JP2016060395A - 自動車のボンネット構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両上方からの衝突荷重を吸収する衝撃吸収性と、ボンネットアウタパネル41の支持剛性とを両立して確保できる自動車1のボンネット構造を提供することを目的とする。【解決手段】ボンネットアウタパネル41とボンネットインナパネル42とでボンネット4を構成した自動車1のボンネット構造であって、ボンネットインナパネル42の先端に備えたボンネットスティフナ46を、スティフナ本体部461と前方脚部462と後方脚部463とで一体形成し、スティフナ本体部461に、車両前後方向に沿って開口した前方作業孔465及び後方作業孔466と、前方作業孔465及び後方作業孔466の間で車幅方向に延びる幅溝ビード467と、幅溝ビード467の両端近傍で車両前後方向に延びる前後溝ビード468とを備え、幅溝ビード467を車両後方に湾曲した形状に形成し、前後溝ビード468を車幅方向外側に湾曲した形状に形成したことを特徴とする。【選択図】図6

Description

この発明は、例えばアウタパネルとインナパネルとで構成した自動車のボンネットにおいて、アウタパネル及びインナパネルの間に介在してアウタパネルを支持するボンネットスティフナを備えた自動車のボンネット構造に関する。
自動車のボンネット構造は、車両前部におけるエンジンルームの上方を覆うボンネット(フード、あるいはエンジンフードともいう)と、ボンネットの後端近傍、及び車体を回転自在に軸支するヒンジと、車体側に設けたキャッチャーにボンネットの前端を着脱自在に連結するストライカなどで構成している。
例えば、特許文献1に記載の車両用フード構造は、車両の意匠面であるアウタパネル、及びアウタパネルと対面するインナパネルを一体的に接合したフードと、インナパネルにおける前端近傍の下面に設けたストライカと、ストライカの取付け部分を補強するストライカ補強板とで構成している。
さらに、特許文献1の車両用フード構造には、フードの前端近傍におけるアウタパネルとインナパネルとの間に、ストライカ補強板に対して対向配置されるとともに、インナパネルに接合されたフードスキン補強部(以下、「ボンネットスティフナ」という)を備えている。
このボンネットスティフナは、ボンネットの内部において、アウタパネルを車両下方から支持する補強部材としての機能と、車両上方からアウタパネルに加わる衝撃荷重を吸収する衝撃吸収部材としての機能とを兼ね備えている。
例えば、ボンネットを閉じる際、ボンネットスティフナは、押下されるアウタパネルを下方から支持して、アウタパネルがペコつくことを防止している。あるいは、車両の前部に衝突した衝突物がボンネットに乗り上げた際、ボンネットスティフナは、アウタパネルとともに押し潰されるように変形することで、車両上方からの衝突荷重を吸収して、衝突物に与える被害を抑制している。
ところで、このような自動車のボンネット構造において、車体側に設けたキャッチャーとストライカとが確実に係合するためには、ボンネットに対するストライカの取付け位置のズレを抑制する必要がある。
例えば、ストライカ補強板、及びストライカをインナパネルに取付けたあと、ボンネットスティフナを溶着すると、溶着の際の熱によってインナパネルに歪みが生じて、ボンネットに対するストライカの取付け位置がずれるおそれがあった。
これに対して、ボンネットスティフナをインナパネルに取付けたあと、ストライカ補強板、及びストライカをインナパネルに取付ける場合、ボンネットスティフナによって、治具や工具がストライカ補強板に届き難くなり、組付け性が低下するという問題があった。
そこで、特許文献1における中央後開口のように、治具や工具を通すサービスホールをボンネットスティフナに形成することで、治具や工具がストライカ補強板に届き易くなり、組付け性を確保することができる。
しかしながら、アウタパネルを車両下方から支持する補強部材であるとともに、車両上方からアウタパネルに加わる衝撃荷重を吸収する衝撃吸収部材であるボンネットスティフナに、サービスホールのような大きな開口を形成すると、その剛性が低下して、所望する効果を得られないおそれがあった。
特開2010−208556号公報
本発明は、上述の問題に鑑み、車両上方からの衝突荷重を吸収する衝撃吸収性と、アウタパネルの支持剛性とを両立して確保できる自動車のボンネット構造を提供することを目的とする。
この発明は、自動車の意匠面となるアウタパネル、及び該アウタパネルと対向するインナパネルで形成したボンネットと、車両前部における車体の後端近傍に対して、前記ボンネットの後端を開閉自在に軸支するヒンジと、前記車両前部における車体の前端近傍に対して、前記ボンネットの前端を着脱自在に連結するストライカと、前記インナパネルの上面に配設されて、前記ストライカが固定されるストライカ固定部とで構成した自動車のボンネット構造であって、前記インナパネルにおける前端近傍の上面に、前記アウタパネルを車両下方から支持するボンネットスティフナを備え、該ボンネットスティフナを、前記ストライカ固定部に対して車両上方に所定間隔を隔てて対向配置した略平板状のスティフナ本体部と、該スティフナ本体部、及び前記インナパネルを連結する連結部とで一体形成し、前記スティフナ本体部に、前記ストライカ固定部と対向するとともに、車両前後方向に並置するように開口形成した前方開口孔、及び後方開口孔と、前記前方開口孔、及び前記後方開口孔の間において、車両上方または車両下方に突設するとともに、車幅方向に延びる略溝状の幅溝部と、該幅溝部における車幅方向の両端近傍において、車両上方または車両下方に突設するとともに、車両前後方向に延びる略溝状の前後溝部とを備え、平面視において、前記幅溝部を、車両前後方向に突出するように湾曲した形状に形成し、前記前後溝部を、車幅方向に突出するように湾曲した形状に形成したことを特徴とする。
ストライカ固定部は、インナパネルとは別体で構成したストライカ連結部材、あるいはインナパネルに設けたネジ孔などとすることができる。
前記ボンネットスティフナは、発泡ウレタンなどの充填剤を介してアウタパネルを支持する、あるいは直接的に当接してアウタパネルを支持することができる。
上記前方開口孔、及び後方開口孔は、ストライカ固定部に対するサービスホール、あるいは軽量化のための肉抜き孔などとすることができる。
上記幅溝部は、平面視において、車両前方に突出するように湾曲した形状、あるいは車両後方に突出するように湾曲した形状とすることができる。
上記前後溝部は、平面視において、車幅方向外側に突出するように湾曲した形状、あるいは車幅方向内側に突出するように湾曲した形状とすることができる。
この発明により、車両上方からの衝突荷重を吸収する衝撃吸収性と、アウタパネルの支持剛性とを両立して確保することができる。
具体的には、幅溝部及び前後溝部をスティフナ本体部に形成したことにより、自動車のボンネット構造は、前方開口孔、及び後方開口孔近傍におけるスティフナ本体部の剛性低下を抑制することができる。
さらに、例えば、車幅方向に略直線状に延びる幅溝部、及び車両前後方向に略直線状に延びる前後溝部を形成した場合に比べて、ボンネットスティフナは、幅溝部及び前後溝部を湾曲した形状に形成したことにより、スティフナ本体部の剛性を向上することができる。
より詳しくは、例えば、指先で押下してボンネットを閉じた場合のように、スティフナ本体部における所定範囲に車両下方への荷重が加わると、所定範囲への引張荷重がスティフナ本体部における面内方向に生じることになる。
この際、幅溝部に作用する引張荷重の引張方向と、平面視における幅溝部の短手方向とが略一致すると、幅溝部は、溝形状の底部分を起点にして口開き変形し易い特徴がある。
例えば、略直線状の幅溝部の場合、平面視における短手方向が一様な方向となるため、幅溝部の短手方向と引張荷重の引張方向とが、車幅方向における広範囲で略一致し易くなる。このため、略直線状の幅溝部に引張荷重が作用すると、溝形状の底部分を起点とした口開き変形が発生するおそれがある。
これに対して、車両前後方向へ突出するように湾曲した幅溝部の場合、平面視における短手方向が一様な方向とならないため、引張荷重の引張方向と幅溝部の短手方向とが交差し易い、すなわち略一致し難くなる。
このため、湾曲した幅溝部、及び前後溝部は、引張荷重が作用しても、略直線状の幅溝部、及び前後溝部に比べて、溝形状の底部分を起点とした口開き変形を抑制することができる。これにより、ボンネットスティフナは、略直線状の幅溝部及び前後溝部に比べて、スティフナ本体部の剛性を向上することができる。
加えて、幅溝部の両端に近接して前後溝部を形成したことにより、ボンネットスティフナは、幅溝部における車幅方向の両端近傍を補強することができる。このため、ボンネットスティフナは、剛性変化点である幅溝部における車幅方向の両端に応力が集中することを抑制できる。
これにより、自動車のボンネット構造は、例えば、ストライカ固定部に対するサービスホールとなる前方開口孔、及び後方開口孔を開口形成した場合であっても、ボンネットスティフナの剛性を確保することができる。
このため、自動車のボンネット構造は、車両上方からの衝突荷重が加わった際、衝突荷重を十分吸収する前にボンネットスティフナが完全に押し潰されることを防止できる。
従って、自動車のボンネット構造は、湾曲した幅溝部及び前後溝部によって、車両上方からの衝突荷重を吸収する衝撃吸収性と、アウタパネルの支持剛性とを両立して確保することができる。
この発明の態様として、前記幅溝部を、車両後方へ向けて突出するように湾曲した形状に形成した場合、前記後方開口孔における車両前方側の前方縁端を、車両前方へ向けて突出するように湾曲した形状に形成し、前記幅溝部を、車両前方へ向けて突出するように湾曲した形状に形成した場合、前記前方開口孔における車両後方側の後方縁端を、車両後方へ向けて突出するように湾曲した形状に形成することができる。
この発明により、自動車のボンネット構造は、スティフナ本体部の変形をより抑制することができる。
具体的には、例えば、車両後方へ向けて突出するように湾曲した幅溝部に対して、後方開口孔の前方縁端を、車両後方へ向けて突出するように湾曲した形状に形成した場合、幅溝部の湾曲形状と、後方開口孔の前方縁端形状とが略平行となることで、後方開口孔と幅溝部との間における部分の剛性が低くなり易い。
このため、例えば、後方開口孔と幅溝部との間に車両上方からの荷重が加わった際、後方開口孔と幅溝部との間における変位量が大きくなり、幅溝部が口開き変形するおそれがある。
さらに、後方開口孔の前方縁端を、車両後方へ向けて突出するように湾曲した形状とした場合、後方開口孔の前方縁端における車幅方向の両端の曲率が大きくなるため、応力集中箇所となるおそれがある。
このため、後方開口孔に近接して幅溝部を形成した場合、幅溝部における車幅方向の両端、及び後方開口孔の前方縁端における車幅方向の両端に、より応力集中し易くなり、車両上方からの荷重が繰返し加わった際、亀裂が発生するおそれがある。
これに対して、車両後方へ向けて突出するように湾曲した幅溝部の場合、後方開口孔の前方縁端を、車両前方へ向けて突出するように湾曲した形状に形成したことにより、ボンネットスティフナは、幅溝部の湾曲形状と後方開口孔の前方縁端形状とが略平行となる場合に比べて、後方開口孔と幅溝部との間における剛性低下を抑制することができる。
さらに、車両前方へ向けて突出するように湾曲した形状に後方開口孔の前方縁端を形成したことにより、後方開口孔の前方縁端における車幅方向の両端の曲率を小さくすることができる。このため、ボンネットスティフナは、後方開口孔の前方縁端における車幅方向の両端に応力が集中することを抑制でき、かつより大きな大きさで後方開口孔を開口形成することができる。
加えて、後方開口孔に近接して幅溝部を形成した場合であっても、車幅方向の外側ほど、後方開口孔の前方縁端と、幅溝部とが離間することになる。このため、ボンネットスティフナは、車両上方からの荷重が繰返し加わった場合であっても、幅溝部における車幅方向の両端、あるいは前方縁端における車幅方向の両端からの亀裂の発生を抑制することができる。
さらにまた、車両前方へ向けて突出するように湾曲した幅溝部の場合、前方開口孔の後方縁端を、車両後方へ向けて突出するように湾曲した形状に形成することにより、ボンネットスティフナは、上述の効果と同様の効果を奏することができる。
従って、自動車のボンネット構造は、後方開口孔における前方縁端または前方開口孔における後方縁端と、幅溝部とを、向かい合うように突出した湾曲形状に形成したことにより、スティフナ本体部の変形をより抑制することができる。
またこの発明の態様として、前記スティフナ本体部における車幅方向の大きさを、前記ストライカ固定部よりも幅広に形成し、前記スティフナ本体部における前記前後溝部よりも車幅方向外側部分を、複数の略三角形状の三角開口孔によってトラス形状に形成することができる。
この発明により、自動車のボンネット構造は、アウタパネルを支持するのに必要な車幅方向の大きさ、及び剛性を維持したまま、スティフナ本体部を軽量化することができる。
さらに、前後溝部に隣接する三角開口孔の縁端形状と、前後溝部の湾曲形状とが略平行とならないため、ボンネットスティフナは、三角開口孔と前後溝部との間におけるスティフナ本体部の剛性低下を抑制することができる。
従って、自動車のボンネット構造は、スティフナ本体部における車幅方向外側部分をトラス形状に形成したことにより、車両上方からの衝突荷重を吸収する衝撃吸収性と、アウタパネルの支持剛性とをより確実に両立して確保することができる。
本発明により、車両上方からの衝突荷重を吸収する衝撃吸収性と、アウタパネルの支持剛性とを両立して確保できる自動車のボンネット構造を提供することができる。
本実施形態のボンネット構造を備えた自動車の車両前部における外観を示す外観斜視図。 車幅方向略中央で、かつ車両前後方向に沿った縦断面における自動車のボンネット構造を示す縦断面図。 ボンネットアウタパネルを取り外した状態におけるボンネットを平面視で示す平面図。 図2中における要部を拡大した要部拡大断面図。 ボンネットインナパネルに接合した状態におけるストライカ連結部材を平面視で示す平面図。 ボンネットインナパネルに接合した状態におけるボンネットスティフナを平面視で示す平面図。
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
本実施形態における自動車1のボンネット構造について、図1から図6を用いて詳しく説明する。
なお、図1は本実施形態のボンネット構造を備えた自動車1の車両前部3における外観斜視図を示し、図2は車幅方向略中央で、かつ車両前後方向に沿った縦断面における自動車1のボンネット構造の縦断面図を示し、図3はボンネットアウタパネル41を取り外した状態におけるボンネット4の平面図を示し、図4は図2中における要部を拡大した要部拡大断面図を示し、図5はボンネットインナパネル42に接合した状態におけるストライカ連結部材45の平面図を示し、図6はボンネットインナパネル42に接合した状態におけるボンネットスティフナ46の平面図を示している。
また、図中において、矢印Fr及びRrは車両前後方向を示しており、矢印Frは車両前方を示し、矢印Rrは車両後方を示している。さらに、矢印Rh及びLhは車幅方向を示しており、矢印Rhは車両右方向を示し、矢印Lhは車両左方向を示している。加えて、図2中の上方を車両上方とし、図2中の下方を車両下方とする。
まず、本実施形態における自動車1は、図1に示すように、乗員が乗り込む車室部2よりも車両前方に位置する車両前部3にエンジンルームを備えた車両であって、エンジンルームの上方を開閉自在に覆うボンネット4を備えている。
エンジンルームは、車両前端に配置したフロントバンパー5と、フロントバンパー5の後方において車幅方向両端に配置した左右一対のフロントフェンダ6と、フロントガラス7の下端を支持するとともに、車室部2の前壁となるダッシュパネル(図示省略)とで覆われた空間によって構成している。
なお、ダッシュパネルの上部は、図2に示すように、エンジンルームと車室部2とを車両前後方向で隔てるダッシュアッパパネル11と、ダッシュアッパパネル11の下端に接合されて、車両前方に延びるカウルフロントパネル12と、ダッシュアッパパネル11に対して車両前方で対面するとともに、カウルフロントパネル12の前端上面に接合したカウルグリルフロントパネル13と、カウルフロントパネル12に対して車両上方で対面するように設けたカウルグリルパネル14とで構成している。
さらに、カウルフロントパネル12の前端近傍における下面には、カウルフロントレインフォースメント15が接合され、カウルフロントパネル12とで車幅方向に延びる閉断面を形成している。
エンジンルームの上方を覆うボンネット4は、図3に示すように、その後端近傍における車幅方向外側に接合したボンネットヒンジ8を介して、車両前部3の車体に対して開閉自在に連結している。
このボンネットヒンジ8は、車体側ヒンジブラケット8aと、ボンネット側ヒンジブラケット8bとを回転自在に連結して構成している。この車体側ヒンジブラケット8aは、車室部2における車幅方向の両端から車両前方に延びるエプロンレインフォースメント(図示省略)の基部に配設したカウルサイドパネル9の上面に固定されている。一方、ボンネット側ヒンジブラケット8bは、ボンネット4の後端(後述するヒンジレインフォースメント43)に固定されている。
このように車両前部3の車体に開閉自在に連結されたボンネット4は、図2に示すように、車両の意匠面となる鋼板製のボンネットアウタパネル41と、ボンネットアウタパネル41と車両下方で対面するアルミ合金製のボンネットインナパネル42とを、車両上下方向で組み付けて一体的に構成している。
ボンネットアウタパネル41は、図2に示すように、その縁端を折り返して、ボンネットインナパネル42の縁端を挟持する、所謂、ヘミング加工によってボンネットインナパネル42を支持している。
ボンネットインナパネル42は、図3に示すように、平面視において、ボンネットアウタパネル41と略同等の大きさに形成している。
このボンネットインナパネル42には、図3に示すように、車幅方向の両端より内側の位置で、車両前後方向に延びる略凹溝状の側溝411,411と、車両前端より車両後方側の位置で、車幅方向に延びる略凹溝状の横溝412とで、車両後方が開口した略コ字状の枠溝413を形成している。
さらに、ボンネットインナパネル42には、車両左側の側溝411における後部と、車両右側の側溝411における後部とを、車幅方向で連結する略凹溝状の深絞り溝414を形成している。この深絞り溝414は、平面視において、車幅方向略中央が車両前方へ突出するように湾曲した形状に形成している。なお、深絞り溝414の深さは、側溝411,411、及び横溝412の深さよりも浅く形成している。
そして、ボンネットインナパネル42における略中央部分には、図2及び図3に示すように、ボンネットアウタパネル41の下面に近接するように車両上方へ向けて隆起した第1隆起部415を、枠溝413と深絞り溝414とによって形成している。換言すると、ボンネットインナパネル42における枠溝413と深絞り溝414とで囲われた部分は、ボンネットアウタパネル41の下面に近接するように隆起している。
さらに、ボンネットインナパネル42における深絞り溝414よりも車両後方部分には、ボンネットアウタパネル41の下面に近接するように車両上方に向けて隆起するとともに、ボンネットインナパネル42の後端と連続する第2隆起部416を形成している。
ボンネットアウタパネル41と対面する第1隆起部415の上面は、図2及び図3に示すように、車両前後方向に沿った縦断面が断面凸凹形状となるように形成している。
より詳しくは、第1隆起部415の上面は、前後方向に沿った縦断面が断面凹形状であって車幅方向に延びる凹部分を、車両前後方向に所定間隔を隔てて3つ形成している。これら3つの凹部分を、車両前方側から凹部分415a、凹部分415b、凹部分415cとする。
そして、第1隆起部415の上面には、前後方向に沿った縦断面が断面凸形状であって車幅方向に延びる凸部分を、3つの凹部分415a,415b,415cによって、車両前後方向に所定間隔を隔てて4つ形成している。
これら4つの凸部分を、凹部分415aより車両前方に位置する凸部分415d、凹部分415aと凹部分415bとの間に位置する凸部分415e、凹部分415bと凹部分415cとの間に位置する凸部分415f、及び凸部分415fよりも車両後方に位置する凸部分415gとする。
すなわち、第1隆起部415の上面は、凸部分と、凹部分とを車両前後方向に沿って交互に配置したことで、断面凸凹形状に形成している。
さらに、第1隆起部415における右側面と前面との境界部分には、図3に示すように、車両上下方向に長いスリット状の第1開口孔417を2つ開口形成している。同様に、第1隆起部415における左側面と前面との境界部分にも、車両上下方向に長いスリット状の第1開口孔417を2つ開口形成している。
加えて、第1隆起部415における傾斜した前面には、車幅方向両端近傍の位置に第2開口孔418を2つ開口形成している。
このようなボンネットインナパネル42の上面後端において、側溝411,411よりも車幅方向外側で車両上方に隆起した部分に、1対のヒンジレインフォースメント43を接合している。
ヒンジレインフォースメント43は、正面視略凹状を車両前後方向に延設して形成している。さらに、ヒンジレインフォースメント43の上面における車両前後方向略中央近傍には、車両前後方向に所定間隔を隔てて2つのウェルドナット43aを溶着している。
このヒンジレインフォースメント43は、ボンネットインナパネル42の上面後端に対して、2つのリベット43bを用いてリベット接合している。なお、ヒンジレインフォースメント43のウェルドナット43aには、ボンネットヒンジ8のボンネット側ヒンジブラケット8bをボンネットインナパネル42に取付ける際に用いるボルト(図示省略)が螺合する。
一方、ボンネットインナパネル42の前端近傍における車幅方向略中央の上面には、図4から図6に示すように、ストライカ44が連結されるストライカ連結部材45、及びボンネットアウタパネル41を車両下方から支持する鋼板製のボンネットスティフナ46を接合している。
ストライカ44は、図4に示すように、車両上方側が開口した側面視略コ字状に折り曲げ形成した略円柱状部材を、略平板状の平板部材に接合して一体的に形成している。このストライカ44は、エンジンルームの前端に設けたボンネットキャッチャー(図示省略)と係合することで、車体に対してボンネット4を着脱自在にしている。
ストライカ連結部材45は、ストライカ44が連結される鋼板製のリテーナ47と、ボンネットインナパネル42に接合されるアルミ合金製のストライカレインフォースメント48とを、リベット接合で接合して構成している。
リテーナ47は、図4及び図5に示すように、車両前後方向に沿った縦断面が、車両上方側が開口した断面凹形状であって、車幅方向に延設して形成している。
このリテーナ47には、車幅方向に所定間隔を隔てた位置に、ストライカ44の取付けに用いるボルト49の螺合を許容するウェルドナット47aを2つ溶着している。
さらに、リテーナ47におけるウェルドナット47aの間には、ストライカレインフォースメント48(後述する底部分481)とのリベット接合に用いるリベット47bが挿通する開口孔(図示省略)を形成している。
ストライカレインフォースメント48は、図4及び図5に示すように、車幅方向に所定の長さを有するとともに、ボンネットインナパネル42の横溝412に沿うように形成している。
より詳しくは、ストライカレインフォースメント48は、横溝412の底面と当接する底部分481と、底部分481の前端を前方斜め上方に延設するとともに、横溝412の前面と当接する前壁部分482と、底部分481の後端を後方斜め上方に延設するとともに、横溝412の後面と当接する後壁部分483とで一体形成している。
底部分481には、リベット47bの挿通を許容する2つの開口孔(図示省略)と、ボルト49の挿通を許容する2つの開口孔(図示省略)を開口形成している。
後壁部分483には、略三角形状の肉抜き孔483aを車幅方向に所定間隔を隔てて3つ開口形成している。
このような構成のストライカ連結部材45は、ボンネット4の内部において、ストライカ44の取付け箇所であるとともに、ストライカ44の取付け箇所を補強する補強部材として機能している。
ボンネットスティフナ46は、図4及び図6に示すように、車幅方向に長い平面視略矩形のスティフナ本体部461と、スティフナ本体部461の前端から車両前方に延びる2つの前方脚部462と、スティフナ本体部461の後端から車両後方に延びる3つの後方脚部463とで一体形成している。
スティフナ本体部461は、平面視略矩形の略平板状であって、ストライカ連結部材45に対して車両上方に所定間隔を隔てて対向するとともに、ボンネットアウタパネル41の下面と対面する位置に配置されている。なお、スティフナ本体部461における車幅方向の長さは、ストライカ連結部材45における車幅方向の長さよりも長く形成している。
このスティフナ本体部461には、外周縁よりも平面視内側において、外周縁に沿うような略環状の環状溝ビード464を形成している。なお、この環状溝ビード464は、図2に示すように、車両前後方向に沿った縦断面形状が、車両下方に向けて略半円状に突出した断面形状となるように形成している。
そして、平面視において、スティフナ本体部461における環状溝ビード464の内側には、車幅方向略中央において、車両前方側に2つの前方作業孔465と、2つの前方作業孔465の後方に1つの後方作業孔466を開口形成している。
さらに、スティフナ本体部461には、前方作業孔465と後方作業孔466との間において車幅方向に延びる幅溝ビード467と、幅溝ビード467の車幅方向両端近傍において車両前後方向に延びる2つの前後溝ビード468とを形成している。
加えて、前後溝ビード468よりも車幅方向外側の部分は、3つの平面視略三角形状の三角開口孔によって、平面視トラス形状に形成している。より詳しくは、車両前方側に頂点が位置する第1三角開口孔469を、前後溝ビード468の車幅方向外側に隣接して開口形成している。
さらに、第1三角開口孔469から車幅方向外側に所定間隔を隔てた位置に第1三角開口孔469より大きく、かつ車両後方側に頂点が位置する第2三角開口孔470を開口形成し、第2三角開口孔470から車幅方向外側に所定間隔を隔てた位置に第1三角開口孔469より小さく、かつ車両前方側に頂点が位置する第3三角開口孔471を開口形成している。
これら第1三角開口孔469、第2三角開口孔470、及び第3三角開口孔471によって、スティフナ本体部461における前後溝ビード468よりも車幅方向外側部分を、平面視トラス形状に形成している。
前方作業孔465、及び後方作業孔466は、ストライカ連結部材45のスポット溶接箇所SP1,SP2,SP3(図5参照)に対して、溶接機の先端が挿入可能な大きさに形成している。
より詳しくは、前方作業孔465は、図5及び図6に示すように、車両前後方向に長い平面視略矩形に開口形成している。この前方作業孔465は、ボンネットインナパネル42にボンネットスティフナ46を接合した状態において、ストライカレインフォースメント48における底部分481の後部から前壁部分482の基部近傍が露出する車両前後方向の長さで開口形成している。
さらに、前方作業孔465は、車幅方向外側の縁端が、ストライカレインフォースメント48における車幅方向の縁端よりも内側に位置するようにして、車幅方向に所定間隔を隔てて2つ開口形成している。
後方作業孔466は、図5及び図6に示すように、車幅方向に長い平面視長楕円形状における車両前方側の縁端を、車両前方へ突出するように湾曲させた形状で開口形成している。この後方作業孔466は、ストライカレインフォースメント48における車幅方向の長さより僅かに長い車幅方向の長さで、かつ平面視においてストライカレインフォースメント48の後壁部分483が露出する位置に開口形成している。
なお、上述した前方作業孔465、後方作業孔466、第1三角開口孔469、第2三角開口孔470、及び第3三角開口孔471は、バーリング加工によって開口したのち、フランジ状に折り曲げた縁端によって形成している。
幅溝ビード467は、図6に示すように、平面視において後方作業孔466における車幅方向の長さよりも車幅方向の長さが長く、かつ車幅方向中央が車両後方へ向けて突出するように湾曲した形状に形成している。なお、この幅溝ビード467は、図2に示すように、車両前後方向に沿った縦断面が、車両下方に向けて略半円状に突出した縦断面形状となるように形成している。
前後溝ビード468は、図6に示すように、平面視において前方作業孔465の前端近傍から、後方作業孔466の略中央近傍に至る車両前後方向の長さで、車幅方向外側に向けて突出するように湾曲した形状に形成している。
この前後溝ビード468は、車幅方向外側に湾曲した頂部近傍が、幅溝ビード467における車幅方向の端部に近接するように配設している。なお、前後溝ビード468は、幅溝ビード467と同様に、車幅方向に沿った縦断面形状が、車両下方に向けて略半円状に突出した縦断面形状となるように形成している。
前方脚部462は、スティフナ本体部461の前端から前方斜め下方に向けて延設するとともに、車幅方向に所定間隔を隔てて2つ形成している。この前方脚部462の前端は、ボンネットインナパネル42の横溝412よりも車両前方の縁端に接合可能に形成している。
後方脚部463は、スティフナ本体部461の後端から後方斜め下方に向けて延設するとともに、車幅方向に所定間隔を隔てて3つ形成している。この後方脚部463の後端は、横溝412の後面の上部、すなわち第1隆起部415の前面の上部に接合可能に形成している。
次に、上述したボンネットインナパネル42にボンネットスティフナ46を接合する工程、ボンネットインナパネル42に対してストライカ連結部材45を接合する工程、ストライカ連結部材45に対してストライカ44を連結する工程、及びボンネットインナパネル42にボンネットアウタパネル41を連結する工程について説明する。
まず、アルミ合金製のボンネットインナパネル42に対して、鋼板製のボンネットスティフナ46を所定の位置に配置したのち、ボンネットスティフナ46の前方脚部462、及び後方脚部463と、ボンネットインナパネル42とをスポット溶接などで溶着する。
その後、ボンネットインナパネル42とボンネットスティフナ46との間に、側方からストライカ連結部材45を挿入する。この際、ボンネットスティフナ46の前方作業孔465、及び後方作業孔466を介して、ボンネットインナパネル42に対するストライカ連結部材45の位置を位置決めする。
そして、ボンネットインナパネル42に対するストライカ連結部材45の位置決めが完了すると、ボンネットインナパネル42とアルミ合金製のストライカレインフォースメント48とをアルミスポット溶接などで溶着する。
この際、ボンネットスティフナ46の前方作業孔465を介して、ストライカレインフォースメント48の底部分481における溶接箇所SP1に向けて溶接機の先端を挿入し、ストライカレインフォースメント48の底部分481とボンネットインナパネル42とを溶着する。
同様に、前方作業孔465を介して、ストライカレインフォースメント48の前壁部分482における溶接箇所SP2に向けて溶接機の先端を挿入し、ストライカレインフォースメント48の前壁部分482とボンネットインナパネル42とを溶着する。
さらに、ボンネットスティフナ46の後方作業孔466を介して、ストライカレインフォースメント48の後壁部分483における溶接箇所SP3に向けて溶接機の先端を挿入し、ストライカレインフォースメント48の後壁部分483とボンネットインナパネル42とを溶着する。
ボンネットインナパネル42にストライカ連結部材45を接合したのち、ストライカ連結部材45とストライカ44とでボンネットインナパネル42を挟持するようにして、ボルト49を用いてストライカ44をストライカ連結部材45に取付ける。
その後、ボンネットインナパネル42の上面、及びボンネットスティフナ46の上面に、発泡ウレタン製の充填剤を塗布する。この充填剤は、ボンネットインナパネル42及びボンネットスティフナ46と、ボンネットアウタパネル41との間に介在して、車両上方からの荷重を吸収する緩衝材として機能する。換言すると、ボンネットスティフナ46は、充填剤P2(図2、及び図6参照)を介してボンネットアウタパネル41を支持している。
より詳しくは、ボンネットインナパネル42の第2隆起部416、及び第1隆起部415の凸部分415d,415e,415f,415gの上面に対して、車幅方向に所定間隔を隔てて点在するように充填剤P1を塗布する(図3参照)。
一方、ボンネットスティフナ46には、図6に示すように、環状溝ビード464よりも外側部分における車両後方側に対して、車幅方向に所定間隔を隔てて点在するように充填剤P2を4箇所に塗布し、環状溝ビード464よりも外側部分における車両側方側に対して、車両前後方向に所定間隔を隔てて点在するように充填剤P2をそれぞれ3箇所に塗布する。
加えて、環状溝ビード464よりも外側部分における車両前方側に対して、車幅方向に所定間隔を隔てて点在するように充填剤P2を9箇所に塗布する。この際、充填剤P2は、車両右側の第1三角開口孔469と、車両左側の第1三角開口孔469の間に対応する車幅方向の範囲に塗布している。
さらにまた、環状溝ビード464よりも内側部分において、車両左側の前方作業孔465と車両右側の前方作業孔465との間に充填剤P2を6カ所塗布し、前方作業孔465と前後溝ビード468との間に充填剤P2を2箇所塗布し、幅溝ビード467と後方作業孔466との間に充填剤P2を2箇所塗布する。
そして、前後溝ビード468よりも車幅方向外側では、前後溝ビード468の前端近傍に近接して充填剤P2をそれぞれ2箇所塗布するとともに、第2三角開口孔470と第3三角開口孔471との間に充填剤P2をそれぞれ1箇所塗布する。
このように充填剤P2は、ボンネットスティフナ46におけるストライカ44と対向する部分において、密集するように充填している。
ボンネットインナパネル42に対する充填剤P1の塗布、及びボンネットスティフナに対する充填剤P2の塗布が完了すると、車両上方からボンネットアウタパネル41を覆い被せたのち、ボンネットアウタパネル41の縁端にヘミング加工を施す。これにより、ボンネットアウタパネル41の縁端で、ボンネットインナパネル42を挟持したボンネット4を構成する。
以上のような構成を実現する自動車1のボンネット構造は、車両上方からの衝突荷重を吸収する衝撃吸収性と、ボンネットアウタパネル41の支持剛性とを両立して確保することができる。
具体的には、幅溝ビード467及び前後溝ビード468をスティフナ本体部461に形成したことにより、自動車1のボンネット構造は、前方作業孔465、及び後方作業孔466近傍におけるスティフナ本体部461の剛性低下を抑制することができる。
さらに、例えば、車幅方向に略直線状に延びる横溝ビード、及び車両前後方向に略直線状に延びる前後溝ビードを形成した場合に比べて、ボンネットスティフナ46は、幅溝ビード467及び前後溝ビード468を湾曲した形状に形成したことにより、スティフナ本体部461の剛性を向上することができる。
より詳しくは、例えば、指先で押下してボンネット4を閉じた場合、ボンネットアウタパネル41を介して充填剤P2がスティフナ本体部461を車両下方に押圧することになる。このため、充填剤P2の塗布位置が荷重入力箇所となり、荷重入力箇所への引張荷重が、スティフナ本体部461における面内方向に生じることになる。
この際、横溝ビードに作用する引張荷重の引張方向と、平面視における横溝ビードの短手方向とが略一致すると、横溝ビードは、溝形所の底部分を起点にして口開き変形し易い特徴がある。
例えば、略直線状の横溝ビードの場合、平面視における短手方向が一様に前後方向となるため、横溝ビードの短手方向と引張荷重の引張方向とが、車幅方向における広範囲で略一致し易くなる。このため、略直線状の横溝ビードに引張荷重が作用すると、溝形状の底部分を起点とした口開き変形が発生するおそれがある。
これに対して、車両前後方向へ突出するように湾曲した幅溝ビード467の場合、平面視における短手方向が一様な方向とならないため、引張荷重の引張方向と幅溝ビード467の短手方向とが交差し易い、すなわち略一致し難くなる。
このため、湾曲した幅溝ビード467、及び前後溝ビード468は、引張荷重が作用しても、略直線状の横溝ビード、及び前後溝ビードに比べて、溝形状の底部分を起点とした口開き変形を抑制することができる。これにより、ボンネットスティフナ46は、略直線状の幅溝ビード及び前後溝ビードに比べて、スティフナ本体部461の剛性を向上することができる。
加えて、幅溝ビード467の両端に近接して前後溝ビード468を形成したことにより、ボンネットスティフナ46は、幅溝ビード467における車幅方向の両端近傍を補強することができる。このため、ボンネットスティフナ46は、剛性変化点である幅溝ビード467における車幅方向の両端に応力が集中することを抑制できる。
これにより、自動車1のボンネット構造は、ストライカ連結部材45に対するサービスホールである前方作業孔465、及び後方作業孔466を開口形成した場合であっても、ボンネットスティフナ46の剛性を確保することができる。
このため、自動車1のボンネット構造は、車両上方からの衝突荷重が加わった際、衝突荷重を十分吸収する前にボンネットスティフナ46が完全に押し潰されることを防止できる。
従って、自動車1のボンネット構造は、湾曲した幅溝ビード467及び前後溝ビード468によって、車両上方からの衝突荷重を吸収する衝撃吸収性と、ボンネットアウタパネル41の支持剛性とを両立して確保することができる。
また、車両後方へ向けて突出するように湾曲した形状に幅溝ビード467を形成し、後方作業孔466における車両前方側の前方縁端を、車両前方へ向けて突出するように湾曲した形状に形成したことにより、自動車1のボンネット構造は、スティフナ本体部461の変形をより抑制することができる。
具体的には、車両後方へ向けて突出するように湾曲した幅溝ビード467に対して、後方作業孔の前方縁端を、車両後方へ向けて突出するように湾曲した形状に形成した場合、幅溝ビード467の湾曲形状と、後方作業孔の前方縁端形状とが略平行となることで、後方作業孔と幅溝ビード467との間における剛性が低くなり易い。
このため、例えば、後方作業孔と幅溝ビード467との間に車両上方からの荷重が加わった際、後方作業孔と幅溝ビード467との間における変位量が大きくなり、幅溝ビード467が口開き変形するおそれがある。
さらに、後方作業孔の前方縁端を、車両後方へ向けて突出するように湾曲した形状とした場合、後方作業孔の前方縁端における車幅方向の両端の曲率が大きくなるため、応力集中箇所となるおそれがある。
このため、後方作業孔に近接して幅溝ビード467を形成した場合、幅溝ビード467における車幅方向の両端、及び後方作業孔の前方縁端における車幅方向の両端に、より応力集中し易くなり、車両上方からの荷重が繰返し加わった際、亀裂が発生するおそれがある。
これに対して、車両後方へ向けて突出するように湾曲した形状に幅溝ビード467を形成し、後方作業孔466の前方縁端を、車両前方へ向けて突出するように湾曲した形状に形成することにより、ボンネットスティフナ46は、幅溝ビード467の湾曲形状と後方作業孔の前方縁端形状とが略平行となる場合に比べて、後方作業孔466と幅溝ビード467との間における剛性低下を抑制することができる。
さらに、車両前方へ向けて突出するように湾曲した形状に後方作業孔466の前方縁端を形成したことにより、後方作業孔466の前方縁端における車幅方向の両端の曲率を小さくすることができる。このため、ボンネットスティフナ46は、後方作業孔466の前方縁端における車幅方向の両端に応力が集中することを抑制でき、かつより大きな大きさで後方作業孔466を開口形成することができる。
加えて、後方作業孔466に近接して幅溝ビード467を形成した場合であっても、車幅方向外側ほど、後方作業孔466の前方縁端と、幅溝ビード467とが離間することになる。このため、ボンネットスティフナ46は、車両上方からの荷重が繰返し加わった場合であっても、幅溝ビード467における車幅方向の両端、あるいは前方縁端における車幅方向の両端からの亀裂の発生を抑制することができる。
従って、自動車1のボンネット構造は、後方作業孔466における前方縁端と、幅溝ビード467とを、向かい合うように突出した湾曲形状に形成したことにより、スティフナ本体部461の変形をより抑制することができる。
また、スティフナ本体部461における前後溝ビード468よりも車幅方向外側部分を、第1三角開口孔469、第2三角開口孔470、及び第3三角開口孔471によってトラス形状に形成したことにより、自動車1のボンネット構造は、ボンネットアウタパネル41を支持するのに必要な車幅方向の大きさ、及び剛性を維持したまま、スティフナ本体部461を軽量化することができる。
さらに、前後溝ビード468に隣接する第1三角開口孔469の縁端形状と、前後溝ビード468の湾曲形状とが略平行とならないため、ボンネットスティフナ46は、第1三角開口孔469と前後溝ビード468との間におけるスティフナ本体部461の剛性低下を抑制することができる。
従って、自動車1のボンネット構造は、スティフナ本体部461における車幅方向外側部分をトラス形状に形成したことにより、車両上方からの衝突荷重を吸収する衝撃吸収性と、ボンネットアウタパネル41の支持剛性とをより確実に両立して確保することができる。
なお、上述の実施形態において、ストライカ44を固定するストライカ固定部として、ボンネットインナパネル42とは別体で構成したストライカ連結部材45としたが、これに限定せず、ストライカ44が連結可能であれば、ボンネットインナパネル42に設けたネジ孔などをストライカ固定部としてもよい。
また、発泡ウレタンの充填剤P2を介してボンネットアウタパネル41を支持するボンネットスティフナ46としたが、これに限定せず、ボンネットアウタパネル41に直接的に当接して支持するボンネットスティフナ46としてもよい。
また、車両後方へ向けて突出するように湾曲した形状に幅溝ビード467を形成し、後方作業孔466における車両前方側の前方縁端を、車両前方へ向けて突出するように湾曲した形状に形成したが、これに限定せず、車両前方へ向けて突出するように湾曲した形状に幅溝ビード467を形成し、前方作業孔465における車両後方側の後方縁端を、車両後方へ向けて突出するように湾曲した形状に形成してもよい。
また、車幅方向に沿った縦断面形状が、車両下方に向けて略半円状に突出した縦断面形状となるように幅溝ビード467を形成したが、これに限定せず、車幅方向に沿った縦断面形状が、車両上方に向けて略半円状に突出した縦断面形状となるように幅溝ビード467としてもよい。同様に、車幅方向に沿った縦断面形状が、車両上方に向けて略半円状に突出した縦断面形状となるように前後溝ビード468としてもよい。
また、平面視において車幅方向外側に向けて突出するように湾曲した形状の前後溝ビード468としたが、これに限定せず、車幅方向内側に向けて突出するように湾曲した形状の前後溝ビード468としてもよい。
また、前方作業孔465を2つ開口形成したが、これに限定せず、後方作業孔466と同様に車幅方向に長い1つの開口としてもよい。
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明のアウタパネルは、実施形態のボンネットアウタパネル41に対応し、
以下同様に、
インナパネルは、ボンネットインナパネル42に対応し、
ヒンジは、ボンネットヒンジ8に対応し、
ストライカ固定部は、ストライカ連結部材45に対応し、
連結部は、前方脚部462、及び後方脚部463に対応し、
前方開口孔は、前方作業孔465に対応し、
後方開口孔は、後方作業孔466に対応し、
幅溝部は、幅溝ビード467に対応し、
前後溝部は、前後溝ビード468に対応し、
三角開口孔は、第1三角開口孔469、第2三角開口孔470、及び第3三角開口孔471に対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
1…自動車
3…車両前部
4…ボンネット
8…ボンネットヒンジ
41…ボンネットアウタパネル
42…ボンネットインナパネル
44…ストライカ
45…ストライカ連結部材
46…ボンネットスティフナ
461…スティフナ本体部
462…前方脚部
463…後方脚部
465…前方作業孔
466…後方作業孔
467…幅溝ビード
468…前後溝ビード
469…第1三角開口孔
470…第2三角開口孔
471…第3三角開口孔

Claims (3)

  1. 自動車の意匠面となるアウタパネル、及び該アウタパネルと対向するインナパネルで形成したボンネットと、
    車両前部における車体の後端近傍に対して、前記ボンネットの後端を開閉自在に軸支するヒンジと、
    前記車両前部における車体の前端近傍に対して、前記ボンネットの前端を着脱自在に連結するストライカと、
    前記インナパネルの上面に配設されて、前記ストライカが固定されるストライカ固定部とで構成した自動車のボンネット構造であって、
    前記インナパネルにおける前端近傍の上面に、
    前記アウタパネルを車両下方から支持するボンネットスティフナを備え、
    該ボンネットスティフナを、
    前記ストライカ固定部に対して車両上方に所定間隔を隔てて対向配置した略平板状のスティフナ本体部と、
    該スティフナ本体部、及び前記インナパネルを連結する連結部とで一体形成し、
    前記スティフナ本体部に、
    前記ストライカ固定部と対向するとともに、車両前後方向に並置するように開口形成した前方開口孔、及び後方開口孔と、
    前記前方開口孔、及び前記後方開口孔の間において、車両上方または車両下方に突設するとともに、車幅方向に延びる略溝状の幅溝部と、
    該幅溝部における車幅方向の両端近傍において、車両上方または車両下方に突設するとともに、車両前後方向に延びる略溝状の前後溝部とを備え、
    平面視において、
    前記幅溝部を、車両前後方向に突出するように湾曲した形状に形成し、
    前記前後溝部を、車幅方向に突出するように湾曲した形状に形成した
    自動車のボンネット構造。
  2. 前記幅溝部を、車両後方へ向けて突出するように湾曲した形状に形成した場合、
    前記後方開口孔における車両前方側の前方縁端を、車両前方へ向けて突出するように湾曲した形状に形成し、
    前記幅溝部を、車両前方へ向けて突出するように湾曲した形状に形成した場合、
    前記前方開口孔における車両後方側の後方縁端を、車両後方へ向けて突出するように湾曲した形状に形成した
    請求項1に記載の自動車のボンネット構造。
  3. 前記スティフナ本体部における車幅方向の大きさを、
    前記ストライカ固定部よりも幅広に形成し、
    前記スティフナ本体部における前記前後溝部よりも車幅方向外側部分を、
    複数の略三角形状の三角開口孔によってトラス形状に形成した
    請求項1または請求項2に記載の自動車のボンネット構造。
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