JP2016078674A - 車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】車内を清潔に保つことのできる技術を提供すること。【解決手段】車両(10)は、車体床部(19)に設けられたシート(70)と、シート(70)の後方、且つ、車体後部に形成され、乗員が乗降可能な乗降用開口(50)と、を有する。車体床部(19)の後端には、下方に向かって凹ませた凹部(19b)が形成されている。シート(70)は、乗員が着座可能な着座状態と、凹部(19b)に収納される収納状態と、を切り替え可能な構成とされている。収納状態において、シート(70)のシートバック(73)は、シートクッション(72)の上面に倒伏して位置している。収納状態を基準として、シートバック(73)の上面部(73a)には、マット(77)が着脱自在に設けられている。【選択図】図8

Description

本発明は、車体後部に乗員が乗降可能な乗降用開口を有する車両に関する。
車体後部に乗員が乗降可能な乗降用開口を有する車両に関する従来技術として特許文献1に開示される技術がある。
特開2014−12445号公報
特許文献1に示されるような、車両には、車体後部に乗降用開口が形成され、この乗降用開口を開閉可能なドアが設けられている。
例えば、前後3列にシートが配置される車両の3列目シートに着座する乗員は、車体後部からの乗降が可能となり、高い乗降性を有する車両ということができる。
車体後部から乗車した乗員は、シートまで車内を移動する。仮に、乗員の靴の裏に泥が付着していると、乗降口からシートまでの経路が泥によって汚れる虞がある。
本発明は、車内を清潔に保つことのできる技術の提供を課題とする。
請求項1による発明によれば、車体床部に設けられたシートと、
このシートの後方、且つ、車体後部に形成され、乗員が乗降可能な乗降用開口と、を有する車両において、
前記車体床部の後端には、下方に向かって凹ませた凹部が形成され、
前記シートは、前記乗員が着座可能な着座状態と、前記凹部に収納される収納状態と、を切り替え可能な構成とされ、
前記収納状態において、前記シートのシートバックは、シートクッションの上面に倒伏して位置し、
前記収納状態を基準として、前記シートバックの上面部には、マットが着脱自在に設けられていることを特徴とする車両が提供される。
請求項2に記載のごとく、好ましくは、前記マットの表面部には、前記上面部の前部を軸として前後方向にスイング可能なフロアボードが着脱自在に取り付けられ、
前記マットが前記上面部へ取り付けられているマット部取付点は、複数形成され、
前記フロアボードが前記表面部へ取り付けられているボード部取付点は、前記複数のマット部取付点同士を結んだ線上に位置している。
請求項3に記載のごとく、好ましくは、前記マットの表面部には、前記上面部の前部を軸として前後方向にスイング可能なフロアボードが着脱自在に取り付けられ、
前記フロアボードが前記表面部へ取り付けられているボード部取付点の下部には、前記上面部に前記マットを係止させた係止部が形成されている。
請求項1に係る発明では、収納状態を基準として、乗降用開口の前部に位置するシートバックの上面部には、マットが着脱自在に設けられている。乗員の乗降時には、少なくとも乗降用開口前方のシートを倒伏させる必要がある。このシートを乗降用開口の前方に倒伏させ、その上面部にマットが取り付けられる。乗員は、車体後方からの乗降時に、まず、マットを踏むこととなる。マットによって靴の裏に付着した泥を拭き取ることができる。泥が広がることを抑制し、車内を清潔に保つことができる。
加えて、シートの着座状態及び収納状態に合わせて、マットを敷いたり、取り外したりする必要がない。このような手間を省くことができ、有益である。加えて、マットを収納する部位の確保が不要であるため、車室内空間を有効に活用することができる。
加えて、マットは、着脱可能に設けられている。マットを取り外し、洗濯することも可能であり、さらに車内を清潔に保つことができる。
請求項2及び3に係る発明では、マットの表面部には、シートバックの上面部を軸として前後方向にスイング可能なフロアボードが着脱自在に設けられている。車体床部の凹部と、収納状態のシートとの間には、必然的に隙間が生じる。乗員の乗降時には、フロアボードを前方にスイングさせる。フロアボードによって、隙間を上方から覆う。乗員は、より簡単に車内を移動することができる。
さらに、請求項2に係る発明では、ボード部取付点は、複数のマット部取付点同士を結んだ線上に位置している。即ち、ボード部取付点は、マット部取付点に近接して設けられている。取付強度の高いマット部取付点の近傍にボード部取付点が設けられている。フロアボードをスイングさせる際には、マットからフロアボードを剥がす必要がある。このとき、ボード部取付点を、取付強度の高いマット部取付点の近傍に設けることにより、誤ってマットがシートの上面部から剥がれることを抑制できる。
さらに、請求項3に係る発明では、フロアボードが表面部へ取り付けられているボード部取付点の下部には、シートバックの上面部にマットを係止させた係止部が形成されている。フロアボードをスイングさせる際には、マットからフロアボードを剥がす必要がある。このとき、マットには、シートバックの上面部から剥がされる方向に向かって力が加わる。特に、ボード部取付点において、剥がされる力が大きく加わる。ボード部取付点の下部に、シートバックの上面部にマットを係止させた係止部が形成されていることにより、フロアボードのスイング時にマットがシートの上面部から剥がれることを抑制できる。
本発明の実施例による車両の上方からの透視図である。 図1に示された車両の背面図である。 図2に示された車両の分解図である。 図2に示された車両がテールゲートを取り除いた状態において示される図である。 図2に示された車両のテールゲートを開放した際の作用を説明する図である。 図2に示された車両の乗降用ドアを開放した際の作用を説明する図である。 図4に示されたシートの収納状態を示した平面図である。 図7に示されたシートのフロアボードを前方にスイングさせた状態を示した平面図である。
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、説明中、左右とは車両の乗員を基準として左右、前後とは車両の進行方向を基準として前後を指す。また、図中Frは前、Rrは後、Lは乗員から見て左、Rは乗員から見て右、Upは上、Dnは下を示している。
<実施例>
実施例による車両について説明する。
図1には、車両10の一例として、右ハンドルのワゴン車が示されている。車両10は、車室11の前方にエンジンルーム12が形成され、このエンジンルーム12には、走行用動力源としてのエンジン13が搭載されている。車室11内には、乗員が着座するための座席が前後方向に3列に設けられている。
車室11の前部の右側には、運転席15が設けられ、この運転席15の隣に助手席16が設けられている。車幅中心を通り前後方向に延びる中心線C1は、運転席15及び助手席16によって挟まれている。即ち、運転席15は、車幅中心C1に対して右側にオフセットした位置に配置されている。助手席16は、車幅中心C1に対して、左側にオフセットした位置に配置されている。以下、適宜、車両右側を「運転席側」といい、車両左側を「助手席側」という。即ち、本実施例において、運転席側は車両右側ということができ、助手席側は車両左側ということができる。これらの運転席15及び助手席16は、車両10を側方から見た場合に、互いに重なっており、これらを纏めて、適宜、第1列シートという。
運転席15及び助手席16(第1列シート15,16)の後方には、3人が着座可能な第2列シート17が、車幅方向に亘って設けられている。この第2列シート17(中列シート17)の後方には、3人が着座可能な第3列シート18(後列シート18)が、車幅方向に亘って設けられている。
これらのシート15〜18は、それぞれ、車体床部19上に設けられている。
車室11の後端部、即ち、第3列シート18の後部には、荷物を載置可能な荷室11aが形成されている。
図2及び図3を参照する。車体25の後端において、車幅方向及び上下方向の全体に亘って後部開口30が形成されている。この後部開口30を開閉可能に、テールゲート40が取り付けられている。テールゲート40の一部は、閉じ状態において車両の後面を構成する。
このテールゲート40の車幅方向の一部には、高さ方向の全体に亘って乗降用開口50が形成されている。乗降用開口50は、乗員の乗降のために形成されている開口であり、車両10の助手席側の端部から車幅中央(車幅中央において上下に延びる中心線C2参照。)を越える位置まで形成されている。この乗降用開口50には、開閉可能にサブドア60が取り付けられている。サブドア60は、テールゲート40及びサブドア60の閉じ状態において、車両10の後面の一部を構成する。
以下、適宜、「車幅中央において上下に延びる中心線C2」を、「車幅中心C2」という。
車両10の後面には、排出口26が臨んでいる。排出口26は、エンジン(図1、符号13)において発生した排気ガス(排出物)を車外へ排出する部位であり、排気系部品の先端部分である。排出口26は、車両10を後方から見た状態において、乗降用開口50に重ならないよう、運転席側にオフセットされている。
テールゲート40は、車体25の上部に水平方向に延びる第1開閉軸L1を中心にスイングするよう、車体25の後部に取り付けられている。テールゲート40は、上下方向にスイングする。
テールゲート40の下端には、テールゲート40を係止するための電気解錠式のテールゲート用ラッチ装置41取り付けられている。テールゲート用ラッチ装置41は、後部開口30の下縁30dの中央に取り付けられるテールゲート用ストライカ31に係止されることによってロックされる(ラッチ状態となる)、周知のラッチ装置である。
テールゲート40には、テールゲートハンドル43が取り付けられている。テールゲート用ラッチ装置41の開放操作は、テールゲートハンドル43を操作することによって行われる。
乗降用開口50の幅方向中央において上下に延びる中心線C3は、車両の中央において上下に延びる中心線C2に対して左側にオフセットされている。即ち、乗降用開口50の中心線C3は、車幅中央において上下に延びる中心線C2に対して、助手席側にオフセットされた部位に位置している。
乗降用開口50の右縁部50b(運転席側の側縁部)は、車幅中心C2よりも運転席側に位置している。乗降用開口50の右縁部50bに沿って、サブドア60を支持するピラー44が、上下方向に延びる。ピラー44は、車両を後方から見た状態において、運転席15(図1参照)に重なる位置において、上下方向に延びる。
ピラー44には、サブドア60を水平方向に回転可能に支持する2つのヒンジ45,45が取り付けられている。ピラー44が車幅中心C2よりも運転席側に設けられていることにより、ヒンジ45,45は、車幅中心C2よりも運転席側に設けられている。
サブドア60は、2つのヒンジ45,45を介してピラー44に支持されており、いわゆる横開きの構成とされている。2つのヒンジ45の中心を通り、鉛直方向に延びている軸を第2開閉軸L2といい、この第2開閉軸L2を中心にサブドア60はスイングする。サブドア60は、車体25の前後方向、且つ、水平方向にスイングする。このとき、サブドア60は、運転席側とは逆側の他端部(後部開口30の左側縁30c側)から開く。
サブドア60の助手席側の端部には、サブドア60を係止するための、電気解錠式のサブドア用ラッチ装置61が取り付けられている。サブドア用ラッチ装置61は、乗降用開口50の左側縁50cに取り付けられるサブドア用ストライカ51に係止されることによってロックされる(ラッチ状態となる)、周知のラッチ装置である。
サブドア60には、サブドア用アウタハンドル63(サブドア解錠手段63)が取り付けられている。サブドア用アウタハンドル63を操作することにより、サブドア60の開放操作を行うことができる。
サブドア60の助手席側の端部から車幅中心C2に向かって、ハンドル用ガーニッシュ66が取り付けられている。このハンドル用ガーニッシュ66によって、サブドア用アウタハンドル63が支持されている。
サブドア60の車内側には、サブドア60の開放操作を行うためのサブドア用インナハンドルが、さらに配置されている。即ち、サブドア60には、サブドア用アウタハンドル63及びサブドア用インナハンドルの2つのサブドア用ハンドルが、取り付けられている。
サブドア60のなかの、サブドア用アウタハンドル63とテールゲートハンドル43との間には、テールゲート40のロック操作又はアンロック操作を行うと共に、サブドア60のロック操作又はアンロック操作を行うためのロックスイッチ67が配置されている。ロックスイッチ67は、1つ配置されている。
ここで、ロックスイッチ67を操作することによる、ロック又はアンロックとは、テールゲートハンドル43、サブドア用アウタハンドル63及びサブドア用インナハンドルによる操作の有効・無効を切り替えるものである。即ち、ロックスイッチ67を操作してロック状態とした場合には、テールゲートハンドル43を操作しても、テールゲート用ラッチ装置41が作動しない。また、ロックスイッチ67を操作してアンロック状態とした場合には、テールゲートハンドル43を操作することにより、テールゲート用ラッチ装置41が作動する。サブドア用ラッチ装置についても同様である。
ロックスイッチ67を押すことにより、ロック又はアンロックを切り替える機構については、周知の機構が採用される。
図1に戻る。第2列シート17は、2つのシートが車幅方向に連続して設けられることにより、1つのベンチ型のシートとされている。第2列シート17は、左側に配置され2名の乗員が着座可能な第2列左側シート17aと、右側に配置され1名の乗員が着座可能な第2列右側シート17bと、からなる。第2列シート17を構成する2つのシート17a,17bは、それぞれ、折りたたみ可能に構成される。
第3列シート18も、2つのシートが車幅方向に連続して設けられることにより、1つのベンチ型のシートとされている。第3列シート18を構成する2つのシートは、それぞれ、折りたたみ可能に構成される。第3列シート18は、左側に配置され2名の乗員が着座可能な第3列左側シート70と、右側に配置され1名の乗員が着座可能な第3列右側シート80と、からなる。第3列シート18を構成する2つのシート70,80は、それぞれ、折りたたみ可能に構成される。第3列左側シート70は、乗降用開口50の前方に配置されている。
図4を参照する。図4には、第3列シート18が後方から見た状態において示されている。図4に示された状態において、第3列シート18は、乗員が着座可能な着座状態とされている。
荷室11aは、乗員が乗車する部位に比べて、車体床部19が一段低く形成されている。即ち、車体床部19の後端には、下方に向かって凹ませた凹部19bが形成されている。
着座状態を基準として、第3列左側シート70は、凹部19bに支持された左右の脚部71,71と、これらの脚部71,71に支持され乗員が着座可能なシートクッション72と、このシートクッション72の後端から立ち上げられたシートバック73と、このシートバック73に設けられた2つのヘッドレスト74,75と、シートバック73の肩部から車室内に突出した紐部材76と、シートバック73の背面部73aに着脱可能に設けられたマット77と、このマット77の表面部77aに対して着脱可能に設けられたフロアボード78と、からなる。
マット77の裏面部、及び、シートバック73の背面部73aには、スナップボタン91が4つずつ固定されている。加えて、マット77の裏面部、及び、シートバック73の背面部73aには、第1の面ファスナ92が3つずつ固定されている。これらのスナップボタン91及び第1の面ファスナ92を介して、マット77は、シートバック73の背面部73aに着脱可能に設けられている。スナップボタン91が取り付けられた部位は、マット77が背面部73aへ取り付けられているマット部取付点ということができる。
フロアボード78は、シートバック73上部の軸線L3を中心に、スイング可能に設けられている。フロアボード78は、例えば、シートフレームに固定したヒンジによってスイング可能に支持することができる。フロアボード78は、マット77の表面部77aに対して複数の第2の面ファスナ93を介して着脱可能に設けられている。第2の面ファスナ93が取り付けられた部位は、フロアボード78が表面部77aへ取り付けられているボード部取付点ということができる。加えて、第2の面ファスナ93は、第1の面ファスナ92と重なる位置に設けられている。
着座状態において、シートバック73は、上に向かうにつれ後方に傾斜している。フロアボード78をマット77の表面部77aに固定することにより、スイング可能なフロアボード78のばたつきを防止している。
第2の面ファスナ93は、それぞれ、上下に配置されたスナップボタン91,91を結んだ線L4上に固定されている。
紐部材76は、シートバック73を倒伏させる際に、乗員が引っ張る紐である。
第3列右側シート80は、凹部19bに支持された左右の脚部81,81と、これらの脚部81,81に支持され乗員が着座可能なシートクッション82と、このシートクッション82の後端から立ち上げられたシートバック83と、このシートバック83に設けられた1つのヘッドレスト84と、シートバック83の肩部から車室内に突出した紐部材86と、シートバック83の背面部83aに対して着脱可能に設けられたフロアボード88と、からなる。
フロアボード88は、シートバック83上部の軸線L5を中心に、スイング可能に設けられている。フロアボード88は、例えば、シートフレームに固定したヒンジによってスイング可能に支持することができる。フロアボード88は、シートバック83の背面部83aに対して複数の第3の面ファスナ97を介して着脱自在に設けられている。
着座状態において、シートバック83は、上に向かうにつれ後方に傾斜している。フロアボード88をシートバック83の背面部83aに固定することにより、スイング可能なフロアボード88のばたつきを防止している。
紐部材86は、シートバック83を倒伏させる際に、乗員が引っ張る紐である。
図2を参照する。テールゲート40、又は、サブドア60を開放する際には、まず、ロック装置を解除する。ロック装置の解除は、ロックスイッチ67を押すことにより行うことができる。ロックスイッチ67を押す度に、ロック状態とアンロック状態とが切り替えることができる。ロック状態においては、テールゲートハンドル43、又は、サブドア用アウタハンドル63を操作しても、テールゲート40、又は、サブドア60は、開放されない。
図5を併せて参照する。大きな荷物BCを車両10に搭載する際には、アンロック状態とした上で、テールゲートハンドル43を操作する。テールゲートハンドル43を操作することにより、テールゲート用ラッチ装置41(図3参照)が解除され、テールゲート40を上方にスイングさせることができる。テールゲート40が開放され、大きな荷物BCを車両10に載せ降ろしすることができる。
図2及び図6を参照する。小さな荷物SCを車両に搭載する場合や、乗員が乗降する場合には、アンロック状態とした上で、サブドア用アウタハンドル63を操作する。サブドア用アウタハンドル63を操作することにより、サブドア用ラッチ装置61(図3参照)が解除され、サブドア60を水平方向にスイングさせることができる。車内側からサブドア60を開放する場合には、サブドア用インナハンドル64を操作することにより行う。サブドア60が開放され、小さな荷物SCの載せ降ろしや、乗員が乗降することができる。
図4及び図7を参照する。図7には、収納状態の第3列シート18が上方から見た状態において示されている。紐部材76を引くことにより、図4に示される着座状態から、図7に示される収納状態に切り替えることができる。
乗員が乗降する場合や、大きな荷物を搭載する場合には、第3列シート18(乗降の場合には、特に、第3列左側シート70)を収納状態にする。紐部材76,86を引くと、シートバック73,83の上部がシートクッション72,82の前部に向かって倒伏する。これと共に、左右の脚部71,71,81,81は、後方にスイングし、シート70,80の全体が後方に向かって変位する。後方に向かって変位したシート70,80は、凹部19bに収納される。このようなシートの倒伏機構については、周知の倒伏機構を採用することができる。
収納状態を基準とした場合に、シートバック73のなかのマット77が取り付けられる部位は、上面部73aということができる。上面部73aは、着座状態における背面部73aと同じ部位を指している。加えて、収納状態を基準とした場合には、シートバック73のなかのフロアボード78の軸線L3が位置する部位は、前部ということができる。前部は、着座状態における上部と同じ部位を指している。
加えて、収納状態を基準とした場合に、フロアボード78が表面部77aへ取り付けられている第2の面ファスナ93の下部には、上面部73aにマット77を係止させた第1の面ファスナ92が形成されている、ということができる。
図7及び図8を参照する。第3列シート18が変位可能な構成とされているため、第3列シート18と、凹部19bとの間には、不可避的に隙間が生じる。乗員が車内を移動する場合や、大きな荷物BC(図5参照)を載置する場合には、この隙間がない方が好ましい。このため、フロアボード78,88を前方に向かってスイングさせる。フロアボード78,88を前方にスイングさせることにより、マット77,87との第2の面ファスナ93,97による係合を解除する。
図8に示されるように、前方にスイングさせたフロアボード78,88の先端は、車体床部19の一般面19aの上に位置する。フロアボード78,88によって、第3列シート18と、凹部19bとの間に形成された隙間を上方から覆うことができる。
本発明によれば、以下の効果を得ることができる。
図8を参照する。収納状態を基準として、乗降用開口50の前部に位置するシートバック73の上面部73aには、マット77が着脱自在に設けられている。乗員の乗降時には、少なくとも乗降用開口50前方の第3列左側シート70を倒伏させる必要がある。この第3列左側シート70を乗降用開口50の前方に倒伏させ、その上面部73aにマット77が取り付けられる。乗員は、車体後方からの乗降時に、まず、マット77を踏むこととなる。マット77によって靴の裏に付着した泥を拭き取ることができる。泥が広がることを抑制し、車内を清潔に保つことができる。
加えて、第3列左側シート70の着座状態及び収納状態に合わせて、マット77を敷いたり、取り外したりする必要がない。このような手間を省くことができ、有益である。加えて、マット77を収納する部位の確保が不要であるため、車室内空間を有効に活用することができる。
加えて、マット77は、着脱可能に設けられている。マット77を取り外し、洗濯することも可能であり、さらに車内を清潔に保つことができる。
さらに、マット77の表面部77aには、シートバック73の上面部73aを軸として前後方向にスイング可能なフロアボード78が着脱自在に設けられている。車体床部19の凹部19bと、収納状態の第3列左側シート70との間には、必然的に隙間が生じる。乗員の乗降時には、フロアボード78を前方にスイングさせる。フロアボード78によって、隙間を上方から覆う。乗員は、より簡単に車内を移動することができる。
さらに、第2の面ファスナ93は、複数のスナップボタン91同士を結んだ線L4上に位置している。即ち、第2の面ファスナ93は、スナップボタン91に近接して設けられている。取付強度の高いスナップボタン91の近傍に第2の面ファスナ93が設けられている。フロアボード78をスイングさせる際には、マット77からフロアボード78を剥がす必要がある。このとき、第2の面ファスナ93を、取付強度の高いスナップボタン91の近傍に設けることにより、誤ってマット77が第3列左側シート70の上面部73aから剥がれることを抑制できる。
さらに、フロアボード78が表面部77aへ取り付けられている第2の面ファスナ93の下部には、シートバック73の上面部73aにマット77を係止させた第1の面ファスナ92が設けられている。フロアボード78をスイングさせる際には、マット77からフロアボード78を剥がす必要がある。このとき、マット77には、シートバック73の上面部73aから剥がされる方向に向かって力が加わる。特に、第2の面ファスナ93において、剥がされる力が大きく加わる。第2の面ファスナ93の下部に、第1の面ファスナ92が形成されていることにより、フロアボード78のスイング時にマット77がシートバック73の上面部73aから剥がれることを抑制できる。
さらに、第1の面ファスナ92は、第2の面ファスナ93よりも大きい。即ち、第2の面ファスナ93を第1の面ファスナ92に重ね合わせた際に、第2の面ファスナ93の全体を第1の面ファスナ92の上方に重ねることができる。一方、この状態において、第1の面ファスナ92の上方の一部には、第2の面ファスナ93が重ねられない部位が生じている。フロアボード78を回転させ戻した際に、所定の位置に対して多少のずれが生じたとしても、より確実に第2の面ファスナ93の全体を第1の面ファスナ92の上方に戻すことができる。これにより、さらに確実にマット77がシートバック73の上面部73aから剥がれることを抑制できる。
さらに、前後方向において、乗降用開口50とは、重ならない位置に、第3列左側シート70とは別の第3列右側シート80が、第3列左側シート70と車幅方向に連続して設けられている。これにより、車幅方向に亘って一列にシート70,80が配置されている。収納状態を基準として、第3列右側シート80のシートバック83の上面部83aには、フロアボード88のみがスイング可能に設けられている。フロアボード78,88が車幅方向に亘って設けられている。これにより、必要な部位にのみマット77を設けると共に、車幅方向の全体に亘ってフロアボード77,87を設けることができる。車幅方向の全体に亘ってフロアボード77,87を設けることにより、より大きな荷物を搭載することができる。フロアボード77,87のスイング軸L3,L5は、収納状態を基準として、前後方向の同じ位置に位置している。
尚、本発明による車両は、テールゲートに乗降用開口が設けられた車両を例に説明したが、車体後部に直接的に乗降用開口が形成される形式のものであっても適用可能であり、これらの形式のものに限られるものではない。即ち、本発明の作用及び効果をそうする限りにおいて、本発明は、実施例に限定されるものではない。
本発明の車両は、ワゴン車に適用するのに好適である。
10…車両
19…車体床部
19b…凹部
50…乗降用開口
70…第3列左側シート(シート)
72…シートクッション
73…シートバック
73a…(シートバックの)背面部((シートバックの)上面部)
77…マット
77a…(マットの)表面部
91…スナップボタン(マット部取付点)
92…第1の面ファスナ(係止部)
93…第2の面ファスナ(ボード部取付点)
L3…シートバック上部(前部)の軸線

Claims (3)

  1. 車体床部に設けられたシートと、
    このシートの後方、且つ、車体後部に形成され、乗員が乗降可能な乗降用開口と、を有する車両において、
    前記車体床部の後端には、下方に向かって凹ませた凹部が形成され、
    前記シートは、前記乗員が着座可能な着座状態と、前記凹部に収納される収納状態と、を切り替え可能な構成とされ、
    前記収納状態において、前記シートのシートバックは、シートクッションの上面に倒伏して位置し、
    前記収納状態を基準として、前記シートバックの上面部には、マットが着脱自在に設けられていることを特徴とする車両。
  2. 前記マットの表面部には、前記上面部の前部を軸として前後方向にスイング可能なフロアボードが着脱自在に取り付けられ、
    前記マットが前記上面部へ取り付けられているマット部取付点は、複数形成され、
    前記フロアボードが前記表面部へ取り付けられているボード部取付点は、前記複数のマット部取付点同士を結んだ線上に位置していることを特徴とする請求項1記載の車両。
  3. 前記マットの表面部には、前記上面部の前部を軸として前後方向にスイング可能なフロアボードが着脱自在に取り付けられ、
    前記フロアボードが前記表面部へ取り付けられているボード部取付点の下部には、前記上面部に前記マットを係止させた係止部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の車両。
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