JP2003113551A - 快適性に優れた弾性織編物およびその製造方法 - Google Patents

快適性に優れた弾性織編物およびその製造方法

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JP2003113551A
JP2003113551A JP2001310392A JP2001310392A JP2003113551A JP 2003113551 A JP2003113551 A JP 2003113551A JP 2001310392 A JP2001310392 A JP 2001310392A JP 2001310392 A JP2001310392 A JP 2001310392A JP 2003113551 A JP2003113551 A JP 2003113551A
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elastic
stress
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Tetsushi Oka
哲史 岡
Yasuo Ota
康雄 大田
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】目ずれをせずに優れた弾性と弾性回復性を示
し、かつ長時間着座時も蒸れ感のないクッション材とし
て好適な弾性織編物を得ること。 【解決手段】少なくとも一部に有機合成高分子からなる
弾性糸を配した下記物性を融点の異なる2種以上のポリ
エーテルエステル系エラストマーからなる弾性糸を少な
くとも一部に配して製編織し、ついで低融点ポリエーテ
ルエステル系エラストマー成分が軟化もしくは溶融する
温度で熱処理することにより製造する。 (1)少なくとも経緯いずれか一方向の10%伸長時の応力
が100〜600N/5cm幅、かつ15%伸長時の伸長回復率が7
5%以上。 (2)125Paの圧力で通気した際の、通気度が100〜
700cc/cm2・sec。 (3)下式で示される織編物のタテ方向およびヨコ方向の1
0%伸長時の応力の比(ST1/ST2)が5以下。 ST1/ST2 ここで、ST1は、タテヨコいずれか一方の10%伸長時
の応力。ST2は、ST1と他方向の10%伸長時の応力。 但し、ST1≧ST2

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、快適な通気性を有
し、かつ強度および弾性回復性に優れる織編物および該
織編物をシートとして用いたクッション材、椅子張り
地、各種座席に関するものである。
【0002】
【従来の技術】椅子などの家具およびベッド、自動車・
電車を始めとする輸送機器などのクッション材には、従
来、ウレタンフォーム、ポリエステル繊維詰綿やポリエ
ステル繊維を接着した樹脂綿や固綿などが使用されてい
る。クッションとしての快適な性能を得るために、クッ
ション性の異なるものを複合したり、クッション成形時
に二重構造にするなど工夫されたものが多く用いられて
いる。これらのクッション材はいずれも嵩張ったり、小
容積でのクッション性の良いものを得ることができない
という問題があった。また、着座時の快適性には、その
通気度が強く影響するが、ウレタンフォーム、ポリエス
テル繊維詰綿やポリエステル繊維を接着した樹脂綿や固
綿などの従来のクッション材では、通気性を上げるに
は、限界があった。
【0003】このような観点より快適なクッション材と
して省スペースでクッション性に優れ、かつ通気性に優
れる材料の開発が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、弾性織編
物、特にクッション性および耐ヘタリ性に優れ、かつ省
スペースで通気性にも優れるクッション材として用いる
ことのできる弾性織編物を提供しようとするものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、少
なくとも一部に有機合成高分子からなる弾性糸を配した
下記物性を具備することを特徴とする弾性織編物であ
る。 (1)少なくとも経緯いずれか一方向の10%伸長時の応力
が100〜600N/5cm幅、かつ15%伸長時の伸長回復率が7
5%以上。 (3)125Paの圧力で通気した際の、通気度が100〜
700cc/cm2・sec。 (3)下式で示される織編物のタテ方向およびヨコ方向の1
0%伸長時の応力の比(ST1/ST2)が5以下。 ST1/ST2 ここで、ST1は、タテヨコいずれか一方の10%伸長時
の応力。ST2は、ST1と他方向の10%伸長時の応力。 但し、ST1≧ST2
【0006】ここでいうクッション材とは、クッション
性能を利用する各種用途に用いる部品であり、その利用
方法は、特に限定されない。例えば、事務椅子の座席お
よび/または背部へ用い、それ単独でクッション機能を
持たせることもできるし、クッション材をウレタンフォ
ーム、ポリエステル繊維詰綿、ポリエステル繊維を接着
した樹脂綿や固綿、スプリング等と組み合わせて、椅子
構造体の一部として用いることもできる。また、その表
層に意匠性を持たせた別の布帛を組み合わせて用いるこ
ともできる。
【0007】本発明で用いられるポリエーテルエステル
系エラストマーは、特に制限されないが、シート用織編
物として必要な強度、伸長後の回復性などを得るため、
芳香族ジカルボン酸とグリコールとを主原料として用い
られる芳香族ポリエステルが好ましい。さらにポリブチ
レンテレフタレートとポリテトラメチレングリコールを
共重合させたポリエステル弾性糸は、伸長後の回復性が
良いためより好ましい。
【0008】本発明に係わる織編物は、少なくとも一部
に有機合成高分子からなる弾性糸を使用する必要があ
る。弾性糸を用いることで伸長後の回復性が良好に保た
れる。
【0009】本発明に係わる弾性糸として、融点の異な
る2種以上のポリエーテルエステル系エラストマーから
なる弾性糸を用いるが、これは熱処理を行なうことによ
り、融点の高いポリエーテルエステル系エラストマーの
有する弾性率を保持したまま、融点の低いポリエーテル
エステル系エラストマーが溶融、再固化し、織編物交点
の目止めを行なうことが可能となるからである。また、
融点の異なるポリエーテルエステル系エラストマーから
なる弾性糸を熱処理した場合、柔軟で弾性回復性に優れ
る低融点のポリエーテルエステル系エラストマーが織物
の経糸および緯糸の交点もしくは編物を構成する糸同士
の交点に融着固化するため、織編物の強度、弾性回復率
等を低下させることなく、かつ強固な目止め性を得るこ
とができる。
【0010】融点の低いポリエーテルエステル系エラス
トマーの融点は、紡糸性、製編織性より100℃以上、
この弾性糸の使用目的より、融点の高いポリエーテルエ
ステル系エラストマーの融点より30℃低い温度以下と
する糸を使用することができる。また、融点の高いポリ
エーテルエステル系エラストマーとそれより融点の低い
ポリエーテルエステル系エラストマーの使用比率は、任
意に取ることができるが、実用上、重量比で95:5か
ら30:70 が好ましい。より好ましくは90:10か
ら60:40である。さらに、熱処理は融点の高い弾性
糸の融点より10℃低い温度と融点のより低い弾性糸の
融点より10℃高い温度との間の温度で行なうことが好
ましい。この織編物を熱処理することにより、織編物組
織内で接する他の糸と十分に接着させることが可能であ
る。言うまでもなく、この織編物に用いるポリエステル
糸の融点は、融点の高いポリエーテルエステル系弾性糸
の融点と同じかそれ以上でなければならない。
【0011】本発明において、織編物を構成する弾性糸
は、経緯どちらの方向に用いても構わないが、製編織
性、織編物品位の点から緯糸に用いる方が好ましい。ま
た、その織編組織は、経編み(シングルラッセル、ダブ
ルラッセル、トリコット)、緯編み、平織、綾織、朱子
織、からみ織など種々の織編組織から選択することがで
きるが本発明はこれらに限定されるものではない。
【0012】本発明に係わる弾性糸は、モノフィラメン
トであるとなお好ましい。マルチフィラメントであって
も、伸長後の回復性などの機械的性質は問題がないが、
摩擦に対する抵抗性が少ないため耐久性に劣る可能性が
ある。好ましいモノフィラメントの繊度は100 dtex以上
6000 dtex以下である。100dtex未満では摩擦に対する抵
抗性が少なく、耐久性が十分に得られない可能性があ
り、6000 dtexを超えると織編物製造上の取扱いが難し
くなる。より好ましい繊度の範囲は300dtex以上3000dte
x以下である。また、単糸100dtex以上のマルチフィラメ
ントが使用できる。
【0013】本発明に係わる織物において用いられるポ
リエステル糸は、無加工のものを使用しても、ループ加
工糸や仮撚加工糸を使用しても、また、両者を混合して
使用してもかまわない。糸は原着糸や先染糸を用いるこ
とができる。ポリエステル糸を使用することは、織編物
を構成する糸がすべてポリエステル系となり、リサイク
ルが容易となることから好ましい。
【0014】本発明に係わる織編物における有機合成高
分子からなる弾性糸の滑脱抵抗力は、シート用クッショ
ン材として重要な物性である。この値は2N以上であるこ
とが望ましい。滑脱抵抗力が2N未満であると目ずれやほ
つれを起こし、好ましくない。より好ましい滑脱抵抗力
は、5N以上、さらにより好ましくは、10N以上である。
【0015】本発明に係わる織編物の経方向および緯方
向の破断強度もクッション材として重要な物性である。
この値は、250N/5cm幅以上であることが望ましい。破断
強度が250N/5cm幅未満であると、クッション材としての
使用時に面が受ける荷重により織編物が破断する可能性
があり、好ましくない。より好ましくは350N/5cm幅以上
である。
【0016】本発明に係わる織編物の、少なくとも経緯
いずれか一方向の10%伸長時の応力は10 0N/5cm〜600N
/5cm、好ましくは150〜400でなければならない。100N/5
cm未満であるとクッション材として使用時の沈み込み量
が大きく、特に座席として着座した際に不快感が生じ
る。また、600N/5cmより大きい場合は、逆に座席として
の沈み込み量が少なくなりすぎ、着座時に痛みが生じる
ため、長時間の使用に耐えない。
【0017】また、同方向の15%伸長後の伸長回復率が
75%以上、好ましくは80%以上でなければならな
い。ここでいう伸長回復率は次の通り測定する。織編物
を5cm幅の短冊状に切り取り、定速伸長型試験機を用
い、つかみ間隔20cm、引張り速度20cm/min
で15%伸長後、速やかに徐重し,試料長が元の長さに
戻った時点で再度速やかに伸長する。この際の2回目の
伸長時に応力が立ち上がる時点のつかみ間隔を読み取り
下式にて算出する。 ((L2-L1)/(L1×0.15))*100(%) 但し、L1は、初期のつかみ間隔(=20cm)、L2
は、2回目の伸長時に応力が立ちあがる際のつかみ間
隔。このようにして求めた伸長回復率が75%以下であ
るとクッション材として使用する際に皺が生じ、外観上
および着座フィーリングの面から不適である。
【0018】また、本発明に係わる織編物の経方向およ
び緯方向の10%伸長時の応力の比(ST1/ST2)が5
以下、好ましくは3以下である必要がある。 ST1/ST2 ここで、ST1は、織編物の経緯いずれか一方の10%伸
長時の応力。ST2は、ST1と他方向の10%伸長時の応
力。 但し、ST1≧ST2 ST1/ST2が5より大きい場合、織編物の経緯いずれ
か一方向の糸のみに過度な荷重が加わり、過度な荷重を
受けた糸にへたりが生じることによる性能低下が大きい
からである。
【0019】また、本発明に係わる織編物のサンプルへ
125Paの圧力で通気した際の、通気度は、100〜
700cc/cm2・secである必要がある。クッション材
としては、通気度が100cc/cm2・sec未満である
と、長時間着座した際に蒸れ感を生じ易く、また、一旦
湿気を帯びると容易に乾燥しないので衛生面にも問題を
生じる。一方、通気度が700cc/cm2・secを超える
と空気の流動が頻繁に生じ易くなり、保温の面から問題
を生ずる。通気度のより好ましい範囲は、150〜40
0cc/cm2・secである
【0020】本発明に係わる織編物には、難燃性および
耐光性を付与する必要があるならば、難燃剤および耐光
剤を含有させた糸を用いたり、あるいは、難燃剤および
耐光剤を織編物に付与することができる。弾性糸につい
ては原料樹脂に混合する難燃剤として、メラミンシアヌ
レートを添加したり、燐化合物を付与する方法が知られ
ているが、特にこれに限定されるものではない。また、
耐光剤も、カーボンブラックなどの添加による耐光処方
を用いることができるが、特にこれに限定されるもので
はない。
【0021】本発明に係わる織編物に使用する弾性糸
に、色彩を付与する必要があるならば、染料や顔料を含
有させても良い。顔料としては、フタロシアニン系有機
顔料やカーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛など無
機顔料を添加する方法が知られているが、特にこれに限
定されるものではない。顔料を含む原着糸を使用するこ
とにより、染色の手間を省くことができる。
【0022】本発明による弾性織物をシートとして用い
た各種座席において、通気性に優れる、軽量化できる、
厚みが低減できるためコンパクトになる、斬新なデザイ
ンが設計できる、などの利点がある。
【0023】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて説明する。
本発明は実施例によって特に制限されるものではない。
なお、実施例において用いた測定方法は下記のとおりで
ある。
【0024】(原糸強伸度)JIS L 1013に基づき、定速
伸長型試験機を用い、つかみ間隔100mm、引張速度100mm
/分で測定した。
【0025】(織物強伸度および10%伸長時の応力)JI
S L 1096に基づき、定速伸長型試験機を用い、つかみ間
隔200mm、試験片の幅50mm、引張速度100mm/分で測定し
た。
【0026】(伸長回復率)織編物を5cm幅の短冊状
に切り取り、定速伸長型試験機を用い、つかみ間隔20
cm、引張り速度20cm/minで15%伸長後、速
やかに徐重し,試料長が元の長さに戻った時点で再度速
やかに伸長する。この際の2回目の伸長時に応力が立ち
あがる際のつかみ間隔を読み取り下式にて算出する。 ((L2-L1)/(L1×0.15))*100(%) 但し、L1は、初期のつかみ間隔(=20cm)、L2
は、2回目の伸長時に応力 が立ち上がる時点のつかみ
間隔。
【0027】(通気度)JIS L 1096(通気性、A法、
フラジール形法)に準拠し、フラジール形試験機を用
い、差圧125Pa時に試験片を通過する空気量を測定し
た。
【0028】(蒸れ感)40cm角のフレームにサンプ
ルを固定したモデル椅子へ10人のモニターへ座っても
らい、その蒸れ感を判定した。28℃、75%RHの室
内にて着座姿勢で、1時間経過後の蒸れ感を以下の通り
判定し、その平均により、総合判定とした。 [評価] 蒸れ感を感じず快適である→○、蒸れ感を感じ
ないが保温性に欠ける→△、蒸れを感じる→×
【0029】(着座性能)40cm角の鉄製フレームに
織編物を水平面内に固定し、その中心部に底面が直径20
cmの加圧板を用い65kgの荷重を加え、荷重を加える前の
水平面に対する加圧板の沈み込み量を測定した。40c
m角のフレームに織編物を固定したモデル椅子へ10人
のモニターへ座ってもらい、そのフィーリングを判定し
た。各人、座り心地を以下の通り評価しその平均によ
り、総合判定とした。 [評価] 座り心地が良い→◎、座り心地が普通→○、座
り心地が悪い→×また、座り心地を評価した直後にモデ
ル椅子の座部を目視確認し、その皺の戻り性を以下の通
り判定した。座り心地同様10人の判定結果の平均にて
総合判定とした。 [評価] 皺がない→◎、皺がわずかにある→○、皺が明
かに残る→×
【0030】(ほつれ=目止め性)JIS L 1096に基づ
き、糸引抜き法 A法による滑脱抵抗力を測定した。定速
伸長型試験機を用い、つかみ間隔30mm、試料片の幅20m
m、引張速度30mm/分で測定した。
【0031】(実施例1)緯糸として融点222℃のポリ
エーテルエステル系エラストマーを芯成分、融点182℃
のポリエーテルエステル系エラストマーを鞘成分とし、
その重量比率が芯:鞘=80:20である2080dtexの
弾性糸を20本/inch、経糸として830dtexポリエステルマ
ルチフィラメント糸を28本/inchの密度とした平織り組
織の織物を作成した。この織物を200℃で1分間の乾熱処
理を行なった。熱処理後の織物は、低融点ポリエーテル
エステルエラストマーが織物の経糸および緯糸の交点部
分に接着固化していることを確認した。また、熱処理後
のサンプルの着座感は非常に良好で、かつ着座後の皺も
なく事務椅子、リビング用椅子や自動車・電車等への座
席用クッション材として充分に使えるものであった。表
1に糸、織物の物性ならびに性能を示した。
【0032】(実施例2)織物の組織を2/1綾組織と
する以外は、実施例1と同様の試験を行った。熱処理後
のサンプルの着座感は、非常に良好でかつ着座後の皺も
なく事務椅子、リビング用椅子や自動車・電車等への座
席用クッション材として充分に使えるものであった。表
1に糸、織物の物性ならびに性能を示した。
【0033】(実施例3)織物の経糸の密度を36本/
inch、緯糸の密度を15本/inchとする以外は、実施例
2と同様の試験を行った。熱処理後のサンプルの着座感
は、非常に良好でかつ着座後の皺もなく事務椅子、リビ
ング用椅子や自動車・電車等への座席用クッション材と
して充分に使えるものであった。表1に糸、織物の物性
ならびに性能を示した。
【0034】(比較例1)織物の経糸の密度を32本/
inch、緯糸の密度を10本/inchとする以外は、実施例
1と同様の試験を行った。熱処理後のサンプルは、着座
時の沈み込み量がやや多いためかフィーリングは普通で
あり、着座後の皺が明かに残った。事務椅子、リビング
用椅子や自動車・電車等への座席用クッション材として
は、不適であった。表1に糸、織物の物性ならびに性能
を示した。
【0035】(比較例2)経糸、緯糸ともに830dte
xのポリエステルを28本/inchの密度とした平織物を
作成し、実施例1と同様の試験を行った。沈み込み量が
非常に小さいためか、着座時のフィーリングは非常に悪
く、かつ着座使用後に布帛に皺が生じることから、事務
椅子、リビング用椅子や自動車・電車等への座席用クッ
ション材としては不適であった。表1に糸、織物の物性
ならびに性能を示した。
【0036】(比較例3)織物の経糸の密度を15本/
inch、緯糸の密度を12本/inchとする以外は、実施例
1と同様の試験を行った。熱処理後のサンプルは、着座
時の沈み込み量がやや多いためかフィーリングは普通で
あり、着座後の皺は充分に回復していた。また、フィー
リングは良いものの、通気性が非常に大きく、保温性と
いう面では、快適とは言えなかった。表1に糸、織物の
物性ならびに性能を示した。
【0037】(比較例4)厚み50mm、密度60kg
/m3の市販のウレタンフォームからなるクッション材
を用い、着座異性能および通気性、蒸れ感の評価を行っ
た。着座時のフィーリングや皺の戻りは良好であった
が、長時間使用時に蒸れ感が生じ、不快であった。
【0038】実施例および比較例の結果より次のことが
確認される。すなわち、実施例1〜3は、緯糸に融点の異
なる2種類のポリエーテルエステル系エラストマーから
なる弾性糸を、他方経糸にポリエステル糸を用い、乾熱
処理を行なって目止めを行なった織物であり、かつST
1/ST2が5以下となるように設計したものである。実
施例で用いたこれらの布帛は、適度の硬さ・沈み込み量
を有し、かつ伸長回復性が充分であった。また、滑脱抵
抗力があり、ほつれ・目ずれがなく、着座感も優れるこ
とからクッション材に必要な特性をすべて満足する織物
であった。
【0039】比較例1は、実施例と同様に緯糸に融点の
異なる2種類のポリエーテルエステル系エラストマーか
らなる弾性糸を、他方経糸にポリエステル糸を用い、乾
熱処理を行なって目止めを行なった織物であるが、ST
1/ST2が5を超える設計である。この布帛は、沈み込
み量がやや多く、フィーリングは必ずしも良好ではなか
った。また、着座時に皺が生じることからクッション材
としては不適であることが分かった。
【0040】比較例2は、経緯糸ともポリエステル糸を
用いており、経緯どちらの方向とも10%伸長時の応力が
600N/5cmを超えるものである。この布帛は、沈み込み量
が極端に小さく、フィーリングは非常に悪かった。ま
た、着座時に皺が生じることからクッション材としては
不適であることが分かった。
【0041】比較例3は、実施例と同様に緯糸に融点の
異なる2種類のポリエーテルエステル系エラストマーか
らなる弾性糸を、他方経糸にポリエステル糸を用い、乾
熱処理を行なって目止めを行なった織物であるが、織密
度が非常に粗いためか通気度が非常に大きく、長時間着
座後の保温性という面では、快適とは言えなかった。
【0042】比較例4は、市販のウレタンフォームから
なるクッション材で、一般的な着座性能は満足するもの
の、通気度が非常に小さく、長時間着座時に蒸れ感を生
じ、不快であった。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】本発明によると、目ずれをせずに優れた
弾性と弾性回復性を示し、かつ長時間着座時も蒸れ感の
ないクッション材として好適な弾性織編物を得ることが
できる。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一部に有機合成高分子からなる
    弾性糸を配した下記物性を具備することを特徴とする弾
    性織編物。 (1)少なくとも経緯いずれか一方向の10%伸長時の応力
    が100〜600N/5cm幅、かつ15%伸長時の伸長回復率が7
    5%以上。 (2)125Paの圧力で通気した際の、通気度が100〜
    700cc/cm2・sec。 (3)下式で示される織編物のタテ方向およびヨコ方向の1
    0%伸長時の応力の比(ST1/ST2)が5以下。 ST1/ST2 ここで、ST1は、タテヨコいずれか一方の10%伸長時
    の応力。 ST2は、ST1と他方向の10%伸長時の応力。 但し、ST1≧ST2
  2. 【請求項2】有機合成高分子がポリエステル系樹脂であ
    ることを特徴とする請求項1記載の弾性織編物。
  3. 【請求項3】タテ方向およびヨコ方向の破断強度が250N
    /5cm幅以上であることを特徴とする請求項1記載の弾性
    織編物。
  4. 【請求項4】有機合成高分子からなる弾性糸の滑脱抵抗
    力が2N以上であることを特徴とする請求項1記載の弾性
    織編物。
  5. 【請求項5】有機合成高分子からなる弾性糸がモノフィ
    ラメントであることを特徴とする請求項1記載の弾性織
    編物。
  6. 【請求項6】融点の異なる2種以上のポリエーテルエス
    テル系エラストマーからなる弾性糸を少なくとも一部に
    配して製編織し、ついで低融点ポリエーテルエステル系
    エラストマー成分が軟化もしくは溶融する温度で熱処理
    することにより下記物性を具備する織編物を得ることを
    特徴とする弾性織編物の製造方法。 (1)少なくともタテ、ヨコいずれか一方向の10%伸長時
    の応力が100〜600N/5cm幅、かつ15%伸長時の伸長回復
    率が75%以上。 (2)下式で示される織編物のタテ方向およびヨコ方向の1
    0%伸長時の応力の比(ST1/ST2)が5以下。 ST1/ST2 ここで、ST1は、織編物のタテヨコいずれか一方の10
    %伸長時の応力。 ST2は、ST1と他方向の10%伸長時の応力。 但し、ST1≧ST2
  7. 【請求項7】熱処理により低融点ポリエーテルエステル
    系エラストマー樹脂が織編物の糸の交点部分で融着固化
    していることを特徴とする請求項6記載の弾性織編物の
    製造方法。
  8. 【請求項8】ポリエーテルエステル系エラストマーから
    なる弾性糸の織編物における含有率が25wt%以上である
    ことを特徴とする請求項6記載の弾性織編物の製造方
    法。
  9. 【請求項9】ポリエーテルエステル系エラストマーから
    なる弾性糸が芯鞘構造であり、芯成分のポリエーテルエ
    ステル系エラストマーの融点が鞘成分ポリエーテルエス
    テル系エラストマーの融点より30℃以上高いことを特
    徴とする請求項6記載の弾性織編物の製造方法。
  10. 【請求項10】芯成分と鞘成分の重量比が95:5〜3
    0:70であることを特徴とする請求項9記載の弾性織
    編物の製造方法。
  11. 【請求項11】請求項1記載の弾性織編物を用いてなる
    ことを特徴とする座席用クッション材。
  12. 【請求項12】請求項12記載のクッション材を用いて
    なることを特徴とする座席。
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US11060215B2 (en) 2017-01-26 2021-07-13 Bright Cheers International Limited Reinforced composite fabric and method for preparing the same

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