JP2003342859A - 立体編物及びシート構造 - Google Patents

立体編物及びシート構造

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JP2003342859A JP2003073208A JP2003073208A JP2003342859A JP 2003342859 A JP2003342859 A JP 2003342859A JP 2003073208 A JP2003073208 A JP 2003073208A JP 2003073208 A JP2003073208 A JP 2003073208A JP 2003342859 A JP2003342859 A JP 2003342859A
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knitted fabric
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Yoshinori Fujita
悦則 藤田
Yumi Ogura
由美 小倉
Hideo Ikenaga
秀雄 池永
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Asahi Kasei Corp
Delta Tooling Co Ltd
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Asahi Kasei Corp
Delta Tooling Co Ltd
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    • D10INDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBLASSES OF SECTION D, RELATING TO TEXTILES
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 負荷による圧力条件や入力条件に応じて異な
る特性を発揮でき、各種シート構造のクッション層に適
用した場合には従来より薄い構造としても、必要な特性
を備えた構造とすることができる立体編物を提供する。 【解決手段】 本発明の立体編物は、直径200mmの
圧縮板を用いて剛体面上で載置した状態で測定される荷
重−たわみ特性が、250N以上の任意の領域で100
N/mm以下となる一方で、当該任意の領域よりも小さ
な領域においてはより高いバネ定数を有し、ヒステリシ
スロス率が50%以下に設定されている。このため、本
発明の立体編物は、単独の構成でありながら、負荷によ
る圧力条件や入力条件によって異なる特性を発揮でき、
シート構造のクッション層に適用した場合には、立体編
物の積層数を少なくでき、また、厚みも薄くできる。こ
のため、従来と比較して、クッション層がより薄型で軽
量なシート構造を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、立体編物、並びに
該立体編物を含んで構成されるクッション層を備え、自
動車、列車、航空機などの各種輸送機器用座席構造、映
画館や劇場等に設置される椅子、あるいは事務用椅子等
に適用することができるシート構造に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、薄型で軽量であり、高いクッショ
ン性を発揮できると共に、多数の空隙を有し、通気性に
優れた三次元構造のネット材(立体編物)を用いたクッ
ション構造が知られている。この立体編物は、互いに離
間して配置した一対のグランド編地間を多数の連結糸で
結合し、三次元構造としたもので、通気性、体圧分散特
性、反発弾性等に優れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、各種シート
構造に用いられているクッション層の荷重特性(荷重−
たわみ特性)が、該クッション層に接する人の臀部等の
筋肉の荷重特性(荷重−たわみ特性)よりも高く、クッ
ション層と筋肉との形状的な差が大きい場合には、クッ
ション層からの反力(硬めのクッション層では主に法線
方向の力、筋肉よりも硬いが柔らかめのクッション層で
は主に剪断方向の力)によって筋肉が大きく変形し圧迫
が生じ、血流の偏りや筋肉負担の増加をもたらす。この
ため、各種シート構造に適用されるクッション層は、人
の筋肉の荷重特性とほぼ同等か、それよりも柔らかい程
度のものが望まれる。このため、本発明者は、従来、立
体編物を低い伸び率で、好ましくは5%未満の伸び率で
シートフレームなどに張設することにより、立体編物の
主として面方向(接線方向)の弾性を利用して、人の筋
肉の荷重特性とほぼ同等かそれよりも柔らかな荷重特性
を有するクッション層を提案している。しかしながら、
着座状態におけるストローク感ないしは厚み感を持たせ
るために、従来の構造では立体編物を何層にも積層して
用いている。
【0004】また、乗物用のシート構造に用いられるク
ッション層の場合には、筋肉の変形を来すことなく、ま
た、筋肉へのフィット性を損なうことなくロール、ヨー
の動きを吸収したり、さらには、大きな荷重が入力され
た際の衝撃力の緩和機能などが要求される。しかしなが
ら、従来知られている立体編物では、一つの構造で複数
の機能を持たせることが困難であり、このような種々の
機能をクッション層に付与するには、複数種類の立体編
物を何層にも積層する必要があり、この点からもクッシ
ョン層全体としての厚みが厚くなりがちであった。
【0005】本発明は、上記した点に鑑みなされたもの
であり、負荷による圧力条件や入力条件に応じて異なる
特性を発揮でき、各種シート構造のクッション層に適用
した場合には従来より薄い構造としても、必要な特性を
備えた構造とすることができる立体編物及び該立体編物
を用いたシート構造を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため研究を重ね、シート構造のクッション層に
適用した場合に、低い伸び率で張設することにより人の
臀部等の筋肉の静的な荷重特性に近似した特性を発揮で
きると共に、姿勢変化に対し高い追従性を発揮でき、し
かも大きな荷重が入力された際に高い緩衝性を発揮でき
る立体編物の特性条件を見出し、本発明を完成するに至
ったものである。
【0007】すなわち、請求項1記載の本発明では、表
裏二層のグランド編地同士が連結糸で結合されて形成さ
れた立体編物であって、直径200mmの圧縮板を用い
て剛体面上に載置した状態で測定される荷重−たわみ特
性として、荷重250N以上の任意の領域で100N/
mm以下となるバネ定数を有すると共に、前記任意の領
域よりも小さな荷重領域では前記任意の領域のバネ定数
よりも高いバネ定数を有し、かつヒステリシスロス率が
50%以下であることを特徴とする立体編物を提供す
る。請求項2記載の本発明では、前記直径200mmの
圧縮板を用いて剛体面上に載置した状態で測定される荷
重−たわみ特性として、前記ヒステリシスロス率が30
%以下であることを特徴とする請求項1記載の立体編物
を提供する。請求項3記載の本発明では、直径98mm
の圧縮板を用いて剛体面上に載置した状態で測定される
荷重−たわみ特性のヒステリシスロス率が30%以下で
あることを特徴とする請求項1記載の立体編物を提供す
る。請求項4記載の本発明では、前記連結糸がポリトリ
メチレンテレフタレート繊維で構成されていることを特
徴とする請求項1記載の立体編物を提供する。請求項5
記載の本発明では、前記ポリトリメチレンテレフタレー
ト繊維の直径が、0.1mm以上0.35mm以下であ
ることを特徴とする請求項4記載の立体編物を提供す
る。請求項6記載の本発明では、前記ポリトリメチレン
テレフタレート繊維の編み密度が、6.45cm当た
り、130本以上1000本以下であることを特徴とす
る請求項5記載の立体編物を提供する。請求項7記載の
本発明では、厚みが3mm以上20mm以下であること
を特徴とする請求項6記載の立体編物を提供する。
【0008】請求項8記載の本発明では、請求項1〜7
のいずれか1に記載の立体編物が、クッション層の一の
構成部材として、シート構造を形成するフレーム、ワイ
ヤ、ベルト部材などの各種支持部材によって支持されて
いることを特徴とするシート構造を提供する。請求項9
記載の本発明では、面状バネ部材が、クッション層を構
成する他の構成部材として前記立体編物の裏面側に積層
されて設けられていることを特徴とする請求項8記載の
シート構造を提供する。請求項10記載の本発明では、
前記面状バネ部材が、シート構造を形成する前記各種支
持部材に、クッション層を構成するさらに他の構成部材
としての他のバネ部材を介して支持されていることを特
徴とする請求項9記載のシート構造を提供する。請求項
11記載の本発明では、前記クッション層がシートクッ
ション部に用いられ、前記面状バネ部材が前記立体編物
の下部に配設され、該面状バネ部材に連結される他のバ
ネ部材は、無負荷時において、面状バネ部材との連結位
置より、シート構造を形成する前記各種支持部材との連
結位置が低所となるように設けられていることを特徴と
する請求項10記載のシート構造を提供する。請求項1
2記載の本発明では、前記面状バネ部材が、弾性糸を含
む織物又は編物より選ばれ、通常使用域における減衰比
が0.2以下の復元性の高い弾性部材であることを特徴
とする請求項9〜11のいずれか1に記載のシート構造
を提供する。請求項13記載の本発明では、前記面状バ
ネ部材が、引張試験による引っ張り特性として、一方向
には軟化バネ特性を示し、他方向には線形バネ特性を示
す弾性部材であることを特徴とする請求項9〜12のい
ずれか1に記載のシート構造を提供する。請求項14記
載の本発明では、前記他のバネ部材が、金属バネである
ことを特徴とする請求項10又は11記載のシート構造
を提供する。請求項15記載の本発明では、前記立体編
物として、任意の高さで伸び率0%で張った状態で測定
される直径200mmの圧縮板を用いた荷重−たわみ特
性において、相対的にバネ定数の高い立体編物が中央部
に配設され、相対的にバネ定数の低い立体編物が体側付
近に対応する部位に配設されると共に、前記面状バネ部
材として、同様の条件で測定した荷重−たわみ特性にお
いて、バネ定数が、荷重250N以上の領域に属する平
衡点付近では前記中央部に配置される立体編物のバネ定
数とほぼ同じで、平衡点付近よりも大きな荷重領域では
前記中央部に配置される立体編物のバネ定数よりも低い
値を示すものが用いられていることを特徴とする請求項
9〜13のいずれか1に記載のシート構造を提供する。
【0009】(作用)請求項1又は2記載の本発明の立
体編物は、直径200mmの圧縮板を用いて剛体面上で
測定される荷重−たわみ特性として、荷重250N以上
の任意の領域で100N/mm以下となるバネ定数を有
する。従って、かかる立体編物をシート構造のクッショ
ン層に適用し、シート構造を形成するフレーム等に低い
伸び率で、好ましくは5%未満の伸び率で張設した場
合、この立体編物の伸びが規制される状態に至るまで
は、該立体編物の面方向(張力方向)の伸びにより、人
の筋肉の荷重特性とほぼ同じかそれよりも柔らかな荷重
特性を発揮できる。その一方、大きな荷重が入力されて
立体編物の面方向のバネ定数が大きくなると、グランド
編地に張力がかかることによってグランド編地と連結糸
との連結部における締め込みが強くなり、連結糸自体の
曲げ剛性による面直方向のバネ定数が作用するようにな
る。その結果、本発明の立体編物はその時点に至ってグ
ランド編地と連結糸との締め込みによるクーロン摩擦力
が大きくなり、連結糸は座屈特性により倒れる本数が増
加し、100N/mm以下の低いバネ定数による反作用
の小さなバネ感が作られ、人体にフィットし、底付き感
を低減し、高い緩衝性を発揮する。この場合、相対的に
ヒステリシスロスが小さい立体編物の場合には、相対的
にバネ感の作用が大きくなり、それによって底付き感を
低減でき、相対的にヒステリシスロスが大きい立体編物
の場合には、どちらかと言えば、バネ感よりもグランド
編地と連結糸との締め込みによるクーロン摩擦力と連結
糸が倒れる際のたわみ感の作用によって底付き感を低減
できる。なお、ヒステリシスロス率は50%以下、好ま
しくは30%以下である。換言すれば、面方向(張力方
向)のバネ特性が作用した後、グランド編地と連結糸と
の締め込み部の摩擦力が増大することによって、復元性
の高い連結糸の座屈特性が作用する。すなわち、面方向
(張力方向)のバネ定数と面直方向のバネ定数が直列的
に機能することから、全体のバネ定数が小さくなり、減
衰比が大きくなる。このため、衝撃吸収性も向上するこ
とができる。
【0010】請求項3記載の本発明の立体編物は、該立
体編物自体を直径98mmの圧縮板を用いて剛体面上で
測定した際の荷重−たわみ特性として、ヒステリシスロ
ス率が30%以下である。直径98mmの圧縮板は、人
の臀部の半分あるいは大腿部片側の平均的な接触面積に
相当する程度の大きさであるが、この圧縮板により測定
される荷重特性において連結糸の線形性が高いため、人
が着座中に臀部等を動かして人体中心がずれた際には、
その姿勢変化に速やかに追従して連結糸の倒れが復元す
る。このため、本発明の立体編物は、人体の動的変化に
対してもフィット感が高く、この立体編物を自動車など
の座席構造のクッション層に適用した場合には、姿勢の
動的変化に拘わらず高い振動吸収特性を発揮することが
できる。
【0011】請求項4〜7のいずれかに記載の本発明の
立体編物によれば、ポリトリメチレンテレフタレート繊
維から構成される連結糸を用いており、連結糸をグラン
ド編地間に掛け渡すという配置構造により得られる座屈
特性に加えて、ポリトリメチレンテレフタレート繊維自
体の有する高い弾性機能の作用により、優れた形状回復
特性が得られる。このため、所定の細い直径のものを使
用することにより、また、編み密度を所定の密度に設定
することにより、グランド編地と連結糸との摩擦による
ヒステリシスロスを調整して、当該連結糸の有する本来
のバネ特性を十分機能させることができる。従って、従
来知られている立体編物と比較して厚みをより薄くした
場合でも、上記した荷重特性を備えた立体編物を好適に
形成することができる。
【0012】請求項8記載の本発明のシート構造によれ
ば、クッション層の一の構成部材として上記した各立体
編物を配設しているため、低い伸び率で、好ましくは5
%未満の伸び率で張設することにより、人の筋肉の荷重
特性とほぼ同等かそれよりも柔らかな荷重特性を発揮で
きると共に、復元力が高いため、人体の動的変化に対す
る追従性が高く、振動吸収特性を向上させることができ
る。また、所定以上の大きな荷重が入力された場合で
も、底付き感を低減する高い緩衝性が発揮される。すな
わち、上記したように、個別に作用するバネ要素を直列
に組み合わせたバネ構造体として機能する立体編物を低
い伸び率で張設することにより、シート構造のクッショ
ン層に求められる複数の特性を一つの立体編物に付与す
ることができ、立体編物の積層数を従来よりも減らし、
クッション層全体の厚みを薄くすることができる。すな
わち、薄いクッション厚でありながら、深いストローク
感を付与することができる。
【0013】請求項9〜14記載の本発明のシート構造
によれば、面状バネ部材が配置されているため、大きな
荷重が入力されることにより、面状バネ部材及び該面状
バネ部材の上部に配置された立体編物の面方向(張力方
向)の伸びが限界に至ると、該立体編物は剛体面上に載
置されている場合と同様の状態となり、連結糸の倒れ及
びその復元力によって、柔らかなバネ感ないしはたわみ
感を生じ、反作用が小さくなり、高いフィット感によっ
て底付き感を低減することができる。特に、請求項13
記載の本発明のシート構造の場合には、面状バネ部材が
一方向に引っ張った際には軟化バネ特性を示し、他方向
に引っ張った際には線形バネ特性を示す。このため、面
状バネ部材を構成するいずれかの繊維が切断するに至る
前の通常使用域を超えるような大荷重入力時には、軟化
バネ特性により変位量が増大してもバネ定数が小さくな
って減衰比が上がるため、衝撃吸収特性に優れている。
【0014】請求項15記載の本発明のシート構造によ
れば、バネ定数の低い立体編物を体側付近に配置し、そ
れよりもバネ定数の高い立体編物を人体中心に沿った部
位を含む中央部に配置した場合には、着座時の座り込み
感(厚み感ないしストローク感)がこの体側付近の立体
編物の弾性により発揮される。その後、中央部に配置し
た立体編物がたわみ、さらに、その下部に積層した面状
バネ部材がたわむ。この中央部に配置した立体編物及び
面状バネ部材のたわみにより、筋肉のバネ特性とほぼ同
等かそれよりも低いバネ特性が発揮され、筋肉の変形を
押さえ、フィット感の高い着座感が得られる。また、面
状バネ部材として、減衰比の低いものを採用することに
より、入力荷重が大きくなった際には、中央部に配置し
た立体編物は剛体面上に載置した状態と同様の状態とな
り、連結糸の倒れや変形によって底付き感を低減でき
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明するが、本発明の立体編物及びシート構造はかかる
実施形態に限定されるものではなく、当業者によりなさ
れる通常の改変を含むものである。
【0016】(立体編物)本発明の立体編物の実施形態
について説明する。ここで、立体編物とは、表裏二層の
グランド編地同士が連結糸で結合され、三次元構造に形
成されたものであり、従来、例えば、特開平11−26
9747号公報に開示されている連結糸としてポリトリ
メチレンテレフタレート繊維を用いたものが知られてい
る。
【0017】本実施形態の立体編物は、上記各グランド
編地が外観上大きな凹凸を有しておらず、略平坦面とな
るように形成され、編成された立体編物を剛体面上に載
置した上で、直径200mmの圧縮板を用いて厚み方向
に加圧して測定される荷重−たわみ特性(但し、負荷及
び除荷時の圧縮板の動作速度50mm/min)とし
て、荷重250N以上の任意の領域で100N/mm以
下のバネ定数を有すると共に、ヒステリシスロス率が5
0%以下となる構造を有している。なお、本実施形態で
は、所望の荷重−たわみ特性を、グランド編地が略平坦
面となる通常の立体編物に編成工程のみで達成できるた
め、編成後、凹凸部を形成したりして所望の特性を付与
する場合と比較して作業工程が簡易である。
【0018】その一方、上記した250N以上の任意の
領域に至る前の荷重−たわみ特性としては、該任意の領
域のバネ定数よりも高く設定されている。これにより、
立体編物は、剛体面上に載置した場合と同様の条件で
は、上記任意の領域に至るまで連結糸の倒れやグランド
編地の変形を抑制できる。すなわち、この立体編物をシ
ートクッション部のクッション層の上層に用いた場合、
大荷重が入力されて、下層に用いられている後述の面状
バネ部材が弾性限界に至るまでは、ほとんど潰れず、面
状バネ部材が弾性限界に至って伸びが規制されると、剛
体面上に載置した状態と同様になり、連結糸の倒れや復
元力の作用、あるいはグランド編地の編み目の変形作用
が大きくなり、これによって、面状バネ部材が弾性限界
に至ったときに感じる底付き感を低減することができ
る。
【0019】また、この立体編物は、上記した直径20
0mmの圧縮板を用いて剛体面上に載置した状態で測定
される荷重−たわみ特性において、ヒステリシスロス率
が50%以下となる構造を有していることが好ましい。
より好ましいヒステリシスロス率は30%以下である。
ヒステリシスロス率が50%以下であることにより、減
衰を抑制できる。また、ヒステリシスロス率50%以下
において、相対的にヒステリシスロス率が低い場合に
は、バネ感の作用が大きく、それにより底付き感を低減
でき、相対的にヒステリシスロス率が高い場合にはたわ
み感の作用が大きく、それにより底付き感を低減でき
る。
【0020】本実施形態の立体編物は、上記したように
直径200mmの圧縮板で加圧した際の荷重−たわみ特
性としては、250N以上の任意の領域で低いバネ定数
を有しているが、直径98mmの圧縮板を用いて剛体面
上に載置した状態で測定した荷重−たわみ特性として
は、ヒステリシスロス率が30%以下の線形性の高い構
造を有していることが好ましい。直径200mmの圧縮
板は臀部全体の接触面積に相当するが、直径98mmの
圧縮板により測定した場合には、臀部半分あるいは片側
大腿部付近の接触面積に相当する。従って、上記直径9
8mmの圧縮板で測定した際の立体編物の特性を上記し
た範囲とすることにより、人が平衡状態から臀部や大腿
部の位置をずらしたりした場合に、その範囲の連結糸の
倒れ等が復元しやすく、姿勢変化に追随して人体へフィ
ットする。すなわち、人体の動的変化に対して高い追従
性を持った構造とすることができる。
【0021】上記した荷重−たわみ特性を備えた立体編
物を形成する材料としては、特開平11−269747
号公報に開示されているポリトリメチレンテレフタレー
ト繊維を連結糸として用いることが好ましい。ポリトリ
メチレンテレフタレート繊維は、トリメチレンテレフタ
レート単位を主たる繰り返し単位とするポリエステル繊
維であって、トリメチレンテレフタレート単位を50モ
ル%以上、好ましくは70モル%以上、より好ましくは
80モル%以上、最も好ましくは90モル%以上含むも
のである。ポリトリメチレンテレフタレート繊維を用い
ることにより、線径が細くても、圧縮弾性回復性を損な
うことなくフィット性、形状追従性に優れた立体編物を
製造することができるため、上記荷重−たわみ特性を備
えた立体編物を製作するのに適切である。
【0022】ポリトリメチレンテレフタレート繊維は、
モノフィラメント原糸であることが好ましく、直径0.
1mm以上0.35mm以下が好ましい。より好ましく
は直径0.15mm以上0.3mm以下である。0.1
mm未満又は0.35mmを超える場合には、編成され
る立体編物に上記した荷重−たわみ特性を付与すること
が困難となると共に、この立体編物を張設してクッショ
ン層として用いた場合には筋肉に近似した荷重−たわみ
特性を付与することが困難となる。なお、直径が上記範
囲である限り、ポリトリメチレンテレフタレート繊維の
マルチフィラメント原糸、スパン糸、捲縮糸であっても
よい。ポリトリメチレンテレフタレート繊維の断面形状
は限定されるものではなく、丸、四角、三角、扁平等の
任意の断面形状のものを用いることができる。
【0023】ポリトリメチレンテレフタレート繊維から
なる連結糸の本数は、編成される立体編物に上記荷重−
たわみ特性を付与するために、立体編物6.45cm
の面積中に130本以上1000本以下の割合で設ける
ことが好ましい。より好ましくは200本以上900本
以下である。また、厚みは3mm以上20mm以下が好
ましい。より好ましくは3mm以上15mm以下、最も
好ましくは5mm以上13mm以下である。厚さ3mm
未満ではクッション性が不足し、シート構造のクッショ
ン層に用いた場合には底付き感を感じやすく、厚さ20
mmを超えると連結糸が横倒れしやすくなり形態安定性
に欠ける。
【0024】立体編物の表層と裏層を構成するグランド
編地を形成する繊維としては、例えば、ポリトリメチレ
ンテレフタレート繊維、ポリエチレンテレフタレート繊
維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリアミド繊
維、ポリアクリロニトリル繊維、ポリプロピレン繊維等
の合成繊維、綿、麻、ウール等の天然繊維等の任意の繊
維を用いることができるが、ポリトリメチレンテレフタ
レート繊維やポリエチレンテレフタレート繊維を用いる
ことが立体編物の耐光性等の耐久性、リサイクル性の点
で好ましい。表層と裏層のグランド編地に用いる繊維の
形態は未加工糸、紡績糸、撚糸、仮撚加工糸、流体噴射
加工糸等いずれのものを採用してもよいが、仮撚加工糸
を用いると振動減衰性向上、風合い向上の点で好まし
い。
【0025】立体編物は、相対する2列の針床を有する
編機で編成することができる。このような編機として、
ダブルラッセル編機、ダブル丸編機、Vベッドを有する
横編機等がある。寸法安定性のよい立体編物を得る上
で、ダブルラッセル編機を用いるのが好ましい。
【0026】立体編物の表層と裏層のグランド編地は、
表面を平坦な組織にして肌触りを良好なものにしても良
く、四角、六角等のメッシュ編地やマーキゼット編地等
複数の開口部を有する編地に編成して、意匠性を付与し
ても良い。表層と裏層のグランド編地を異なる編組織と
しても良い。
【0027】連結糸は、表層と裏層のグランド編地中に
ループ状の編み目を形成してもよく、挿入組織で表層と
裏層のグランド編地に引っかけた構造でもよいが、少な
くとも2本の連結糸が表層と裏層の編地を互いに逆方向
に斜めに傾斜して、クロス状(X状)やトラス状に連結
することが、立体編地の形態安定性を向上させる上で好
ましい。
【0028】立体編物の仕上げ加工方法は、生機を、精
練、染色、ヒートセット等の工程を通して仕上げること
ができる。立体編物の表層や裏層のグランド編地を構成
する繊維や連結糸に原液着色糸を用いると染色工程を簡
略化でき好ましい。
【0029】(実施例1)14ゲージ、釜間15mmの
ダブルラッセル編機においてL1、L2、L3、L4、
L5、L6の6枚の筬を用い、表層のグランド編地を形
成する2枚の筬(L1、L2、)から835デシテック
ス240フィラメントのポリエチレンテレフタレート繊
維仮撚加工糸(旭化成株式会社製ポリエステル仮撚加工
糸167デシテックス48フィラメントの5本引き揃
え)を、L1ガイドに2イン2アウトの配列で、L2ガ
イドに2アウト2インの配列で供給し、裏層のグランド
編地を形成する2枚の筬(L6、L7)から501デシ
テックス144フィラメントのポリエチレンテレフタレ
ート繊維仮撚加工糸(旭化成株式会社製ポリエステル仮
撚加工糸167デシテックス48フィラメントの3本引
き揃え)をガイドにオールインの配列で供給し、連結糸
を形成する2枚の筬(L3、L4)から390デシテッ
クス(直径0.19mm)のポリトリメチレンテレフタ
レートモノフィラメント(旭化成株式会社製)を、L3
ガイドに2イン2アウトの配列で、L4ガイドに2アウ
ト2インの配列で供給した。以下に示す編組織で、打ち
込み13コース/2.54cmの密度で立体編物の生機
を編成した。得られた生機を150℃×1分で乾熱ヒー
トセットし、厚さ9.5mm、重量925g/m、編
地密度14コース/インチ、13ウエール/インチ、単
位面積当たりの連結糸本数364本/6.45cm
立体編物を得た。
【0030】(編組織) L1:4544/2322/1011/3233/ L2:1011/3233/4544/2322/ L3:3245/2310/2310/3245/ L4:2310/3245/3245/2310/ L5:1110/0001/ L6:2210/2234/
【0031】(実施例2)表層のグランド編地を形成す
る2枚の筬(L1、L2)から835デシテックス24
0フィラメントのポリトリメチレンテレフタレート繊維
仮撚加工糸(旭化成株式会社製ポリトリメチレンテレフ
タレート繊維「ソロ」仮撚加工糸167デシテックス4
8フィラメントの5本引き揃え)をL1ガイドに2イン
2アウトの配列で、L2ガイドに2アウト2インの配列
で供給し、裏層のグランド編地を形成する2枚の筬(L
6、L7)から501デシテックス144フィラメント
のポリトリメチレンテレフタレート繊維仮撚加工糸(旭
化成株式会社製ポリトリメチレンテレフタレート繊維
「ソロ」仮撚加工糸167デシテックス48フィラメン
トの3本引き揃え)をガイドにオールインの配列で供給
した以外は実施例1と同様にして、立体編地の生機を編
成した。得られた生機を150℃×1分で乾熱ヒートセ
ットし、厚さ10.0mm、重量1145g/m、編
地密度15コース/インチ、14ウエール/インチ、単
位面積当たりの連結糸本数420本/6.45cm
立体編地を得た。
【0032】(試験例1)実施例1及び実施例2により
得られた各立体編物を、剛体面上に静置し、直径200
mmの圧縮板により、50mm/minで荷重1000
Nまで加圧して荷重−たわみ特性を測定すると共に、直
径98mmの圧縮板により、50mm/minで荷重1
00Nまで加圧した荷重−たわみ特性を測定した。結果
を図1及び図2に示す。
【0033】図1から明らかなように、実施例1の立体
編物の場合には、グラフの傾きが緩やかになっている範
囲が、負荷方向及び除荷方向共に変位量約4〜6mmで
あって、かつ負荷方向では荷重約440N〜520Nの
範囲に、除荷方向では400N〜320Nの範囲に現れ
ており、その範囲におけるバネ定数は、負荷方向及び除
荷方向共に約40N/mmであった。また、変位量約4
〜6mmの範囲のヒステリシスロス率は約25%であっ
た。実施例2の立体編物の場合には、グラフの傾きが緩
やかになっている範囲が、負荷方向及び除荷方向共に変
位量約3.5〜5.5mmであって、かつ負荷方向では
荷重約550N〜650Nの範囲に、除荷方向では荷重
約400N〜270N現れており、その範囲におけるバ
ネ定数は、負荷方向で約50N/mm、除荷方向で約6
5N/mmであった。また、変位量約3.5〜5.5m
mの範囲のヒステリシスロス率は約45%であった。
【0034】また、上記した荷重領域に至る前の負荷方
向のバネ定数は、実施例1の場合で約120N/mmで
あり、実施例2の場合で約200N/mmであり、いず
れも平衡点付近のバネ定数よりもはるかに高かった。
【0035】従って、実施例1、実施例2の各立体編物
は、いずれも本発明の構成要件を満足する特性を有して
いた。但し、実施例1の方がヒステリシスロス率が小さ
く、線形性が高いことから、実施例1の構造がより好ま
しい。
【0036】また、図2から明らかなように、直径98
mmの圧縮板を用いて測定した荷重−たわみ特性では、
いずれもヒステリシスロス率30%以下で高い線形性を
有していると共に、バネ定数がいずれも20N/mm以
上であり、圧縮弾性回復性に優れ、姿勢変化に対する形
状追従性が高いことがわかる。
【0037】(試験例2)試験例1においては、各立体
編物を剛体面上に置き、その厚み方向の荷重−たわみ特
性を測定しているが、本試験例2では、各立体編物を浮
かせた状態で配置した上で荷重をかけることにより、荷
重−たわみ特性を測定した。すなわち、本試験例2で
は、実施例1及び実施例2の各立体編物を、それぞれ単
独で、シートクッション部を構成するサイドフレーム間
に伸び率0%で張った状態で、直径200mmの圧縮板
を用いて、50mm/minで荷重1000Nまで加圧
して荷重−たわみ特性を測定した。また、後述するシー
ト構造の実施形態において面状バネ部材として用いる弾
性糸を含んで織られた二次元ネット材も同様に伸び率0
%で張って荷重−たわみ特性を測定した。結果を図3に
示す。
【0038】図3から明らかなように、いずれの変位量
領域においても、最もバネ定数が低く、柔らかくて伸び
やすいのは実施例2の立体編物であった。より詳しく
は、荷重300N以上800N以下の範囲内である平均
的体重の人の平衡点である荷重約300N〜約600N
の領域に至るまでは、実施例2、実施例1、二次元ネッ
ト材の順でバネ定数が高くなっており、平衡点付近の領
域である荷重約300N〜約600Nの間では実施例1
と二次元ネット材のバネ定数がほぼ同じになっている。
そして、荷重約600Nを超えると、バネ定数が実施例
2、二次元ネット材、実施例1の順で高くなり、荷重約
300Nに至るまでと比較して実施例1及び二次元ネッ
ト材の順序が入れ替わっている。
【0039】このことから、実施例1、実施例2及び上
記の二次元ネット材を用いて、シート構造のクッション
層を形成する場合には、実施例1の立体編物が人体に最
も近接した位置となるように設け、二次元ネット材をそ
の下部に積層し、実施例2の立体編物を二次元ネット材
の側部に連結した上で人体の体側付近に対応した部位に
配設すると、理想的なクッション層を形成することがで
きる。このように配置した場合には、人体の体側付近に
生じる側圧感ないしはハンモック感を軽減することがで
きる。そして、着座初期には、実施例2の立体編物の大
きなたわみによって人体が感じるストローク感ないしは
クッション層の厚み感が発揮され、次いで、実施例1の
立体編物のたわみ量が大きくなると共に、平衡点付近で
は二次元ネット材と共にたわむ。
【0040】一方、平衡状態において大きな振動や衝撃
が入力された場合には、上記のように、たわむ順序が実
施例2の立体編物、二次元ネット材の順となり、人体に
近接している実施例1の立体編物のたわみ量が少ない。
従って、入力振動は実施例2の立体編物及び二次元ネッ
ト材により吸収されやすく、実施例1の立体編物があま
りたわまないため、人体に働く剪断力を小さくすること
ができる。そして、入力される荷重が平衡状態と比較し
て所定以上大きい場合には、実施例1の立体編物は、剛
体面上に載置されている場合と同様になり、グランド編
地と連結糸との締め込みが強くなって、連結糸の倒れや
復元力により、100N/mm以下の柔らかなバネ定数
により、人体にフィットし、底付き感を低減できる。な
お、実施例1の立体編物にかかる機能を発揮させるに当
たって、その下層に配置される二次元ネット材は通常使
用域における減衰比が0.2以下のものを用いることが
好ましい。また、二次元ネット材としては、弾性糸を含
んで構成されるものが用いられるが、より具体的には、
たて糸とよこ糸のいずれか一方がポリエステル系エラス
トマー繊維、ポリウレタン繊維などの弾性糸から構成さ
れ、他方が弾性糸よりも弾性の小さいナイロン繊維、ポ
リエステル繊維などの普通糸から構成されるものが用い
られ、図19に示したように、弾性糸の配置方向に沿っ
た一方向(幅方向)に引っ張った際の引っ張り特性とし
て軟化バネ特性を示し、普通糸の配置方向に沿った他方
向(ロール方向)に引っ張った際の引っ張り特性として
線形バネ特性を示すものを用いることが好ましい。これ
により、面直方向にかかる荷重により面方向(張力方
向)に沿って引っ張られた際に、普通糸が破断する前の
通常使用域においては、線形ばね特性により良好な振動
吸収特性を発揮できると共に、通常使用域を超える大荷
重入力時には、普通糸が破断して、弾性糸の軟化バネ特
性の作用が大きくなり、変位量が増大してもバネ定数が
小さくなって減衰比が上がり、優れた衝撃吸収特性を発
揮することができる。この場合、図19に示したよう
に、普通糸の材料や線径の選択等により、他方向(ロー
ル方向)に引っ張った際の線形バネ特性としては、ロー
ル方向1のように全く非線形特性を有しない構造とする
こともできるし、初期たわみ領域(通常は、たわみ量1
0mm以下の領域(ロール方向2)、最大でも、たわみ
量20mm以下の領域(ロール方向3))において非線
形特性を有する構造とすることもできる。初期たわみ領
域において非線形特性を有する構造とすることにより着
座時のストローク感を増大することができる。但し、非
線形特性を有する場合のヒステリシスロスは30%以下
とすることが好ましい。なお、図19に示した引っ張り
特性は、上記した二次元ネット材を、長さ200mm、
幅50mmで切り出した試験片を用い、この試験片の長
手方向各端部からそれぞれ50mm内側に寄った部位ま
でを掴み代として試験機により長手方向に沿って50m
m/分の速度で引っ張ることにより測定して得られる特
性である。この際、弾性糸の配置方向に沿った引っ張り
特性は、弾性糸の配置方向が長手方向となるように切り
出した試験片を用い、普通糸の配置方向に沿った引っ張
り特性は、普通糸の配置方向が長手方向となるように切
り出した試験片を用いる。また、上記した引張特性は、
二次元ネット材の平面方向(X方向、Y方向)の特性で
あるが、シートフレームに支持した際の面直方向(Z方
向)の特性としては、後述のように、弱い非線形特性を
示し、人の筋肉に近似したバネ特性を示すものが好まし
い。
【0041】次に、上記のようにして張られている実施
例1の立体編物、実施例2の立体編物及び二次元ネット
材のそれぞれについて、直径98mmの圧縮板により、
50mm/minで荷重100Nまで加圧した荷重−た
わみ特性を測定した。直径98mmの圧縮板は上記のよ
うに臀部の半分、あるいは大腿部片側の大きさに相当
し、この荷重−たわみ特性により、シート構造が用いら
れている乗物にロール方向、ヨー方向の揺動が生じた場
合の特性を判断できる。結果を図4に示す。なお、図4
では、人の臀部の筋肉の荷重−たわみ特性を併せて示し
ている。
【0042】図4から明らかなように、実施例1の立体
編物は筋肉の荷重−たわみ特性よりもやや低い傾向を示
し、実施例2の立体編物はそれよりも柔らかなバネ定数
を示している。また、二次元ネット材は、臀部の筋肉の
荷重−たわみ特性とほぼ同じバネ定数を示している。従
って、各立体編物及び二次元ネット材を、上記した順序
で積層、配置し、シートのクッション層を形成した場合
には、揺動が生じても、下部に配置された二次元ネット
材はあまり伸びることなく、乗物の揺動方向に追随して
傾く。このため、ロール方向、ヨー方向の揺動は、実施
例2の立体編物でまず吸収され、続いて、実施例1の立
体編物で吸収され、最後に二次元ネット材が作用するこ
とになる。但し、この際、二次元ネット材は、人体の荷
重−たわみ特性とほぼ同様の荷重−たわみ特性を有する
ため、人体の筋肉を大きく変形させることがない。
【0043】次に、実施例1の立体編物、実施例2の立
体編物及び、二次元ネット材について、直径30mmの
圧縮板により、50mm/minで荷重100Nまで加
圧した荷重−たわみ特性を測定した。また、人の臀部の
筋肉の荷重−たわみ特性についても同様に測定した。結
果を図5に示す。図5から明らかなように、実施例2の
立体編物が最も低く、実施例1の立体編物は筋肉のバネ
特性よりもやや低く、二次元ネット材は筋肉のバネ特性
とほぼ同様であった。
【0044】このことから、実施例2の立体編物は、こ
れらを支持するシートフレームやクッション層を構成す
る他の部材、例えば金属バネなどの上部に配置すること
により、人体と金属バネなどの間で、この立体編物自身
が変形し、反力が小さいため、金属バネなどの当たり感
が人体に伝わることを抑制することができる。実施例1
の立体編物の場合には、筋肉よりも若干柔らかいため、
この立体編物を上層に配置することにより、座骨結節な
どの骨格の突出部位が当接した場合に、変形しやすく、
当接した際の反力が軽減される。また、面状バネ部材
が、筋肉のバネ特性とほぼ同等であるため、面状バネ部
材から筋肉に対して大きな反力が作用することもない。
【0045】次に、振幅2.5mm(ピーク間距離5m
mp−p)で、実施例1の立体編物及び実施例2の立体
編物に対し、それぞれ重さ10kgの負荷質量を載置し
て加振した際の各立体編物の相対変位量と力の関係のリ
サージュ図形を求め、図6及び図7にそれぞれ示した。
また、図6及び図7においては、図3の各荷重−たわみ
特性を、リサージュ図形の原点を98N(10kg)に
合わせて示した。
【0046】この結果から、実施例1及び実施例2のい
ずれの立体編物も、荷重−たわみ特性の行き(荷重負荷
時)と帰り(荷重除去時)の曲線の範囲内にいずれの振
幅においてもリサージュ図形がほぼ収まっており、大き
な共振特性を示していない。リサージュ図形の力は、入
力振動に伴って人体に伝達される力であるが、それが荷
重−たわみ特性の曲線の範囲から大きく飛び出している
ということは、低周波帯で共振が生じ、入力振動の吸収
率が低く、負荷質量体が立体編物から飛び跳ねて離間す
ることを意味するが、上記各実施例の立体編物はこのよ
うな現象が生じていない。
【0047】また、通常、リサージュ図形は、楕円状に
描かれ、リサージュ図形の傾きで示されるバネ定数には
振幅依存性がないが、上記各実施例では、いずれも半楕
円状になっている。これは、振幅が大きくなるとバネ定
数が小さくなることを示すものであり、図6に示したよ
うに、実施例1の立体編物では、振幅が小さい場合には
k=16127N/mで、振幅が大きい場合にはk=2
2208N/mであった。同様に、実施例2の立体編物
では、振幅が小さい場合にはk=15427N/mで、
振幅が大きい場合にはk=19858N/mであった。
そこで、各立体編物表面に接する位置から重さ10kg
のウエイトを落下させ、各減衰比を求めた。結果を図8
及び図9に示す。
【0048】図8より、実施例1の立体編物の場合に
は、2つの減衰比0.149、0.331が求められ、
実施例2の立体編物の場合には、2つの減衰比0.17
5、0.336が求められた。すなわち、実施例1及び
実施例2の立体編物は、大きな振幅を伴う荷重が入力さ
れた場合には、減衰比が0.1以上高くなり、入力され
る荷重の大きさによって異なる減衰性能を発揮できるこ
とを示す。このため、上記各実施例の立体編物は、単独
の構造物でありながら、上記した線形性の高いバネ特性
により、通常の振動入力に対して高い除振性能を有して
いると共に、大きな荷重が入力された際には、大きな減
衰比により高い減衰性能を発揮することができる。な
お、大荷重入力の際の減衰比は、通常時と比較して、
0.1以上、好ましくは0.15以上、より好ましくは
0.18以上高くなることが望ましい。
【0049】(シート構造)次に、本発明のシート構造
の実施形態について説明する。図10〜図12は、シー
ト構造の一の実施形態を示す図であり、図10は、該シ
ート構造1の一部を切り欠いて示した外観斜視図であ
り、図11はシートクッション部2の詳細構造を示す図
であり、図12は、シートクッション部2の断面図であ
る。これらの図に示したように、本実施形態のシートク
ッション部2では、クッション層10として、人体の中
心部に沿った中央部に配置される第1の立体編物11
と、人体の体側付近に対応する両側部に配置される第2
の立体編物12と、面状バネ部材としての弾性糸を織り
込んで形成された二次元ネット材13と、面状バネ部材
に連結される他のバネ部材としての金属バネ14とを用
いている。
【0050】本実施形態では、第1の立体編物11とし
て、上記した実施例1の立体編物を用いており、第2の
立体編物12として実施例2の立体編物を用いている。
また、第1の立体編物11と第2の立体編物12は、い
ずれも2枚ずつ積層して配置されている。より具体的に
は、第1の立体編物11は、2枚を積層した上で、その
両側部に、上側に配置される第2の立体編物12aが縫
合されて連結されており、さらに、この上側に配置され
た第2の立体編物12aの外側端部に縫い継がれたトリ
ム布15を介して、シートクッション部2を構成する各
サイドフレーム20に固定されることにより張設されて
いる。第1の立体編物11とこれに縫い継いだ上側に配
置される第2の立体編物12aとは、サイドフレーム2
0間において、伸び率5%未満で、好ましくは伸び率0
%で張設される。これにより、上記した立体編物の各特
性を発揮することができる。なお、図12に示したよう
に、上側の第2の立体編物12aは、第1の立体編物1
1に対して、内側端部を内方に折り返した状態で縫合さ
れており、その外側端部もトリム布15に対して内方に
折り返した状態で縫合されている。このため、上側の第
2の立体編物12aは、無負荷時においては、下側の第
2の立体編物12bから浮き上がり、空隙部を有した状
態で配置される。これにより、人体に対し、高い厚み感
を感じさせることができる。
【0051】第1の立体編物11の下部に積層されて配
設される面状バネ部材としての二次元ネット材13は、
折り返されて二重になっており、各側部が、第2の立体
編物12のうちの下側に配置される立体編物12bの内
側端部に縫合されて連結される。下側に配置される第2
の立体編物12bは、サイドフレーム20上を乗り越え
て、その外側端部に縫い継がれるトリム布16を介して
サイドフレーム20の外面に係合される。また、下側の
第2の立体編物12bの裏面側であって、内側端部と外
側端部との間には、ゴム材17が配置されており、これ
により、そのバネ特性によって、第1の立体編物11や
第2の立体編物12を上記したような低い伸び率で張設
した際のストローク感ないしは厚み感を補っている。
【0052】二次元ネット材13の各側部には、クッシ
ョン層を構成するさらに他のバネ部材としての金属バネ
14の一端が連結されている。金属バネ14は、図11
に示したように、シートクッション部2の奥行き方向に
所定間隔ごとに配置され、複数本用いられるが、そのい
ずれも、サイドフレーム20に連結される他端の連結位
置が、上記した二次元ネット材13の各側部に連結され
る一端の連結位置よりも低所となるように設けられてい
る。これにより、負荷荷重が加わった場合、例えば、図
12(b)に示したように、人が着座することによって
二次元ネット材13の位置が下降する場合には、金属バ
ネ18は略水平状態となるまではほとんど作用せず、所
定以上の負荷荷重になって初めて作用する。このため、
金属バネ14を配置することによって生じる異物感が極
めて小さくなる。また、人の大転子付近に相当する部位
はたわみが大きい。従って、大転子付近に配置する金属
バネ14をこのように二次元ネット材13との連結位置
よりもサイドフレーム20との連結位置が低所となるよ
うに設け、他の部位に配置される金属バネ14を例えば
略水平に設けたりすることにより、各金属バネ14が作
用し始める荷重を異ならせることができる。すなわち、
このような構成とすると、負荷荷重が小さい場合や小さ
な振動入力の際に作用する金属バネ14の本数を、負荷
荷重が大きい場合や大きな振動入力の際に作用する金属
バネ14の本数よりも少なくでき、体重差を吸収して安
定した振動吸収特性を発揮できる。
【0053】図13は、シート構造の他の実施形態にか
かるクッション層10を示す図である。本実施形態にお
いては、中央部に配置される実施例1の立体編物11を
一枚にすると共に、両側部に配置される実施例2の立体
編物12も一枚にして、実施例1の立体編物11の各側
部を、下層に配置される二次元ネット材13の各側部と
共に、実施例2の立体編物13の内側端部に縫合して連
結したことを除き、上記実施形態と同様である。すなわ
ち、上記実施形態では、実施例1の立体編物11及び実
施例2の立体編物12共に、2枚ずつ積層し、厚みを厚
くしているが、本実施形態では、より厚みを薄くしてい
る点で異なる。上記した所定の特性を備えた実施例1及
び実施例2の立体編物を用いることにより、このように
1枚で用いても、シート構造に必要なストローク感ない
しは厚み感を十分確保することができる。
【0054】なお、上記した実施形態では、立体編物1
1,12などのクッション層10をサイドフレーム20
に張設して支持させているが、これに限定されるもので
はなく、シート構造1を形成する他の支持部材、例え
ば、他のフレーム、ワイヤ、ベルト部材などによって支
持させることもできる。
【0055】(試験例3)図10〜12に示した実施形
態にかかるシート構造1に用いたクッション層10に対
し、シートクッション部2の後方から150mm前方寄
り、250mm前方寄り、350mm前方寄りの各位置
において、直径200mmの圧縮板により、50mm/
minで荷重1000Nまで加圧して荷重−たわみ特性
を測定した。結果を図14に示す。
【0056】この図から明らかなように、本実施形態に
かかるシート構造では、いずれの部位でも柔らかなバネ
特性が得られることがわかる。このような柔らかなバネ
特性は、ポリウレタンフォームで作り出す場合には、通
常、厚み100mm程度は必要であるが、本実施形態に
かかるシート構造によれば、二枚積層されている実施例
1の立体編物11及び厚さ約2mmの二次元ネット材1
3の厚みを併せて、全体で厚さ約20mmであり、極め
て薄い構造で柔らかなバネ特性を達成できている。ま
た、変位量約70mm程度までのバネ定数は、最大でも
5N/mm程度であり、初期の座り込み感ないしはスト
ローク感が発揮される。これに対し、荷重400〜60
0Nの範囲の平衡点付近の領域では、バネ定数が約20
N/mmであり、しかも、ヒステリシスロスが小さいこ
とから、高い振動吸収性能を発揮し得る荷重特性を備え
ている。
【0057】また、シートクッション部2の後方から1
50mm前方寄り、250mm前方寄り、350mm前
方寄りの各位置において、直径98mmの圧縮板によ
り、50mm/minで荷重100Nまで加圧して荷重
−たわみ特性を測定し、成人男性2人の臀部筋肉の荷重
−たわみ特性(一方の被験者のデータを「臀部A」、他
方の被験者のデータを「臀部B」で示す)と比較した。
結果を図15〜図17に示す。
【0058】これらの図から明らかなように、いずれの
部位においても、筋肉の荷重−たわみ特性とほぼ同じ
か、それよりも若干低い程度となっている。従って、本
実施形態のクッション層10では、筋肉に変形を来すよ
うな反力を生じないことがわかる。また、いずれの部位
でもヒステリシスロスが小さく、線形性の高い荷重−た
わみ特性を示しており、クッション層全体としても、人
体の姿勢変化に対して高い追従性を発揮できる構造とな
っていることがわかる。
【0059】(試験例4)次に、上記実施形態にかかる
シート構造に、体重55kg、64kg、96kgの日
本人男性(それぞれ、JM55、JM64、JM96)
が着座し、振幅1mm(ピーク間距離(p−p)2m
m)で加振し、振動特性を測定した。結果を図18に示
す。
【0060】乗り心地に大きく影響を与えるのは上下振
動により骨格自体を前後に揺らす2Hz以下と上下に揺
らす5Hzの動揺であることが知られている。従って、
共振峰はこの範囲を避け、また、内蔵との共振となる6
〜8Hzの加速度伝達率を下げることが望ましい。この
点、本実施形態のシート構造に採用されているクッショ
ン層を用いた場合には、共振峰が2Hzと5Hzの間に
設定されていると共に、6〜8Hzの内蔵と共振する範
囲の加速度伝達率が1.3〜1(G/G)以下と、著し
く小さくなっており、振動吸収性能の点でも非常に優れ
ている。
【0061】
【発明の効果】本発明の立体編物は、直径200mmの
圧縮板を用いて剛体面上で載置した状態で測定される荷
重−たわみ特性が、250N以上の任意の領域で100
N/mm以下となる一方で、当該任意の領域よりも小さ
な領域においてはより高いバネ定数を有し、ヒステリシ
スロス率が50%以下に設定されている。このため、本
発明の立体編物は、単独の構成でありながら、負荷によ
る圧力条件や入力条件によって異なる特性を発揮でき、
シート構造のクッション層に適用した場合には、立体編
物の積層数を少なくでき、また、厚みも薄くできる。こ
のため、従来と比較して、クッション層がより薄型で軽
量なシート構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1及び実施例2の各立体編物を
剛体面上に載置して、直径200mmの圧縮板により、
50mm/minで荷重1000Nまで加圧して測定し
た荷重−たわみ特性を示す図である。
【図2】図2は、実施例1及び実施例2の各立体編物を
剛体面上に載置して、直径98mmの圧縮板により、5
0mm/minで荷重100Nまで加圧して測定した荷
重−たわみ特性を示す図である。
【図3】図3は、実施例1及び実施例2の各立体編物を
所定の高さで張設した状態で、直径200mmの圧縮板
により、50mm/minで荷重1000Nまで加圧し
て測定した荷重−たわみ特性を示す図である。
【図4】図4は、実施例1及び実施例2の各立体編物を
所定の高さで張設した状態で、直径98mmの圧縮板に
より、50mm/minで荷重100Nまで加圧して測
定した荷重−たわみ特性を示す図である。
【図5】図5は、実施例1及び実施例2の各立体編物を
所定の高さで張設した状態で、直径30mmの圧縮板に
より、50mm/minで荷重100Nまで加圧して測
定した荷重−たわみ特性を示す図である。
【図6】図6は、実施例1に係る立体編物の力と相対変
位の関係を示すリサージュ図形である。
【図7】図7は、実施例2に係る立体編物の力と相対変
位の関係を示すリサージュ図形である。
【図8】図8は、実施例1に係る立体編物の減衰比を示
す図である。
【図9】図9は、実施例2に係る立体編物の減衰比を示
す図である。
【図10】図10は、本発明の一の実施形態に係るシー
ト構造の一部を切り欠いて示した外観斜視図である。
【図11】図11は、上記シート構造のシートクッショ
ン部の詳細構造を示す図である。
【図12】図12は、図10のA−A矢視図であって、
(a)は着座前のシートクッション部の断面図を、
(b)は着座時のシートクッション部の断面図を示す。
【図13】図13は、本発明の他の実施形態に係るシー
トクッション部を示す図であり、(a)は着座前のシー
トクッション部の断面図を、(b)は着座時のシートク
ッション部の断面図を示す。
【図14】図14は、図10〜12に示した実施形態に
かかるシート構造に用いたクッション層に対し、シート
クッション部の後方から150mm前方寄り、250m
m前方寄り、350mm前方寄りの各位置において、直
径200mmの圧縮板により、50mm/minで荷重
1000Nまで加圧して測定した荷重−たわみ特性を示
す図である。
【図15】図15は、図10〜12に示した実施形態に
かかるシート構造に用いたクッション層に対し、シート
クッション部の後方から150mm前方寄りの位置にお
いて、直径98mmの圧縮板により、50mm/min
で荷重100Nまで加圧して測定した荷重−たわみ特性
を示す図である。
【図16】図16は、図10〜12に示した実施形態に
かかるシート構造に用いたクッション層に対し、シート
クッション部の後方から250mm前方寄りの位置にお
いて、直径98mmの圧縮板により、50mm/min
で荷重100Nまで加圧して測定した荷重−たわみ特性
を示す図である。
【図17】図17は、図10〜12に示した実施形態に
かかるシート構造に用いたクッション層に対し、シート
クッション部の後方から350mm前方寄りの位置にお
いて、直径98mmの圧縮板により、50mm/min
で荷重100Nまで加圧して測定した荷重−たわみ特性
を示す図である。
【図18】図18は、図10〜12に示した実施形態に
かかるシート構造に用いたクッション層の振動特性を示
す図である。
【図19】図19は、上記実施形態で用いた二次元ネッ
ト材の引張特性を示す図である。
【符号の説明】
1 シート構造 10 クッション層 11 立体編物(実施例1) 12 立体編物(実施例2) 13 二次元ネット材 14 金属バネ 17 ゴム材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小倉 由美 広島県広島市安芸区矢野新町一丁目2番10 号 株式会社デルタツーリング内 (72)発明者 池永 秀雄 大阪府高槻市八丁畷町11番7号 旭化成株 式会社内 Fターム(参考) 4L002 AA07 AB04 AC01 CB01 CB02 DA01 DA04 EA00 FA06

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表裏二層のグランド編地同士が連結糸で
    結合されて形成された立体編物であって、 直径200mmの圧縮板を用いて剛体面上に載置した状
    態で測定される荷重−たわみ特性として、荷重250N
    以上の任意の領域で100N/mm以下となるバネ定数
    を有すると共に、前記任意の領域よりも小さな荷重領域
    では前記任意の領域のバネ定数よりも高いバネ定数を有
    し、かつヒステリシスロス率が50%以下であることを
    特徴とする立体編物。
  2. 【請求項2】 前記直径200mmの圧縮板を用いて剛
    体面上に載置した状態で測定される荷重−たわみ特性と
    して、前記ヒステリシスロス率が30%以下であること
    を特徴とする請求項1記載の立体編物。
  3. 【請求項3】 直径98mmの圧縮板を用いて剛体面上
    に載置した状態で測定される荷重−たわみ特性のヒステ
    リシスロス率が30%以下であることを特徴とする請求
    項1記載の立体編物。
  4. 【請求項4】 前記連結糸がポリトリメチレンテレフタ
    レート繊維で構成されていることを特徴とする請求項1
    記載の立体編物。
  5. 【請求項5】 前記ポリトリメチレンテレフタレート繊
    維の直径が、0.1mm以上0.35mm以下であるこ
    とを特徴とする請求項4記載の立体編物。
  6. 【請求項6】 前記ポリトリメチレンテレフタレート繊
    維の編み密度が、6.45cm当たり、130本以上
    1000本以下であることを特徴とする請求項5記載の
    立体編物。
  7. 【請求項7】 厚みが3mm以上20mm以下であるこ
    とを特徴とする請求項6記載の立体編物。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1に記載の立体
    編物が、クッション層の一の構成部材として、シート構
    造を形成するフレーム、ワイヤ、ベルト部材などの各種
    支持部材によって支持されていることを特徴とするシー
    ト構造。
  9. 【請求項9】 面状バネ部材が、クッション層を構成す
    る他の構成部材として前記立体編物の裏面側に積層され
    て設けられていることを特徴とする請求項8記載のシー
    ト構造。
  10. 【請求項10】 前記面状バネ部材が、シート構造を形
    成する前記各種支持部材に、クッション層を構成するさ
    らに他の構成部材としての他のバネ部材を介して支持さ
    れていることを特徴とする請求項9記載のシート構造。
  11. 【請求項11】 前記クッション層がシートクッション
    部に用いられ、前記面状バネ部材が前記立体編物の下部
    に配設され、該面状バネ部材に連結される他のバネ部材
    は、無負荷時において、面状バネ部材との連結位置よ
    り、シート構造を形成する前記各種支持部材との連結位
    置が低所となるように設けられていることを特徴とする
    請求項10記載のシート構造。
  12. 【請求項12】 前記面状バネ部材が、弾性糸を含む織
    物又は編物より選ばれ、通常使用域における減衰比が
    0.2以下の復元性の高い弾性部材であることを特徴と
    する請求項9〜11のいずれか1に記載のシート構造。
  13. 【請求項13】 前記面状バネ部材が、引張試験による
    引っ張り特性として、一方向には軟化バネ特性を示し、
    他方向には線形バネ特性を示す弾性部材であることを特
    徴とする請求項9〜12のいずれか1に記載のシート構
    造。
  14. 【請求項14】 前記他のバネ部材が、金属バネである
    ことを特徴とする請求項10又は11記載のシート構
    造。
  15. 【請求項15】 前記立体編物として、任意の高さで伸
    び率0%で張った状態で測定される直径200mmの圧
    縮板を用いた荷重−たわみ特性において、相対的にバネ
    定数の高い立体編物が中央部に配設され、相対的にバネ
    定数の低い立体編物が体側付近に対応する部位に配設さ
    れると共に、前記面状バネ部材として、同様の条件で測
    定した荷重−たわみ特性において、バネ定数が、荷重2
    50N以上の領域に属する平衡点付近では前記中央部に
    配置される立体編物のバネ定数とほぼ同じで、平衡点付
    近よりも大きな荷重領域では前記中央部に配置される立
    体編物のバネ定数よりも低い値を示すものが用いられて
    いることを特徴とする請求項9〜13のいずれか1に記
    載のシート構造。
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