JP2018039439A - 車両用フード - Google Patents
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Abstract
Description
また、ストライカの上方でフードアウタパネルとフードインナパネルとの間には、フードロックリンフォースが設けられている。
フードロックリンフォースは、ストライカの上方のフードアウタパネルの箇所を補強するものであり、フードアウタパネルを手で押下し車両用フードを閉じる際に生じるたわみを抑制するように図られている。
フードロックリンフォースは、フードアウタパネルにマスチック接合されると共に、その前後部がフードインナパネルに接合されている。
フードロックリンフォースはフード閉操作時にフードアウタパネルの形状保持のために必要であるが、フードロックリンフォースの剛性を上げると、フードロックリンフォースの上方のフードアウタパネルの箇所にインパクタの荷重が入力した際、フードアウタパネルの変形を抑制し十分な衝撃吸収性能を確保できない。上記の衝撃吸収性能を確保するためにフードロックリンフォースの剛性を低くすると、フード閉操作時にフードアウタパネルが変形しやすくなる。
そのため、フードアウタパネルの補強と衝撃吸収性能の確保とを両立する上で改善の余地がある。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、フードアウタパネルの補強を図りつつ衝撃吸収性能の向上を図る上で有利な車両用フードを提供することを目的とする。
請求項2記載の発明は、前記後取り付け片は、前記本体板部の後部に車幅方向に間隔をおいて複数設けられ、前記本体板部の車幅方向の両端よりも車幅方向の内側に偏位した箇所に設けられていることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、前記複数の前取り付け片と、前記ストライカが前記フードインナパネルに接合された箇所とは、車幅方向に偏位していることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、車幅方向において前記フードロックリンフォースの中央に前記ストライカが配置され、前記複数の前取り付け片は、車幅方向において前記フードロックリンフォースの両端に位置していることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、前記フードロックリンフォースの前記本体板部の後部の両端は、前記フードインナパネルに設けられた開口内に位置していることを特徴とする。
したがって、フードロックリンフォースによってフードアウタパネルの補強を図れることは無論のこと、フードロックリンフォースの上方のフードアウタパネルの箇所のどの部分にインパクタの荷重が入力した場合であっても、フードアウタパネルは変形しやすく、衝撃吸収性能の向上を図る上で有利となる。
請求項2から5記載の発明によれば、フードロックリンフォースの上方のフードアウタパネルの箇所にインパクタの荷重が入力した場合に、フードアウタパネルが変形しやすくなり、衝撃吸収性能の向上を図る上でより有利となる。
車両は、車室の前方にダッシュパネルで仕切られた前部空間を有し、前部空間には、車両が電動車の場合にはインバータが配置され、車両が内燃機関を駆動源とする場合には、ラジエータ、エンジンが配置される。
フードは、この前部空間を開閉するものであり、その後端部が車体側に不図示のヒンジを介して開閉自在に取付けられた前開き式である。
図1から図4において、符号FRは車両前方、符号UPは車両上方、符号HLは車幅方向を示している。
フードアウタパネル12は、車体外側の面を構成する。
フードインナパネル14は、インナパネル内周部20と、インナパネル外周部22と、骨格部24とを含んで構成されている。
インナパネル内周部20は、フードアウタパネル12の裏面の内周部に接合される箇所である。インナパネル内周部20の複数箇所は、マスチック接合によりフードアウタパネル12の裏面に接合されている。
インナパネル外周部22は、フードアウタパネル12の裏面の外周部に接合される箇所である。インナパネル外周部22の全周は、ヘミング加工によりフードアウタパネル12の外周全周に接合されている。
骨格部24は、底壁28と、内側起立壁30と、外側起立壁32とを含んで構成されている。
底壁28は、インナパネル内周部20とインナパネル外周部22の中間に位置するフードインナパネル14の箇所でフードアウタパネル12から最も離れた箇所に位置してインナパネル内周部20とインナパネル外周部22との間を環状に延在している。
内側起立壁30は、インナパネル内周部20寄りの底壁28の箇所から起立してインナパネル内周部20に接続されインナパネル内周部20と底壁28との間を環状に延在している。
外側起立壁32は、インナパネル外周部22寄りの底壁28の箇所から起立してインナパネル外周部22に接続されインナパネル外周部22と底壁28との間を環状に延在している。
車両前方に位置する骨格部24の箇所では、底壁28、内側起立壁30、外側起立壁32は車幅方向に延在しており、内側起立壁30には、衝撃吸収性能を確保するための開口34が形成されている。
具体的に説明すると、ストライカ18はストライカリンフォース19の下面に溶接により取着され、ストライカ18が取着されたストライカリンフォース19は底壁28の上面に溶接される。この際、ストライカ18は底壁28に設けられた孔部を介して底壁28の下方に突出して配置される。
図3に示すように、ストライカ18は、車幅方向においてフードロックリンフォース16の中央に配置されている。
一例として、フードインナパネル14の上方に配置されたストライカリンフォース19にストライカ18を溶接した状態で、ストライカリンフォース19をフードインナパネル14に取着する構造を説明したが、ストライカ18の取着構造はこれに限られるものではなく、例えば、ストライカリンフォース19をフードインナパネル14の下面に溶接またはボルト締めで取着し、ストライカ18をストライカリンフォース19に取り付ける構造等、様々な取着方法が採用可能である。ストライカ18の配置についても同様で、ストライカ18がフード10の中心より車幅方向に偏位して配置される場合もある。
そのため、ストライカ18が設けられた底壁28の前端から起立する外側起立壁32の部分は、ストライカ18が設けられた底壁28の後端から起立する内側起立壁30の部分に比べて剛性が大きく確保されている。
フードロックリンフォース16は、本体板部1602と、前取り付け片1604と、後取り付け片1606とを有している。
本体板部1602は、フードアウタパネル12にマスチック接合により接合される箇所であり、車幅方向に横長の矩形状を呈している。
図4に示すように、本体板部1602の後部の両端の角部1610は、平面視した場合、開口34の内側に位置している。
前取り付け片1604は、本体板部1602の車両前後方向の前部に車幅方向に間隔をおいて複数設けられ、本実施の形態では、本体板部1602の前部の車幅方向の両端に突設されている。
複数の前取り付け片1604がフードインナパネル14に接合された箇所と、ストライカ18がフードインナパネル14に接合された箇所とは車幅方向に偏位しており、すなわち、複数の前取り付け片1604と、ストライカリンフォース19とは車幅方向に偏位している。
後取り付け片1606は車幅方向において前取り付け片1604の取り付け位置よりも内側に偏位した箇所に設けられている。
詳細に説明すると、後取り付け片1606は、本体板部1602の車両前後方向の後部に車幅方向に間隔をおいて複数設けられ、複数の後取り付け片1606の車幅方向の間隔Bは、複数の前取り付け片1604の車幅方向の間隔Aよりも小さい寸法で形成されている。言い換えると、複数の前取り付け片1604の車幅方向の間隔Aは、複数の後取り付け片1606の車幅方向の間隔Bよりも大きい寸法で形成され、後取り付け片1606は車幅方向において前取り付け片1604の取り付け位置よりも内側に偏位した箇所に設けられている。
本実施の形態では、複数の後取り付け片1606は、本体板部1602の車幅方向の両端よりも車幅方向の内側に偏位した箇所に設けられている。
なお、後取り付け片1606は、本体板部1602の後部の車幅方向の中央に1つ設けるようにしてもよい。
ストライカ18が設けられた底壁28の前端から起立する外側起立壁32の部分は、ストライカ18が設けられた底壁28の後端から起立する内側起立壁30の部分に比べて剛性が大きく確保されている。
すなわち、フードロックリンフォース16の前取り付け片1604が接合されるフードインナパネル14の箇所は、フードロックリンフォース16の後取り付け片1606が接合されるフードインナパネル14の箇所に比べて剛性が大きく確保されている。
本実施の形態では、後取り付け片1606は車幅方向において前取り付け片1604の取り付け位置よりも内側に偏位した箇所に設けられている。
そのため、車幅方向において前取り付け片1604が後取り付け片1606よりも外側に偏位した箇所に位置することによりフードインナパネル14の剛性がもともと確保された箇所の剛性が大きくなりすぎることを抑制し、同時に、車幅方向において後取り付け片1606が前取り付け片1604よりも内側に偏位した箇所に位置することにより前取り付け片1604が取着される箇所に比べて剛性が低いフードインナパネル14の箇所の剛性を確保するようにした。
したがって、フードロックリンフォース16によってフードアウタパネル12の補強を図れることは無論のこと、フードロックリンフォース16の上方のフードアウタパネル12にインパクタの荷重が入力した場合であっても、フードアウタパネル12は変形しやすく、衝撃吸収性能の向上を図る上で有利となる。
したがって、本体板部1602の後部の車幅方向の両端は、フードインナパネル14に対して接合されない自由端となる。
そのため、フードロックリンフォース16の上方のフードアウタパネル12の箇所にインパクタの荷重が入力した場合に、フードアウタパネル12が変形しやすくなり、衝撃吸収性能の向上を図る上でより有利となる。
したがって、複数の前取り付け片1604と、ストライカ18がフードインナパネル14に接合された箇所とが車幅方向で同一の位置にある場合に比較して、複数の前取り付け片1604が接合されるフードインナパネル14の箇所の剛性が大きくなり過ぎることを抑制する上で有利となる。
その結果、フードロックリンフォース16の上方のフードアウタパネル12にインパクタの荷重が入力した場合であっても、フードアウタパネル12が変形しやすくなり、衝撃吸収性能の向上を図る上でより有利となる。
したがって、ストライカ18がフードインナパネル14に接合された箇所と、複数の前取り付け片1604が接合されるフードインナパネル14の箇所とが車幅方向において最大限離間し、複数の前取り付け片1604が接合されるフードインナパネル14の箇所の剛性が大きくなり過ぎることを抑制する上で有利となる。
その結果、フードロックリンフォース16の上方のフードアウタパネル12にインパクタの荷重が入力した場合であっても、フードアウタパネル12が変形しやすくなり、衝撃吸収性能の向上を図る上でより有利となる。
したがって、本体板部1602の後部の両端がフードインナパネル14と干渉することが抑制されるため、フードロックリンフォース16の上方のフードアウタパネル12にインパクタの荷重が入力した場合であっても、フードアウタパネル12が変形しやすくなり、衝撃吸収性能の向上を図る上でより有利となる。
12 フードアウタパネル
14 フードインナパネル
16 フードロックリンフォース
1602 本体板部
1604 前取り付け片
1606 後取り付け片
1610 角部
18 ストライカ
19 ストライカリンフォース
20 インナパネル内周部
22 インナパネル外周部
24 骨格部
28 底壁
30 内側起立壁
32 外側起立壁
34 開口
Claims (5)
- 車体前部空間を開閉する車両用フードであって、
フードアウタパネルの内面に接合されるフードインナパネルと、
前記フードインナパネルに取着されるストライカと、
前記ストライカの上方で前記フードアウタパネルと前記フードインナパネルとの間に配置され車両前後方向の前後部が前記フードインナパネルに接合されたフードロックリンフォースとを備え、
前記フードロックリンフォースは、前記フードアウタパネルに接合される本体板部と、前記本体板部の前部に車幅方向に間隔をおいて設けられ前記フードインナパネルに接合される少なくとも2つの前取り付け片と、前記本体板部の後部に設けられ前記フードインナパネルに接合される後取り付け片とを有し、
前記後取り付け片は、車幅方向において前記前取り付け片の取り付け位置よりも内側に偏位した箇所に設けられている
ことを特徴とする車両用フード。 - 前記後取り付け片は、前記本体板部の後部に車幅方向に間隔をおいて複数設けられ、
前記本体板部の車幅方向の両端よりも車幅方向の内側に偏位した箇所に設けられている、
ことを特徴とする請求項1記載の車両用フード。 - 前記複数の前取り付け片と、前記ストライカが前記フードインナパネルに接合された箇所とは、車幅方向に偏位している、
ことを特徴とする請求項1または2記載の車両用フード。 - 車幅方向において前記フードロックリンフォースの中央に前記ストライカが配置され、
前記複数の前取り付け片は、車幅方向において前記フードロックリンフォースの両端に位置している、
ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項記載の車両用フード。 - 前記フードロックリンフォースの前記本体板部の後部の両端は、前記フードインナパネルに設けられた開口内に位置している、
ことを特徴とする請求項1から4の何れか1項記載の車両用フード。
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