−1,r−2 )から弾性布帛の長さ方向(h) において離れている2つの部位(hr−1, hr−2 )と合計4つの部位(r−1,r−2, hr−1,r−2) の中の2つの部位、即ち、経糸(18)と緯糸(19)の何れかが異なる部位を意味する(図12参照)。
図12に図示するように、弾性布帛の定伸強度を部分的に変えるためには、数種類の糸条を、その種類毎に経緯直交する何れかの方向に分けて弾性布帛に織編込むとよい。
即ち、少なくとも2種類の糸条が、その種類毎に経緯直交する2つの方向に分かれて織編込まれており、その2種類の各糸条が連続している各糸条連続方向に直交する各糸条直交方向において、それぞれ離れている少なくとも2つの部位における各糸条連続方向において、布帛に作用する所要の伸び率に伸長時の布帛の伸長応力が異なるようにする。
本発明において「2種類の糸条が、その種類毎に経緯直交する2つの方向に分かれて織編込まれており、その2種類の各糸条が連続している各糸条連続方向に直交する各糸条直交方向においてそれぞれ離れている少なくとも2つの部位」とは、図12に図示するように、緯糸挿入経編物や織物のように布帛の長さ方向(h) に連続している経糸(18)と布帛の幅方向(r) に連続している緯糸(19)との2種類の糸条によって構成される弾性布帛において、弾性布帛の幅方向(r)において離れている2つの部位(r−1,r−2)と、それらの部位(r−1,r−2 )から弾性布帛の長さ方向(h) において離れている2つの部位(hr−1,hr−2)と合計4つの部位(r−1,r−2,hr−1,hr−2) の中の2つの部位を、それぞれ構成している経糸(18)と緯糸(19)の何れかの糸条の種類を変えることを意味する。
更に詳しく説明すると、本発明において「定伸強度の異なる部位」とは、定伸強度の作用方向に直交する方向において離れている箇所を意味する。
図1〜図2に図示する経編物や経糸挿入経編物において、「定伸強度の異なる部位」とは、種類の異なる糸条を選択的に編み込むことが出来、その選択される糸条の種類に応じて定伸強度を変えることの出来る編成ウエール(σ1,σ2,σ3,σ4,σ5………)の異なる箇所を意味する。
従って、図13に示す弾性面材の幅方向(i)にウエール方向(Σ)を合わせて支材(61a)と支材(61b)の間に1枚の連続した経編物または1枚の連続した経糸挿入経編物(図2)を張設してクッション面(74)の全面を構成する場合、定伸強度の相異が横筋(75)を形成するように、弾性面材の幅方向(i)に作用する定伸強度を、弾性面材の奥行き方向(q)において位置を異にする部位毎に変えることが出来る。
図1に図示する緯糸挿入経編物において、「定伸強度の異なる部位」とは、種類の異なる糸条を選択的に編み込むことが出来、その選択される糸条の種類に応じて定伸強度を変えることの出来る編成ウエール(σ1,σ2,σ3,σ4,σ5………)の異なる箇所、および、種類の異なる糸条を一直線状に挿入することが出来、その選択される糸条の種類に応じて定伸強度を変えることの出来る編成コース(φ1,φ2,φ3,φ4,φ5………)の異なる箇所との何れか一方または双方を意味する。従って、伸縮弾性の異なる数種類の経編糸を選択的に異なるウエール(σ1,σ2,σ3,σ4,σ5………)に配置して編成された1枚の連続した緯糸挿入経編物(図1)を、図13に示す弾性面材の幅方向(i)にウエール方向(Σ)を合わせて支材(61a)と支材(61b)の間に張設してクッション面(74)の全面を構成する場合、定伸強度の相異が横筋(75)を形成するように、弾性面材の幅方向(i)に作用する定伸強度を、弾性面材(62)の奥行き方向(q)において位置を異にする部位毎に変えることが出来る。又、そのベース経編地を編成する過程において、そのベース経編地の全コース毎か所要のコース毎に伸縮弾性の異なる数種類の緯糸を選択的に挿入して編み込んだ緯糸挿入経編物(図1)では、定伸強度の相異による横筋(75)と定伸強度の相異による縦筋(76)が交叉した格子図形が形成されるように、弾性面材の奥行き方向(q)と幅方向(i)のそれぞれの方向において位置を異にする部位毎に、その奥行き方向(q)と幅方向(i)の双方における定伸強度を変えることが出来る。勿論、緯糸にだけ伸縮弾性の異なる数種類の糸条を選択的に異なる編成コース(φ1,φ2,φ3,φ4,φ5 ………)に適用した緯糸挿入経編物(図1)では、弾性面材の幅方向(i)にウエール方向(Σ)を合わせて支材と支材の間に張設することにより、定伸強度の相異によって縦筋(76)を形成するように、弾性面材の奥行き方向(q)に作用する定伸強度を、弾性面材の幅方向(i)において位置を異にする部位毎に変えることが出来る。
織物において、「定伸強度の異なる部位」とは、種類の異なる経糸(18)を選択的に配列することが出来る織幅方向(r)において位置を異にする箇所、および、種類の異なる緯糸(19)を経糸間(18,18)の開口に順次選択的に打ち込むことが出来る製織方向(h)において位置(織段)を異にする箇所との何れか一方または双方を意味する。従って、経編糸と緯糸が直交する緯糸挿入経編物(図1)と同様に、経糸(18)と緯糸(19)が直交する織物(図10〜図12)を弾性面材に適用する場合、経糸と緯糸の一方または双方に伸縮弾性の異なる数種類の糸条を選択的に適用し、定伸強度の相異による横筋(75)を形成するように、或いは、縦筋(76)を形成するように、或いは又、横筋(75)と縦筋(76)が交叉した格子図形を形成するように、弾性面材(62)の奥行き方向(q)と幅方向(i)の何れか一方または双方における定伸強度を部分的に変えることが出来る。
このように、定伸強度を変えるために適用される伸縮弾性の異なる数種類の糸条が、繊度、撚数、繊維素材等の糸条を構成する仕様の相異によってそれぞれ異なる外観を呈する場合は、図13に図示するように、縞模様や格子模様がクッション面に顕現し易い。
その糸条の伸縮弾性の相異が弾性布帛の外観に現れないようにするには、その使用する数種類の中の伸縮弾性の低い低伸縮性糸条と繊維素材、繊度、構成繊維本数、および、撚数を共通する同一仕様の高伸縮糸条を、所要の伸び率に伸長時の布帛の伸長応力の異なる2つの部位の中の他方の部位に適用すると共に、それら所要の伸び率に伸長時の布帛の伸長応力の異なる2つの部位の織編組織と織編密度を同一にするとよい。糸条の伸縮弾性の相異が弾性布帛の外観に現れないようにする他の方法は、定伸強度の異なる各部位の表面を、繊維素材の染色性、繊度、構成繊維本数、および、撚数を共通する同一仕様の糸条によって構成されたカットパイル、ループパイル、起毛毛羽の何れかの立毛面とすることである。弾性布帛を、表糸条によって構成された表面層と、裏糸条によって構成された裏面層が表裏する二重布帛とする場合には、定伸強度の異なる各部位の表面層に、繊維素材、繊度、構成繊維本数、および、撚数を共通する同一仕様の低伸縮性糸条を適用するとよい。
プラスチックによって構成された300dtex以上の弾性糸条は、太い桿状を成し、表面が平滑で滑り易い。このため、そのような弾性糸条によって構成される弾性布帛も滑り易く、その弾性布帛によって構成される弾性面材も滑り易いものとなる。そのような弾性面材に肢体を載せると、肢体が滑動して落ちつかず、疲労感を受け易くなる。
そこで、弾性布帛に単糸繊度が30dtex以下の繊維を含む防滑用糸条を織り込み/又は 編み込み、その防滑用糸条の30dtex以下の繊維を弾性布帛の任意の縦横1cm角(=1cm2 )の矩形領域の表面に浮き出させ、下記の計測法による弾性布帛の平均摩擦係数(ω)を0.26以上(0.26≦ω)にする。

(ステップ1) 縦横20cm角に裁断された矩形の試験布帛(弾性布帛)を、鏡面に仕上げられて水平に支持された金属板の表面に拡布して密着固定する。
(ステップ2) 縦横10mmの矩形の底面を有し、その底面の一辺に平行に幅0.1mm、深さ0.1mmの切削溝によって仕切られた合計20本の筋目が付けられているステンレス製(HUS304)接触子を、その底面を下向きにして試験布帛(弾性布帛)の上に載せる。
(ステップ3) 接触子から試験布帛(弾性布帛)へと50gfの荷重を作用させる。
(ステップ4) その接触子を、底面の筋目に直交する方向に移動速度0.1cm/secをもって 30mm往復移動させる。
(ステップ5) その往路と復路の各途中の20mm間の移動において、接触子と試験布帛(弾性布帛)の間に作用する摩擦抗力の平均値(F;gf)を接触子に作用している荷重(50gf)で除して算出される試験布帛の縦方向における摩擦係数(ω1 )と横方向における摩擦係数(ω2 )の平均値(0.5ω1 +0.5ω2 )をもって試験布帛の平均摩擦係数(ω)とする。
任意の縦横1cm角(=1cm2 )の矩形領域に防滑用糸条を露出させるのは、在来の布帛と同様に30dtex以下の繊維によって弾性布帛の表面を構成するためである。
摩擦係数を規定する領域を縦横各1cmと定めるのは、弾性布帛をポーラス(目粗)に構成するとしても、糸条に囲まれる布目隙間が縦横各1cmを超える非常にポーラス(目粗)な弾性布帛では、防滑用糸条による防滑効果を期待することは出来ないからである。即ち、30dtex以下の繊維を弾性布帛の全面に均等に分布させるとしても、弾性布帛に防滑効果が生じるようにするためには、それを斑なく分布させることが要求される。
つまり、本発明は、太く滑り易い弾性糸条によって構成される弾性布帛の表面に30dtex以下の繊維を介在させ、弾性布帛の表面に露出している弾性糸条の露出面積比率が相対的に少なくすることを意図する。
しかし、30dtex以下の繊維によって弾性糸条が完全に隠蔽されるようにする必要はない。何故なら、弾性面材には、その上に載せた肢体を勝手気儘に気楽に振り動かせる程度の滑り易さ(平滑性)も求められるからである。この点を考慮すると、弾性布帛の表面の平均摩擦係数(ω)を、0.60以下(0.26≦ω≦0.60)、好ましくは0.30〜0.50(0.30≦ω≦0.50)、更に好ましくは0.35〜0.40(0.35≦ω≦0.40)に設定することが望まれる。そのためには、弾性布帛の任意の縦横1cm角の矩形領域に占める防滑用糸条の露出面積比率を、概して50%以下に、好ましくは5〜30%に、更に好ましくは概して20%前後となる15〜25%に設定するとよい。
防滑用糸条には、(1) 紡績糸、起毛毛羽が表面に浮き出ているマルチフイラメント糸の起毛糸、(2) 添糸が芯糸にリング状に絡み付いて表面に凹凸を形成しているリング糸、(3) 添糸が芯糸に紡績スライバー状に絡み付いて表面に凹凸を形成しているスラブ糸、(4) 添糸が芯糸に毛玉状に絡み付いて表面に凹凸を形成しているネップ糸、(5) 芯糸を被覆している鞘糸が表面に浮き出ている芯鞘複合糸、(6) オーバーフィード率の高いマルチフイラメント糸が表面に浮き出て凹凸を形成しているインターレース糸、(7) 花糸片が芯糸に係止されて表面に突き出ているモール糸やシェニール糸、(8) 繊維破片を芯糸に静電植毛したフロッキー加工糸、(9) 天然皮革、合成皮革、人工皮革、不織布等をテープ状に裁断して作られ、裁断口が毛羽立っているテープ糸等の毛羽立った糸条を用いる。
弾性布帛には起毛処理を施し、その表面に露出している防滑用糸条を毛羽立てることも出来る。又、通常の紡績糸やマルチフイラメント糸を防滑用糸条に用いるときは、それらの糸条によって弾性布帛の表面にパイルを形成することも出来る。その点では、糸条の表面がパイルによって覆われているモール糸やシェニール糸またはフロッキー加工糸を防滑用糸条に用いることが推奨される。
従って、表布と裏布によって構成される二重弾性布帛では、裏布(34)に弾性糸条(11)を使用し、防滑用糸条は表布(32)に使用することが推奨される。
参考例1
ポリエステル繊維紡績糸(繊度:2/10メートル番手=2000dtex)を経糸に適用し、経糸密度を55本/10cmに設定して整経する。緯糸には、ポリエーテル系エステルを芯成分ポリマーとし、その芯成分ポリマーよりも低融点の熱融着性ポリマーを鞘成分ポリマーとする熱融着性芯鞘複合ポリエーテル系エステル弾性糸条(繊度:2080dtex、東洋紡績株式会社製品名:ダイヤフローラ)を適用する。緯糸密度を115本/10cmに設定して、図3に示す杉綾織組織による織物を織成する。その織物を190℃にて3分間乾熱処理し、経糸(11)と緯糸(22)を融着させて弾性布帛を仕上げる。この弾性布帛(10)を、図6に図示するフレーム(60)から突き出て50cmの間隔をおいて向き合う長さが45cmの2条の支材(61a,61b)に両縁を固定して架け渡し、弾性面材(62)を作成する。その水平に支持された弾性布帛の上に腰を下ろし、弾性布帛に対する座り心地の官能試験を行った。その結果、弾性布帛(10)に安定感が感じられ、座り心地が良好との評価を得た。
参考例2
ポリエステル繊維紡績糸(繊度:2/10メートル番手=2000dtex)を経糸に適用し、経糸密度を55本/10cmに設定して整経する。緯糸には、参考例1に使用の熱融着性芯鞘複合ポリエーテル系エステル弾性糸条を適用する。緯糸密度を115本/10cmに設定して、図7に示す斜紋織組織による織物を織成する。その織物を190℃にて3分間乾熱処理し、経糸(11)と緯糸(22)を融着させて弾性布帛を仕上げる。この弾性布帛(10)を、図6に図示するフレーム(60)から突き出て50cmの間隔をおいて向き合う長さが45cmの2条の支材(61a,61b)に両縁を固定して架け渡し、弾性面材(62)を作成する。その水平に支持された弾性布帛の上に腰を下ろし、弾性布帛に対する座り心地の官能試験を行った。その結果、弾性布帛(10)の左右のバイアス方向での伸度差が感じられ、座った姿勢に不安定感が感じられ、座り心地が良好とは言えないと評価された。
参考例3
ポリエステルマルチフィラメント糸(繊度:1333dtex)を経糸に適用し、経糸密度を91本/10cmに設定して整経する。緯糸には、緯糸には、参考例1に使用の熱融着性芯鞘複合ポリエーテル系エステル弾性糸条を適用する。緯糸密度を115本/10cmに設定して、図7に示す斜紋織組織による織物を織成する。その織物を190℃にて3分間乾熱処理し、経糸(11)と緯糸(22)を融着させて弾性布帛を仕上げる。この弾性布帛(10)を、図6に図示するフレーム(60)から突き出て50cmの間隔をおいて向き合う長さが45cmの2条の支材(61a,61b)に両縁を固定して架け渡し、弾性面材(62)を作成する。その水平に支持された弾性布帛の上に腰を下ろし、弾性布帛に対する座り心地の官能試験を行った。その結果、弾性布帛(10)の左右のバイアス方向での伸度差が感じられ、座った姿勢に不安定感が感じられ、弾性布帛(10)が硬く感じられて座り心地が悪いと評価された。
参考例4
ポリエステル繊維紡績糸(繊度:2/10メートル番手=2000dtex)を経糸に適用し、経糸密度を55本/10cmに設定して整経する。緯糸には、参考例1に使用の熱融着性芯鞘複合ポリエーテル系エステル弾性糸条を適用する。緯糸密度を100本/10cmに設定して、図8に示す平織組織による織物を織成する。その織物を190℃にて3分間乾熱処理し、経糸(11)と緯糸(22)を融着させて弾性布帛を仕上げる。この弾性布帛(10)を、図6に図示するフレーム(60)から突き出て50cmの間隔をおいて向き合う長さが45cmの2条の支材(61a,61b)に両縁を固定して架け渡し、弾性面材(62)を作成する。その水平に支持された弾性布帛の上に腰を下ろし、弾性布帛に対する座り心地の官能試験を行った。その結果、弾性布帛の左右のバイアス方向での伸度差が感じられないが、弾性布帛の全体の沈み込みが大きく、座って底打ち感と不安定感が感じられ、座り心地が悪いと評価された。
〔比較試験〕
上記参考例1〜4に係る弾性布帛(10)の織幅方向(X)における10%伸長時の応力(F1 )(N/5cm)、弾性糸条(11)の織幅方向(X)における10%伸長時のヒステリシスロス率ΔE1(%)、弾性糸条(11)の製織方向(Y)における10%伸長時の応力(F2 )(N/5cm)、弾性糸条(11)の製織方向(Y)における10%伸長時のヒステリシスロス率ΔE2(%) 、その織幅方向(X)から左上に45度傾いた45度バイアス方向(Z1 )における10%伸長時の応力(B1 )(N/5cm)、その織幅方向(X)から右上に45度傾いた45度バイアス方向(Z2)における10%伸長時の応力(B2 )(N/5cm)は、次の表1に示す通りである。
Figure 0004736087
本発明に係る弾性布帛の表面図である。 本発明に係る弾性布帛の表面図である。 本発明に係る弾性布帛の表面図である。 本発明に係る弾性布帛の断面図である。 本発明に係る弾性布帛の荷重伸度曲線図である。 本発明に係る弾性面材の斜視図である。 本発明の比較例に係る弾性布帛の表面図である。 本発明の比較例に係る弾性布帛の表面図である。 本発明に係る弾性布帛の斜視図である。 本発明に係る弾性布帛の斜視図である。 本発明に係る弾性布帛の斜視図である。 本発明に係る弾性布帛の斜視図である。 本発明に係る弾性布帛の斜視図である。
符号の説明
10:弾性布帛
11:弾性糸条(挿入糸・経糸・緯糸)
13:非弾性糸条(直線部分・交叉糸条)
18:経糸
19:鎖編目列(緯糸)
20:接結点
22:挿入糸(交叉糸条・非弾性糸条・経糸・緯糸)
31:表糸
32:表布
33:裏糸
34:裏布
35:連結糸
36:空隙層
37:開口
39:鎖編目列
40:ニットループ
50:シンカーループ
60:フレーム
61:支材
62:弾性面材
74:クッション面
75:横筋
76:縦筋
D :弾性糸条の平均太さ
d :非弾性糸条の平均太さ
φ :コース
Γ :コース方向
σ :ウエール
Σ :ウエール方向
Lc :平均コース間隔
h :布帛の長さ方向
r :布帛の幅方向
q :弾性面材の奥行き方向
i :弾性面材の幅方向
X :弾性糸条の延在方向
Y :直交方向
Z :45度バイアス方向

Claims (3)

  1. (1)(a) ニットループとシンカーループを形成してコース方向に連続する経糸と、ニードルループとシンカーループを形成することなくウエール方向に連続する緯糸とによって構成され、(b) 経糸が形成して連続するニットループとシンカーループの間に緯糸が挟まれて係止され、(c) その係止する緯糸によってコース方向において隣り合う経糸と経糸の間が連結されている弾性布帛であり、
    (2) 弾性糸条が経糸と緯糸の双方に適用されており、
    (3) その弾性糸条の破断伸度が60(%)以上であり、15%伸長後の弾性回復率が90(%)以上であり、
    (4) その弾性糸条が連続している延在方向における布帛の10%伸長時の応力(F)(N/5cm)が150≦F≦600(N/5cm)であり、
    (5) その弾性糸条が弾性布帛の幅の一部または全幅若しくは長さの一部または全長にわたって長くなって延在する延在方向における10%伸長時までの荷重伸度曲線図に示されるヒステリシスの加圧曲線(f0)によって表される荷重伸度関係式(f0 (ρ))の積分値(V)と、そのヒステリシスの減圧曲線(f1 )によって表される荷重伸度関係式(f1(ρ))の積分値(W)との差として表されるヒステリシスロス(C=V−W)の前記加圧曲線(f0 )によって表される荷重伸度関係式(f0(ρ))の積分値(V)に占めるヒステリシスロス率(ΔE=100×C/V=100×(V−W)/V)が、20〜45%(20≦ΔE≦45)である弾性布帛
  2. (1) 製織方向に連続する経糸と織幅方向に連続する緯糸によって織成された弾性布帛であり、
    (2) 弾性糸条が経糸と緯糸の双方に適用されており、
    (3) その弾性糸条の破断伸度が60(%)以上であり、15%伸長後の弾性回復率が90(%)以上であり、
    (4) その弾性糸条が連続している延在方向における布帛の10%伸長時の応力(F)(N/5cm)が150≦F≦600(N/5cm)であり、
    (5) その弾性糸条が弾性布帛の幅の一部または全幅若しくは長さの一部または全長にわたって長くなって延在する延在方向における10%伸長時までの荷重伸度曲線図に示されるヒステリシスの加圧曲線(f0)によって表される荷重伸度関係式(f0 (ρ))の積分値(V)と、そのヒステリシスの減圧曲線(f1 )によって表される荷重伸度関係式(f1(ρ))の積分値(W)との差として表されるヒステリシスロス(C=V−W)の前記加圧曲線(f0 )によって表される荷重伸度関係式(f0(ρ))の積分値(V)に占めるヒステリシスロス率(ΔE=100×C/V=100×(V−W)/V)が、20〜45%(20≦ΔE≦45)である弾性布帛
  3. 伸縮弾性の異なる数種類の経糸と、伸縮弾性の異なる数種類の緯糸が、それぞれ選択的に適用されている前掲請求項1と2の何れかに記載の弾性布帛。
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