JP3043068B2 - ホルミルテトラヒドロピランの製造法 - Google Patents

ホルミルテトラヒドロピランの製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、一般式I のホルミルテトラヒドロピランを製造するための新規方
法に関する。
米国特許第2042220号明細書から、不飽和の1級およ
び2級アルコールを過剰量の酸素を用いて360〜550℃で
金属触媒、例えば銅−および銀触媒の存在下に相応する
アルデヒドに酸化することができることは、公知であ
る。この触媒は、合金、金属化合物または元素状金属で
あることができる。好ましいのは、活性化された触媒で
あり;活性化の処理として、金属の表面アマルガム化お
よび引続く金属表面の加熱が記載される。更に、ドイツ
連邦共和国特許出願公告第2041976号明細書から、公知
方法の場合には、著量の望ましくない副生成物が形成さ
れることが認められる。
ドイツ連邦共和国特許出願公開第2517859号明細書に
は、本質的に酸素の不在下で150〜300℃で、0.01〜1.5m
2/gの比表面積を有する銅触媒を用いての不飽和アルコ
ールの脱水素が記載されている。出発物質としてのα,
β−不飽和アルコールの場合には、β,γ−不飽和アル
デヒドおよび飽和アルデヒドが副生成物として形成さ
れ;α,β−不飽和アルデヒドの選択性は僅かである
(第2頁、最終段落)。このような混合物は、費用のか
かる分離処理で複数の成分に分解されなければならな
い。
ドイツ連邦共和国特許出願公告第2020865号明細書お
よびドイツ連邦共和国特許出願公告第2041976号明細書
には、α,β−不飽和アルデヒドへのβ,γ−不飽和ア
ルコールもしくはα,β−不飽和アルコールの脱水素が
記載されている。脱水素用触媒としては、混合触媒、例
えば銅と銀とからなるものも挙げられる。しかし、著量
の求核性物質を添加しなければならないことは、不利で
ある。3−メチル−3−ブテン−1−オールの変換の場
合には、不完全な変換の際にのみ良好な結果が得られ、
このことは、ドイツ連邦共和国特許出願公告第2243810
号明細書の教示によれば、反応しなかった出発物質の分
離の際に困難をまねきうる。
3−メチル−3−ブテン−1−オールをドイツ連邦共
和国特許出願公告第2517859号明細書の方法により酸素
の添加なしに金属銅を用いて脱水素化した場合には、著
量のイソバレルアルデヒドが生成され、触媒の活性は、
数日後に急速に減少し、したがってしばしば再生しなけ
ればならない。
フランス国特許第2231650号明細書には、アルデヒド
およびケトンを相応するアルコールから空気酸化によっ
て250〜600℃で金触媒の存在下に製造することが記載さ
れている。金触媒の利点は、銅触媒および銀触媒と比較
して高い選択性にあり、したがって副生成物の形成は減
少される。この方法の場合の欠点は、高い触媒の費用に
ある。それというのも、純金との接触を使用するからで
ある。
ドイツ連邦共和国特許出願公告第2715209号明細書お
よび欧州特許第55354号明細書には、3−アルキル−ブ
テン−1−オールを、銀結晶および/または銅結晶の層
からなる触媒を用いて分子状酸素の添加下に酸化脱水素
することが記載されている。この方法の欠点は、純銀の
使用によって高い触媒の費用が生じ、層構造中の定義さ
れた触媒の粒度もしくは粒度分布を使用し、場合によっ
てはむしろ銅結晶および銀結晶からなる層の一定の混合
物を使用する場合にのみ良好な選択性が達成されうるこ
とにある。このことは、反応器の費用のかかる充填なら
びに費用のかかる触媒の回収を意味する。その上、この
場合に使用された高い反応温度で金属結晶の焼結が起こ
り、このことにより圧力の上昇および僅かな可使時間が
生じる。
特開昭60−246340号公報には、300〜600℃で酸素およ
び担持触媒の存在下に3−メチル−2−ブテン−1−オ
ールを3−メチル−2−ブテン−1−オールに気相酸化
することが記載されているが、しかしこの場合触媒は、
複雑な方法で製造することができる。更に、96.6%の良
好な選択性は、僅かな変換率によって得られなければな
らず、したがってこの方法は、工業的目的のためには殆
ど考慮に入れられない。
特開昭58−059933号公報には、アルコールを付加的に
燐を含有する銀触媒の存在下に酸化脱水素化することに
よってアルデヒドおよびケトンを製造することが記載さ
れている。反応の選択性を維持するために、アルコール
流中に付加的に燐化合物は導入され、したがって生成物
の汚染は甘受されなければならない。
欧州特許出願公開第263385号明細書の教示によれば、
脂肪族および芳香脂肪族の第1級アルコールおよび2級
アルコールは、高められた温度で酸素を用いて銅−、銀
−および/または銀触媒の存在下に相応するアルデヒド
またはケトンに酸化されうるが、しかし触媒および反応
器に関連して極めて特殊な条件を厳守しなければならな
い。更に、なおいっそう高い変換率が望まれる。
相応するヒドロキシメチルテトラヒドロフランの脱水
素化によるホルミルテトラヒドロピランの合成は、記載
された刊行物から知ることができない。
アルデヒドおよびケトンを製造するためのこれまで公
知の方法は、簡単で経済的な運転、長い触媒可使時間お
よび反応工程の選択性を考慮すれば、ホルミルテトラヒ
ドロピランの工業的製造に殆ど不適当である。更に、ヒ
ドロキシメチルテトラヒドロピランに対する前記酸化方
法の使用可能性は、極めて疑わしいものである。それと
いうのも、周知のように環式エーテルは、酸素と一緒に
なって特に迅速に過酸化物を形成するからである(例え
ば、オルガニクム(Organikum),第15版の第2刷,VEB
Deutscher Verlagder Wissenschaten社(Berlin
社)刊1981,第807頁、参照)。それによれば、気相中で
のヒドロキシメチルテトラヒドロピランの連続的酸化
は、ホルミルテトラヒドロピランを生じないかまたは僅
かな選択性でのみホルミルテトラヒドロピランを生じる
にすぎない。更に、爆発性副生成物を形成する方法は、
酸素の使用下で高い温度での酸化方法には工業的に不適
当であると思われる。
従って、ホルミルテトラヒドロピランは、常法で、例
えば 1.オキシピランから − アルコキシメチルマグネシウムハロゲン化物とゲリ
ニャール反応させ、さらに処理生成物を塩化アセチルと
反応させるかまたは酸により脱水素化し、かつ最後に加
水分解し[ケミカル アブストラクツ(CA)79,66132g:
Arm Khim.Zh.26,227(1973);CA 79,126228e:Dokl.Vsc
s.Konf.Khim.Atselinena 4th,384(1972);CA 76,2502
9y:Arm Khim.Zh.24,503(1971)]; − アルコキシメチレントリフェニルホスホランとウィ
チヒ反応させ[CA 100,68212j:Arm.Khim.Zh.27,945(1
974)]; − ダルツェン(Darzen)の方法によりテトラヒドロピ
ラニリデングリシジルエステルに変換し、かつ処理生成
物をアルカリ加水分解する[CA 87,151967t:Arm Khim.
Zh.30,516(1977);CA 94,30479w:Sint.Geterotsikl.S
oedin 11,25(1979);CA 77,48187k:Arm.Khim.Zh.25,1
73(1972);CA 87,23051c:ソ連特許第550389号]こと
によって溶液で得られ; 2.− 4−ピランアルデヒドを4,8−ジオキサビシクロ
[5,1,0]−オクタ−2,5−ジエンの転移によって得られ
たPd/CaCO3触媒を用いて水素化し[アンゲヴァンテ ヒ
ェミー(Angew.Chem.86,742(1974)]; − テトラヒドロピラン−カルボン酸クロリドをローゼ
ンムント(Rosenmund)の方法によりPd/BaSO4触媒を用
いて水素化し[コレクト(Collect.)7,430(193
5)]; − アルコキシ−またはアリールオキシ置換されたアル
ケンを1−カルボキシ−2−ホルミル置換されたアルケ
ンでシクロ付加することによって得ることができる2−
フェノキシ−および2−アルコキシ置換された2,3−ジ
ヒドロピランを水素化することによって溶液で得られ: 3)テトラヒドロ−γ−ピロンをジアゾメタンで環拡張
し、処理生成物を4−ホルミルテトラヒドロピランに転
移させることによって溶液で得られ; 4)4−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチル−テトラヒ
ドロピランまたは1,6−ジオキサスピロ[2,5]−オクタ
ンを高められた温度で触媒で処理することによって溶液
で得られる[ドイツ連邦共和国特許出願公開第3630614
号明細書]。
しかし、記載した方法は、工業的規模ではホルミルテ
トラヒドロピランの合成にあまり適当ではない。それと
いうのも、出発化合物は、取り扱いが困難であるかまた
は比較的高価であり、多数の処理工程による収量は不満
足なものであるからである。即ち、アルコキシメチル−
マグネシウムハロゲン化物およびアルコキシメチレン−
トリフェニルホスホランの製造のためにハロゲン化メチ
ルエーテルが必要とされるが、しかしこのハロゲン化メ
チルエーテルは、強い毒性の性質のために望ましいもの
ではない。
ダルツェンのグリシドエステル方法によれば、置換さ
れた4−ホルミルテトラヒドロピランは、最大70%の収
率で選られる。しかし、この合成方法は、置換されてい
ないホルミルテトラヒドロピランの製造のためには非経
済的である。それというのも、望ましい生成物は、極め
て僅かな収率でのみ得られるからである。
4−ピランアルデヒドの水素化による4−ホルミルテ
トラヒドロピランの製造は、同様に工業的に費用がかか
る。それというのも、前駆生成物、即ち4,8−ジオキサ
ビシクロ[5,1,0]−オクタ−2,5−ジエンは、入手する
のが著しく困難であるからである[Angew.Chem.86,742
(1974)]。コレクト(Collect.)7,430(1935)に記
載された、ローゼンムントによるテトラヒドロピラン−
カルボン酸クロリドの還元の場合、処理生成物には、融
点が記載されており(135℃)、これに対して4−ホル
ミルテトラヒドロピランは、室温および常圧で無色の低
粘稠な液体である。恐らく、固体は4−ホルミルテトラ
ヒドロピランの高分子量付加物である。それというの
も、この化合物は、周知のように、容易に二量化される
かまたは4−カルボキシ−テトラヒドロピランに空気酸
化されるからである[ヒェミッシェ ベリヒテ(Chem.B
er.)91,1589(1985)]。ジアゾメタンを用いてのテト
ラヒドロ−γ−ピロンの環拡張による4−ホルミルテト
ラヒドロピランの製造は、極めて不満足な収率で進行し
(42%)、したがって工業的合成には、別の記載した方
法と同様に殆ど不適当である。
若干の場合には、酸化条件下でのホルミルテトラヒド
ロピランの合成も記載されたが、しかしこの場合には、
常に非連続的に不活性の溶剤または溶剤混合物の存在下
で作業される: − 2−ホルミルテトラヒドロピランへのジメチルスル
ホキシド/水中の銀(II)−ピコリネートを用いての2
−ヒドロキシメチル−テトラヒドロピランの酸化、勿
論、この場合収率は単に59%である[カナディアン ジ
ャーナル オブ ケミストリー(Canad.J.Chem.)47,16
49(1969)]; − 2−ホルミル−4−メチル−テトラヒドロピランへ
の例えば塩化メチレンまたはアセトン中のクロム酸また
はピリジン−クロルクロメートのような酸化剤を用いて
の2−ヒドロキシメチル−4−メチルテトラヒドロピラ
ンの酸化[特開昭54−55570号公報]。刊行物アクタ
ケミカ スカンディナビカ(Acta Chem.Scand.),Ser.B
28(1974)、テトラヘドロンレターズ(Tetrahedron Le
tt.)23,4305(1982)、カルボヒドレート リサーチ
(Carbohydr.Res.)150,163(1986)およびズィンテー
ズィス(Synthesis),70(1971)には、糖中のヒドロキ
シメチル基を酸化する方法が記載されている。しかし、
この方法は、糖のケタール構造のために直ちにヒドロキ
シメチル−テトラヒドロピランに転用することができな
い。
従って、本発明は、ホルミルテトラヒドロピランIを
製造するための簡単で工業上経済的な方法を提供すると
いう課題を基礎とするものであった。
それによれば、一般式II のヒドロキシメチルテトラヒドロピランを銅−、銀−お
よび/または金触媒の存在下に脱水素化することによっ
て特徴付けられる、式Iのホルミルテトラヒドロピラン
の製造方法が見い出された。
出発物質として使用される2−ヒドロキシメチル−、
3−ヒドロキシメチル−および4−ヒドロキシメチルテ
トラヒドロピランIIは、例えば相応するテトラヒドロピ
ラン−カルボン酸エステルを公知方法により還元するこ
とによって得ることができる。
脱水素化は、還元条件下または有利に酸化条件下で行
なうことができる。酸化剤としては、殊に純粋な形また
は有利に窒素、アルゴンおよび二酸化炭素との混合物と
しての酸素が適当であり、この場合には、不活性ガス1
モルに対して酸素5〜50モル%の混合割合が望ましい。
選択性を向上させるために、水蒸気を不活性ガスとして
使用するかまたは不活性ガスの成分として使用すること
は、好ましい。
特に有利には、大気の空気酸素が酸化剤として使用さ
れる。
酸化剤の量は、重要ではなく;完全な反応には、ヒド
ロキシメチルテトラヒドロピランII 1モル当たり酸素
(O2)少なくとも0.5モルが必要とされる。選択性を向
上させるために、約20〜50モル%の僅かな酸素量では望
ましくない場合には、50〜400モル%の量の酸素を使用
するのが好ましい。
還元条件下で酸素なしに作業する場合には、触媒の失
活を回避するために、II 1モル当たり約0.6モルまで
の微少量の酸素の存在下での反応の実施が望ましい。
脱水素化に適当な触媒は、銅、銀、金またはこれらの
金属の合金もしくは混合物である。特に好ましいのは、
銀含有触媒、殊に銀表面を有するステアタイトからなる
触媒である。また、記載した金属と水素化に対して不活
性の他の物質との混合物も可能である。
触媒は、金属の形で存在することもでき、ならびにシ
リカゲル、酸化アルミニウムおよび粘土のような不活性
担体に結合して存在することもできる。
触媒担体は、なお不活性の添化剤、例えば塩基性成
分、例えばアルカリ金属−およびアルカリ土類金属酸化
物、殊に酸化ナトリウムおよび酸化カリウム、アルカリ
金属−およびアルカリ土類金属炭酸水素塩、アルカリ金
属−およびアルカリ土類金属酢酸塩ならびにアルカリ金
属−およびアルカリ土類金属安息香酸塩を含有すること
もできる。好ましいのは、主として二酸化珪素からなる
触媒担体である。
金属触媒は、電気分解により析出された結晶の形で使
用されるのが好ましく、この場合結晶の粒径は、有利に
0.1〜10mmの間にある。
不活性担体に結合している触媒の場合には、触媒物質
の層厚は、5〜25μmであるのが望ましく、この場合平
均粒径は、特に有利に1.6〜2.0mmである。
一般に、180〜750℃、特に200〜600℃の温度で作業さ
れる。還元条件下で方法を実施する場合には、200〜280
℃の温度が有利であり;これに対して、酸化方法の変法
の場合には、350〜600℃の温度が特に有利である。
圧力に関連する特別な条件は、不必要であり;したが
って、通常、反応は大気圧で行なわれる。
本発明による方法は、非連続的にも連続的にも実施す
ることができる。連続的作業方法の場合には、反応成分
は極微粒状の触媒からなる流動床上に導かれるかまたは
特に触媒固体定上に導かれ、この場合層厚は、5〜30c
m、殊に10〜20cmである。
1つの好ましい実施態様の場合には、ヒドロキシメチ
ルテトラヒドロピランIIは、不活性ガス中、例えば窒
素、アルゴンまたは二酸化炭素中で蒸発され、ガス混合
物は、反応温度よりも低い約100〜250℃にある温度に加
熱され、引続き反応帯域中に導入され、この場合接触時
間は、有利に0.001〜5秒の間、殊に0.01〜0.2秒の間に
ある。
ガス状反応生成物は、溶剤または希釈剤、例えば炭化
水素、例えばn−ヘキサンおよびトリオール、エーテ
ル、例えばメチル−第三ブチルエーテルまたはホルムア
ミド、例えばジメチルホルムアミドを噴霧することによ
って冷却され、かつ凝縮される。
ホルミルテトラヒドロピランの二量体化を回避するた
めに、ガス状反応生成物を所望の場合には固体の弱塩基
上に導くかまたはガス状反応生成物を安定性媒体中、例
えば水、水と混和性の有機溶剤中または有利に弱塩基の
水溶液中に導入するのが好ましい。
この場合、弱塩基としては、殊にアルカリ土類金属炭
酸水素塩、例えば炭酸水素ナトリウムおよび炭酸水素カ
リウム、アルカリ土類金属酢酸塩、例えば酢酸ナトリウ
ムおよび酢酸カリウムならびにアルカリ土類金属安息香
酸塩、例えば安息香酸ナトリウムおよび安息香酸カリウ
ムがこれに該当する。
反応混合物の後処理は、常法通りに行なわれ、したが
ってこれについての詳細な記載は、割愛することとす
る。
粗製生成物の僅かな不純物は、主として副生成物の形
成により、例えばメチレン−テトラヒドロピランの形成
下に水を除去することによってかまたはテトラヒドロピ
ラン環を開環することによって生じる。
本発明方法により簡単な方法で良好な選択性をもって
高い収率で得ることができるホルミルテトラヒドロピラ
ンIは、植物保護剤および薬剤を合成するための有用な
中間生成物である。殊に、このホルミルテトラヒドロピ
ランIは、例えば欧州特許出願公開第070370号明細書お
よび欧州特許出願公開第142741号明細書に記載されてい
るように、除草剤または植物成長を調整するシクロヘキ
サン−1,3−ジオンを合成するための重要な出発生成物
である。ホルミルテトラヒドロピランから出発する、5
−テトラヒドロピラニル−シクロヘキサン−1,3−ジオ
ンに使用可能な合成方法は、例えば欧州特許出願公開第
352465号明細書および欧州特許出願公開第124041号明細
書から認めることができる。
実施例1 直径1.2cmの管内に、銀4.2重量%で被覆されたステア
タイト球からなる厚さ10cmの触媒層を導入した。この触
媒層に、450℃および大気圧で、毎時間4−ヒドロキシ
メチルテトラヒドロピラン33.2g(0.286モル)、窒素46
Nl(標準リットル)(2.05モル)および空気46Nlからな
るガス混合物を連続的に導通させた。反応帯域への導通
後、ガス状反応混合物を20〜25℃に冷却し、生成物の安
定化のために炭酸水素ナトリウム1重量%を含有する水
の中に導入した。水相を常法と同様に後処理した。変換
率:>99%;アルデヒドの選択性:80%。
実施例2 実施例1と同様にして、毎時間4−ヒドロキシメチル
テトラヒドロピラン55.5g(0.478モル)、窒素78Nl(3.
48モル)および空気78Nlの組成を有するガス混合物を反
応させた。変換率:>99%;アルデヒドの選択性:83
%。
実施例3 実施例1と同様にして、毎時間4−ヒドロキシメチル
テトラヒドロピラン33.7g(0.290モル)、窒素45.5Nl
(2.038モル)および空気45.5Nlの組成を有するガス混
合物を反応させた。変換率:94%;アルデヒドの選択性:
90%。
実施例4 毎時間4−ヒドロキシメチルテトラヒドロピラン24g
(0.21モル)、窒素90Nl(4.02モル)および空気30Nlか
ら構成された連続的ガス流を380℃および大気圧で、銅
からなるラッシヒリングで充填された円筒形の反応管
(容積0.1 )に導通させた。反応帯域への貫流後、
ガス状反応混合物を20〜25℃に冷却し、生成物に対して
通常行なうのと同様に後処理した。変換率:54%;アル
デヒドの選択性:89%。
実施例5 本試験には、銅15重量%および酸化ナトリウム1.2重
量%からの被膜を有するシリカゲルからなるストランド
の形の触媒を使用した。毎時間4−ヒドロキシメチルテ
トラヒドロピラン100g(0.86モル)、窒素200Nl(8.93
モル)および水素10Nl(0.45モル)から構成された連続
的ガス流を220℃および大気圧で、触媒の長さ10mmのス
トランド(直径4mm)で充填された円筒形の反応管(容
積1.0 )に導通させた。反応帯域への貫流後、ガス
状反応混合物を20〜25℃に冷却し、1重量%の酢酸カリ
ウム水溶液中に導入した。引続き、水相を生成物に対し
て通常行なうのと同様に後処理した。変換率:53%;ア
ルデヒドの選択性:94%。
240時間の運転後、変換率およびアルデヒドの選択性
に関連して触媒の老化は、なお全く確認することができ
なかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヘンケルマン,ヨッヘム ドイツ連邦共和国、D−6700、ルートヴ ィヒス ハーフェン、メリアンシュトラ ーセ、5 (72)発明者 キュッケンヘーナー,トーマス ドイツ連邦共和国、D−6710、フランケ ンタール、ザイデルシュトラーセ、2 (72)発明者 シュピーグラー,ヴォルフガング ドイツ連邦共和国、D−6520、ヴォルム ス、27、ヴェストプロイセンシュトラー セ、5 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 309/06 CA(STN)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式I のホルミルテトラヒドロピランを製造する方法におい
    て、 一般式II のヒドロキシメチルテトラヒドロピランを銅−、銀−お
    よび/または金触媒の存在下に脱水素化することを特徴
    とする、一般式Iのホルミルテトラヒドロピランの製造
    法。
  2. 【請求項2】脱水素化を還元条件下で行なう、請求項1
    記載の方法。
  3. 【請求項3】脱水素化を酸化条件下で行なう、請求項1
    記載の方法。
  4. 【請求項4】酸素または空気を酸化剤として使用する、
    請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】脱水素化を180〜750℃の温度で行なう、請
    求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】処理生成物を、所望の場合には弱塩基の存
    在下に、水中に導入することによって安定化する、請求
    項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
  7. 【請求項7】触媒が金属の形で存在するかまたは不活性
    担体に結合して存在する、請求項1から6までのいずれ
    か1項に記載の方法。
  8. 【請求項8】触媒が二酸化珪素含有担体を含有する、請
    求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
  9. 【請求項9】触媒担体が弱塩基を含有する、請求項7ま
    たは8に記載の方法。
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