JP6122189B1 - 布生地の製造方法及び布生地 - Google Patents

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Abstract

【課題】本金糸等の比較的重い糸を使用した場合でも、軽量かつ被服等にも現実的に使用可能な布生地及びその製造方法を提供する。【解決手段】本発明に係る布生地10の製造方法では、まず、間隔をあけて配置された複数の経糸11と、間隔をあけて配置された複数の緯糸12とを含む織物1に対して、一方の糸を他方の糸に対して相対的に移動させ、糸の密度が高い領域と、糸の密度が低い領域とが構成される。次いで、糸の密度が高い領域と、糸の密度が低い領域とを構成した織物1の一方面に、複数の経糸11及び複数の緯糸12と交差する状態で、熱融着樹脂3を表面に備える装飾用糸2が配置される。そして、熱融着樹脂3による熱融着により、装飾用糸2と当該装飾用糸2と交差する経糸11とが互いに固定されるとともに、装飾用糸2と当該装飾用糸2と交差する緯糸12とが互いに固定される。【選択図】図1

Description

本発明は、布生地の製造方法及び布生地に関し、特に、ドレス用生地等の高い装飾性が求められる用途に好適な布生地の製造方法及び布生地に関する。
近年、ウェディングドレス等のドレス用の生地(布生地)は、薄くて軽いものが主流になっている。このようなドレス用生地に対しては、希少性(いわゆる一点物)や品質の高さが求められることも多い。そのため、生地自体に模様を施したものは少なく、刺繍により模様が施されていることが多い。また、模様の豪華さを演出するために、その刺繍には金糸(本金糸)等も使用されている。
一方、金糸を使用して構成される生地としては、例えば、金襴緞子が古くから知られている。しかしながら、金糸は絹糸等に比べて格段に重いため、金糸を使用した従来の生地は非常に重い。そのため、金糸を使用した従来の生地によりドレスを仕立てた場合にはドレスが非常に重くなってしまう。したがって、例えば、豪華さを演出するために、ドレス用の生地として、金糸のみからなる生地を採用しようとしても、軽量のドレスを仕立てることは極めて困難であるといえる。
ところで、織物である布生地は、一定の規則性をもって経糸と緯糸とが交差されているため、必然的に、直線的な画一性を有する織組織により構成されることになる。しかしながら、画一的な織組織は、デザイン的な面白味に欠けることから、このような織組織の画一性を解消する手法も提案されている。例えば、後掲の特許文献1は、織物を構成する経糸、緯糸の少なくとも一方に緩みや浮かせを設けて、糸寄せ、切断、糸抜き、複数糸の減糸等により織物の一部に透視部分を設け、この透視部分から内部に装飾糸や装飾物を差し込む構成を開示している。また、特許文献2は、織物を製造する際に経糸の張力を増減変化させながら織ることで、経糸の張力歪みや緯糸の打ち込みむらが生じた織物を得る構成を開示している。
実用新案登録第3177353号公報 特開昭58−203140号公報
生地を軽量化する方法としては、例えば、生地を構成する糸自体の軽量化や生地を構成する糸の使用量の少量化が考えられる。しかしながら、金糸の使用を前提とした場合、金箔を芯糸の表面に巻き付けるという金糸の構造上、糸自体の軽量化は困難である。
糸の使用量は、例えば、生地の目を大きくする(粗くする)ことで低減可能であるが、このような構成では、生地自体の豪華さが損なわれることになる。また、生地の目を大きくすると、互いに隣り合う経糸の間、互いに隣り合う緯糸の間に隙間が生じることになり、隙間の大きさが大きくなるとドレス用等の生地として使用することも難しくなる。加えて、経糸と緯糸とが固定されておらず自由に移動できる状態になっている場合には、その隙間の大きさも外力により次第に変化することになり、糸が密集した部分や大きな隙間(穴)が空いた部分等が生じることになる。このような場合もドレス用等の生地として使用することは難しい。
上述の特許文献1、2が開示する技術を適用した場合でも、このような課題は解決することはできない。
本発明は、このような従来技術の課題を鑑みてなされたものであって、本金糸等の比較的重い糸を使用した場合でも、軽量かつ被服等にも現実的に使用可能な布生地及びその製造方法を提供することを目的とする。また、織物に特有の直線的な画一性を解消し、曲線と曲線の組合せによる美しさを表現可能な布生地及びその製造方法を提供することを第2の目的とする。
本願発明者は、金糸を使用した軽いドレスを実現するために鋭意研究し、試行錯誤を重ねた結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明に係る布生地の製造方法では、まず、間隔をあけて配置された複数の経糸と、間隔をあけて配置された複数の緯糸とを含む織物に対して、一方の糸を他方の糸に対して相対的に移動させ、経糸又は緯糸の密度が高い領域と、経糸又は緯糸の密度が低い領域とが構成される。次いで、経糸又は緯糸の密度が高い領域と、経糸又は緯糸の密度が低い領域とを構成した織物の一方面に、熱融着樹脂を表面に備える、織物を構成する経糸及び緯糸とは別体の糸であり、織物の織組織とは異なる模様を糸の配置により付与する装飾用糸が、複数の経糸及び複数の緯糸と交差する状態で配置される。そして、熱融着樹脂による熱融着により、装飾用糸と当該装飾用糸と交差する経糸とが互いに固定されるとともに、装飾用糸と当該装飾用糸と交差する緯糸とが互いに固定される。なお、経糸、緯糸及び装飾用糸の少なくとも1つには、例えば、金糸を採用することができる。
この布生地の製造方法において、装飾用糸を配置する際に、織物の一方面の上方に配置された糸巻にまかれた状態の装飾用糸を織物の一方面に螺旋状に落下させるとともに糸巻を織物に対して相対的に移動させることで、装飾用糸が織物の一方面上に配置される構成を採用することができる。
また、以上の構成において、経糸又は緯糸の密度が高い領域と、経糸又は緯糸の密度が低い領域とを構成する際に、経糸又は緯糸が曲線部分を有する状態に移動される構成を採用することができる。
さらに、以上の構成において、熱融着樹脂は、熱融着樹脂からなる糸と装飾用糸とを撚り合わせることで、装飾用糸の表面に配置される構成を採用することもできる。
一方、他の観点では、本発明は、布生地を提供することもできる。すなわち、本発明に係る布生地は、織物、装飾用糸、及び熱融着樹脂を備える。織物は、間隔をあけて配置された複数の経糸と、間隔をあけて配置された複数の緯糸とを含み、一方の糸が他方の糸に対して相対的に移動可能に構成される。このような織物は、例えば、からみ織により構成することができる。装飾用糸は、織物の一方面に、複数の経糸及び複数の緯糸と交差する状態で配置される。なお、装飾用糸は、織物を構成する経糸及び緯糸とは別体の糸であり、織物の織組織とは異なる模様を糸の配置により付与する。そして、熱融着樹脂は、装飾用糸の表面に配置され、装飾用糸と当該装飾用糸と交差する経糸とを互いに固定するとともに、装飾用糸と当該装飾用糸と交差する緯糸とを互いに固定する。
この構成において、熱融着樹脂は熱融着樹脂からなる糸により構成され、当該熱融着樹脂からなる糸と装飾用糸とが撚り合わされた状態で、装飾用糸の表面に熱融着樹脂が配置される構成を採用することができる。
なお、本明細書において、布生地は、糸の材質を植物繊維に限るものではなく、動物繊維、化学繊維も含む。
本発明によれば、例えば、金糸のような比較的重い糸を使用する場合でも、従来にない、軽量かつ被服等にも現実的に使用可能な布生地を実現することができる。また、織物に特有の直線的な画一性を解消した布生地を実現することができる。
本発明の一実施形態における布生地の一例を示す概略模式図 本発明の一実施形態における布生地の製造過程を示す図 本発明の一実施形態における布生地の製造過程を示す図 本発明の一実施形態における布生地の製造過程を示す図 本発明の一実施形態における布生地の製造過程を示す図 本発明の一実施形態における布生地の一例を示す図
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながらより詳細に説明する。まず、本発明に係る布生地の構成について説明する。なお、本実施形態では、ドレス用生地に適用した事例により本発明を具体化している。
図1は、本実施形態における布生地の構成の一例を示す概略模式図である。図1では、布生地10の一部を拡大して示すとともに、模式化している。図1に示すように、布生地10は、織物1、装飾用糸2、及び熱融着樹脂3を備える。織物1は、間隔をあけて配置された複数の経糸11と、間隔をあけて配置された複数の緯糸12とを含む。また、織物1は、一方の糸(例えば、経糸)が他方の糸(例えば、緯糸)に対して相対的に移動可能に構成される。一方の糸が他方の糸に対して相対的に移動可能であれば、その織り方は特に限定されない。例えば、平織、綾織、朱子織等、任意の織り方を使用することができる。
なお、後述のように、本実施形態の布生地10では、その製造過程で、織物1を構成する経糸11及び緯糸12を相対的に移動させる。そのため、図1では移動後の経糸11及び緯糸12の状態が示されている。経糸11及び緯糸12を移動させる前の織物1は、織機等により織られ、通常の織物と同様に、経糸11及び緯糸12はそれぞれが間隔をあけて規則正しく配列されている。この状態の織物1、すなわち、移動加工前の織物1において、経糸11の間の間隔の大きさ及び緯糸12の間の間隔の大きさは、布生地として使用可能であれば特に限定されない。例えば、隣り合う糸の間の間隔の大きさを2〜8mm、より好ましくは、4〜6mmとすることができる。なお、移動加工前の織物1では、隣り合う糸の間の間隔の大きさは、織物1の全体にわたって同一であってもよく、織物1上の領域によってそれぞれ異なっていてもよい。また、経糸11の間隔と緯糸12の間隔も、それぞれが同一であってもよく、それぞれが異なっていてもよい。
特に限定されないが、本実施形態では、からみ織(紗織)により織物1を構成している。図1では、説明のため、経糸11を1本の線で示しているが、からみ織は、公知のように、経糸がからみ合い、その間に緯糸がとおる織組織を有する。本実施形態では、緯糸1本に対し、隣り合う2本の経糸がからんだ構成になっている(図2(a)参照)。このような織物1を採用することにより、経糸11及び緯糸12を相対的に移動させる際に、経糸11のからみの作用によって経糸及び緯糸の移動範囲をある程度制限することができ、織物1に大きな穴が開いた部分が生じることを防止することができる。
装飾用糸2は、織物1の一方面に、複数の経糸11及び複数の緯糸12と交差する状態で配置される。特に限定されないが、本実施形態では、装飾用糸2は、図1に示すように、複数の円状の模様を描くとともに、これらの円状の模様が相互に重なった状態で織物1の一方面(図1では、織物1の手前側の面)に配置されている。なお、図1では、説明のため、織物1の全体にわたって配置されている装飾用糸2の一部のみを図示している。
また、熱融着樹脂3は、装飾用糸2の表面に配置されている。そして、熱融着樹脂3は、装飾用糸2と当該装飾用糸2と交差する経糸11とを互いに固定するとともに、装飾用糸2と当該装飾用糸2と交差する緯糸12とを互いに固定する。特に限定されないが、本実施形態では、熱融着樹脂3は熱融着樹脂により構成された糸(以下、熱融着糸という。)により構成され、当該熱融着糸と装飾用糸2とが撚り合わされた状態で、装飾用糸2の表面に熱融着樹脂3が配置されている。熱融着樹脂3には、ポリエステル等、熱融着樹脂製糸として採用されている任意の材料又はこれらを組み合わせて使用することができる。なお、作業性の観点からは、熱融着樹脂3の融点は80〜300℃であることが好ましく、80〜200℃であることがより好ましい。
なお、特に限定されないが、本実施形態では、経糸11、緯糸12、装飾用糸2には全て本金糸(純金金糸)を採用している。この本金糸は、例えば、約0.38mm幅(80切)の純金箔をキュプラ糸に1300回/mで撚りをかけることにより作製することができる。また、装飾用糸2は、上述の本金糸に、さらに、約0.15mm幅(200切)の純金箔を300回/mの撚りをかけることで、より金の光沢をもたせるようにしている。
続いて、本発明に係る布生地の製造手順について説明する。図2〜図5は、本実施形態における布生地の製造方法を示す図である。図2(a)に示すように、まず、上述の織物1を用意する。図2(a)は、織物1の一部を拡大して示す図であり、1本の緯糸12に対し、隣り合う2本の経糸11がからんだ構成を示している。このような織物1の製造には、公知の自動織機を使用することができる。本実施形態では、70cm幅に対して、600本の経糸11を配置している。そして、緯糸12を1本織り込む都度、自動織機の下流側に経糸11を4mm送るようにする。これにより、織物1を得ることができる。
次いで、図2(b)に示すように、織物1を構成する経糸11、緯糸12の一方を他方に対して相対的に移動させ、経糸11又は緯糸12の密度が高い領域21と、経糸11又は緯糸12の密度が低い領域22とが構成される。なお、図2(b)では、説明のため、からみ合う2本の経糸11を1本の線で示している。また、図2(b)は、図1に示す布生地10に対応する製造過程を示している。
このような加工を行うための加工方法には、任意の手法を採用することができる。例えば、作業台上に織物1を広げて配置し、爪等により経糸11又は緯糸12を引っかけて移動させたり、織物1の表面の一部を押圧部材により押圧した状態で当該押圧部材を織物1の表面に沿って移動させたりすることで実施可能である。押圧部材を使用する場合、押圧部材の押圧面は、経糸11や緯糸12を破損することがない比較的柔らかい押圧面を有することが好ましい。また、このような加工は、作業者による手作業でなされてもよく、自動機を使用してなされてもよい。なお、本実施形態では、このとき、織物1は、経糸11又は緯糸12が曲線部分を有する状態に加工されている。曲線部分を有する状態の例としては、例えば、波状の模様や墨流し風の模様等がある。また、上述のように、本実施形態では、織物1はからみ織(紗織)により構成されているため、図2(a)から理解できるように、緯糸12は、経糸11に沿う方向に移動し難い構造になっている。そのため、上述の加工により、織物1に著しく大きな穴が形成されることを抑制できる。
続いて、図3に示すように、上述のようにして、経糸11又は緯糸12の密度が高い領域21と、経糸11又は緯糸12の密度が低い領域22とを構成した織物1の一方面に、複数の経糸11及び複数の緯糸12と交差する状態で、上述の装飾用糸2が配置される。装飾用糸2は、相対的に移動可能な経糸11及び緯糸12を特定の状態で固定する機能を有するとともに、織物1の織組織と異なる風合いの模様を付与する機能を有している。なお、図3では、説明のため、からみ合う2本の経糸11を1本の線で示すとともに、装飾用糸2を太線で示している。また、図3は、図1に示す布生地10に対応する製造過程を示している。
本実施形態では、装飾用糸2は、織物1の一方面に複数の円状の模様が重なった模様を描く状態で配置されているが、波状、渦巻き状等他の模様を描く状態で配置されてもよい。なお、本実施形態では、上述の熱融着糸の太さは装飾用糸2の太さよりも細くなっており、当該熱融着糸と装飾用糸2とは500回/mで撚りをかけている。
ここでは、以下の手法により、装飾用糸2を織物1上に配置している。図4は、装飾用糸2の配置方法を説明するための概略側面図である。図4に示すように、糸巻41にまかれた状態の装飾用糸2が、織物1の一方面の上方に配置される。そして、当該糸巻41にまかれた状態の装飾用糸2を一端側から織物1に螺旋状に落下させる。装飾用糸2の落下が継続して行われている状態で、糸巻41は織物1の表面に沿って移動される。これにより、織物1の表面には、複数の円状の模様が織物1の表面に沿ってスライドしながら重なった状態の状態で装飾用糸2が配置される。このとき、糸巻41と織物1との間の距離を変化させながら糸巻41を織物1の表面に沿って移動させてもよく、複数の糸巻41を使用して複数本の装飾用糸2を織物1上に配置してもよい。また、織物1の表面に沿う方向の移動量を大小により円の重なり具合(装飾用糸2の粗密)を調整することもできる。なお、本実施形態では、図4に示すように、糸巻41は、織物1から離れるにしたがって、装飾用糸2が巻きつけられる部分の径が大きくなっている。そのため、織物1の表面に配置された装飾用糸2により描かれる複数の円状の模様の大きさは一様にならず、様々な大きさの円が重なった模様を描くことができる。
以上のようにして一方面に装飾用糸2が配置された織物1を、熱融着樹脂3による熱融着により、装飾用糸2と当該装飾用糸2と交差する経糸11とが互いに固定されるとともに、装飾用糸2と当該装飾用糸2と交差する緯糸12とが互いに固定される。熱融着させる手法は特に限定されないが、本実施形態では、図5に示すように、固定定番51と固定定番51の上方に上下動可能に設けられた可動定番52とを備える加熱プレス装置を使用している。装飾用糸2が配置された織物1が固定定番51上に配置されると、所定温度に加熱された可動定番52が下降し、織物1は固定定番51と可動定番52との間で、圧縮された状態で保持される。これにより、熱融着樹脂3が融解して熱融着が実施され、経糸11、緯糸12により描かれた曲線部分、装飾用糸2により描かれた複数の円状の模様が、その形態のまま固定維持されることになる。なお、本実施形態における布生地10の一例を図6に示す。
なお、装飾用糸2が配置された状態の織物1を加熱プレス装置まで搬送する必要がある場合は、搬送途中で、経糸11、緯糸12及び装飾用糸2が移動する可能性がある。このような各糸の意図しない移動を避けるため、仮融着を行うことが好ましい。仮融着は、例えば、アイロン等により、熱融着樹脂3の表面が軟化する程度の温度を比較的短時間、装飾用糸2に付与することで実現可能である。
以上のようにして完成した布生地10は、従来の織物のような、直線的な画一性を有する織組織ではなく、経糸11及び緯糸12により描かれる曲線(波状模様)と装飾用糸2により描かれる曲線(円形模様)との組み合わせによる流動的な模様を有する。また、金糸のような比較的重い糸を使用した場合でも、従来に比べて軽量な生地を実現することができる。さらに、従来、金糸のみを使用した織物は固く、柔軟性をもたないものであったが、上述の布生地10では、経糸間及び緯糸間に隙間があることと、装飾用糸2により経糸11及び緯糸12が相互に連結されることとが相まって、優れた柔軟性を有するとともに、被服等にも現実的に使用可能な丈夫な布生地を実現することができる。また、金糸を使用した布生地でありながら、生地に透明感をもたせることができる上、装飾用糸2により、ボリューム感や優れた意匠性をもたせることもできる。その結果、この布生地10を使用することで、軽くて透明感があり、かつ豪華な印象を奏することができるウェディングドレス等を仕立てることが可能である。
なお、上述した実施形態は本発明の技術的範囲を制限するものではなく、既に記載したもの以外でも、本発明の範囲内で種々の変形や応用が可能である。例えば、上記実施形態では、特に好ましい形態として、経糸、緯糸、装飾用糸の全てを金糸としたが、糸の材質は特に限定されない。ラメ糸、絹糸、その他の材質の糸等、任意の材質の糸を使用することができる。この場合、熱融着樹脂の材質は、採用する糸の材質(熱耐性)に応じて適宜選択されることになる。また、熱融着糸を使用して装飾用糸の表面に熱融着樹脂を配置する場合、熱融着糸の太さは、布生地に求められる装飾用糸の融着の強度や生地の柔軟性等に応じて適宜変更することができる。
また、上記実施形態では、特に好ましい形態として、織物1をからみ織により構成したが、上述のように、任意の織り方を採用することができる。したがって、糸の材質・太さ、織物の織り方等を適宜選択することで、多様な布生地を実現することができる。また、このような生地は、上述したドレス用生地のような被服用途の布生地に限らず、ショルダーバッグやハンドバッグ等のかばん用生地やインテリア用の生地等としても使用することができる。
本発明によれば、本金糸等の比較的重い糸を使用した場合でも、軽量かつ被服等にも現実的に使用可能な布生地を実現することができ、布生地及びその製造方法として有用である。
1 織物
2 装飾用糸
3 熱融着樹脂(熱融着糸)
10 布生地
11 経糸
12 緯糸
21 糸の密度が高い領域
22 糸の密度が低い領域
41 糸巻

Claims (9)

  1. 間隔をあけて配置された複数の経糸と、間隔をあけて配置された複数の緯糸とを含む織物に対して、一方の糸を他方の糸に対して相対的に移動させ、経糸又は緯糸の密度が高い領域と、経糸又は緯糸の密度が低い領域とを構成するステップと、
    経糸又は緯糸の密度が高い領域と、経糸又は緯糸の密度が低い領域とを構成した前記織物の一方面に、熱融着樹脂を表面に備える、前記織物を構成する経糸及び緯糸とは別体の糸であり、前記織物の織組織とは異なる模様を糸の配置により付与する装飾用糸を、前記複数の経糸及び前記複数の緯糸と交差する状態で配置するステップと、
    前記熱融着樹脂による熱融着により、前記装飾用糸と当該装飾用糸と交差する前記経糸とを互いに固定するとともに、前記装飾用糸と当該装飾用糸と交差する緯糸とを互いに固定するステップと、
    を有する布生地の製造方法。
  2. 間隔をあけて配置された複数の経糸と、間隔をあけて配置された複数の緯糸とを含む織物に対して、一方の糸を他方の糸に対して相対的に移動させ、経糸又は緯糸の密度が高い領域と、経糸又は緯糸の密度が低い領域とを構成するステップと、
    経糸又は緯糸の密度が高い領域と、経糸又は緯糸の密度が低い領域とを構成した前記織物の一方面に、熱融着樹脂を表面に備える装飾用糸を、前記複数の経糸及び前記複数の緯糸と交差する状態で配置するステップと、
    前記熱融着樹脂による熱融着により、前記装飾用糸と当該装飾用糸と交差する前記経糸とを互いに固定するとともに、前記装飾用糸と当該装飾用糸と交差する緯糸とを互いに固定するステップと、
    を有し、
    前記装飾用糸を配置するステップにおいて、前記装飾用糸は、前記織物の一方面の上方に配置された糸巻にまかれた状態の前記装飾用糸を前記織物の一方面に螺旋状に落下させるとともに、前記糸巻を前記織物に対して相対的に移動させることで、前記織物の一方面上に配置される、布生地の製造方法。
  3. 前記経糸又は緯糸の密度が高い領域と、経糸又は緯糸の密度が低い領域とを構成するステップにおいて、前記経糸又は前記緯糸が曲線部分を有する状態に移動される、請求項1又は請求項2記載の布生地の製造方法。
  4. 前記熱融着樹脂は、熱融着樹脂からなる糸と前記装飾用糸とを撚り合わせることで、前記装飾用糸の表面に配置される、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の布生地の製造方法。
  5. 前記経糸、前記緯糸及び前記装飾用糸の少なくとも1つは金糸である、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の布生地の製造方法。
  6. 間隔をあけて配置された複数の経糸と、間隔をあけて配置された複数の緯糸とを含み、一方の糸が他方の糸に対して相対的に移動可能に構成された織物と、
    前記織物の一方面に、前記複数の経糸及び前記複数の緯糸と交差する状態で配置された、前記織物を構成する経糸及び緯糸とは別体の糸であり、前記織物の織組織とは異なる模様を糸の配置により付与する装飾用糸と、
    前記装飾用糸の表面に配置され、前記装飾用糸と当該装飾用糸と交差する前記経糸とを互いに固定するとともに、前記装飾用糸と当該装飾用糸と交差する緯糸とを互いに固定する熱融着樹脂と、
    を備える布生地。
  7. 前記装飾用糸は、複数の円状の模様が重なった模様を描く状態、波状の模様を描く状態、又は、渦巻き状の模様を描く状態で配置される請求項6記載の布生地。
  8. 前記熱融着樹脂は熱融着樹脂からなる糸により構成され、当該熱融着樹脂からなる糸と前記装飾用糸とが撚り合わされた状態で、前記装飾用糸の表面に熱融着樹脂が配置される、請求項6又は請求項7記載の布生地。
  9. 前記織物がからみ織により構成される請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の布生地。
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