JP2016056597A - コンクリート系パネル取付け用の取付け金物及びそれを用いてなるコンクリート系パネル取付け構造 - Google Patents

コンクリート系パネル取付け用の取付け金物及びそれを用いてなるコンクリート系パネル取付け構造 Download PDF

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Abstract

【課題】コンクリート系パネルの建造物躯体への取付けにおいて、取付け作業が容易で、且つ、低コストで実施可能なコンクリート系パネルの取付け手段を提供すること。
【解決手段】水平抑え部11と、水平抑え部11に垂直に立設されているボルト部12と、水平抑え部11又はボルト部12に形成されているスペーサー突起部111と、を有し、スペーサー突起部111は、建造物躯体の取付け表面に対して垂直に立設されたボルト部12を回転軸として水平抑え部11を建造物躯体の取付け表面に対して水平に回転させた時に、水平抑え部11とコンクリート系パネルとの間の空間内でスペーサー突起部111が水平回転することにより、水平抑え部11とコンクリート系パネルとの間の距離を所定の大きさに保持可能な態様で形成されている取付け金物1を用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、コンクリート系パネル、主には軽量気泡コンクリートパネル(ALCパネル)を、建造物の躯体に取付けるために用いる取付け金物、及び、当該取付け金物を介して、コンクリート系パネルが建造物躯体に固定されてなるコンクリート系パネル取付け構造に関する。
ALCパネル等のコンクリート系パネルを、H型鉄骨梁等の建造物躯体に、屋根材や床材として取付ける手段としては、様々な構造が採用されている。このようなコンクリート系パネル取付け構造の従来例として、例えば、図11に示すような構造を、従来の一般的なコンクリート系パネル取付け構造の具体例として挙げることができる。図11に示す通り、このコンクリート系パネル取付け構造は、フックボルト4と座金5及びナット6により、軽量気泡コンクリートパネル(ALCパネル)2等のコンクリート系パネルをH型鉄骨梁3等の建造物躯体に固定してなるものである。
図11に示す従来一般的な取付け構造においては、フックボルト4をH型鉄骨梁3に掛止する際、何らかの補助手段によってフックボルト4を支持する必要があり、又、ナット6を締めつけてALCパネル2をH型鉄骨梁3に最終的に固定する際も、ナット6の締付けの間、フックボルト4のフック部の向きを把握しつつそれを所定方向に保持し続けなければならない。又、フックボルト4をH型鉄骨梁3に先付け溶接をする方法もあるが、この方法による場合も、H型鉄骨梁3のフランジ裏面への溶接作業や、ALCパネル2のフックボルト4への位置合せの作業等が必須でありその作業工程は煩雑である。この通り、従来の一般的な取付け構造においては、生産性の低下につながりやすい煩雑な作業を多く行うことを余儀なくされていた。
図11に示す従来例によるコンクリート系パネルの取付け構造の改良案としては、例えば、小口付近に溝部が形成されたコンクリート系パネルと、当該溝部に係合可能な逆ハット形状の座金とを用いて、取付け金物を上方から落とし込んだ後にフックボルトを所定方向に回転させて位置調整を行い、その後に最終的締め付け固定を行う取付け構造が提案されている(特許文献1参照)。この取付け構造においては、図11に示す従来例よりも作業の容易性は改善される。しかしながら、この取付け構造の製造においては、取付け金物を落とし込むためにコンクリート系パネルに形成される切欠き穴部分の欠損が、耐火性の低化による品質低化という問題が生じる。
又、H型鉄骨梁等の表面上にボルトを予め溶接し、コンクリート系パネル同士をプレートで締め付ける取付け構造も提案されている(特許文献2参照)。この取付け構造においては、施工時に予めH型鉄骨梁等の建造物の躯体上にボルトを溶接しなければならず、コンクリート系パネルの施工時においてこのボルトの突起が施工の障害となり、生産性の低化という問題が生じる。
特開平8−333834号公報 特開2002−339492号公報
本発明は、コンクリート系パネルの建造物躯体への取付けにおいて、取付け作業が容易で、且つ、低コストで実施可能なコンクリート系パネルの取付け手段を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、コンクリート系パネルの建造物の躯体への取付けを、水平抑え部と、ボルト部と、スペーサー突起部と、を有する本願独自の取付け金物を介して行う構造とすることによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1) コンクリート系パネル取付け用の取付け金物であって、水平抑え部と、該水平抑え部に垂直に立設されているボルト部と、前記水平抑え部又は前記ボルト部に形成されているスペーサー突起部と、を有し、前記スペーサー突起部は、建造物躯体の取付け表面に対して垂直に立設された前記ボルト部を回転軸として前記水平抑え部を前記建造物躯体の取付け表面に対して水平に回転させた時に、前記水平抑え部とコンクリート系パネルとの間の空間内で該スペーサー突起部が水平回転することにより、該水平抑え部と該コンクリート系パネルとの間の距離を所定の大きさに保持可能な態様で形成されている、取付け金物。
(1)の発明によれば、コンクリート系パネルを建造物躯体へ取付ける際に、本願独自の上記構成を有する上記の取付け金物をコンクリート系パネルに仮止めしておくことにより、一般的な従来構造における場合のように、何らかの補助手段による取付け金物の支持が不要となる。又、フック部の向きを把握しつつそれを所定方向に保持し続ける必要もなくなる。これにより、コンクリート系パネルの建造物躯体への取付け作業が容易となり生産性が向上する。又、コンクリート系パネルへの取付けのための予備的な加工も最小限ですむため、そのような加工による品質低下も回避することができる。以上より(1)の発明によれば、取付け作業が容易で、且つ、低コストで実施可能である高品質のコンクリート系パネルの取付け構造を得ることができる。
(2) 前記水平抑え部が略矩形形状の板部材であって、前記水平抑え部の一の側辺の中点部分近傍に、前記ボルト部が立設されていて、前記一の側辺の端部近傍から、該一の側辺と対向する他の側辺に向けて、スペーサー突起部が形成されていて、前記スペーサー突起部の先端部の前記一の側辺からの距離が、前記ボルト部の前記他の側辺側の最前部の前記一の側辺からの距離と略同一、又は、微かに大きくなるような長さで、スペーサー突起部が形成されている(1)に記載の取付け金物。
(2)の発明によれば、(1)に記載の取付け金物を、表面に突起部を形成する加工を行った矩形状の金属プレートと、ボルト軸という、製造容易或いは汎用的な部材のみからなる金物部材でありながら、上記(1)のに記載の発明の効果を十分に且つ安定的に発現させることができる。これにより(1)の発明によるコンクリート系パネルの造物躯体へ取付けの作業性、経済性を更に向上させることができる。
(3) 前記ボルト部を形成する棒材の一部であって該ボルト部に対して垂直に折曲げられた部分が、水平抑え部を形成している(1)に記載の取付け金物。
(3)の発明によれば、汎用部材であるボルトのみを材料とし、それを折曲げ加工することによって(1)に記載の取付け金物と同等の作用効果を奏する取付け金物を形成することができる。これにより、(1)の発明の効果を汎用部剤の簡単な加工のみによって享受することができる。
(4) 前記水平抑え部において前記ボルト部が立設されている側の表面の少なくとも一部に、弾性部材層が積層されている(1)から(3)のいずれかに記載の取付け金物。
(4)の発明によれば、水平抑え部の表面に弾性部材層を積層することにより、建造物躯体の取付け表面の不陸を吸収できる。これにより、コンクリート形パネルの建造物躯体への取付け後の安定性を更に高めることができる。又、更には、コンクリート系パネルの上方から衝撃が加わった時に、取付け金物と建造物躯体との金属同士の軋み音を防止することもできる。
(5) 前記水平抑え部には山折り部と谷折り部とからなる折曲げ部によって段差が形成されている(1)から(4)のいずれかに記載の取付け金物。
(5)の発明によれば、取付け金物の水平抑え部をその表面に山折り谷折りの折曲げ部を形成することによって表面に段差が形成されている、所謂イナズマ型形状とした。これにより、例えば、取付け対象の建造物躯体の取付け面の厚みの部分的な変動に対しても対応でき、又、弾性体を張り付けた際にその部分の厚みのみを最適に調整することもできる。これにより、コンクリート形パネルの建造物躯体への取付け後の安定性を更に高めることができる。
(6) 前記ボルト部の頭部に、前記ボルト部に対する前記水平抑え部の水平設置方向を示す刻印がある(1)から(5)のいずれかに記載の取付け金物。
(6)の発明によれば、(1)から(5)のいずれかに記載の取付け金物を用いてコンクリート形パネル取付け構造を製造する際、コンクリート形パネルの側からは直接視認することができないボルト部に対する水平抑え部の水平設置方向を、この刻印により間接的に視認して確認することができる。よって(1)から(5)の取付け用金物を用いたコンクリート系パネルの建造物躯体への取付けの作業性を更に高めることができる。
(7) (1)から(6)のいずれかに記載の取付け金物を介して、コンクリート系パネルが建造物躯体に固定されているコンクリート系パネル取付け構造。
(7)の発明によれば、コンクリート系パネルを建造物躯体へ取付けるコンクリート系パネル取付け構造であって、コンクリート系パネルの建造物躯体へ固定を、本願独自の上記構成を有する上記の取付け金物を介して行うものとした。取付け作業が容易で生産性が高いこと等、(1)の発明の奏する効果と同等の効果を奏するコンクリート系パネルの取付け構造を得ることができる。
(8) 前記コンクリート系パネルが、軽量気泡コンクリートパネルである(7)に記載のコンクリート系パネル取付け構造。
(8)の発明によれば、軽量気泡コンクリートパネルを取付けるための過剰な予備的加工が不要となる。よって上記の優れた特性を有する軽量気泡コンクリートパネルを用いた取付け構造の施工時の作業性や品質の安定性をより向上させることができる。
(9) (1)から(6)のいずれかに記載の取付け金物を介して、コンクリート系パネルを、建造物躯体に固定するコンクリート系パネル取付け構造の製造方法であって、前記取付け金物を、前記ボルト部を中心に回転可能な態様で仮止めしてある前記コンクリート系パネルを、該取付け金物を介して前記建造物躯体に仮配置する処理と、前記仮配置後に、前記水平抑え部を回転させて、該水平抑え部と前記コンクリート系パネルとで、前記建造物躯体を挟持することができる位置に該水平抑え部を配置する処理と、前記水平抑え部の配置後、前記ボルト部を締め付けて、コンクリート系パネルを建造物躯体に固定する処理と、を行い、前記水平抑え部の回転時には、前記スペーサー突起部が、前記水平抑え部と前記コンクリート系パネルとの間の空間内で水平回転することにより、該水平抑え部と該コンクリート系パネルとの間の距離を所定の大きさに保持するコンクリート系パネル取付け構造の製造方法。
(9)の発明によれば、コンクリート系パネルを建造物躯体へ取付ける際に、本願独自の上記構成を有する上記の取付け金物をコンクリート系パネルに仮止めしておくことにより、一般的な従来構造における場合のように、何らかの補助手段による取付け金物の支持が不要となる。又、フック部の向きを把握しつつそれを所定方向に保持し続ける必要もなくなる。これにより、コンクリート系パネルの建造物躯体への取付け作業が容易となり生産性が向上する。又、コンクリート系パネルへの取付けのための予備的な加工も最小限ですむため、そのような加工による品質低下も回避することができる。以上より(10)の発明によれば、高品質のコンクリート系パネルの取付け構造を容易に、且つ低コストで製造することができる。
本発明によれば、コンクリート系パネルの建造物躯体への取付けにおいて、取付け作業が容易で、低コストで実施可能なコンクリート系パネルの取付け手段を提供することができる。
本発明のコンクリート系パネル取付け構造の説明に供する図面であり、その一部の断面や内部構成を模式的に示した斜視図である。 本発明のコンクリート系パネル取付け構造の製造方法による製造途中段階における本発明のコンクリート系パネル取付け構造の断面図である。 図2のコンクリート系パネル取付け構造の上面図である。 本発明のコンクリート系パネル取付け構造の製造方法による製造完了段階における本発明のコンクリート系パネル取付け構造の断面図である。 図4のコンクリート系パネル取付け構造の上面図である。 本発明の取付け金物の斜視図である。 本発明の取付け金物の実施形態の説明に供する上面図及び側面図である。 本発明の取付け金物の他の実施形態の説明に供する上面図及び側面図である。 本発明の取付け金物の他の実施形態の説明に供する上面図及び側面図である。 本発明の取付け金物の他の実施形態の説明に供する上面図及び側面図である。 従来の一般的なコンクリート系パネルの取付け構造を模式的に示す一部断面図である。
以下、本発明のコンクリート系パネル取付け構造、それに用いるコンクリート系パネル取付け用の取付け金物、及びコンクリート系パネル取付け構造の製造方法について、それぞれの好ましい各実施形態について順次説明する。尚、以下においては、コンクリート系パネルが、軽量で施工性に優れる軽量気泡コンクリートパネル(ALCパネル)であり、これを建造物躯体として汎用的に用いられている建築部材であるH型鉄骨梁に固定する実施形態について説明するが、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
<コンクリート系パネル取付け構造>
本発明のコンクリート系パネル取付け構造とは、ALCパネルに代表されるコンクリート系パネルを、本発明特有の取付け金物を介して、H型鉄骨梁に代表される建造物躯体に固定してなる構造体である。
図1は、本発明の取付け金物1を用いて形成することができるコンクリート系パネル取付け構造10の説明に供する図面である。又、図1は、コンクリート系パネル取付け構造10の構成の理解を容易とするために、その一部の断面や内部構成を模式的に図示した斜視図である。コンクリート系パネル取付け構造10においては、取付け金物1が、ALCパネル2とH型鉄骨梁3との両部材に介在することにより、これらの両部材を、安定的に固定することができるよう図1に示すような位置に配置されている。
コンクリート系パネル取付け構造10は、図1に示す通り、ナット13と座金14とによってALCパネル2に固定されている取付け金物1の水平抑え部11が、ALCパネル2の表面との間でH型鉄骨梁3のフランジ部を挟持している状態で、ボルト部12をナット13に対して適切な強度で締め付けることによって、ALCパネル2がH型鉄骨梁3の所定位置に固定されている。
尚、コンクリート系パネル取付け構造10は、特段の限定なく、様々なプレキャストパネルからなるコンクリート系パネルの取付け構造として採用することができるが、軽量で施工性に優れる軽量気泡コンクリートパネルを用いた壁体等を製造する場合において、特に、好ましく採用することができる。
<取付け金物>
取付け金物1は、図6に示す通り、水平抑え部11と、水平抑え部11に立設されているボルト部12とを備える金物部材である。そして、取付け金物1は、固定用のナット13及び座金14と組合せて用いられることにより、ALCパネル2とH型鉄骨梁3との両部材を十分な強度で安定的に固定して、コンクリート系パネル取付け構造10を構成する。
又、取付け金物1を用いるコンクリート系パネル取付け構造の製造方法(以下「本発明の製造方法」とも言う)によれば、予め、取付け金物1が仮止めされた状態のALCパネル2を、H型鉄骨梁3の所定の位置に仮配置(図2及び3参照)し、その後に取付け金物1を180°水平回転させることにより(図4及び5参照)、水平抑え部11を所定の位置に移動させてH型鉄骨梁3と係合させる。取付け金物1の形状や大きさは、取付け対象となるコンクリート系パネルや建造物躯体の大きさや形状に応じて、このような軸回転や作用を発揮しうる範囲内で適宜調整すればよい。本発明の製造方法の詳細については後述する。
水平抑え部11は、板状或いは棒状の金属部材である。ボルト部12は、ナット13及び座金14と螺合可能なねじ部121が形成されているものであれば汎用品も含めて従来品を特に限定なく用いることができる。スペーサー突起部111は本発明の製造方法において、ボルト部12を回転軸として水平抑え部11をALCパネル2の表面に対して水平に回転させる際に、水平抑え部11とALCパネル2に挟まれた空間内で水平回転することにより、水平抑え部11とALCパネル2との間の距離を所定の大きさに保持する所謂スペーサーとしての位置調整機能を発揮できる態様で形成されているものであればよい。
例えば、図2及び図4に示す通り、スペーサー突起部111の高さは、固定対象となるH型鉄骨梁3のフランジ部の厚さと同一、又は、略同一であり僅かに低い程度であることが好ましい。このような高さのものに形成することにより、スペーサー突起部111は、水平抑え部11に対する位置調整機能を上記の通りに発揮することができる。
又、例えば、図3、図5に示す通り、スペーサー突起部111の長さは、プレート状の水平抑え部11の一の側辺の端部近傍から、当該一の側辺と対向する他の側辺に向けて、スペーサー突起部が形成されている場合において、ボルト部12の直径より僅かに大きい程度の長さであることが好ましい。
又、水平抑え部11が略矩形形状の板部材である場合におけるスペーサー突起部111の好ましい長さについて、より詳しくは図7に示す通りである。即ち、水平抑え部11の側辺L1の中点部分近傍に、ボルト部12が立設されていて、側辺L1の端部近傍から、側辺L1と対向する他の側辺L2に向けて、スペーサー突起部111が形成されているとき、スペーサー突起部111の先端部111Tと、ボルト部12の側辺L2側の最前部12Tとの、L1からの距離が同一となるようにスペーサー突起部111が形成されているか、又は、図7に示す通り、スペーサー突起部111の先端部111Tからの距離の方が微小幅wだけ大きくなるような長さでスペーサー突起部111が形成されていることが好ましい。スペーサー突起部111が水平方向にこのような長さで形成されていることによって、本発明の製造方法の実施時に水平抑え部11の過剰な回転が制限されてその位置調整がより容易となる。
水平抑え部11の平面形状は、四角形又は長方形等の矩形形状の板状部材であることが生産の容易性の観点からは好ましい。但し、水平抑え部11の平面形状は、これに限られるものではない。例えば、取付け金物1は、図10に示す通り、取付け金物の水平抑え部11を半円形にして、スペーサー突起部111を図10のように水平抑え部11表面の側端部近傍に形成したものであってもよい。
又、本発明の取付け金物は、図9に示す通り、取付け金物1の水平抑え部11の代わりにボルト部の軸をL字型に曲げて、フック部態様の水平抑え部11Bを形成し、ボルト部12Bにスペーサー突起部111Bを形成した取付け金物1Bであってもよい。又、この場合、ボルト部12Bに形成したスペーサー突起部111Bが、取付け金物1におけるスペーサー突起部111に同様の効果を発現させることができる。
取付け金物1は、図6、図7等に示す通り、水平抑え部11に、弾性部材層112を形成したものであることがより好ましい。弾性部材層112は、ゴム・アスファルト・プラスチック・ビニール・ばねにより形成することができる。尚、図9に示す取付け金物1Bにおいても、折曲げられて形成されたた水平抑え部11Bに弾性部材層を施すことにより、同様の効果を得ることができる。
取付け金物1は、図8に示す通り、取付け金物の水平抑え部11部に山折り部と谷折り部とからなる折曲げ部113によって段差が形成されている、所謂イナズマ形状型の水平抑え部11を有するものであることが好ましい。これにより、上記の通り、ALCパネル2のH型鉄骨梁3への取付け後の安定性を更に高めることができる。
取付け金物1は、図6、図7等に示す通り、ボルト部12の頭部に、水平抑え部11の水平形成方向を示す刻印122が形成されているものであることがより好ましい。ボルト頭部に、水平抑え部11の水平形成方向を示す刻印122が形成されていることにより、本発明の製造方法の実施時に、ALCパネル2の側からは直接視認することができないボルト部に対する水平抑え部11の水平形成方向を、この刻印122により間接的に視認して確認することができる。
<コンクリート系パネル取付け構造の製造方法>
コンクリート系パネル取付け構造10は、以下の製造方法により製造することができる。先ず、ALCパネル2の所望の位置、好ましくは小口面近辺の表面に取付け金物1のボルト部12の軸径程度の金物設置穴を形成する。そして当該金物設置穴にボルト部12を挿入し、ナット13及び座金14と螺合させることにより、取付け金物1をALCパネル2に仮止めする。この時、ナット13等とボルト部12の締め付けの強度は、少なくとも取付け金物1の落下を防ぐことができる強度以上とし、且つ、ボルト部12の軸を中心に取付け金物1が回転可能な程度の強度に止める。又、水平抑え部11のボルト部12が設置されている側と反対側の先端部は、図2及び図3に示す通り、H型鉄骨梁3を中心に挟んで互いに略180°反対方向を向く態様で仮止めする。このような態様で取付け金物1を仮止めしておくことにより、ALCパネルのH型鉄骨梁3への仮配置の際、水平抑え部が不要にH型鉄骨梁3のフランジ部等に接触することによる作業性の低化を防ぐことができる。又、このとき、スペーサー突起部111が、スペーサーとしての機能を発揮しつつALCパネル2と水平抑え部11との間に介在するので、両者間の距離を所望の大きさに保持することができる。
次に、取付け金物1を仮止めしたALCパネル2をH型鉄骨梁3に対しての所望の位置に仮配置する。そして、その後、図4及び図5に示す通り、水平抑え部11とALCパネル2との間にH型鉄骨梁3のフランジ部を挟持することができるように、水平抑え部11を180°水平回転させて適切な位置に配置する。水平抑え部11の回転中から回転後における水平方向の位置は、刻印122により、ALCパネル2の側からも随時確認することができる。又、上記回転中から回転後までを通じて、スペーサー突起部111が、水平抑え部11とALCパネル2との間の空間内で両部材に接触しながら水平回転することにより、水平抑え部11とALCパネルとの間の距離は、常に望ましい所定の大きさに保持されることとなる。
上記の通り、水平抑え部11を適切な位置に配置した後、ボルト部12を更に締め付けて、ALCパネル2をH型鉄骨梁3に適切用な強度で固定する。以上の作業工程を経ることにより本発明のコンクリート系パネル取付け構造10を製造することができる。
本発明の製造方法によれば、ALCパネル2の仮配置後に、取付け金物1を回転させて、H型鉄骨梁3に緊結することにより、下方からの補助作業が不要となるとともに、スペーサー突起部111の作用により、H型鉄骨梁3のフランジ部への取付け金物1の係合の具合を確実に検知できる。又、ボルト部12の締付け時にも、スペーサー突起部111の作用により、取付け金物1の過回転を防ぎ、確実な締付け作業が可能である。尚、本発明の製造方法による場合、ALCパネル2加工する上記の設置穴は、ボルト径程度であり、耐火上弱点となるほどの隙間を生じることはない。以上より、本発明の製造方法は、作業性に優れ、低コストで実施可能な生産性の高い工法であり、尚且つ、コンクリート系パネルの耐火性を損なうこともないため、品質保持の観点からも優れた工法であることが分る。
1 取付け金物
11 水平抑え部
111 スペーサー突起部
112 弾性部材層
113 折曲げ部
12 ボルト部
121 ねじ部
122 刻印
13 ナット
14 座金
2 軽量気泡コンクリートパネル
3 H型鉄骨梁
4 フックボルト
10 コンクリート系パネル取付け構造

Claims (9)

  1. コンクリート系パネル取付け用の取付け金物であって、
    水平抑え部と、該水平抑え部に垂直に立設されているボルト部と、前記水平抑え部又は前記ボルト部に形成されているスペーサー突起部と、を有し、
    前記スペーサー突起部は、建造物躯体の取付け表面に対して垂直に立設された前記ボルト部を回転軸として前記水平抑え部を前記建造物躯体の取付け表面に対して水平に回転させた時に、前記水平抑え部とコンクリート系パネルとの間の空間内で該スペーサー突起部が水平回転することにより、該水平抑え部と該コンクリート系パネルとの間の距離を所定の大きさに保持可能な態様で形成されている、取付け金物。
  2. 前記水平抑え部が略矩形形状の板部材であって、
    前記水平抑え部の一の側辺の中点部分近傍に、前記ボルト部が立設されていて、
    前記一の側辺の端部近傍から、該一の側辺と対向する他の側辺に向けて、スペーサー突起部が形成されていて、
    前記スペーサー突起部の先端部の前記一の側辺からの距離が、前記ボルト部の前記他の側辺側の最前部の、前記一の側辺からの距離と略同一、又は、微かに大きくなるような長さで、スペーサー突起部が形成されている請求項1に記載の取付け金物。
  3. 前記ボルト部を形成する棒材の一部であって該ボルト部に対して垂直に折曲げられた部分が、水平抑え部を形成している請求項1に記載の取付け金物。
  4. 前記水平抑え部において前記ボルト部が立設されている側の表面の少なくとも一部に、弾性部材層が積層されている請求項1から3のいずれかに記載の取付け金物。
  5. 前記水平抑え部には山折り部と谷折り部とからなる折曲げ部によって段差が形成されている請求項1から4のいずれかに記載の取付け金物。
  6. 前記ボルト部の頭部に、前記ボルト部に対する前記水平抑え部の水平設置方向を示す刻印がある請求項1から5のいずれかに記載の取付け金物。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の取付け金物を介して、コンクリート系パネルが建造物躯体に固定されているコンクリート系パネル取付け構造。
  8. 前記コンクリート系パネルが、軽量気泡コンクリートパネルである請求項7に記載のコンクリート系パネル取付け構造。
  9. 請求項1から6のいずれかに記載の取付け金物を介して、コンクリート系パネルを、建造物躯体に固定するコンクリート系パネル取付け構造の製造方法であって、
    前記取付け金物を、前記ボルト部の軸を中心に回転可能な態様で仮止めしてある前記コンクリート系パネルを、該取付け金物を介して前記建造物躯体に仮配置する処理と、
    前記仮配置後に、前記水平抑え部を回転させて、該水平抑え部と前記コンクリート系パネルとで、前記建造物躯体を挟持することができる位置に該水平抑え部を配置する処理と、
    前記水平抑え部の配置後、前記ボルト部を締め付けて、コンクリート系パネルを建造物躯体に固定する処理と、を行い、
    前記水平抑え部の回転時には、前記スペーサー突起部が、前記水平抑え部と前記コンクリート系パネルとの間の空間内で水平回転することにより、該水平抑え部と該コンクリート系パネルとの間の距離を所定の大きさに保持するコンクリート系パネル取付け構造の製造方法。
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JP2020139323A (ja) * 2019-02-28 2020-09-03 松尾建設株式会社 固定具
JP2020193083A (ja) * 2019-05-29 2020-12-03 積水化学工業株式会社 床パネル運搬方法、吊下金具および床パネル固定方法
JP2021037448A (ja) * 2019-09-02 2021-03-11 敏彦 山口 接続部材

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