JP4310391B2 - トロポロン化合物の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、医薬、農薬、化粧品原料等、またはその中間体として有用なトロポロン化合物を高収率かつ高純度で得るトロポロン化合物の製造方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
下記の構造式(1)で示されるトロポロン化合物は、医薬、農薬、化粧品原料等、またはその中間体として有用である。中でも4位にイソプロピル基を有する4−イソプロピルトロポロンは、別名ヒノキチオール(またはβ−ツヤプリシン)とも呼ばれ、広範囲に抗菌・抗カビ作用を有するとともに、細胞賦活作用、チロシナーゼ活性阻害作用、植物のエチレン生成阻害作用などを有し、抗菌・抗カビ剤として医薬品、化粧品、養毛剤、シャンプー・石鹸に配合されるほか、シロアリ駆除剤のような昆虫忌避剤としても利用される。また、鮮度保持フィルム、抗菌塗料にも広く配合されている。
【化1】
【0003】
一方、4−イソプロペニルトロポロンは別名β−ドラブリンとも呼ばれ、4−イソプロピルトロポロンとともに、天然には青森ヒバや台湾ヒノキに含まれ、これらから得られる抽出油の主成分であり、この抽出油も抗菌・抗カビ作用を有し、抗菌ヒバ油などとして広く使用されている。しかし、天然原料であるため抽出による生産量には限界があり、工業的に製造する方法の開発が従来進められてきた。
また、イソプロピル基の置換位置が異なる5−イソプロピルトロポロンや置換基のないトロポロンも、4−イソプロピルトロポロンと同様、抗菌・抗カビ作用を持つと言われており、これらについても工業的な製造方法の開発が求められている。
【0004】
従来、トロポロン化合物を製造する方法としては、次のような方法が知られている。
(1)メトキシトロピリデンを原料に、イソプロピルトロポロン、アミノイソプロピルトロポンを経由して製造する方法(Tetrahedron,32,1051頁(1991));
(2)カルボンを過酸化水素でエポキシ化した後、アセタール化などの6工程を経て製造する方法(特開昭62−93250号公報);
(3)イソプロピルシクロヘキサノンまたはイソプロピルシクロヘキセノンをシアノヒドリン化した後、2工程を経てイソプロピルシクロヘプタノンを合成し、これを酸化、臭素化、脱臭化水素化することにより製造する方法(特開昭63−5048号公報、特開昭63−17841号公報);および
(4)ブロモトロポロンに有機スズ化合物を作用させた後、Pd/C触媒の存在下、水素還元する方法(J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,1989,616頁(1989))。
しかし、これらの方法は、工程数が多かったり、原料の入手が困難であったりして、工業的に実施する上で実用的とは言えない。
【0005】
これらに対し、置換もしくは非置換のシクロペンタジエン化合物を原料として用い、これにジクロロケテンを付加させて7,7−ジクロロビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−6−オン化合物を得、さらに該化合物を塩基存在下に分解してトロポロン化合物を製造する方法が知られている。この方法は、原料のシクロペンタジエンが入手しやすく、工程数も少ないので、工業的に実施する上では有利な方法と言える。
該方法において、7,7−ジクロロビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−6−オン化合物を塩基存在下に分解する反応は、該方法でトロポロンを製造する最終段階であり、前段階までの原材料費その他が凝縮された重要な段階である。しかしながら、従来法で該分解反応を実施した場合には、商業生産の観点では極めて不満足な収率しか得られなかった。
例えば、米国特許第3,448,155号明細書には、水酸化カリウムを含有する氷酢酸中で加熱する方法や重炭酸ナトリウム水溶液中で加熱する方法などが開示されているが、前者の方法によるトロポロンの収率は約30%と極めて低いものである。一方、後者の方法によるトロポロン収率の記載はないが、本発明者らの実験の結果、該方法ではトロポロンは1〜2%の痕跡程度の収率でしか得られなかった。
【0006】
特公昭51−33901号公報には、酢酸−酢酸カリウム−水の混合溶媒中で加熱する方法が開示されているが、12時間という長い反応時間を要しながら、得られたトロポロン化合物の収率は43%と低いものであった。特開平8−40971号公報には、アセトン−酢酸−トリエチルアミン−水の混合溶媒中で反応を実施する方法が開示されているが、トロポロン化合物の収率は約43%で、同様に低いものであった。J.Am.Chem.Soc.7518(1970)には、同じくアセトン−酢酸−トリエチルアミン−水の混合系で処理する方法が記載されているが、この例におけるトロポロンの収率も37%と極めて低く、しかも7,7−ジクロロビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−6−オンの4員環が開裂したことに起因する副生物であるラクトン化合物が21%も生成している。該ラクトン化合物はトロポロン化合物と沸点が極めて近似しているため、工業生産における効率的分離精製法である蒸留で分離することは事実上不可能であり、高純度のトロポロンを製造する上で重大な障害となるものである。
【0007】
J.Am.Chem.Soc.7518(1970)の例を除いて、該トロポロン化合物の副生量に関する記載はないが、本発明者らの実験の結果、上記のような従来技術により7,7−ジクロロビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−6−オンを分解してトロポロン化合物を得ようとした場合、10%を越えるラクトン化合物が副生することがわかった。
以上のように、7,7−ジクロロビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−6−オン化合物を分解する反応において、商業生産に耐え得る高い水準の収率でトロポロン化合物が得られ、且つトロポロン化合物からの蒸留分離が困難なラクトン化合物の副生のないトロポロン化合物の製造方法は未だ提供されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、7,7−ジクロロビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−6−オン化合物を分解してなるトロポロン化合物の製造方法において、商業生産に耐え得る高い水準の収率でトロポロン化合物が得られ、且つトロポロン化合物との蒸留分離が困難なラクトン化合物の副生がない、トロポロン化合物の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、トリエチルアミンと水および親水性有機溶媒の存在下に分解反応を実施してトロポロン化合物を製造する方法において、トリエチルアミンを反応系に滴下することによりトロポロン化合物の収率が飛躍的に向上し、しかもラクトン化合物の副生が劇的に抑制されることを見出し本発明を完成した。
すなわち本発明は、以下のとおりのものである。
【0010】
(1)7,7−ジクロロビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−6−オン化合物を、トリエチルアミンと水および親水性有機溶媒の存在下に分解してトロポロン化合物を製造する方法において、トリエチルアミンを反応系に滴下しながら該分解を実施することを特徴とするトロポロン化合物の製造方法。
(2)ギ酸、酢酸またはプロピオン酸の群から選ばれる少なくとも1種からなる有機酸を、さらに添加して分解反応させることを特徴とする(1)のトロポロン化合物の製造方法。
(3)親水性有機溶媒が、ターシャリーブタノールであることを特徴とする(1)または(2)記載のトロポロン化合物の製造方法。
(4)トロポロン化合物が、4−イソプロピルトロポロンであることを特徴とする(1)から(3)のいずれかに記載のトロポロン化合物の製造方法。
【0011】
本発明で言う7,7−ジクロロビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−6−オン化合物とは、下記構造式(2)で表される置換もしくは非置換の7,7−ジクロロビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−6−オンである。
【化2】
【0012】
本発明で言うトロポロン化合物とは、下記構造式(1)で表される置換もしくは非置換のトロポロン化合物である。
【化3】
【0013】
本発明でいうラクトン化合物とは、下記構造式(3)で表される化合物である。
【化4】
【0014】
但しこれら式中、R1 からR3 は、水素、または直鎖または分岐のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基を表し、直鎖状または分岐状を問わない。また、不飽和結合が含まれていてもかまわない。また、酸素、ケイ素、ハロゲンなどのヘテロ原子が含まれていてもかまわない。アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、n−ヘキシル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、2−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−ヘキセニル、5−ヘキセニルなどが挙げられる。
【0015】
アルケニル基としては一般式−CH=CR4 R5 で表され、アルキニル基としては一般式−C≡C−R4 で表される。ここで、R4 、R5 は、水素または炭化水素基であり、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、n−ヘキシル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、2−プロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−ヘキセニル、5−ヘキセニルなどが挙げられる。
【0016】
シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、1−シクロペンテン−1−イル、2−シクロペンテン−1−イル、シクロペンタジエニル、シクロヘキシル、1−シクロヘキセン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル、3−シクロヘキセン−1−イル、1,3−シクロヘキサジエン−1−イル、2,4−シクロヘキサジエン−1−イル、シクロヘプチル、1−シクロヘプテン−1−イル、2−シクロヘプテン−1−イル、3−シクロヘプテン−1−イル、4−シクロヘプテン−1−イル、シクロオクチル、1−シクロオクテン−1−イル、2−シクロオクテン−1−イル、シクロノニル、シクロデシルなどが挙げられる。
【0017】
また、酸素が含まれるものとしては、今まで述べた基に一般式−OR6 や一般式−COOR7 で表される置換基が有するものが挙げられる。ここで、R6 やR7 は、水素または炭化水素基であり例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、n−ヘキシル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、2−プロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−ヘキセニル、5−ヘキセニルなどが挙げられる。
また、今まで述べた基にケイ素やフッ素、塩素、臭素、ヨウ素のようなハロゲンが含まれていてもかまわない。
【0018】
分解反応に供する7,7−ジクロロビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−6−オン化合物は、下記構造式(4)で表されるシクロペンタジエン化合物にジクロロケテンを付加させる既知の方法で合成できる。すなわち、ジクロロ酢酸クロライドとシクロペンタジエン化合物をヘキサンなどの溶媒に溶かした混合溶液に、低温下トリエチルアミンを滴下することにより合成できる。
【化5】
(R1 からR3 は、前述の7,7−ジクロロビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−6−オン化合物およびトロポロン化合物におけるR1 からR3 に対応する。)
【0019】
このようにして得られた7,7−ジクロロビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−6−オン化合物を、トリエチルアミンと水および親水性有機溶媒の存在下に分解してトロポロン化合物を製造するに際し、トリエチルアミンを滴下しながら該分解を実施することが本発明の必須要件である。本発明でいう滴下とは、添加対象物全量を一括して一瞬もしくは短時間のうちに加えることの反義語であり、添加対象物をある時間をかけて加える方法を意味する。添加対象物をある時間をかけて加える方法は、連続的でも間欠的でもかまわない。例えば、定量ポンプなどの供給装置を用い、ある時間にわたり連続的もしくは間欠的に加える方法や、添加対象物をある時間にわたり2回以上に分割して加える方法を採用すればよい。
【0020】
本発明においてはトリエチルアミンの全量を、7,7−ジクロロビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−6−オン化合物と水および親水性有機溶媒の混合物に滴下してもよいし、トリエチルアミンの一部を予め7,7−ジクロロビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−6−オン化合物と水および親水性有機溶媒に混合しておき、そこに残りのトリエチルアミンを滴下してもよいが、反応速度が速い点で後者の態様がより好ましい。トリエチルアミンの滴下にかける時間は、7,7−ジクロロビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−6−オン化合物の反応性や生産規模に応じて適宜決定すればよいが、1分未満ではトリエチルアミン全量を一括して加える方法に条件が近似し、本発明の効果が現れにくい。
【0021】
一方、24時間を越える滴下時間は、生産効率の低下を意味し好ましくない。好ましい滴下時間は10分間から10時間であり、さらに好ましい滴下時間は20分間から8時間である。トリエチルアミンを滴下する際の反応液の温度も特に制限はないが、分解反応が十分な速度で進行するためには20℃から還流温度の範囲が好ましく、最も好ましい温度範囲は40℃から還流温度である。滴下するトリエチルアミンの温度も特に制限はなく、室温からトリエチルアミンの沸点の範囲で適宜設定すればよいが、工業的規模においては定量ポンプなどで供給すること考慮すると、トリエチルアミン蒸気の発生の少ない室温付近が好ましい。
【0022】
本発明の分解反応は、7,7−ジクロロビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−6−オン化合物1分子より塩化水素2分子が発生し、水1分子が消費される反応である。従って本発明の分解反応では、7,7−ジクロロビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−6−オン化合物に対するトリエチルアミンのモル比は2.0以上とする必要があり、同化合物に対する水のモル比は1.0以上とする必要がある。本発明において、水と親水性有機溶媒の重量比は特に制限はなく、反応液を均一に保ち反応速度をより向上させるように適宜設定すればよいが、親水性有機溶媒/水(重量比)=99.5/0.5から10/90が好ましく、より好ましくは99/1から20/80である。
【0023】
本発明において、トリエチルアミンと水および親水性有機溶媒の3者の総重量に対する7,7−ジクロロビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−6−オン化合物の割合は、トロポロン化合物からの蒸留分離が困難なラクトン化合物の副生がより少いという意味ではより低い方が好ましいが、実用性および経済性を考慮すると0.05重量%から60重量%が好ましく、より好ましくは0.1重量%から50重量%である。本発明で用いる親水性有機溶媒としては、アルコール類の他、アセトン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリルなどの汎用の親水性有機溶媒用いればよいが、トロポロン化合物からの蒸留分離が困難なラクトン化合物の副生がより少ないという意味で、2級または3級のアルコール類が好ましく、最も好ましい親水性有機溶媒はターシャリーブタノールである。
【0024】
本発明においては、ギ酸、酢酸またはプロピオン酸の群から選ばれる少なくとも1種からなる有機酸を添加することが好ましい。すなわち、これらの単体もしくは混合物を反応液中に共存させると、トロポロン化合物の収率がより向上し、またトロポロン化合物からの蒸留分離が困難なラクトン化合物の副生がより抑制される。有機酸の添加量は特に制限はないが、トリエチルアミンに対する添加量は、有機酸/トリエチルアミン(モル比)=0.5/99.5から90/10が好ましく、より好ましくは1/99から80/20である。
本発明において、トリエチルアミンを滴下しながら7,7−ジクロロビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−6−オン化合物を分解してトロポロン化合物を製造する装置は特に制限はなく、滴下装置を備えた汎用の反応装置を用いればよい。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に実施例などにより本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例などにより何ら限定されない。
<7,7−ジクロロビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−6−オン化合物およびトロポロン化合物の分析方法>
装置:島津製作所製GC−14A、島津製作所製クロマトパックCR−4A
カラム:J&Wサイエンティフィック社製キャピラリーカラムDB−1
(長さ30m×内径0.25mm、液相膜厚0.25μm)
温度条件:カラム100℃×2分→250℃(10℃/分)。
注入口300℃、検出器300℃(FID)
本発明の実施例で使用した試薬類は下記のとおりである。
・n−ヘキサン:和光純薬工業(株)製、特級
・ジクロロ酢酸クロライド:東京化成工業(株)製
・トリエチルアミン:和光純薬工業(株)製、特級
・酢酸:片山化学工業(株)製、特級
・ターシャリーブタノール:和光純薬工業(株)製、特級
・アセトン:片山化学工業(株)製、一級
・ジメチルホルムアミド:和光純薬工業(株)製、特級
・6,6−ジメチルフルベン:アルドリッチ社製
【0026】
【実施例1】
7,7−ジクロロ−3−(1−メチルエチル)−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−6−オン(純度94.97%)5.29g(22.93mmol)を、ターシャリーブタノール/水/酢酸=31.10g/8.25g/8.25gの混合溶媒に溶解し、還流冷却器を備えた反応器に仕込み還流温度まで昇温した。該溶液を撹拌しつつ、還流状態でトリエチルアミン16.24g(160.49mmol)を3時間かけて滴下し、分解反応を行った。滴下終了後さらに1.5時間加熱還流した後、室温まで冷却した。該反応液に1規定塩酸を50.35g加えた後、ヘキサン50gを加えて数分間撹拌した。撹拌を停止した後数分間静置して有機層と水層を分離させた。得られた有機層をガスクロマトグラフで分析した結果、4−イソプロピルトロポロンの収率は85.6%であった。一方、ラクトン化合物は全く検出されなかった。
本実施例は、トリエチルアミンを滴下しながら7,7−ジクロロビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−6−オン化合物を分解するという本発明の必須要件を満足しているので、高収率でトロポロン化合物が得られているばかりでなく、トロポロン化合物からの蒸留分離が困難であるラクトン化合物の副生が全く認められなかった。
【0027】
【実施例2】
7,7−ジクロロ−3−(1−メチルエチル)−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−6−オン(純度94.10%)5.35g(22.98mmol)を、ターシャリーブタノール/水/ギ酸=30.91g/8.20g/6.31gの混合溶媒に溶解し、還流冷却器を備えた反応器に仕込み還流温度まで昇温した。該溶液を撹拌しつつ、還流状態でトリエチルアミン16.15g(159.6mmol)を2時間かけて滴下し、分解反応を行った。滴下終了後さらに2時間加熱還流した後、室温まで冷却した。該反応液に1規定塩酸51.43gを加えた後、ヘキサン50gを加えて数分間撹拌した。撹拌を停止した後数分間静置して有機層と水層を分離させた。得られた有機層をガスクロマトグラフで分析した結果、4−イソプロピルトロポロンの収率は84.8%であった。一方、ラクトン化合物は全く検出されなかった。
本実施例は、トリエチルアミンを滴下しながら7,7−ジクロロビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−6−オン化合物を分解するという本発明の必須要件を満足しているので、高収率でトロポロン化合物が得られているばかりでなく、トロポロン化合物からの蒸留分離が困難であるラクトン化合物の副生が全く認められなかった。
【0028】
【実施例3】
7,7−ジクロロ−3−(1−メチルエチル)−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−6−オン(純度94.10%)5.34g(22.93mmol)を、ターシャリーブタノール/水/ギ酸=61.8g/16.40g/12.61gの混合溶媒に溶解し、還流冷却器を備えた反応器に仕込み還流温度まで昇温した。該溶液を撹拌しつつ、還流状態でトリエチルアミン32.30g(319.20mmol)を2時間かけて滴下し、分解反応を行った。滴下終了後さらに2時間加熱還流した後、室温まで冷却した。該反応液に1規定塩酸102.2gを加えた後、ヘキサン100gを加えて数分間撹拌した。撹拌を停止した後数分間静置して有機層と水層を分離させた。得られた有機層をガスクロマトグラフで分析した結果、4−イソプロピルトロポロンの収率は84.5%であった。一方、ラクトン化合物は全く検出されなかった。
本実施例は、トリエチルアミンを滴下しながら7,7−ジクロロビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−6−オン化合物を分解するという本発明の必須要件を満足しているので、高収率でトロポロン化合物が得られているばかりでなく、トロポロン化合物からの蒸留分離が困難であるラクトン化合物の副生が全く認められなかった。
【0029】
【実施例4】
7,7−ジクロロ−3−(1-メチルエチル)−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−6−オン(純度94.10%)7.01g(30.10mmol)を、ジメチルホルムアミド/水/ギ酸=40.24g/10.86g/8.33gの混合溶媒に溶解し、還流冷却器を備えた反応器に仕込み還流温度まで昇温した。該溶液を撹拌しつつ、還流状態でトリエチルアミン21.42g(211.70mmol)を2時間かけて滴下し、分解反応を行った。滴下終了後さらに2時間加熱還流した後、室温まで冷却した。該反応液に1規定塩酸70.0gを加えた後、ヘキサン100gを加えて数分間撹拌した。撹拌を停止した後数分間静置して有機層と水層を分離させた。得られた有機層をガスクロマトグラフで分析した結果、4−イソプロピルトロポロンの収率は80.7%であった。一方、ラクトン化合物は全く検出されなかった。
本実施例は、トリエチルアミンを滴下しながら7,7−ジクロロビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−6−オン化合物を分解するという本発明の必須要件を満足しているので、高収率でトロポロン化合物が得られているばかりでなく、トロポロン化合物からの蒸留分離が困難であるラクトン化合物の副生が全く認められなかった。
【0030】
【実施例5】
7,7−ジクロロ−3−(1−メチルエチル)−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−6−オン(純度94.50%)10.00g(43.10mmol)を、アセトン/水/酢酸=27.50g/5.42g/2.60gの混合溶媒に溶解し、還流冷却器を備えた反応器に仕込み還流温度まで昇温した。該溶液を撹拌しつつ、還流状態でトリエチルアミン10.72g(105.90mmol)を3時間かけて滴下し、分解反応を行った。滴下終了後さらに3時間加熱還流した後、室温まで冷却した。該反応液に1規定塩酸100.0gを加えた後、ヘキサン200gを加えて数分間撹拌した。撹拌を停止した後数分間静置して有機層と水層を分離させた。得られた有機層をガスクロマトグラフで分析した結果、4−イソプロピルトロポロンの収率は80.5%であった。一方、ラクトン化合物の副生率は1.4%であった。
本実施例は、トリエチルアミンを滴下しながら7,7−ジクロロビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−6−オン化合物を分解するという本発明の必須要件を満足しているので、高収率でトロポロン化合物が得られているばかりでなく、トロポロン化合物からの蒸留分離が困難であるラクトン化合物の副生率が極めて少なかった。
【0031】
【実施例6】
7,7−ジクロロ−3−(1−メチルエチル)−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−6−オン(純度98.68%)21.05g(94.80mmol)を、アセトン/水=58.67g/11.77gの混合溶媒に溶解し、還流冷却器を備えた反応器に仕込み還流温度まで昇温した。該溶液を撹拌しつつ、還流状態でトリエチルアミン23.25g(229.80mmol)を4.8時間かけて滴下し、分解反応を行った。滴下終了後さらに1.5時間加熱還流した後、室温まで冷却した。該反応液に1規定塩酸210gを加えた後、ヘキサン300gを加えて数分間撹拌した。撹拌を停止した後数分間静置して有機層と水層を分離させた。得られた有機層をガスクロマトグラフで分析した結果、4−イソプロピルトロポロンの収率は71.2%であった。一方、ラクトン化合物の副生率は1.8%であった。
本実施例は、トリエチルアミンを滴下しながら7,7−ジクロロビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−6−オン化合物を分解するという本発明の必須要件を満足しているので、高収率でトロポロン化合物が得られているばかりでなく、トロポロン化合物からの蒸留分離が困難であるラクトン化合物の副生率が極めて少なかった。
【0032】
【実施例7】
7,7−ジクロロビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−6−オン(純度96.50%)8.52g(46.44mmol)を、ターシャリーブタノール/水/酢酸=62.99g/16.74g/16.73gの混合溶媒に溶解し、還流冷却器を備えた反応器に仕込み還流温度まで昇温した。該溶液を撹拌しつつ、還流状態でトリエチルアミン32.89g(325.08mmol)を2.5時間かけて滴下し、分解反応を行った。滴下終了後さらに2時間加熱還流した後、室温まで冷却した。該反応液に1規定塩酸100gを加えた後、ヘキサン200gを加えて数分間撹拌した。撹拌を停止した後数分間静置して有機層と水層を分離させた。得られた有機層をガスクロマトグラフで分析した結果、トロポロンの収率は85.2%であった。一方、ラクトン化合物は全く検出されなかった。
本実施例は、トリエチルアミンを滴下しながら7,7−ジクロロビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−6−オン化合物を分解するという本発明の必須要件を満足しているので、高収率でトロポロン化合物が得られているばかりでなく、トロポロン化合物からの蒸留分離が困難であるラクトン化合物の副生が全く認められなかった。
【0033】
【実施例8】
7,7−ジクロロ−3−(1−メチルエチル)−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−6−オンと7,7−ジクロロ−2−(1−メチルエチル)−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−6−オンの混合物(81.5:18.5)(純度94.30%)6.35g(27.33mmol)を、ターシャリーブタノール/水/酢酸=37.07g/9.84g/9.85gの混合溶媒に溶解し、還流冷却器を備えた反応器に仕込み還流温度まで昇温した。該溶液を撹拌しつつ、還流状態でトリエチルアミン19.36g(191.31mmol)を2.5時間かけて滴下し、分解反応を行った。滴下終了後さらに2時間加熱還流した後、室温まで冷却した。該反応液に1規定塩酸70gを加えた後、ヘキサン150gを加えて数分間撹拌した。撹拌を停止した後数分間静置して有機層と水層を分離させた。得られた有機層をガスクロマトグラフで分析した結果、4−イソプロピルトロポロンと5−イソプロピルトロポロンの混合物の収率は85.0%であった。一方、ラクトン化合物は全く検出されなかった。
本実施例は、トリエチルアミンを滴下しながら7,7−ジクロロビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−6−オン化合物を分解するという本発明の必須要件を満足しているので、高収率でトロポロン化合物が得られているばかりでなく、トロポロン化合物からの蒸留分離が困難であるラクトン化合物の副生が全く認められなかった。
【0034】
【実施例9】
7,7−ジクロロ−3−(1−メチルエチリデン)−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−6−オン(純度94.12%)7.55g(32.73mmol)を、ターシャリーブタノール/水/酢酸=44.39g/11.80g/11.78gの混合溶媒に溶解し、還流冷却器を備えた反応器に仕込み還流温度まで昇温した。該溶液を撹拌しつつ、還流状態でトリエチルアミン23.18g(229.11mmol)を2.5時間かけて滴下し、分解反応を行った。滴下終了後さらに2時間加熱還流した後、室温まで冷却した。該反応液に1規定塩酸75.5gを加えた後、ヘキサン100gを加えて数分間撹拌した。撹拌を停止した後数分間静置して有機層と水層を分離させた。得られた有機層をガスクロマトグラフで分析した結果、3−イソプロペニルトロポロンの収率は83.3%であった。一方、ラクトン化合物は全く検出されなかった。
本実施例は、トリエチルアミンを滴下しながら7,7−ジクロロビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−6−オン化合物を分解するという本発明の必須要件を満足しているので、高収率でトロポロン化合物が得られているばかりでなく、トロポロン化合物からの蒸留分離が困難であるラクトン化合物の副生が全く認められなかった。
【0035】
【実施例10】
7,7−ジクロロ−3−(1−メチルエチル)−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−6−オン(純度95.55%)5.30g(23.10mmol)を、トリエチルアミン/ターシャリーブタノール/水/酢酸=5.40g/31.1g/8.25g/8.25gの混合溶媒に溶解し、還流冷却器を備えた反応器に仕込み還流温度まで昇温した。該溶液を撹拌しつつ、還流状態でトリエチルアミン10.90g(107.7mmol)を2時間かけて滴下し、分解反応を行った。滴下終了後さらに2時間加熱還流した後、室温まで冷却した。該反応液に1規定塩酸を50.0g加えた後、ヘキサン50gを加えて数分間撹拌した。撹拌を停止した後数分間静置して有機層と水層を分離させた。得られた有機層をガスクロマトグラフで分析した結果、4−イソプロピルトロポロンの収率は85.8%であった。一方、ラクトン化合物は全く検出されなかった。
本実施例は、トリエチルアミンを滴下しながら7,7−ジクロロビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−6−オン化合物を分解するという本発明の必須要件を満足しているので、高収率でトロポロン化合物が得られているばかりでなく、トロポロン化合物からの蒸留分離が困難であるラクトン化合物の副生が全く認められなかった。
【0036】
【比較例1】
7,7−ジクロロ−3−(1−メチルエチル)−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−6−オン(純度98.60%)20.02g(90.1mmol)を、トリエチルアミン/アセトン/水=20.00g/61.12g/10.14gの混合溶媒に溶解し、還流冷却器を備えた反応器に仕込み、還流温度で7時間加熱還流した。その後、室温まで冷却し、1規定塩酸を202.5g加えた後、ヘキサン250gを加えて数分間撹拌した。撹拌を停止した後数分間静置して有機層と水層を分離させた。得られた有機層をガスクロマトグラフで分析した結果、4−イソプロピルトロポロンの収率は38.2%で、ラクトン化合物の副生率は15.3%であった。
本比較例は、トリエチルアミンを滴下しながら7,7−ジクロロビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−6−オン化合物を分解するという本発明の必須要件を満足していないので、トロポロン化合物の収率が低いばかりでなく、トロポロン化合物からの蒸留分離が困難であるラクトン化合物の副生率が高かった。
【0037】
【比較例2】
7,7−ジクロロ−3−(1−メチルエチル)−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−6−オン(純度98.60%)9.87g(44.4mmol)を、トリエチルアミン/アセトン/水=10.89g/33.93g/5.57gの混合溶媒に溶解し、還流冷却器を備えた反応器に仕込み、還流温度で4.5時間加熱還流した。その後、室温まで冷却し、1規定塩酸を103.2g加えた後、ヘキサン100gを加えて数分間撹拌した。撹拌を停止した後数分間静置して有機層と水層を分離させた。得られた有機層をガスクロマトグラフで分析した結果、4−イソプロピルトロポロンの収率は23.7%で、ラクトン化合物の副生率は23.6%であった。
本比較例は、トリエチルアミンを滴下しながら7,7−ジクロロビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−6−オン化合物を分解するという本発明の必須要件を満足していないので、トロポロン化合物の収率が低いばかりでなく、トロポロン化合物からの蒸留分離が困難であるラクトン化合物の副生率が極めて高かった。
【0038】
【比較例3】
7,7−ジクロロ−3−(1−メチルエチル)−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−6−オン(純度94.50%)5.02g(21.7mmol)を、トリエチルアミン/アセトン/水/酢酸=5.33g/16.61g/2.72g/1.32gの混合溶媒に溶解し、還流冷却器を備えた反応器に仕込み、還流温度で8時間加熱還流した。その後、室温まで冷却し、1規定塩酸を53.2g加えた後、ヘキサン50gを加えて数分間撹拌した。撹拌を停止した後数分間静置して有機層と水層を分離させた。得られた有機層をガスクロマトグラフで分析した結果、4−イソプロピルトロポロンの収率は43.3%で、ラクトン化合物の副生率は18.2%であった。
本比較例は、トリエチルアミンを滴下しながら7,7−ジクロロビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−6−オン化合物を分解するという本発明の必須要件を満足していないので、トロポロン化合物の収率が低いばかりでなく、トロポロン化合物からの蒸留分離が困難であるラクトン化合物の副生率が極めて高かった。
【0039】
【比較例4】
7,7−ジクロロ−3−(1−メチルエチル)−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−6−オン(純度94.97%)5.33g(23.10mmol)を、トリエチルアミン/ターシャリーブタノール/水/酢酸=16.36g/31.33g/8.33g/8.32gの混合溶媒に溶解し、還流冷却器を備えた反応器に仕込み還流温度で6時間加熱還流した。その後、室温まで冷却し、1規定塩酸を50.30g加えた後、ヘキサン50gを加えて数分間撹拌した。撹拌を停止した後数分間静置して有機層と水層を分離させた。得られた有機層をガスクロマトグラフで分析した結果、4−イソプロピルトロポロンの収率は46.8%で、ラクトン化合物の副生率は13.3%であった。
本比較例は、トリエチルアミンを滴下しながら7,7−ジクロロビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−6−オン化合物を分解するという本発明の必須要件を満足していないので、トロポロン化合物の収率が低いばかりでなく、トロポロン化合物からの蒸留分離が困難であるラクトン化合物の副生率が高かった。
【0040】
【発明の効果】
本発明により、医薬、農薬、化粧品原料等、またはその中間体として有用なトロポロン化合物を高収率かつ高純度で得ることが可能となる。
Claims (4)
- 7,7−ジクロロビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−6−オン化合物を、トリエチルアミンと水および親水性有機溶媒の存在下に分解するトロポロン化合物の製造方法において、トリエチルアミンを反応系に滴下しながら該分解を実施することを特徴とするトロポロン化合物の製造方法。
- ギ酸、酢酸またはプロピオン酸の群から選ばれる少なくとも1種からなる有機酸を、さらに添加して分解することを特徴とする請求項1記載のトロポロン化合物の製造方法。
- 親水性有機溶媒が、ターシャリーブタノールであることを特徴とする請求項1または2記載のトロポロン化合物の製造方法。
- トロポロン化合物が、4−イソプロピルトロポロンであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のトロポロン化合物の製造方法。
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