JP2005068598A - 加工撚糸及びその製造方法並びに織編物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 撚糸にこれまでにない色彩及び光沢を実現することができ、ピリングを抑制することもできる。
【解決手段】 熱可塑性樹脂繊維糸としてのポリエステル繊維糸13を含む複数本の糸に撚糸回数10〜60回/mの範囲で撚りがかけられてなる撚糸11が径方向に圧潰されて偏平比(=圧潰方向の糸厚/圧潰直角方向の糸幅)1/100〜1/3の偏平になっており、ポリエステル繊維糸13同士が溶着して偏平を保っていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、撚糸を加工してなる加工撚糸とその製造方法、並びにその加工撚糸を用いた織編物に関するものである。
周知のとおり、従来より織編物の主たる糸として最も多く用いられる糸は、断面略丸形の撚糸である。なお、偏平フィラメント糸と繊維糸とを交撚してなる交撚糸も知られているが(特許文献1)、この偏平フィラメント糸は交撚によって嵩高性を持たせるために用いられるものであって、交撚糸を偏平にするものではない。本発明のように、偏平化と溶着とによってこれまでにない色彩、光沢等の変化を撚糸に付与することができ、またその偏平性を織編物に生かすことができるような、撚糸からの加工撚糸は従来知られていない。
なお、広く偏平糸という概念で見れば、フラットヤーンに片撚を施すことにより折りたたんで形成する偏平糸(特許文献2)もあるが、これは防鳥糸に関するものである。また、撚糸の長さ方向に沿って細いミシン糸が縫いこまれて偏平となった組紐状糸条物(特許文献3)もあるが、これは結束糸に関するものである。いずれも、具体的構成と主要な用途において、本発明とは全く異なるものである。
特開2002−54037公報 特開平09−191814号公報 特開平06−73649号公報
本発明は、斬新な撚糸を開発する中で生まれたものであって、主たる狙いは撚糸にこれまでにない色彩及び光沢を実現するとともに、ピリングを抑制することと、例えば織編物の薄型化及び軽量化を実現することにある。例えば撚糸を織製又は編製してなるカーテン地やテーブルクロスには多様な外観が求められるため、これまでにない色彩及び光沢をもつ撚糸を開発すれば新たな需要が見込める。また、カーテン地やテーブルクロスには耐久性が求められるが、従来の撚糸はピリング(糸の一部がめくれて毛羽立つ現象)が生じやすいため、このピリングを抑制できれば耐久性を高めることができる。また、カーテン地やテーブルクロスは、ある程度の遮蔽性(遮光性)及び高級な外観を保とうとすると、太い糸を使ったり目を詰めたりして織製又は編製する必要があるため、厚型化及び重量増加が避けられないが、これを薄型化及び軽量化できればメリットが大きい。
本発明の目的は、上記課題を解決し、撚糸にこれまでにない色彩及び光沢を実現することができ、ピリングを抑制することもでき、撚糸の偏平性を例えば織編物の薄型化及び軽量化に生かすこともできる加工撚糸及びその製造方法並びに織編物を提供することにある。なお、以上においては、織編物を例示し、さらにカーテン地やテーブルクロスを例示して説明したが、本発明の撚糸の用途はこれらに限定されるものではない。
[加工撚糸]
熱可塑性樹脂繊維糸を含む複数本の糸に撚糸回数10〜60回/mの範囲で撚りがかけられてなる撚糸が径方向に圧潰されて偏平比(=圧潰方向の糸厚/圧潰直角方向の糸幅、本明細書にて以下同じ。)1/100〜1/3の偏平になっており、熱可塑性樹脂繊維糸が他の糸と溶着して偏平を保っていることを特徴とする加工撚糸。
ここで、撚りをかける糸の本数を複数本とするのは、撚りをかけた複数本の糸の境界が撚糸の表面に斜状で現れ、その糸の境界が偏平化後の色彩、光沢等に変化をもたらすからである。その本数は特に限定されず、各本の太さにもよるが、2〜20本が好ましい。
複数本の糸のなかに熱可塑性樹脂繊維糸を含ませる理由は、前記のとおり熱可塑性樹脂繊維糸が他の糸と溶着して偏平を保つからであり、また、熱可塑性樹脂繊維糸は加熱下の圧潰によって色彩、光沢等が変化するからである。従って、複数本の糸のうちに少なくとも1本の熱可塑性樹脂繊維糸が含まれていればよいが、複数本の糸のうち半数以上が熱可塑性樹脂繊維糸であることが好ましく、勿論、全数が熱可塑性樹脂繊維糸であってもよい。また、熱可塑性樹脂繊維糸の材料については、1種類の材料よりなる熱可塑性樹脂繊維糸が1本又は2本以上含まれていてもよいし、複数種類の材料よりなる熱可塑性樹脂繊維糸が2本以上含まれていてもよい。複数本の糸に熱可塑性樹脂繊維糸以外の糸(以下、非熱可塑性糸という。)が含まれる場合、その非熱可塑性糸の本数、材料、種類数等は特に限定されない。
熱可塑性樹脂繊維糸の材料としては、特に限定されないが、ポリエステル、アクリル、ナイロン、ビニロン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ビニリデン、ポリウレタン、ポリクラール、レーヨン、ポリノジック、キュプラ、アセテート、トリアセテート、プロミックス等の各樹脂を例示できる。熱可塑性樹脂繊維糸は、複数本の繊維が収束されてなる糸が好ましく、その繊維数及び太さは特に限定されないが、70〜1000デニール程度が好ましい。また、複数本の繊維は撚られていないことが好ましいが、若干撚られていてもよい。
非熱可塑性糸の材料としては、特に限定されないが、綿、麻等の植物繊維、絹、獣毛等の動物繊維、ガラス繊維等の無機繊維、金属繊維、熱可塑性ではない樹脂よりなる糸等を例示できる。非熱可塑性糸も、複数本の繊維が収束されてなる糸が好ましいが、モノフィラメント糸であってもよい。その繊維数及び太さは特に限定されないし、撚られていなくても若干撚られていてもよい。
熱可塑性樹脂繊維糸が2本以上含まれている場合に、それらの熱可塑性樹脂繊維糸の色彩については、各本とも同一でもよいが、色彩の3属性である色相・明度・彩度の少なくともいずれか1つが互いに異なる各本が含まれていることが好ましい。具体的には、色相が互いに相違する2〜5種類の熱可塑性樹脂繊維糸を含ませたり、色相が同一で明度が互いに相違する2〜5種類の熱可塑性樹脂繊維糸を含ませたりすることを例示できる。こうすると、撚りをかけた互いに色彩が異なる複数本の糸が撚糸の表面に糸長方向に交互に斜状で現れ、それが偏平化後の色彩、光沢等に変化をもたらす。非熱可塑性糸についても同様である。
本発明において撚りをかけた撚糸を偏平化させる理由は、次のとおりである。
(1)本発明者が検討段階において、単に引き揃えただけで撚りをかけない複数本の糸をギアプレスで圧潰して偏平化したところ、できた偏平糸の表面が非常に滑りやすく、ボビンに巻き付けてもだらけてしまう等、取扱性が悪かった。これに対し、少し撚りをかけた撚糸を同様に偏平化したところ、偏平糸の表面に微小な凹凸が斜状に並んで適度な摩擦を生じさせたため、前記だらけの問題も起きず、取扱性が良くなったこと。
(2)また、撚りをかけないで偏平化したものは、複数本の糸の境界が糸長と平行に現れるだけで、これは偏平化後も変わらず外観上の面白みが少ないのに対して、少し撚りをかけた撚糸を偏平化したものは、前記のとおり、複数本の糸の境界が糸長に対して斜状で現れ、その糸の境界が偏平化後の色彩、光沢等に変化をもたらしたこと。
そして、その撚糸回数を10〜60回/mの範囲とした理由は、次のとおりである。なお、撚糸回数のより好ましい範囲は25〜50回/mである。太い糸を多く含む撚糸であれば同範囲内で撚糸回数を少なくし、細い糸を多く含む撚糸であれば同範囲内で撚糸回数を多くすると、より良好な結果が得られる傾向がある。
(1)10回/m未満というのは、ほとんど撚りをかけないのに等しい撚糸回数であって、そもそもこのような撚糸回数を設定できる撚糸機が見当たらない。また、前記のとおりできた偏平糸の表面が滑りやすいし、外観上の面白みも少ない。また、複数本の糸は、撚りをかける前の段階で配列が一定ではなく、互いに交叉したり、断面における内外位置が糸長方向で入れ替わったりしているため、複数本の糸が撚糸の表面に糸長方向に交互に現れるときの順番はある程度不規則になる。そして、この不規則さは、撚糸回数が少ないほど目立つようになり、ある糸ばかりがまとまって見えたり、他の糸がなかなか現れなかったりすることになる。
(2)60回/mを越えると、撚りが強くなって複数本の糸が引き締まり、全体として断面丸形を維持しようとする力が強くなる。そのため、このような撚糸を圧潰しようとしても難しく、十分な偏平比の糸とすることができない。
偏平比を1/100〜1/3としたのは、1/100未満では加工の度合いが強すぎて加工撚糸の質感や強度が低下するからであり、1/3を越えると本発明の目的の一つである薄型化及び軽量化にあまり寄与しないからである。
熱可塑性樹脂繊維糸が他の糸と溶着して偏平を保っていることにより、例えば加工撚糸を織製又は編製して織編物とするときにもその偏平性が崩れにくい。また、この溶着によりピリングを抑制することができ、耐久性を高めることができる。従って、溶着の程度は、このような偏平を保てる程度以上の溶着であればよく、必ずしも熱可塑性樹脂繊維糸が完全に溶融して溶着している必要はない。用途によっては、熱可塑性樹脂繊維糸が完全に溶融して溶着していると良い場合もあるが、糸としての風合いが残るように熱可塑性樹脂繊維糸が部分的にあるいは程度の弱い溶融をして溶着していると良い場合もある。
[加工撚糸の製造方法]
熱可塑性樹脂繊維糸を含む複数本の糸に撚糸回数10〜60回/mで撚りをかけて撚糸をつくる撚糸工程と、撚糸を熱可塑性樹脂繊維糸の軟化温度以上に加熱した状態で径方向に圧潰することにより偏平に加工すると同時に熱可塑性樹脂繊維糸を他の糸と溶着させる偏平化工程とを含む加工撚糸の製造方法。
偏平化工程において、撚糸の前記加熱と前記圧潰とは、別工程で行ってもよいし、一工程で同時に行ってもよい。別工程で行う場合、撚糸を糸長方向に連続的に送って加熱手段に通した後、その熱が冷めないうちに圧潰手段に通して圧潰するとよい。この加熱手段としては、特に限定されないが、電熱、高周波等による各種加熱炉や、熱板加熱装置等を例示できる。また、この場合の圧潰手段としては、特に限定されないが、ローラやギアを用いたプレス装置等を例示できる。一工程で同時に行う場合、撚糸を糸長方向に連続的に送って加熱した圧潰手段に通して行うとよい。この場合の圧潰手段としては、特に限定されないが、加熱可能なローラやギアを用いたプレス装置等を例示できる。
熱可塑性樹脂繊維糸の軟化温度以上とは、特に限定されないが、熱可塑性樹脂繊維糸の軟化点に近い温度から溶融点をやや超えた温度であり、それぞれの熱可塑性樹脂繊維糸によって加熱の温度を表1のように例示できる。
Figure 2005068598
[織編物]
また、本発明に係る織編物は、上記手段の加工撚糸をその圧潰方向の糸厚が織編物の厚さ方向となるように配向して織製又は編製してなる。
「織編物」は、被服、身回品、装身具、履物、寝具、屋内装置品等の織物及び編物を総称して指す。
織編物は、同一種類の加工撚糸のみで構成されていてもよいし、複数種類の加工撚糸で構成されていてもよい。また、加工撚糸以外の糸、例えば撚糸、熱可塑性樹脂繊維糸、非熱可塑性糸等が含まれて構成されていてもよい。特に、加工撚糸とその偏平化工程前の撚糸を組み合わせて構成すると、加工撚糸が備えるこれまでにない色彩及び光沢を強調することができて好ましい。
本発明の加工撚糸及びその製造方法によれば、撚糸にこれまでにない色彩及び光沢を実現することができ、ピリングを抑制することもできる。さらに、本発明の織編物によれば、撚糸の偏平性を織編物の薄型化及び軽量化に生かすこともできる。
熱可塑性樹脂繊維糸を含む複数本の糸に撚糸回数10〜60回/mの範囲で撚りがかけられてなる撚糸が、径方向に圧潰されて偏平比1/100〜1/3の偏平になった加工撚糸となる。この加工撚糸は、熱可塑性樹脂繊維糸が他の糸と溶着して偏平を保っている。また、加工撚糸の製造方法は、熱可塑性樹脂繊維糸を含む複数本の糸に撚糸回数10〜60回/mで撚りをかけて撚糸をつくる撚糸工程と、撚糸を熱可塑性樹脂繊維糸の軟化温度以上に加熱した状態で径方向に圧潰することにより偏平に加工すると同時に熱可塑性樹脂繊維糸を他の糸と溶着させる偏平化工程とを含む。
偏平化工程は、ギアプレスの噛み合って回転する一対のギア間に撚糸を糸長方向に通して圧潰させることにより行うとよい。また、ギアを熱可塑性樹脂繊維糸の軟化温度以上に保つことにより、撚糸の加熱をギア間で圧潰と同時に行うとよい。
また、織編物は、加工撚糸をその圧潰方向の糸厚が織編物の厚さ方向となるように配向して織製又は編製してなる。
図1(b−1)及び図1(b−2)は、本発明を具体化した実施例に係る加工撚糸12を示している。この加工撚糸12は、図1(a)に示す撚糸11を偏平化したものであり、本実施例の撚糸11はすべて熱可塑性樹脂繊維糸で構成されている。なお、以下に述べる材料、数値、色等は例示であり、適宜変更できることはいうまでもない。
撚糸11を構成する糸は、熱可塑性樹脂繊維糸としての5本のポリエステル繊維糸13であり、それぞれの太さは450デニール、色については5本中の3本が黄土色に染色され、1本が茶色に染色され、1本がこげ茶色に染色されている。
撚糸11は、図1(a)に示すように、これら5本のポリエステル繊維糸13を撚糸回数約20回/mで撚ったものである。この撚糸11の糸長方向に直角の断面は略丸形である(直径は約1.0mm)。
加工撚糸12は、撚糸11を構成するそれぞれのポリエステル繊維糸13が径方向に圧潰されて偏平なポリエステル繊維糸13aより構成されており、さらに、ポリエステル繊維糸13a同士が溶着しているので、加工撚糸12は偏平な形状を保っている。この加工撚糸12の糸長方向に直角の断面は、撚糸11が径方向に圧潰されて、圧潰直角方向の糸幅Xが約2.0mm、圧潰方向の糸厚Yが約0.2mmとなっているので偏平比が約1/10である。また、加工撚糸12の偏平な表面14には、加工撚糸12の糸長方向に対して略直角に延びるプレス痕15が、下記する製造時の噛み合う固定ギア25及び揺動ギア26によって上下の両表面14に上下交互に一定間隔で形成されている。
こうして、加工撚糸12は、種々の色彩を組み合わせて撚糸しただけの糸では得られなかった色彩・色調となり、熱可塑性樹脂繊維糸を溶着させて偏平にすることで発せられる光沢を呈する。また、プレス痕15が強い場合には、微細な部分で偏平な面の方向性を一定間隔で変化するように繰り返すことで、前記光沢が一様のものではなく独特の風合いを出している。
加工撚糸12の製造方法は、以下に示すように、撚糸工程と、撚糸工程に引き続く偏平化工程とが含まれている。なお、以下に記す撚糸回数、温度等は例示であって、適宜変更できる。
(1)撚糸工程
糸染め後のポリエステル繊維糸13の5本を、一般的な撚糸装置にて撚糸回数約20回/mで撚りをかけて撚糸11を得る。本撚糸工程は、特に限定されず、公知の撚糸工程が適用される。
(2)偏平化工程
まず、図2及び図3に示すように、本工程で使用する装置を説明する。同装置は、上方に設置してある撚糸11を巻きつけた6本のボビン2から撚糸11が下方に繰り出され、順に、撚糸11に張りを持たせるためのバックテンション手段3、撚糸11を下記するギアプレス1の軸方向に往復変位させるトラバース変位手段4、撚糸11を偏平な加工撚糸12にするギアプレス1、加工撚糸12の方向を制御するローラ7を通過し、巻き取り機5に加工撚糸12として巻き取られるように構成されている。さらに、ギアプレス1の加熱温度、回転速度を制御するための制御手段6が、ギアプレス1の側方に設けられている。
トラバース変位手段4は、撚糸11を上方から下方へ通過させる複数の穴20がギアプレス1の軸方向に並んでいるトラバース板21と、トラバース板21をギアプレス1の軸方向に往復変位させる変位装置22とからなる。変位装置22によりトラバース板21は並んでいる穴20がギアプレス1のギア幅の範囲内となるように変位され、撚糸11を案内する。その変位の速度は、ギアプレス1のギアの同じ位置に撚糸11が連続して接触しないように、ギアの回転周期を考慮しながら調整される。このトラバース変位手段4によってギア25,26のギア表面を均一に使用できるようになる。
ギアプレス1は、内部からギア表面を加熱できる固定ギア25と、同様に内部からギア表面を加熱でき、固定ギア25と噛み合う揺動ギア26と、揺動ギア26を固定ギア25に押し当てるために負荷をかける荷重27とで構成される。
固定ギア25は、固定台(図示略)に設置されたモータ28により回転される軸25aに回転可能に軸着され、駆動ギアとして作用している。また、固定台には、固定台から突出して略並行となる揺動軸29が設置されている。この揺動軸29には、揺動ギア26の軸方向の両端にまで延びた2本のアーム30が、揺動可能に軸支されている。揺動ギア26は、2本のアーム30に軸26aで回転可能に軸着され、従動ギアとして作用している。
それぞれのギア25、26は、ギア25、26の噛み合わせ部分に上方から進入する撚糸11を加工して加工撚糸12が下方へ退出するように、双方の噛み合わせ部分が下向きに動く回転方向で噛み合って回転している。
アーム30の揺動ギア26よりそれぞれの外側には、ワイヤー31の一方端が取り付けられている。ワイヤー31は、揺動ギア26側から固定ギア25方向であって、固定ギア25より遠方位置に設けられているローラ32に摺動して、ワイヤー31の他方端に取り付けられた荷重27を下方向に吊り下げて張設されている。この荷重27はワイヤー31を介して揺動ギア26を引っ張り、引っ張られることで揺動ギア26は固定ギア25に噛み合わせ部分で押し当てられている。それにより、荷重27の重量を変えることで、噛み合っている揺動ギア26を固定ギア25へ押し当てる圧力が変わるので、この圧力は加工撚糸12の偏平比を変化させる一因とすることができ、例えば、荷重27の重量が大きいと該圧力が大きくなり、加工撚糸12の偏平比を大きくでき、荷重27が小さいと該圧力が小さくなり、加工撚糸12の偏平比を小さくできる。
次に、上記装置を使用して行う工程について説明する。
上記撚糸11が巻きつけられた各ボビン2からそれぞれ1本の撚糸11を下方へ繰り出し、上方からバックテンション手段3によって張りを持たせながら下方へ通過させる。次に、撚糸11は、トラバース板21の穴20を通過することで、撚糸11がギアプレス1と接触する位置を案内される。続いて、ポリエステル繊維糸13の軟化温度(238〜240℃)の下限付近から溶融温度(255〜260℃)の上限以上である約220〜270℃に加熱された一対の固定ギア25と揺動ギア26間の噛み合わせ部分に、撚糸11を糸長方向に接触させながら通して径方向に圧潰することにより、加熱と圧潰が同時に行われ、撚糸11は、偏平になり、それぞれのギア25、26の突出部分でプレス痕15が形成される。その際、撚糸11を偏平に加工すると同時にポリエステル繊維13同士を溶着させて加工撚糸12となり、巻き取り機5に巻き取られる。
本実施例に係る撚糸11を加工する加工撚糸の製造方法によれば、連続的に撚糸11を処理することができ、熱可塑性樹脂繊維糸の材料によって、ギアプレス1の表面温度や回転速度を調節したり、荷重27を増減することで揺動ギア26を固定ギア25に押し当てる圧力を調節したりして、ポリエステル繊維糸13が他の糸と溶着する程度や、加工撚糸12の偏平比を変えることができ、目的とする偏平比の加工撚糸12を得ることができる。
図4(a)は、本実施例による加工撚糸12と撚糸11を交互に緯糸として用い、撚糸11を経糸として用いた搦み織(からみおり)の織物17を示している。この織物17は、加工撚糸12をその圧潰方向の糸厚が織物17の厚さ方向となるように配向して織製されている。この加工撚糸12は、圧潰直角方向の糸幅が撚糸11の糸幅の約2.0倍と嵩高となっているので、緯糸として用いた加工撚糸12が約2.0本分の撚糸11の表面積を占めることができ、その分、緯糸を減らすことができるので、織物17を薄型化及び軽量化することができ、加工撚糸12の色彩・色調を生かし、光沢の持つ独特の風合いの織物17とすることができる。
図4(b)は、本実施例による加工撚糸12と撚糸11を、緯糸と経糸にそれぞれ用いて、搦み織と平織りを組み合わせた織物18を示示している。この織物18もまた、織物17と同様に加工撚糸12をその圧潰方向の糸厚が織物18の厚さ方向となるように配向して織製されている。織物18は、織物17で得られる効果以外に、加工撚糸12を経糸にも用いることで、織物17よりさらに、薄型化及び軽量化することができる。
なお、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、例えば以下のように、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
(1)ポリエステル繊維糸と非熱可塑性糸として羊毛を材料とした糸をあわせて撚りをかけた撚糸を加工した加工撚糸とすること。
(2)ポリエステル繊維糸とナイロン繊維糸をあわせて撚りをかけた撚糸を加工した加工撚糸とすること。
(3)同一の色彩の熱可塑性樹脂繊維糸のみを用いて撚りをかけた撚糸を加工した加工撚糸とすること。
(4)ギアプレス1の加熱温度、回転速度を制御する制御手段が、さらに、巻き取り機の巻き取り速度やトラバース変位手段も制御すること。
(5)固定ギア25が従動ギアであり、揺動ギア26が駆動ギアであること。
(a)は、撚糸の拡大イメージとその断面を示し、(b−1)は実施例に係る加工撚糸の糸長方向の拡大平面イメージとその断面を示し、(b−2)は実施例に係る加工撚糸の糸長方向の拡大側面イメージとその断面を示している。 同撚糸の加圧工程に使用する装置の概略斜視図である。 同撚糸の加圧工程に使用する装置の部分概略側面図である。 実施例に係る織物の概略図である。
符号の説明
1 ギアプレス
6 制御手段
11 撚糸
12 加工撚糸
17 織物
25 固定ギア
26 揺動ギア
27 荷重

Claims (5)

  1. 熱可塑性樹脂繊維糸を含む複数本の糸に撚糸回数10〜60回/mの範囲で撚りがかけられてなる撚糸が径方向に圧潰されて偏平比(=圧潰方向の糸厚/圧潰直角方向の糸幅)1/100〜1/3の偏平になっており、前記熱可塑性樹脂繊維糸が他の糸と溶着して前記偏平を保っていることを特徴とする加工撚糸。
  2. 熱可塑性樹脂繊維糸を含む複数本の糸に撚糸回数10〜60回/mで撚りをかけて撚糸をつくる撚糸工程と、前記撚糸を前記熱可塑性樹脂繊維糸の軟化温度以上に加熱した状態で径方向に圧潰することにより偏平に加工すると同時に前記熱可塑性樹脂繊維糸を他の糸と溶着させる偏平化工程とを含む加工撚糸の製造方法。
  3. 前記偏平化工程は、ギアプレスの噛み合って回転する一対のギア間に前記撚糸を糸長方向に通して圧潰させることにより行う請求項2記載の加工撚糸の製造方法。
  4. 前記ギアを前記熱可塑性樹脂繊維糸の軟化温度以上に保つことにより、前記撚糸の加熱を前記ギア間で圧潰と同時に行う請求項3記載の加工撚糸の製造方法。
  5. 請求項1記載の加工撚糸をその圧潰方向の糸厚が織編物の厚さ方向となるように配向して織製又は編製してなる織編物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012097390A (ja) * 2010-11-05 2012-05-24 Shindo:Kk 玉虫色調編成体
JP2014214392A (ja) * 2013-04-24 2014-11-17 有限会社はじめ商事 織物及び製織方法
JP5822412B1 (ja) * 2014-10-17 2015-11-24 株式会社山本弘商店 帯状物を表組織の緯糸に用いた織物

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