JP5925627B2 - 保湿剤 - Google Patents

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本発明は、保湿剤に関する。より詳細には、本発明は、メチルブタントリオールを保湿性有効成分として含む優れた保湿剤に関する。さらに詳細には、本発明は、3−メチルブタン−1,2,3−トリオールおよび/または2−メチルブタン−1,2,4−トリオールを保湿性有効成分として含む保湿剤に関する。
保湿剤は、化粧品および皮膚外用剤などの製品の水分蒸発を防ぐと共に、製品中の水分調整にも重要な働きを持つことが求められ、さらにこれら製品を皮膚に使用した際には皮膚の保湿効果も求められる。
保湿剤には様々な種類があるが、比較的低分子で保湿効果が高い化合物として、グリセリン、プロピレングリコール、ブタンジオールなどの多価アルコールが一般的に知られ、使用されている。
この中でもグリセリンは、安価でまた分子内に3個の水酸基を持つため保湿効果が期待され、従来保湿剤として広く用いられている。しかしながら、グリセリンを化粧品または外用剤などの製品に保湿剤として十分な保湿効果を発現する量を配合すると、この製品を使用した場合にべたつき感やぬめり感の原因となり問題となっていた。
上記の問題を解決するために、以下の種々の方法が報告されている。例えば、1,4−ジブタンジオールまたは2−メチル−1,3−プロパンジオールなどのジオールとグリセリンとを併用することが提案されている(特許文献1)。また、タウリンと種々の保湿剤とを併用することが提案されている(特許文献2)。さらに、トリグリセリンとテトラグリセリンとを併用することが提案されている(特許文献3)。
しかしながら、上記の方法ではいずれも2成分以上を併用するものであるが、それらの配合比率の調整等製造工程が煩雑となり易い。
特開平11−158026号公報 特開2006−348000号公報 特開2012−62297号公報
本発明は、それ自体が高い保湿性を有し、べたつき感やぬめり感のない官能特性に優れた保湿剤を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、特定の構造を有するトリオールが、それ自体高い保湿性を有し、べたつき感やぬめり感のない官能特性に優れた保湿剤であることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば、以下の一般式(1):
[式中、R1およびR2のいずれか1つは水素原子を表し、他方は水酸基を表す]
で示されるトリオールを保湿性有効成分として含む保湿剤が提供される。
また、本発明によれば、前記トリオールが、3−メチルブタン−1,2,3−トリオールまたは2−メチルブタン−1,2,4−トリオールである前記の保湿剤が提供される。
また、本発明によれば、前記トリオールが、水性媒体中に0.1〜70重量%の範囲で含有される外用保湿液が提供される。
本発明によれば、優れた保湿効果を有する保湿剤およびそれを含む外用保湿液が提供される。
粘度の温度依存性を示す比較グラフである。 保湿効果の経時変化を示すグラフである。
以下、本発明を詳細に説明する。一般式(1):
で示されるトリオールにおいて、R1が水素原子、R2が水酸基である化合物は3−メチルブタン−1,2,3−トリオールであり、またR1が水酸基、R2が水素原子である化合物は2−メチルブタン−1,2,4−トリオールである。
これらのトリオールは低分子である炭素数5のイソブタン誘導体であり、グリセリンと同様に3つの水酸基を持っている。しかしながらこれらのトリオールは、グリセリンより高粘性という物性を持ちながら、高い保湿性を持っていることが明らかとなった。
3−メチルブタン−1,2,3−トリオールは、プレノールあるいは2−メチル−3−ブテン−2−オールを原料として製造できる。
すなわち、3−メチルブタン−1,2,3−トリオールの製造中間体として、これらアルコールを、タングステン酸、酸化バナジウム、酸化モリブデンなどの酸化金属触媒の存在下に、過酸化水素と反応させてエポキシ体を得る方法;過ギ酸、過酢酸などの有機過酸を反応させてエポキシ体を得る方法;モリブデンヘキサカルボニル (Mo(CO)6)や酸化バナジウムacac錯体(VO(acac)2)などの触媒存在下に、tert-ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシドなどの有機ヒドロペルオキシドと反応させてエポキシ体を得る方法などがある。
これらの方法で得られたエポキシ体をさらに水と反応させて目的物であるトリオール体が得られる。
なお、上記のプレノールまたは2−メチル−3−ブテン―2−オールのエポキシ化反応において、エポキシ体を単離せずにエポキシ化反応と同じ条件下で水を存在させると、エポキシ体を単離することなく、トリオールを直接得ることができる。
2−メチルブタン−1,2,4−トリオールは、イソプレノールを原料として製造できる。
すなわち、イソプレノールを出発原料として用い、上述した3−メチルブタン−1,2,3−トリオールの製造と同様な方法により、トリオールが得られる。
なお、イソプレノールはホルムアルデヒドとイソブテンより、プレノールはイソプレノールを異性化することで得られ、両者とも工業的に入手可能である。
前記の一般式(1)で示されるトリオールは通常、水に溶かして用いられる。
したがって、本発明で用いられる「水性媒体」とは、精製水、蒸留水、イオン交換蒸留水、ミリQ水を意味する。
前記トリオールは、水に対して0.1%〜70重量%、さらに0.5%〜50重量%の割合で含有されるのが好ましい。
前記トリオールの含有量が0.1重量%より低いと、保湿効果は得られにくく、また含有量が70重量%より高いと、べとつき感やぬめり感が強くなるため好ましくない。
前記トリオールと水を調合する場合には、水にトリオールを加えても良いし、トリオールに水を加えても良い。この際の調合温度は10〜90℃が好ましく、より好ましくは30〜60℃である。
上記の調合温度が10℃より低いと混合むらの原因となりまた90℃より高すぎると水が蒸発することにより調合液の濃度や粘性がばらつく原因となるので好ましくない。
一般式(1)で示されるトリオールの水溶液には、化粧品、外用医薬品および外用医薬部外品に用いられる公知の様々な添加物を加えて製品としてもよい。
具体的には、保湿性でさっぱり感が求められる用途、例えば化粧品としてはハンドクリーム、洗顔クリーム、マッサージクリーム、日焼け止めクリーム、ローション、リンス、シャンプーが挙げられ、医薬品としては軟膏剤、クリーム剤、シップ剤、テープ剤などを挙げることができる。
また工業製品としては、適宜含水率を保つことによって品質を維持向上できる保革クリーム、塗料およびインキが挙げられる。また、帯電性を嫌う製品、例えば繊維および複写紙などに添加あるいは浸透して用いることができる。
以下に具体的な合成例、試験例および製造例により本発明を説明するが、本発明はこれらの合成例、試験例および製造例によりなんら制限されるものではない。
合成例1
3−メチルブタン−1,2,3−トリオールの製造
500mlのフラスコにタングステン酸0.5g(0.002モル)と水100gを入れて、撹拌下、40〜60℃に加熱し、プレノール172g(2モル)と35%過酸化水素195g(2モル)を7.5時間かけて滴下し、滴下終了後さらに2時間50℃で攪拌した。
反応終了後、亜硫酸ナトリウムを加えて過酸化物を失活させた後、エバポレーターで濃縮し、3−メチルブタン−1,2,3−トリオールの粗生成物250.7gを得た。
この粗生成物をクライゼン式蒸留装置(減圧度0.6kPa、留出温度114〜118℃)で蒸留して本留分177.8gを得た。
この蒸留物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、目的とする3−メチルブタン−1,2,3−トリオールの純度は99.3%であった。得られた3−メチルブタン−1,2,3−トリオールは任意に水に溶解した。
ガスクロマトグラフィー分析条件:
カラム:OV−17パックド 2mカラム;
キャリヤーガス:窒素ガス;
インジェクション温度;220℃;
検出器温度:220℃;
カラムオーブン温度:80℃〜200(10℃/分の割合で昇温)。
なお、得られた3−メチルブタン−1,2,3−トリオールを冷蔵庫内に放置したところ、結晶化し、その融点は47℃であった。結晶は針状で白色〜淡黄色であった。
合成例2
2−メチルブタン−1,2,4−トリオールの製造
イソプレノール172g(2モル)、タングステン酸2.0g(0.008モル)、35%過酸化水素水195g(2モル)および水100gを用いて上記の製造例1と同様に反応を行い、2−メチルブタン−1,2,4−トリオールの粗生成物267.0gを得た。
この粗生成物をクライゼン式蒸留装置(減圧度0.6kPa、留出温度128℃〜130℃)で蒸留して本留分143.7gを得た。
この蒸留物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、目的とする2−メチルブタン−1,2,4−トリオールの純度は99.3%であった。得られた2−メチルブタン−1,2,4−トリオールは任意に水に溶解した。
試験例1
実施例1、実施例2、比較例1、比較例2
粘度特性の測定
製造例1および2でそれぞれ得られた3−メチルブタン−1,2,3−トリオールおよび2−メチルブタン−1,2,4−トリオール、さらにグリセリンの各温度において測定した粘度を示す。
図1から明らかなように、本発明で得られたトリオールはいずれもグリセリンよりも高い粘性を示すことがわかる。
保湿性評価方法
直径8mmのペーパーディスクNo.5C(桐山製作所製、重量0.006g)に試料10重量%濃度の水溶液10μLを滴下し、25℃、湿度20%に保たれた試験室内に放置した。滴下した後、3分後、6分後、これ以降は1分毎に20分間の重量を測定した。滴下開始直後の重量を基準に各時間の重量で水分残存率(%)を求めた。
実施例1は3−メチルブタン−1,2,3−トリオールを試料として用いた結果で、実施例2は2−メチルブタン−1,2,4−トリオールを試料として用いた結果である。なお、比較例1としてイオン交換水のみの場合、比較例2としてグリセリンを試料として用いた結果で、各結果を表1および図2にまとめた。
上記の表に示す結果から明らかなように、本発明で提供される3−メチルブタン−1,2,3−トリオールおよび2−メチルブタン−1,2,4−トリオールはの水分残存率をグリセリンの水分残存率と比較すると、グリセリンより15分経過以降2倍以上の保湿性を持っていることが明らかとなった。
試験例2
実施例4、実施例5、比較例3
保湿性水溶液(化粧水、外用保湿液)の調合を試みた。すなわち、50℃でイオン交換水に、実施例3として3−メチルブタン−1,2,3−トリオール、実施例4として2−メチルブタン−1,2,4−トリオール、および比較例3としてグリセリンを、以下の表2に示した重量比で添加して溶解させた。その後室温に冷却し、香料として柚子油を添加して混ぜた。
上記の表に示す結果から明らかなように、本発明で提供される3−メチルブタン−1,2,3−トリオールおよび2−メチルブタン−1,2,4−トリオールは、グリセリンより使用量が少なくても、良好な官能性が得られることがわかった。
製造例
化粧品および皮膚外用剤としては、例えば以下の処方に従って公知ので化粧料を製造することが可能である。
本発明によれば、優れた保湿性を有する保湿剤を提供することができる。

Claims (3)

  1. 以下の一般式(1):
    [式中、RおよびRのいずれか1つは水素原子を表し、他方は水酸基を表す]
    で示されるトリオールを保湿性有効成分として含む保湿剤。
  2. 前記トリオールが、3−メチルブタン−1,2,3−トリオールまたは2−メチルブタン−1,2,4−トリオールである請求項に記載の保湿剤。
  3. 請求項1または2に記載のトリオールが、水性媒体中に0.1〜70重量%の範囲で含有される外用保湿液。
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