JP2016060215A - ルーフサイドエアバッグの取り付け構造 - Google Patents

ルーフサイドエアバッグの取り付け構造 Download PDF

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Abstract

【課題】ルーフサイドエアバッグの袋体が膨張展開した時にルーフサイドエアバッグのテザーを車室内側により円滑に引き出すことができるルーフサイドエアバッグの取り付け構造を提供する。
【解決手段】ヘッドライナー3の側部3Sの前端部とフロントピラートリム5の上端部との合わせ部33の裏側で、ルーフサイドエアバッグのテザー50がブラケット8を介してルーフサイド1に保持され、テザー50をヘッドライナー3の側部3Sの下端部3S1側にガイドする第1ガイド部31が設けられ、第1ガイド部31の下端部に折曲部21が設けられ、折曲部21とオープニングトリム6のシールリップ14とが、ヘッドライナー3の側部3Sの下端部3S1を挟持し、テザー50は、ブラケット8とルーフサイドパネル29との間に位置している。
【選択図】図4

Description

本発明は、
ルーフサイドエアバッグが、車両のルーフサイドとフロントピラーにわたって取り付けられるとともに、ヘッドライナーの側部とフロントピラートリムに覆われ、
前記ヘッドライナーの側部は下方に折曲し、
前記ヘッドライナーの側部の下端部は車室外側に折曲しているルーフサイドエアバッグの取り付け構造に関する。
特許文献1に開示されているように、従来、上記のルーフサイドエアバッグの取り付け構造においては、ヘッドライナーの側部の前端部とフロントピラートリムの上端部との合わせ部の裏側で、ルーフサイドエアバッグの袋体がブラケットを介してルーフサイドに保持されていた。そして、前記合わせ部の裏側のルーフサイドエアバッグのテザーは自由に移動可能な状態になっていた。
特開2011−255839号公報
上記従来の構造によれば、ルーフサイドエアバッグの袋体の広がりを抑えることができる。しかしながら、前記合わせ部においては、前記袋体の膨張展開に伴うテザーの車室内側への引き出しの際にテザーが引っかかりやすい部分が多数存在する。
そのために、前記合わせ部の裏側のテザーが自由に移動可能な状態になっている従来の構造では、袋体の膨張展開時にテザーが所望の方向に下降せずに、ヘッドライナーの側部等に引っかかることが考えられ、テザーの車室内側へのより円滑な引き出しが望まれていた。
本発明の目的は、ルーフサイドエアバッグの袋体が膨張展開した時にルーフサイドエアバッグのテザーを車室内側により円滑に引き出すことができるルーフサイドエアバッグの取り付け構造を提供する点にある。
本発明の特徴は、
ルーフサイドエアバッグが、車両のルーフサイドとフロントピラーにわたって取り付けられるとともに、ヘッドライナーの側部とフロントピラートリムに覆われ、
前記ヘッドライナーの側部は下方に折曲し、
前記ヘッドライナーの側部の下端部は車室外側に折曲しているルーフサイドエアバッグの取り付け構造であって、
前記ヘッドライナーの側部の前端部と前記フロントピラートリムの上端部との合わせ部の裏側で、前記ルーフサイドエアバッグのテザーがブラケットを介して前記ルーフサイドに保持され、
前記ブラケットは、前記ヘッドライナーの側部の前端部の裏側に位置し、
前記ルーフサイドエアバッグの袋体が膨張展開するに伴って、前記テザーを前記ヘッドライナーの側部の下端部側にガイドする第1ガイド部が、前記ブラケットのテザー保持部の下方に設けられ、
前記第1ガイド部は下側ほど車室外側に位置するように傾斜し、
前記第1ガイド部の下端部に、車室内側に折曲する折曲部が設けられ、
前記折曲部と、前記ルーフサイドの下端部に装着されたオープニングトリムのシールリップとが、前記ヘッドライナーの側部の下端部を挟持し、
前記テザーは、前記ブラケットとルーフサイドパネルとの間に位置している点にある。(請求項1)
上記の構成により、ルーフサイドエアバッグの袋体が膨張展開するに伴って、ブラケットのテザー保持部の下方の第1ガイド部がテザーをヘッドライナーの側部の下端部側にガイドする。これにより、ヘッドライナーの側部の下端部やフロントピラーの上端部にテザーが引っ掛かるのを防止して、前記テザーを車室内に円滑に引き出すことができる。
また、第1ガイド部の下端部の折曲部と、ルーフサイドの下端部に装着されたオープニングトリムのシールリップとが、ヘッドライナーの側部の下端部を挟持しているから、ヘッドライナーの側部の下端部とオープニングトリムとの間に隙間が発生するのを防止して、車室内の外観を向上させることができる。さらに、ヘッドライナーの側部の下端部が浮くのを抑えて、外観を向上させることもできる。そして、乗員が車室内側からヘッドライナーの側部の下端部を押した時に、前記下端部が凹むこと(いわゆるべかつき)を抑制することができ、商品性を向上させることができる。
前記折曲部は、テザーの引き出し方向から遠ざかる方向である車室内側に折曲しているから、テザーがヘッドライナーの側部の下端部を押し広げて車室内側に引き出される際に、テザーが折曲部に引っかかるのを防止することができる。その結果、テザーを速やかに車室内に引き出すことができる。
さらに、テザーが車室内に引き出される際に、ヘッドライナーの側部の下端部の動きに対して、ブラケットの第1ガイド部でテザーを保護することができ、ヘッドライナーの変形や予期せぬ動きがあっても、テザーを車室内側に確実に導くことができる。
また、前記テザーは、前記ブラケットとルーフサイドパネルとの間に位置し、ルーフサイドパネルと共に位置固定状態のブラケットがヘッドライナーの動きに対してテザーを保護するため、前記第1ガイド部によりテザーを車両室内に確実に導くことができる。また、テザーの位置が安定することから、フロントピラートリムのフロントピラーパネルへの組み付け時に、テザーをフロントピラートリムとフロントピラーパネルの間に挟み込むことを防止することができる。(請求項1)
本発明において、
前記第1ガイド部の折曲部の車室内側の端部が上方に折曲していると、次の作用を奏することができる。(請求項2)
開く方向に移動するヘッドライナーの側部の下端部にブラケットの折曲部が引っかかりにくくすることができ、ヘッドライナーの側部の下端部の開きを前記折曲部が阻害するのを防止することができる。(請求項2)
本発明において、
前記フロントピラーの上端部と前記ヘッドライナーの側部の前端部とは車幅方向で互いに重ね合わされ、
前記フロントピラーの上端部に、前記ブラケットの第1ガイド部と同方向に傾斜する第2ガイド部が設けられていると、次の作用を奏することができる。(請求項3)
車両前後方向のある程度の幅を持った範囲で、テザーの引き出し動作を車室内側に誘導することができる。ヘッドライナーとフロントピラートリムとオープニングトリムの3部品の端縁が集まる箇所では、テザーの引き出しに際して、テザーが引っかかる要因となるものが多数位置するため、このような箇所にわたって、上記の両ガイド部を配置することにより、テザーの車室内への引き出しを確実に行なわせることができる。また、前記第2ガイド部を第1ガイド部と合わせて適用することにより、テザーの滑り出しを、それぞれ開き方向が異なるヘッドライナーとフロントピラートリムの両方の重なり部でスムーズに行うことができる。(請求項3)
本発明において、
前記第2ガイド部は、前記フロントピラートリムをフロントピラーパネルに取り付けるためのクリップ座に連なっていると、次の作用を奏することができる。(請求項4)
ブラケットにより上側への移動が阻止された安定した位置のテザーの付近に第2ガイド部のガイド面を当てた状態でクリップをクリップ座のクリップ孔に差し込むことができる。従って、テザーがクリップに噛み込まれるのを防ぐことができる。(請求項4)
本発明において、
前記第1ガイド部の折曲部が当接する前記ヘッドライナーの側部の下端部の挟持面は、前記下端部の車室外側の端縁よりも車室内側に位置し、
前記挟持面よりも車室外側の前記下端部の裏面が、前記ルーフサイドエアバッグの袋体の膨張展開時に前記テザーが衝突する衝突面に構成されていると、次の作用を奏することができる。(請求項5)
ルーフサイドエアバッグの袋体が膨張展開するに伴って、前記テザーをヘッドライナーの側部の下端部の衝突面に衝突させることができ、ヘッドライナーの側部の下端部をテザーによって開きやすくすることができる。従って、テザーを車室内に円滑に引き出すことができる。(請求項5)
本発明によれば、
ルーフサイドエアバッグの袋体が膨張展開した時にルーフサイドエアバッグのテザーをより円滑に車室内側に引き出すことができるルーフサイドエアバッグの取り付け構造を提供することができた。
車両のルーフの分解斜視図 ルーフサイドパネルへのルーフサイドエアバッグの取り付けを示す斜視図 ルーフサイドエアバッグの取り付け構造を車室内側から見た斜視図 図3のA−A断面図 フロントピラーのクリップ固定部の断面図 ルーフサイドエアバッグの取り付け構造を車室外側から見た斜視図 図3のX部の拡大図
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、自動車の左右一対のルーフサイド1間に複数のルーフメンバ2が車両前後方向に間隔を空けて架設されている。そして、前記左右一対のルーフサイド1と複数のルーフメンバ2に上方からルーフパネルが取り付けられるとともに、下方から樹脂製のヘッドライナー3がクリップ等により取り付けられている。ルーフサイド1の前端部には、後ろ上がりに傾斜したフロントピラー4の上端部が接続している。
図4,図5に示すように、ルーフサイド1の下端部とフロントピラー4の後端部に、ゴム状弾性体から成るオープニングトリム6の断面U字状の取り付け基部11が外嵌している。さらに、図2に示すように、乗員の頭部を保護するルーフサイドエアバッグ7(ルーフサイドエアバッグモジュール)が、複数のブラケット8を介してフロントピラー4とルーフサイド1とにわたってボルトBにより取り付け固定されている。
[ルーフサイド1の構造]
図4に示すように、前記ルーフサイド1は、上下方向中間部が車室外側W2(車幅方向外側)に膨出したサイドボディアウタパネル28と、上下方向中間部が車室外側W2に膨出したルーフサイドリンフォース55と、上下方向中間部が車室内側W1に膨出したルーフサイドインナパネル29(ルーフサイドパネルに相当、図1,図2も参照)とから成る。
サイドボディアウタパネル28とルーフサイドリンフォース55とルーフサイドインナパネル29は、下端部同士、上端部同士がそれぞれ互いに重ね合わされて溶接接合されている。前記オープニングトリム6の取り付け基部11は、サイドボディアウタパネル28とルーフサイドリンフォース55とルーフサイドインナパネル29の互いに重なり合った下端部に外嵌している。
[ヘッドライナー3の構造]
図4に示すように、ヘッドライナー3の側部3Sは下方に折曲し、この側部3Sの下端部3S1は車室外側W2に折曲している。
[フロントピラー4の構造]
図5に示すように、フロントピラー4は、幅方向中間部が車室外側W2に膨出したサイドボディアウタパネル28と、幅方向中間部が車室内側W1に膨出したフロントピラーインナパネル10(フロントピラーパネルに相当)と、フロントピラーインナパネル10を車室内側W1から覆う断面U字状のフロントピラートリム5とから成る。
サイドボディアウタパネル28とフロントピラーインナパネル10は、前端部同士、後端部同士がそれぞれ互いに重ね合わされて溶接接合されている。前記オープニングトリム6の取り付け基部11は、前記サイドボディアウタパネル28とフロントピラーインナパネル10の互いに重なり合った後端部に外嵌している(図5参照)。
前記フロントピラートリム5は、裏側に膨出する断面台形状のクリップ座27を備えている。このクリップ座27に取り付けられたクリップ26を介してフロントピラートリム5がフロントピラーインナパネル10に取り付けられている。クリップ26はフロントピラーインナパネル10のクリップ孔10H1に挿入係合している。
図6に示すように、フロントピラートリム5の上端部とヘッドライナー3の側部3Sの前端部とは、フロントピラートリム5の上端部がヘッドライナー3の側部3Sの前端部よりも車室内側W1(図4参照)に位置する状態に車幅方向で互いに重ね合わされている。
[オープニングトリム6の構造]
図5に示すように、オープニングトリム6の取り付け基部11の車室外側W2の側壁11S2には、フロントドアに圧縮される中空シール部12が設けられている。また、取り付け基部11の底部から車室内側W1にシールリップ14が延びている。シールリップ14は、フロントドア用の開口の内方側に凸の断面円弧状に形成され、フロントピラートリム5の車両後方側Rrの側壁5Kと、ヘッドライナー3の側部3Sの下端部3S1(図4参照)とに圧接している。後述のブラケット8に対応する位置では、ブラケット8の折曲部21とシールリップ14が、ヘッドライナー3の側部3Sの下端部3S1を挟持している。その挟持構造については後で詳しく説明する。
[ルーフサイドエアバッグ7の構造]
図2に示すように、前記ルーフサイドエアバッグ7は、ルーフサイド1とフロントピラー4にブラケット8を介して取り付けられる長尺の袋体25と、袋体25にガスを供給して袋体25を瞬時に膨張展開させるインフレータ60(図1参照)と、袋体25の前端部から延出するテザー50とを備えている。
テザー50の先端部には金属製のアンカが接続され、このアンカがフロントピラーインナパネル10に固定されている。インフレータ60から袋体25にガスが供給されると袋体25が瞬時に膨張展開する。テザー50は、膨張展開した袋体25に車両後方側Rrに引っ張られて車両前後方向に沿う。つまり、テザー50が袋体25を車両前方側Frに引っ張った状態になり、袋体25の車両前後方向の位置と下側の位置とをテザー50が決める。袋体25は、膨張展開しながらヘッドライナー3の側部3Sの下端部3S1を下方に押し曲げてヘッドライナー3の下方の車室内に突出する。そして、膨張展開した袋体25がサイドドアのガラス部と乗員との間に入り込んで乗員の頭部を保護する。
ルーフサイドエアバッグ7の袋体25はロール状に巻かれ(あるいは折り畳まれ)、複数個所にテープ51が巻回されて(図4参照)、ルーフサイドインナパネル29とフロントピラーインナパネル10に取り付けられる。この袋体25は、ヘッドライナー3の側部3Sとフロントピラートリム5とに覆われる。
図3,図4に示すように、ヘッドライナー3の側部3Sの前端部とフロントピラートリム5の長手方向の上端部との合わせ部33の裏側で、ルーフサイドエアバッグ7のテザー50がブラケット8を介してルーフサイド1に保持されている。
[ブラケット8の構造]
図3に示すように、前記合わせ部33の裏側のブラケット8は、ヘッドライナー3の側部3Sの前端部の裏側に位置する。図7に示すように、このブラケット8は、上下一対の大きな枠孔19H1,19H2を備えた縦に長い長方形枠状のブラケット本体19と、ブラケット本体19の上端部から上方に延び、ルーフサイドインナパネル29にボルトBで固定される固定部20とを備えている。そして、図4,図6に示すように、ブラケット本体19の下端部に、車室内側W1に折曲する折曲部21が設けられている。
上側の枠孔19H1は横に長い長方形状に形成され、下側の枠孔19H2は下窄まりの台形状に形成されている。ブラケット本体19の上半部は、上側の枠孔19H1に対応して長方形の枠状に形成され、ブラケット本体19の下半部は、下側の枠孔19H2に対応して台形の枠状に形成されている。固定部20は舌片状に形成され、固定部20の中央にボルト挿通孔20Hが形成されている(図4参照)。ボルト挿通孔20Hに挿通されたボルトBが螺合するナットNは、ルーフサイドインナパネル29の車室外側W2の面に溶接固着されている。ブラケット8は一枚の金属板をプレス加工して形成されている。
図4に示すように、ブラケット本体19の上半部は下側ほど車室内側W1に位置するように傾斜し、ブラケット本体19の下半部は下側ほど車室外側W2に位置するように傾斜している。そして、ブラケット本体19の略上下中央の屈曲部がテザー保持部22に構成され、ブラケット本体19のテザー保持部22よりも下方の部分が、テザー50に対する第1ガイド部31に構成されている。
テザー50はテザー保持部22に車室外側W2から重ね合わされ、テザー50とテザー保持部22(ブラケット本体19の中央の横枠部)にテープ51(図4に太線で示す)が巻回されて、テザー50がテザー保持部22に保持される。テープ51は上側の枠孔19H1と下側の枠孔19H2に挿通されている。前記袋体25が膨張展開するとテープ51は破断する。テープ51が破断した後、前記第1ガイド部31は、ルーフサイドエアバッグ7の袋体25が膨張展開するに伴って、テザー50をヘッドライナー3の側部3Sの下端部3S1側にガイドする。図4に、ガイドされるテザー50の移動方向51を矢印で示してある。上記のように、前記テザー50は、ブラケット8とルーフサイドインナパネル29との間に位置している(図4参照)。
図4,図6に示すように、第1ガイド部31の下端部に、車室内側W1に折曲する折曲部21が設けられ、折曲部21の車室内側W1の端部21Aが上方に折曲している。そして、前記折曲部21と、前記オープニングトリム6のシールリップ14とが、ヘッドライナー3の側部3Sの下端部3S1を挟持している。
図4に示すように、前記第1ガイド部31の折曲部21が当接するヘッドライナー3の側部3Sの下端部3S1の挟持面3Mは、前記下端部3S1の車室外側W2の端縁3Tよりも車室内側W1に位置している。そして、前記挟持面3Mよりも車室外側W2の前記下端部3S1の裏面が、ルーフサイドエアバッグ7の袋体25の膨張展開時にテザー50が衝突する衝突面3Nに構成されている。
これにより、ルーフサイドエアバッグ7の袋体25が膨張展開するに伴って、テザー50をヘッドライナー3の側部3Sの下端部3S1の衝突面3Nに衝突させることができ、ヘッドライナー3の側部3Sの下端部3S1をテザー50によって押し開きやすくすることができる。従って、テザー50を車室内に円滑に引き出すことができる。
図3,図6,図7に示すように、前記ブラケット8の固定部20の上端部には、車室外側W2に延びるフック23が形成され、ルーフサイドインナパネル29に形成された係合孔29Hにフック23が挿入係合されている。これにより、組み付け作業時にブラケット8をルーフサイドインナパネル29で仮保持することができる。また、ボルト締結時にブラケット8が回転するのを阻止する回転止めの機能を発揮することができる。従って、ブラケット8の取り付け作業の作業性を向上させることができる。
上記の構造においては、ルーフサイドエアバッグ7がフロントピラー4とルーフサイド1とにわたって取り付け固定された後、ヘッドライナー3が左右一対のルーフサイド1と複数のルーフメンバ2に取り付けられる。その後、フロントピラートリム5がフロントピラーインナパネル10に取り付けられる。
図5,図6に示すように、フロントピラートリム5の上端部の裏面に、ブラケット8の第1ガイド部31と同方向に傾斜する第2ガイド部32が設けられている。すなわち、第2ガイド部32は、下側ほど車室外側W2に位置するように傾斜している。この第2ガイド部32は、フロントピラートリム5をフロントピラーインナパネル10に取り付けるためのクリップ座27にリブ状の支持壁37を介して連なっている。第2ガイド部32のガイド面は、下側になるにつれて幅広になるように形成されている。
上記の構成により、
(1) ルーフサイドエアバッグ7の袋体25が膨張展開するに伴って、ブラケット8のテザー保持部22の下方の第1ガイド部31と、フロントピラートリム5の上端部の第2ガイド部32とがテザー50をヘッドライナー3の側部3Sの下端部3S1側にガイドする。
これにより、ヘッドライナー3の側部3Sの下端部3S1やフロントピラー4の上端部にテザー50が引っ掛かるのを防止して、テザー50を車室内に円滑に引き出すことができる。
特に、第1ガイド部31に加えて第2ガイド部32が設けられているから、車両前後方向のある程度の幅を持った範囲で、テザー50を車室内側W1に誘導することができる。ヘッドライナー3とフロントピラートリム5とオープニングトリム6との3部品の端縁が集まる箇所では、テザー50の引き出しに際して、テザー50が引っかかる要因となるものが多数存在するため、このような箇所にわたって第1、第2の両ガイド部31,32を配置することにより、テザー50の車室内への引き出しを確実に行なわせることができる。そして、前記第2ガイド部32を第1ガイド部31と合わせて適用することにより、テザー50の滑り出しを、それぞれ開き方向が異なるヘッドライナー3とフロントピラートリム5の両方の重なり部でスムーズに行うことができる。
また、第1ガイド部31の下端部の折曲部21と、前記オープニングトリム6のシールリップ14とが、ヘッドライナー3の側部3Sの下端部3S1を挟持しているから、ヘッドライナー3の側部3Sの下端部3S1とオープニングトリム6との間に隙間が発生するのを防止して、車室内の外観を向上させることができる。さらに、ヘッドライナー3の側部3Sの下端部3S1が浮くのを抑えて、外観を向上させることもできる。そして、乗員が車室内側W1からヘッドライナー3の側部3Sの下端部3S1を押した時に、前記下端部3S1が凹むこと(いわゆる「べかつき」)を抑制することができ、商品性を向上させることができる。
前記折曲部21は、テザー50の引き出し方向から遠ざかる方向である車室内側W1に折曲しているから、テザー50がヘッドライナー3の側部3Sの下端部3S1を押し広げて車室内に引き出される際に、テザー50が折曲部21に引っかかるのを防止することができる。その結果、テザー50を速やかに車室内に引き出すことができる。
さらに、テザー50が車室内に引き出される際に、ヘッドライナー3の側部3Sの下端部3S1の動きに対して、ブラケット8の第1ガイド部31でテザー50を保護することができ、ヘッドライナー3の変形や予期せぬ動きがあっても、テザー50を車室内側W1に確実に導くことができる。
前記テザー50は、前記ブラケット8とルーフサイドインナパネル29との間に位置し、ルーフサイドインナパネル29と共に位置固定状態のブラケット8が、ヘッドライナー3の動きに対してテザー50を保護するため、第1ガイド部31によりテザー50を車両室内に確実に導くことができる。また、テザー50の位置が安定することから、フロントピラートリム5のフロントピラーインナパネル10への組み付け時に、テザー50をフロントピラートリム5とフロントピラーインナパネル10の間に挟み込むことを防止することができる。
(2) 前記第1ガイド部31の折曲部21の車室内側W1の端部21Aが上方に折曲しているから、開く方向に移動するヘッドライナー3の側部3Sの下端部3S1にブラケット8の折曲部21が引っかかりにくくすることができ、ヘッドライナー3の側部3Sの下端部3S1の開きを折曲部21が阻害するのを防止することができる。
(3) 前記第2ガイド部32は、前記フロントピラートリム5をフロントピラーインナパネル10に取り付けるためのクリップ座27に連なっているから、ブラケット8により上側への移動が阻止された安定した位置のテザー50の付近に第2ガイド部32のガイド面を当てた状態でクリップ26をクリップ座27のクリップ孔に差し込むことができる。従って、テザー50がクリップ26に噛み込まれるのを防ぐことができる。
1 ルーフサイド
3 ヘッドライナー
3M 挟持面
3N 衝突面
3S ヘッドライナーの側部
3S1 ヘッドライナーの側部の下端部
3T 端縁
5 フロントピラートリム
6 オープニングトリム
7 ルーフサイドエアバッグ
8 ブラケット
10 フロントピラーパネル(フロントピラーインナパネル)
11 取り付け基部
14 シールリップ
21 折曲部
21A 折曲部の車室内側の端部
22 テザー保持部
25 袋体
27 クリップ座
29 ルーフサイドパネル(ルーフサイドインナパネル)
31 第1ガイド部
32 第2ガイド部
33 合わせ部
50 テザー
W1 車室内側
W2 車室外側

Claims (5)

  1. ルーフサイドエアバッグが、車両のルーフサイドとフロントピラーにわたって取り付けられるとともに、ヘッドライナーの側部とフロントピラートリムに覆われ、
    前記ヘッドライナーの側部は下方に折曲し、
    前記ヘッドライナーの側部の下端部は車室外側に折曲しているルーフサイドエアバッグの取り付け構造であって、
    前記ヘッドライナーの側部の前端部と前記フロントピラートリムの上端部との合わせ部の裏側で、前記ルーフサイドエアバッグのテザーがブラケットを介して前記ルーフサイドに保持され、
    前記ブラケットは、前記ヘッドライナーの側部の前端部の裏側に位置し、
    前記ルーフサイドエアバッグの袋体が膨張展開するに伴って、前記テザーを前記ヘッドライナーの側部の下端部側にガイドする第1ガイド部が、前記ブラケットのテザー保持部の下方に設けられ、
    前記第1ガイド部は下側ほど車室外側に位置するように傾斜し、
    前記第1ガイド部の下端部に、車室内側に折曲する折曲部が設けられ、
    前記折曲部と、前記ルーフサイドの下端部に装着されたオープニングトリムのシールリップとが、前記ヘッドライナーの側部の下端部を挟持し、
    前記テザーは、前記ブラケットとルーフサイドパネルとの間に位置しているルーフサイドエアバッグの取り付け構造。
  2. 前記第1ガイド部の折曲部の車室内側の端部が上方に折曲している請求項1記載のルーフサイドエアバッグの取り付け構造。
  3. 前記フロントピラーの上端部と前記ヘッドライナーの側部の前端部とは車幅方向で互いに重ね合わされ、
    前記フロントピラーの上端部に、前記ブラケットの第1ガイド部と同方向に傾斜する第2ガイド部が設けられている請求項1又は2記載のルーフサイドエアバッグの取り付け構造。
  4. 前記第2ガイド部は、前記フロントピラートリムをフロントピラーパネルに取り付けるためのクリップ座に連なっている請求項3記載のルーフサイドエアバッグの取り付け構造。
  5. 前記第1ガイド部の折曲部が当接する前記ヘッドライナーの側部の下端部の挟持面は、前記下端部の車室外側の端縁よりも車室内側に位置し、
    前記挟持面よりも車室外側の前記下端部の裏面が、前記ルーフサイドエアバッグの袋体の膨張展開時に前記テザーが衝突する衝突面に構成されている請求項1〜4のいずれか一つに記載のルーフサイドエアバッグの取り付け構造。
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