以下、実施形態について添付の図面を参照しながら具体的に説明する。
(第1の実施形態)
先ず、第1の実施形態について説明する。第1の実施形態は強誘電体メモリの一例である。図1は、第1の実施形態に係る半導体装置のレイアウトを示す模式図であり、図2は、第1の実施形態に係る半導体装置の構成を示す回路図であり、図3Aは、第1の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。図3Aは、図1中のI−I線に沿った断面を示す。図3Bは、図3Aに示す領域近傍におけるワード線、ビット線及びプレート線の立体的な位置関係を示す模式図である。
第1の実施形態に係る半導体装置1001には、図1に示すように、複数の強誘電体キャパシタ201及びこれら強誘電体キャパシタ201を取り囲むガードリング1101が含まれている。半導体装置1001には、図2に示すように、複数のスイッチング素子202、複数のワード線203、複数のビット線204及び複数のプレート線205も含まれている。ワード線203は、それぞれ複数のスイッチング素子202のうちのいずれか2以上のオン/オフを切り替える。ビット線204は、それぞれ複数のスイッチング素子202のうちのいずれか2以上に接続されている。プレート線205は、ワード線203によりオン/オフが切り替えられる2以上のスイッチング素子202の各々に接続された2以上の強誘電体キャパシタ201に接続されている。
図3Aに示すように、半導体装置1001には、n型又はp型のシリコン基板等の半導体基板211が含まれている。半導体基板211の表面にトランジスタの活性領域を画定する素子分離領域212が形成されている。活性領域にPウェル213が形成されており、Pウェル213を用いたスイッチング素子202が形成されている。スイッチング素子202は、例えば電界効果トランジスタである。この電界効果トランジスタには、例えば、図4(a)に示すように、ゲート絶縁膜401、ゲート電極402、不純物注入領域403、絶縁性のサイドウォール404、不純物注入領域405及びシリサイド層406が含まれている。ゲート電極402はワード線203の一部として機能する(図3B)。
スイッチング素子202を覆うカバー膜221が半導体基板211上に形成され、カバー膜221上に層間絶縁膜222が形成されている。層間絶縁膜222及びカバー膜221にシリサイド層406を露出するコンタクトホール223が形成されており、コンタクトホール223内に導電プラグ224が形成されている。層間絶縁膜222及び導電プラグ224上にエッチングストッパ膜225が形成され、エッチングストッパ膜225上に層間絶縁膜226が形成されている。層間絶縁膜226及びエッチングストッパ膜225に開口部227が形成され、開口部227内に配線228が形成されている。配線228は一部の導電プラグ224に接続されており、ビット線204の一部として機能する(図3B)。層間絶縁膜226及び配線228上に酸化防止膜229が形成され、酸化防止膜229上に緩衝膜230が形成されている。緩衝膜230、酸化防止膜229、層間絶縁膜226及びエッチングストッパ膜225に一部の導電プラグ224を露出するコンタクトホール231が形成され、コンタクトホール231内に導電プラグ232が形成されている。
緩衝膜230及び導電プラグ232上に窒化チタン膜241及び窒化アルミニウムチタン膜242が形成されている。そして、窒化アルミニウムチタン膜242上に、強誘電体キャパシタ201、及びガードリング1101に含まれる平面形状が環状の疑似強誘電体キャパシタ101が形成されている。疑似強誘電体キャパシタ101はガードリング1101に含まれ、複数の強誘電体キャパシタ201を側方から包囲する。強誘電体キャパシタ201に、下部電極246、容量絶縁膜247及び上部電極248が含まれ、疑似強誘電体キャパシタ101に、疑似下部電極146、疑似容量絶縁膜147及び疑似上部電極148が含まれる。窒化チタン膜241及び窒化アルミニウムチタン膜242は、下部電極246、容量絶縁膜247及び上部電極248、並びに疑似下部電極146、疑似容量絶縁膜147及び疑似上部電極148と同様にパターニングされている。1個の導電プラグ232に1個の強誘電体キャパシタ201の下部電極246が電気的に接続されている。
下部電極246には、図4(b)に示すように、イリジウム膜431、酸化イリジウム膜432及び白金膜433が含まれている。容量絶縁膜247には、強誘電体膜434及び強誘電体膜435が含まれている。強誘電体膜434と強誘電体膜435との間では、例えば組成が相違している。上部電極248には、酸化イリジウム膜436、酸化イリジウム膜437及びイリジウム膜438が含まれている。例えば、酸化イリジウム膜437の酸化度は酸化イリジウム膜436の酸化度より高い。
疑似下部電極146には、図4(c)に示すように、イリジウム膜331、酸化イリジウム膜332及び白金膜333が含まれている。疑似容量絶縁膜147には、強誘電体膜334及び強誘電体膜335が含まれている。強誘電体膜334と強誘電体膜335との間では、例えば組成が相違している。疑似上部電極148には、酸化イリジウム膜336、酸化イリジウム膜337及びイリジウム膜338が含まれている。例えば、酸化イリジウム膜337の酸化度は酸化イリジウム膜336の酸化度より高い。
強誘電体キャパシタ201及び疑似強誘電体キャパシタ101を覆う保護膜251が緩衝膜230上に形成され、保護膜251上に保護膜252が形成され、層間絶縁膜253が保護膜252上に形成されている。層間絶縁膜253、保護膜252及び保護膜251に上部電極248を露出するコンタクトホール254が形成され、コンタクトホール254内に導電プラグ256が形成されている。
導電プラグ256に電気的に接続される配線261が層間絶縁膜253上に形成されている。配線261はプレート線205の一部として機能する(図3B)。配線261を覆う層間絶縁膜262が層間絶縁膜253上に形成され、配線263が層間絶縁膜262上に形成されている。配線263はワード線203の裏打ち(シャント)として機能する。配線263を覆う層間絶縁膜264が層間絶縁膜262上に形成され、配線265が層間絶縁膜264上に形成され、配線265を覆う層間絶縁膜266が層間絶縁膜264上に形成されている。配線265はビット線204の裏打ち(シャント)として機能する。ガードリング1101は、図1中のII−II線に沿った断面、III−III線に沿った断面、及びIV−IV線に沿った断面でも、図3Aに示すものと同様の構成を備えている。
保護膜251、保護膜252及び層間絶縁膜253が第1の絶縁膜に含まれる。酸化防止膜229及び緩衝膜230が第2の絶縁膜に含まれる。エッチングストッパ膜225及び層間絶縁膜226が第3の絶縁膜に含まれる。カバー膜221及び層間絶縁膜222が第4の絶縁膜に含まれる。第2の絶縁膜、第3の絶縁膜及び第4の絶縁膜が下地210に含まれる。
半導体装置1001では、疑似強誘電体キャパシタ101を含むガードリング1101が強誘電体キャパシタ201を取り囲むようにして環状に形成されている。このため、コンタクトホール254が形成された状態で行われるアニール等の際に、疑似強誘電体キャパシタ101の外側からの水分及び水素の浸入を適切に抑制することができ、強誘電体キャパシタ201が受ける工程劣化を著しく抑制することができる。従って、強誘電体キャパシタ201を微細化しても十分な分極電荷量を得ることができる。
また、本実施形態では、強誘電体キャパシタ201が、ビット線204の一部として機能する配線228より上方にある。つまり、COB(capacitor over bit line)構造が採用されている。
次に、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。図5A乃至図5Hは、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
先ず、図5Aに示すように、半導体基板211の表面に、トランジスタの活性領域を画定する素子分離領域212を形成する。素子分離領域212としては、例えば、シャロートレンチアイソレーション(STI:shallow trench isolation)を形成する。STIは、半導体基板211の表面に溝を形成し、その中に酸化シリコン等の絶縁膜を埋め込むことにより形成することができる。なお、素子分離領域212として、ロコス(LOCOS:local oxidation of silicon)法で絶縁膜を形成してもよい。次いで、活性領域に不純物を導入することにより、例えばPウェル213を形成する。その後、この活性領域にスイッチング素子202を形成する。スイッチング素子202としては、例えば図4(a)に示す電界効果トランジスタを形成する。
この電界効果トランジスタの形成では、先ず、活性領域の表面にゲート絶縁膜401を形成する。ゲート絶縁膜401は、例えば、熱酸化により形成することができる。次いで、ゲート絶縁膜401上にゲート電極402を形成する。ゲート電極402は、例えば、半導体基板211の上側全面に非晶質又は多結晶のシリコン膜を形成し、このシリコン膜をフォトリソグラフィ法によりパターニングすることにより形成することができる。その後、ゲート電極402をマスクにして、ゲート電極402の両側のPウェル213にn型不純物をイオン注入することによりn型の不純物注入領域403をエクステンション領域として形成する。続いて、ゲート電極402の側面上に絶縁性のサイドウォール404を形成する。サイドウォール404は、例えば、半導体基板211及びゲート電極402上に絶縁膜を形成し、この絶縁膜をエッチバックすることにより形成することができる。絶縁膜としては、例えば化学気相成長(CVD:chemical vapor deposition)法により酸化シリコン膜を形成する。次いで、サイドウォール404及びゲート電極402をマスクにして、Pウェル213内にn型不純物を不純物注入領域403の形成時よりも高濃度でイオン注入することによりn型の不純物注入領域405を形成する。この結果、不純物注入領域403及び不純物注入領域405を備えたソース/ドレイン領域が得られる。不純物注入領域405の形成後には、ゲート電極402上及び不純物注入領域405上にシリサイド層406を形成する。シリサイド層406の形成時には、スパッタ法によりコバルト膜等の金属膜を形成し、この金属膜を加熱してシリコンと反応させる。そして、金属膜の未反応の部分をウエットエッチングにより除去する。
次いで、スイッチング素子202を覆うカバー膜221を形成する。カバー膜221としては、例えば厚さが約70nmの窒化シリコン膜をプラズマCVD法により形成する。その後、カバー膜221上に層間絶縁膜222を形成する。層間絶縁膜222としては、例えば厚さが約1.1μmの酸化シリコン膜をテトラエトキシシラン(TEOS:tetraethoxysilane)含有ガスを使用したプラズマCVD法により形成する。続いて、層間絶縁膜222の上面を化学機械研磨(CMP:chemical-mechanical polishing)法により研磨して平坦化する。研磨後の層間絶縁膜222の厚さは、例えば半導体基板211の平坦面上で約600nmとする。次いで、層間絶縁膜222及びカバー膜221にシリサイド層406を露出するコンタクトホール223を形成する。コンタクトホール223の形成では、例えば、フォトリソグラフィ法により層間絶縁膜222及びカバー膜221をパターニングする。コンタクトホール223の直径は、例えば0.20μmとする。その後、コンタクトホール223内に導電プラグ224を形成する。導電プラグ224としては、例えば図6(a)に示す導電積層体410と同様の積層構造を有するものを形成する。より具体的には、例えば、コンタクトホール223内にCVD法により密着膜(グルー膜)として厚さが30nmのチタン膜411及び厚さが20nmの窒化チタン膜412を順に形成し、窒化チタン膜412上にCVD法によりタングステン膜413を形成する。そして、層間絶縁膜222の上面が露出するまでタングステン膜413、窒化チタン膜412、及びチタン膜411をCMP法により研磨する。
次いで、図5Bに示すように、層間絶縁膜222及び導電プラグ224上にエッチングストッパ膜225を形成する。エッチングストッパ膜225としては、例えば厚さが約30nmの窒化シリコン膜を形成する。その後、エッチングストッパ膜225上に層間絶縁膜226を形成する。層間絶縁膜226としては、例えば厚さが約350nmの酸化シリコン膜をTEOS含有ガスを使用したプラズマCVD法により形成する。続いて、層間絶縁膜226及びエッチングストッパ膜225のビット線204を形成する予定の領域に、一部の導電プラグ224を露出する開口部227を形成する。開口部227の形成では、例えば、層間絶縁膜226上に犠牲膜として厚さが約15nmの窒化シリコン膜を形成し、フォトレジストのマスクを用いて、この犠牲膜及び層間絶縁膜226にエッチングストッパ膜225まで達する開口部を形成し、マスクを除去し、犠牲膜及びエッチングストッパ膜225をエッチングする。
開口部227の形成後には、開口部227内にビット線204の一部として配線228を形成する。配線228としては、例えば図6(a)に示す導電積層体410と同様の積層構造を有するものを形成する。より具体的には、例えば、開口部227内にCVD法により密着膜(グルー膜)として厚さが10nmのチタン膜411及び厚さが20nmの窒化チタン膜412を順に形成し、窒化チタン膜412上にCVD法によりタングステン膜413を形成する。そして、層間絶縁膜226の上面が露出するまでタングステン膜413、窒化チタン膜412、及びチタン膜411をCMP法により研磨する。
配線228の形成後には、層間絶縁膜226及び配線228上に酸化防止膜229を形成する。酸化防止膜229としては、例えば厚さが30nmの窒化シリコン膜を形成する。酸化防止膜229により、後のコンタクトホール231の形成時等における配線228の酸化が防止される。次いで、酸化防止膜229上に緩衝膜230を形成する。緩衝膜230としては、例えば厚さが約200nmの酸化シリコン膜をTEOS含有ガスを使用したプラズマCVD法により形成する。緩衝膜230は、後述のように、強誘電体キャパシタ201を形成するためのエッチングの際に、下方へのダメージ(膜減り)を抑制する。緩衝膜230は強誘電体キャパシタ201との密着性を向上することもできる。その後、緩衝膜230、酸化防止膜229、層間絶縁膜226及びエッチングストッパ膜225に一部の導電プラグ224を露出するコンタクトホール231を形成する。コンタクトホール231の形成では、例えば、フォトリソグラフィ法により緩衝膜230、酸化防止膜229及び層間絶縁膜226をパターニングする。コンタクトホール231の直径は、例えば0.20μmとする。続いて、コンタクトホール231内に導電プラグ232を形成する。導電プラグ232としては、例えば図6(a)に示す導電積層体410と同様の積層構造を有するものを形成する。より具体的には、例えば、コンタクトホール231内にCVD法により密着膜(グルー膜)として厚さが10nmのチタン膜411及び厚さが20nmの窒化チタン膜412を順に形成し、窒化チタン膜412上にCVD法によりタングステン膜413を形成する。そして、緩衝膜230の上面が露出するまでタングステン膜413、窒化チタン膜412、及びチタン膜411をCMP法により研磨する。このとき、緩衝膜230は、CMP法による研磨における膜減りをその内部で止め、その下の酸化防止膜229が研磨されることを防止することができる。タングステン膜413に代えて他の材料からなる導電膜を用いてもよいが、その場合でも、高温の熱処理による変質を避けるためにチタン等の高融点金属の膜を形成することが好ましい。
次いで、図5Cに示すように、緩衝膜230及び導電プラグ232上に、例えば厚さが5nmのチタン膜を形成し、RTA(rapid thermal annealing)法による窒化処理を行うことにより、窒化チタン膜241を形成する。その後、窒化チタン膜241上に窒化アルミニウムチタン膜242を形成する。窒化アルミニウムチタン膜242の形成では、例えば、厚さが40nmの窒化アルミニウムチタン膜を形成し、この窒化アルミニウムチタン膜を厚さが20nm程度となるまでCMP法により研磨し、新たに厚さが25nmの窒化アルミニウムチタン膜を形成する。窒化アルミニウムチタン膜242は酸化耐性を有する。CMPの影響によって導電プラグ232の上面が緩衝膜230の上面より低く、凹部が存在することがあるが、この凹部は窒化チタン膜241及び窒化アルミニウムチタン膜242により消失する。続いて、窒化アルミニウムチタン膜242上に導電膜243、強誘電体膜244、及び導電膜245を形成する。導電膜243は第1の導電膜の一例であり、導電膜245は第2の導電膜の一例である。
導電膜243の形成では、例えば、図4(b)及び図4(c)に示すように、厚さが30nmのイリジウム膜、厚さが30nmの酸化イリジウム膜、及び厚さが50nmの白金膜を形成する。酸化イリジウム膜は、密着性の向上及び配向性のキャンセルに寄与する。白金膜は配向性の向上に寄与する。
強誘電体膜244の形成では、例えば、図4(b)及び図4(c)に示すように、厚さが75nmの第1の強誘電体膜、例えばPZT(Pb(Zrx,Ti1-x)O3)膜(0<x<1)、を形成し、アルゴン及び酸素の混合ガス雰囲気中でRTA法により熱処理を行う。この熱処理により、第1の強誘電体膜の結晶が白金膜の結晶の配向に揃うように配向する。次いで、第1の強誘電体膜上に厚さが10nmのアモルファス状の第2の強誘電体膜を形成する。第2の強誘電体膜の形成を省略してもよい。
導電膜245の形成では、例えば、図4(b)及び図4(c)に示すように、厚さが25nmの第1の酸化イリジウム膜を形成する。第1の酸化イリジウム膜としては、例えば成膜の時点で結晶化する膜をスパッタ法により形成する。第1の酸化イリジウム膜の形成では、例えば、圧力を2Pa、基板温度を300℃に設定し、イリジウムターゲットを使用し、反応ガスとしてアルゴン及び酸素の混合ガスを用い、スパッタパワーを例えば1kW〜2kW程度とする。この際に、アルゴンガスと酸素ガスとの流量比は、例えば100対56とする。第2の強誘電体膜の形成を省略している場合、導電膜245は第1の強誘電体膜上に形成する。次いで、酸素含有雰囲気中でRTA法により熱処理する。この熱処理では、例えば、アルゴン及び酸素の混合ガスを用い、アルゴンガスと酸素ガスとの流量比を100対1とし、基板温度を725℃、熱処理時間を60秒間に設定する。この熱処理により、第1の酸化イリジウム膜に含まれるイリジウム原子が第1の強誘電体膜中に拡散し、第2の強誘電体膜が結晶化する。
この熱処理後に、第1の酸化イリジウム膜上に、第1の酸化イリジウム膜よりも酸化度が高い第2の酸化イリジウム膜を形成する。第2の酸化イリジウム膜としては、例えばIrO2膜を形成する。第2の酸化イリジウム膜の形成温度は100℃以下とすることが好ましい。異常成長を抑制するためである。酸化イリジウムは水素原子を水素ラジカルに活性化する触媒作用を有しており、酸化度が高いほどこの触媒作用は低い。水素ラジカルは強誘電体を還元するため、酸化イリジウムの酸化度が高いほど強誘電体が還元されにくい。従って、第1の酸化イリジウム膜より酸化度が高い第2の酸化イリジウム膜を形成することにより、水素ラジカルによる第1及び第2の強誘電体膜の還元を抑制することができる。次いで、第2の酸化イリジウム膜上に、例えば厚さが80nmのイリジウム膜を形成する。イリジウム膜はコンタクト抵抗の低減に寄与する。その後、半導体基板211の裏面を洗浄する。
続いて、図5Dに示すように、導電膜245、強誘電体膜244、導電膜243、窒化アルミニウムチタン膜242及び窒化チタン膜241のパターニングを行うことにより、上部電極248、容量絶縁膜247及び下部電極246を備えた強誘電体キャパシタ201、並びに疑似上部電極148、疑似容量絶縁膜147及び疑似下部電極146を備えた疑似強誘電体キャパシタ101を形成する。このとき、下部電極246が導電プラグ232に電気的に接続されるようにする。疑似下部電極146は下部電極246と同一の層に形成され、疑似容量絶縁膜147は容量絶縁膜247と同一の層に形成され、疑似上部電極148は上部電極248と同一の層に形成される。
例えば、下部電極246にイリジウム膜431、酸化イリジウム膜432及び白金膜433が含まれ、容量絶縁膜247に強誘電体膜434及び強誘電体膜435が含まれ、上部電極248に酸化イリジウム膜436、酸化イリジウム膜437及びイリジウム膜438が含まれる。例えば、疑似下部電極146にイリジウム膜331、酸化イリジウム膜332及び白金膜333が含まれ、疑似容量絶縁膜147に強誘電体膜334及び強誘電体膜335が含まれ、疑似上部電極148に酸化イリジウム膜336、酸化イリジウム膜337及びイリジウム膜338が含まれる。イリジウム膜431下の窒化チタン膜241及び窒化アルミニウムチタン膜242を下部電極246の一部とみなしてもよく、イリジウム膜331下の窒化チタン膜241及び窒化アルミニウムチタン膜242を疑似下部電極146の一部とみなしてもよい。導電膜245、強誘電体膜244、導電膜243、窒化アルミニウムチタン膜242及び窒化チタン膜241のパターニングでは、導電膜245上にマスク材料膜を形成し、これをフォトリソグラフィ法によりパターニングしてハードマスクを形成し、このハードマスクを用いて導電膜245等をエッチングする。このエッチングは緩衝膜230の内部で終了させることが好ましい。エッチングを緩衝膜230の内部で終了させることにより、下方へのダメージを抑制することできる。マスク材料膜の形成では、例えば、窒化アルミニウムチタン膜をスパッタ法により形成し、その上に酸化シリコン膜をTEOS含有ガスを使用したプラズマCVD法により形成する。窒化アルミニウムチタン膜及び酸化シリコン膜の厚さは、エッチングを緩衝膜230の内部で終了させたときに、窒化アルミニウムチタン膜及び酸化シリコン膜が消失するように調整しておくことが好ましい。例えば、窒化アルミニウムチタン膜の厚さは約200nmとし、酸化シリコン膜の厚さは約280nmとする。
次いで、図5Eに示すように、強誘電体キャパシタ201を覆う保護膜251を緩衝膜230上に形成する。保護膜251としては、例えば厚さが5nm〜20nmの酸化アルミニウム膜をスパッタ法により形成する。その後、保護膜251の形成時に生じたダメージを回復させるために、酸素雰囲気中で500℃〜650℃の温度でアニールを行う。続いて、保護膜252を保護膜251上に形成する。保護膜252としては、例えば厚さが30nm〜100nmの酸化アルミニウム膜を有機金属気相成長(MOCVD:metal organic chemical vapor deposition)法又は原子層堆積(ALD:atomic layer deposition)法により形成する。次いで、層間絶縁膜253を保護膜252上に形成する。層間絶縁膜253としては、例えば厚さが約1400nmの酸化シリコン膜を、TEOS、酸素及びヘリウムの混合ガスを用いたプラズマCVD法により形成する。層間絶縁膜253として、例えば、絶縁性を有する無機膜等を形成してもよい。
その後、層間絶縁膜253の表面を、例えばCMP法により平坦化する。続いて、N2Oガス又はN2ガス等を用いて発生させたプラズマ雰囲気中で熱処理を行う。熱処理の結果、層間絶縁膜253等の内部の水分が除去されるとともに、層間絶縁膜253等の質が変化し、層間絶縁膜253に水分が入りにくくなる。層間絶縁膜253のCMPによる平坦化後に、例えば厚さが約250nmの酸化シリコン膜をTEOS含有ガスを使用したプラズマCVD法により形成してもよい。この酸化シリコン膜を形成することにより、CMPの影響で、複数の強誘電体キャパシタ201の間にて層間絶縁膜253の表面に凹部が生じていたとしても、この凹部が埋め込まれて平坦な表面が得られる。この酸化シリコン膜を形成した場合も、その後にN2Oガス又はN2ガス等を用いて発生させたプラズマ雰囲気中で熱処理を行うことが好ましい。
次いで、図5Fに示すように、層間絶縁膜253、保護膜252及び保護膜251に上部電極248を露出するコンタクトホール254を形成する。コンタクトホール254の形成では、例えば、フォトリソグラフィ法により層間絶縁膜253、保護膜252及び保護膜251をパターニングする。上部電極248上にハードマスクが残存している場合、コンタクトホール254は、例えばハードマスクも貫通するように形成する。コンタクトホール254の形成後に、酸素雰囲気中で450℃の温度で40分間のアニールを行う。このアニールにより容量絶縁膜247に酸素が供給される。その後、コンタクトホール254内に導電プラグ256を形成する。導電プラグ256としては、例えば図6(b)に示す導電積層体420と同様の積層構造を有するものを形成する。より具体的には、例えば、コンタクトホール254内にCVD法により密着膜(グルー膜)として窒化チタン膜421を形成し、窒化チタン膜421上にCVD法によりタングステン膜422を形成する。そして、層間絶縁膜253の上面が露出するまでタングステン膜422及び窒化チタン膜421をCMP法により研磨する。窒化チタン膜421に代えて、チタン膜及び窒化チタン膜の積層体を形成してもよい。
その後、図5Gに示すように、導電プラグ256に電気的に接続される配線261を層間絶縁膜253上に形成する。配線261としては、例えば図6(c)に示す導電積層体440と同様の積層構造を有するものを形成する。より具体的には、例えば、層間絶縁膜253及び導電プラグ256上に、厚さが60nmのチタン膜441、厚さが30nmの窒化チタン膜442、厚さが360nmのAlCu合金膜443、厚さが5nmのチタン膜444、及び厚さが70nmの窒化チタン膜445を順にスパッタ法により形成する。そして、これらの膜をフォトリソグラフィ法によりパターニングする。
続いて、図5Hに示すように、配線261を覆う層間絶縁膜262を層間絶縁膜253上に形成し、層間絶縁膜262上に配線263を形成する。次いで、配線263を覆う層間絶縁膜264を層間絶縁膜262上に形成し、層間絶縁膜264上に配線265を形成し、配線265を覆う層間絶縁膜266を層間絶縁膜262上に形成する。配線263及び配線265としては、例えば図6(c)に示す導電積層体440と同様の積層構造を有するものを形成する。層間絶縁膜262、層間絶縁膜264及び層間絶縁膜266としては、例えば酸化シリコン膜を、TEOS、酸素及びヘリウムの混合ガスを用いたプラズマCVD法により形成する。これら層間絶縁膜として、例えば、絶縁性を有する無機膜等を形成してもよい。そして、さらに上層の配線及び層間絶縁膜等を形成して半導体装置を完成させる。
この製造方法によれば、特に強誘電体キャパシタ201にダメージが生じやすい、コンタクトホール254の形成後で導電プラグ256の形成前のアニールの際に、既に疑似強誘電体キャパシタ101が形成されている。このため、疑似強誘電体キャパシタ101の外側からの水分及び水素の浸入を適切に抑制することができ、強誘電体キャパシタ201が受ける工程劣化を著しく抑制することができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は強誘電体メモリの一例である。図7は、第2の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。第2の実施形態に係る半導体装置のレイアウト及び回路構成は第1の実施形態のそれらと同様である。図7は、図1中のI−I線に沿った断面に相当する断面を示す。
第2の実施形態に係る半導体装置1002では、図7に示すように、ガードリング1101に、疑似強誘電体キャパシタ101の他に、平面形状が環状の疑似配線661が含まれる。疑似配線661は、層間絶縁膜253上に環状に形成されており、配線261と同様の積層構造(図6(c))並びに同程度の高さ及び幅を備えている。他の構成は第1の実施形態(図3A)と同様である。ガードリング1101は、図1中のII−II線に沿った断面、III−III線に沿った断面、及びIV−IV線に沿った断面でも、図7に示すものと同様の構成を備えている。疑似配線661は第1の導電パターンの一例である。
半導体装置1002によっても第1の実施形態と同様の効果が得られる。更に、疑似配線661も水分及び水素の浸入の抑制に寄与する。疑似配線661は配線261と並行して形成することができる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は強誘電体メモリの一例である。図8は、第3の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。第3の実施形態に係る半導体装置のレイアウト及び回路構成は第1の実施形態のそれらと同様である。図8は、図1中のI−I線に沿った断面に相当する断面を示す。
第3の実施形態に係る半導体装置1003では、図8に示すように、ガードリング1101に、疑似強誘電体キャパシタ101及び疑似配線661の他に、平面形状が環状の疑似配線628が含まれる。疑似配線628は、層間絶縁膜226及びエッチングストッパ膜225に形成された環状の開口部内に形成されており、配線228と同程度の幅を備えている。他の構成は第2の実施形態(図7)と同様である。ガードリング1101は、図1中のII−II線に沿った断面、III−III線に沿った断面、及びIV−IV線に沿った断面でも、図8に示すものと同様の構成を備えている。疑似配線628は第3の導電パターンの一例である。
半導体装置1003によっても第2の実施形態と同様の効果が得られる。更に、疑似配線628も水分及び水素の浸入の抑制に寄与する。疑似配線628は配線228と並行して形成することができる。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。第4の実施形態は強誘電体メモリの一例である。図9は、第4の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。第4の実施形態に係る半導体装置のレイアウト及び回路構成は第1の実施形態のそれらと同様である。図9は、図1中のI−I線に沿った断面に相当する断面を示す。
第4の実施形態に係る半導体装置1004では、図9に示すように、ガードリング1101に、疑似強誘電体キャパシタ101及び疑似配線661の他に、平面形状が環状の疑似配線624が含まれる。疑似配線624は、層間絶縁膜222及びカバー膜221に形成された環状の開口部内に形成されており、導電プラグ224の直径と同程度の幅を備えている。他の構成は第2の実施形態(図7)と同様である。ガードリング1101は、図1中のII−II線に沿った断面、III−III線に沿った断面、及びIV−IV線に沿った断面でも、図9に示すものと同様の構成を備えている。疑似配線624は第4の導電パターンの一例である。
半導体装置1004によっても第2の実施形態と同様の効果が得られる。更に、疑似配線624も水分及び水素の浸入の抑制に寄与する。疑似配線624は導電プラグ224と並行して形成することができる。
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態について説明する。第5の実施形態は強誘電体メモリの一例である。図10は、第5の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。第5の実施形態に係る半導体装置のレイアウト及び回路構成は第1の実施形態のそれらと同様である。図10は、図1中のI−I線に沿った断面に相当する断面を示す。
第5の実施形態に係る半導体装置1005では、図10に示すように、ガードリング1101に、疑似強誘電体キャパシタ101及び疑似配線661の他に、平面形状が環状の疑似配線628及び疑似配線624が含まれる。他の構成は第2の実施形態(図7)と同様である。ガードリング1101は、図1中のII−II線に沿った断面、III−III線に沿った断面、及びIV−IV線に沿った断面でも、図10に示すものと同様の構成を備えている。
半導体装置1005によっても第2の実施形態と同様の効果が得られる。更に、疑似配線628及び疑似配線624も水分及び水素の浸入の抑制に寄与する。
(第6の実施形態)
次に、第6の実施形態について説明する。第6の実施形態は強誘電体メモリの一例である。図11は、第6の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。第6の実施形態に係る半導体装置のレイアウト及び回路構成は第1の実施形態のそれらと同様である。図11は、図1中のI−I線に沿った断面に相当する断面を示す。
第6の実施形態に係る半導体装置1006では、図11に示すように、ガードリング1101に、疑似強誘電体キャパシタ101、疑似配線661及び疑似配線624の他に、平面形状が環状の疑似配線632が含まれる。疑似配線632は、酸化防止膜229及び緩衝膜230に形成された環状の開口部内に形成されており、導電プラグ232の直径よりも大きな幅を備えている。窒化アルミニウムチタン膜242及び窒化チタン膜241を疑似下部電極の一部とみなせば、疑似配線632は疑似下部電極の下面に接する。他の構成は第4の実施形態(図9)と同様である。ガードリング1101は、図1中のII−II線に沿った断面、III−III線に沿った断面、及びIV−IV線に沿った断面でも、図11に示すものと同様の構成を備えている。疑似配線632は第5の導電パターンの一例である。
半導体装置1006によっても第4の実施形態と同様の効果が得られる。更に、疑似配線632も水分及び水素の浸入の抑制に寄与する。疑似配線632は、コンタクトホール231を形成する際に疑似配線632用の開口部を緩衝膜230及び酸化防止膜229のみに形成し、導電プラグ232と並行して導電膜の成膜及び研磨を行うことで形成することができる。
(第7の実施形態)
次に、第7の実施形態について説明する。第7の実施形態は強誘電体メモリの一例である。図12は、第7の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。第7の実施形態に係る半導体装置のレイアウト及び回路構成は第1の実施形態のそれらと同様である。図12は、図1中のI−I線に沿った断面に相当する断面を示す。
第7の実施形態に係る半導体装置1007には、図12に示すように、第1の実施形態では分割されている配線261に代わって、一体化された配線271が設けられている。配線271は、配線261と同様に、例えば図6(c)に示す導電積層体440と同様の積層構造を有し、プレート線205の一部として機能する。配線271は、複数の強誘電体キャパシタ201から選択された一部又は全部の複数の強誘電体キャパシタ201に接続され、選択された複数の強誘電体キャパシタ201及びこれら選択された強誘電体キャパシタ201の間の領域を上部電極248の上方から覆っている。ここで、選択された複数の強誘電体キャパシタ201には、互いに異なるワード線203によりオン/オフが切り替えられる2以上のスイッチング素子202に接続された強誘電体キャパシタ201が含まれ、互いに異なるビット線204に接続された2以上のスイッチング素子202に接続された強誘電体キャパシタ201が含まれる。従って、平面視で、配線271の輪郭内に、この配線271に接続された複数の強誘電体キャパシタ201及びこれら複数の強誘電体キャパシタ201の間の領域がある。配線271はガードリング1101内にも広がるように形成されており、配線271の一部がガードリング1101に含まれている。他の構成は第1の実施形態(図3A)と同様である。ガードリング1101は、図1中のII−II線に沿った断面、III−III線に沿った断面、及びIV−IV線に沿った断面でも、図12に示すものと同様の構成を備えている。
半導体装置1007によっても第1の実施形態と同様の効果が得られる。更に、配線271がそれよりも上方からの水分及び水素の浸入の抑制に寄与する。従って、より高い分極電荷量を得ることができる。
また、本実施形態でも、COB構造が採用されている。そして、COB構造が採用されているため、プレート線205の一部である配線271が所定の複数の強誘電体キャパシタ201及びこれら複数の強誘電体キャパシタ201の間の領域を上方から覆った構造が極めて有効である。
配線271が上方から覆う強誘電体キャパシタ201の数は限定されないが、より多数の強誘電体キャパシタ及びこれら複数の強誘電体キャパシタ201の間の領域が一つの配線271により覆われていることが好ましい。つまり、一つの半導体装置に含まれる配線271の数が少なく、配線271間の隙間がより小さいことが好ましい。
なお、配線271にガードリング1101に含まれる部分が存在しなくてもよい。例えば、ガードリング1101に、配線271から絶縁された疑似配線661が含まれていてもよく、配線271の一部及び疑似配線661の双方が含まれていなくてもよい。第7の実施形態は、疑似強誘電体キャパシタ101上方の疑似配線が、複数の強誘電体キャパシタ201及びこれら強誘電体キャパシタ201の間の領域を上部電極248の上方から覆う配線に繋がった構造を有するとみなすこともできる。
配線271は、配線261を形成する際のエッチングのパターンを変更することで形成することができる。
(第8の実施形態)
次に、第8の実施形態について説明する。第8の実施形態は強誘電体メモリの一例である。図13は、第8の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。第8の実施形態に係る半導体装置のレイアウト及び回路構成は第1の実施形態のそれらと同様である。図13は、図1中のI−I線に沿った断面に相当する断面を示す。
第8の実施形態に係る半導体装置1008では、図13に示すように、ガードリング1101に、疑似強誘電体キャパシタ101及び配線271の一部の他に、平面形状が環状の疑似配線628が含まれる。他の構成は第7の実施形態(図12)と同様である。ガードリング1101は、図1中のII−II線に沿った断面、III−III線に沿った断面、及びIV−IV線に沿った断面でも、図13に示すものと同様の構成を備えている。
半導体装置1008によっても第7の実施形態と同様の効果が得られる。更に、疑似配線628も水分及び水素の浸入の抑制に寄与する。
(第9の実施形態)
次に、第9の実施形態について説明する。第9の実施形態は強誘電体メモリの一例である。図14は、第9の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。第9の実施形態に係る半導体装置のレイアウト及び回路構成は第1の実施形態のそれらと同様である。図14は、図1中のI−I線に沿った断面に相当する断面を示す。
第9の実施形態に係る半導体装置1009では、図14に示すように、ガードリング1101に、疑似強誘電体キャパシタ101及び配線271の一部の他に、平面形状が環状の疑似配線624が含まれる。他の構成は第7の実施形態(図12)と同様である。ガードリング1101は、図1中のII−II線に沿った断面、III−III線に沿った断面、及びIV−IV線に沿った断面でも、図14に示すものと同様の構成を備えている。
半導体装置1009によっても第7の実施形態と同様の効果が得られる。更に、疑似配線624も水分及び水素の浸入の抑制に寄与する。
(第10の実施形態)
次に、第10の実施形態について説明する。第10の実施形態は強誘電体メモリの一例である。図15は、第10の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。第10の実施形態に係る半導体装置のレイアウト及び回路構成は第1の実施形態のそれらと同様である。図15は、図1中のI−I線に沿った断面に相当する断面を示す。
第10の実施形態に係る半導体装置1010では、図15に示すように、ガードリング1101に、疑似強誘電体キャパシタ101及び配線271の一部の他に、平面形状が環状の疑似配線628及び疑似配線624が含まれる。他の構成は第7の実施形態(図12)と同様である。ガードリング1101は、図1中のII−II線に沿った断面、III−III線に沿った断面、及びIV−IV線に沿った断面でも、図15に示すものと同様の構成を備えている。
半導体装置1010によっても第7の実施形態と同様の効果が得られる。更に、疑似配線628及び疑似配線624も水分及び水素の浸入の抑制に寄与する。
(第11の実施形態)
次に、第11の実施形態について説明する。第11の実施形態は強誘電体メモリの一例である。図16は、第11の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。第11の実施形態に係る半導体装置のレイアウト及び回路構成は第1の実施形態のそれらと同様である。図16は、図1中のI−I線に沿った断面に相当する断面を示す。
第11の実施形態に係る半導体装置1011では、図16に示すように、ガードリング1101に、疑似強誘電体キャパシタ101、配線271の一部及び疑似配線624の他に、平面形状が環状の疑似配線632が含まれる。他の構成は第9の実施形態(図14)と同様である。ガードリング1101は、図1中のII−II線に沿った断面、III−III線に沿った断面、及びIV−IV線に沿った断面でも、図16に示すものと同様の構成を備えている。
半導体装置1011によっても第9の実施形態と同様の効果が得られる。更に、疑似配線632も水分及び水素の浸入の抑制に寄与する。
(第12の実施形態)
次に、第12の実施形態について説明する。第12の実施形態は強誘電体メモリの一例である。図17は、第12の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。第12の実施形態に係る半導体装置のレイアウト及び回路構成は第1の実施形態のそれらと同様である。図17は、図1中のI−I線に沿った断面に相当する断面を示す。
第12の実施形態に係る半導体装置1012では、図17に示すように、ガードリング1101に、疑似強誘電体キャパシタ101の他に、平面形状が環状の疑似配線628が含まれる。他の構成は第1の実施形態(図3A)と同様である。ガードリング1101は、図1中のII−II線に沿った断面、III−III線に沿った断面、及びIV−IV線に沿った断面でも、図17に示すものと同様の構成を備えている。
半導体装置1012によっても第1の実施形態と同様の効果が得られる。更に、疑似配線628も水分及び水素の浸入の抑制に寄与する。
(第13の実施形態)
次に、第13の実施形態について説明する。第13の実施形態は強誘電体メモリの一例である。図18は、第13の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。第13の実施形態に係る半導体装置のレイアウト及び回路構成は第1の実施形態のそれらと同様である。図18は、図1中のI−I線に沿った断面に相当する断面を示す。
第13の実施形態に係る半導体装置1013では、図18に示すように、ガードリング1101に、疑似強誘電体キャパシタ101の他に、平面形状が環状の疑似配線624が含まれる。他の構成は第1の実施形態(図3A)と同様である。ガードリング1101は、図1中のII−II線に沿った断面、III−III線に沿った断面、及びIV−IV線に沿った断面でも、図18に示すものと同様の構成を備えている。
半導体装置1013によっても第1の実施形態と同様の効果が得られる。更に、疑似配線624も水分及び水素の浸入の抑制に寄与する。
(第14の実施形態)
次に、第14の実施形態について説明する。第14の実施形態は強誘電体メモリの一例である。図19は、第14の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。第14の実施形態に係る半導体装置のレイアウト及び回路構成は第1の実施形態のそれらと同様である。図19は、図1中のI−I線に沿った断面に相当する断面を示す。
第14の実施形態に係る半導体装置1014では、図19に示すように、ガードリング1101に、疑似強誘電体キャパシタ101の他に、平面形状が環状の疑似配線628及び疑似配線624が含まれる。他の構成は第1の実施形態(図3A)と同様である。ガードリング1101は、図1中のII−II線に沿った断面、III−III線に沿った断面、及びIV−IV線に沿った断面でも、図19に示すものと同様の構成を備えている。
半導体装置1014によっても第1の実施形態と同様の効果が得られる。更に、疑似配線628及び疑似配線624も水分及び水素の浸入の抑制に寄与する。
(第15の実施形態)
次に、第15の実施形態について説明する。第15の実施形態は強誘電体メモリの一例である。図20は、第15の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。第15の実施形態に係る半導体装置のレイアウト及び回路構成は第1の実施形態のそれらと同様である。図20は、図1中のI−I線に沿った断面に相当する断面を示す。
第15の実施形態に係る半導体装置1015では、図20に示すように、ガードリング1101に、疑似強誘電体キャパシタ101及び疑似配線624の他に、平面形状が環状の疑似配線632が含まれる。他の構成は第13の実施形態(図18)と同様である。ガードリング1101は、図1中のII−II線に沿った断面、III−III線に沿った断面、及びIV−IV線に沿った断面でも、図20に示すものと同様の構成を備えている。
半導体装置1015によっても第13の実施形態と同様の効果が得られる。更に、疑似配線632も水分及び水素の浸入の抑制に寄与する。
(第16の実施形態)
次に、第16の実施形態について説明する。第16の実施形態は強誘電体メモリの一例である。図21は、第16の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。第16の実施形態に係る半導体装置のレイアウト及び回路構成は第1の実施形態のそれらと同様である。図21は、図1中のI−I線に沿った断面に相当する断面を示す。
第16の実施形態に係る半導体装置1016では、図21に示すように、ガードリング1101に、疑似強誘電体キャパシタ101及び疑似配線661の他に、平面形状が環状の疑似配線656が含まれる。疑似配線656は、層間絶縁膜253、保護膜252及び保護膜251に形成された環状の開口部内に形成されており、導電プラグ256の直径よりも大きな幅を備えている。他の構成は第2の実施形態(図7)と同様である。ガードリング1101は、図1中のII−II線に沿った断面、III−III線に沿った断面、及びIV−IV線に沿った断面でも、図21に示すものと同様の構成を備えている。疑似配線656は第2の導電パターンの一例である。
半導体装置1016によっても第2の実施形態と同様の効果が得られる。更に、疑似配線656も水分及び水素の浸入の抑制に寄与する。疑似配線656は導電プラグ256と並行して形成することができる。この場合、疑似配線656用の開口部の形成後で疑似配線656用の導電膜の成膜前にアニールが行われる。従って、このアニール中に層間絶縁膜253のこの開口部よりも外側の部分から強誘電体キャパシタ201に向かって拡散してくる水分及び水素は、この開口部から排出され、強誘電体キャパシタ201まで達しない。その一方で、この開口部を介して強誘電体キャパシタ201に酸素を供給することもできる。
(第17の実施形態)
次に、第17の実施形態について説明する。第17の実施形態は強誘電体メモリの一例である。図22は、第17の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。第17の実施形態に係る半導体装置のレイアウト及び回路構成は第1の実施形態のそれらと同様である。図22は、図1中のI−I線に沿った断面に相当する断面を示す。
第17の実施形態に係る半導体装置1017では、図22に示すように、ガードリング1101に、疑似強誘電体キャパシタ101、疑似配線661及び疑似配線656の他に、平面形状が環状の疑似配線628が含まれる。他の構成は第16の実施形態(図21)と同様である。ガードリング1101は、図1中のII−II線に沿った断面、III−III線に沿った断面、及びIV−IV線に沿った断面でも、図22に示すものと同様の構成を備えている。
半導体装置1017によっても第16の実施形態と同様の効果が得られる。更に、疑似配線628も水分及び水素の浸入の抑制に寄与する。
(第18の実施形態)
次に、第18の実施形態について説明する。第18の実施形態は強誘電体メモリの一例である。図23は、第18の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。第18の実施形態に係る半導体装置のレイアウト及び回路構成は第1の実施形態のそれらと同様である。図23は、図1中のI−I線に沿った断面に相当する断面を示す。
第18の実施形態に係る半導体装置1018では、図23に示すように、ガードリング1101に、疑似強誘電体キャパシタ101、疑似配線661及び疑似配線656の他に、平面形状が環状の疑似配線624が含まれる。他の構成は第16の実施形態(図21)と同様である。ガードリング1101は、図1中のII−II線に沿った断面、III−III線に沿った断面、及びIV−IV線に沿った断面でも、図23に示すものと同様の構成を備えている。
半導体装置1018によっても第16の実施形態と同様の効果が得られる。更に、疑似配線624も水分及び水素の浸入の抑制に寄与する。
(第19の実施形態)
次に、第19の実施形態について説明する。第19の実施形態は強誘電体メモリの一例である。図24は、第19の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。第19の実施形態に係る半導体装置のレイアウト及び回路構成は第1の実施形態のそれらと同様である。図24は、図1中のI−I線に沿った断面に相当する断面を示す。
第19の実施形態に係る半導体装置1019では、図24に示すように、ガードリング1101に、疑似強誘電体キャパシタ101、疑似配線661及び疑似配線656の他に、平面形状が環状の疑似配線624及び疑似配線628が含まれる。他の構成は第16の実施形態(図21)と同様である。ガードリング1101は、図1中のII−II線に沿った断面、III−III線に沿った断面、及びIV−IV線に沿った断面でも、図24に示すものと同様の構成を備えている。
半導体装置1019によっても第16の実施形態と同様の効果が得られる。更に、疑似配線628及び疑似配線624も水分及び水素の浸入の抑制に寄与する。
(第20の実施形態)
次に、第20の実施形態について説明する。第20の実施形態は強誘電体メモリの一例である。図25は、第20の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。第20の実施形態に係る半導体装置のレイアウト及び回路構成は第1の実施形態のそれらと同様である。図25は、図1中のI−I線に沿った断面に相当する断面を示す。
第20の実施形態に係る半導体装置1020では、図25に示すように、ガードリング1101に、疑似強誘電体キャパシタ101、疑似配線661、疑似配線656及び疑似配線624の他に、平面形状が環状の疑似配線632が含まれる。他の構成は第18の実施形態(図23)と同様である。ガードリング1101は、図1中のII−II線に沿った断面、III−III線に沿った断面、及びIV−IV線に沿った断面でも、図25に示すものと同様の構成を備えている。
半導体装置1020によっても第18の実施形態と同様の効果が得られる。更に、疑似配線632も水分及び水素の浸入の抑制に寄与する。
(第21の実施形態)
次に、第21の実施形態について説明する。第21の実施形態は強誘電体メモリの一例である。図26は、第21の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。第21の実施形態に係る半導体装置のレイアウト及び回路構成は第1の実施形態のそれらと同様である。図26は、図1中のI−I線に沿った断面に相当する断面を示す。
第21の実施形態に係る半導体装置1021では、図26に示すように、ガードリング1101に、疑似強誘電体キャパシタ101及び配線271の一部の他に、平面形状が環状の疑似配線656が含まれる。他の構成は第7の実施形態(図12)と同様である。ガードリング1101は、図1中のII−II線に沿った断面、III−III線に沿った断面、及びIV−IV線に沿った断面でも、図26に示すものと同様の構成を備えている。
半導体装置1021によっても第7の実施形態と同様の効果が得られる。更に、疑似配線656も水分及び水素の浸入の抑制に寄与する。
(第22の実施形態)
次に、第22の実施形態について説明する。第22の実施形態は強誘電体メモリの一例である。図27は、第22の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。第22の実施形態に係る半導体装置のレイアウト及び回路構成は第1の実施形態のそれらと同様である。図27は、図1中のI−I線に沿った断面に相当する断面を示す。
第22の実施形態に係る半導体装置1022では、図27に示すように、ガードリング1101に、疑似強誘電体キャパシタ101、配線271の一部及び疑似配線656の他に、平面形状が環状の疑似配線628が含まれる。他の構成は第21の実施形態(図26)と同様である。ガードリング1101は、図1中のII−II線に沿った断面、III−III線に沿った断面、及びIV−IV線に沿った断面でも、図27に示すものと同様の構成を備えている。
半導体装置1022によっても第21の実施形態と同様の効果が得られる。更に、疑似配線628も水分及び水素の浸入の抑制に寄与する。
(第23の実施形態)
次に、第23の実施形態について説明する。第23の実施形態は強誘電体メモリの一例である。図28は、第23の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。第23の実施形態に係る半導体装置のレイアウト及び回路構成は第1の実施形態のそれらと同様である。図28は、図1中のI−I線に沿った断面に相当する断面を示す。
第23の実施形態に係る半導体装置1023では、図28に示すように、ガードリング1101に、疑似強誘電体キャパシタ101、配線271の一部及び疑似配線656の他に、平面形状が環状の疑似配線624が含まれる。他の構成は第21の実施形態(図26)と同様である。ガードリング1101は、図1中のII−II線に沿った断面、III−III線に沿った断面、及びIV−IV線に沿った断面でも、図28に示すものと同様の構成を備えている。
半導体装置1023によっても第21の実施形態と同様の効果が得られる。更に、疑似配線624も水分及び水素の浸入の抑制に寄与する。
(第24の実施形態)
次に、第24の実施形態について説明する。第24の実施形態は強誘電体メモリの一例である。図29は、第24の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。第24の実施形態に係る半導体装置のレイアウト及び回路構成は第1の実施形態のそれらと同様である。図29は、図1中のI−I線に沿った断面に相当する断面を示す。
第24の実施形態に係る半導体装置1024では、図29に示すように、ガードリング1101に、疑似強誘電体キャパシタ101、配線271の一部及び疑似配線656の他に、平面形状が環状の疑似配線628及び疑似配線624が含まれる。他の構成は第21の実施形態(図26)と同様である。ガードリング1101は、図1中のII−II線に沿った断面、III−III線に沿った断面、及びIV−IV線に沿った断面でも、図29に示すものと同様の構成を備えている。
半導体装置1024によっても第21の実施形態と同様の効果が得られる。更に、疑似配線628及び疑似配線624も水分及び水素の浸入の抑制に寄与する。
(第25の実施形態)
次に、第25の実施形態について説明する。第25の実施形態は強誘電体メモリの一例である。図30は、第25の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。第25の実施形態に係る半導体装置のレイアウト及び回路構成は第1の実施形態のそれらと同様である。図30は、図1中のI−I線に沿った断面に相当する断面を示す。
第25の実施形態に係る半導体装置1025では、図30に示すように、ガードリング1101に、疑似強誘電体キャパシタ101、配線271の一部、疑似配線656及び疑似配線624の他に、平面形状が環状の疑似配線632が含まれる。他の構成は第23の実施形態(図28)と同様である。ガードリング1101は、図1中のII−II線に沿った断面、III−III線に沿った断面、及びIV−IV線に沿った断面でも、図30に示すものと同様の構成を備えている。
半導体装置1025によっても第23の実施形態と同様の効果が得られる。更に、疑似配線632も水分及び水素の浸入の抑制に寄与する。
(第26の実施形態)
次に、第26の実施形態について説明する。第26の実施形態は強誘電体メモリの一例である。図31は、第26の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。第26の実施形態に係る半導体装置のレイアウト及び回路構成は第1の実施形態のそれらと同様である。図31は、図1中のI−I線に沿った断面に相当する断面を示す。
第26の実施形態に係る半導体装置1026では、図31に示すように、ガードリング1101に、疑似強誘電体キャパシタ101、疑似配線661、疑似配線656及び疑似配線628の他に、平面形状が環状の疑似配線632が含まれる。他の構成は第17の実施形態(図22)と同様である。ガードリング1101は、図1中のII−II線に沿った断面、III−III線に沿った断面、及びIV−IV線に沿った断面でも、図31に示すものと同様の構成を備えている。
半導体装置1026によっても第17の実施形態と同様の効果が得られる。更に、疑似配線632も水分及び水素の浸入の抑制に寄与する。
(第27の実施形態)
次に、第27の実施形態について説明する。第27の実施形態は強誘電体メモリの一例である。図32は、第27の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。第27の実施形態に係る半導体装置のレイアウト及び回路構成は第1の実施形態のそれらと同様である。図32は、図1中のI−I線に沿った断面に相当する断面を示す。
第27の実施形態に係る半導体装置1027では、図32に示すように、ガードリング1101に、疑似強誘電体キャパシタ101、疑似配線661、疑似配線656、疑似配線628及び疑似配線624の他に、平面形状が環状の疑似配線632が含まれる。他の構成は第18の実施形態(図23)と同様である。ガードリング1101は、図1中のII−II線に沿った断面、III−III線に沿った断面、及びIV−IV線に沿った断面でも、図32に示すものと同様の構成を備えている。
半導体装置1027によっても第18の実施形態と同様の効果が得られる。更に、疑似配線632も水分及び水素の浸入の抑制に寄与する。
(第28の実施形態)
次に、第28の実施形態について説明する。第28の実施形態は強誘電体メモリの一例である。図33は、第28の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。第28の実施形態に係る半導体装置のレイアウト及び回路構成は第1の実施形態のそれらと同様である。図33は、図1中のI−I線に沿った断面に相当する断面を示す。
第28の実施形態に係る半導体装置1028では、図33に示すように、ガードリング1101に、疑似強誘電体キャパシタ101、疑似配線661、疑似配線656、疑似配線628及び疑似配線624の他に、平面形状が環状の疑似配線632が含まれる。他の構成は第19の実施形態(図24)と同様である。ガードリング1101は、図1中のII−II線に沿った断面、III−III線に沿った断面、及びIV−IV線に沿った断面でも、図33に示すものと同様の構成を備えている。
半導体装置1028によっても第19の実施形態と同様の効果が得られる。更に、疑似配線632も水分及び水素の浸入の抑制に寄与する。
(第29の実施形態)
次に、第29の実施形態について説明する。第29の実施形態は強誘電体メモリの一例である。図34は、第29の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。第29の実施形態に係る半導体装置のレイアウト及び回路構成は第1の実施形態のそれらと同様である。図34は、図1中のI−I線に沿った断面に相当する断面を示す。
第29の実施形態に係る半導体装置1029では、図34に示すように、ガードリング1101に、疑似強誘電体キャパシタ101、配線271の一部、疑似配線656及び疑似配線628の他に、平面形状が環状の疑似配線632が含まれる。他の構成は第22の実施形態(図27)と同様である。ガードリング1101は、図1中のII−II線に沿った断面、III−III線に沿った断面、及びIV−IV線に沿った断面でも、図34に示すものと同様の構成を備えている。
半導体装置1029によっても第22の実施形態と同様の効果が得られる。更に、疑似配線632も水分及び水素の浸入の抑制に寄与する。
(第30の実施形態)
次に、第30の実施形態について説明する。第30の実施形態は強誘電体メモリの一例である。図35は、第30の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。第30の実施形態に係る半導体装置のレイアウト及び回路構成は第1の実施形態のそれらと同様である。図35は、図1中のI−I線に沿った断面に相当する断面を示す。
第30の実施形態に係る半導体装置1030では、図35に示すように、ガードリング1101に、疑似強誘電体キャパシタ101、配線271の一部、疑似配線656及び疑似配線624の他に、平面形状が環状の疑似配線632が含まれる。他の構成は第23の実施形態(図28)と同様である。ガードリング1101は、図1中のII−II線に沿った断面、III−III線に沿った断面、及びIV−IV線に沿った断面でも、図35に示すものと同様の構成を備えている。
半導体装置1030によっても第23の実施形態と同様の効果が得られる。更に、疑似配線632も水分及び水素の浸入の抑制に寄与する。
(第31の実施形態)
次に、第31の実施形態について説明する。第31の実施形態は強誘電体メモリの一例である。図36は、第31の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。第31の実施形態に係る半導体装置のレイアウト及び回路構成は第1の実施形態のそれらと同様である。図36は、図1中のI−I線に沿った断面に相当する断面を示す。
第31の実施形態に係る半導体装置1031では、図36に示すように、ガードリング1101に、疑似強誘電体キャパシタ101、配線271の一部、疑似配線656、疑似配線628及び疑似配線624の他に、平面形状が環状の疑似配線632が含まれる。他の構成は第24の実施形態(図29)と同様である。ガードリング1101は、図1中のII−II線に沿った断面、III−III線に沿った断面、及びIV−IV線に沿った断面でも、図36に示すものと同様の構成を備えている。
半導体装置1031によっても第24の実施形態と同様の効果が得られる。更に、疑似配線632も水分及び水素の浸入の抑制に寄与する。
第1〜第31の実施形態のいずれにおいても、ガードリング1101により取り囲まれる強誘電体キャパシタ201の数は特に限定されない。
(第32の実施形態)
次に、第32の実施形態について説明する。第32の実施形態は強誘電体メモリの一例である。図37は、第32の実施形態に係る半導体装置のレイアウトを示す図であり、図38は、図37中の一部を拡大して示す図である。図38(a)は図37中の領域2021に相当し、図38(b)は図37中の領域2022に相当する。図39は、図38中のI−I線に沿った断面図であり、図40は、図38中のII−II線に沿った断面図であり、図41は、図38中のIII−III線に沿った断面図である。
先ず、レイアウトについて説明する。第32の実施形態に係る半導体装置1032では、256本のワード線が平行に延び、ワード線と直交するように複数のビット線が平行に延び、これらが交差する部分に1個ずつメモリセルが設けられている。1個のメモリセルには1個の強誘電体キャパシタ及び1個のスイッチング素子が含まれる。図37では、上下方向にビット線が延び、左右方向にワード線が延びている。2個のロウデコーダ2013が設けられており、ワード線は32本毎にグループ化され、128本(4グループ)のワード線が1個のロウデコーダ2013に接続されている。また、ビット線は22ビット(44本)毎にグループ化され、22ビット(44本)のビット線が1個のセンスアンプ(SA)2011に接続され、1本のビット線には128個のメモリセルが接続されている。センスアンプ2011毎に当該センスアンプ2011の動作を制御する制御回路2012が設けられている。
1グループのワード線と1グループのビット線との組み合わせ毎に1つのセル領域2004が設定されており、1つのセル領域2004に含まれる704個の強誘電体キャパシタ間で1つのプレート線が共有されている。また、ビット線が延びる方向で隣り合う4つのセル領域2004間でビット線が共有されている。後述の配線871がプレート線の一部であり、配線828がビット線の一部である。
セル領域2004の各々の外側に、ビット線と平行に延びる保護構造2002及びワード線と平行に延びる保護構造2003が設けられている。詳細は後述するが、保護構造2002には、第29の実施形態(図34)のガードリングと同様の構造が含まれ、保護構造2003には、第21の実施形態(図26)のガードリングと同様の構造が含まれる。保護構造2002は、1個のロウデコーダ2013に接続されるワード線の4グループの間で連続して繋がっている。また、保護構造2003の両端は保護構造2002と繋がっている。
ビット線が延びる方向で隣り合う8つのセル領域2004は、保護構造2002及び保護構造2003の外側から保護構造2001により取り囲まれている。詳細は後述するが、保護構造2001には、第29の実施形態(図34)のガードリングと同様の構造が含まれる。ワード線が延びる方向で隣り合う保護構造2001の間では、プレート線の一部として機能する配線871より上層にワード線の裏打ち(シャント)2014が設けられている。
次に、半導体装置1032の断面構造について説明する。半導体装置1032では、半導体基板811の表面にトランジスタの活性領域等を画定する素子分離領域812が形成されている。活性領域にPウェル813が形成されており、Pウェル813を用いたスイッチング素子が形成されている。スイッチング素子は、例えば電界効果トランジスタである。この電界効果トランジスタには、例えば、図4(a)に示すように、ゲート絶縁膜401、ゲート電極402、不純物注入領域403、絶縁性のサイドウォール404、不純物注入領域405及びシリサイド層406が含まれている。ゲート電極402はワード線の一部として機能する。
スイッチング素子等を覆うカバー膜821が半導体基板811上に形成され、カバー膜821上に層間絶縁膜822が形成されている。層間絶縁膜822及びカバー膜821にシリサイド層406を露出するコンタクトホールが形成されており、このコンタクトホール内に導電プラグ824が形成されている。層間絶縁膜822及び導電プラグ824上にエッチングストッパ膜825が形成され、エッチングストッパ膜825上に層間絶縁膜826が形成されている。層間絶縁膜826及びエッチングストッパ膜825に開口部が形成され、この開口部内に配線828が形成されている。配線828は一部の導電プラグ824に接続されており、ビット線の一部として機能する。層間絶縁膜826及び配線828上に酸化防止膜829が形成され、酸化防止膜829上に緩衝膜830が形成されている。緩衝膜830、酸化防止膜829、層間絶縁膜826及びエッチングストッパ膜825に一部の導電プラグ824を露出するコンタクトホールが形成され、このコンタクトホール内に導電プラグ832が形成されている。
緩衝膜830及び導電プラグ832上に窒化チタン膜841及び窒化アルミニウムチタン膜842が形成されている。そして、窒化アルミニウムチタン膜842上に、強誘電体キャパシタ201、保護構造2001に含まれる疑似強誘電体キャパシタ701、保護構造2002に含まれる疑似強誘電体キャパシタ702、及び保護構造2003に含まれる疑似強誘電体キャパシタ703が形成されている。疑似強誘電体キャパシタ701は保護構造2001内に形成され、疑似強誘電体キャパシタ702は保護構造2002内に形成され、疑似強誘電体キャパシタ703は保護構造2003内に形成されている。強誘電体キャパシタ801に、下部電極846、容量絶縁膜847及び上部電極848が含まれ、疑似強誘電体キャパシタ701、疑似強誘電体キャパシタ702及び疑似強誘電体キャパシタ703の各々に、疑似下部電極746、疑似容量絶縁膜747及び疑似上部電極748が含まれる。窒化チタン膜841及び窒化アルミニウムチタン膜842は、下部電極846、容量絶縁膜847及び上部電極848、並びに疑似下部電極746、疑似容量絶縁膜747及び疑似上部電極748と同様にパターニングされている。1個の導電プラグ832に1個の強誘電体キャパシタ801の下部電極846が電気的に接続されている。
下部電極846には、図4(b)に示すように、イリジウム膜431、酸化イリジウム膜432及び白金膜433が含まれている。容量絶縁膜847には、強誘電体膜434及び強誘電体膜435が含まれている。強誘電体膜434と強誘電体膜435との間では、例えば組成が相違している。上部電極848には、酸化イリジウム膜436、酸化イリジウム膜437及びイリジウム膜438が含まれている。例えば、酸化イリジウム膜437の酸化度は酸化イリジウム膜436の酸化度より高い。
疑似下部電極746には、図4(c)に示すように、イリジウム膜331、酸化イリジウム膜332及び白金膜333が含まれている。疑似容量絶縁膜747には、強誘電体膜334及び強誘電体膜335が含まれている。強誘電体膜334と強誘電体膜335との間では、例えば組成が相違している。疑似上部電極748には、酸化イリジウム膜336、酸化イリジウム膜337及びイリジウム膜338が含まれている。例えば、酸化イリジウム膜337の酸化度は酸化イリジウム膜336の酸化度より高い。
強誘電体キャパシタ801、疑似強誘電体キャパシタ701、疑似強誘電体キャパシタ702及び疑似強誘電体キャパシタ703を覆う保護膜851が緩衝膜830上に形成され、保護膜851上に保護膜852が形成され、層間絶縁膜853が保護膜852上に形成されている。層間絶縁膜853、保護膜852及び保護膜851に上部電極848を露出するコンタクトホールが形成され、このコンタクトホール内に導電プラグ856が形成されている。
導電プラグ856に電気的に接続される配線871が層間絶縁膜253上に形成されている。配線871はプレート線の一部として機能する。配線871は、セル領域2004に含まれるすべての強誘電体キャパシタ801及びこれら強誘電体キャパシタ801の間の領域を上部電極848の上方から覆うように形成されている。従って、平面視で、配線871の輪郭内に、この配線871に接続された複数の強誘電体キャパシタ801及びこれら複数の強誘電体キャパシタ801の間の領域がある。配線871は保護構造2002及び保護構造2003内にも広がるように形成されており、配線871の一部が保護構造2002及び保護構造2003に含まれている。配線861を覆う層間絶縁膜862が層間絶縁膜853上に形成され、その他第1の実施形態と同様の配線等が形成されている。
保護構造2002には、上記のように、疑似強誘電体キャパシタ702が含まれている。図39に示すように、疑似強誘電体キャパシタ702の疑似上部電極748は層間絶縁膜853等内の疑似配線956を介して配線871に接続されている。また、緩衝膜830及び酸化防止膜829内に、疑似強誘電体キャパシタ702下の窒化チタン膜841と接する疑似配線932が形成され、層間絶縁膜826及びエッチングストッパ膜825内に、疑似配線932と接する疑似配線928が形成されている。疑似配線956、疑似強誘電体キャパシタ702、疑似配線932及び疑似配線928は、保護構造2002の一方の端部から他方の端部まで延在している。
保護構造2003には、上記のように、疑似強誘電体キャパシタ703が含まれている。図40及び図41に示すように、疑似強誘電体キャパシタ703の疑似上部電極748は層間絶縁膜853等内の疑似配線956を介して配線871に接続されている。疑似配線956及び疑似強誘電体キャパシタ702は、保護構造2003の一方の端部から他方の端部まで延在している。また、疑似配線956は保護構造2002と保護構造2003との境界で連続して繋がっており、保護構造2002と保護構造2003との境界で疑似強誘電体キャパシタ702と疑似強誘電体キャパシタ703とが連続して繋がっている。
保護構造2001には、上記のように、疑似強誘電体キャパシタ701が含まれている。図39及び図40に示すように、疑似強誘電体キャパシタ701の疑似上部電極748は層間絶縁膜853等内の疑似配線956を介して疑似配線961に接続されている。疑似配線961は配線871から絶縁されており、フローティング状態となる。また、緩衝膜830及び酸化防止膜829内に、疑似強誘電体キャパシタ701下の窒化チタン膜841と接する疑似配線932が形成され、層間絶縁膜826及びエッチングストッパ膜825内に、疑似配線932と接する疑似配線928が形成されている。疑似配線961、疑似配線956、疑似強誘電体キャパシタ702、疑似配線932及び疑似配線928は、保護構造2001の全周にわたって延在している。
保護構造2001、保護構造2002及び保護構造2003がガードリング2005に含まれる。疑似強誘電体キャパシタ701が第2の疑似強誘電体キャパシタの一例であり、疑似下部電極746が第2の疑似下部電極の一例であり、疑似容量絶縁膜747が第2の疑似容量絶縁膜の一例であり、疑似上部電極748が第2の上部電極の一例である。
図40に示すように、配線828は保護構造2001よりも内側まで延びている。また、素子分離領域812上に、電界効果トランジスタと並行して形成された絶縁膜901、配線902、シリサイド層906及び絶縁膜924が、保護構造2001の下を潜るようにして形成されている。そして、配線902と配線828とが、層間絶縁膜822等内の導電プラグ941を介して電気的に接続されている。配線902の他端は、すなわち保護構造2001より外側の端は、層間絶縁膜822等内の導電プラグ942、層間絶縁膜826等内の導電膜943、及び層間絶縁膜853等内の導電プラグ944を介して層間絶縁膜853上の配線945に接続されている。配線902及び配線945もビット線の一部として機能し、配線945がセンスアンプ2011に接続される。
第32の実施形態では、ガードリング2005に2重の保護構造(保護構造2001及び2002、又は保護構造2001及び2003)が設けられているため、水分及び水素の浸入をより一層抑制することができる。また、ビット線が延びる方向では、セル領域2004間に保護構造2003が形成され、保護構造2003には、配線828を分断する部分が存在しないため、比較的工程劣化が生じにくい領域でのチップ面積の増大を回避することができる。その一方で、センスアンプ2011とその直近のセル領域2004との間に保護構造2001が形成され、保護構造2001には疑似配線932及び疑似配線928も含まれているため、工程劣化が特に生じやすい領域での水分及び水素の浸入をより強固に妨げることができる。
なお、図42に示すように、保護構造2001の疑似強誘電体キャパシタ701と保護構造2003の疑似強誘電体キャパシタ703との間に1又は2以上の疑似強誘電体キャパシタ704があってもよい。同様に、保護構造2001の疑似強誘電体キャパシタ701と保護構造2002の疑似強誘電体キャパシタ702との間に1又は2以上の疑似強誘電体キャパシタがあってもよい。
(第33の実施形態)
次に、第33の実施形態について説明する。図43は、第33の実施形態に係る半導体装置のレイアウトを示す図であり、図44は、図43中のI−I線に沿った断面図である。
第33の実施形態に係る半導体装置3001には、図43に示すように、メモリセルアレイ領域3002が含まれている。メモリセルアレイ領域3002には、複数の強誘電体キャパシタ(図示せず)及びこれら強誘電体キャパシタを取り囲むガードリング1101が含まれている。メモリセルアレイ領域3002には、例えば、第1〜第31の実施形態のいずれかの構成が採用されている。メモリセルアレイ領域3002の近傍にメモリ周辺回路3003及び3004が設けられている。メモリ周辺回路3003及び3004には、ロウデコーダ、センスアンプ及び増幅器等が含まれる。半導体装置3001には、制御回路3005も含まれる。制御回路3005には、電源供給回路及び入出力パッド等が含まれる。そして、メモリセルアレイ領域3002、メモリ周辺回路3003及び3004並びに制御回路3005を取り囲むガードリング3010が外縁に沿って形成されている。
図44に示すように、窒化アルミニウムチタン膜242上に、ガードリング3010に含まれる平面形状が環状の疑似強誘電体キャパシタ2101が2重に形成されている。疑似強誘電体キャパシタ2101はガードリング3010に含まれ、複数の強誘電体キャパシタ201及び疑似強誘電体キャパシタ101を側方から包囲する。疑似強誘電体キャパシタ2101に、疑似下部電極2146、疑似容量絶縁膜2147及び疑似上部電極2148が含まれる。ガードリング3010には、平面形状が環状の疑似配線2624、2628、2632及び2656が含まれる。疑似配線2624はカバー膜221及び層間絶縁膜222内に2重に形成され、疑似配線2628はエッチングストッパ膜225、層間絶縁膜226内に2重に形成され、疑似配線2632は酸化防止膜229及び緩衝膜230内に2重に形成されている。疑似配線2656は保護膜251、保護膜252及び層間絶縁膜253内に2重に形成されている。ガードリング3010には、層間絶縁膜253上の疑似配線2661、層間絶縁膜262上の疑似配線2263及び層間絶縁膜264上の疑似配線2265が含まれている。疑似配線2661、疑似配線2263及び疑似配線2265の平面形状は環状である。疑似配線2661と疑似配線2263との間に疑似配線2262が2重に形成され、疑似配線2263と疑似配線2265との間に疑似配線2264が2重に形成されている。疑似配線2262及び疑似配線2264の平面形状は環状である。
半導体装置3001の製造過程では、図45に示すように、一つのウェハに複数の半導体装置3001がスクライブ領域3020を間に挟んで縦列に並ぶように形成される。そして、スクライブ領域3020は半導体装置3001の内部よりも多く、水分を吸着しやすい層間絶縁膜を含んでいる。第33の実施形態では、半導体装置3001のスクライブ領域3020の近傍に、平面形状が環状の疑似強誘電体キャパシタ2101を含むガードリング3010が形成されているため、スクライブ領域3020から半導体装置3001内部への水分の侵入を抑制することができる。このため、強誘電体キャパシタ201の特性劣化をより確実に抑制することができる。
なお、ガードリング3010が図46に示すように構成されていてもよい。即ち、上方ほど、ガードリング3010に含まれる疑似配線の外縁が半導体装置3001の内側するようにガードリング3010が構成されていてもよい。この例には、層間絶縁膜266上の疑似配線2667及び層間絶縁膜2668が含まれ、疑似配線2665と疑似配線2667との間に疑似配線2666が形成されている。疑似配線2661をPウェル213とつなぐ疑似配線2756、2732及び2742も形成されている。疑似配線2667、2666、2756、2732及び2742の平面形状は環状である。更に、ガードリング3010には、疑似配線2865、2864、2863、2862、2861、2856、2832及び2842が含まれている。疑似配線2865、2864、2863、2862、2861、2856、2832及び2842の平面形状は環状である。この構成はスクライブ領域3020の幅が小さい場合に特に効果的である。スクライビング時にクラックが伝播しにくいためである。
(第34の実施形態)
次に、第34の実施形態について説明する。図47は、第34の実施形態に係る半導体装置のレイアウトを示す図であり、図48は、図47中のI−I線に沿った断面図である。
第34の実施形態に係る半導体装置3021には、図47に示すように、ガードリング3010の内側かつ制御回路3005の外側でメモリセルアレイ領域3002、メモリ周辺回路3003及び3004を取り囲むガードリング3030が形成されている。レイアウトに関する他の構成は第33の実施形態と同様である。
図48に示すように、窒化アルミニウムチタン膜242上に、ガードリング3030に含まれる平面形状が環状の疑似強誘電体キャパシタ2201が2重に形成されている。疑似強誘電体キャパシタ2201はガードリング3030に含まれ、複数の強誘電体キャパシタ201及び疑似強誘電体キャパシタ101を側方から包囲し、疑似強誘電体キャパシタ2101により側方から包囲される。疑似強誘電体キャパシタ2201に、疑似下部電極2246、疑似容量絶縁膜2247及び疑似上部電極2248が含まれる。ガードリング3030には、平面形状が環状の疑似配線2928、2932及び2956が含まれる。疑似配線2928はエッチングストッパ膜225、層間絶縁膜226内に2重に形成され、疑似配線2932は酸化防止膜229及び緩衝膜230内に2重に形成されている。疑似配線2956は保護膜251、保護膜252及び層間絶縁膜253内に2重に形成されている。ガードリング3030には、層間絶縁膜253上の疑似配線2961、層間絶縁膜262上の疑似配線2963及び層間絶縁膜264上の疑似配線2965が含まれている。疑似配線2961、疑似配線2963及び疑似配線2965の平面形状は環状である。
第34の実施形態によれば、より高い耐湿性能を得ることができる。
次に、ガードリングの構造と分極電荷量との関係に関して本願発明者が行った実験の結果について説明する。
この実験では、下記の5種類の構造について分極電荷量を測定した。構造Aは、図49A(a)に示すように、強誘電体キャパシタの周囲にガードリングを含まない。構造Bは、図49A(b)に示すように、強誘電体キャパシタの周囲のガードリングが疑似配線661、疑似配線102及び疑似配線628を含む。構造Cは、図49B(c)に示すように、強誘電体キャパシタの周囲のガードリングが疑似強誘電体キャパシタ101、疑似配線661、疑似配線656、疑似配線632及び疑似配線628を含む。構造Dは、図49B(d)に示すように、強誘電体キャパシタの周囲のガードリングが疑似強誘電体キャパシタ101、疑似配線661及び疑似配線656を含む。構造Eは、図49B(e)に示すように、強誘電体キャパシタの周囲のガードリングが疑似強誘電体キャパシタ101を含む。
構造Cの試料、構造Dの試料、及び構造Eの試料は、それぞれ第26の実施形態(図31)、第16の実施形態(図21)、第1の実施形態(図3A)に倣って作製した。構造Aの試料は、第1の実施形態に倣いつつ、疑似強誘電体キャパシタ101の形成を省略することにより作製した。構造Bの試料は、第3の実施形態(図8)に倣いつつ、疑似強誘電体キャパシタ101の形成の形成を省略し、導電プラグ256と並行して疑似配線102を形成することにより作製した。これら5種類の構造における1.8Vでの分極電荷量Qswの測定結果を図50に示す。図50では、構造Aの分極電荷量Qswの平均値を1.0とした相対値を示している。
図50に示すように、構造C、構造D及び構造Eのいずれにおいても、最小値、最大値及び平均値が構造Aのそれらよりも高かった。また、構造C、構造D及び構造Eのいずれにおいても、最小値、最大値及び平均値のうちで最も重要な最小値が構造Bのそれよりも高かった。更に、構造C、構造D及び構造Eのいずれにおいても分極電荷量のばらつきが構造Bのそれよりも小さかった。これらの結果から、構造C、構造D及び構造Eによれば、構造A及び構造Bよりも優れた特性が得られたといえる。また、構造Cにおいて、最も優れた特性が得られた。
以下、本発明の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
半導体基板と、
前記半導体基板上の強誘電体キャパシタと、
前記半導体基板上の前記強誘電体キャパシタの周囲の第1のガードリングと、
を有し、
前記強誘電体キャパシタは、下部電極、容量絶縁膜及び上部電極を有し、
前記第1のガードリングは、第1の疑似下部電極、第1の疑似容量絶縁膜及び第1の疑似上部電極を有し、平面視で前記強誘電体キャパシタを側方から包囲することを特徴とする半導体装置。
(付記2)
前記第1の疑似下部電極は前記下部電極と同一の層にあり、
前記第1の疑似容量絶縁膜は前記容量絶縁膜と同一の層にあり、
前記第1の疑似上部電極は前記上部電極と同一の層にあることを特徴とする付記1に記載の半導体装置。
(付記3)
前記第1のガードリングは、前記第1の擬似上部電極上の第1の導電パターンを有することを特徴とする付記1又は2に記載の半導体装置。
(付記4)
前記第1のガードリングは、前記第1の擬似上部電極の上面及び前記第1の導電パターンの下面に接する第2の導電パターンを有することを特徴とする付記3に記載の半導体装置。
(付記5)
前記上部電極上及び前記第1の擬似上部電極上に形成された第1の絶縁膜と、
前記第1の絶縁膜上に形成された第2の絶縁膜と、を有し、
前記第1の導電パターンは前記第2の絶縁膜中に形成され、
前記第2の導電パターンは前記第1の絶縁膜中に形成された
ことを特徴とする付記4に記載の半導体装置。
(付記6)
前記第1のガードリングは、前記第1の擬似下部電極の下に形成された第3の導電パターンを有することを特徴とする付記1乃至5のいずれか1項に記載の半導体装置。
(付記7)
前記第1のガードリングは、前記第3の導電パターンの下に第4の導電パターンを有することを特徴とする付記6に記載の半導体装置。
(付記8)
前記第1の擬似下部電極及び前記下部電極の下の第3の絶縁膜と、
前記第3の絶縁膜の下の第4の絶縁膜と、を有し
前記第1の擬似下部電極及び前記下部電極は前記第3の絶縁膜上に形成され、
前記第3の導電パターンは前記第4の絶縁膜に形成されたことを特徴とする付記6又は7に記載の半導体装置。
(付記9)
前記第1のガードリングは、前記第1の擬似下部電極の下面及び前記第3の導電パターンの上面に接する第5の導電パターンを有することを特徴とする付記6乃至8のいずれか1項に記載の半導体装置。
(付記10)
前記第4の導電パターンは、前記半導体基板に接続する
ことを特徴とする付記7に記載の半導体装置。
(付記11)
前記下部電極及び前記第1の疑似下部電極の下の第3の絶縁膜と、
前記第3の絶縁膜下の第4の絶縁膜と、
前記第4の絶縁膜下の第5の絶縁膜と、
を有し、
前記第3の導電パターンは、前記第4の絶縁膜に形成されたことを特徴とする付記6に記載の半導体装置。
(付記12)
前記下部電極及び前記第1の疑似下部電極の下の第3の絶縁膜と、
前記第3の絶縁膜下の第4の絶縁膜と、
前記第4の絶縁膜下の第5の絶縁膜と、
を有し、
前記第5の導電パターンは前記第3の絶縁膜中に形成され、
前記第3の導電パターンは前記第4の絶縁膜に形成された
ことを特徴とする付記9に記載の半導体装置。
(付記13)
前記下部電極及び前記第1の疑似下部電極の下の第3の絶縁膜と、
前記第3の絶縁膜下の第4の絶縁膜と、
前記第4の絶縁膜下の第5の絶縁膜と、
を有し、
前記第4の導電パターンは前記第5の絶縁膜に形成されたことを特徴とする付記7又は10に記載の半導体装置。
(付記14)
複数の前記強誘電体キャパシタ及び複数の前記強誘電体キャパシタの間の領域と平面視で重なり、前記上部電極の上方に形成された配線を有することを特徴とする付記1乃至13のいずれか1項に記載の半導体装置。
(付記15)
前記第1の導電パターンが前記配線に繋がっていることを特徴とする付記14に記載の半導体装置。
(付記16)
第2の疑似下部電極、第2の疑似容量絶縁膜及び第2の疑似上部電極を含む第2ガードリング有し、
前記第2のガードリングは平面視で前記第1のガードリングを外側から包囲することを特徴とする付記1乃至15のいずれか1項に記載の半導体装置。
(付記17)
前記下部電極及び第1の擬似下部電極の下に、窒化シリコン膜を有することを特徴とする付記1乃至16のいずれか1項に記載の半導体装置。
(付記18)
半導体基板上に第1の導電膜、強誘電体膜及び第2の導電膜を形成する工程と、
前記第1の導電膜、前記強誘電体膜及び前記第2の導電膜をエッチングすることにより、強誘電体キャパシタ及び第1のガードリングを形成する工程と、
を有し、
前記第1のガードリングは、前記強誘電体キャパシタの周囲を平面視で側方から包囲することを特徴とする半導体装置の製造方法。