JP6348813B2 - メチルブタンジオールを有効成分とする抗菌・防腐用組成物ならびに該組成物を含有する化粧品、医薬品または医薬部外品 - Google Patents
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Description
かくして、本発明によれば、一般式(1):
で表されるメチルブタンジオールを有効成分として含有する抗菌・防腐用組成物が提供される。
Yが水酸基であり、Zが水素原子であり、Rがn−へキシル基であるか、または、
Yが水素原子であり、Zが水酸基であり、Rがn−へキシル基であるか、または、
Yが水酸基であり、Zが水素原子であり、Rがn−へキサノイル基であるか、または、
Yが水酸基であり、Zが水素原子であり、Rがn−オクチル基であるか、または、
Yが水素原子であり、Zが水酸基であり、Rがn−ブチル基であるか、または、
Yが水酸基であり、Zが水素原子であり、Rがn−ブチル基であるか、または、
Yが水酸基であり、Zが水素原子であり、Rがn−ノニル基であるか、または、
Yが水酸基であり、Zが水素原子であり、Rがn−デカニル基であるか、または、
Yが水酸基であり、Zが水素原子であり、Rが2−エチルへキシル基である、前記の抗菌・防腐用組成物が提供される。
これらの誘導体は、主骨格の2位にメチル基および水酸基を有し、1位もしくは3位のいずれかに水酸基を有するメチルブタンジオールである。4位の酸素原子には脂肪族炭化水素として炭素数3〜16のアルキルまたはアルカノイル基が結合して、エーテルまたはエステル化合物のジオール体を形成している。
本発明で提供される前記一般式(1)で表されるメチルブタンジオールは、上記のように分子内に親水性の水酸基2個と、親油性の上記アルキル基またはアルカノイル基を有しているので、水、油成分、または有効成分とも混合し易く、抗菌・防腐剤として幅広く使用することができる。
したがって、本発明による特定の構造を有するメチルブタンジオールを有効成分とする抗菌・防腐用組成物を、衣類、家具、建築資材、室内用壁紙、食品、健康食品、医薬部外品および医薬品等に添加することにより、長期間に亘り、カビを含むいわゆる細菌の繁殖による腐敗が抑制された製品を提供できる。
で表されるメチルブタンジオールを有効成分として含有することを特徴とする。
上記一般式(1)において、Rがアルキル基である場合、炭素数3〜16の直鎖状または分枝鎖状アルキル基であり得る。具体的には、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、i−ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基などを挙げることができる。
本発明におけるアルキル化、アルカノイル化またはカルボキシル化反応において用いられ得る相間移動触媒の例としては、テトラn−ブチルアンモニウムクロリド、テトラn−ブチルアンモニウムブロミド、テトラn−ブチルアンモニウムヨード、テトラn−ブチルアンモニウム硫酸塩、テトラn−ブチルアンモニウムヒドロキシド、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリドなどが挙げられる。
これら相関移動触媒の好ましい使用量はイソプレノールまたはプレノールに対して0〜0.4当量、より好ましくは0.001〜0.2当量である。
ハロゲン化アルキルの使用量はイソプレノールまたはプレノールに対して0.5当量〜5.0当量、好ましくは1.0当量〜3.0当量である。
さらに反応は0〜150℃の温度が好ましく、さらに30〜90℃の温度範囲で行うことが好ましい。
得られた有機層を水、食塩水などで洗浄後、必要に応じて溶剤などの低沸点化合物を常圧あるいは減圧下で加熱留去することにより、4−アルコキシ−2−メチルブト−1−エン(4−アルコキシ−2−メチル−1−ブテンとも称する)(3a)または4−アルコキシ−2−メチルブト−2−エン(4−アルコキシ−2−メチル−2−ブテンとも称する)(3b)の粗生成物が得られる。この生成物はそのまま次の工程に使用できるが、場合によっては蒸留やシリカゲルカラムクロマトグラフィーでの精製を行ってもよい。
酸化剤としては公知の過ギ酸、過酢酸および過酸化水素水などの過酸化物を例示できるが、過酸化水素水などを用いるのが好ましく、その場合、タングステン酸、タングステン酸塩、バナジウム塩、バナジウム酸塩、コバルト塩などの金属触媒、さらに上記の相間移動触媒を用いると反応がスムーズに進行する場合がある。
これら酸化剤を用いた酸化反応は、初めに二重結合のエポキシ化が起こり、さらに反応系中に存在する水によってエポキシ体がジオール体となる。よって濃度が1〜60%の酸化剤水溶液または懸濁液を用いることが好ましい。
なお、エポキシ体からジオール体への変換が遅い場合、反応系全体に対して0.01〜20%量のリン酸、塩酸、硫酸、ホウ酸、酢酸など酸を添加して反応を行ってもよいし、後述する反応後の後処理を実施してエポキシ体を単離後、テトラヒドロフラン、アセトン、ジメチルホルムアミドなどの有機溶剤と共にリン酸水溶液、希硫酸、希塩酸、酢酸水溶液などの酸水溶液で処理してエポキシ体をジオールへ変換することもできる。
通常、常法にしたがって、得られた粗生成物を、蒸留やシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して4−アルコキシ−2−メチル−1,2−ブタンジオール(メチルブタンジオールとも称す:1a)または、4−アルコキシ−2−メチル−2,3−ブタンジオール(メチルブタンジオールとも称す:1b)が得られる。
上記のエステル誘導体形成に用いられる有機塩基の使用量は、イソプレノールに対して0.5〜5.0当量、好ましくは1.0当量〜2.0当量であり、反応温度は、−20℃〜溶剤の沸点、より好ましくは−10〜60℃の範囲が好ましい。
反応は用いる試剤を一度に加えてもよいが、上記のエステル誘導体形成反応が発熱反応である場合には、予め反応混合物を冷却し、最後にハロゲン化アルカノイルをゆっくり添加することが好ましい。
得られた有機層を水、食塩水などで洗浄後、必要に応じて溶剤などの低沸点化合物を常圧または減圧下で加熱して留去することにより、3−メチルブト−3−エン−1−オールのエステル誘導体(3a)または3−メチルブト−2−エン−1−オールのエステル誘導体(3b)の粗生成物が得られる。この生成物はそのまま次の工程に使用できるが、場合によっては蒸留やシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製を行ってもよい。
すなわち、上記の一般式(1)で表されるメチルブタンジオールを有効成分とする抗菌・防腐用組成物を、衣類、家具、建築資材、室内用壁紙、浴室、流し、トイレなどの家庭用品用抗カビ剤として使用でき、さらに食品、健康食品、医薬部外品および医薬品等に添加することにより、長期間に亘り、カビを含むいわゆる細菌の繁殖による腐敗を抑制できることを特徴とする。
例えば、当該誘導体を、化粧品に用いる場合、化粧品全体量に対して、0.0001〜10重量%、好ましくは0.0005〜5重量%の範囲で使用できる。しかしながら、上記の使用範囲より使用量が少ない場合、あるいは多い場合には、抗菌剤としての有効量に達せずに、抗菌活性や抗カビ活性が得られなかったり、逆に当該物質の濃度が高すぎて、製品の品質を損ねる場合がある。
さらに本発明による前記一般式(1)で表されるメチルブタンジオールから選択される単一化合物または2種以上の化合物を抗菌・防腐剤として使用することもできるし、また、他の抗菌・防腐剤と併用して使用することもできる。
カラム:GLサイエンス社製Silicone OV−17 長さ:2m
温度条件:80℃で2分間保持した後、毎分10℃の割合で200℃まで昇温した。
インジェクションおよびディテクター温度 220℃
キャリヤーガス: 窒素
検出: FID
また、IRスペクトルは、日本分光社製、FT/IR−400 Plusを用いて測定した。
4−ヘキシルオキシ−2−メチル−1,2−ブタンジオール(4)(以下、IPDL−C6と略する)の製造
この粗生成物を直径2.5cm、高さ15cmのスルーザー塔で蒸留精製を行い、4−ヘキシルオキシ−2−メチル−1,2−ブタンジオール(IPDL−C6)54.4gを得た。この一部をガスクロマトグラフィーで分析したところ、純度97.0%であることが判った。
沸点:134℃/0.47kPa
1H−NMR:(400 MHz, CDCl3) δ (ppm) : 0.83 (3H, t, J=7.1 Hz), 1.16 (3H, s), 1.20-1.29 (6H, m), 1.51-1.58 (2H, m), 1.60-1.69 (1H, m), 1.73 (1H, brs), 1.86-1.93 (1H, m), 2.92 (1H, brs), 3.22-3.61 (6H, m)
IR(KBr板液膜法)cm−1:3406, 2925, 2857, 1465, 1377, 1107, 1054
4−n−ヘキシルオキシ−2−メチル−2,3−ブタンジオール(5)(以下PNDL−C6と略す)の製造例
この粗生成物を直径2.5cm、高さ15cmのスルーザー塔で蒸留精製を行い、4−ヘキシルオキシ−2−メチル−2,3−ブタンジオール(PNDL−C6)67.85gを得た。この一部をガスクロマトグラフィーで分析したところ、純度98.9%であることが判った。
沸点:123℃/0.61kPa
1H−NMR (400 MHz, CDCl3) δ (ppm) : 0.90 (3H, t, J=7.3 Hz), 1.19 (3H, s), 1.23 (3H, s), 1.28-1.42 (6H, m), 1.51-1.60 (3H, m), 3.41-3.59 (5H, m)
IR(KBr板液膜法)cm−1:3407, 2927, 2858, 1466, 1376, 1107, 1054
4−n−ヘキサノイルオキシ−2−メチル−1,2−ブタンジオール(6)(以下、IPDL−COC5と略する)の製造
沸点:140℃/0.1kPa
1H−NMR:(400 MHz, CDCl3) δ (ppm) : 0.85 (3H, t, J=7.2 Hz), 1.17 (3H, s), 1.24-1.28 (4H, m), 1.52-1.90 (4H, m), 2.23-2.34 (2H, m), 2.65 (1H, brs), 3.37-3.45 (2H, m), 4.21 (2H, t, J=6.7 Hz)
IR(KBr板液膜法)cm−1:3421, 2958, 2872, 1737, 1465, 1379, 1175, 1056
4−n−ヘキサノイルオキシ−2−メチル−1,2−ブタンジオール(6)(以下、IPDL−COC5と略する)の製造
この粗生成物をクライゼン単蒸留装置で蒸留精製し、4−n−ヘキサノイルオキシ−2−メチル−1−ブテン259.5gを得た。これをガスクロマトグラフィーで分析したところ、純度99.5%であることが判った。
得られた4−n−ヘキサノイルオキシ−2−メチル−1−ブテン49.2g(0.27モル)、35%過酸化水素水36.6g(0.38モル)、タングステン酸1.67g(6.7ミリモル)、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド1.67g(5.3ミリモル)、85%リン酸水溶液1.1g(10ミリモル)を用いて実施例2に記載の方法と同様にして酸化反応を行い、さらに蒸留で精製することにより4−n−ヘキサノイルオキシ−2−メチル−1,2−ブタンジオール(IPDL−COC5)35.6gを得た。この物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、純度97.0%であることが判った。
沸点:140℃/0.1kPa
1H−NMR:(400 MHz, CDCl3) δ (ppm) : 0.85 (3H, t, J=7.2 Hz), 1.17 (3H, s), 1.24-1.28 (4H, m), 1.52-1.90 (4H, m), 2.23-2.34 (2H, m), 2.65 (1H, brs), 3.37-3.45 (2H, m), 4.21 (2H, t, J=6.7 Hz)
IR(KBr板液膜法)cm−1:3421, 2958, 2872, 1737, 1465, 1379, 1175, 1056
4−n−オクチルオキシ−2−メチル−1,2−ブタンジオール(7)(以下、IPDL−C8と略する)の製造
1H−NMR:(400 MHz, CDCl3) δ (ppm) : 0.83 (3H, t, J=7.1 Hz), 1.16 (3H, s), 1.20-1.29 (10H, m), 1.50-1.58 (2H, m), 1.60-1.68 (1H, m), 1.73 (1H, brs), 1.87-1.93 (1H, m), 2.93 (1H, brs), 3.32-3.71 (6H, m)
IR(KBr板液膜法)cm−1:3407, 2927, 2857, 1466, 1377, 1107, 1054
4−n−ブチルオキシ−2−メチル−2,3−ブタンジオール(8)(以下PNDL−C4と略す)の製造例
沸点:98℃/0.43kPa
1H−NMR (400 MHz, CDCl3) δ (ppm) : 0.90 (3H, t, J=7.3 Hz), 1.19 (3H, s), 1.23 (3H, s), 1.30-1.40 (2H, m), 1.52-1.59 (3H, m), 3.40-3.59 (5H, m)
IR(KBr板液膜法)cm−1:3407, 2926, 2856, 1465, 1376, 1108, 1054
4−n−ブチルオキシ−2−メチル−1,2−ブタンジオール(9)(以下、IPDL−C4と略する)の製造
沸点:115℃/0.56kPa
1H−NMR:(400 MHz, CDCl3) δ (ppm) : 0.89 (3H, t, J=7.3 Hz), 1.16 (3H, s), 1.31-1.37 (2H, m), 1.52-1.94 (4H, m), 2.90 (1H, br s), 3.35-3.45 (5H, m), 3.52-3.56 (1H, m), 3.63-3.67 (1H, m)
IR(KBr板液膜法)cm−1:3406, 2927, 2857, 1465, 1377, 1107, 1054
4−n−ノニルオキシ−2−メチル−1,2−ブタンジオール(10)(以下、IPDL−C9と略する)の製造
1H−NMR:(400 MHz, CDCl3) δ (ppm) : 0.83 (3H, t, J=7.1 Hz), 1.16 (3H, s), 1.18-1.30 (12H, m), 1.50-1.58 (2H, m), 1.60-1.68 (1H, m), 1.73 (1H, brs), 1.84-1.95 (1H, m), 3.01 (1H, brs), 3.31-3.71 (6H, m)
IR(KBr板液膜法)cm−1:3407, 2926, 2856, 1465, 1376, 1108, 1054
4−n−デカニルオキシ−2−メチル−1,2−ブタンジオール(11)(以下、IPDL−C10と略する)の製造
1H−NMR:(400 MHz, CDCl3) δ (ppm) : 0.83 (3H, t, J=7.1Hz), 1.16 (3H, s), 1.18-1.30 (14H, m), 1.50-1.58 (2H, m), 1.60-1.70 (1H, m), 1.80 (1H, brs), 1.87-1.93 (1H, m), 3.0 (1H, brs), 3.33-3.8 (6H, m)
IR(KBr板液膜法)cm−1:3408, 2929, 2856, 1465, 1376, 1108, 1054
4−(2−エチルヘキシル)−2−メチル−1,2−ブタンジオール(12)(以下、IPDL−EtHexと略する)
得られた4−(2−エチルヘキシル)−2−メチル−1−ブテン48.6g、35%過酸化水素水36.6g(0.38モル)、タングステン酸1.56g(6.2ミリモル)、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド2.0g(3ミリモル)、85%リン酸水溶液1.1g(10ミリモル)を用い、実施例1と同様にして酸化反応を行い、得られた反応混合物を、ヘキサン/酢酸エチル混液を展開溶媒とするシリカゲルクロマトグラフィー(シリカゲル300g、富士シリシア化学(株)製BW−820H)で精製し、シリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)でRf=0.5を示す画分を減圧濃縮することにより、4−(2−エチルヘキシル)−2−メチル−1,2−ブタンジオール(IPDL−EtHex)20gを得た。これをガスクロマトグラフィーで分析したところ、純度98.7%であることが判った。
1H−NMR:(400 MHz, CDCl3) δ (ppm) : 0.85 (3H, t, J=7.2 Hz), 0.87 (3H, t, J=7.0 Hz), 1.16 (3H, s), 1.24-1.35 (8H, m), 1.42-1.50 (1H, m), 1.62-1.69 (1H, m), 1.86-1.94 (1H, m), 2.91 (1H, brs), 3.31-3.69 (6H, m)
IR(KBr板液膜法)cm−1:3408, 2929, 2872, 1464, 1379, 1102, 1054
本発明によるメチルブタンジオールの抗菌活性
寒天平版希釈法(ADT法)によるMIC(最少生育阻止濃度)測定
試験サンプルの終濃度により、2通りの希釈方法を用いた。高濃度の測定には、試験サンプルをMueller−Hinton(MH)液体培地で直接2倍段階希釈し、寒天濃度2倍のMH寒天培地と半量ずつ混合して、シャーレに撒いて固化させたものを試験プレートとして用いた。1600ppm(≒0.16%)以下の低濃度の測定には、2倍段階希釈したサンプルのエタノール溶液をMH寒天培地に1/100の割合で添加混合したものをシャーレに撒いて固化させたものを試験プレートとした。
ネガティブコントロールは培地のみ(培地100%)、エタノール1%、エタノール10%の3種類を用意し試験した。この試験プレートに106CFU/mlに調整した菌液を約5μlスタンプし、37℃にて20時間培養した。各試験プレートにおける菌の生育有無を判定し、生育の見られない最低濃度をMICとした。
各サンプルでMH寒天培地中の終濃度が以下となるよう調製して試験した。
MH溶液培地に直接添加濃度:10%、5%、2.5%、1.25%、0.63%、0.31%、0.16%、0.08%
エタノール溶液をMH寒天培地に添加:1600ppm、800ppm、400ppm、200ppm、100ppm、50ppm、25ppm、12.5ppm
本発明によるメチルブタンジオールの抗カビ活性
寒天平板希釈法(ADT法)による最小発育抑制濃度(MIC)の測定
試験サンプルおよび調製
それぞれポテトデキストロース寒天培地(PDA培地)中の終濃度が次の濃度になるように調整した。
6400、3200、1600、800、400、200、100、50、25、12.5ppm
試験に用いる最高濃度の100倍濃度となるようサンプルをエタノールにw/wで溶解し、2倍段階希釈(V/V)で各濃度の100倍濃度のサンプルを調製した。
サンプル溶液をPDA培地に1/100の割合で添加して混合したものをシャーレに撒いて固化させ、試験プレートとした。
ポジティブコントロールのブチルパラベンについても同様に行った。
ネガティブコントリールは培地のみ(培地100%)、エタノール1%を培地に添加したものを用意した。
菌種はPDA培地のプレート上で前培養を行った。
AnおよびCcについては、前培養プレートの菌体表面を火炎減菌したL字白金耳で掻き取り、0.005%Tween80添加食塩水(TS)1ml中に懸濁した。15000rpmで1分間遠心分離を行い、胞子部分を残して上清と沈殿を除いた。残った胞子をTSに再懸濁して胞子液とした。
調製した試験プレートにTSで1×106、105、104CFU/mlに調製した胞子液を約5μlずつスポットして25℃にて培養した。各試験プレートでの菌の生育状況を判定し、生育が認められない最低濃度をMICとした。
以下の表2には、本発明で提供されたメチルブタンジオールの抗カビ活性の結果を示した。さらに対照として、市販品であるブチルパラベンの試験結果も示した。
4−n−ヘキサノイルオキシ−2−メチル−1,2−ブタンジオールを含む化粧水の製造
精製水500gに尿素50g、グリセリン5gをよく混合し、化粧水原液Aとした。この化粧水原液A10gに、精製水90g、4−n−ヘキサノイルオキシ−2−メチル−1,2−ブタンジオール0.03gを入れてよく混合し、良好な4−n−ヘキサノイルオキシ−2−メチル−1,2−ブタンジオールを含む化粧水を得た。
4−n−ノニルオキシ−2−メチル−1,2−ブタンジオールを含むゆず化粧水の製造
参考例1に示された化粧水原液A10gに、精製水90g、4−n−ノニルオキシ−2−メチル−1,2−ブタンジオール0.05g、ゆず精油2滴を入れてよく混合し、良好な4−n−ノニルオキシ−2−メチル−1,2−ブタンジオールを含むゆず化粧水を得た。
4−n−ノニルオキシ−2−メチル−1,2−ブタンジオールを含む薄荷香気のリップクリームの製造
カルナウバワックス1g、キャノーラ油2g、大豆油2gの混合物に、薄荷白油1滴、および4−n−ノニルオキシ−2−メチル−1,2−ブタンジオール0.02gを入れて、80℃で加熱混合した。得られた混合物をリップチューブに流し入れて室温で放置し、固めることにより、良好な4−n−ノニルオキシ−2−メチル−1,2−ブタンジオールを含む薄荷香気のリップクリームを得た。
4−(2−エチルヘキシル)−2−メチル−1,2−ブタンジオールを含む化粧クリームの製造
エミュオイル10g、月見草オイル2g、ビタミンEオイル2滴、サンダルウッドオイル1滴、さらに4−(2−エチルヘキシル)−2−メチル−1,2−ブタンジオール0.02gをよく混合し、4−(2−エチルヘキシル)−2−メチル−1,2−ブタンジオールを含む化粧クリームを得た。
上記の実施例15において4−n−デカニルオキシ−2−メチル−1,2−ブタンジオール(IPDL−C10)0.01、0.1、1および5重量%をそれぞれ用いたこと以外は、実施例15と全く同様にして化粧水1kgをそれぞれ調製した。
上記の実施例20において4−n−デカニルオキシ−2−メチル−1,2−ブタンジオール(IPDL−C10)0.01、0.1、1および5重量%をそれぞれ用いたこと以外は、実施例20と全く同様にして乳液1kgをそれぞれ製造した。
上記の実施例25において4−n−デカニルオキシ−2−メチル−1,2−ブタンジオール(IPDL−C10)0.01、0.1、1および5重量%をそれぞれ用いたこと以外は、実施例25と全く同様にしてクリーム1kgをそれぞれ製造した。
上記の実施例30において4−n−デカニルオキシ−2−メチル−1,2−ブタンジオール(IPDL−C10)0.01、0.1、1および5重量%をそれぞれ用いたこと以外は、実施例30と全く同様にして日焼け止めクリーム1kgをそれぞれ製造した。
上記の実施例35においてアルカロイド含有画分0.01、0.1、1および5重量%をそれぞれ用いたこと以外は、実施例35と全く同様にしてファンデーション1kgをそれぞれ製造した。
上記の実施例40において4−n−デカニルオキシ−2−メチル−1,2−ブタンジオール(IPDL−C10)0.01、0.1、1および5重量%をそれぞれ用いたこと以外は、実施例40と全く同様にして全身用日焼け止めクリーム1kgをそれぞれ製造した。
Claims (7)
- 前記一般式(1)におけるRが、炭素数3〜14である、請求項1に記載の抗菌・防腐用組成物。
- 前記一般式(1)におけるRが、炭素数4〜14である、請求項1または2に記載の抗菌・防腐用組成物。
- 前記一般式(1)において、
Yが水酸基であり、Zが水素原子であり、Rがn−へキシル基であるか、または、
Yが水素原子であり、Zが水酸基であり、Rがn−へキシル基であるか、または、
Yが水酸基であり、Zが水素原子であり、Rがn−へキサノイル基であるか、または、
Yが水酸基であり、Zが水素原子であり、Rがn−オクチル基であるか、または、
Yが水素原子であり、Zが水酸基であり、Rがn−ブチル基であるか、または、
Yが水酸基であり、Zが水素原子であり、Rがn−ブチル基であるか、または、
Yが水酸基であり、Zが水素原子であり、Rがn−ノニル基であるか、または、
Yが水酸基であり、Zが水素原子であり、Rがn−デカニル基であるか、または、
Yが水酸基であり、Zが水素原子であり、Rが2−エチルへキシル基である、請求項1〜3のいずれか1つに記載の抗菌・防腐用組成物。 - 一般式(1)で表されるメチルブタンジオールを、有効成分として0.001〜50重
量%含有する請求項1〜4のいずれか1つに記載の抗菌・防腐用組成物。 - 前記一般式(1)で表されるメチルブタンジオールを有効成分とする抗カビ剤として用いられる、請求項1〜5のいずれか1つに記載の抗菌・防腐用組成物。
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