JP2016050358A - 円筒形スパッタリングターゲットの製造方法 - Google Patents

円筒形スパッタリングターゲットの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】円筒形のセラミックス焼結体からなるターゲット材とバッキングチューブとを、高い接合率及び十分な接合強度でもって接合材を介して接合することにより、スパッタリングを行った場合に、割れ、欠け、剥離等の不具合が生じない円筒形スパッタリングターゲットの製造方法を提供する。【解決手段】外周面にブラスト加工を施して、その外周面の表面粗さを、算術平均粗さRaが2.0μm以上、12.5μm以下且つ十点平均粗さRzが10μm以上、50μm以下とした後に、超音波振動による打撃を印加すると共に加圧しながら接合材を塗布したバッキングチューブ3を作製し、得られたバッキングチューブ3を円筒形スパッタリングターゲット1の製造において用いる。【選択図】図1

Description

本発明は、マグネトロン型回転カソードスパッタリング装置によるスパッタリングに使用される、円筒形スパッタリングターゲットの製造方法に関する。
従来、スパッタリングターゲットとしては、平板状のターゲット材をバッキングプレートに接合した平板形スパッタリングターゲットが一般的に利用されている。平板形スパッタリングターゲットを使用して、マグネトロンスパッタリング法によりスパッタリングを行った場合における、ターゲット材の使用効率は、20%〜30%に留まっている。その理由は、マグネトロンスパッタリング法では、磁場によってプラズマをターゲット材の特定箇所に集中して衝突するため、その表面の特定箇所にエロージョン(erosion)が進行する現象が起こり、ターゲット材の最深部がバッキングプレートまで達したところで、その寿命となってしまうためである。
この問題に対して、スパッタリングターゲットの形状を円筒形にすることで、ターゲット材の使用効率を上げることが提案されている。この方法は、円筒形のバッキングチューブと、その外周部に形成された円筒形のターゲット材とからなる円筒形スパッタリングターゲットを用い、バッキングチューブの内側に磁場発生設備と冷却設備を設置して、円筒形スパッタリングターゲットを回転させながらスパッタリングを行うものである。この方法により、ターゲット材の使用効率を60%〜70%にまで高めることができるとされている。
円筒形スパッタリングターゲットにおけるターゲット材の材料としては、円筒形状への加工が容易で機械的強度の高い金属材料が広く使用されているものの、セラミックス材料については、機械的強度が低く脆いという特性から、未だ普及するに至っていない。
現在、セラミックス製の円筒形スパッタリングターゲットの製造手段は、円筒形のバッキングチューブの外周にセラミックス粉末を溶射して付着する溶射や、円筒形のバッキングチューブの外周にセラミックス粉末を充填し、高温高圧の不活性雰囲気下でセラミックス粉末を焼成する、熱間静水圧プレス(HIP:Hot Isostatic Pressing)等に限られている。しかしながら、溶射には、高密度のターゲット材が得られにくいという問題があり、熱間静水圧プレスには、イニシャルコストやランニングコストが高く、熱膨張差による剥離、更にはターゲット材のリサイクルができないといった問題がある。
このため、冷間静水圧プレス(CIP:Cold Isostatic Pressing)により円筒形セラミックス成形体を成形し、これを焼成することにより円筒形セラミックス焼結体を得て、これをバッキングチューブとボンディング(接合)することにより、円筒形スパッタリングターゲットを形成することが要望されている。
円筒形スパッタリングターゲットでは、通常、オーステナイト系ステンレス鋼、チタン等の金属製のバッキングチューブが使用される。ところが、ステンレス製やチタン製のバッキングチューブは、その表面に強固な不動態皮膜が存在することに起因して、接合材を介してバッキングチューブを高い接合率及び接合強度で接合することが困難である。
このため、オーステナイト系ステンレス鋼やチタンの表面に、強固な不動態皮膜との接触を避ける目的で、ニッケルや銅からなる下地層を電気めっきで形成する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、この方法では、例えば、長さが2mのバッキングチューブを用いる場合には、2m以上のめっき槽を準備しなくてはならず、大幅なコストの増加となり現実的ではない。また、ニッケルや銅からなる電気めっきでの下地層では、接合層との濡れ性が十分に確保できないという問題がある。
特表平10−509479号公報 特開平8−67978号公報 特開2010−070842号公報
そのような問題を解決する方法として、例えば、ニッケル又は銅をめっき処理した後、接合材を超音波メタライジングする方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。また、その他に、ステンレス製のバッキングチューブの接合面に対して、ヒータを搭載した超音波コテ等で超音波振動を加えながら接合材を塗り込む方法も開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
しかしながら、これらの方法では、ステンレスと接合材との間で、不動態皮膜を破壊して活性面を発現することが十分にできないため、満足する接合率及び接合強度を確保することが困難である。
そこで、本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて考案されたものであり、円筒形のセラミックス焼結体からなるターゲット材とバッキングチューブとを、高い接合率及び十分な接合強度でもって接合材を介して接合することにより、スパッタリングを行った場合に、割れ、欠け、剥離等の不具合が生じない円筒形スパッタリングターゲットの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明者らは、バッキングチューブと接合材との接合方法について、鋭意研究を重ねた。その結果、バッキングチューブをブラスト加工した後に、超音波振動による打撃を加えると共に加圧しながら接合材を塗布することで、十分な接着力が得られることがわかった。即ち、バッキングチューブの外周面の不動態皮膜を、溶融した接合材で超音波振動による打撃により破壊し、更に、バッキングチューブの外周面のミクロ的な凹凸の頂点を、加圧により塑性変形することで、バッキングチューブの外周面と接合材との間で、アンカー効果と共にキャビテーション効果により接合の促進が行われるとの知見を得た。本発明は、これらの知見に基づき完成されたものである。
即ち、上記目的を達成するための本発明に係る円筒形スパッタリングターゲットの製造方法は、円筒形セラミックス焼結体からなるターゲット材の中空部にバッキングチューブを同軸に配置し、ターゲット材とバッキングチューブとの間隙に接合層を形成して円筒形スパッタリングターゲットを製造する円筒形スパッタリングターゲットの製造方法であって、バッキングチューブの外周面にブラスト加工を施して、バッキングチューブの外周面の表面粗さを、算術平均粗さRaが2.0μm以上、12.5μm以下且つ十点平均粗さRzが10μm以上、50μm以下とした後に、バッキングチューブの外周面に超音波振動による打撃を印加すると共に加圧しながら接合材を塗布することを特徴とする。
本発明によれば、接合材とバッキングチューブとの接合率及び接合強度を向上することができ、スパッタリング時の熱負荷によって、ターゲット材に割れや剥離等の不具合が生じることのない円筒形スパッタリングターゲットを得ることができる。
本発明の円筒形スパッタリングターゲットの製造方法により得られた円筒形スパッタリングターゲットの一形態を示す概略図であって、中心軸を含む面で切断した断面図である。 旋盤加工後のバッキングチューブの表面粗さを模式的に示した図である。 ブラスト加工後のバッキングチューブの表面粗さを模式的に示した図である。 超音波振動による打撃と共に加圧を行った後のバッキングチューブの表面粗さを模式的に示した図である。 実施例1における各加工及び処理後のバッキングチューブについて測定した表面粗さの推移を示す図である。 実施例1における旋盤加工後のバッキングチューブの表面粗さの測定結果を示した図である。 実施例1におけるブラスト加工後のバッキングチューブの表面粗さの測定結果を示した図である。 実施例1における超音波振動による打撃と共に加圧を行った後のバッキングチューブの表面粗さの測定結果を示した図である。
本発明を適用した具体的な実施の形態(以下、「本実施の形態」という。)について、以下の順序で図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることが可能である。
1.円筒形スパッタリングターゲット
2.バッキングチューブの表面処理
3.円筒形スパッタリングターゲットの製造方法
[1.円筒形スパッタリングターゲット]
(1−1.円筒形スパッタリングターゲットの概要)
図1に示すように、円筒形スパッタリングターゲット1は、ターゲット材2がバッキングチューブ3の外周部に設置されたものであり、ターゲット材2とバッキングチューブ3とが接合層4を介して接合されている。より詳細には、円筒形スパッタリングターゲット1は、ターゲット材2の中空部にバッキングチューブ3を同軸に配置し、これらの中心軸が一致した状態で接合されたものである。
円筒形スパッタリングターゲット1のサイズは、材質や顧客の要望等に応じて適宜調整することができ、特に限定されるものではない。例えば、外径が100mm〜200mm、内径が80mm〜180mm、全長が50mm〜200mmの円筒形セラミックス焼結体をターゲット材2として用いた場合には、そのターゲット材2を単独で用いる場合、分割して用いる場合、或いは複数で用いる場合等があり、その状況により円筒形スパッタリングターゲット1のサイズが適宜決定される。
(1−2.ターゲット材)
円筒形のターゲット材2として使用可能な円筒形セラミックス焼結体は、用途に応じて材料を適宜選択することができ、特に限定されることはない。例えば、インジウム(In)、スズ(Sn)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、及びチタン(Ti)から選択される少なくとも1種を主成分とする酸化物等から構成される円筒形セラミックス焼結体を使用することができる。
特に、後述する低融点接合材と馴染みやすい酸化インジウムを主成分とする円筒形セラミックス焼結体、具体的には、スズを含有する酸化インジウム(ITO)、セリウム(Ce)を含有する酸化インジウム(ICO)、ガリウム(Ga)を含有する酸化インジウム(IGO)、ガリウム及び亜鉛を含有する酸化インジウム(IGZO)等から構成される円筒形セラミックス焼結体が、ターゲット材2として好適に利用される。
ターゲット材2の外径及び全長は、円筒形スパッタリングターゲット1のサイズに応じて適宜調整することが可能である。また、その内径は、ターゲット材2とバッキングチューブ3との間隙の幅及びバッキングチューブ3の外径に応じて適宜調整することが可能であり、これらは特に限定されるものではない。ターゲット材2としては、1つの円筒形セラミックス焼結体から構成されるものだけでなく、複数の円筒形セラミックス焼結体を連結したものを使用することができる。円筒形セラミックス焼結体同士の連結方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法を用いることができる。
(1−3.バッキングチューブ)
円筒形のバッキングチューブ3の材質は、円筒形スパッタリングターゲット1の使用時に、接合層4が劣化及び溶融しない十分な冷却効率を確保できる熱伝導性があり、スパッタリング時に、放電可能な電気伝導性や、円筒形スパッタリングターゲット1の支持が可能な強度等を備えているものであればよい。
バッキングチューブ3として、オーステナイト系ステンレス製、特にSUS304製のものを使用することが一般的である。もちろん、これ以外の素材も利用することができ、例えば、SUS304以外のステンレス、チタン又はチタン合金、モリブデン又はモリブデン合金、アルミニウム又はアルミニウム合金、更には、強固な不動態皮膜の無い銅又は銅合金等の各種材質を使用することができる。例えば、インジウムを主成分とする接合材を用いた場合には、熱伝導性、電気伝導性、接着強度等の観点から、バッキングチューブ3の材質として、ステンレス又はチタンを用いることが好ましい。
バッキングチューブ3の全長は、円筒形スパッタリングターゲット1のサイズに応じて適宜調整することが可能である。内径は、スパッタリング装置に応じて適宜調整することが可能であり、これらは特に限定されるものではない。また、バッキングチューブ3の外径は、下地層の厚さと共に、バッキングチューブ3とターゲット材2との線膨張率の差を考慮して設定することが好ましい。
例えば、ターゲット材2として、20℃における線膨張率が7.2×10−6/℃のITOを使用し、バッキングチューブ3として、20℃における線膨張率が17.3×10−6/℃であるSUS304を使用する場合には、ターゲット材2とバッキングチューブ3との間隙の幅が、好ましくは0.3mm〜3.0mm、より好ましくは0.5mm〜1.0mmとなるように、バッキングチューブ3の外径を設定する。
ターゲット材2とバッキングチューブ3との間隙の幅が0.3mm未満では、溶融した接合材を間隙に注入した場合に、バッキングチューブ3が熱膨張し、ターゲット材2が割れてしまうおそれがある。一方、上記間隙の幅が3.0mmを超えると、ターゲット材2の中空部に、バッキングチューブ3を同軸に配置し、これらの中心軸が一致した状態で接合することが困難となる。
(1−4.接合層)
接合層4は、例えばインジウムからなり、ターゲット材2とバッキングチューブ3とを接合する。接合層4の役割は、放電により円筒形スパッタリングターゲット1上に発生した熱をバッキングチューブ3の内側を流れる冷却液で放熱するため、ターゲット材2とバッキングチューブ3との熱的な伝達を行うことにある。従って、接合層4は、円筒形スパッタリングターゲット1を使用する際に、バッキングチューブ3と同様にして、熱伝導性、電気伝導性、接着強度等を備えていればよい。
接合層4に、上述のバッキングチューブ3と同様にして、上述の熱伝導性等の特性を持たせるためには、接合層4の形成に用いる接合材を選定する必要がある。例えば、インジウムを主成分とする接合材は、スズを主成分とする接合材に比べて凝固時の硬度が低い。そのため、インジウムを主成分とする接合材を用いて接合層4を形成する場合には、溶融した接合材を注入してから固化するまでの過程において、ターゲット材2の割れ等の不具合を効果的に防止することができる。
インジウムを主成分とする接合材を用いて接合層4を形成する場合には、インジウムを50質量%以上、好ましくは70質量%〜100質量%、より好ましくは80質量%〜100質量%含有するものを使用する必要がある。特に、インジウムを80質量%以上、好ましくは90質量%〜100質量%含有する低融点接合材を、接合材として用いることが好ましい。このような低融点接合材であれば、原子又は分子間の結合が弱いため軟らかく、冷却固化後の硬度が適切な範囲にあるため、作業性に優れている。また、低融点接合材は、作業性に優れるだけでなく、溶融時の流動性が高いため、巣(鬆)やひけが極めて少ない、均一な接合層4を容易に形成することができる。
例えば、インジウムの含有量が100質量%であるインジウム金属を接合材として用いた場合には、インジウム金属の熱伝導率が81.6W/m・Kと熱伝導性に優れることから好ましい。また、インジウム金属は、液化して固化することによりターゲット材2とバッキングチューブ3とを接合する際に、これらを密着性よく接合できることから好ましい。
一方、インジウムの含有量が50質量%未満では、バッキングチューブ3側との濡れ性が低いため、そのような接合材を加熱して溶融した接合材を、ターゲット材2とバッキングチューブ3との間隙に、高い充填性をもって隙間なく注入することができない。
接合材としては、上述したインジウム系低融点接合材の他に、インジウム粉末を含有する樹脂ペースト、導電性樹脂等を用いることができるが、導電性や展延性の観点から、インジウム系低融点接合材が好ましく、融点が130℃〜160℃のインジウム系低融点接合材がより好ましい。なお、インジウム以外の成分については、特に制限されることはなく、例えば、スズ、アンチモン(Sb)、亜鉛等を必要に応じて含有することができる。インジウム以外の成分の含有量は、50質量%未満であり、30質量%未満が好ましく、20質量%未満がより好ましい。
[2.バッキングチューブの表面処理]
円筒形スパッタリングターゲット1を構成する円筒形のバッキングチューブ3としては、上述した通り、オーステナイト系ステンレス製、特に、SUS304製のものを使用することが一般的である。このようなバッキングチューブ3は、その外周面に強固な不動態皮膜が形成されているため、そのままでは接合材と高い接合率及び接合強度をもって接合することはできない。
従来、バッキングチューブの外周面の表面粗さは、粗い方が良いと考えられていた。それは、表面粗さが粗いほど、バッキングチューブの外周面(接着面)と接合材との間で、接着面の微細な凹凸に接合材が入り込んで硬化することで接着力が高まる効果(アンカー効果)が得られると考えられていたためである。しかしながら、アンカー効果だけでは、不動態皮膜を有する金属からなるバッキングチューブにおいて、その接着面と接合材との間に十分な接着力は得られていない。そのため、円筒形スパッタリングターゲットの実使用時においては、熱的応力により、バッキングチューブと接合材との界面剥離が発生し、バッキングチューブからターゲット材が剥離してしまう。また、ステンレスやチタン等の表面に形成される不動態皮膜は、ブラスト加工で表面をクリーニングしても、空気中では瞬時に不動態皮膜が再生されてしまう。
そこで、本実施の形態に係る円筒形スパッタリングターゲットの製造方法において用いるバッキングチューブ3は、その外周面を各種加工により所定の表面粗さにした後に、超音波振動による打撃を印加すると共に加圧して表面処理を施す。これにより、後述する円筒形スパッタリングターゲット1の製造時において、バッキングチューブ3は、その表面と接合材との高い密着性を確保することができ、接合率及び接合強度を向上することができる。以下、より詳細なバッキングチューブ3の表面処理の方法について説明する。
(2−1.バッキングチューブの加工)
バッキングチューブの加工では、まず、バッキングチューブ3の表面に、旋盤にて外形加工を施した後にブラスト加工を行う。
バッキングチューブの加工では、まず、バッキングチューブ3であるステンレス管について、旋盤加工により外形仕上げを行う。図2に示す模式図のように、旋盤加工後のバッキングチューブ3の外周面には、ほぼ一定の間隔で、ほぼ等しい高さの凹凸が並んでいる。バッキングチューブ3では、仮に、この状態で後述する超音波振動による打撃を印加しても、旋盤加工後のバッキングチューブ3の外周面の、例えば、ある領域A,Bにおける凹凸の頂点部分がほぼ等しい高さで並んで支え合っていることが原因で、領域A,Bにおける凹凸の頂点部分を塑性変形することができない。
そこで、バッキングチューブの加工では、旋盤等により外形を加工して得られたバッキングチューブ3の外周面を、ブラスト加工によりクリーニングする。バッキングチューブ3の外周面にブラスト加工を行うことで、旋盤加工で付着した異物や油分等をクリーニングすることができると共に、バッキングチューブ3の比表面積が増加することにより、バッキングチューブ3における接合材の濡れ性を向上することができる。バッキングチューブ3の外周面にブラスト加工を行わない場合には、旋盤加工で付着した異物や油分により、バッキングチューブ3と接合材との接着性が悪化する。なお、バッキングチューブ3のブラスト加工において、クリーニング以上に表面を平滑化させた場合には、バッキングチューブ3と接合材とのアンカー効果が期待できない。
更に、バッキングチューブの加工では、旋盤加工後のバッキングチューブ3の外周面にブラスト加工を行うことで、図2に示す領域Bにおける凹凸の頂点部分の高さが低くなり、図3に示す模式図のように、ブラスト後のバッキングチューブ3の外周面の領域A,Bにおける凹凸の頂点部分の高さが不揃いとなる。より詳細には、ブラスト加工後のバッキングチューブ3の表面粗さにおいて、算術平均粗さRaが2.0μm以上、12.5μm以下であり、且つ十点平均粗さRzが10μm以上、50μm以下となっていればよい。バッキングチューブ3の表面粗さがこれらの数値をそれぞれ下回った場合には、領域A,Bにおける凹凸の頂点部分の高さが不揃いになることはない。また、バッキングチューブ3の表面粗さがこれらの数値をそれぞれ上回った場合には、該バッキングチューブ3の外周面に超音波振動による打撃を印加すると共に加圧しながら接合材の塗布を行っても、バッキングチューブ表面の気泡が抜けないため、結果的に空気を介在して打撃が印加されることになる。このため、溶融接合材が酸化して粉末状固体に変化し、接合率が低下してしまう。併せて、バッキングチューブ3の表面粗さが粗すぎて、バッキングチューブ外形寸法のばらつきが大きくなる問題が発生する。
バッキングチューブの加工では、公知のエアーブラストの技術を用いることで、バッキングチューブ3の外周面に対するブラスト加工を行うことができる。ここで、エアーブラストとは、コンプレッサーで作った圧縮エアーを使って、ガラスビーズ等の投射材(研磨材)を所定の投射圧で噴射して、対象物(バッキングチューブ3)を加工する方法である。投射材としては、ガラスビーズを利用することができ、例えば、#200よりも粗い粒度(#200以下)のガラスビーズが好適に使用され、アランダム等の研削材でも同様に使用することができる。また、バッキングチューブの加工では、エアーブラストにおける投射圧も公知の範囲であればよく、例えば、0.9MPa以下で行うことができる。
(2−2.バッキングチューブの表面処理)
次に、バッキングチューブの表面処理では、超音波打撃装置を用い、バッキングチューブ3に超音波振動による打撃の印加及び加圧による表面処理を施す。
超音波打撃装置は、超音波打撃端子、ヒータ、超音波発振器、超音波打撃端子の加圧機構及び移動機構等により構成されている。超音波打撃端子やヒータとしては、例えば、ヒータを搭載した公知の超音波コテを利用することができる。また、超音波打撃端子の加圧機構としては、超音波打撃端子をバッキングチューブ3に対して垂直方向に押出するものであり、超音波打撃端子の移動機構としては、超音波打撃端子を所定の速度でバッキングチューブ3に対して上下左右に作動させるものである。超音波打撃装置を用いることにより、超音波により接合材中に生じた気泡が破裂する際に起こす衝撃波が、溶融した接合材やバッキングチューブ3の外周面の酸化膜(不動態皮膜)や、油脂、ゴミ、埃等の汚れを除去し、バッキングチューブ3の外周面が活性化される(キャビテーション効果)。その結果、円筒形スパッタリングターゲット1の製造時において、バッキングチューブ3と接合材との接着力が強化され、より強固に接合することができるので、高い接合率と接合強度を有する接合層を形成することができる。
バッキングチューブの表面処理では、超音波打撃端子に搭載されたヒータにより接合材を加温、溶融し、ブラスト加工後のバッキングチューブ3の外周面に、超音波振動による打撃を印加すると共に、超音波打撃端子の加圧機構を用いて加圧しながら、その先端部を密着させて、その外周面を溶融した接合材で覆われた状態(非酸化環境下)にする。このとき、バッキングチューブ3は、溶融した接合材を介した超音波発振器による超音波振動のキャビテーションにより、バッキングチューブ3の外周面における油脂、ゴミ、埃等の汚れを除去することで洗浄され、濡れ性を確保することができる。
バッキングチューブの表面処理では、上述した通り、超音波振動による打撃を印加すると共に加圧しながら超音波打撃端子の先端部を密着させているので、図4に示す模式図のように、領域Aにおけるミクロ的な凹凸の頂点部分の鋭角が削れることにより、バッキングチューブ3の外周面の領域Aにおけるミクロ的な凹凸の頂点部分を塑性変形することができる。なお、バッキングチューブの表面処理では、バッキングチューブ3の外周面を加圧することができれば、その方法が特に限定されることはなく、例えば、バッキングチューブ3の外周面に超音波打撃端子を押し当てる等の方法により、加圧を行いながら領域Aにおける頂点部分を塑性変形してもよい。
バッキングチューブの表面処理では、超音波打撃端子による打撃の印加及び加圧機構による加圧を同時に行うことにより、バッキングチューブ3と接合材とのアンカー効果を促進すると共に、バッキングチューブ3の外周面の不動態皮膜を破壊することができ、活性面が現れる。つまり、破壊された不動態皮膜が外周面から剥がれた状態で接合材内に留まり、清浄な金属表面が露出することで、バッキングチューブ3の外周面の濡れ性が向上する。その結果、円筒形スパッタリングターゲット1の製造時において、バッキングチューブ3の外周面の全体に接合材が付着することにより、バッキングチューブ3の表面と接合材との間で強固な接着力が得られる。
バッキングチューブの表面処理では、超音波振動による打撃の印加及び加圧後のバッキングチューブ3の外周面の十点平均粗さRzが、ブラスト加工後のバッキングチューブ3の外周面の十点平均粗さRzに対して80%以下となるように塑性変形することが好ましい。このように塑性変形することで、バッキングチューブ3と接合材とのアンカー効果を促進すると共に、バッキングチューブ3の外周面の不動態皮膜を破壊して活性面を露出することができる。そして、円筒形スパッタリングターゲット1の製造時において、バッキングチューブ3の外周面の全面に亘って接合材が付着し、結合剤が付着していない箇所が無い状態にすることにより、バッキングチューブ3と接合材との接着力が強化され、より強固に接合することができるので、高い接合率と接合強度とを有する接合層4を形成することができる。
一方、超音波振動による打撃の印加及び加圧後のバッキングチューブ3の外周面の十点平均粗さRzが、ブラスト加工後のバッキングチューブ3の外周面の十点平均粗さRzに対して80%を超過した場合には、バッキングチューブ3と接合材とのアンカー効果を促進することができず、更に、バッキングチューブ3の外周面の不動態皮膜を破壊することもできず、バッキングチューブ3の表面と接合材との間で強固な接着力を得ることが困難となる。
バッキングチューブ3の外周面に、加圧機構により超音波打撃端子で加圧するには、その外周面と超音波打撃端子との接触時の接触面積A(cm)、超音波打撃端子を通してかかるバッキングチューブ3への荷重F(kg)のとき、下記式1で得られる超音波打撃端子の単位面積当たりの加圧力σ(kg/cm)が、バッキングチューブ3の外周面の不動態皮膜の破壊及びミクロ的な凹凸の頂点部分の塑性変形を発生する圧力以上であることが必要となる。
σ = F ÷ A ・・・ (式1)
従って、バッキングチューブ3の外周面への加圧力σは、0.2kg/cm以上、10.0kg/cm以下であることが好ましい。加圧力σが0.2kg/cm以上、10.0kg/cm以下であれば、バッキングチューブ3の外周面の不動態皮膜を破壊して活性面を発現することで、バッキングチューブ3と接合材との高い接着力を確保することができる。また、図4に示す模式図のように、バッキングチューブ3の外周面におけるミクロ的な凹凸の頂点部分を塑性変形することで、アンカー効果を向上することができる。
一方、バッキングチューブ3の外周面への加圧力σが0.2kg/cm未満の場合には、不動態皮膜の破壊やミクロ的な凹凸の頂点部分の塑性変形に至らないため、バッキングチューブ3と接合材との接着力が不十分となる。また、加圧力σが10.0kg/cmを超える場合には、加圧によりバッキングチューブ3の外周面が平滑になってしまい、バッキングチューブ3と接合材との接着力が不十分となる。
バッキングチューブの表面処理では、バッキングチューブ3の外周面に加圧する際に、超音波打撃端子の移動機構により、超音波打撃端子を移動しながら加圧することができる。バッキングチューブ3の外周面上での超音波打撃端子の移動速度は、30cm/min以上、120cm/min以下であることが好ましい。移動速度が30cm/min以上、120cm/min以下であれば、バッキングチューブ3と接合材との更に高い接着力を確保することができ、また、アンカー効果を更に向上することができる。一方、移動速度が上記範囲外である場合には、バッキングチューブ3と接合材との接着力が不十分となる。
超音波打撃端子に与える振動エネルギーは、適用する状況に応じて適宜選択すればよいが、周波数15kHz〜1MHz程度、より好ましくは20kHz〜35kHzの超音波の波長領域近辺の弾性波を用いることが、実施上、扱い易く均一なバッキングチューブ3の接合面が得られる。従って、円筒形スパッタリングターゲットの製造方法では、超音波打撃端子の共振周波数で安定した最適周波数を印加し、その最適周波数でバッキングチューブ3の外周面に超音波振動による打撃を与えることが好ましい。
バッキングチューブの表面処理では、上述した通り、超音波打撃装置を用いてバッキングチューブ3の外周面に超音波振動による打撃を与えると共に加圧するにあたり、超音波打撃端子に付随するヒータで接合材を溶解し、バッキングチューブ3の表面を覆う。即ち、バッキングチューブの表面処理では、超音波振動による打撃を印加すると共に加圧する際に、バッキングチューブ3における接合材との接触面は、公知の低融点はんだで覆われており、その接触面は、空気の侵入が遮断された非酸化環境下に置かれていることになる。これにより、円筒形スパッタリングターゲットの製造方法では、バッキングチューブ3の超音波振動による打撃による不動態皮膜の剥離後の不動態皮膜の再生を防止し、バッキングチューブ3と接合材との十分な接着力を確保することができる。
以上で説明した通り、バッキングチューブの表面処理では、バッキングチューブ3の外周面にブラスト加工を施して、その外周面の表面粗さを、算術平均粗さRaが2.0μm以上、12.5μm以下且つ十点平均粗さRzが10μm以上、50μm以下とした後に、バッキングチューブ3の外周面に超音波振動による打撃を印加すると共に加圧しながら接合材を塗布することにより、バッキングチューブ3の外周面の全体に亘って接合材が付着し、バッキングチューブ3と接合材との接着力を強化して、より強固に接合することができる。
[3.円筒形スパッタリングターゲットの製造方法]
以下、本実施の形態に係る円筒形スパッタリングターゲットの製造方法について説明する。
(3−1.円筒形スパッタリングターゲットの概要)
円筒形スパッタリングターゲット1は、ターゲット材2の中空部に、上述した通りの表面処理を施したバッキングチューブ3を同軸に配置し、ターゲット材2とバッキングチューブ3との間隙に接合材で接合層4を形成することにより作製される。例えば、円筒形スパッタリングターゲット1は、SUS304製のバッキングチューブ3を、接合材としてインジウム系低融点接合材を使用して、ITO製の円筒形セラミックス焼結体からなるターゲット材2と接合することにより作製することができる。
(3−2.バッキングチューブとターゲット材の配置)
まず、円筒形スパッタリングターゲットの製造方法では、ターゲット材2の中空部にバッキングチューブ3を同軸に配置する。
ここでは、バッキングチューブ3を、ターゲット材2の中空部に同軸に、即ち、これらの中心軸が一致した状態で配置し、両者を接合することが重要となる。両者の中心軸がずれた状態で接合すると、得られる円筒形スパッタリングターゲット1の外径の中心と内径の中心がずれてしまう。その結果、スパッタリング時の熱負荷により、円筒形スパッタリングターゲット1が不均一に膨張し、ターゲット材2に割れや剥離が生じるおそれがある。
なお、バッキングチューブ3を、ターゲット材2の中空部に同軸に配置する方法としては、特に制限されることなく、公知の手段を用いることができる。例えば、X−Yステージを用いて位置決めをすることにより、バッキングチューブ3を、ターゲット材2の中空部に同軸に配置することができる。
次に、円筒形スパッタリングターゲットの製造方法では、ターゲット材2とバッキングチューブ3との間隙の軸方向一端部を、Oリング等の公知の封止手段により封止する。そして、この封止側が下方となるように、ターゲット材2とバッキングチューブ3とを直立する。
次に、ターゲット材1の内周面とバッキングチューブ3の外周面との間隙に、接合材を注入し、嵌合した接合層4を形成する。バッキングチューブ3の外周面には、上述した通りの表面処理が施されているので、かかる表面処理により、バッキングチューブ3の外周面の全体に接合材が付着している。その結果、バッキングチューブ3の外周面の濡れ性が向上し、ターゲット材1の内周面とバッキングチューブ3の外周面との間隙に、溶融した接合材を容易に流し込むことができる。なお、これ以外の工程は、全て従来技術で行われ、円筒形スパッタリングターゲット1を製造することができる。
以上で説明した通り、円筒形スパッタリングターゲットの製造方法では、円筒形セラミックス焼結体からなるターゲット材2の中空部に、上述した通りの表面処理を施したバッキングチューブ3を同軸に配置し、ターゲット材2とバッキングチューブ3との間隙に、接合材を用いて接合層4を形成し、円筒形スパッタリングターゲット1を作製する。
その結果、円筒形スパッタリングターゲット1の作製時に表面処理を施したバッキングチューブ3を用いることで濡れ性が向上し、その製造時において、高い接合率と接合強度とを有する接合層4を形成することができる。そして、円筒形スパッタリングターゲットの製造方法では、スパッタリング時に割れ、欠け、剥離等の不具合が発生しない円筒形スパッタリングターゲット1を得ることができる。また、円筒形スパッタリングターゲットの製造方法では、このような円筒形スパッタリングターゲット1を、工業規模の生産において、容易に得ることができるので、その工業的意義は極めて大きい。
以下、実施例及び比較例を用いて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例及び比較例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1では、外径100mm、内径81mm、全長200mmのITO製の円筒形セラミックス焼結体を5つ用意した。次に、全ての円筒形セラミックス焼結体について、接合面となる内周面以外の部分に余分な接合材が付着することを防止するため、耐熱性のマスキングテープでマスキングを行った。その後、全ての円筒形セラミックス焼結体について、接合面となる内周面をインジウムで濡らすと共に、全長が1002mmとなるように、5個の円筒形セラミックス焼結体を厚み0.5mmのシリコンパッキンで挟んで一定間隔で配列し、外周面を耐熱テープで固定することにより、ターゲット材を得た。
一方、実施例1では、外径80mm、内径70mm、全長1100mmのSUS304製の旋盤加工で得られた円筒形バッキングチューブ(算術平均粗さRa:2.8μm、十点平均粗さRz:10.3μm)を用意した。実施例1では、この円筒形バッキングチューブのうち、接合面以外の部分については、余分な接合材が付着することを防止するため、耐熱テープでマスキングを行った。その後、実施例1では、投射材としてガラスビーズ♯80を使用し、円筒形バッキングチューブについて、投射圧0.5MPaでブラスト加工を行った。ブラスト加工後の円筒形バッキングチューブの表面粗さを測定したところ、算術平均粗さRaが2.9μmであり、十点平均粗さRzが15.7μmであった。
その後、実施例1では、超音波ハンダ付け装置(黒田テクノ株式会社製、サンボンダ(登録商標)USM−528)を使用し、ブラスト加工後の円筒形バッキングチューブの外周面に接合材を密着させた。ここで、実施例1では、超音波ハンダ付け装置における超音波打撃端子(コテ)として、コテ先形状が50mm×10mmであり、円筒形バッキングチューブに接する面を、その曲率半径と同一に加工したものを使用した。また、接合材としては、インジウムを80質量%、スズを10質量%、アンチモンを5質量%、亜鉛を5質量%含有するインジウム系低融点半田を用いた。
具体的には、まず、超音波打撃端子の温度を200℃とし、インジウム系低融点半田を溶融しながら、超音波ハンダ付け装置の自動調整機能を利用して最適周波数28.0kHzに設定した。次に、実施例1では、円筒形バッキングチューブの外周面に対して、超音波打撃端子の加圧力σ5.0kg/cm、移動速度60cm/minで超音波振動による打撃を印加すると共に加圧し、接合材を円筒形バッキングチューブの外周面に密着させた。実施例1では、密着させた接合材を測定のため除去し、バッキングチューブの表面粗さを測定したところ、算術平均粗さRaが2.8μmであり、十点平均粗さRzが12.4μmであった。
実施例1では、旋盤加工後、ブラスト加工後、並びに超音波振動による打撃の印加及び加圧後の円筒形バッキングチューブの表面粗さである算術平均粗さ(算術平均高さ)Ra及び十点平均粗さ(最大高さ)Rzを、それぞれ表面粗さ計(株式会社ミツトヨ製、SJ−210)で測定し、それらの測定結果を図5〜図7に示した。具体的には、実施例1では、先端の曲率半径5μmの触針を用いて、円筒形バッキングチューブの外周面を長手方向2mmに亘って表面粗さを測定し、「JIS B 0601-2001」に準じて求めた3ケ所の測定値の平均を表面粗さとした。実施例1では、これらの結果を表1及び表3にまとめた。
実施例1では、図5に示すように、旋盤加工後の円筒形バッキングチューブの外周面には、ほぼ一定の間隔で、ほぼ等しい高さの凹凸が並んでいた。しかしながら、旋盤加工後の円筒形バッキングチューブの外周面にブラスト加工を行うことで、図6に示すように、凹凸の頂点部分の高さが不揃いとなり、更に、超音波振動による打撃の印加及び加圧を行うことで、図7に示すように、円筒形バッキングチューブの外周面におけるミクロ的な凹凸の頂点部分の塑性変形を確認することができた。
また、実施例1では、旋盤加工後、ブラスト加工後、並びに超音波振動による打撃の印加及び加圧後の円筒形バッキングチューブの外周面の表面粗さを比較した結果を図8にまとめた。図8に示す通り、算術平均粗さRaは殆ど変化がなかったが、十点平均粗さRzはブラスト加工後に増加し、超音波振動による打撃の印加及び加圧後に減少した。これは、円筒形バッキングチューブの表面のミクロ的な凹凸の頂点部分を、超音波振動による打撃及び加圧により塑性変形させたためである。ブラスト加工後と超音波振動による打撃の印加及び加圧後の十点平均粗さRzを比較すると、超音波振動による打撃の印加及び加圧後の円筒形バッキングチューブの十点平均粗さRzが、ブラスト加工後の円筒形バッキングチューブの十点平均粗さRzに対して80%以下となっていることがわかった。
次に、実施例1では、X−Yステージによる位置決めにより、円筒形バッキングチューブをターゲット材の中空部に同軸に配置すると共に、クリアランスの軸方向一端部を耐熱Oリングによって封止し、この封止側が下方となるように、ターゲット材と円筒形バッキングチューブとを直立させた。なお、ターゲット材及び円筒形バッキングチューブのそれぞれの寸法より、この状態におけるクリアランスの体積を求めたところ、139.7cmであった。
続いて、実施例1では、ターゲット材の外周面にバンドヒータを取り付け、設定温度を180℃として加熱した。また、接合材として、インジウムを80質量%、スズを10質量%、アンチモンを5質量%、亜鉛を5質量%含有するインジウム系低融点半田を用意し、これをバンドヒータにより190℃まで加熱して溶融した。
実施例1では、バンドヒータが設定温度に達したことを確認した後、上方のクリアランスの開口側から、溶融した接合材を注入した。所定量(1017g)の接合材を注入した後、バンドヒータのスイッチを切り、室温(20℃)まで冷却した。接合材が完全に固化して接合層が形成されたことを確認した後、マスキングテープと耐熱Oリングを取り除き、円筒形スパッタリングターゲットを得た。
実施例1では、得られた円筒形スパッタリングターゲットに対して、超音波探傷装置(株式会社KJTD製、SDS−WIN)を用いて、接合材の充填量を測定し、この測定値より、ターゲット材と円筒形バッキングチューブとの接合率を評価した。具体的には、これらの接合率が95.0%以上のものを「優(○)」、90.0%以上95.0%未満のものを「良(△)」、90.0%未満のもの、又は、ターゲット材が円筒形バッキングチューブから脱落し、接合率を評価できなかったものを「不良(×)」として評価した。
また、ターゲット材と接合層との接合強度は、金属材料引張試験方法(JIS Z2241)に基づき、引張試験機(株式会社島津製作所製、オートグラフ)を用いて測定することにより評価した。具体的には、接合強度が5.0MPa以上のものを「優(○)」、1.0MPa以上5.0MPa未満のものを「良(△)」、1.0MPa未満のもの、又は、ターゲット材が円筒形バッキングチューブから脱落し、接合強度を評価できなかったものを「不良(×)」として評価した。
実施例1では、得られた円筒形スパッタリングターゲットの接合率及び接合強度を、上記方法により評価した結果、何れも優れたものであることが確認された。また、円筒形スパッタリングターゲットをマグネトロン型回転カソードスパッタリング装置に取り付け、0.6Paのアルゴン雰囲気中、出力300Wで放電試験を実施したところ、スパッタリング中に、ターゲット材に割れや欠け等が生じることはなかった。
実施例1では、これらの結果を表3にまとめた。なお、表3中の「放電試験」には、放電試験後の円筒形スパッタリングターゲットの割れ、欠け、剥離等の不具合が生じたか否かの結果を、「有り」又は「無し」で示した。
(実施例2〜実施例12及び比較例1〜比較例12)
実施例2〜実施例12及び比較例1〜比較例12では、バッキングチューブの材質、接合材の組成、投射材、接合材の塗布方法、並びに超音波打撃端子の周波数、設定温度、加圧力σ及び移動速度を実施例2〜実施例12については表1に、比較例1〜比較例12については表2に示すように調整したこと以外は実施例1と同様にして、円筒形スパッタリングターゲットを作製した。また、円筒形スパッタリングターゲットの作製に用いた円筒形バッキングチューブの各種表面粗さ、接合率、接合強度、及び放電試験の結果を実施例2〜実施例12については表3に、比較例1〜比較例12については表4にまとめた。
表1及び表3に示す結果から、実施例1〜実施例12では、バッキングチューブの外周面にブラスト加工を施して、バッキングチューブの外周面の表面粗さを、算術平均粗さRaが2.0μm以上、12.5μm以下且つ十点平均粗さRzが10μm以上、50μm以下とした後に、ブラスト加工後のバッキングチューブの外周面に超音波振動による打撃を印加すると共に加圧しながら接合材を塗布することで、バッキングチューブと接合材との間に良好な接着力、即ち、高い接合力及び接合強度が得られた。そして、実施例1〜実施例12では、各実施例で得られた円筒形スパッタリングターゲットを用いて放電試験を実施したところ、ターゲット材に割れ、欠け、剥離等の不具合が発生しなかった。
一方、比較例1では、ブラスト加工を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして、円筒形スパッタリングターゲットを作製した。表2及び表4に示す結果から、比較例1では、前処理としてのクリーニング効果が得られず、また、バッキングチューブの外周面のミクロ的な凹凸の頂点部分の塑性変形がなされなかったため、耐熱テープを取り除いた段階で、全ての円筒形セラミックス焼結体及び接合材がバッキングチューブから脱落してしまった。このため、比較例1では、接合率及び接合強度の評価及び放電試験を行うことができなかった。
比較例2では、ブラスト加工における投射材としてガラスビーズ♯220を使用したこと以外は実施例1と同様にして、円筒形スパッタリングターゲットを作製した。表2及び表4に示す結果から、比較例2では、バッキングチューブの外周面が平滑になり、アンカー効果が得られなかったため、耐熱テープを取り除いた段階で、全ての円筒形セラミックス焼結体及び接合材がバッキングチューブから脱落してしまった。このため、比較例2では、接合率及び接合強度の評価及び放電試験を行うことができなかった。
比較例3では、加熱並びに超音波振動による打撃の印加及び加圧せずに、公知の半田コテを用いて接合材を塗布したこと以外は実施例1と同様にして、円筒形スパッタリングターゲットを作製した。表2及び表4に示す結果から、比較例3では、バッキングチューブの外周面が不動態皮膜で覆われているため、耐熱テープを取り除いた段階で、全ての円筒形セラミックス焼結体及び接合材がバッキングチューブから脱落してしまった。このため、比較例3では、接合率及び接合強度の評価及び放電試験を行うことができなかった。
比較例4では、加圧せずに、公知の超音波半田コテを用いて接合材を塗布したこと以外は実施例1と同様にして、円筒形スパッタリングターゲットを作製した。表2及び表4に示す結果から、比較例4では、バッキングチューブの外周面が不動態皮膜で覆われており、バッキングチューブの外周面のミクロ的頂点が塑性変形されていないため、十分なアンカー効果が得られず、耐熱テープを取り除いた段階で、全ての円筒形セラミックス焼結体及び接合材がバッキングチューブから脱落してしまった。このため、比較例4では、接合率及び接合強度の評価及び放電試験を行うことができなかった。
比較例5では、超音波ハンダ付け装置(黒田テクノ株式会社製、サンボンダ(登録商標)USM−540)を使用し、超音波振動による打撃の周波数を40.0kHzで印加したこと以外は実施例1と同様にして、円筒形スパッタリングターゲットを作製した。表2及び表4に示す結果から、比較例5では、超音波打撃端子の適用周波数が高いために、打撃エネルギーが低下し、超音波振動による打撃の効果が十分得られず、耐熱テープを取り除いた段階で、全ての円筒形セラミックス焼結体及び接合材がバッキングチューブから脱落してしまった。このため、比較例5では、接合率及び接合強度の評価及び放電試験を行うことができなかった。
比較例6及び比較例7では、超音波打撃端子のバッキングチューブの外周面への加圧力σを、0.2kg/cm以上10.0kg/cm以下の範囲外で行ったこと以外は実施例1と同様にして、円筒形スパッタリングターゲットを作製した。表2及び表4に示す結果から、比較例6及び比較例7では、超音波振動による打撃の効果が十分得られず、耐熱テープを取り除いた段階で、全ての円筒形セラミックス焼結体及び接合材がバッキングチューブから脱落してしまった。このため、比較例6及び比較例7では、接合率及び接合強度の評価及び放電試験を行うことができなかった。
比較例8及び比較例9では、超音波打撃端子の移動速度を、30cm/min以上120cm/min以下の範囲外で行ったこと以外は実施例1と同様にして、円筒形スパッタリングターゲットを作製した。表2及び表4に示す結果から、比較例8及び比較例9では、超音波振動による打撃の効果が十分得られず、耐熱テープを取り除いた段階で、全ての円筒形セラミックス焼結体及び接合材がバッキングチューブから脱落してしまった。このため、比較例8及び比較例9では、接合率及び接合強度の評価及び放電試験を行うことができなかった。
比較例10では、ブラスト加工を行わなかったこと以外は実施例10と同様にして、円筒形スパッタリングターゲットを作製した。表2及び表4に示す結果から、比較例10では、前処理としてのクリーニング効果が得られず、また、バッキングチューブの外周面のミクロ的な凹凸の頂点部分の塑性変形がなされなかったため、耐熱テープを取り除いた段階で、全ての円筒形セラミックス焼結体及び接合材がバッキングチューブから脱落してしまった。このため、比較例10では、接合率及び接合強度の評価及び放電試験を行うことができなかった。
比較例11及び比較例12では、旋盤加工後、及びブラスト加工後の、バッキングチューブの外周面の表面粗さを、算術平均粗さRaが2.0μm以上、12.5μm以下且つ十点平均粗さRzが10μm以上、50μm以下の範囲外で行ったこと以外は実施例1及び実施例2と同様にして、円筒形スパッタリングターゲットを作製した。表2及び表4に示す結果から、比較例11及び比較例12では、バッキングチューブの外周面に超音波振動による打撃を印加すると共に加圧しながら接合材の塗布を行っても、バッキングチューブ表面の気泡が抜けないため、結果的に空気を介在して打撃が印加されることになり、溶融接合材が酸化して粉末状固体に変化し接合率が低下してしまった。併せて、バッキングチューブの表面粗さが粗すぎて、バッキングチューブ外形寸法のばらつきが大きくなり、耐熱テープを取り除いた段階で、全ての円筒形セラミックス焼結体及び接合材がバッキングチューブから脱落してしまった。このため、比較例11及び比較例12では、接合率及び接合強度の評価及び放電試験を行うことができなかった。
実施例1〜実施例12及び比較例1〜比較例12より得られた表1〜表4に示す結果から、バッキングチューブの外周面にブラスト加工を施して、バッキングチューブの外周面の表面粗さを、算術平均粗さRaが2.0μm以上、12.5μm以下且つ十点平均粗さRzが10μm以上、50μm以下とした後に、ブラスト加工後のバッキングチューブの外周面に超音波振動による打撃を印加すると共に加圧しながら接合材を塗布することで、接合材とバッキングチューブとの接合率及び接合強度を向上することができ、スパッタリング時の熱負荷によって、ターゲット材に割れや剥離が生じることがない円筒形スパッタリングターゲットを得られることがわかった。
また、適切な超音波振動による打撃の印加及び加圧後に対するブラスト加工後の十点平均粗さRz、投射材、接合材の塗布方法、並びに超音波振動による打撃の印加及び加圧時の周波数、加圧力、及び移動速度を選択することにより、接合材とバッキングチューブとの接合率及び接合強度を更に向上することができ、スパッタリング時の熱負荷によって、ターゲット材に割れや剥離が生じることがない円筒形スパッタリングターゲットを得られることがわかった。
1 円筒形スパッタリングターゲット、2 ターゲット材、3 バッキングチューブ、4 接合層、A〜A,B〜B 凹凸の頂点部分

Claims (5)

  1. 円筒形セラミックス焼結体からなるターゲット材の中空部にバッキングチューブを同軸に配置し、該ターゲット材と該バッキングチューブとの間隙に接合層を形成して円筒形スパッタリングターゲットを製造する円筒形スパッタリングターゲットの製造方法であって、
    上記バッキングチューブの外周面にブラスト加工を施して、該バッキングチューブの外周面の表面粗さを、算術平均粗さRaが2.0μm以上、12.5μm以下且つ十点平均粗さRzが10μm以上、50μm以下とした後に、該バッキングチューブの外周面に超音波振動による打撃を印加すると共に加圧しながら接合材を塗布することを特徴とする円筒形スパッタリングターゲットの製造方法。
  2. 上記超音波振動による打撃を印加すると共に加圧した後の上記バッキングチューブの外周面の十点平均粗さRzが、上記ブラスト加工後の該バッキングチューブの外周面の十点平均粗さRzに対して80%以下であることを特徴とする請求項1に記載の円筒形スパッタリングターゲットの製造方法。
  3. 上記バッキングチューブの材質は、ステンレス又はチタンであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の円筒形スパッタリングターゲットの製造方法。
  4. 上記バッキングチューブの外周面への加圧力は、0.2kg/cm以上10.0kg/cm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の円筒形スパッタリングターゲットの製造方法。
  5. 上記バッキングチューブの外周面への加圧箇所を移動する際の移動速度は、30cm/min以上120cm/min以下であることを特徴とする請求項4に記載の円筒形スパッタリングターゲットの製造方法。
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