JP2020193083A - 床パネル運搬方法、吊下金具および床パネル固定方法 - Google Patents

床パネル運搬方法、吊下金具および床パネル固定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】工期およびコストの低減が可能な床パネル運搬方法を提供する。【解決手段】頭部31および座金32を上にしてボルト貫通孔21にネジ部33を貫通させるボルト貫通ステップと、床パネル20の下側に突出したネジ部33に、ナット34および固定プレート40を装着し、座金32と床パネル20の表面20aとの間に、隙間SPを形成可能な位置にナット34をかみ合わせるナット側部材締結ステップと、隙間SPに吊下金具50を挿入し、吊下金具50をボルト30を係合させる吊下金具装着ステップと、吊下金具50に、吊上装置の吊具100を掛ける吊具掛けステップと、吊上装置により床パネル20を、床パネル20を床梁12、12に架け渡すよう運搬する床パネル運搬ステップと、ボルト30から吊下金具50を取り外す吊下金具取り外しステップとを備える床パネル運搬方法とした。【選択図】図2

Description

本発明は、床パネル運搬方法、床パネル運搬方法に用いる吊下金具および床パネル固定方法に関する。
従来、ボルトを用いて床梁に長手方向両端を固定するようにした床パネルは知られている(例えば、特許文献1参照)。この従来技術では、床梁に固定されたスタッドボルトを、床パネルの貫通穴に挿通させ、スタッドボルトにナットを締結して床パネルを床梁に固定するようにしている。
また、このような床パネルを、吊り上げて運搬する吊上げ冶具が知られている(例えば、特許文献2参照)。この従来技術は、一対の棒状部材を回転自在に連結した冶具により、棒状部材の先端の把持手段により床パネルの側面を挟んで吊り上げるようにしている。
特開2009−102832号公報 特開平8−259170号公報
ところで、床パネルを、建設現場の建物の床梁上に運搬する際、床パネルにワイヤなどにより紐掛けし、吊上装置により吊り上げて運搬するのが一般的である。この場合、床パネルに掛けた紐を外すための隙間が必要なため、所定の設置位置(例えば、特許文献1に記載のようにスタッドボルトをボルト挿通穴に挿通させる位置)からずらした位置に仮置きすることになる。
したがって、紐掛けおよびその取り外しの作業の手間に加え、床パネルを仮置き位置から所定の設置域に移動させる作業に手間を要し、その分、工期およびコストの増加を招く。
特許文献2に記載の吊上げ冶具を用いた場合も、床パネルを下ろす際に、隣り合って配置される床パネルとの間に、把持手段を入れる空間が必要であり、上記と同様に設置すべき位置にそのまま下ろすことができない。よって、上記と同様に、床パネルを仮置き位置から所定の設置域に移動させる作業に手間を要し、その分、工期およびコストの増加を招く。
本開示は、上述の従来の問題点に着目してなされたもので、床パネルの運搬作業の手間を削減し、工期およびコストの低減が可能な床パネル運搬方法、吊下金具および床パネル固定方法を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本開示の床パネル運搬方法は、床パネルを、吊上げ装置により建物の一対の床梁に架け渡すよう運搬する床パネル運搬方法であって、前記床梁に載置される前記床パネルの端部近傍に形成されたボルト貫通孔に、前記ボルト貫通孔よりも大きな頭部側部材を上にしてボルトのネジ部を貫通させるボルト貫通ステップと、前記ボルト貫通孔から前記床パネルの下側に突出した前記ネジ部に、前記ボルト貫通孔よりも大きなナット側部材をかみ合わせ、さらに、前記ナット側部材の位置は、前記ボルトを前記ナット側部材に規制されるまで引き上げた際に、前記頭部側部材と前記床パネルとの間に、所定の間隔の隙間を形成可能とする位置とするナット装着ステップと、前記隙間に吊下金具を挿入し、前記吊下金具を前記ボルトに係合させる吊下金具装着ステップと、前記吊下金具に、前記吊上装置の吊具を掛ける吊具掛けステップと、前記吊上装置により前記床パネルを、一対の前記床梁に架け渡すよう運搬する床パネル運搬ステップと、前記隙間から前記吊下金具を取り外す吊下金具取り外しステップと、を備える。
また、本開示の吊下金具は、前記ボルトに係合させるボルト係合片と、前記ボルト係合片を前記隙間に挿入した状態で前記床パネルの表面から立ち上がった状態となる角度で前記ボルト係合片と一体に設けられ、かつ、前記吊具を係合可能な吊下片と、を備え、前記ボルト係合片は、前記吊下片側の端部から前記ボルト係合片の中央部にかけて、前記ネジ部を挿通可能である一方、前記頭部側部材を挿通できない幅のネジ部挿通穴を備え、前記吊下片は、前記ボルト係合片側の端部に、前記ネジ部挿通穴に連続して形成され、前記頭部側部材を前記ネジ部挿通穴に沿う方向に挿通可能に開口された頭部挿通穴と、前記吊具を係止可能な係止部と、を備える。
また、本開示の床パネル固定方法は、一対の床梁に架け渡した前記床パネルを、前記床パネルのボルト貫通孔に頭部を上にしてネジ部が貫通されたボルトと、前記床パネルの下側に位置して前記ネジ部に装着された固定部材と、を用いて前記床梁に固定する床パネル固定方法であって、さらに、前記ボルト貫通孔は、前記床パネルを前記床梁に架け渡した際に水平方向位置が前記床梁と重ならない位置に形成され、前記固定部材は、前記ネジ部に対して、前記床パネルを前記床梁に架け渡した際に前記床梁と上下方向で係合しない非係合位置と、上下方向で係合する係合位置とに移動可能に装着されている。そして、前記ボルトを、前記頭部を上にしてネジ部を前記ねじ貫通孔に貫通させるボルト貫通ステップと、前記床パネルを貫通して下側に突出した前記ネジ部に前記固定部材を装着した後、前記固定部材の下側から前記ネジ部にナットを装着し、さらに、前記固定部材を前記非係合位置に配置するナット装着ステップと、前記床パネルを、一対の前記床梁に架け渡した所定の設置位置に運搬する運搬ステップと、前記固定部材を前記係合位置に移動させ、さらに、前記ナットを締結して前記固定部材と前記床パネルとで前記床梁の被締結部を挟んだ状態として前記床パネルを前記床梁に固定する固定ステップと、を備える。
本開示の床パネル運搬方法では、床パネルの運搬作業の手間を削減し、工期およびコストの低減が可能である。
また、本開示の吊下金具は、床パネル運搬方法の実施を可能とする。
さらに、本開示の床パネル固定方法は、一対の床梁に架け渡された床パネルを、容易に固定することを可能として、工期およびコスト低減が可能である。
実施の形態1の床パネル運搬方法、吊下金具および床パネル固定方法を適用する建物1の床FLを示す斜視図である。 実施の形態1の床パネル運搬方法および床パネル固定方法に用いる床パネル20の要部を示し、ナット側部材締結ステップの実行後にボルト30を引き上げた状態を示す断面図である。 実施の形態1の床パネル運搬方法に用いる吊下金具50を示す斜視図である。 実施の形態1の床パネル運搬方法における吊下金具装着ステップの説明図である。 実施の形態1の床パネル運搬方法における吊具掛けステップの説明図である。 実施の形態1の床パネル運搬方法および床パネル固定方法における床パネル運搬ステップの吊上げ時の説明図である。 実施の形態1の床パネル運搬方法および床パネル固定方法における床パネル運搬ステップの床パネルの設置時の説明図である。 実施の形態1の床パネル運搬方法および床パネル固定方法における吊下金具取り外しステップの説明図である。 実施の形態1の床パネル運搬方法により運搬した床パネルを実施の形態1の床パネル固定方法により固定する固定ステップの説明図である。
以下、本開示による床パネル運搬方法、吊下金具および床パネル固定方法を実現する実施形態を、図面に基づいて説明する。
実施の形態1の床パネル運搬方法吊下金具および床パネル固定方法は、図1に示す鉄骨造の建物1の床FLを形成する床パネル20の運搬に用いる。
床パネル20は、建物1の床梁12、12に架け渡された状態で設置される。なお、床梁12としては、溝形鋼などを使用することができるもので、本実施の形態1では、上フランジ12aおよび下フランジ12bを有するH型鋼を用いる。
(床パネルの固定構造の説明)
次に、床パネル20を床梁12に固定する構造について説明する。
床パネル20は、図1に示すように、床梁12、12に架け渡すことができる長さを有する長方形の板状に形成され、床梁12に沿う方向に複数枚並列に並べて床FLが形成される。そして、床パネル20には、長手方向両端に、図2に示すボルト30のネジ部33を上下に貫通させるためのボルト貫通孔21が上下方向に貫通して形成されている。なお、床パネル20の材質は、特に限定されるものではなく、プレキャストコンクリートパネルや木質系のパネルなど、公知のものを用いることができる。本実施の形態1では、床パネル20として、軽量気泡コンクリートパネル(ALCパネル)を用いている。
ボルト貫通孔21は、床パネル20の長手方向では、床梁12、12に架け渡した際に、床梁12の上フランジ12aよりも内側に位置するように配置されている。また、床パネル20の長手方向に直交する幅方向では、床パネル20の中央に配置されている(図1参照)。さらに、ボルト貫通孔21の上端部には、後述するボルト30の頭部31と座金32とを収容可能な凹状の座堀穴22が形成されている。すなわち、座堀穴22は、その深さがボルト30の頭部31と座金32との上下方向寸法を足し合わせた寸法よりも大きく、その直径が座金32の直径よりも大径に形成されている。
そして、床パネル20は、長手方向の両端部に設けられたボルト30と、このボルト30の下端部に支持された固定プレート40およびナット34と、により床梁12に固定される。
ボルト30は、六角形などの多角形の頭部31の下に、円盤状の座金32が一体に設けられ、ナット34はネジ部33にかみ合わせられている。
固定プレート40は、金属板材により形成され、基部41と、この基部41よりも下方に位置する係合片部42とにより二段の階段状に形成されている。基部41には、ボルト30のネジ部33を挿通するボルト挿通穴41aが形成されている。すなわち、基部41は、図2に示すように、ナット34の上側の位置でボルト30のネジ部33に、軸方向に移動可能、かつ、回転可能に装着されている。また、基部41は、ネジ部33に装着した状態で、床梁12の上フランジ12aと上下方向に干渉しない大きさに形成されている。
係合片部42は、基部41から外径方向に延び、基部41を床パネル20の裏面に当接させた状態で、床梁12の上フランジ12aの下面に当接可能に、段差(基部41に対する軸方向の位置)および外径方向の長さが設定されている。すなわち、固定プレート40は、基部41をネジ部33に対して回転させることで、図4D、図4Eに示すように床パネル20を床梁12に架け渡した際に床梁12と上下方向で係合しない非係合位置と、図4Fに示すように上下方向で係合する係合位置とに移動可能に装着されている。そして、この固定プレート40の基部41の下側にナット34がかみ合わされ、ナット34の締結に伴って固定プレート40がネジ部33に沿って移動する。
また、床パネル20を床梁12に固定する際には、図4Eに示すように、ボルト30の頭部31および座金32は、座堀穴22に収容する。そして、図4Fに示すように、固定プレート40の係合片部42を床梁12の上フランジ12aの下側に配置した係合位置として、ナット34を締結することで、上フランジ12aを床パネル20と係合片部42との間に挟み込んで、床パネル20を床梁12に固定することができる。
(吊下金具の説明)
次に、床パネル20を吊り上げて運搬する際に用いる吊下金具50について説明する。
吊下金具50は、金属製の板材により形成され、図3に示すように、矩形のボルト係合片51と矩形の吊下片52とにより逆山形断面形状に形成されている。すなわち、ボルト係合片51を水平に位置させた際に、吊下片52が斜めに立ち上がる形状に形成されている。
ボルト係合片51は、ネジ部挿通穴51aが形成されている。このネジ部挿通穴51aは、吊下片52側の端縁に開口を有し、この開口から、ボルト係合片51の中央位置まで延在されている。そして、ネジ部挿通穴51aは、ボルト30のネジ部33を挿入可能な幅である一方、頭部31および座金32の直径よりも小さな幅に形成されている。
吊下片52は、頭部挿通穴52aと係止穴52bとが形成されている。頭部挿通穴52aは、ボルト係合片51に連続する端縁部分にネジ部挿通穴51aに連続して形成され、かつ、ボルト30の頭部31および座金32を挿通可能な大きさの矩形状に開口されている。係止穴52bは、吊下片52の中央から、僅かにボルト係合片51から離れた位置に円形状に開口されている。
(床パネル運搬方法)
次に、床パネル20を運搬し、建物1の床梁12、12に架け渡し固定する手順を説明する。この運搬として、床パネル20をトラックに積載し、建築現場に運び、トラックから建物1に設置された床梁12、12の上に運搬する場合を例に挙げる。
<ボルト貫通ステップおよびナット装着ステップ>
まず、トラックに積載された床パネル20に、ボルト30および固定プレート40を装着する。この場合、ボルト30の頭部31および座金32を上にしてネジ部33を、図2に示すように、床パネル20のボルト貫通孔21に上方から貫通させる(ボルト貫通ステップ)。
次に、ネジ部33に固定プレート40を装着する。すなわち、ボルト貫通孔21の下端から突出したネジ部33を基部41のボルト挿通穴41aに挿通させる。さらに、固定プレート40の下に、ネジ部33の先端側からナット34をかみ合わせて装着する(ナット装着ステップ)。
このナット34の装着位置は、ボルト30を床パネル20から引き上げて固定プレート40を床パネル20の裏面に当接させると、座金32と床パネル20の表面20aとの間に、吊下金具50のボルト係合片51を差し込み可能な隙間SPを形成する位置とする。
<吊下金具装着ステップ>
次に、ボルト30に吊下金具50を装着する。この場合、図4Aに示すように、吊下金具50のボルト係合片51を、床パネル20の長手方向端部側から表面20aに沿って一点鎖線の矢印の方向に移動させる。そして、頭部挿通穴52aに、ボルト30の頭部31および座金32を通過させ、ネジ部挿通穴51aの最も奥までネジ部33を移動させる。これにより、図4Bに示すように、ボルト係合片51は、座金32と上下方向に係合し、ネジ部33と水平方向に係合する。さらに、このとき、固定プレート40は、図2に示すように、係合片部42が床パネル20の長手方向で中央の方向を向いた非係合位置に配置する。
<吊具掛けステップおよび床パネル運搬ステップ>
床パネル20を建物1に運搬する際には、まず、吊下金具50の吊下片52の係止穴52bに、図4Cに示すように、図外のクレーンなどの吊上装置の吊具100を引っ掛ける(吊具掛けステップ)。なお、吊具100の先端には、図示は省略するが、係止穴52bに係止可能なフックなどが設けられているものとする。この場合、単に係止穴52bに吊具100を掛けるだけであり、ワイヤなどにより床パネル20に紐掛けを行うのと比較して、容易に行うことができ、作業時間の短縮を図ることができる。
次に、吊具100の紐状部分101の中央を図外の吊上装置により吊り上げて移動させ、床パネル20を、図1に示すように、建物1の一対の床梁12、12に架け渡す。なお、床パネル20の吊り上げ時には、吊下金具50が、床パネル20の中央方向に引っ張られるため、ボルト30のネジ部33はネジ部挿通穴51aの最も奥に位置する状態に維持され、吊下金具50がボルト30から脱落しにくい。
そして、床パネル20に紐掛けを行っていないため、床パネル20は、床梁12の所定の設置位置に直接配置することができる。なお、このとき、固定プレート40は、非係合位置に配置しているため、図4Dに示すように、床梁12の上フランジ12aと干渉することなく、床パネル20を床梁12に架け渡すことができる。
<吊下金具取り外しステップ>
床パネル20を、床梁12、12に架け渡して所定の設置位置に配置したら、吊下金具50から吊具100を取り外す。そして、吊下金具50から吊具100を外したら、次に、吊下金具50をボルト30から取り外す。この場合、吊下金具50を、矢印Mの方向に引っ張ることで、ネジ部33が、ネジ部挿通穴51aに沿って移動し、頭部31および座金32が頭部挿通穴52aを通過し、吊下金具50をボルト30との係合状態から取り外すことができる。
そして、吊下金具50をボルト30から取り外したら、ボルト30は、自重により床パネル20に対して下方に移動する。これにより、図4Eに示すように、頭部31および座金32が、座堀穴22に収容され、固定プレート40は、床梁12の上フランジ12aよりも低い位置に下がる。
<床パネル固定ステップ>
次に、床パネル20を床梁12に固定する作業を行う。この場合、まず、固定プレート40を、ボルト30を中心に回転させ、係合片部42を、床梁12の上フランジ12aの下方に配置した係合位置に移動させる。
次に、ナット34を締結方向に回転させ、ナット34と頭部31との間隔を狭めることにより、固定プレート40の係合片部42が、床梁12の上フランジ12aの下面に当接する。そして、ナット34をさらに締結すると、床梁12の上フランジ12aが、床パネル20の裏面と係合片部42との間に挟み込まれ、床パネル20の上下方向の移動が規制されて固定される。また、固定プレート40の基部41が、上フランジ12aに近接して配置されて、床パネル20が、床梁12に対して床パネル20の長手方向へ移動するのが規制される。
(実施の形態1の作用)
実施の形態1の作用を説明するにあたり、まず、比較例およびその問題点について説明する。
フックを直接掛ける箇所が無い床パネル20を、トラック(図示せず)の荷台から建物1に運搬する場合に、いわゆる玉掛け作業を行う。具体的には、まず、荷台上で、フックを掛けるためのワイヤやナイロンスリングなどにより紐掛けを行う。そして、紐掛け部分にクレーンなどの吊上装置のフックを引っ掛けて建物1に運搬する。
この運搬により、床パネル20を、例えば、建物1の床FLの床梁12、12に掛け渡す場合、床パネル20を水平に吊り下げることができる位置に紐掛けを行う必要があり、その作業に経験を要し、また、時間も要する。さらに、運搬後に、床パネル20からワイヤやナイロンスリングなどを取り外す作業を行う必要があるため、所望の設置位置とは異なる位置、例えば、隣り合う床パネル20と作業用の隙間を空けた位置に、一旦仮置きする。そして、ワイヤなどを外した後、重い床パネル20を人力や工具を使うなどして正規の設置位置に移動させるという作業となる。
このように、床パネル20にワイヤなどの紐掛けを行う作業、これを取り外す作業、床パネル20を仮置き位置から正規の設置位置に移動させる作業が必要で、トラック荷台上の荷揚げ者も、建物側の荷降ろし者も、手待ち時間が長く、作業効率が悪い。このため、工期およびコストの増加を招く。特に、2階以上の床FLを形成する場合には、正規の設置位置への移動の際に、安全性を確保するための、道具やその作業の手間も要する。
それに対し実施の形態1の床パネル運搬方法では、床パネル20を床梁12に固定するためのボルト30を利用して吊下金具50を取り付け、この吊下金具50に、フックを掛けることができる。そして、吊下金具50の装着は、床パネル20の表面20aに沿って移動させるだけである。このため、紐掛け作業を行う場合と比較して、短時間の作業となり、トラックの荷台上の荷揚げ者の作業時間を短縮できる。
また、吊下金具50は、床パネル20の長手方向に沿って移動させることで、装着、取り外しができるため、床パネル20の運搬時に、隣り合う床パネル20との間に作業用の空間を設ける必要がなくなり、床パネル20を、直接、正規の位置に運搬することができる。このため、床パネル20を仮置き位置から正規位置に移動させる作業が不要となる。また、吊下金具50の取り外しがワイヤなどを外す場合と比較して、短時間に行うことができる。
さらに、吊下金具50を用いたことにより、実施の形態1の床パネル運搬方法を容易に実施可能となる。すなわち、ボルト係合片51は、吊下片52側の端部からネジ部挿通穴51aを形成したため、吊下金具50をボルト30に係合させた後に、床パネル20を吊り上げた際に、吊り上げ力が、ネジ部挿通穴51aの奥側にネジ部33を配置するように作用する。したがって、吊下金具50がボルト30から脱落しにくく、作業性に優れる。
また、吊下金具50は、ボルト係合片51に対して、吊下片52が立ち上がるように一体に設けられている。したがって、ボルト係合片51をボルト30に係止状態とした状態で、吊下片52に対する吊具100の係止を容易に行うことができ、作業性に優れる。しかも、吊下金具50を、ボルト係合片51と吊下片52とにより形成したため、一枚の金属板から形成することが可能であり、製造性に優れる。すなわち、吊具100を係止可能ボルト係止部として、金属製フックなどを用いた場合、このようなフックをボルト係合片51に一体に設けるために溶接作業などが必要になり、製造に手間を要する。
さらに、吊下金具50の吊下片52には、頭部挿通穴52aを形成しているため、吊下金具50を床パネル20に沿ってスライドさせるだけで、ボルト30と係合状態とすることができ、作業性に優れる。
また、床パネル20を床梁12に固定するボルト30を、運搬を行う前に予め床パネル20に取り付けておき、床パネル20を床梁12に固定する際には、固定プレート40を非係合位置から係合位置に移動させた後、ナット34を締結するだけの作業となる。このため、床パネル20を固定する作業時間を短縮することができる。
(実施の形態の効果)
以下に、本実施の形態1の床パネル運搬方法および吊下金具50の効果を列挙する。
(1)実施の形態1の床パネル運搬方法は、床パネル20を、建物1の一対の床梁12、12に架け渡すよう運搬する床パネル運搬方法であって、下記のステップを備える。
床梁12に載置される床パネル20の端部近傍に形成されたボルト貫通孔21に、ボルト貫通孔21よりも大きな頭部側部材としての頭部31および座金32を上にしてボルト30のネジ部33を貫通させるボルト貫通ステップ。
ボルト貫通孔21から床パネル20の下側に突出したネジ部33に、ボルト貫通孔21よりも大きなナット側部材としてのナット34および固定プレート40をかみ合わせ、さらに、ナット34および固定プレート40の位置は、ボルト30をナット34および固定プレート40に規制されるまで引き上げた際に、頭部31および座金32と床パネル20との間に、所定の間隔の隙間SPを形成可能とする位置とするナット装着ステップ。
隙間SPに吊下金具50を挿入し、吊下金具50をボルト30に係合させる吊下金具装着ステップ。
吊下金具50に、吊上装置の吊具100を掛ける吊具掛けステップ。
吊上装置により床パネル20を、一対の床梁12、12に架け渡すよう運搬する床パネル運搬ステップ。
隙間SPから吊下金具50を取り外す吊下金具取り外しステップ。
したがって、吊具100を掛ける箇所としての吊下金具50を、床パネル20上に配置できるとともに、その作業として、ボルト30に係合させるだけの作業とすることができる。よって、床パネル20にワイヤなどの紐掛けを行う場合と比較して、作業の手間および時間を軽減できる。特に、ワイヤなどにより玉掛けを行う場合は、床パネル20を水平にバランス良く吊ることができる位置にワイヤを掛ける必要があり、その作業に手間を要するが、本実施の形態1では、その手間を省くことができる。
さらに、床パネル20を、床梁12、12に掛け渡す位置に運搬した際に、隣り合って配置された床パネル20との間に、紐掛けを外すなどの作業のための空間を確保する必要が無く、所望の設置位置に運搬することができる。よって、床パネル20を仮置きする作業、仮置き位置から正規の設置位置に移動させる作業が不要であり、その分、作業の手間および時間を軽減できる。加えて、床パネル20の固定用のボルト30を利用して床パネル20を運搬することができ、運搬専用のボルトを用いるものと比較して、部品点数を削減してコスト低減を図ることができ、かつ、その後の固定作業の時間も短縮可能となる。
(2)実施の形態1の床パネル運搬方法は、吊下金具50は、隙間SPに挿入しボルト30に係合させるボルト係合片51と、ボルト係合片51と一体に設けられ吊具100を係合させる吊具係合部としての吊下片52と、を備え、さらに、ボルト係合片51は、ボルト係合片51の一端から中央に向けてネジ部33を挿通可能である一方、頭部31および座金32を挿通不可能な幅のネジ部挿通穴51aを備える。そして、吊下金具装着ステップでは、ボルト係合片51を隙間SPに挿入させながら、ネジ部挿通穴51aにネジ部33を挿通させてボルト係合片51をボルト30に係合させる。また、吊具掛けステップでは、床パネル20の両端のボルト30に係合された一対の吊下金具50、50の吊下片52の係止穴52bに吊具100を係合させて吊り上げる。
したがって、床パネル20に設けられたボルト30に、容易に吊具100を掛けることが可能となる。しかも、吊具100を吊り上げた場合に、吊下金具50、50は、床パネル20の中央方向に引っ張られ、ボルト30のネジ部33は、ネジ部挿通穴51aの奥側に配置され、吊下金具50とボルト30との係合が外れにくく、作業性に優れる。
(3)実施の形態1の床パネル運搬方法は、ボルト貫通孔21の上端部に、頭部31および座金32を床パネル20の表面20aよりも下方位置に収容可能な凹部としての座堀穴22を備える。そして、吊下金具取り外しステップでは、吊下金具50を取り外した後、頭部31および座金32を座堀穴22に収容する。
したがって、床パネル20の運搬中に、吊下金具50と共に、床パネル20の表面20aよりも上に配置していた頭部31および座金32を、床パネル20の運搬後には、座堀穴22に収容し、床パネル20の表面20aに露出しないようにできる。このため、頭部31および座金32が床パネル20の表面20aよりも上に配置されたままとなるものと比較して、頭部31および座金32が外観に表れないようにするのが容易であり、外観に表れないようにする手間やコストを抑えることができる。
しかも、予め頭部31および座金32を床パネル20の表面20aよりも下方位置に配置した場合、凹部自体を吊下金具50も収容可能な大きさに形成する必要があり、この場合、この凹部を隠す部材も大型化し、コストアップを招くとともに、外観品質も低下するおそれがある。それに対し、本実施の形態1では、床パネル20の運搬後に頭部31および座金32を座堀穴22に収容するため、凹部としての座堀穴22の大きさを小さく抑え、コストアップや外観品質の低下を抑えることができる。
(4)実施の形態1の床パネル運搬方法は、ナット側部材は、ネジ部33にかみ合うナット34と、ナット34の上側に配置されてネジ部33に沿って移動可能に設けられるとともに、床パネル20を床梁12、12に架け渡した際に床梁12と上下方向で係合しない非係合位置と、上下方向で係合する係合位置とに移動可能に装着された固定部材としての固定プレート40と、を備える。そして、運搬ステップでは、固定プレート40を非係合位置に配置する。
したがって、床パネル20の固定に用いるボルト30を、床パネル20に取り付けた状態で床パネル20を床梁12、12に架け渡した状態としても、ボルト30が床梁12、12に干渉することなく、運搬することができる。
(5)実施の形態1の吊下金具50は、ボルト30に係合させるボルト係合片51と、ボルト係合片51を隙間SPに挿入した状態で床パネル20の表面20aから立ち上がった状態となる角度でボルト係合片51と一体に設けられ、かつ、吊具100を係合可能な吊下片52と、を備える。そして、ボルト係合片51は、吊下片52側の端部からボルト係合片51の中央部にかけて、ネジ部33を挿通可能である一方、頭部31および座金32を挿通できない幅のネジ部挿通穴51aを備える。また、吊下片52は、ボルト係合片51側の端部に、ネジ部挿通穴51aに連続して形成され、頭部31および座金32をネジ部挿通穴51aに沿う方向に挿通可能に開口された頭部挿通穴52aと、吊具100を係止可能な係止部としての係止穴52bと、を備える。
したがって、上記の床パネル運搬方法を円滑に実施可能である。
(6)実施の形態1の床パネル固定方法は、一対の床梁12、12に架け渡した床パネル20を、床パネル20のボルト貫通孔21に頭部側部材としての頭部31および座金32を上にしてネジ部33が貫通されたボルト30と、床パネル20の下側に位置してネジ部33に装着された固定部材としての固定プレート40と、を用いて床梁12、12に固定する床パネル固定方法である。さらに、ボルト貫通孔21は、床パネル20を床梁12、12に架け渡した際に水平方向位置が床梁12と重ならない位置に形成され、固定プレート40は、ネジ部33に対して、床パネル20を床梁12、12に架け渡した際に床梁12と上下方向で係合しない非係合位置と、上下方向で係合する係合位置とに移動可能に装着されている。
そして、床パネル固定方法は、下記のステップを実行する。
ボルト30を、頭部側部材としての頭部31および座金32を上にしてネジ部33をボルト貫通孔21に貫通させるボルト貫通ステップ。
床パネル20を貫通して下側に突出したネジ部33に固定プレート40を装着した後、固定プレート40の下側からネジ部33にナット34を装着し、さらに、固定プレート40を非係合位置に配置するナット装着ステップ。
床パネル20を、一対の床梁12、12に架け渡した所定の設置位置に運搬する運搬ステップ。
固定プレート40を係合位置に移動させ、さらに、ナット34を締結して固定プレート40と床パネル20とで床梁12の被締結部としての上フランジ12aを挟んだ状態として床パネル20を床梁12に固定する固定ステップ。
したがって、予め床パネル20に床梁12に固定するためのボルト30を取り付けていても、ボルト30を床梁12、12に干渉させることなく床パネル20を床梁12、12に架け渡すことができる。よって、床パネル20の運搬後にボルト30を取り付ける場合と比較して、固定作業の簡略化を可能として、工期およびコスト低減が可能である。
(7)実施の形態1の床パネル固定方法は、ボルト貫通ステップから運搬ステップに、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の床パネル運搬方法を用いる。
したがって、床パネル20の固定に用いるボルト30を運搬にも利用でき、固定専用のボルトを用いるものと比較して、部品点数を削減してコスト低減を図ることができ、かつ、作業の時間も短縮可能となる。
(8)実施の形態1の床構造は、床パネル20を床梁12に固定した床構造であって、一対の床梁12、12に架け渡された床パネル20と、一対の床梁12、12の内側位置で頭部31を上にして床パネル20を貫通したボルト30と、床パネル20の下方位置でボルト30のネジ部33に装着された固定プレート40と、固定プレート40の下側でネジ部33に締結されたナット34と、を備える。そして、固定プレート40は、ネジ部33が挿通され、水平方向で床梁12の上フランジ12aに当接あるいは近接した基部41と、基部41からボルト30の外径方向に延び、床梁12の上フランジ12aの下面に接する係合片部42とを備える。
したがって、上記の床パネル運搬方法を用いて運搬した床パネル20を床梁12に固定することができる。
以上、本開示の床パネル運搬方法、吊下金具および床パネル固定方法を実施の形態に基づいて説明してきた。しかし、本開示の床パネル運搬方法、吊下金具および床パネル固定方法の具体的な構成については、これらの実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項の要旨を逸脱しない限り、各実施の形態の組み合わせ、設計の変更や追加などは許容される。
例えば、実施の形態では、床パネル運搬方法、吊下金具および床パネル固定方法を、鉄骨造の建物1に適用した例を示した。しかし、この床パネル運搬方法は、要は、床パネルを床梁に掛け渡すものであれば、在来工法の建物やユニット建物にも適用可能である。
また、実施の形態では、ボルト30の頭部側部材として、頭部31と座金32とを結合したものを示したが、これに限定されない。例えば、座金32は、頭部31と別体としてもよい。また、座金32に類似して、座金32とは異なる形状(例えば、矩形板状)のものを用いてもよい。さらに、頭部側部材として、頭部31のみを用いてもよい。
また、ナット側部材としても、実施の形態では、ナット34と固定プレート40とを示したが、これに限定されない。例えば、ナット側部材としてナット34のみとし、床梁(床梁12)側にボルト30のネジ部33と係合して、ナット34を締結して床パネル20を固定することが可能としてもよい。あるいは、床パネル20の運搬後にネジ部33に、床梁12に固定するための部材を設けるようにしてもよい。
また、床梁の形状も、実施の形態で示した床梁12のようにH型鋼に限定されるものではなく、コの字形状のものなど他の形状のものを用いることができる。よって、床梁の被締結部も実施の形態で示した上フランジ12aに限定されるものではなく、床梁の形状に応じて適宜設定することができる。
また、実施の形態では、床パネル20に凹部(座堀穴22)を設けた例を示したが、床FLの構造によっては、凹部を設けることなく、建具その他の部材によりボルト30の頭部31を覆うようにしてもよい。
また、実施の形態では、吊下金具として、ボルト係合片51と吊下片52とを備えた吊下金具50を示したが、これに限定されない。例えば、吊下金具は、ボルト30の頭部31や座金32に係合可能であれば、ロッドをU字状に曲げたものなど板状のもの以外のものも用いることが可能である。この場合、全体をロッド状のもので形成してもよい。また、例えば、板状のボルト係合片51に、フックと係合可能なフック状のロッドを溶接などにより一体に設けることも可能である。逆に、頭部31や座金32に係合可能なU字状のロッドに板状の吊下片を一体に形成することも可能である。
1 建物
12 床梁
12a 上フランジ(被締結部)
20 床パネル
21 ボルト貫通孔
22 座堀穴(凹部)
30 ボルト
31 頭部(頭部側部材)
32 座金(頭部側部材)
33 ネジ部
34 ナット(ナット側部材)
40 固定プレート(ナット側部材:固定部材)
42 係合片部
50 吊下金具
51 ボルト係合片
51a ネジ部挿通穴
52 吊下片(吊具係合部)
52a 頭部挿通穴
52b 係止穴(係止部)
100 吊具
FL 床
SP 隙間

Claims (7)

  1. 床パネルを、吊上げ装置により建物の一対の床梁に架け渡すよう運搬する床パネル運搬方法であって、
    前記床梁に載置される前記床パネルの端部近傍に形成されたボルト貫通孔に、前記ボルト貫通孔よりも大きな頭部側部材を上にしてボルトのネジ部を貫通させるボルト貫通ステップと、
    前記ボルト貫通孔から前記床パネルの下側に突出した前記ネジ部に、前記ボルト貫通孔よりも大きなナット側部材をかみ合わせ、さらに、前記ナット側部材の位置は、前記ボルトを前記ナット側部材に規制されるまで引き上げた際に、前記頭部側部材と前記床パネルとの間に、所定の間隔の隙間を形成可能とする位置とするナット装着ステップと、
    前記隙間に吊下金具を挿入し、前記吊下金具を前記ボルトに係合させる吊下金具装着ステップと、
    前記吊下金具に、前記吊上装置の吊具を掛ける吊具掛けステップと、
    前記吊上装置により前記床パネルを、一対の前記床梁に架け渡すよう運搬する床パネル運搬ステップと、
    前記隙間から前記吊下金具を取り外す吊下金具取り外しステップと、
    を備える床パネル運搬方法。
  2. 請求項1に記載の床パネル運搬方法において、
    前記吊下金具は、前記隙間に挿入し前記ボルトに係合させるボルト係合片と、前記ボルト係合片と一体に設けられ前記吊具を係合させる吊具係合部と、を備え、さらに、前記ボルト係合片は、前記ボルト係合片の一端から中央に向けて前記ネジ部を挿通可能である一方、前記頭部側部材を挿通不可能な幅のネジ部挿通穴を備え、
    前記吊下金具装着ステップでは、前記ボルト係合片を前記隙間に挿入させながら、前記ネジ部挿通穴に前記ネジ部を挿通させて前記ボルト係合片を前記ボルトに係合させ、
    前記吊具掛けステップでは、前記床パネルの両端の前記ボルトに係合された一対の前記吊下金具の前記吊具係合部に前記吊具を係合させて吊り上げる床パネル運搬方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の床パネル運搬方法において、
    前記ボルト貫通孔の上端部に、前記頭部側部材を前記床パネルの表面よりも下方位置に収容可能な凹部を備え、
    前記吊下金具取り外しステップでは、前記吊下金具を取り外した後、前記頭部側部材を前記凹部に収容する床パネル運搬方法。
  4. 請求項3に記載の床パネル運搬方法において、
    前記ナット側部材は、前記ネジ部にかみ合うナットと、前記ナットの上側に配置されて前記ネジ部に沿って移動可能に設けられるとともに、前記床パネルを前記床梁に架け渡した際に前記床梁と上下方向で係合しない非係合位置と、上下方向で係合する係合位置とに移動可能に装着された固定部材と、を備え、
    前記床パネル運搬ステップでは、前記固定部材を前記非係合位置に配置する床パネル運搬方法。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の床パネル運搬方法に用いる吊下金具であって、
    前記ボルトに係合させるボルト係合片と、前記ボルト係合片を前記隙間に挿入した状態で前記床パネルの表面から立ち上がった状態となる角度で前記ボルト係合片と一体に設けられ、かつ、前記吊具を係合可能な吊下片と、を備え、
    前記ボルト係合片は、前記吊下片側の端部から前記ボルト係合片の中央部にかけて、前記ネジ部を挿通可能である一方、前記頭部側部材を挿通できない幅のネジ部挿通穴を備え、
    前記吊下片は、前記ボルト係合片側の端部に、前記ネジ部挿通穴に連続して形成され、前記頭部側部材を前記ネジ部挿通穴に沿う方向に挿通可能に開口された頭部挿通穴と、前記吊具を係止可能な係止部と、を備える吊下金具。
  6. 一対の床梁に架け渡した前記床パネルを、前記床パネルのボルト貫通孔に頭部側部材を上にしてネジ部が貫通されたボルトと、前記床パネルの下側に位置して前記ネジ部に装着された固定部材と、を用いて前記床梁に固定する床パネル固定方法であって、
    前記ボルト貫通孔は、前記床パネルを前記床梁に架け渡した際に水平方向位置が前記床梁と重ならない位置に形成され、前記固定部材は、前記ネジ部に対して、前記床パネルを前記床梁に架け渡した際に前記床梁と上下方向で係合しない非係合位置と、上下方向で係合する係合位置とに移動可能に装着されており、
    前記ボルトを、前記頭部側部材を上にしてネジ部を前記ねじ貫通孔に貫通させるボルト貫通ステップと、
    前記床パネルを貫通して下側に突出した前記ネジ部に前記固定部材を装着した後、前記固定部材の下側から前記ネジ部にナットを装着し、さらに、前記固定部材を前記非係合位置に配置するナット装着ステップと、
    前記床パネルを、一対の前記床梁に架け渡した所定の設置位置に運搬する運搬ステップと、
    前記固定部材を前記係合位置に移動させ、さらに、前記ナットを締結して前記固定部材と前記床パネルとで前記床梁の被締結部を挟んだ状態として前記床パネルを前記床梁に固定する固定ステップと、
    を備える床パネル固定方法。
  7. 請求項6に記載の床パネル固定方法であって、
    前記ボルト貫通ステップから前記運搬ステップに、前記請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の床パネル運搬方法を用いる床パネル固定方法。
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