JP2000160453A - 弾性織物およびクッション材 - Google Patents

弾性織物およびクッション材

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JP2000160453A
JP2000160453A JP11253159A JP25315999A JP2000160453A JP 2000160453 A JP2000160453 A JP 2000160453A JP 11253159 A JP11253159 A JP 11253159A JP 25315999 A JP25315999 A JP 25315999A JP 2000160453 A JP2000160453 A JP 2000160453A
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elastic
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polyetherester
elastic yarn
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Tetsushi Oka
哲史 岡
Yasuo Ota
康雄 大田
Katsuji Oda
勝二 小田
Naoki Nishimori
直樹 西森
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】目ずれをせずに優れた弾性と弾性回復性を示
し、クッション材として好適な弾性織物及びクッション
材を提供する。 【解決手段】経糸及び/又は緯糸にポリエーテルエステ
ル系弾性糸を配した下記物性を具備する弾性織物、及び
前記弾性織物を用いてなるクッション材。 (1)織物の経方向および緯方向の破断強度が25kgf/5cm幅
以上。 (2)織物の弾性糸の滑脱抵抗力が0.2kgf以上。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、経糸と緯糸が接着
した織物に関するものであり、特に家具や事務用椅子な
どに適した弾性を有する織物、クッション材に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】家具およびベッドなどのクッション材に
は、従来、ウレタンフォーム、ポリエステル繊維詰綿や
ポリエステル繊維を接着した樹脂綿や固綿などが使用さ
れている。クッションとしての快適な性能を得るため
に、クッション性の異なるものを複合したり、クッショ
ン成形時に二重構造にするなど工夫されたものが多く用
いられている。これらのクッション材はいずれも嵩張っ
たり、小容積でのクッション性の良いものを得ることが
できないという問題があった。
【0003】このような観点より省スペースでクッショ
ン性の良いクッション材の開発が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、弾性織物、
特に省スペースでクッション性の得られるシート用弾性
織物およびクッション材を提供しようとするものであ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする手段】すなわち、本発明は、
経糸及び/又は緯糸に融点の異なる2種以上のポリエー
テルエステル系弾性糸を配した織物を熱処理してなる下
記物性を具備することを特徴とする弾性織物およびクッ
ション材である。 (1)織物の経方向および緯方向の破断強度が25kgf/5cm幅
以上。 (2)織物の弾性糸の滑脱抵抗力が0.2kgf以上。
【0006】ここでいうクッション材とは、クッション
性能を利用する各種用途に用いる部品のことであり、そ
の利用方法は、特に限定されない。例えば、事務椅子の
座席および/または背部へ用い、それ単独でクッション
機能を持たせることもできるし、クッション材をウレタ
ンフォーム、ポリエステル繊維詰綿、ポリエステル繊維
を接着した樹脂綿や固綿、スプリング等と組み合わせ
て、椅子構造体の一部として用いることもできる。ま
た、その表層に意匠性を持たせた別の布帛を組み合わせ
て用いることもできる。
【0007】弾性織物およびクッション材の具体的な用
途として、例えば、事務椅子、リビング用椅子や自動車
・電車等の輸送機器用座席への利用が挙げられるが、本
発明はこれらに限定されるものではない。
【0008】本発明で用いられるポリエーテルエステル
系弾性糸とは、特に制限されないが、シート用織物とし
て必要な強度、伸長後の回復性などを得るため、芳香族
ジカルボン酸とグリコールとを主原料として用いられる
芳香族ポリエステルが好ましい。さらにポリブチレンテ
レフタレートとポリテトラメチレングリコールを共重合
させたポリエステル弾性糸は、伸長後の回復性が良いた
めより好ましい。
【0009】本発明に係わる織物の経緯方向の少なくと
も一方にポリエーテルエステル系弾性糸を使用する必要
がある。ポリエーテルエステル系弾性糸を用いることで
伸長後の回復性が良好に保たれる。
【0010】本発明に係わる弾性糸として、融点の異な
る少なくとも2種類の弾性糸を用いるが、これは熱処理
を行なうことにより、融点の高い弾性糸の有する弾性率
を保持したまま、融点の低い弾性糸が溶融、再固化し、
織物交点の目止めを行なうことが可能となるからであ
る。また、融点の異なる少なくとも2種類の弾性糸を熱
処理した場合、低融点のポリエーテルエステル繊維樹脂
が織物の経糸および緯糸の交点に偏在しながら融着する
ため、織物の強度、弾性回復率等を低下させることな
く、かつ強固な目止め性を得ることができる。さらに、
低融点のポリエーテルエステル樹脂を少量使用するだけ
で、効果的に目止めすることが可能となる。
【0011】融点の低い弾性糸の融点は、紡糸性、製織
性より100℃以上、この弾性糸の使用目的より、融点の
高い弾性糸の融点より30℃低い温度以下とする糸を使用
することができる。また、融点の高い弾性糸とそれより
融点の低い弾性糸の使用比率は、任意に取ることができ
るが、実用上、重量比で 1:1から20:1が好ましい。よ
り好ましくは3:2から15:1である。さらに、熱処理は
融点の高い弾性糸の融点より10℃低い温度と融点のより
低い弾性糸の融点より10℃高い温度との間の温度で行な
うことが好ましい。この織物を熱処理することにより、
織物組織内で接する他の糸と十分に接着させることが可
能である。言うまでもなく、この織物に用いるポリエス
テル糸の融点は、融点の高いポリエーテルエステル系弾
性糸の融点と同じかそれ以上でなければならない。
【0012】本発明において、融点の一番高い弾性糸と
それを目止めするために使用する融点のより低い弾性糸
は、織物中で組織として浮き沈みを同一にすることが望
ましい。緯糸に弾性糸を用いたこのような組織の一例を
図1に示す。あるいはあらかじめ両者を引き揃えたり、
合撚して使用することが望ましい。これにより、融点の
より低い弾性糸が溶融した際、弾性を保持する融点の高
い弾性糸や他の溶融せずに残る糸に良好な目止め性を得
ることができる。また、織物を構成する弾性糸は、経緯
どちらの方向に用いても構わないが、製織性、織物品位
の点から緯糸に用いる方が好ましい。
【0013】本発明における融点の一番高い弾性糸と融
点のより低い弾性糸との使用比率は、任意にとることが
できるが、実用上、糸本数比で3:1から1:2が好まし
い。より好ましくは2:1もしくは1:1である。
【0014】本発明に係わる弾性糸は、モノフィラメン
トであるとなお好ましい。マルチフィラメントであって
も、伸長後の回復性などの機械的性質は問題がないが、
摩擦に対する抵抗性が少ないため耐久性に劣る可能性が
ある。好ましいモノフィラメントの繊度は100デニール
以上6000デニール以下である。100デニール未満では摩
擦に対する抵抗性が少なく、耐久性が十分に得られない
可能性があり、6000デニールを超えると織物製造上の取
扱いが難しくなる。より好ましい繊度の範囲は300デニ
ール以上3000デニール以下である。また、単糸100デニ
ール以上のマルチフィラメントが使用できる。
【0015】本発明に係わる織物において用いられるポ
リエステル糸は、無加工のものを使用しても、ループ加
工糸や仮撚加工糸を使用しても、また、両者を混合して
使用してもかまわない。糸は原着糸や先染糸を用いるこ
とができる。ポリエステル糸を使用することは、織物を
構成する糸がすべてポリエステル系となり、リサイクル
が容易となることから好ましい。
【0016】本発明に係わる織物におけるポリエーテル
エステル系弾性糸の滑脱抵抗力は、シート用クッション
材として重要な物性である。この値は0.2kgf以上でなけ
ればならない。滑脱抵抗力が0.2kgf未満であると目ずれ
やほつれを起こし、好ましくない。より好ましい滑脱抵
抗力は、0.5kgf以上、さらにより好ましくは、1kgf以上
である。
【0017】本発明に係わる織物の経方向および緯方向
の破断強度もシート用クッション材として重要な物性で
ある。この値は、25kgf/5cm幅以上でなければならな
い。破断強度が25kgf/5cm幅未満であると、クッション
材としての使用時に面が受ける荷重により織物が破断す
る可能性があり、好ましくない。より好ましくは35kgf/
5cm幅以上である。
【0018】本発明に係わる織物のポリエーテルエステ
ル系弾性糸使用方向における伸長後の回復率は、95%以
上であることが望ましい。ここでいう伸長後の回復率は
次のとおり測定する。まず、織物の上端を固定し、下端
に織物が弛まない程度の初荷重を与え、50cmの間隔で印
をつける。織物の長さが55cmになるような荷重をこの織
物の下端に与え、そのまま24時間放置する。24時間放置
後の織物の印の間の長さを測定し、これをL1とする。つ
ぎに荷重を除き、3時間放置した後、再び初荷重を与え
て、伸長後負荷解放後の織物の印の間の長さを測定し、
これをL2とする。このようにして求めた数値を用い、
((L1-L2)/(L1-50))*100(%)を伸長後の回復率とする。伸
長後の回復率が95%に満たないと、この織物を座席の臀
部を支えるクッション材として使用する場合、一度着席
したのち立席すると織物が弛んだままの状態になるので
好ましくない。
【0019】本発明に係わる織物には、難燃性および耐
光性を付与する必要があるならば、難燃剤および耐光剤
を含有させた糸を用いたり、あるいは、難燃剤および耐
光剤を織物に付与することができる。弾性糸については
原料樹脂に混合するものとして、難燃剤として、メラミ
ンシアヌレートを添加したり、燐化合物を付与する方法
が知られているが、特にこれに限定されるものではな
い。また、耐光剤も、カーボンブラックなどの添加によ
る耐光処方が用いられているが、特にこれに限定される
ものではない。
【0020】本発明に係わる織物に使用する弾性糸に、
色彩を付与する必要があるならば、染料や顔料を含有さ
せても良い。顔料としては、フタロシアニン系有機顔料
やカーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛など無機顔
料を添加する方法が知られているが、特にこれに限定さ
れるものではない。顔料を含む原着糸を使用することに
より、染色の手間を省くことができる。
【0021】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて説明する。
本発明は実施例によって特に制限されるものではない。
なお、実施例において用いた測定方法は下記のとおりで
ある。
【0022】(原糸強伸度) JIS L 1013に基づき、定
速伸長型試験機を用い、つかみ間隔100mm、引張速度100
mm/分で測定した。
【0023】(織物強伸度) JIS L 1096に基づき、定
速伸長型試験機を用い、つかみ間隔200mm、試験片の幅5
0mm、引張速度100mm/分で測定した。
【0024】(沈み込み量、伸長後の回復量) 40cm角
の鉄製フレームに織物を水平面内に固定し、底面が20cm
×10cmで各稜を半径5mmの面取りを行なった重量65kgの
おもりを、弾性糸を含む織物の場合、長辺が弾性糸と平
行になるように織物の中央部に載せて、24時間放置し
た。荷重負荷前の織物面の垂直方向の位置を基点とし、
荷重を負荷して24時間放置時の織物面の位置との差をそ
の織物の沈み込み量として求めた。沈み込み量測定後、
織物面に負荷していたおもりを取り除き、3時間放置し
た。24時間放置時の織物面の垂直方向の位置を基点と
し、おもり除去3時間放置後の織物面の位置との差をそ
の織物の伸長後の回復量として求めた。
【0025】(ほつれ=目止め性) JIS L 1096に基づ
き、糸引抜き法 A法による滑脱抵抗力を測定した。定速
伸長型試験機を用い、つかみ間隔30mm、試料片の幅20m
m、引張速度30mm/分で測定した。
【0026】(着座感)40cm角の鉄製フレームに織物
を水平面内に固定し、その上部に着座することにより、
そのフィーリングを調べた。
【0027】(実施例1)緯糸として融点222℃の1500d
ポリエーテルエステル系モノフィラメント弾性糸と融点
182℃の500dポリエーテルエステル系モノフィラメント
弾性糸を交互に合計40本/inch、経糸として750dポリエ
ステルマルチフィラメント糸を28本/inchの密度とした
図2に示す織組織を有し、Aを1500dポリエーテルエステ
ル系モノフィラメント弾性糸、Bを500dポリエーテルエ
ステル系モノフィラメント弾性糸とした織物を作成し
た。この織物を200℃で3分間の乾熱処理を行なった。熱
処理後の織物は、図3の通り、低融点ポリエーテルエス
テル樹脂が織物の経糸および緯糸の交点部分に偏在して
接着固化していることを確認した。また、熱処理後のサ
ンプルの着座感は、非常に良好でクッション材として充
分に使えるものであった。表1に糸、織物の物性ならび
に性能を示した。この織物の緯糸密度が乾熱処理後小さ
くなっているのは、乾燥熱処理を行なったため、ポリエ
ーテルエステル系モノフィラメントのうち、低融点繊維
は溶融し、密度にはカウントされないためである。
【0028】(実施例2)融点222℃の1500dポリエーテ
ルエステル系モノフィラメント弾性糸と融点182℃の500
dポリエーテルエステル系モノフィラメント弾性糸を、1
500dモノフィラメント弾性糸2本、500dモノフィラメン
ト弾性糸を1本の割合で緯糸として合計30本/inch、経糸
に640dポリエステルマルチフィラメント糸に流体乱流処
理加工したマルチフィラメントループ糸を28本/inchの
密度とした図4に示す織組織を有し、Aを1500dポリエー
テルエステル系モノフィラメント弾性糸、Bを500dポリ
エーテルエステル系モノフィラメント弾性糸とした織物
を作成した。この織物を200℃で3分間の乾熱処理を行な
った。熱処理後の織物の接着固化成分の状態は、実施例
1同様に織物の経糸および緯糸の交点に偏在しているこ
とを確認した。また、熱処理後のサンプルの着座感は、
非常に良好でクッション材として充分に使えるものであ
った。表1に糸、織物の物性ならびに性能を示した。こ
の織物の緯糸密度が乾熱処理後小さくなっているのは、
乾燥熱処理を行なったため、ポリエーテルエステル系モ
ノフィラメントのうち、低融点繊維は溶融し、密度には
カウントされないためである。
【0029】(実施例3)融点218℃のカーボンブラッ
クで着色した1500dポリエーテルエステル系モノフィラ
メント弾性糸と融点172℃のカーボンブラックで着色し
た500dポリエーテルエステル系モノフィラメント弾性糸
を、交互に緯糸として合計40本/inch、経糸にカーボン
ブラックで着色した1500dポリエステルマルチフィラメ
ント糸を28本/inchの密度とした図2に示す織組織を有
し、Aを着色1500dポリエーテルエステル系モノフィラメ
ント弾性糸、Bを着色500dポリエーテルエステル系モノ
フィラメント弾性糸とした織物を作成した。この織物を
190℃で2.5分間の熱処理を行なった。熱処理後の織物の
接着固化成分の状態は、実施例1同様に織物の経糸およ
び緯糸の交点に偏在していることを確認した。また、熱
処理後のサンプルの着座感は、非常に良好でクッション
材として充分に使えるものであった。表1に糸、織物の
物性ならびに性能を示した。この織物の緯糸密度が乾熱
処理後小さくなっているのは、乾燥熱処理を行なったた
め、ポリエーテルエステル系モノフィラメントのうち、
低融点繊維は溶融し、密度にはカウントされないためで
ある。
【0030】(比較例1)1000dポリエステル糸を経糸、
緯糸ともに使用し、経密度、緯密度とも27本/inchの平
織物を作成した。着座感は、非常に硬く、クッション材
としては不適であった。表2に糸、織物の物性ならびに
性能を示した。
【0031】(比較例2)緯糸として融点222℃の1500dポ
リエーテルエステル系モノフィラメント弾性糸を、密度
20本/inch、経糸に750dポリエステルマルチフィラメン
ト糸を密度28本/inchとした図5に示す織組織を有する
織物を作成した。この織物を200℃で3分間の熱処理を行
なった。着座感は、良好であったが、着座後の織物は、
目空き、目寄れが生じ、クッション材としては、不適で
あった。表2に糸、織物の物性ならびに性能を示した。
【0032】(比較例3)融点222℃の1500dポリエーテル
エステル系モノフィラメント弾性糸と融点182℃の500d
ポリエーテルエステル系モノフィラメント弾性糸を、交
互に緯糸として合計40本/inch、経糸に750dポリエステ
ルマルチフィラメント糸を28本/inchの密度とした図2
に示す織組織を有し、Aを1500dポリエーテルエステル系
モノフィラメント弾性糸、Bを500dポリエーテルエステ
ル系モノフィラメント弾性糸とした織物を作成した。着
座感は、良好であったが、着座後の織物は、目空き、目
寄れが生じ、クッション材としては、不適であった。表
2に糸、織物の物性ならびに性能を示した。
【0033】(比較例4)緯糸として、融点222℃ポリ
エーテルエステル系樹脂を芯部に融点162℃のポリエー
テルエステル系樹脂を鞘部に用い、芯:鞘=80:20
の重量比率でトータル2000dとなる芯鞘構造のモノ
フィラメント弾性糸を20本/inch、経糸として750dポリ
エステルマルチフィラメント糸を28本/inchの密度とし
た図6にしめす織組織を有する織物を作成した。この織
物を190℃で2.5分間の乾熱処理を行なった。熱処理後の
織物は、図7の通り、低融点ポリエーテルエステル樹脂
が織物の緯糸全体に渡り均一に接着固化していることを
確認した。また、熱処理後のサンプルの着座感は、良好
であったが、着座後の織物に、目空き、目寄れが生じ、
クッション材としては、不適であることが分かった。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】実施例および比較例の結果より次のことが
確認される。すなわち、実施例1〜3は、緯糸に融点の異
なる2種類のポリエーテルエステル系弾性糸を、他方経
糸にポリエステル糸を用い、乾熱処理を行なって目止め
を行なった織物であり、伸長後の弾性回復量が良好であ
り、かつ優れた弾性があり、また、滑脱抵抗力があり、
ほつれ・目ずれがなく、着座感も優れることからクッシ
ョン材、座席用バネ材、座席用表皮材に必要な特性をす
べて満足する織物であった。
【0038】比較例1は、ポリエーテルエステル系弾性
糸を使用しない織物であり、伸長後の回復量がほとんど
なく、弾性を示さなかった。比較例2は、ポリエーテル
エステル系弾性糸を1種類しか使用しない織物であり、
滑脱抵抗力がなく、ほつれ・目ずれをおこしていた。比
較例3は、ポリエーテルエステル系弾性糸を2種類使用し
ているが、乾熱処理を行なっていない織物であり、溶融
・再固化による目止めがされておらず、滑脱抵抗力がな
く、ほつれ・目ずれをおこしていた。比較例で作成した
これらの織物はいずれも、クッション材、座席用バネ材
および座席用表皮材としては、好ましくないものであっ
た。
【0039】
【発明の効果】上記のように、本発明の要件を満たす織
物において、目ずれをせずに優れた弾性と弾性回復性を
示し、クッション材として好適な弾性織物を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる織物の組織図の一例。
【図2】実施例1、3および比較例3で使用した織物の
組織図。
【図3】実施例1〜3の熱処理後の織物における接着固
化成分の状態を示す模式図。
【図4】実施例2で使用した織物の組織図。
【図5】比較例2で使用した織物の組織図。
【図6】比較例4で使用した織物の組織図。
【図7】比較例4の熱処理後の織物における接着固化成
分の状態を示す模式図。
【符号の説明】
A:高融点弾性糸、B:低融点弾性糸、C:芯鞘構造弾
性糸(芯=高融点のポリエーテルエステル樹脂、鞘=低
融点のポリエーテルエステル樹脂を使用)、1:経糸、
2:低融点のポリエーテルエステル樹脂。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西森 直樹 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】経糸及び/又は緯糸にポリエーテルエステ
    ル系弾性糸を配した下記物性を具備することを特徴とす
    る弾性織物。 (1)織物の経方向および緯方向の破断強度が25kgf/5cm幅
    以上。 (2)織物の弾性糸の滑脱抵抗力が0.2kgf以上。
  2. 【請求項2】融点の異なる2種以上のポリエーテルエス
    テル系弾性糸を有する織物を熱処理することにより低融
    点ポリエーテルエステル繊維樹脂が織物の経糸および緯
    糸の交点部分で融着固化してなる請求項1記載の物性を
    具備してなることを特徴とする請求項1記載の弾性織
    物。
  3. 【請求項3】低融点ポリエーテルエステル繊維樹脂が織
    物の経糸および緯糸の交点部分にのみ偏在して接着固化
    していることを特徴とする請求項2記載の弾性織物。
  4. 【請求項4】経または緯糸のいずれか一方にポリエーテ
    ルエステル系弾性糸、他方にポリエステル糸を配してな
    る請求項1〜3のいずれかに記載の弾性織物。
  5. 【請求項5】弾性糸の織物における含有率が25wt%以上
    であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載
    の弾性織物。
  6. 【請求項6】低融点弾性糸の織物における含有率が2〜6
    0wt%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに
    記載の弾性織物。
  7. 【請求項7】弾性糸がモノフィラメントであることを特
    徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の弾性織物。
  8. 【請求項8】請求項1記載の弾性織物を用いてなること
    を特徴とするクッション材。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1302578A3 (en) * 2001-10-05 2004-08-11 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha Elastic woven or knitted fabric, and cushioning material and seat using the same
JP2005330645A (ja) * 2002-08-07 2005-12-02 Kawashima Textile Manuf Ltd 弾性布帛

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