JP2016060729A - 抗菌活性を持つ化合物、およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
一般に、メチルブタンジオールの製造方法として次の方法が知られている。
特許文献2:米国特許出願20050234260
非特許文献2:Chemstry Letters、(1991)、1865
RX
(式中、Rは、炭素数3〜16のアルキルまたはアルカノイル基を表し、Xはハロゲン原子または水酸基を表す)
を反応させて、以下の一般式(3):
で表される3−メチルブト−2−エン−1−オール誘導体を得、上記一般式(3)における二重結合を、酸化剤によりさらにジオールに酸化して、以下の一般式(1):
で表されるエーテルまたはエステル化合物のジオール体を得ることを特徴とする、メチルブタンジオールの製造方法が提供される。
本発明によるメチルブタンジオールとしてのエーテルまたはエステル化合物のジオール体は、親水基として隣接する2個の水酸基をその分子内に有し、かつ親油基としてアルキル基またはアルカノイル基を有しているので、水や他の有効成分と混合し易く、抗菌・防腐剤として化粧品や軟膏またはクリーム等に幅広く使用することができる。
本発明におけるアルキル化、アルカノイル化またはカルボキシル化反応において用いられ得る相間移動触媒の例としては、テトラn−ブチルアンモニウムクロリド、テトラn−ブチルアンモニウムブロミド、テトラn−ブチルアンモニウムヨード、テトラn−ブチルアンモニウム硫酸塩、テトラn−ブチルアンモニウムヒドロキシド、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリドなどが挙げられる。
これら相関移動触媒の好ましい使用量はプレノールに対して0〜0.4当量、より好ましくは0.001〜0.2当量である。
ハロゲン化アルキルの使用量はプレノールに対して0.5当量〜5.0当量、好ましくは1.0当量〜3.0当量である。
さらに反応は0〜150℃の温度が好ましく、さらに30〜90℃の温度範囲で行うことが好ましい。
得られた有機層を水、食塩水などで洗浄後、必要に応じて溶剤などの低沸点化合物を、常圧あるいは減圧下で加熱留去することにより、3−メチルブト−2−エン−1−オール誘導体(3)の粗生成物が得られる。この生成物はそのまま次の工程に使用できるが、場合によっては蒸留やシリカゲルカラムクロマトグラフィーでの精製を行ってもよい。
酸化剤として過ギ酸、過酢酸および過酸化水素水などの過酸化物を例示できるが、過酸化水素水などを用いる場合、タングステン酸、タングステン酸塩、バナジウム塩、バナジウム酸塩、コバルト塩などの金属触媒、さらに上記の相間移動触媒を用いると反応がスムーズに進行する場合がある。
これら酸化剤を用いた酸化反応は、初めに二重結合のエポキシ化が起こり、さらに反応系中に存在する水によってエポキシ体がジオール体となる。よって濃度が1〜60%の酸化剤水溶液または懸濁液を用いることが好ましい。
なお、エポキシ体からジオール体への変換が遅い場合、反応系全体に対して0.01〜20%量のリン酸、塩酸、硫酸、ホウ酸、酢酸など酸を添加して反応を行ってもよいし、後述する反応後の後処理を実施してエポキシ体を単離後、テトラヒドロフラン、アセトン、ジメチルホルムアミドなどの有機溶剤と共にリン酸水溶液、希硫酸、希塩酸、酢酸水溶液などの水を含有する酸で処理してエポキシ体をジオールへ変換することもできる。
通常、常法にしたがって、得られた粗生成物を、蒸留やシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して4−アルコキシ−2−メチル−2,3−ブタンジオール(メチルブタンジオールとも称する)(3)が得られる。
上記のエステル誘導体形成に用いられる有機塩基の使用量はプレノール(2)に対して0.5〜5.0当量、好ましくは1.0当量〜2.0当量であり、−20〜溶剤の沸点、より好ましくは−10〜60℃の範囲の反応温度下に使用するのが好ましい。
反応は用いる試剤を一度に加えてもよいが、上記のエステル誘導体形成反応が発熱反応である場合には、予め反応混合物を冷却し、最後にハロゲン化アルカノイルをゆっくり添加することが好ましい。
得られた有機層を水、食塩水などで洗浄後、必要に応じて溶剤などの低沸点化合物を常圧あるいは減圧下で加熱して留去することにより、4−アルカノイルオキシ−2−メチル−2−ブテン(3)の粗生成物が得られる。この生成物はそのまま次の工程に使用できるが、場合によっては蒸留やシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製を行ってもよい。
すなわち、上記の一般式(1)で表されるメチルブタンジオールを有効成分とする抗菌・防腐用組成物を、衣類、家具、建築資材、室内用壁紙、浴室、流し、トイレなどの家庭用品用抗カビ剤として使用でき、さらに食品、健康食品、医薬部外品および医薬品等に添加することにより、長期間に亘り、細菌の繁殖による腐敗を抑制できることを特徴とする。
カラム:GLサイエンス社製Silicone OV−17 長さ:2m
温度条件:80℃で2分間保持した後、毎分10℃の割合で200℃まで昇温した。
インジェクションおよびディテクター温度 220℃
キャリヤーガス: 窒素
検出: FID
4−n−ヘキシルオキシ−2−メチル−2,3−ブタンジオール(4)(以下PNDL−C6と略す)の製造例
この粗生成物を直径2.5cm、高さ15cmのスルーザー塔で蒸留精製を行い、4−ヘキシルオキシ−2−メチル−2,3−ブタンジオール(PNDL−C6)67.85gを得た。この一部をガスクロマトグラフィーで分析したところ、純度98.9%であることが判った。
沸点:123℃/0.61kPa
1H−NMR (400 MHz, CDCl3) δ (ppm) : 0.90 (3H, t, J=7.3 Hz), 1.19 (3H, s), 1.23 (3H, s), 1.28-1.42 (6H, m), 1.51-1.60 (3H, m), 3.41-3.59 (5H, m)
IR(KBr板液膜法)cm−1:3407, 2927, 2858, 1466, 1376, 1107, 1054
4−n−ブチルオキシ−2−メチル−2,3−ブタンジオール(5)(以下PNDL−C4と略す)の製造例
沸点:98℃/0.43kPa
1H−NMR (400 MHz, CDCl3) δ (ppm) : 0.90 (3H, t, J=7.3Hz), 1.19 (3H, s), 1.23 (3H, s), 1.30-1.40 (2H, m), 1.52-1.59 (3H, m), 3.40-3.59 (5H, m)
IR(KBr板液膜法)cm−1:3407, 2926, 2856, 1465, 1376, 1108, 1054
本発明によるメチルブタンジオールの抗菌活性試験
寒天平版希釈法(ADT法)によるMIC(最少生育阻止濃度)測定法
試験サンプルの終濃度により、2通りの希釈方法を用いた。高濃度の測定には、試験サンプルをMueller−Hinton(MH)液体培地で直接2倍段階希釈し、寒天濃度2倍のMH寒天培地と半量ずつ混合して、シャーレに撒いて固化させたものを試験プレートとして用いた。1600ppm(≒0.16%)以下の低濃度の測定には、2倍段階希釈したサンプルのエタノール溶液をMH寒天培地に1/100の割合で添加混合したものをシャーレに撒いて固化させたものを試験プレートとした。
ネガティブコントロールは培地のみ(培地100%)、エタノール1%、エタノール10%の3種類を用意し試験した。この試験プレートに106CFU/mlに調整した菌液を約5μlスタンプし、37℃にて20時間培養した。各試験プレートにおける菌の生育有無を判定し、生育の見られない最低濃度をMICとした。
各サンプルでMH寒天培地中の終濃度が以下となるよう調製して試験した。
MH溶液培地に直接添加濃度:10%、5%、2.5%、1.25%、0.63%、0.31%、0.16%、0.08%
エタノール溶液をMH寒天培地に添加:1600ppm、800ppm、400ppm、200ppm、100ppm、50ppm、25ppm、12.5ppm
Claims (5)
- 前記一般式(1)におけるRが、炭素数4〜14である、請求項1に記載のメチルブタンジオール。
- 前記一般式(1)において、Rが、n−ブチルまたはn−へキシル基を表す、請求項1または2に記載のメチルブタンジオール。
- 以下の式(2):
RX
(式中、Rは、炭素数3〜16のアルキルまたはアルカノイル基を表し、Xはハロゲン原子または水酸基を表す)
を反応させて、以下の一般式(3):
で表される3−メチルブト−2−エン−1−オール誘導体を得、上記一般式(3)における二重結合を、酸化剤によりさらにジオールに酸化して、以下の一般式(1):
で表されるエーテルまたはエステル化合物のジオール体を得ることを特徴とする、メチルブタンジオールの製造方法。 - 請求項1〜4のいずれか1つに記載のメチルブタンジオールを有効成分として含む抗菌・防腐用組成物。
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JPS57183783A (en) * | 1981-04-29 | 1982-11-12 | Hoffmann La Roche | Manufacture of cholesterol derivatives |
JPH05155815A (ja) * | 1991-12-04 | 1993-06-22 | Mitsui Petrochem Ind Ltd | グリセロール誘導体の製造方法 |
JP2013510860A (ja) * | 2009-11-12 | 2013-03-28 | ザ、リージェンツ、オブ、ザ、ユニバーシティ、オブ、ミシガン | スピロ−オキシインドールmdm2アンタゴニスト |
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Non-Patent Citations (1)
Title |
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HILL, RICHARD KEITH; FOLEY, PATRICK J., JR.: "Configuration of α,β-dihydroxy-β-methylvaleric acid, an isoleucine precursor", BIOCHEMICAL AND BIOPHYSICAL RESEARCH COMMUNICATIONS, vol. 33(3), JPN6018016696, 1968, pages 480-482 * |
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