JP3706366B2 - パイル毛布 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鎖糸と挿入糸を地糸として編成された地編組織に対してパイル組織が形成されたパイル毛布に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鎖糸と挿入糸を地糸として編成された地編組織に対してパイル組織が形成されたパイル毛布としては、従来から羊毛やポリエステルを繊維素材とするパイル糸でパイル組織を形成したものが風合いに優れたものとして広く用いられている。このパイル毛布の優れた風合いは、数多くの繊維素材のうち、繊維素材としての羊毛やポリエステルの優れた弾力性に着目して、これをパイル糸としてパイル組織を形成することにより得られるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、手で触れたときに、大きな弾力性に加えて適度な柔軟性が付与できれば、新規でかつ優れた風合いを有する毛布として市場価値が大きいものと期待されるところ、従来かかる風合いを有するパイル毛布は存在しなかった。
【0004】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、大きな弾力性に加えて適度な柔軟性が付与された新規な風合いを有するパイル毛布を提供することを主たる目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のパイル毛布は、鎖糸と挿入糸を地糸として編成された地編組織と、この地編組織に絡んだパイル糸が横方向に運ばれることにより、パイル糸が輪形に形成される一方、このパイル糸を上記鎖糸に交絡させる編み方を順次繰り返すことにより形成されたパイル組織とからなるパイル毛布において、上記パイル組織は、1列または隣合う2列の羊毛系若しくは化繊系パイル組織と、1列または隣合う2列の綿系パイル組織とが交互に配列されていることを特徴とする。
【0006】
また、上記のパイル毛布は、掛け毛布若しくは敷き毛布として好適であり、この場合、パイル組織が地編組織の表裏両面に形成されていることが好ましい。
また、上記のパイル毛布は、敷布として好適であり、この場合、パイル組織が地編組織の片面にのみ形成されていることが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明のパイル毛布は、鎖糸と挿入糸を地糸として編成された地編組織と、この地編組織に絡んだパイル糸が横方向に運ばれることにより、パイル糸が輪形に形成される一方、このパイル糸を上記鎖糸に交絡させる編み方を順次繰り返すことにより形成されたパイル組織とから構成されるものである。
【0008】
図1は本発明のパイル毛布を構成する編組織の一部を拡大した状態を示す拡大概略図である。図1の編組織は、鎖糸11と挿入糸12から形成される地編組織と、表パイル糸13と裏パイル糸14から形成されるパイル組織とから構成される。鎖糸11は地編組織の経糸として用いられるものであり、例えばポリエステル若しくはナイロン等の化繊繊維又は綿等の天然繊維を鎖編みしたものが多数縦方向に配列される。また、挿入糸12は地編組織の緯糸として用いられるものであり、例えばポリエステル若しくはナイロン等の化繊繊維又は綿等の天然繊維が、1目分飛ばした鎖糸11,11の編み目に対して左右方向に挿入と折り返しを繰り返してシグザグに編み付けられることにより、地編組織が形成される。
【0009】
なお、本発明において、挿入糸12で編み付けされる鎖糸11,11は、地編組織として要求される柔軟性や強度を満たす限り1目飛びに限られず、2目飛び以上であってもよい。
【0010】
次に表パイル糸で構成される表パイル組織について説明する。まず、鎖糸11に絡んだ表パイル糸13は図1の右方向に運ばれて、縦方向に配列した鎖糸11と鎖糸11の間で、かつ上述した地編組織の表側(図1の手前側)方向に輪形を形成し、次いで左方向に折り返されて上記編み付けられた鎖糸11に沿って再度編み付けられる。この編み方をジグザグに順次繰り返すことにより外観上多数の表パイル15が縦方向に形成された表パイル組織が編成される。
【0011】
また、裏パイル糸で構成される裏パイル組織の編み付け方法も基本的に上記表パイル組織と同様であり、まず、鎖糸11に絡んだ裏パイル糸14が図1の右方向に運ばれて、縦方向に配列した鎖糸11と鎖糸11の間で、かつ上述した地編組織の裏側(図1の奥側)方向に輪形を形成し、次いで図1の左方向に折り返されて上記編み付けられた鎖糸11に沿って再度絡ませる。この編み方をジグザグに順次繰り返すことにより外観上多数の裏パイル16が縦方向に形成された裏パイル組織が編成される。
【0012】
すなわち、上記表パイル15と裏パイル16は、いわゆる糸抜き間欠オーバーラップの原理により形成されるものであり、例えば鎖糸11と表パイル糸13の関係は図2の編図のようになる。なお、図1では、いわゆる両面パイルについて説明したが、本発明は必ずしも両面パイルに限定されるものではなく、用途に応じて片面パイルを用いてもよい。
【0013】
また、本発明に適用可能なパイル糸の繊維素材としては、羊毛繊維、化繊繊維(例えばポリエステル)、綿繊維が挙げられる。そこで、本発明では、羊毛繊維を繊維素材とするパイル糸から形成されたパイル組織を羊毛系パイル組織という。また、化繊繊維を繊維素材とするパイル糸から形成されたパイル組織を化繊系パイル組織といい、綿繊維を繊維素材とするパイル糸から形成されたパイル組織を綿系パイル組織という。
【0014】
このように、上記パイル組織は、縦方向に配列した鎖糸と鎖糸の間に形成され、外観上は一列のパイル組織が横方向に多数配列されたものとして観察される。そして、本発明では、パイル毛布としての新規の風合いを発揮させる観点から、1列または隣合う2列の羊毛系若しくは化繊系パイル組織と、1列または隣合う2列の綿系パイル組織とが交互に配列される必要がある。
【0015】
具体的には、例えば、羊毛系パイル組織と綿系パイル組織の繰り返し配列の基本単位としては、(a)羊毛系パイル組織1列/綿系パイル組織1列、(b)羊毛系パイル組織2列/綿系パイル組織1列、(c)羊毛系パイル組織1列/綿系パイル組織2列、(d)羊毛系パイル組織2列/綿系パイル組織2列の4つの基本単位が挙げられる。図3は1列の羊毛系パイル組織17を1本の実線、1列の綿系パイル組織18を1本の破線として、上記の基本単位を図示した概略図である。
【0016】
このように特定の列数からなる羊毛系パイル組織と特定の列数からなる綿系パイル組織を交互に配列することにより、手で触れたときに、綿系パイル組織が羊毛系パイル組織の大きい弾力性を柔らげるクッションの役割を果たす。このため上記羊毛系パイル組織と綿系パイル組織から構成されるパイル毛布は、羊毛系パイル組織だけからなるパイル毛布に比べて、ソフト感の大きい新規な風合いを備えたものとなる。かかる関係は、羊毛系パイル組織に代えて化繊系パイル組織を用いた場合でも同様である。一方、パイル組織の繰り返し配列が上記基本単位以外の場合には、かかる効果は発揮されない。
【0017】
なお、本発明のパイル毛布は、トリコットのパイル編機(特に、マイヤー編機)を用いて通常製造される。例えば、両面パイル毛布を製造する場合には、鎖糸、挿入糸、表パイル糸及び裏パイル糸が同時に編成されることにより編組織が形成される。また、パイル組織を構成する個々のパイル数は、地糸として挿入される挿入糸の打ち込み数(1cmあたりの挿入糸の本数)によって制御できるものであり、本発明のパイル毛布に必要とされる風合いを発揮させるためには、打ち込み数として6〜11本/cmが好適であり、かかる打ち込み数によれば毛布10cm角あたり1880〜3400個のパイルが形成される。
【0018】
本発明のパイル毛布は、掛け毛布、敷き毛布及び敷布(シーツ)等に好適に用いられるものであり、例えば、掛け毛布や敷き毛布として用いる場合には、パイル組織が地編組織の表裏両面に形成されている、いわゆる両面パイルを用いればよい。また、敷布として用いる場合には、パイル組織が地編組織の片面にのみ形成されている、いわゆる片面パイルを用いればよい。
【0019】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0020】
マイヤー編機(KS4−FBZ)を用いて、ゲージ数28、挿入糸の打ち込み本数を7本/cmの編成条件で、鎖糸(ポリエステル)と挿入糸(綿)を地糸として編成された地編組織に対して、表1に記載の羊毛パイル組織と綿系パイル組織の繰り返し配列単位を有する両面パイル毛布を製造した。そして、製造した各々のパイル毛布を10名のパネラーに手で触ってもらい、弾力性と柔軟性について、以下の評価基準に基づいて官能試験を行なった。結果を表1に示した。
【0021】
表1において、羊毛系パイル及び綿系パイルの項目の下に記載した数値は、羊毛系パイル組織と綿系パイル組織の繰り返し配列の基本単位を構成する羊毛系パイル組織と綿系パイル組織の各列数を表す。
(弾力性の評価基準)
○・・・大きい
△・・・普通
×・・・少し小さい
(柔軟性の評価基準)
○・・・大きい
△・・・普通
×・・・少し小さい
【0022】
【表1】
【0023】
表1の結果から、試験区1から試験区4のパイル毛布のみ弾力性と柔軟性を兼ね備えていることがわかる。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のパイル毛布によれば、大きな弾力性に加えて適度な柔軟性が付与されるため、従来にない新規な風合いを備えたパイル毛布となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパイル毛布を構成する編組織の一部を拡大した状態を示す拡大概略図である。
【図2】図1の鎖糸11と表パイル糸13の関係を示す編図である。
【図3】パイル組織の繰り返しの配列単位を示す概略図である。
【符号の説明】
11 鎖糸
12 挿入糸
13 表パイル糸
14 裏パイル糸
15 表パイル
16 裏パイル
17 羊毛系パイル組織
18 綿系パイル組織
Claims (3)
- 鎖糸と挿入糸を地糸として編成された地編組織と、
この地編組織に絡んだパイル糸が横方向に運ばれることにより、パイル糸が輪形に形成される一方、このパイル糸を前記鎖糸に交絡させる編み方を順次繰り返すことにより形成されたパイル組織とからなるパイル毛布において、
前記パイル組織は、1列または隣合う2列の羊毛系若しくは化繊系パイル組織と、1列または隣合う2列の綿系パイル組織とが交互に配列されていることを特徴とするパイル毛布。 - 掛け毛布若しくは敷き毛布として用いられるパイル毛布であって、パイル組織が地編組織の表裏両面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のパイル毛布。
- 敷布として用いられるパイル毛布であって、パイル組織が地編組織の片面にのみ形成されていることを特徴とする請求項1に記載のパイル毛布。
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