JP4268268B2 - 吊り治具及び建築用パネルの懸吊方法 - Google Patents

吊り治具及び建築用パネルの懸吊方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吊り治具に関し、特に、壁パネルなどの建築用パネルを安定した状態で確実に吊り上げ移動させることができ、また建築用パネルへの取り付け及び取り外しも容易な吊り治具及び該吊り治具を用いた建築用パネルの吊り上げ方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
住宅等の建物を建設するにあたっては、工場にてできるだけ部品完成度を高め、建築現場での作業項目を減少させるためにパネル工法の導入が進められている。 例えば、パネル工法による建物の外壁は、複数の壁パネルを所定位置に配列することにより形成されるものである。このパネル工法においては、パネルを所定位置に組み込む際、一般的に、パネルをクレーン等で吊り上げて移動させている。
【0003】
上記のように、建築用パネルとして、例えば壁パネル140を懸吊して所定の位置まで移動させるためには、例えば図23に示すように、壁パネル140の上部フレーム141にアイボルト142を取り付け、このアイボルト142にクレーン(図示せず)のワイヤ143を連結させることにより、壁パネル140を懸吊して所定位置まで移動させる方法が知られている。
【0004】
なお、上記従来例において、アイボルト142は、壁パネル140の上部フレームに取着されたプロジェクションナット(図示せず)を利用して取り付けられている。プロジェクションナットは、壁パネル140を、胴差等の他部材と連結するために、壁パネル140の上部に溶接等により予め取り付けられているものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の方法では、壁パネル140を懸吊する前のアイボルト142の取り付け、および壁パネル140を懸吊した後のアイボルト142の取り外しに手間がかかるという問題があった。また、大型のパネルを懸吊する場合は、アイボルト142に過大な荷重がかかり、安定してパネルを懸吊することができないという不都合があった。
【0006】
本発明の目的は、吊り上げ対象物としての建築用パネルを安定した状態で確実に吊り上げて移動させることができ、建築用パネルへの取り付け及び取り外しも容易に行うことが可能な吊り治具及びこれを用いた建築用パネルの吊り上げ方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、本発明請求項1による吊り治具によれば、外周フレームに複数の貫通孔が設けられた建築用パネルを懸吊する吊り治具であって、該吊り治具は、前記貫通孔に係合するフックと、該フックが配設される一対の長尺部材とを備え、該一対の長尺部材は、ばね部材を介して離接可能に連結され、前記一対の長尺部材を離間させることにより、前記フックが前記貫通孔に係合可能な位置まで移動するとともに、前記一対の長尺部材を当接方向に移動させ、前記フックが前記貫通孔に係止する、ことにより解決される。
【0008】
このように、本発明の吊り治具は、壁パネル等の建築用パネルの外周フレームに形成された貫通孔に、フックを係止させて吊り上げるように構成されている。フックは、一対の長尺部材を離間させることにより、貫通孔に整合する位置まで移動し、長尺部材を当接方向に移動させることにより、貫通孔に係止される。したがって、従来のように、建築用パネルにアイボルト等の部材を取り付けたり、または建築用パネルを所定の位置に移動させた後、アイボルトを取り外す手間がなくなり、作業効率を向上させることが可能となる。
【0009】
さらに、壁パネルと吊り治具とを、アイボルト等の他部材を介することなく、直接連結させて懸吊しているので、壁パネルを安定した状態で確実に吊り上げることが可能となる。
【0010】
また、吊り治具は、複数のブロック部材を組合せることにより形成されているので、ブロック部材の個数や、組合せ方により、さまざまな大きさの壁パネルに対応することが可能となる。
【0011】
上記長尺部材の一方には、連結部側の端部に、係止部材と、該係止部材に連結される軸部材と、該軸部材に連結される重りとからなるストッパーが配設され、前記一対の長尺部材が離間することにより、前記軸部材が係止部材及び重りの自重により回動し、前記係止部材が前記長尺部材の間に位置するように構成されている。
【0012】
このように、長尺部材が離間するだけで、長尺部材間に係止部材が介在し、長尺部材の離間状態が維持されるように構成されているので、長尺部材を離間させる作業と、長尺部材の離間を維持するための作業とを同時に行うことが可能となる。
【0013】
なお、長尺部材の間に挟持される係止部材について、段部を有するように形成し、前記長尺部材の離間距離に応じて1つ以上の段部が前記長尺部材の間に位置するように構成すると、徐々に長尺部材を離間させることができ好適である。すなわち、一度に大きな力を加えずに、係止部材を1段ずつ係合させながら、長尺部材を少しずつ離間させることが可能となる。
【0014】
また上記課題は、本発明請求項5による建築用パネルの懸吊方法によれば、ばね部材を介して離接可能に連結された一対の長尺部材を離間させ、該長尺部材に形成されたフックを建築用パネルに形成された貫通孔に挿入し、前記一対の長尺部材を当接方向に移動させて、前記フックを前記貫通孔に係止させ、前記一対の長尺部材を上昇させることにより前記壁パネルを懸吊することにより解決される。
【0015】
さらに上記課題は、本発明請求項6による建築用パネルの懸吊方法によれば、ばね部材を介して離接可能に連結された一対の長尺部材を離間させ、該離間した一対の長尺部材の間に係止部材を介在させて、前記長尺部材の離間状態を維持し、該長尺部材に形成されたフックを建築用パネルに形成された貫通孔に挿入し、前記係止部材を取り除き、前記長尺部材を当接方向に移動させて、前記フックを前記貫通孔に係止させ、前記長尺部材を上昇させることにより前記壁パネルを懸吊することにより解決される。
【0016】
このように、長尺部材を離間または近接させることにより、吊り治具のフックを建築用パネルの貫通孔に係合させ、長尺部材をクレーン等により上昇させることにより、建築用パネルを懸吊しているので、建築用パネルに懸吊のための部材を取り付けたり、建築用パネルを所定の位置に移動させたあと、懸吊のための部材を取り外したりする必要がなく、効率良く作業を進めることができる。
【0017】
また、一対の長尺部材を離間または近接させるだけで、吊り治具のフックを建築用パネルの貫通孔に係合させたり、係止させたりすることができるので、例えば、しのやバール等の棒部材を作業工具として用いることにより、建築用パネルから離れた位置からでも、吊り治具の取り外しを行うことが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の吊り治具Sは、建築用パネル、例えば壁パネル40の懸吊に用いられるものである。本例の吊り治具Sにより懸吊される壁パネル40の外周フレーム41には、複数の貫通孔42が設けられている。
【0019】
吊り治具Sは、貫通孔42に係合するフック20と、フック20が配設される一対の長尺部材10,10とを備えている。また、一対の長尺部材10,10は、ばね部材30を介して離接可能に連結されている。
【0020】
一対の長尺部材10,10を離間させることにより、フック20が壁パネル40の貫通孔42に係合可能な位置まで移動するように構成されている。さらに、貫通孔42にフック20を係合させた後、一対の長尺部材10,10を当接方向に移動させることにより、フック20が貫通孔42に係止される。
【0021】
なお、長尺部材10,10を、複数のブロック部材13を連結した構成とすることにより、ブロック部材13の数や、組合せにより、さまざまな大きさの壁パネル40に対応することが可能となる。
【0022】
また、長尺部材10,10の一方には、ストッパー31が配設されている。ストッパー31は、係止部材31aと、軸部材31bと、重り31cとから構成されている。ストッパー31は、長尺部材10,10が離間したときに、係止部材31a及び重り31cの自重により軸部材31bが回動し、係止部材31aが長尺部材10,10の間に位置し、長尺部材10,10の離間状態を維持するように構成されている。なお、係止部材31aに段部31dを設けておくことにより、長尺部材10,10の離間距離に応じて、段部31dが1つずつ係合していき、長尺部材10,10を徐々に離間させることができ、大きな力を加えなくても、長尺部材10,10間を離間させることが可能となる。
【0023】
上記吊り治具Sを用いて、壁パネル40を懸吊するときは、一対の長尺部材10,10を離間させ、それぞれの長尺部材10に形成されたフック20を壁パネル40の外周フレーム41に形成された貫通孔42に挿入し、長尺部材10,10を当接方向に移動させて、フック20を貫通孔42に係止させ、長尺部材10,10を上昇させることにより壁パネル40を懸吊する。
【0024】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する部材,配置等は本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
【0025】
図1乃至図22は本発明に係る実施例を示すものであり、図1は一対の長尺部材が離間している状態の吊り治具を示す説明図、図2は一対の長尺部材が閉じた状態の吊り治具を示す説明図、図3乃至図5は壁パネル40とフックとの係合状態を示す説明図、図6は壁パネル40の上部フレームを示す説明図、図7は吊り治具の要部拡大図、図8は吊り治具の要部背面図、図9は図7のA視図、図10乃至図17は吊り治具の動作を示す要部説明図、図18乃至図22はさまざまな大きさの壁パネル40とこれらの壁パネル40に用いる吊り治具を示す説明図である。
【0026】
本発明の吊り治具Sは、図1に示すように、一対の長尺部材10,10と、長尺部材10,10に設けられたフック20とから構成されている。長尺部材10,10は、連結部11において、ばね部材30を介して連結されている。
【0027】
また、長尺部材10,10には、クレーン(図示せず)のワイヤロープWが取着される複数の係合部12が形成されている。そして、この係合部12にワイヤロープWを取着し、クレーンを昇降させることにより、吊り治具Sに取り付けられた壁パネル40を懸吊したり、所定位置まで移動させるように構成されている。
【0028】
次に、本例の吊り治具Sを構成する各部材について説明する。
本例の長尺部材10,10は、複数のブロック部材13から構成されている。ブロック部材13は、例えば、2本の丸鋼13aを連結部13bで連結することにより形成されている。各ブロック部材13は、隣り合うブロック部材13の一方の丸鋼13a先端部に、若干径の小さい係合部(図示せず)を設け、互いに嵌合させることにより連結されている。
【0029】
本例の長尺部材10,10は、中央側に位置する第1のブロック部材13c,13cと、第1のブロック部材に隣接する第2のブロック部材13d,13dと、第2のブロック部材に隣接する第3のブロック部材13e,13eとから構成されている。
【0030】
上記ブロック部材13の、壁パネル40と接する側には、フック20が形成されている。それぞれのフック20は、一対の長尺部材10,10が互いに当接する側を向くように配設されている。
【0031】
また、上記フック20は、ブロック部材13毎に異なる数で設けられている。本例では、第1のブロック部材13c,13cにはフック20は設けられておらず、第2のブロック部材13d,13dには2つのフック20が設けられている。また、第3のブロック部材13e,13eには1つのフック20が設けられている。このように、ブロック部材13は、懸吊される壁パネル40に設けられた貫通孔42と、フック20とが整合するように、使用数や種類が選択され、連結される。
【0032】
上記のように、所定のブロック部材13を組合せることにより、図18〜図22に示すように、さまざまな大きさの壁パネル40に対応することが可能となる。例えば図18及び図20に示す吊り治具Sの長尺部材10,10は、短尺に形成された第1のブロック部材13c,13cと、2つのフック20を有する第2のブロック部材13d,13dと、1つのフック20を有する第3のブロック部材13e,13eとを連結させて形成されている。
【0033】
また、図19、図21、図22に示す吊り治具Sの長尺部材10,10は、長尺に形成された第1のブロック部材13c,13cと、2つのフック20を有する第2のブロック部材13d,13dと、1つのフック20を有する第3のブロック部材13e,13eとを連結させて形成されている。
【0034】
なお、ブロック部材13の形状としては、上記のように2本の丸鋼13aを連結部13bで連結させたものに限らず、例えば中空箱形の長尺部材としても良く、或いは長尺の板状に形成しても良い、このように、ブロック部材13は、特に形状を限定されることなく、自由に形成して良いものである。
【0035】
上記構成からなる一対の長尺部材10,10は、図7に示すように、第1のブロック部材13c,13cが互いに向き合うようにして配置され、ばね部材30を介して離間可能に連結されている。
【0036】
なお、本例では、丸鋼13aからなるブロック部材13を用いているので、図11に示すように、第1のブロック部材13c,13cの一方に、若干径の小さい係合部13gを設け、他方の第1のブロック部材13cを嵌合させることにより、長尺部材10,10を摺動可能に連結することができる。
【0037】
なお、図11に示すように、上記第1のブロック部材13c,13cの一方に設けられた係合部13gに、ガイド溝13hを形成し、係合部13gに嵌合される他方の第1のブロック部材13cに孔13iを設け、この孔13iにガイド溝13hを摺動するガイドピン(図示せず)を配設することにより、長尺部材10,10をスムーズに摺動させることができ好適である。
【0038】
第1のブロック部材13c,13cには、図7に示すように、ボルト等の固着部材11cにより、連結部材11a,11aが固定されている。そして、図8に示すように、ばね部材30は、この連結部材11a,11aの背面側に配設されている。ばね部材30は引張コイルばねであり、左右に引っ張ることにより伸張する。
【0039】
さらに、連結部材11a,11aには、一対の長尺部材10,10が閉じているときに、互いに接触する壁部11b,11bが立設されている。なお、この壁部11b,11bに連続するように、連結部材11aの下側に位置する丸鋼13aの当接側端部にも壁部13fを設けた構成とすると、長尺部材10,10間を離間させるときに、工具を係合させるポイントが多くなり、長尺部材10,10を開き易くすることができ好適である。
【0040】
さらに、長尺部材10,10の一方には、ストッパー31が配設されている。ストッパー31は、図7に示すように、係止部材31aと、係止部材31aに一方の端部が連結される軸部材31bと、軸部材31bの他方の端部に連結される重り31cとから構成されている。
【0041】
ストッパー31は、壁部11b,11b上に載架されており、軸部材31bと重り31cは、一方の連結部材11aの壁部11b上で回動可能に保持されている。また、係止部材32aは、他方の連結部材11aの壁部11b上に載置されている。なお、壁部11b,11bに、図14に示すような面11dを設けることにより、係合部材31aを安定して載置することができ好適である。
【0042】
ストッパー31は、一対の長尺部材10,10が離間したときに、係止部材31aが自重で長尺部材10,10間側へ下降し、さらに係止部材31a及び重り31cの自重で軸部材31bが回転し、係止部材31aが長尺部材10,10間に入り込んで、長尺部材10,10に挟持され、離間状態を維持するように構成されている。
【0043】
なお、本例の係止部材31aは、図9に示すように、段部31dを有する階段状に形成されている。このように、係止部材31aに段部31dを設けることにより、図11乃至図14に示すように、一対の長尺部材10,10間の離間した距離に応じて、係止部材31を、少しずつ長尺部材10,10間に位置させ、一度に力を加えることなく、長尺部材10,10間を徐々に拡開させることができる。係止部材31aは、上記のように階段状に形成する他、円筒形や角柱形等自由な形状に形成して良いものである。
【0044】
さらに、一対の長尺部材10,10には、長尺部材10,10の開閉動作を補助するためのプレート32が設けられている。プレート32のうち、図7において、上側に位置するプレートを32a、下側に位置するプレートを32bとする。プレート32aは、図7における右側の長尺部材10に連結されており、プレート32bは、左側の長尺部材10に連結されている。プレート32aと32bには、ピッチの異なる複数の孔が形成されており、重なり合うように配設されている。
【0045】
プレート32を使用するときは、例えば図17に示すように、プレート32aと32bに形成された孔に棒状部材を差し込んで、プレート32aとプレート32bの孔を一致させながら、長尺部材10,10を離間させたり、当接させるものである。
【0046】
次に、上記吊り治具Sを用いて、建築用パネルを吊り上げる方法について説明する。本例では、建築用パネルとして、図6に示すように、外周フレームとしての上部フレーム41に、貫通孔42が設けられた壁パネル40を吊り上げる例について説明する。
【0047】
壁パネル40の上部フレーム41に形成される貫通孔42は長孔で、吊り治具Sのフック20を係合可能な大きさに形成されている。また、貫通孔42の壁パネル40内部側には、少なくとも、フック20を挿入し、フック20を貫通孔42の周縁部に係合するために必要な空間が設けられている。
【0048】
次に、上記壁パネル40を吊り治具Sにより吊り上げる工程について、図3乃至図5、及び図10乃至図17を参照して説明する。
先ず、図10に示すように、連結部材11a,11aの壁部11b,11b間に、しの又はバール50を差し込んでこじ開け、一対の長尺部材10,10間を離間させる。このとき、うまく開かないようであれば、プレート32a及び32bの孔に、しの又はバール50を差し込み、こじることにより拡開させる。
【0049】
長尺部材10,10間が離間すると、係止部材31aが自重で長尺部材10,10間側へ下降し、さらに係止部材31aと重り31cの自重で軸部材31bが回転し、係止部材31aが長尺部材10,10間に入り込んで挟持される。このとき、図11に示すように、まず係止部材31aの1段目が挟持される。
【0050】
さらに、しの又はバール50で、壁部11b,11bをこじ開け、長尺部材10,10間を離間させる。このようにして、図12及び図13に示すように、長尺部材10,10間に係止部材の2段目、3段目が挟持され、最終的には、図14に示すように、係止部材31aの全てが長尺部材10,10間に挟持される。
【0051】
長尺部材10,10間が所定距離離間したら、図3及び図4に示すように、壁パネル40の貫通孔42と、吊り治具Sのフック20とを係合させる。貫通孔42とフック20との係合が確認されたら、係止部材31aを長尺部材10,10間から取り除き、長尺部材10,10を閉じる方向に作用させる。
【0052】
長尺部材10,10間から係止部材31aを取り除くには、図15に示すように、重り31cをしの又はバール50によって上方に回転させ、軸部材31bを回転させて、係合部材31aを上方に移動させる。長尺部材10,10間から係止部材31aが取り除かれると、長尺部材10,10は、ばね部材30の力によって、閉じる方向に移動する。
【0053】
このとき、図16に示すように、長尺部材10,10がスムーズに移動せず、引っかかって止まってしまうようなことがあれば、図17に示すように、プレート32a及びプレート2bの孔に、しの又はバール50を差し込み、こじることにより、長尺部材10,10を閉める方向に移動させることができる。
【0054】
このようにして、図5に示すように、壁パネル40と吊り治具Sとが連結される。壁パネル40と吊り治具Sとが確実に連結されていることを確認したら、クレーンを引き上げて、壁パネル40を懸吊し、所定位置まで移動させる。壁パネル40を所定位置まで移動させたら、図10乃至図14に示す工程を再度行い、壁パネル40の貫通孔42からフック20を取り外す。
【0055】
なお、上記実施例では、一対の長尺部材10,10を、ばね部材30としての引張コイルばねを介して連結する構成を示したが、次に述べるように、圧縮コイルばねを用いた構成としても良い。
【0056】
すなわち、一対の長尺部材のそれぞれを分割して、圧縮コイルばねによって連結する。一対の長尺部材が当接する端部側には、ばね部材は配設せず、一方の丸鋼に形成した係合部に、他方の丸鋼を嵌合させることにより連結する。
【0057】
上記のように構成されているので、一対の長尺部材は、通常は圧縮コイルばねにより、当接する方向に付勢されている。そして、一対の長尺部材を離間させることにより、吊り治具のフックを、壁パネル40の貫通孔と整合する位置まで移動させる。そして、ストッパーにより、長尺部材の離間状態を維持し、壁パネル40の貫通鋼に、フックを挿入する。フックの挿入を確認したら、ストッパーを解除する。長尺部材は圧縮コイルばねにより、当接する方向に付勢されているので、一対の長尺部材は当接する方向に移動し、フックが貫通孔に係止される。
【0058】
【発明の効果】
以上のように本発明の吊り治具は、壁パネル等の建築用パネルの外周フレームに形成された貫通孔に、フックを係止させて吊り上げるものであり、フックは、一対の長尺部材を離間させることにより、貫通孔に整合する位置まで移動し、長尺部材を当接方向に移動させることにより、貫通孔に係止されるように構成されている。したがって、従来のように、建築用パネルにアイボルト等の部材を取り付けたり、または建築用パネルを所定の位置に移動させた後、アイボルトを取り外す手間がなくなり、作業効率を向上させることが可能となる。
【0059】
さらに、壁パネルと吊り治具とを、アイボルト等の他部材を介することなく、直接連結させて懸吊しているので、壁パネルを安定した状態で確実に吊り上げることが可能となる。
【0060】
また、吊り治具は、複数のブロック部材を組合せることにより形成されているので、ブロック部材の個数や、組合せ方により、さまざまな大きさの壁パネルに対応することが可能となる。
【0061】
また上記長尺部材の一方には、係止部材と、係止部材に連結される軸部材と、軸部材に連結される重りとからなるストッパーが配設されており、一対の長尺部材が離間することにより、係止部材が長尺部材側へ下降するとともに、軸部材が係止部材及び重りの自重により回動し、係止部材が長尺部材の間に入り込むように構成されている。このように、長尺部材が離間するだけで、長尺部材間に係止部材が介在し、長尺部材の離間状態が維持されるように構成されているので、長尺部材を離間させる作業と、長尺部材の離間を維持するための作業とを同時に進行させることができ、効率的に作業を行うことが可能となる。
【0062】
なお、長尺部材の間に挟持される係止部材について、段部を有するように形成し、前記長尺部材の離間距離に応じて1つ以上の段部が前記長尺部材の間に位置するように構成すると、徐々に長尺部材を離間させることができ好適である。すなわち、一度に大きな力を加えずに、係止部材を1段ずつ係合させながら、長尺部材を少しずつ離間させることが可能となる。
【0063】
また、一対の長尺部材を離間または近接させるだけで、吊り治具のフックを建築用パネルの貫通孔に係合させたり、係止させたりすることができるので、例えば、しのやバール等の棒部材を作業工具として用いることにより、建築用パネルから離れた位置からでも、吊り治具の取り外しを行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一対の長尺部材が離間している状態の吊り治具を示す説明図である。
【図2】一対の長尺部材が閉じた状態の吊り治具を示す説明図である。
【図3】壁パネルとフックとの係合状態を示す説明図である。
【図4】壁パネルとフックとの係合状態を示す説明図である。
【図5】壁パネルとフックとの係合状態を示す説明図である。
【図6】壁パネルの上部フレームを示す説明図である。
【図7】吊り治具の要部拡大図である。
【図8】吊り治具の要部背面図である。
【図9】図7のA視図である。
【図10】吊り治具の動作を示す要部説明図である。
【図11】吊り治具の動作を示す要部説明図である。
【図12】吊り治具の動作を示す要部説明図である。
【図13】吊り治具の動作を示す要部説明図である。
【図14】吊り治具の動作を示す要部説明図である。
【図15】吊り治具の動作を示す要部説明図である。
【図16】吊り治具の動作を示す要部説明図である。
【図17】吊り治具の動作を示す要部説明図である。
【図18】壁パネルと壁パネルに用いる吊り治具を示す説明図である。
【図19】壁パネルと壁パネルに用いる吊り治具を示す説明図である。
【図20】壁パネルと壁パネルに用いる吊り治具を示す説明図である。
【図21】壁パネルと壁パネルに用いる吊り治具を示す説明図である。
【図22】壁パネルと壁パネルに用いる吊り治具を示す説明図である。
【図23】従来の吊り治具を示す説明図である。
【符号の説明】
10 長尺部材
11 連結部
11a 連結部材
11b 壁部
11c 固着部材
11d 面
12 係合部
13 ブロック部材
13a 丸鋼
13b 連結部
13c 第1のブロック部材
13d 第2のブロック部材
13e 第3のブロック部材
13f 壁部
13g 係合部
13h ガイド溝
13i 孔
20 フック
30 ばね部材
31 ストッパー
31a 係止部材
31b 軸部材
31c 重り
32,32a,32b プレート
40 壁パネル
41 上部フレーム
42 貫通孔
50 しの又はバール
S 吊り治具
W ワイヤ

Claims (6)

  1. 外周フレームに複数の貫通孔が設けられた建築用パネルを懸吊する吊り治具であって、
    該吊り治具は、前記貫通孔に係合するフックと、該フックが配設される一対の長尺部材とを備え、
    該一対の長尺部材は、ばね部材を介して離接可能に連結され、
    前記一対の長尺部材を離間させることにより、前記フックが前記貫通孔に係合可能な位置まで移動するとともに、前記一対の長尺部材を当接方向に移動させ、前記フックが前記貫通孔に係止することを特徴とする吊り治具。
  2. 前記長尺部材は複数のブロック部材からなり、該複数のブロック部材にはフックを備えてなるものを含むことを特徴とする請求項1記載の吊り治具。
  3. 前記長尺部材の一方の連結部側の端部には、係止部材と、該係止部材に連結される軸部材と、該軸部材に連結される重りとからなるストッパーが配設され、前記一対の長尺部材が離間することにより、前記軸部材が前記係止部材及び前記重りの重みにより回動し、前記係止部材が前記長尺部材の間に位置することを特徴とする請求項1または2記載の吊り治具。
  4. 前記係止部材は段部を有し、前記長尺部材の離間距離に応じて1つ以上の段部が前記長尺部材の間に位置することを特徴とする請求項3記載の吊り治具。
  5. ばね部材を介して離接可能に連結された一対の長尺部材を離間させ、
    該長尺部材に形成されたフックを建築用パネルに形成された貫通孔に挿入し、
    前記一対の長尺部材を当接方向に移動させて、前記フックを前記貫通孔に係止させ、
    前記一対の長尺部材を上昇させることにより前記壁パネルを懸吊したことを特徴とする建築用パネルの懸吊方法。
  6. ばね部材を介して離接可能に連結された一対の長尺部材を離間させ、
    該離間した一対の長尺部材の間に係止部材を介在させて、前記長尺部材の離間状態を維持し、
    該長尺部材に形成されたフックを建築用パネルに形成された貫通孔に挿入し、
    前記係止部材を取り除き、前記長尺部材を当接方向に移動させて、前記フックを前記貫通孔に係止させ、
    前記長尺部材を上昇させることにより前記壁パネルを懸吊したことを特徴とする建築用パネルの懸吊方法。
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