JP2016074376A - 車両用ベルトモール - Google Patents
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Abstract
Description
さらにアウタパネル上縁部には、前後方向に延びる長尺物であるベルトモールを取り付けるのが一般的である。
ベルトモール本体は、後部ピラー(又は前部ピラー)及びスライドガラスの車外側面側に向かって突出する弾性材料からなるモール側リップを有している。
モール側リップの長手方向の端部(後部ピラーや前部ピラーと車幅方向に対向する部分)の車内側縁部は切り欠いてある。さらに、エンドキャップに設けた硬質材料からなる当接部が後部ピラー(又は/及び前部ピラー)の車外側面側に当接している。そのためモール側リップの端部(切欠部)は後部ピラー(又は/及び前部ピラー)の車外側面から車外側に(僅かに)離間している。
しかしこの隙間の大きさは、モール側リップを設けない場合にベルトモールと後部ピラー(又は/及び前部ピラー)の車外側面との間に形成される隙間よりは小さい。そのためモール側リップを設けない場合と比べて、車両ドアの美観を向上させることが可能である。
さらに後部ピラー(又は/及び前部ピラー)の車外側面には意匠性を向上させるためのシールを貼ることが多い。しかしモール側リップ(切欠部)の端部が後部ピラー(又は/及び前部ピラー)の車外側面には接触しないので、シール(のモール側リップの端部近傍のアウタパネル上縁部より上方に位置する部位)にシワがより、このシワによってドアサッシュ(車両ドア)の美観が損なわれることがない。
そのため車両の走行中にモール側リップの端部(切欠部)と後部ピラー(又は/及び前部ピラー)の車外側面との間の上記隙間へ流れ込んだ外気が、アウタパネル上縁部と後部ピラー(又は/及び前部ピラー)との間の上記孔を通って下方へ向かい、車両ドア内部の下方空間へ流れ込み易かった。仮に外気が車両ドア内部の下方空間に流れ込むと、その空気流によってドアから異音(風きり音)が発生するおそれがある。
またピラーの車外側面に意匠性を向上させるためのシールを貼っている場合は、キャップ側リップがシールに接触し、シールのキャップ側リップとの接触部及びその周辺部にシワがよることがある。しかしモール側リップの下方に位置するキャップ側リップは、モール側リップより(ある程度)下方に位置しているので、上記シワはモール側リップより下方に形成される(ベルトモールによって隠される)可能性が高い。そのため仮にシワが出来ても、そのシワによってピラー(車両ドア)の美観が損なわれるおそれは小さい。
しかし請求項2記載の発明のように当接部とキャップ側リップの高さを同じにすれば、両者の間の隙間を小さくすることが可能である。そのため空気流が下方へ流入するのを、キャップ側リップ(及び当接部)によって効果的に抑制できるようになる。
しかし請求項3記載の発明のようにキャップ側リップを離間部(とピラーの車外側面との隙間)より上方に位置させると、空気流がピラーの車外側面と離間部の間の隙間側へ向かうのをキャップ側リップによって効果的に抑制できる。
図1は車両ボディの側面開口を開閉する車両ドア10を示している。車両ドア10は所謂サッシュドアであり、いずれも金属製であるアウタパネル12、アウタパネル12の車内側に位置しかつアウタパネル12と一体化しているインナパネル(図示略)、及びアウタパネル12と一体的であるドアサッシュ15を具備しており、アウタパネル12、インナパネル、及びドアサッシュ15がドア本体11を構成している。アウタパネル12とドアサッシュ15の間に形成された窓孔内にはスライドガラスWが昇降自在に設けてある。
アウタパネル12の上縁部の前後両端部を除く部分は、その縁部を車内側に折り曲げることにより形成した前後方向に延びるモール取付部12aとなっており、該上縁部の後端部はピラー対向部12bとなっている。さらにピラー対向部12bは、上方に向かって突出する第一ピラー接触片12c(接続部)と、第一ピラー接触片12cに隣接する切欠部12d(離間部)と、切欠部12dに隣接しかつ第一ピラー接触片12cよりも小さい突出量で上方へ突出する第二ピラー接触片12e(接続部)と、を具備している。切欠部12dの車外側縁部は第一ピラー接触片12c及び第二ピラー接触片12eよりも車外側に位置している。さらにモール取付部12aの車内側面には抜け止用係止片12fが切り起こしにより突設してある。
ドアサッシュ15の前端部(傾斜部)は前部ピラー16により構成してあり、ドアサッシュ15の後端部は上下方向に延びる後部ピラー17により構成してある。図示は省略してあるが、前部ピラー16及び後部ピラー17の車外側面全体には、意匠性を向上させるためのシール(このシールは前部ピラー16及び後部ピラー17の一部を構成する)が貼着してある。前部ピラー16と後部ピラー17の下端部はアウタパネル12の車内側面に溶接により固定してある。後部ピラー17の下端近傍の車外側面にピラー対向部12bの第一ピラー接触片12c及び第二ピラー接触片12eがそれぞれ溶接してある(図3参照)。また後部ピラー17と切欠部12dの間には取付孔18が形成してある。
長尺物であるベルトモール本体21は、硬質樹脂材料(例えば、PP、AESなど)からなる硬質基部22を具備している。硬質基部22は、硬質基部22の上端部を構成する上端接続部23と、上端接続部23の車外側縁部から垂下する車外側部24と、上端接続部23の車内側縁部から垂下する車内側部25と、を一体的に有している。車外側部24の下縁部は車内側に突出する下端係止片26となっている。車内側部25の車外側面の下端部には車外側に突出する係合突部27が設けてあり、車内側部25の車外側面の上部には当接用突部25aが突設してある(当接用突部25a及び係合突部27は車内側部25の一部である)。
さらに車外側部24の車内側面には斜め上方に向かって突出する突起状の内リップ28が一体的に設けてある。また車内側部25の車内側面には車内側に向かって斜め上向きに突出するモール側リップ29が一体的に設けてある。車外側部24の下縁部には、車内側に向かって斜め下向きに突出する車外側リップ31が突設してある。さらに、上端接続部23及び車外側部24の外面は被覆材32によって被覆してある。内リップ28、モール側リップ29、及び車外側リップ31は、硬質基部22より軟質の弾性を有する同一樹脂材料(例えば、TPO、PVCなど)からなるものである。被覆材32は、内リップ28、モール側リップ29、及び車外側リップ31より硬質かつ硬質基部22より軟質の樹脂材料(例えば、TPO、PVCなど)からなるものである。
ベルトモール本体21は三色押出成形によって硬質基部22、内リップ28、モール側リップ29、車外側リップ31、及び被覆材32をほぼ同時に一体成形したものである。
さらに挿入部37の車内側面には、当接部41の前後両側に位置する前後一対のキャップ側リップ44が車内側に向けて突設してある。図示するように被覆端部36側に位置するキャップ側リップ44は被覆端部36に接続している。図5に示すように前後のキャップ側リップ44は共に自由状態において斜め上方に向かって突出している。前後のキャップ側リップ44は当接部41と略同じ高さ(上下位置)に位置しており、前後のキャップ側リップ44と当接部41の間には微少隙間が形成してある。前後のキャップ側リップ44は被覆端部36、挿入部37、係止用突起38(車内側弾性接触片39、車内側係止片40)、当接部41、及び抜止め用突部42より軟質の弾性を有する樹脂材料(例えば、TPO、PVCなど)からなるものである。
以上構成のエンドキャップ35は二色成形(射出成形)によって成形したものであり、硬質の被覆端部36、挿入部37、係止用突起38(車内側弾性接触片39、車内側係止片40)、当接部41、及び抜止め用突部42と軟質のキャップ側リップ44とをほぼ同時に成形したものである(厳密には先に硬質部を成形し、その直後に軟質部を成形する)。
具体的には、まず下端係合部43を下端係止片26に対して上方から係合させる共に挿入部37の上部を上端接続部23、車外側部24、及び車内側部25で囲まれた空間に位置させ、さらに当接部41の車内側端部を車内側部25より車内側に位置させる(図8、図9参照)。そして被覆端部36の前面が上端接続部23、車外側部24、及び車内側部25の後端面に当接するまでエンドキャップ35全体を前方に押し込む。被覆端部36の前面が上端接続部23、車外側部24、及び車内側部25の後端面に当接すると、抜止め用凹部25bに対してベルトモール本体21の抜止め用突部42が係止するので(図6参照)、エンドキャップ35のベルトモール本体21に対する前後動が規制される。さらにエンドキャップ35のベルトモール本体21に対する上方への相対移動は挿入部37の上端部と上端接続部23とによって実質的に規制されておりかつ下端係合部43が下端係止片26に対して上方から係合するので、エンドキャップ35のベルトモール本体21に対する上下方向の相対移動が規制される。また、内リップ28が弾性変形しながら挿入部37の車外側面に接触する(挿入部37を車内側に移動付勢する)ことにより挿入部37の車内側面が当接用突部25aに当接し、さらに下端係合部43が車外側部24の車内側面に対して係合するので、エンドキャップ35のベルトモール本体21に対する車幅方向への相対移動(がたつき)が規制される。
エンドキャップ35をベルトモール本体21の後端部に装着すると、後側のエンドキャップ35の挿入部37の前端はベルトモール本体21の後側の後退端面33より後方に位置する(図6参照)。
さらに当接部41が後部ピラー17(シール)に対して当接することにより、図8−図10に示すようにモール側リップ29の切欠部29aと後部ピラー17の間に隙間が形成される。
さらにモール取付部12aの車外側面に対して内リップ28が弾性変形しながら接触し、モール取付部12aの車内側面に対して当接用突部25a及び係合突部27が接触する(図7参照)。また車内側弾性接触片39が後部ピラー17の車外側面(シール)に対して弾性変形しながら接触し(図9参照)、さらにキャップ側リップ44が車外側から後部ピラー17の車外側面(シール)に対して弾性変形しながら接触する。そのためベルトモール20のモール取付部12aに対する車外方向及び車内方向の相対移動が規制される。
またスライドガラスWが全開位置(下端位置)より上方に位置するときはモール側リップ29の先端部がスライドガラスWの車外側面に弾性変形しながら接触する(図7参照)。
例えば、エンドキャップ35のキャップ側リップ44の形状やエンドキャップ35中の成形位置を変更してもよい。即ち、キャップ側リップ44を当接部41より上方に位置させたり下方に位置させてもよい。但し、キャップ側リップ44を当接部41より上方に位置させる場合も下方に位置させる場合も、キャップ側リップ44は取付孔18(切欠部12d)より上方に位置させるのが好ましい。
図11の変形例は、前側のキャップ側リップ44の後端と後側のキャップ側リップ44の前端を当接部41より上方かつ切欠部29aより下方に位置する連結部46で接続したものである。
図12の変形例は前後のキャップ側リップ44を当接部41より上方かつ切欠部29aより下方に位置させかつ前側のキャップ側リップ44の後端と後側のキャップ側リップ44の前端を前後のキャップ側リップ44と同じ高さに位置する連結部46で接続したものである。
図13の変形例は前後のキャップ側リップ44を当接部41及び切欠部29aより下方に位置させかつ前側のキャップ側リップ44の後端と後側のキャップ側リップ44の前端を前後のキャップ側リップ44と同じ高さに位置する連結部46で接続したものである。
これら図11−図13の各変形例によれば、切欠部29aと後部ピラー17の車外側面との間の隙間へ流れ込んだ下向きの空気流が取付孔18へ向かうのを前後のキャップ側リップ44及び連結部46によってより効果的に抑制できる。
また図11の変形例の連結部46を当接部41の下方に位置させてもよく、この場合も図11−図13の変形例と同様の作用効果を発揮可能である。
但しベルトモール20の構成並びに車両ドア10’のドア本体11に対するベルトモール20の接触態様は上記実施形態と同じである。
さらに図14、15の変形例に対して上記各変形例を適用することも可能である。
またベルトモール本体21の前後両端部のうちの一方のみの車内側部分を切断したり、前後両端部を切断せずベルトモール本体21全体を同一断面にしてもよい。
さらにベルトモール本体21の前後両端部のうちの一方のみにエンドキャップ35を装着し、他方にはエンドキャップを装着しなくてもよい。
11 ドア本体
12 アウタパネル
12a モール取付部(上縁部)
12b ピラー対向部
12c 第一ピラー接触片(接続部)
12d 切欠部(離間部)
12e 第二ピラー接触片(接続部)
12f 抜け止用係止片
15 ドアサッシュ
16 前部ピラー(ピラー)
17 17’ 後部ピラー(ピラー)
17’a クリップ用孔
18 取付孔
20 ベルトモール
21 ベルトモール本体
22 硬質基部
23 上端接続部
24 車外側部
25 車内側部
25a 当接用突部
25b 抜止め用凹部
26 下端係止片
27 係合突部
28 内リップ
29 モール側リップ
29a 切欠部
31 車外側リップ
32 被覆材
33 後退端面
35 エンドキャップ
36 被覆端部
37 挿入部
38 係止用突起
39 車内側弾性接触片
40 車内側係止片
41 当接部
42 抜止め用突部
43 下端係合部
44 キャップ側リップ
46 連結部
W スライドガラス
Claims (3)
- アウタパネルと該アウタパネルの上縁部から上方に突出するピラーとを一体的に備える車両ドアの上記上縁部に取付可能かつ該上縁部に沿って延びる長尺状のベルトモール本体、及び、該ベルトモール本体の端面開口に着脱可能なエンドキャップ、を具備するベルトモールにおいて、
上記ベルトモール本体が、上記ピラーの車外側面側に向かって突出する、弾性材料からなるモール側リップを有し、
上記エンドキャップが、
上記ピラーの車外側面に当接することにより、上記モール側リップを上記ピラーの車外側面から車外側に離間させる当接部と、
上記モール側リップの下方に位置しかつ上記ピラーの車外側面に接触する、弾性材料からなるキャップ側リップと、
を備えることを特徴とする車両用ベルトモール。 - 請求項1記載の車両用ベルトモールにおいて、
上記当接部と上記キャップ側リップが同じ高さに位置する車両用ベルトモール。 - 請求項1または2記載の車両用ベルトモールにおいて、
上記アウタパネルの上記上縁部が、上記ピラーの車外側面に接触状態で接続する接続部と、上記ピラーの車外側面から車外側に離間する離間部と、を有し、
上記キャップ側リップが上記離間部より上方に位置する車両用ベルトモール。
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