JPH10338460A - 形鋼の吊持ち装置および方法 - Google Patents

形鋼の吊持ち装置および方法

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JPH10338460A
JPH10338460A JP9264396A JP26439697A JPH10338460A JP H10338460 A JPH10338460 A JP H10338460A JP 9264396 A JP9264396 A JP 9264396A JP 26439697 A JP26439697 A JP 26439697A JP H10338460 A JPH10338460 A JP H10338460A
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JP
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hook
wire
branch
steel
shaped steel
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JP9264396A
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Inventor
Hiroshi Okamoto
浩志 岡本
Toshiyuki Obara
敏之 小原
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多数本の形鋼を、特別の装置、特別の工程等
を必要とすることなく、フックの簡単な掛脱操作によ
り、たとえ長さに不揃いがあっても姿勢を見だすことな
く吊持ち支持する。 【解決手段】 ビーム1に、形鋼4を取囲む複数本の吊
上げワイヤ3を取付けるとともに、複数本のフック吊下
げワイヤ5を連結し、そのフック吊下げワイヤ5の遊端
に、形鋼4の端部で、それのウェブ4a両側の上端フラ
ンジ4bに掛合する分岐フック8を装着したものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複数本の形鋼、
なかでも、ウェブとフランジを具えるI形鋼、H形鋼を
吊上げ搬送等するに当って、形鋼の姿勢を乱すことなく
整然と、かつコンパクトに吊持ち支持することができる
形鋼の吊持ち装置および方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】複数本のI形鋼またはH形鋼を同時に搬
送するに当って、全ての形鋼に吊上げワイヤを単純に掛
け回しただけでそれらを吊上げた場合には、吊上げ時
に、それらの形鋼の姿勢が種々に乱れることになり、と
くには、搬送を終えて所定の場所の床面等に形鋼を降ろ
すに際して、不安定な姿勢の形鋼がくずれたり、ばらけ
たりするおそれが高い。
【0003】そこで従来は、形鋼の、吊上げ時における
姿勢の乱れを阻止すべく、特開昭49−87063号公
報および実開昭55−27243号公報に開示されてい
るように、I形鋼もしくはH形鋼のウェブの両側に張出
すフランジに治具を装着して吊上げることで、治具を装
着した形鋼のフランジを、他の形鋼のフランジに対して
上側へ抜け出させる技術、実開昭55−17070号公
報、実開昭55−20391号公報、実開昭55ー20
393号公報および実開昭55−20394号公報に開
示されているように、特別の装置を用いて特定位置の形
鋼の上端フランジを、他の形鋼の上端フランジに対して
予め上方へ抜き出す技術および、実開昭55−2039
2号公報に開示されているように、特殊の吊り具を用い
ることで、形鋼の吊上げ作動中に、特定位置の形鋼の上
端フランジを他の形鋼の上端フランジの上方へ抜き出す
技術等が提案されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、治具を用い
る従来技術にあっては、特異の構造を有する治具の製造
が必要であることはもちろん、形鋼の搬送の前後におけ
る治具の着脱操作が必要になり、しかも、三本を越える
本数の形鋼の吊上げには適用が難しいという問題があっ
た。また、特別の装置を用いる従来技術にあっては、特
定の形鋼の、他の形鋼に対する相対的な持上げ工程を、
吊上げ工程に先だって付加することが必要になる他、三
本を越える本数の形鋼には適用できないという問題があ
った。さらには、特殊の吊り具を用いる従来技術では、
長さが不揃いの形鋼には適用することができず、加えて
三本を越える形鋼の吊上げのためには吊り具の相当の大
型化が不可避となるという問題があった。
【0005】この発明は、従来技術が抱えるこのような
問題点を解決することを課題として検討した結果なされ
たものであり、その目的とするところは、特殊の構造の
治具、装置、吊り具等を用いることなく、しかも、特別
の工程を付加する必要もなしに、長さが不揃いの形鋼で
あってもそれらの四本以上を、フックの簡単な掛脱操作
のみによって、姿勢を乱すことなく確実に吊持ちするこ
とができる、構造が簡単で小型の、形鋼の吊持ち装置お
よび方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明の、形鋼の吊持
ち装置は、ビームに、並列配置した複数本の形鋼を取囲
む複数本の吊上げワイヤを、少なくとも各一端を着脱自
在に取付けるとともに、複数本のフック吊下げワイヤを
連結し、フック吊下げワイヤの遊端に、分岐フックを装
着したものである。ここで好ましくは、分岐フックの、
ワイヤに連結される上端部分の幅を、フックの先端側の
分岐爪部の幅より広幅とする。また好ましくは、フック
吊下げワイヤの長さ調節手段を設ける。この長さ調節手
段は、フック吊下げワイヤに取付けたターンバックルに
よって構成すること、または、ビームに、それの長さ方
向に変位可能に取付けられて、フック吊下げワイヤの上
端を連結されるアイプレートと、フックの吊下げワイヤ
の変位を案内するプーリとで構成することが好ましい。
より好ましくは、分岐フックの、形鋼への掛合姿勢を維
持するワイヤ緊張手段を設ける。このワイヤ緊張手段
は、上端部をビームにヒンジ連結した一対のレバーと、
両レバーの下端の相互の拡縮変位をもたらす揺動駆動手
段と、各レバーの下端にヒンジ連結されて、それぞれの
フック吊下げワイヤの挿通を許容するアームとで構成す
ることが好ましい。
【0007】また、この発明の、形鋼の吊持ち方法は、
複数本の形鋼の一本おきに、形鋼の両端で、ウェブの両
側の上端フランジに、ビームから吊下げた分岐フックを
掛合させるとともに、ビームに取付けた複数本の吊上げ
ワイヤを全ての形鋼に掛け回した後、ビームを上昇変位
させて、分岐フックを掛合させた形鋼の上端フランジ
を、他の形鋼の上端フランジより上方へ抜け出させるも
のである。
【0008】これによれば、形鋼の長さ等との関連にお
いて、フック吊下げワイヤの長さを適宜に選択もしくは
調節するとともに、フック吊下げワイヤの先端に設け
た、単純な構造の分岐フックを、形鋼の上端フランジに
一本おきに掛合させることにより、ビームの上昇変位に
基づき、分岐フックを掛合させた形鋼を、他の形鋼に先
だって吊上げ変位させることができる。このことによ
り、フックを掛合させた形鋼の上端フランジを、他の形
鋼の上端フランジの上方へ抜け出させることができるの
で、複数本の吊上げワイヤの作用下での、他の形鋼の吊
上げに際しては、それらの形鋼を、姿勢を乱すことな
く、円滑かつ適正に近接変位させて、全ての形鋼をそれ
らの本数の多少、長さの長短にかかわらず、たとえ形鋼
の長さに不揃いがあっても、整然と並んだ状態でコンパ
クトに吊持ち支持することができる。
【0009】従って、かかる吊持ち状態で、それらの形
鋼を所定位置まで搬送し、床面等に降ろしても、形鋼の
くずれ、ばらけ等の発生を十分に防止することができ
る。
【0010】この発明の他の吊持ち方法は、複数本の形
鋼のそれぞれの両端で、ウェブの両側の上端フランジ
に、ビームから吊下げた分岐フックを掛合させるととも
に、ビームに取付けた複数本の吊上げワイヤを全ての形
鋼に掛け回した後、ビームを上昇変位させて、形鋼の一
本おきに、それらの上端フランジを、他の形鋼の上端フ
ランジより上方に抜け出させるものである。この方法で
は、複数本の吊上げワイヤの長さを、交互に長短となる
よう予め選択もしくは調整し、全ての形鋼に分岐フック
を掛合させた状態でそれらの形鋼を吊上げることによ
り、長さの短い吊上げワイヤにて吊られた形鋼の上端フ
ランジを、他の形鋼の上方に抜け出し変位させることが
できるので、先に述べた方法と同様の作用および効果を
もたらすことができる。
【0011】かくして、この発明によれば、構造の簡単
な小型の装置にして、特別の構造の治具、装置、吊り具
等を用いることなく、また、作業工程の付加なしに、長
さが不揃いの形鋼であっても、それらの四本以上を、単
純な構造の分岐フックの簡単な掛脱操作のみにて、姿勢
を乱すことなく確実に吊り上げ搬送することができ、形
鋼の着床時におけるくずれ、ばらけ等のおそれを効果的
に除去することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下にこの発明の実施の形態をに
ついて説明する。図1は、この発明の装置の一の実施形
態を示す側面図であり、図中1はビームを示し、このビ
ーム1は、そこに設けた二個の吊上げピン2の作用下
で、所要に応じて上昇および下降変位される。このよう
なビーム1には、それの長さ方向に間隔をおいて、複数
本の吊り上げワイヤ3を、少なくともそれらの各一端を
着脱自在に取付け、これらの各吊り上げワイヤ3を、図
2に正面図で示すように、並列配置した複数本の形鋼4
の全てに掛け回しできる長さとする。なお、図2に示す
ところでは、吊上げワイヤ3の両端を、ビーム1に設け
たフック1aに対して、着脱自在としており、これによ
れば、ワイヤ3の取回しを一層容易ならしめることがで
きる。
【0013】また、ビーム1の各端部付近には、フック
吊下げワイヤ5を連結する。この連結は、たとえば図2
に示すように、ワイヤ5の上端部に取付けた上部シャッ
クル6を介して行うことができる。一方、フック吊下げ
ワイヤ5の遊端には、図3に例示するように、ワイヤ端
部の目玉5aに通した下部シャックル7を介して分岐フ
ック8を連結する。ここで分岐フック8は、形鋼4の端
部で、形鋼4のウェブ4aを跨ぎ、そのウェブ4aの両
側に張り出すそれぞれの上端フランジ4bの下面に掛合
するそれぞれの分岐爪部8aを有する。
【0014】そしてより好ましくは、フック吊下げワイ
ヤ5の全部もしくは一部に、それの長さを調整するため
のターンバックルその他の長さ調節手段9を設けること
によって、各種の長さの形鋼4への対応を容易ならし
め、さらに好ましくは、ビーム1に、不使用時のフック
吊下げワイヤ5の分岐フック8を、たとえば、掛止によ
って収納する収納部10を設け、不使用状態にあるフッ
ク吊下げワイヤ5が他のワイヤ5にからんだり、不使用
ワイヤ5およびその分岐フック8が作業を妨げるうれい
を取り除く。
【0015】以上のように構成してなる装置による形鋼
の吊持ちに際しては、はじめに、図2に示すように、図
示しない万棒上に直立姿勢で並列配置した複数本の形鋼
4の両端で、形鋼4のウェブ4aの両側へ突出するそれ
ぞれの上端フランジ4bに、ビーム1からワイヤ5によ
って吊下げた分岐フック8のそれぞれの分岐爪部8a
を、形鋼4の一本おきに、ウェブ4aを跨いで掛合さ
せ、併せて、ビーム1に取付けた複数本の吊上げワイヤ
3を全ての形鋼4に掛け回し、その後に、ビーム1を上
昇変位させる。
【0016】これにより、長さを適宜に選択もしくは調
節したフック吊下げワイヤ5の作用下で、図4に示すよ
うに、分岐フック8を掛合させた形鋼4が、他の形鋼4
に比して幾分早いタイミングで持上げられ、この結果と
して、分岐フック8を掛合させた形鋼4の上端フランジ
4bが、他の形鋼4の上端フランジ4bより上方へ抜け
出ることになる。そのために、フック8を掛合させた形
鋼4は、フック吊下げワイヤ5に作用する水平方向分力
により、また、他の形鋼4は、吊上げワイヤ3に作用す
る張力により、ともに次第に中央に寄せられる。そして
ついには、それらの形鋼4は、図5に示すように、上下
二段に整然と整列させた如きの姿勢で吊持ち支持される
ことになる。従って、その後に続く搬送等に当っても形
鋼4に姿勢の乱れが生じることはなく、目的とする場合
への形鋼4の着床に際しても、特定の形鋼4に、くず
れ、ばらけ等が生じることもない。
【0017】ところで、形鋼4を、図5に示すような吊
持ち姿勢で搬送した後に、それらを着床させる場合に
は、吊持ち時とは逆に、分岐フック8を掛合されていな
い形鋼4が先に着床し、フック8を掛合させた形鋼4が
その後に着床することになるので、フック8を掛合させ
た形鋼4の上端および下端フランジのそれぞれが、他の
形鋼4の上端および下端のそれぞれのフランジに重なり
合って、それぞれの形鋼4は、あたかも、それらを相互
に組合わせたかのような着床姿勢となる。
【0018】以上説明したように、フック吊下げワイヤ
5によってビーム1から吊下した、単純な構造の分岐フ
ック8を、特定の形鋼4のそれぞれの端部に掛合させて
複数本の形鋼4を吊上げるだけで形鋼4の本数の多少に
かかわらず、それらの姿勢の乱れを十分に防止すること
ができる。また、フック吊下げワイヤ5の長さの選択も
しくは調節によって、長さの不揃いの形鋼をも同時に吊
持ち支持することができる。しかも、複数本の吊上げワ
イヤ3を全ての形鋼4に掛け回すことで、仮りに、分岐
フック8が形鋼4から外れることがあっても、その形鋼
4の不測の脱落を、吊上げワイヤ3をもって阻止するこ
とができる。
【0019】図6および7は、この発明の他の実施形態
を示す部分断面側面図および部分断面正面図である。こ
の装置では、フック吊下げワイヤ5の長さ調節手段9
を、ビーム1の長さ方向に、たとえば、摺動変位可能に
配置されて、ボルト等によってそのビーム1に固定され
るアイプレート9aと、フック吊下げワイヤ5の巻掛け
状態で、そのワイヤ5の変位を許容するプーリ9bとで
構成し、各アイプレート9aの位置を、形鋼4の長さに
応じて調整することで、フック吊下げワイヤ5の吊下げ
長さの適宜の選択を可能ならしめる。
【0020】またここでは、形鋼4に掛合させた分岐フ
ック8の、その形鋼4からの不測の離脱を防止するワイ
ヤ緊張手段を設ける。ここにおけるこのワイヤ緊張手段
は、ビーム1の長さ方向の中央部分に、一対のレバー11
の上端部をヒンジ連結するとともに、これらのレバー11
の下端部の相互の拡縮変位をもたらす揺動駆動手段、図
では二本のシリンダ12を、各レバー11と、両レバー11間
でビーム1に設けたブラケット13とに連結して設け、ま
た、各レバー11の下端に、それぞれのフック吊下げワイ
ヤ5の挿通を許容するアーム14をヒンジ連結してなる。
ここで、アーム14へのフック吊下げワイヤ5の挿通は、
図7に示すように、アーム14の先端に位置する水平プレ
ート14aに、ワイヤ5の本数に応じた数の丸孔, 角孔等
の孔14bを設け、それらのそれぞれの孔14bにそれぞれ
のワイヤ5を通すことにより行うことができる。
【0021】このようなワイヤ緊張手段によれば、それ
ぞれのフック吊下げワイヤ5が、水平プレート14aの孔
14bに挿通されていることから、形鋼4の吊持ちに際し
て使用されないワイヤ5およびフック8が存在しても、
それらの、他のワイヤ5等へのからみつきその他は、水
平プレート14aによる拘束作用の下で十分に防止される
ことになる。また、ワイヤ緊張手段の本来的な機能は、
所要の分岐フック8のそれぞれを形鋼4の上端フランジ
4bに掛合させた後、両シリンダ12の作用によって対を
なすレバー11の下端部を縮小方向に変位させて、各アー
ム14をビーム1の中央部側へ引き寄せることにてもたら
すことができ、これによって、各フック吊下げワイヤ5
に、より大きな張力と、ビーム中央部側への引き寄せ力
とを及ぼすことで、フック8の、上端フランジ4bから
の不測の離脱を効果的に防止することができる。
【0022】なおここで、アーム14を中央部側へ引き寄
せるに際し、水平プレート14aが分岐フック8に衝接す
ること、および、その衝接によってフック吊下げワイヤ
5に過度の張力が作用することを防止するためには、そ
の水平プレート14aと各フック8との間にスプリング15
を介装することが好ましい。
【0023】かかる装置によってもまた、複数本の形鋼
4の吊持ち搬送は、先に述べたところと同様に、分岐フ
ック8を掛合させた形鋼4の上端フランジ4bを、他の
形鋼4の上方に抜け出させた状態にて行うことができ
る。そして、吊持ち搬送した形鋼4の着床後は、ワイヤ
緊張手段のシリンダ12を伸長させて、アーム14によるワ
イヤ5の緊張を解くことで、分岐フック8の、形鋼4か
らの作為的な離脱を容易ならしめることができる。
【0024】図8は、分岐フックの他の実施形態を示す
図であり、これは、分岐フック8の、ワイヤ5に連結さ
れる上端部分の幅Wを、フック先端側の分岐爪部8aの
幅wより広幅としたものである。これによれば、フック
吊下げワイヤ5の長さを、長短交互とし、全ての形鋼4
に分岐フック8を掛合させて、それらの形鋼4を吊持ち
する場合に、短いワイヤ5に吊られて、他の形鋼4より
上方に抜け出る形鋼4の上端フランジ4bを、隣接フッ
ク8の上端部分に接触させることで、全ての形鋼4の吊
持ち状態での、相互に隣接する形鋼相互の近づきすぎを
防止することができる。従って、吊持ち搬送した形鋼4
を図9に示すように着床させるに当たり、図では中央部
に位置する抜け出し形鋼4に掛合させた分岐フック8の
分岐爪部8aの、隣接形鋼4の上端フランジ4bの上面
と、それが掛合する上端フランジ4bの下面との間への
挟み込みのおそれを有効に除去して、その分岐爪部8a
の上端フランジ4bからの解離を常に円滑かつ容易なら
しめることができる。
【0025】これをいいかえれば、複数本の形鋼4を、
たとえば、図5に示すように、一本おきに分岐フック8
に掛合させて吊持ち搬送する場合および、図10(a),(b)
に示すように、全ての形鋼4に、分岐爪部の幅wが上端
部分の幅Wより広幅となるフックHを掛合させて吊持ち
搬送する場合のそれぞれにおいては、形鋼4の吊持ち状
態において、相互に隣接する形鋼4が近づきすぎるが故
に、形鋼4の、図10(c) に示すような着床に当たり、抜
け出し形鋼4に掛合させたフックHの分岐爪部が、他の
形鋼4の上端フランジ4bと、抜け出し形鋼4の上端フ
ランジ4bとの間に挟み込まれるおそれがあり、その分
岐爪部の取り外しに際しては、フックHに打撃その他の
衝撃を加えることが必要になる。なお、図8および9か
らは明らかではないが、この実施形態にも、フック吊下
げワイヤ5の長さ調節手段9および、図6および7に示
すワイヤ緊張手段を適用し得ることはもちろんである。
【0026】
【実施例】図1〜5に示した装置および方法を用いて、
寸法が 500mm×200 mm×11mm×19mのH形鋼を搬送する
場合の作業能率を、実開昭55−20394号公報に開
示された従来技術と対比して示すと表1に示す通りとな
った。ある。
【0027】
【表1】
【0028】この表によれば、実施例では、大ロット搬
送が可能になるので搬送能率が飛躍的に向上することが
明らかである。従って、形鋼の搬送作業時間の短縮によ
る人件費の削減ならびに船料の削減などの経済上の大き
な効果をもたらすこともでき、また、搬送時間と搬送ロ
ットの制約がなくなることで、形鋼の生産工程に対する
制約を無くして、出荷作業の前工程すなわち、形鋼の圧
延、精整、搬送の各工程での作業能率向上も達成可能で
その効果は大きい。
【0029】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように、
この発明によれば、簡単な構造の分岐フックを用いるこ
とで、特殊な構造の治具、装置、吊り具等を不要とし、
また、特別の工程の付加もなしに、多数本の形鋼を、た
とえそれらに長さの不揃いがあっても、その分岐フック
の掛脱操作のみにて、形鋼の姿勢を乱すことなく吊持ち
支持するとともに搬送することができ、搬送能率を著し
く向上させることができる。また、この装置において、
分岐フックの、ワイヤに連結される上端部分の幅を、フ
ック先端側の分岐爪部の幅より広幅とした場合には、形
鋼の吊持ち搬送後の着床に当たり、とくに、抜け出し形
鋼からの分岐フックの解離を常に円滑かつ容易ならしめ
ることができ、長さ調節手段を、フック吊下げワイヤに
取付けたターンバックルにて構成した場合および、ビー
ムに、それの長さ方向に変位可能に取付けたアイプレー
トと、フック吊下げワイヤの変位を案内するプーリとで
構成した場合には、簡単な構造にして、形鋼の長さの変
動に容易かつ迅速に対処することができる。さらにま
た、この装置に、ワイヤ緊張手段を設けた場合には、分
岐フックの、形鋼からの不測の解離を防止して安全性の
より一層の向上をもたらすことができる。ここで、この
ワイヤ緊張手段を、ビームにヒンジ連結した一対のレバ
ーと、それらのレバーの下端部の相互の拡縮変位をもた
らす揺動駆動手段と、各レバーにヒンジ連結され、それ
ぞれのフック吊下げワイヤの挿通を許容するアームとで
構成した場合には、フック吊下げワイヤに、所要の張力
を簡単に付与することができる他、不使用ワイヤ等の、
他のワイヤへのからみつきその他を十分に防止すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の装置の一の実施形態を示す側面図で
ある。
【図2】各ワイヤおよびフックと形鋼との相対関係を示
す正面図である。
【図3】フック吊下げワイヤおよび分岐フックを示す拡
大図である。
【図4】形鋼の吊上げ初期状態を示す正面図である。
【図5】形鋼の吊持ち支持状態を示す正面図である。
【図6】この発明の他の実施形態を示す部分断面側面図
である。
【図7】図6の部分断面正面図である。
【図8】分岐フックの他の実施形態を示す図である。
【図9】図8の分岐フックの作用説明図である。
【図10】比較分岐フックの作用説明図である。
【符号の説明】
1 ビーム 1a フック 2 吊上げピン 3 吊上げワイヤ 4 形鋼 4a ウェブ 4b 上端フランジ 5 フック吊下げワイヤ 5a 目玉 6 上部シャックル 7 下部シャックル 8 分岐フック 8a 分岐爪部 9 長さ調節手段 9a アイプレート 9b プーリ 10 収納部 11 レバー 12 シリンダ 13 ブラケット 14 アーム 14a 水平プレート 14b 孔 15 スプリング

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビームに、形鋼を取囲む複数本の吊上げ
    ワイヤを、少なくとも各一端を着脱自在に取付けるとと
    もに、複数本のフック吊下げワイヤを連結し、フック吊
    下げワイヤの遊端に、分岐フックを装着してなる形鋼の
    吊持ち装置。
  2. 【請求項2】 分岐フックの、ワイヤに連結される上端
    部分の幅を、フック先端側の分岐爪部の幅より広幅とし
    てなる請求項1に記載の形鋼の吊持ち装置。
  3. 【請求項3】 フック吊下げワイヤの長さ調節手段を設
    けてなる請求項1もしくは2に記載の形鋼吊持ち装置。
  4. 【請求項4】 長さ調節手段を、フック吊下げワイヤに
    取付けたターンバックルにて構成してなる請求項3に記
    載の形鋼吊持ち装置。
  5. 【請求項5】 長さ調節手段を、ビームに、それの長さ
    方向に変位可能に取付けられて、フック吊下げワイヤの
    上端を連結されるアイプレートと、フック吊下げワイヤ
    の変位を案内するプーリとで構成してなる請求項3に記
    載の形鋼吊持ち装置。
  6. 【請求項6】 分岐フックの、形鋼への掛合姿勢を維持
    するワイヤ緊張手段を設けてなる請求項1〜5のいずれ
    かに記載の形鋼吊持ち装置。
  7. 【請求項7】 ワイヤ緊張手段を、上端部をビームにヒ
    ンジ連結した一対のレバーと、両レバーの下端部の相互
    の拡縮変位をもたらす揺動駆動手段と、各レバーの下端
    にヒンジ連結されて、それぞれのフック吊下げワイヤの
    挿通を許容するアームとで構成してなる請求項6に記載
    の形鋼吊持ち装置。
  8. 【請求項8】 複数本の形鋼の一本おきに、形鋼の両端
    で、ウェブの両側の上端フランジに、ビームから吊下げ
    た分岐フックを掛合させるとともに、ビームに取付けた
    複数本の吊上げワイヤを全ての形鋼に掛け回した後、ビ
    ームを上昇変位させて、分岐フックを掛合させた形鋼の
    上端フランジを、他の形鋼の上端フランジより上方へ抜
    け出させることを特徴とする形鋼の吊持ち方法。
  9. 【請求項9】 複数本の形鋼のそれぞれの両端で、ウェ
    ブの両側の上端フランジに、ビームから吊下げた分岐フ
    ックを掛合させるとともに、ビームに取付けた複数本の
    吊上げワイヤを全ての形鋼に掛け回した後、ビームを上
    昇変位させて、形鋼の一本おきに、それらの上端フラン
    ジを、他の形鋼の上端フランジより上方に抜け出させる
    ことを特徴とする形鋼の吊持ち方法。
JP9264396A 1997-04-08 1997-09-29 形鋼の吊持ち装置および方法 Pending JPH10338460A (ja)

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JP9264396A JPH10338460A (ja) 1997-04-08 1997-09-29 形鋼の吊持ち装置および方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109573813A (zh) * 2018-12-20 2019-04-05 安徽马钢工程技术集团有限公司 一种吊运h型钢钢梁用卡具及其吊运方法
CN110130653A (zh) * 2019-05-21 2019-08-16 北京首钢建设集团有限公司 一种局限区域内框架钢梁利用卷扬吊装的施工方法
CN110606432A (zh) * 2019-10-11 2019-12-24 中国电建集团铁路建设有限公司 一种钢轨吊装专用吊具及使用方法

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