JP3161657U - ボディタオル - Google Patents
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Abstract
【課題】ボディタオルの機能性を向上させて低コストで実用性の高いボディタオルを提供する。【解決手段】中心から略半面部を肌当たりの比較的硬質の組成とするとともに、残り反面部を肌当たりの比較的軟質の組成とする。【選択図】図2
Description
本考案は、主として皮膚洗浄の目的で風呂場等において用いられる各種の繊維製ボディタオルの改良に関し、1枚のボディタオルによって、とくに顔や腕などにはふんわりした軟質の接触感覚を有するとともに、背中や足裏面などには垢擦り効果の大きな比較的硬質の接触感覚を有し、身体の使用箇所における皮膚面の性状如何により自由に使い分け可能とするとともに、さらに軟質の接触感覚を有する部分においては泡立ち性をさらに向上させることを目的とする。
既知のボディタオルとしては、マッサージ効果や垢擦り効果を高めるために、天然繊維製の布生地の緯糸に対し、太い意匠撚糸を一定の間隔を隔てて平行して織り込み、またこの太い意匠撚糸の間に細い意匠撚糸を挟装状態にて織り込むようにしたもの(特開2002−191527号公報参照)が知られている。
また適度の皮膚刺激、洗浄性、速乾性、寸法安定性を向上する目的のもとに、速乾性及び吸水性等を有する基布経糸部と、泡立ち、速乾性、軽量性および寸法安定性等を有する基布緯糸部に、パイナップル繊維等の粗剛性天然繊維からなるパイル糸条部とを組合わせて風合い測定数値に基づく所望の硬さ等が得られるようにしたもの(特開平9−131276号公報参照)も知られている。
さらにその後、泡立ち性を向上させる目的から、経糸と緯糸とで織成するボディタオルを、モノフィラメント糸からなる経糸の複数本を略等間隔置きに引き揃えるとともに、この引き揃えられた複数の経糸を、所定間隔の空を設けた状態で繰り返し配置するとともに、この経糸にモノフィラメントの緯糸を打ち込むことにより、前記空を設けた部分の緯糸が渡り糸となったタオル素材を熱処理することにより、前記渡り糸となっている緯糸部分が表裏の少なくとも一方に曲成されて突出するようにしたボディタオルおよびその製造法が本考案者らによって開発された(特許第4385029号公報参照)。
しかしながら、上記した特許文献1および特許文献2に記載されているものにあっては、天然繊維製の布生地の緯糸間に、太い意匠撚糸を平行して織り込むためにたとえばウオータージェットルームやエアージェットルームのような高生産性の織機を用いて生産することが困難であるところから必然的に杼式あるいはレピア式の織機によることになるために生産性が悪い。
また繊度の大きな糸や意匠撚糸を用いる場合においては、組織が複雑化するばかりでなくコスト高となる問題もある。さらに特許文献3に開示されているものにあっては、泡立ち性が向上し、しかも生産性の向上が見込まれるものの、実際の使用にあたっては顔や腕などの皮膚面に対するソフト感が向上し、しかも良好な泡立ちによる洗浄性には優れるが、背中や足裏部分に対する摩擦力不足により身体の部位によっては使用に適さないところから別途摩擦力の強いボディタオルを用意する必要があり煩わしさが残るのが避けられない。
さらにボディタオルの表面側と背面側とで肌当り硬さの異なる構成としたボディタオルや、あるいは肌当りの硬いボディタオルと肌当りの柔らかいボディタオルを重ね合わせて、端部を相互に縫い合わせることにより1枚のボディタオルとする試作もおこなったが、編み方が複雑となったり、また使い勝手が悪くなったり、さらに著しくコスト高となる等の課題があり、結局は実用的な商品を得ることができなかった。
上記の課題を解決するとともに、とくに本考案においては1枚のボディタオルによって、身体の使用箇所における皮膚面の性状如何により自由に使い分け可能であるとともに、実用的でしかも低コストのボディタオルを得ることができるようにしたものであって、具体的には経糸と緯糸により組成されたボディタオルの中心から略半面部を肌当たりの比較的硬質の組成とするとともに、残り反面部を肌当たりの比較的軟質の組成としたことを特徴とするボディタオルに関する。
また本考案は、経糸と緯糸により中心から略半面部を肌当たりの比較的硬質に組成するとともに、残り半面部を、略等間隔に引き揃えられた複数本の経糸を、所定の間隔の空部を介して繰り返し配置するとともに、該経糸に対し、緯糸を打ち込んで該緯糸の前記空部に対応する部分が渡り糸となるようにすることにより肌当たりの比較的軟質の組成としたことを特徴とするボディタオルにも関する。
本考案は上記したように、経糸と緯糸により組成されたボディタオルの中心から略半面部を肌当たりの比較的硬質の組成とするとともに、残り反面部を肌当たりの比較的軟質の組成としたために、中心から半面部の肌当たりの比較的硬質に組成された部分と、残り半面部の肌当たりの比較的軟質に組成された部分とを、身体の使用箇所における皮膚面の性状如何により1枚のボディタオルを長さ方向に沿って中心から2つ折りして使用するなどにより硬質および軟質の組成部分を自由に使い分けが可能となる。
また、経糸と緯糸により中心から略半面部を肌当たりの比較的硬質に組成するとともに、残り半面部を、略等間隔に引き揃えられた複数本の経糸を、所定の間隔の空部を介して繰り返し配置するとともに、該経糸に対し、緯糸を打ち込んで該緯糸の前記空部に対応する部分が渡り糸となるようにしたために、渡り糸部分がタオルの表面においてループ状に突出し、ふんわりした軟質の接触感覚が生じて肌当りが柔らかになるばかりでなく、石鹸やシャンプー等を使用した場合の泡立ちが良好となり、また背中や足裏面などには垢擦り効果の大きな比較的硬質の接触感覚を有する硬質面を用いることにより、1枚のボディタオルをもって硬質部および軟質部の自在な使い分けが可能となる。
さらに上記の構成により、ボディタオルの表面側と背面側とで肌当り硬さの異なる構成としたボディタオルや、あるいは肌当りの硬いボディタオルと肌当りの柔らかいボディタオルを重ね合わせて、端部を相互に縫い合わせることにより1枚のボディタオルとしたものに比べて、編み方あるいは織り方が複雑とならず、使い勝手がよく、しかも著しく低コストの実用品を得ることができる。
以下において本考案の実施の形態について詳細に説明をする。図1は本考案に係るボディタオルの一実施例をあらわしたもので、長さ方向の中間部は省略してあらわされている。同図においてボディタオル1は、その幅方向における略中間部を境とした長さ方向に連続するAーA線境界部を有しており、この境界部を境として片側の略半面部に比較的硬質に組成した少し硬めの肌触りを有する面の部分2と、比較的軟質に組成した少し柔らかめの肌触りを有する面の部分3とより構成されている。
詳細は図1のAーA線境界部を跨いだ部分の一部Bを拡大してあらわした図2にあらわされている通りである。すなわち片側の少し硬めの肌触りを有する面の部分2は、経糸(ボディタオルの長さ方向、つまりA−A線に平行方向に向けた糸)4と、該経糸4・4間に挿入される緯糸(経糸4と交差方向に向けられた糸)5・5から構成されている。この部分2の構成については従来の一般的な編地あるいは織り地、例えば特開平8−19488号公報、あるいは特開2000−342481号公報に記載されているもの等のものと同程度の材料・太さ・手法による組地・編地でよい。
さらにもう片側の、少し柔らかめの肌触りを有する面の部分3は、本考案者らが開発した特許第4385029号公報(既述した特許文献3)に記載されているものと同一の手法により編成あるいは織成をする。すなわち略等間隔に引き揃えられた複数本の経糸4を、所定の間隔の空部4aを介して繰り返し配置するとともに、該経糸4に対し、緯糸5を打ち込んで該緯糸5の前記空部4aに対応する部分が渡り糸となるように構成する。
このようにすると、渡り糸部分がタオルの表面において捲縮あるいはクリンプした状態となり、あるいはループ状にボディタオル1の側面方向に突出してふんわりとした軟質の接触感覚が生じて肌当りが柔らかになるばかりでなく、石鹸やシャンプー等を使用した場合の泡立ちを良好とすることができる。さらに前記した少し硬めの肌触りを有する面の部分2と合わせて背中や足裏面などには垢擦り効果の大きな比較的硬質の接触感覚を有する硬質面を用いることにより、1枚のボディタオルをもって硬質部および軟質部の自在な使い分けが可能になる。
なお、本考案において用いられる経糸4については、20〜50デニール程度のナイロンやポリエステルなどの合成樹脂性のフィラメント糸が用いられる。また緯糸5については、70〜1500デニール程度の、一般的に上記した経糸4よりも太い繊度の異なる合成樹脂性のフィラメント糸が用いられる。この場合に70デニール未満であると、比較的軟質の肌触り感覚や、好適な泡立ち性が得られにくく、また反対に1500デニールを超えると後記する織成工程での量産化が困難になるので70〜1500デニールの範囲内であるのが好ましい。なおこの場合に緯糸5としては紡績糸の使用も可能である。
具体的な織成工程については、少し硬めの肌触りを有する面の部分2については従来の一般的な工程、つまりウォータジェットルームまたはエアージェットルーム等で織成される。これに対し、少し柔らかめの肌触りを有する面の部分3については、特許第4385029号公報に記載された手法により織成される。
つまり少し柔らかめの肌触りを有する面の部分3の織成について、とくに図示はしていないが整経ビームに巻回された経糸を繰り出しつつワイヤーヘルドを介して筬に引き通し、この筬の一目に上側糸となる3本と下側糸となる3本の合計6本の経糸4を挿通させる。なおこの場合必ずしも上側糸と下側糸とが各3本である必要はなく、適宜本数を増減させることができる。
上記した6本の経糸4の挿通を3目続けた後、続く3目を空部4aとし、さらに筬の別の一目に合計6本の経糸4を挿通するのを3目続けるようにし、以後これを繰り返すことにより本考案における柔らかめの肌触りを有する面の部分3を形成する。なおこの場合に上記した空部4aについては必ずしも3目でなくともよく、この場合使用する緯糸5の太さが細い場合には4目以上にしてもよく、逆に緯糸5の太さが細い場合には2目でも足りる場合がある。
さらにワイヤヘルドの上下動により交互に開口する筬前部分に、ウオータジェットなどにより開口に織度の異なる緯糸5が、予め設定されたパターンにて打ち込まれることによりボディタオルの素材が形成され、乾燥後熱処理工程を経て長尺のボディタオル材が順次出来上がり、これを適当な長さに裁断し、端部を縫製して本考案のボディタオル1を完成させる。なお本考案品の製造には、必ずしも既述した織成工程を経ることに限られるものではなく、ウオータージェットやエアージェットなどのほかに別の編織機械を用いて編成したものであってもよい。
1 ボディタオル
2 硬めの肌触りを有する面の部分
3 柔らかめの肌触りを有する面の部分
4 経糸
4a 空部
5 緯糸
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4 経糸
4a 空部
5 緯糸
Claims (2)
- 経糸と緯糸により組成されたボディタオルの中心より略半面部を肌当たりの比較的硬質の組成とするとともに、残り反面部を肌当たりの比較的軟質の組成としたことを特徴とするボディタオル。
- 経糸と緯糸により中心より略半面部を肌当たりが比較的硬質に組成するとともに、残り半面部を、略等間隔に引き揃えられた複数本の経糸を、所定の間隔の空部を介して繰り返し配置するとともに、該経糸に対し、緯糸を打ち込んで該緯糸の前記空部に対応する部分が渡り糸となるようにすることにより肌当たりが比較的軟質の組成としたことを特徴とするボディタオル。
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