JP2016066818A - プローブカードのプリヒート方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ウエハ検査装置を用いてウエハの電気的特性検査を行う際に、短時間でプローブカードをプリヒートすることができるプローブカードのプリヒート方法を提供する。
【解決手段】本発明のプローブカードのプリヒート方法は、アライメント室13及び検査室17を備え、検査室17は、プローブカード18、複数のプローブ18Aを周囲から囲むシール部材21、ウエハWを持ち上げる温度調節可能な昇降体22、及びウエハW、シール部材21、プローブカード18間の密閉空間の排気機構24を備え、ウエハWの電気的特性検査を行う際に、昇降体22を介してウエハWを持ち上げてウエハWをシール部材21に接触させる工程と、排気機構24を介して密閉空間内を減圧してウエハWをシール部材21に吸着する工程と、ウエハWと接触するプローブカード18を昇降体22によってプリヒートする工程と、を備えている。
【選択図】図5

Description

本発明は、ウエハの電気的特性検査を行うウエハ検査装置に用いられるプローブカードのプリヒート方法に関し、更に詳しくは、短時間でプローブカードをプリヒートすることができるプローブカードのプリヒート方法に関する。
ウエハ検査装置としては、例えばウエハをそのままの状態で複数のデバイスについて電気的特性検査を行うプローブ装置や、ウエハ状態のまま加速検査を行うバーンイン検査装置等がある。
プローブ装置は、通常、ウエハを搬送するローダ室と、ウエハの電気的特性検査を行う検査室と、を備え、ローダ室及び検査室内の各種の機器を制御装置によって制御し、ウエハの電気的特性検査を行うように構成されている。ローダ室は、ウエハをカセット単位で載置するカセット載置部と、カセットと検査室との間でウエハを搬送するウエハ搬送機構と、ウエハ搬送機構でウエハを搬送する間にウエハの予備位置合わせ(プリアライメント)を行うプリアライメント機構と、を備えている。検査室は、ローダ室からのウエハを載置し、X、Y、Z及びθ方向に移動する温度調節可能な載置台と、載置台の上方に配置されたプローブカードと、載置台と協働してプローブカードの複数のプローブとウエハの複数の電極パッドとの位置合わせ(アライメント)を行うアライメント機構と、を備え、載置台とアライメント機構とが協働してウエハとプローブカードのアライメントを行った後、必要に応じて所定の温度でウエハの電気的特性検査を行うように構成されている。
ウエハを加熱して高温下で検査をする場合には、加熱後のウエハは熱膨張しているため、加熱後のウエハの電極パッドと加熱されていないプローブカードのプローブとの間に位置ズレが生じて電極パッドとプローブを正確に接触させることができず、信頼性を確保することができない虞がある。そのため、従来からウエハの検査に先立ってプローブカードをプリヒートして電極パッドとプローブとの接触を確保するようにしている。
また、バーイン検査装置の場合には、例えば特許文献1において開示されているように、ウエハトレイで保持されたウエハの複数の電極パッドとプローブシートの複数のバンプの位置合わせを行った後、ウエハトレイ、ウエハ及びプローブシート等を真空吸着により一体化して一枚のカードとして組み立て、このカードを搬送してバーインユニット内に装着し、バーンインユニット内で所定の高温下でウエハの加速検査を行う。
特開平11−186349号公報
しかしながら、従来のプローブ装置を用いてウエハの高温検査を行う場合には、ウエハを所定の温度(例えば、150℃)まで加熱して行うが、加熱されて熱膨張したウエハの電極パッドと加熱されていないプローブカードとの位置ズレを抑制するために、載置台を用いてプローブカードをプリヒートして熱膨張させ、ウエハの電極パッドとプローブの位置ズレを抑制している。しかし、この際、プローブカードのプローブが傷つかないように載置台をプローブカードの直近まで接近させ、ウエハとプローブカードのプローブが非接触の状態でプリヒートするため、プリヒートに要する時間が長くなる。そのうえプローブカードをプリヒートした後、熱膨張後のウエハとプローブカードとのアライメントを行わなくてはならない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、ウエハ検査装置を用いてウエハの電気的特性検査を行う際に、短時間でプローブカードをプリヒートすることができるプローブカードのプリヒート方法を提供することを目的としている。
本発明の請求項1に記載のプローブカードのプリヒート方法は、ウエハを電気的特性検査の検査位置に位置合わせする位置合わせ機構を有するアライメント室と、上記ウエハの電気的特性検査を行う検査室と、を備え、上記検査室は、複数のプローブを有するプローブカードと、上記複数のプローブを周囲から囲むシール部材と、上記ウエハを持ち上げて上記シール部材に上記ウエハを接触させる温度調節可能な昇降体と、上記ウエハ、上記シール部材及び上記プローブカードで形成される密閉空間を真空引きする排気機構と、を備え、上記ウエハの電気的特性検査を行う際に、上記検査室内で上記昇降体を用いて上記プローブカードをプリヒートする方法であって、上記昇降体を介して上記ウエハを持ち上げて上記ウエハを上記シール部材に接触させる第1の工程と、上記排気機構を介して上記密閉空間内を減圧して上記ウエハを上記シール部材に吸着する第2の工程と、上記ウエハの電極パッドと上記複数のプローブが接触する上記プローブカードを上記昇降体によってプリヒートする第3の工程と、を備えたことを特徴とするものである。
また、本発明の請求項2に記載のプローブカードのプリヒート方法は、請求項1に記載の発明において、上記アライメント室において上記ウエハをアライメントする工程を備えていることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項3に記載のプローブカードのプリヒート方法は、請求項2に記載の発明において、上記ウエハを、ウエハ保持体を介して上記アライメント室と上記検査室との間で搬送する工程を備えていることを特徴とするものである。
本発明の請求項4に記載のプローブカードのプリヒート方法は、請求項3に記載の発明において、上記第2の工程の後で上記ウエハ保持体を上記検査室から搬出する工程を備えていることを特徴とするものである。
本発明によれば、ウエハ検査装置を用いてウエハの電気的特性検査を行う際に、短時間でプローブカードをプリヒートすることができるプローブカードのプリヒート方法を提供することができる。
本発明のウエハ検査装置の一実施形態を示す平面図である。 (a)、(b)はそれぞれ図1に示すウエハ検査装置を示す図で、(a)は正面側からの斜視図、(b)は背面側からの斜視図である。 図1に示すウエハ検査装置の位置合わせ機構の要部を示す概念図である。 図1に示すウエハ検査装置の検査室の要部を示す概念図である。 図4に示す検査室の排気機構を具体的に示す断面図である。 (a)、(b)はそれぞれ図3に示す位置合わせ機構を用いる位置合わせ工程を示す工程図ある。 (a)、(b)はそれぞれ図3に示す位置合わせ機構を用いる位置合わせ工程で、図6に示す工程に続く工程図である。 図3に示す位置合わせ機構を用いる位置合わせ工程におけるウエハを示す斜視図ある。 (a)、(b)はそれぞれ図4に示す検査室での検査工程を示す工程図ある。 (a)、(b)はそれぞれ図4に示す検査室での検査工程を示す工程図で、図9に示す工程に続く工程図である。 (a)、(b)はそれぞれ図4に示す検査室での検査工程を示す工程図で、図10に示す工程に続く工程図である。 (a)、(b)はそれぞれ本発明の検査装置の他の実施形態を示す図で、(a)はその平面図、(b)は正面図である。 図12に示す検査装置の載置機構の上側に配置されたウエハ移載機構を含む平面図である。 図12に示す検査装置に用いられる搬送機構の上アームとウエハの保持板を示す平面図である。 図12に示す検査装置の検査室と搬送機構との関係を説明するための説明図である。 (a)〜(c)はそれぞれ図12に示す検査装置におけるウエハのプリアライメントを行なう時の工程図である。 (a)、(b)はそれぞれ図12に示すアライメント室でのアライメントを行う時の工程図である。 (a)、(b)はそれぞれ図17に示す工程に続く工程図である。
以下、図1〜図18に示す実施形態に基づいて本発明を説明する。
第1の実施形態
本実施形態に用いられるウエハ検査装置10は、例えば図1、図2の(a)、(b)に示すように、装置本体の正面にウエハWをカセット単位で搬出入する細長く形成された搬出入領域S1と、搬出入領域S1に沿ってウエハWを搬送するために形成された第1の搬送領域S2と、第1の搬送領域S2の両端に形成されたアライメント領域S3と、第1の搬送領域S2に沿ってウエハWを搬送するために形成された第2の搬送領域S4と、第2の搬送領域S4に沿って形成されたウエハWの検査領域S5と、に区画され、図2の(a)、(b)に示すようにハウジング内に収納されている。これらの領域S1〜S5は、それぞれの領域が独立したスペースとして形成されている。そして、これらの領域S1〜S5内にはそれぞれJ専用の機器が設けられ、これらの専用の機器が制御装置によって制御されている。
搬出入領域S1には図1、図2の(a)、(b)に示すように複数のウエハWが収納されたFOUP等の筐体Fを載置する載置機構11が4箇所に設けられており、これらの載置機構11が自動搬送装置(図示せず)等によって搬送される筐体Fを載置し、固定するように構成されている。搬出入領域S1に隣接する第1の搬送領域S2には各載置機構11にそれぞれ載置された筐体F内のウエハWを搬送する第1のウエハ搬送機構12が設けられており、第1のウエハ搬送機構12が第1の搬送領域S2内でウエハWを搬送するように構成されている。第1のウエハ搬送機構12は、ウエハWを真空吸着し、あるいは後述のウエハ保持体を支持するために水平方向に旋回すると共に上下方向に昇降するように構成されたアーム12Aと、アーム12Aを旋回、昇降させる駆動機構を内蔵する躯体12Bと、躯体12Bを移動させる移動機構(図示せず)と、を備え、移動機構を介して第1の搬送領域S2内を移動してウエハWを搬送するように構成されている。
図1、図2の(a)、(b)に示すように、第1の搬送領域S2の両端部に形成されたアライメント領域S3には、ウエハWのプリアライメント室(図示せず)と、ウエハWのアライメント室13と、バッファ室(図示せず)とが設けられ、プリアライメント室、アライメント室13及びバッファ室が互いに上下に配置されている。プリアライメント室にはウエハWのプリアライメントを行うプリアライメント機構が設けられ、アライメント室13にはウエハWのアライメントを行うアライメント機構14(図3参照)が設けられている。また、バッファ室はウエハWを収納する収納機構が設けられている。バッファ室は、検査終了後のウエハWの仮置き場所として、また、針研磨用ウエハの収納場所としても使用される。
而して、アライメント機構14は、図3に示すように、床面(図示せず)上に設けられ且つ上下方向及び水平方向へ移動するように構成された筒状の移動体14Aと、移動体14Aを囲んで床面上に固定され且つウエハ保持体15を一定の向きに位置決めする環状の位置決め部材14Bと、移動体14Aと協働してウエハ保持体15上のウエハWをアライメントする第1、第2のカメラ14C、14Cと、第1、第2のカメラ14C、14Cが固定されたブリッジ14Dと、を備え、第1、第2のカメラ14C、14Cがそれぞれの焦点位置(アライメント高さ)でウエハWの上面を撮像するように構成されている。第1のカメラ14Cは、アライメント室13内のXY座標の中心(XY座標の原点)に配置されてウエハWの中心C(図8参照)を撮像するように配置され、第2のカメラ14CはXY座標の座標軸上に配置されてウエハWの周縁部のターゲットマークT(図8参照)を撮像するように配置されている。そして、第1、第2のカメラ14C、14Cは、それぞれウエハWの中心CとターゲットマークTを撮像し、制御装置は、これらの位置情報に基づいてウエハWの中心CとターゲットマークTの結ぶラインL(図8参照)を求め、ラインLの座標軸に対する傾きを求めると共に予め登録されているプローブカードの複数のプローブに対応するウエハWの電極パッドからの位置ズレを補正するようにしてある。
位置決部材14Bは、図3に示すように移動体14Aの外径より大きな内径を有する円環状の板部材として形成され、その上面には周方向に所定間隔を空けて複数(例えば3個)の突起14Bが形成されている。複数の突起14Bは、第1のカメラ14Cを中心とする円周上に配置され、それぞれのXY座標値がXY座標の原点から等距離を隔てた位置に予め設定されている。また、アライメント室13では、そのXY座標において後述するプローブカードの複数のプローブの針先のXY座標値が設定されている。
また、ウエハ保持体15は、ウエハWを保持する保持板15Aと、保持板15Aを着脱自在に支持する環状の支持体15Bと、支持体15Bの下面に位置決め部材14Bの複数の突起14Bとそれぞれ嵌合する凹部15Cを有する、複数の位置決め部15Cと、を備え、位置決め部材14Bによって略水平に支持されて、常に一定の位置に配置するように構成されている。また、図3に示すように支持体15Bには移動体14Aより大径の貫通孔が形成され、この貫通孔を移動体14Aが通り抜け、貫通孔内でXY方向に移動できるように形成されている。
位置決め部材14Bで支持されたウエハ保持体15の中央部真下には移動体14Aが位置している。移動体14Aは、ウエハ保持体15の真下から鉛直方向に上昇して保持板15Aと接触し支持体15Bの貫通孔を通り抜けて保持板15Aを支持体15Bからアライメント高さまで持ち上げるようになっている。また、移動体14Aは、アライメント高さにおいて支持体15Bの貫通孔の範囲内でXY方向へ移動して、第1、第2のカメラ14C、14Cと協働してウエハWのアライメントを行うようになっている。更に、移動体14Aは、アライメント後には元の位置に戻る間にアライメント後のウエハWを保持した保持板14Bをアライメント時のXY座標値を保持したまま支持体15B上に戻すようにしてある。アライメント後のウエハWは、後述のようにウエハ保持体15と一緒に検査領域S5へ搬送される。
図1、図2の(a)、(b)に示すように、第1の搬送領域S2及びアライメント領域S3に隣接する第2の搬送領域S4には第2のウエハ搬送機構16が設けられており、第2のウエハ搬送機構16が第2の搬送領域S4内を移動し、ウエハWをアライメント領域S3と検査領域S5の間でウエハ保持体15を介して搬送するように構成されている。この第2のウエハ搬送機構16は、第1のウエハ搬送機構13と同様にアーム16A、躯体16B及び移動機構(図示せず)を備えて構成されている。
図1に示すように、第2の搬送領域S4に隣接する検査領域S5には、その領域S5に沿って複数(本実施形態では5箇所)の検査室17が所定間隔を空けて配列されており、これらの検査室17では第2のウエハ搬送機構16によってウエハ保持体15を介して搬送されるアライメント済みのウエハWについて電気的特性検査を行うように構成されている。また、検査室17は、図2の(a)、(b)に示すように検査領域S5の各配列位置において上下方向に複数積層された積層構造として形成されている。各層の検査室17は、いずれも同一構造を備えている。そこで、以下では一つの検査室17を例に挙げて、例えば図4を参照しながら説明する。
検査室17は、図4に示すように、ウエハWの複数の電極パッドに対応する複数のプローブ18Aを有するプローブカード18と、プローブカード18が固定されたヘッドプレート19と、ヘッドプレート19の下面に取り付けられた円環状の固定リング20を介して外周縁部が固定され且つ複数のプローブ18Aを囲む所定幅のリング状に形成されたウエハ吸着用のシール部材(以下、単に「シール部材」と称す。)21と、ウエハ保持体15を一体的に昇降させ且つウエハWを所定の温度に冷却、加熱する温度調節機構を内蔵する昇降体22と、昇降体22によってシール部材21に外周縁部で弾接したウエハWとプローブカード18との間に形成される密閉空間を真空引きしてウエハWの複数の電極パッドと複数のプローブ18Aを一括接触させる排気手段(例えば真空ポンプ)(図示せず)と、を備えている。ヘッドプレート19には、複数のポゴピンを矩形状のブロックによって束ねて保持するポゴピンブロック19Aが保持される貫通保持部がプローブカード18の裏面の端子電極に対応して複数個所にマトリックス状に配列して形成されている。これらのポゴピンブロック19Aのポゴピンがプローブカード18とテスタ(図示せず)とを接続している。ヘッドプレート19とプローブカード18の外周縁部にはそれぞれ図4に矢印で示す方向に排気する排気通路が形成され、これらの排気通路の出口には配管を介して真空ポンプに接続されている。排気手段及び排気通路を備えた排気機構については後述する。
図4に示すように、昇降体22の下面にはフランジ部22Aが形成され、このフランジ部22Aの上面にはウエハ保持体15の位置決め部材15Cの凹部15Cと嵌合する複数の突起22Bが周方向に所定間隔を空けて形成されている。これらの突起22Bは、アライメント室13内の位置決め部材14Bに形成された複数の突起14Bに対応させて同一のXY座標となる位置に配置されている。つまり、検査室17内のXY座標とアライメント室13のXY座標が同一の座標位置関係にあって、アライメント室13においてアライメントされた保持板15A上のウエハWは、検査室17内で水平方向(X、Y、θ方向)の位置座標が再現されて、複数の電極パッドがプローブカード18の複数のプローブ18Aと確実に接触するようにアライメントされている。尚、昇降体22のフランジ部22A及び複数の突起22Bがアライメント室13内の位置決め部材14Bに相当する。
昇降体22は、フランジ部22Aの複数の突起22Bにおいて支持するウエハ保持体15をそのままプローブカード18に向けて持ち上げ、アライメント後のウエハWの周縁部をシール部材21に弾接させて密閉空間を作ることができる。密閉空間は排気機構を介して減圧されて、ウエハWがシール部材21に真空吸着されるようになっている。また、昇降体22は、真空吸着後のウエハWをプローブカード18側に残して下降してウエハ保持体15をウエハWから分離し、第2のウエハ搬送機構16によってウエハ保持体15を検査室17から搬出した後、再び上昇してウエハWと複数のプローブ18Aを圧接させ、所定の温度でウエハWの電気的特性検査を行うように駆動する。検査後に、検査済みのウエハWは、逆の経路を辿って検査室17から搬出される。
このように、本実施形態の検査室17のスペースは、ウエハ保持体15が搬出入されるスペースと、ウエハ保持体15で保持されたウエハWをプローブカード18に接触させるために昇降体22が昇降するスペースがあれば十分である。そのため、検査室17は、従来と比較して格段に高さを低くすることができ、上述のように積層構造を採用して検査室の設置スペースを格段に削減することができる。更に、昇降体22は、XY方向に移動する必要がないため、検査室17の占有面積も格段に削減することができる。また、アライメント機構14は、各検査室17で共有することができるため、従来のように高価なアライメント機構14を検査室17毎に設ける必要がなく、大幅なコスト削減を実現することができる。
また、図1、図2の(a)、(b)に示すように、各検査室17にはそれぞれ冷却ダクト23が付設され、それぞれの冷却装置(図示せず)を介して検査中に発熱するウエハWを冷却して常に一定の温度を維持するようにしてある。
ここで、ウエハWの電気的特性検査を行う際にウエハWをシール部材21に真空吸着させる排気機構24について例えば図5を参照しながら説明する。排気機構24は、図5に示すように、プローブカード18の外周縁部の一箇所に形成された第1排気通路24Aと、第1排気通路24Aに連通するようにヘッドプレート19に上下方向に形成された第2排気通路24Bと、この第2排気通路24Bの周面の一箇所からヘッドプレート19内に径方向に延設されてヘッドプレート19の外周面で開口する第3排気通路24Cと、第3排気通路24Cに配管(図示せず)を介して接続された真空ポンプ(図示せず)と、を備えている。
第1排気通路24Aは、図5に示すようにプローブカード18の外周縁部上面に形成された浅い凹陥部24Aと、凹陥部24Aの底部を貫通する孔24Aと、凹陥部24Aの上部開口を塞ぐ孔付きの金具24Aと、を備えている。また、第2排気孔24Bは、ヘッドプレート19に上下方向に形成された貫通孔に装着された中空状の排気通路を有するボルト24Bと、この中空ボルト24Bをヘッドプレート19に固定するナット24Bと、を備え、中空ボルト24Bの排気通路の軸心と金具24Aの孔の軸心が一致するようにヘッドプレート19に装着されている。この中空ボルト24Bの上端には第2排気通路24Bを封止する蓋部材24Dが装着されている。また、中空ボルト24Bの周面には排気通路と第2排気通路24Cを連通する孔が形成されている。
また、図5に示すように、シール部材21は、プローブ18Aの長さと略同一の厚さに形成されている。そのため、シール部材21が昇降体22で持ち上げられたウエハWと接触することにより、ウエハWの上面とプローブ18Aとの間に僅かな隙間が形成されるようになっている。このようにウエハWがシール部材21に接触した状態で真空ポンプが駆動すると、ウエハWとプローブカード18の間に形成される密閉空間が減圧されて、ウエハWがシール部材21に吸着されて弾接するため、ウエハWの複数の電極パッドと複数のプローブ18Aが軽く接触し、上述のように昇降体22が下降してもウエハWはシール部材21との吸着状態を保持することができる。
次に、動作について図6〜図11を参照しながら説明する。
まず、自動搬送装置によって搬出入領域S1の各載置機構11にFOUP等の筐体Fを載置する。第1の搬送領域S2では第1のウエハ搬送機構12が駆動し、アーム12Aを介して筐体FからウエハWを一枚ずつ搬出し、アライメント領域S3のプリアライメント室内のプリアライメント機構へウエハWを搬送すると、ここでウエハWのプリアライメントが行われる。その後、第1のウエハ搬送機構12は、アーム12Aを介してプリアライメント室からウエハWを搬出し、アーム12Aを介してウエハWをウエハ保持体15と一緒にアライメント室13へ搬送する。
その後、第1のウエハ搬送機構12は、図6の(a)に示すようにウエハ保持体15を介してウエハWをアライメント室13内へ搬送し、同図の(b)に示すようにウエハ保持体15を位置決め部15Cへ引き渡す。この時、ウエハ保持体15は、位置決め部15Cの凹部15Cが位置決め部材14Bの突起14Bと嵌合し、アライメント室13におけるウエハ保持体15の位置決めが自動的に行われる。位置決め後、同図の(b)に矢印で示すように移動体14Aが上昇する。
移動体14Aが上昇して保持板15Aと接触し、更に図7の(a)に示すようにアライメント高さまで上昇して停止する。この位置で第1、第2のカメラ14C、14C及び移動体14Aが制御装置の制御下で作動する。即ち、図8に示すように、第1のカメラ14CがウエハWを撮像してウエハWの中心Cを認識する。第1のカメラ14CがウエハWの中心Cを認識できない時には、移動体14Aがウエハ保持体15の支持体15Bの貫通孔の範囲内でXY方向へ移動する間に第1のカメラ14Cが保持板15A上のウエハWの中心Cを探し、第1のカメラ14Cで中心Cを認識する。次いで、第2のカメラ14CがウエハWの周縁部のターゲットTを撮像し、中心CとターゲットTを結ぶラインLと座標軸とからウエハWのθ方向の傾きを認識する。第2のカメラ14CがウエハWの傾きを認識すると、移動体14Aがθ方向に回転してウエハWのXY座標軸に対する傾きを補正する。引き続き、第1のカメラ14CがウエハWの中心を再度確認し、ウエハWの中心Cを認識するという一連の動作によってウエハWのアライメントを終了する。
アライメント後には、移動体14Aが元の位置まで下降するが、その途中で保持板15Aが支持体15B上に載置される。その後、第2の搬送領域S4では第2のウエハ搬送機構16が駆動し、図7の(b)に矢印で示すようにウエハWをウエハ保持体15と一緒にアライメント室13から検査領域S5の所定の検査室17まで搬送する。
第2のウエハ搬送機構16は、図9の(a)に示すように検査領域S5にある所定の検査室17内に搬送し、同図の(b)に示すようにウエハ保持体15を昇降体22に引き渡す。この時、ウエハ保持体15の位置決め部15Cの複数の凹部15Cと昇降体22の複数の突起22Bが嵌合し、検査室17内においてウエハ保持体15が自動的に位置決めされ、アライメント室13でのアライメント状態を維持する。昇降体22は、同図の(b)に矢印で示すようにアライメント位置からウエハ保持体15を支持したままシール部材21に弾接するまで鉛直方向に上昇する。
昇降体22が上昇すると、図10の(a)に示すようにウエハWの周縁部がシール部材21に接触し、ウエハW、シール部材21及びプローブカード18によって密閉空間が形成される。ここで排気機構24の真空ポンプが作動して第1、第2、第3排気通路24A、24B、24C(図5参照)から密閉空間内の空気を同図の(a)に矢印で示すように排気してウエハWをシール部材21に対して真空吸着させる。ウエハWがシール部材21に真空吸着されると、昇降体22が同図の(a)に白抜きの矢印で示すようにウエハ保持体15を支持したまま元の位置まで下降する。この間に、第2のウエハ搬送機構16がウエハ保持体15を昇降体22から分離し、同図の(b)に白抜きの矢印で示すように検査室17からアライメント領域S3のバッファ室へウエハ保持体15を戻す。ウエハ保持体15は次のウエハWの検査に備える。
ウエハ保持体15が検査室17から搬出されると、図11の(a)に白抜きの矢印で示すように昇降体22が再び鉛直方向に上昇し、同図の(b)に示すように昇降体22によってプローブカード18に真空吸着されているウエハWを押圧してウエハWの複数の電極パッドとプローブカード18の複数のプローブ18Aを一括して電気的に接触させる。ウエハWとプローブカード18が電気的に接触した状態でウエハWの電気的特性検査を実行する。
ウエハWの高温検査を行う場合には、昇降体22の温度調節機構を介して昇降体22を介してウエハWを所定の温度(例えば、150℃)まで加熱する。加熱されたウエハWとプローブカード18との間に温度差がある。そのため、加熱後のウエハWをプローブカード18に接触させると、ウエハWの電極パッドとプローブ18Aとのアライメントを行ったにもかかわらず、電極パッドとプローブ18との間に位置ズレが生じ、信頼性のある検査を確保することが難しい。
そこで、本実施形態では、図5、図11の(b)に示すように検査室17からウエハ保持体15を搬出した後、シール部材21に真空吸着されたウエハWに昇降体22を接触させ、この状態でウエハWを加熱(プリヒート)する。この時、ウエハWは、シール部材21に弾接すると共にプローブカード18の全てのプローブ18Aと接触している。これにより、ウエハWを加熱すると、ウエハWと接触する全てのプローブ18Aを介してウエハWからプローブカード18までの直接の熱伝達とウエハWからの輻射熱でプローブカード18を所定温度まで短時間で加熱することができる。また、ウエハWとプローブ18Aはアライメント時の接触状態を維持したまま熱膨張し、位置ズレすることなく略同一の検査温度までプリヒートすることができる。プリヒートした直後から連続して、そのままの状態でウエハWの高温検査を実行することができ、検査の信頼性を確保することができる。
検査を終了すると、昇降体22が下降して元の位置に戻る。この間に第2のウエハ搬送機構16がウエハ保持体15を検査室17内へ搬入し、昇降体22にウエハ保持体15を引き渡した後、第2のウエハ搬送機構16が検査室17から一旦退出する。一方、昇降体22はウエハ保持体15を伴って上昇し、保持板15Aを検査済みのウエハWに接触させる。この時、排気機構24の真空ポンプによる真空吸着を止め、密閉空間を常圧に戻した後、昇降体22が元の位置に戻る間に、第2のウエハ搬送機構16がウエハ保持体15を昇降体22から受け取って検査室17から退出し、バッファ室にウエハ保持体15を戻す。引き続き、第1のウエハ搬送機構12が駆動してウエハ保持体15から載置機構11の筐体F内へウエハWを戻す。これらの一連の動作によってウエハWの検査を終了する。他のウエハWについても筐体Fから検査領域S5の複数の検査室17にそれぞれ搬送され、同様に検査が行われる。
以上説明したように本実施形態によれば、ウエハWの高温検査を行う場合には、ウエハWとプローブカード18とのアライメント後のウエハWとプローブカード18を真空吸着させ、この状態でウエハWと接触する昇降体22によってウエハWを所定の温度までプリヒートするため、ウエハWとプローブカード18はアライメントされた状態をそのまま維持することができ、プリヒート後に改めてウエハWとプローブカード18とのアライメントをする必要がなく、しかもウエハWの電極パッドとプローブ18Aを位置ズレすることなく高温検査を行うことができ、高温検査での信頼性を確保することができる。
第2の実施形態
本実施形態に用いられるウエハ検査装置は、図12〜図18に示すように、基本的には第1の実施形態のウエハ検査装置10における第1の搬送領域S1を削減することによって検査装置を省スペース化すると共に、ウエハの搬送機構を簡素化したものである。従って、以下では、本実施形態の特徴部分を中心にして説明する。
即ち、本実施形態のウエハ検査装置110は、例えば図12の(a)に示すように、装置本体の正面にウエハWをカセット単位で搬出入する細長く形成された搬出入領域S10と、この搬出入領域S10の右端に形成されたアライメント領域S20と、搬出入領域S10及びアライメント領域S20に沿ってウエハWを搬送するために形成された搬送領域S30と、搬送領域S20に沿って形成されたウエハWの検査領域S40と、に区画されている。これらの領域S10〜S40は、第1の実施形態と同様にそれぞれの領域が独立したスペースとして形成されている。
図12の(a)、(b)に示すように、搬出入領域S10、アライメント領域S20、搬送領域S30及び検査領域S40には、それぞれ載置機構111、アライメント室112、ウエハ搬送機構113及び検査室114がそれぞれ設けられている。また、図12の(b)及び図13に示すように載置機構111の上段にはウエハWのプリアライメント機構115及びウエハ移載機構116が設けられている。従って、ウエハ搬送機構113が筐体Fから未検査のウエハWをプリアライメント機構115へ搬送し、プリアライメント機構115においてプリアライメントを行なう。ウエハ移載機構116はプリアライメント後のウエハWをプリアライメント機構115からウエハ搬送機構113へ移載する。ウエハ搬送機構113は、そのウエハWをアライメント室112へ搬送し、アライメント後のウエハWを検査室114へ搬送する。更に、ウエハ搬送機構113は検査済みのウエハWを検査室114から載置機構111の左端の針跡検査領域S50内に設けられた針跡検査装置117を経由して載置機構111上の筐体F内の元の場所まで搬送する。
而して、ウエハ搬送機構113は、図12の(b)に示すように、基台113Aと、基台113A上に回転軸を介して正逆回転可能に設けられた回転体113Bと、回転体113B上でそれぞれ個別に一方向に往復移動する上下二枚のアーム113C、113Dと、基台113A及びアーム113C、113Dを昇降させる昇降機構113Eと、これらの機構を搬送領域S30に沿って往復移動させる移動機構113Fを備えている。昇降機構113Eは、ボールネジ113Eを介して基台113A及びアーム113C、113Dを上下方向へ移動させるように構成されている。移動機構113Fは、ボールネジ(図示せず)を介して基台113Aとアーム113C、113Dをレール113Fに従って横方向へ往復移動させるように構成されている。ウエハ搬送機構113とプリアライメント機構115及びウエハ移載機構116との関係を以下に説明する。
プリアライメント機構115は、図12の(b)に示すように、ウエハ搬送機構113の下アーム113Dによって搬送される未検査のウエハWを真空吸着して正逆回転するサブチャック115Aと、サブチャック115Aを正逆回転させる駆動機構を内蔵する基台115Bと、サブチャック115Aを介して回転するウエハWのオリフラやノッチ等の目印を検出するセンサ(図示せず)と、を備え、サブチャック115Aを介してウエハWが回転している間にセンサでウエハWの目印を検出し、サブチャック115AがウエハWを一定の向きに向けて停止するように構成されている。
また、ウエハ移載機構116は、図12の(b)、図13及び図15の(a)〜(c)に示すように、ウエハWを把持するために支持棒116Aの周面から互いに周方向に120°隔てて放射状に設けられた3本の把持棒116Bと、支持棒116Aを介して3本の把持棒116Bを昇降させる昇降機構116Cと有し、これら把持棒116Bが伸縮してプリアライメント後のウエハWを把持して下降し、図15の(b)、(c)に示すようにウエハ搬送機構113の上アーム113CへウエハWを移載するように構成されている。把持棒116Bの先端部には図15の(a)〜(c)に示すように側面形状がコ字状に折り返された支持部116Bが形成されており、支持部116BによってウエハWの外周縁部を支持する。この支持部116Bは、ウエハWの外周縁部を真空吸着して支持するようになっている。従って、ウエハ移載機構116は、3本の把持棒116B先端の支持部116Bでウエハを吸着し、水平に把持すると共に昇降することができる。
ウエハ移載機構116からアライメント後のウエハWを受け取るウエハ搬送機構113の上アーム113Cは、図14に示すようにプリアライメント後のウエハWを、ウエハ保持板118を介して吸着保持し、アライメント室112、検査室114へ搬送する。この上アーム113Cには、中央から先端寄りに矩形状の大きな孔113Cが形成されている。また、下アーム113Dは、筐体Fからプリアライメント機構115まで未検査のウエハWを搬送する。
ウエハ保持板118は、図14に示すようにウエハWと実質的に同一外径に形成されている。ウエハ保持板118の外周縁部の6箇所には周方向に等間隔を隔てて切欠部118Aが形成され、これらのうちの3箇所の切欠部118Aがウエハを把持する3本の把持棒116Bの支持部116Bが通り抜けるように形成されている。また、上アーム113Cにはウエハ保持板118の切欠部118Aに対応する小孔113Cが形成されている。従って、ウエハ移載機構116は、3本の把持棒116Bの支持部116Bでプリアライメント後のウエハWを把持し、プリアライメント機構115のサブチャック115Aからウエハ保持板118上にウエハWを移載する時に、3本の把持棒116Bの支持部116Bがウエハ保持板118の切欠部118A及び小孔113Cを通り抜ける。
アライメント室112内には、例えば図16の(a)、(b)に示すようにアライメント機構119が設けられている。このアライメント機構119は、同図に示すように、移動体119A、複数の突起部119Bを有する位置決め部材119B、第1、第2のカメラ119C、119C、ブリッジ119Dと、を備え、第1の実施形態のウエハ検査装置10のアライメント機構14と同一の構成を備えている。本実施形態では、ウエハ保持体118がウエハ搬送機構113の上アーム113Cによってアライメント室112内に搬送され、上アーム113Cがアライメント室112内の所定位置に位置決めされた状態で留まったままウエハWのアライメントが行われる点で、第1の実施形態とは相違する。つまり、上アーム113Cが第1の実施形態のウエハ保持体15の支持体15Bに相当する。
アライメント室112内では、上アーム113Cが位置決め部材119Bによって所定の位置に位置決めされる。そのため、上アーム113Cの下面には位置決め部材119Bの複数の突起119Bとそれぞれ嵌合する凹部113Cが形成されており、上アーム113Cがアライメント室112内に進出し、複数の凹部113Cをこれらに対応する突起119Bに嵌合させて着座するように構成されている。そして、移動体119Aが上アーム113Cの孔113Cを通り抜け、孔113C内でXY方向に移動できるようになっている。移動体119Aは、第1の実施形態と同様にウエハ保持体118の真下から鉛直方向に上昇し、ウエハWのアライメント後には元の位置に戻るようにしてある。アライメント後のウエハWは、上アーム113Cによってウエハ保持体118と一緒にアライメント室15から退室し、検査室114へ搬送される。
また、検査室114は、アライメント後のウエハWを受け渡しする機構が第1の実施形態と異なること以外は、第1の実施形態と同様に構成されている。つまり、検査室114は、図17に示すように第1の実施形態と同一のヘッドプレート120、プローブカード121、ポゴピンブロック122、固定リング123及びシール部材124を備えている。第1の実施形態と異なるウエハを受け渡す機構は、検査室114内に進出したウエハ搬送機構113の上アーム113Cからアライメント後のウエハWをウエハ保持体118と一緒に垂直方向に昇降させる昇降体125と、昇降体125を囲み上アーム113Cの位置決めを行うリング状の位置決め部材126と、を備えている。位置決め部材126の上面には検査室114内に進出する上アーム113Cの凹部113Cと嵌合する複数の突起126Aが周方向に所定間隔を空けて形成されている。これらの突起126Aは、アライメント室112内の位置決め部材119Bの複数の突起119Bに対応させて同一のXY座標となる位置に配置されている。これによって、アライメント室112でのアライメント後のウエハWのXY座標値が検査室114において再現される。
つまり、検査室114内のXY座標とアライメント室15のXY座標が鏡像関係にあって、上アーム113Cが位置決め部材126上に位置決めされて着座し、アライメント室112においてアライメントされたウエハ保持板118上のウエハWが昇降体125によって持ち上げられると、ウエハWの複数の電極がプローブカード121の複数のプローブ1212Aと確実に接触するようになっている。
次に、動作について説明する。まず、ウエハ検査装置110の各載置機構111上にFOUP等の筐体Fが載置される。ウエハWの検査を行う時には、ウエハ搬送機構113が駆動し、下アーム113Dを介して筐体FからウエハWを一枚ずつ搬出し、図15の(a)に示すようにプリアライメント機構115へウエハWを搬送し、ここでウエハWのプリアライメントが行われる。その後、ウエハ移載機構116が駆動し、図15の(b)に示すように3本の把持棒116Bによってプリアライメント後のウエハWを把持して持ち上げる。この時、ウエハ搬送機構113が駆動し、上アーム113Cがウエハ保持体118を吸着した状態でプリアライメント機構115とウエハ移載機構116の間に進出し、ウエハWの中心とウエハ保持体118の中心が一致する位置で停止する。
引き続き、ウエハ移載機構116の3本の把持棒116Bが下降し、3本の把持棒116Bの支持部116Bがそれぞれウエハ保持体118の切欠部118A及び上アーム113Cの小孔113Cを通り抜け、ウエハWをウエハ保持体118上に載置する。3本の把持棒116Bは上アーム113Cの小孔113C内で伸びてウエハWを開放した後、3本の把持棒116Bが図15の(c)に示すように上昇して初期位置へ戻る。ウエハWがウエハ搬送機構113の上アーム113C上に移載されると、上アーム113Cがプリアライメント機構115から初期位置へ戻る。
ウエハ搬送機構113の上アーム113Cが図16の(a)に示すようにアライメント室112内の位置決め部材119Bの真上まで進出し、下降すると、上アーム113Cの凹部113Cと位置決め部材119Bの突起119Bが嵌合し、アライメント室112における上アーム113Cの位置決めが自動的に行われる。位置決め後、同図の(b)に矢印で示すように移動体119Aが上昇する。移動体119Aが上昇し、第1の実施形態と同様にして第1、第2のカメラ119C、119Cを介してウエハWのアライメントを行なった後、移動体119Aが下降する間に、ウエハ保持体118を上アーム113C上に引き渡し、移動体119Aが初期位置に戻り、ウエハWのアライメントを終了する。アライメント後には、上アーム113Cが図18の(b)に矢印で示すようにアライメント後のウエハWをウエハ保持体118と一緒にアライメント室112から退出し、所定の検査室114までアライメント後のウエハWを搬送する。
ウエハ搬送機構113の上アーム113Cが図17に示すように検査室114内に進出し、上アーム113Cの凹部113Cと位置決め部材126の突起126Aを介して検査室114内でアライメント室112内でのアライメントされたXY座標位置を再現する。その後、昇降体125が上昇してウエハ保持体118を垂直方向に持ち上げると、ウエハWは外周縁部がシール部材124と弾力的に接触し、プローブカード121とウエハWの間に密閉空間を形成する。その後は、第1の実施形態と同様に排気手段を介して密閉空間を減圧することによりウエハWがシール部材124に対して真空吸着される。この状態で昇降体125がウエハ保持体118を保持したまま下降し、上アーム113C上にウエハ保持体118を引き渡す。その後、上アーム113Cが検査室114から退出すると共に、昇降体125が再度上昇してウエハWをプローブカード121側へ押圧してウエハWの複数の電極と複数のプローブ121Aとを電気的に接触させると、ウエハWの電気的検査が行われる。
検査を終了すると、排気手段による真空吸着を解除し、密閉空間を常圧に戻した後、昇降体125が検査済みのウエハWを伴って元の位置に戻る間に、ウエハ搬送機構113の下アーム113Dが昇降体125から検査済みのウエハWを受け取って検査室114から退出し、針跡検査室117へ搬送し、針跡検査後、下ウエハ113Dを介して載置機構111上の筐体Fの元の位置までウエハWを搬送する。これによって一連のウエハWの検査を終了し、後続のウエハWの検査を同一要領で行う。
以上説明したように本実施形態によれば、第1の実施形態と比べて搬送領域を削減し、更なる省スペース化を達成することができる。また、搬送領域の削減に伴ってウエハ搬送機構が削減され、機構的にも更なる簡素を達成することができる。
本発明は、上記実施形態に何ら制限されるものではなく、必要に応じて各構成要素を設計変更することができる。上記実施形態では、例えばウエハの検査中にもウエハを真空吸着しているが、昇降体でウエハをシール部材に圧接している限り、この間には真空引きを止めることができる。また、本発明のウエハ検査装置は、その構造上バーイン検査装置にも適用することができる。
10、110 ウエハ検査装置
11、111 載置機構
12、16、113 ウエハ搬送機構
13、112 アライメント室
14、119 アライメント機構
14A、119A 移動体
14B、119B 位置決め部材
15、118 ウエハ保持体
15A 保持板
15B 支持体
15C 位置決め部
17、114 検査室
18、121 プローブカード
18A、121A プローブ
21、124 シール部材
22、125 昇降体
24 排気機構
S1、S10 搬出入領域
S2、S4、S30 搬送領域
S3、S20 アライメント領域
S5、S40 検査領域
W ウエハ

Claims (4)

  1. ウエハを電気的特性検査の検査位置に位置合わせする位置合わせ機構を有するアライメント室と、上記ウエハの電気的特性検査を行う検査室と、を備え、上記検査室は、複数のプローブを有するプローブカードと、上記複数のプローブを周囲から囲むシール部材と、上記ウエハを持ち上げて上記シール部材に上記ウエハを接触させる温度調節可能な昇降体と、上記ウエハ、上記シール部材及び上記プローブカードで形成される密閉空間を真空引きする排気機構と、を備え、上記ウエハの電気的特性検査を行う際に、上記検査室内で上記昇降体を用いて上記プローブカードをプリヒートする方法であって、上記昇降体を介して上記ウエハを持ち上げて上記ウエハを上記シール部材に接触させる第1の工程と、上記排気機構を介して上記密閉空間内を減圧して上記ウエハを上記シール部材に吸着する第2の工程と、上記ウエハの上面と上記複数のプローブが接触する上記プローブカードを上記昇降体によってプリヒートする第3の工程と、を備えたことを特徴とするプローブカードのプリヒート方法。
  2. 上記アライメント室において上記ウエハをアライメントする工程を備えていることを特徴とする請求項1に記載のプローブカードのプリヒート方法。
  3. 上記ウエハを、ウエハ保持体を介して上記アライメント室と上記検査室との間で搬送する工程を備えていることを特徴とする請求項2に記載のプローブカードのプリヒート方法。
  4. 上記第2の工程の後で上記ウエハ保持体を上記検査室から搬出する工程を備えていることを特徴とする請求項3に記載のプローブカードのプリヒート方法。
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