JP2009242915A - スパッタリングターゲット及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ターゲット材とボンディング材との接合信頼性を向上させるとともに、良好な品質の薄膜形成を行うことができるスパッタリングターゲット及びその製造方法を提供することにある。
【解決手段】ターゲット材2とバッキングプレートとをボンディング材により接合してなるスパッタリングターゲットであって、前記ターゲット材2の接合される側の面2aの表面粗さが、最大高さRzで5μm以上15μm以下の範囲とされていることを特徴とする。
【選択図】図2
【解決手段】ターゲット材2とバッキングプレートとをボンディング材により接合してなるスパッタリングターゲットであって、前記ターゲット材2の接合される側の面2aの表面粗さが、最大高さRzで5μm以上15μm以下の範囲とされていることを特徴とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、薄膜形成に用いられるスパッタリングターゲット及びその製造方法に関する。
従来、薄膜形成法の1つとして、スパッタリング法が知られている。スパッタリング法に用いられるスパッタリングターゲットは、ターゲット材とバッキングプレートと、これらの間にボンディング材とを介在させて積層し、これらを接合して形成されている。
前記ターゲット材は、スパッタリング時にはプラズマ状態の不活性ガスなどによる衝撃を受け続けるため、その内部に熱量が蓄積し高温となる。このため、一般にCuやCu系合金などの熱伝導性の良い材料からなるバッキングプレートを、ボンディング材を介してこのターゲット材に接合し、バッキングプレートを冷却することにより、ターゲット材の熱を逃がすようになっている。
スパッタリング時にターゲット材が受ける衝撃は強く、このターゲット材とボンディング材との接合強度の許容を超えた場合には、ターゲット材がバッキングプレートから剥離して反り上がり、スパッタリング装置内のシールド板に触れて電気的に短絡し、スパッタリングの継続ができなくなることがある。さらに、バッキングプレートから剥離した箇所のターゲット材は冷却されず熱量が蓄積されていくため、パーティクル等の発生を誘発し、スパッタリングにより形成される薄膜に欠陥を生じさせたり、またターゲット材の材質によってはターゲット材自体が溶融したりする虞がある。
一般的に、前記剥離が起きる場合、その殆どが、互いに馴染み難いターゲット材とボンディング材との間で起こることが知られている。そこで、これらターゲット材とボンディング材との接合強度を向上させるため、様々な提案がなされている。例えば、特許文献1には、予めターゲット材の接合される側の面に砥粒による研磨を施し、この研磨面へボンディング材を塗布してバッキングプレートを接合させ、ターゲット材とボンディング材との接合強度を向上させようとする方法が開示されている。また、特許文献2には、ターゲット材の接合される側の面に、予め濡れ性を高めるGaを一定値以上含む下塗り材を塗り、その後、この下塗り材の表面にボンディング材を塗って、このボンディング材の濡れ性を高め、ターゲット材とボンディング材との接合強度を向上させる方法が提案されている。
特許第2970729号公報
特開2006−257510号公報
しかしながら、特許文献1に示される方法では、ターゲット材の接合される側の面が砥粒により研磨され、この研磨面に極力凹凸が存在しないよう形成されているので、ターゲット材とボンディング材との接触面積が十分に取れず、これらの接合強度が不足して剥離が発生するという問題があった。また前記研磨面の表面に着目すると、この研磨面には、略一定方向に並ぶ微細な研磨溝が形成されており、これら研磨溝にボンディング材が固定されて接合されている。これら研磨溝は、ターゲット材にかかる一定方向からの応力に対しての接合強度はある程度確保できるものの、その他の方向からの応力に対しての接合強度が十分とは言えず、スパッタリング時にこのターゲット材に発生する撓み・歪みなどの様々な方向からの応力によって、剥離が発生する虞があった。
また、特許文献2の方法では、ボンディング材の濡れ性は高められるものの、ターゲット材とボンディング材との接触面積、すなわち材料寸法をある一定以上大きくとらなければその接合強度が十分に確保されたとは言えず、多種多様のスパッタリングターゲットへの対応をすることは難しかった。
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであって、ターゲット材とボンディング材との接合信頼性を向上させるとともに、良好な品質の薄膜形成を行うことができるスパッタリングターゲット及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。すなわち本発明は、ターゲット材とバッキングプレートとをボンディング材により接合してなるスパッタリングターゲットであって、前記ターゲット材の接合される側の面の表面粗さが、最大高さRzで5μm以上15μm以下の範囲とされていることを特徴とする。
本発明に係るスパッタリングターゲットによれば、ターゲット材の接合される側の面の表面粗さが最大高さRzで5μm以上15μm以下とされており、その凹凸が従来のものに比較して大きく形成されている。そして、この面に接合されるボンディング材はこれら凹凸に深く入り込むようにして、より強固にターゲット材に固着されるようになっている。
すなわち、このターゲット材は、その接合される側の面がボンディング材を有効に拘束するので、これらターゲット材とボンディング材との剥離が抑制され、より安定してスパッタリングを行うことができるとともに、品質の優れた薄膜形成が可能である。
また、本発明のスパッタリングターゲットにおいて、前記ターゲット材は、前記接合される側の面にブラスト加工面を有していることとしてもよい。
本発明によれば、ターゲット材は、その接合される側の面がブラスト加工面とされているので、前述の表面粗さの最大高さRzをより精度よく確保することができる。また、その加工面は、形成される複数の凹凸が互いに不規則な形状とされており、かつ、断続的に形成されるため、接合のための表面積をより充分に確保することができるようになっている。
本発明によれば、ターゲット材は、その接合される側の面がブラスト加工面とされているので、前述の表面粗さの最大高さRzをより精度よく確保することができる。また、その加工面は、形成される複数の凹凸が互いに不規則な形状とされており、かつ、断続的に形成されるため、接合のための表面積をより充分に確保することができるようになっている。
すなわち、ターゲット材は、その接合する側の面に塗布・接合されるボンディング材をより強固に拘束可能であり、従ってスパッタリングの際にターゲット材にかかる様々な方向からの応力に対し、ターゲット材の撓み・歪みを抑制し、これら撓み・歪みに起因する剥離を有効に防止する。よって、スパッタリングによる薄膜形成をより安定して行うことができる。
また、本発明のスパッタリングターゲットにおいて、前記ターゲット材は、その前記接合される側の面に複数の凹凸部を備えており、前記凹凸部には、その形状が不規則に形成されてなる複数の微細凹凸部が備えられていることとしてもよい。
本発明のスパッタリングターゲットによれば、ターゲット材の接合される側の面は、例えば予め研削加工された後にブラスト加工を施されており、その表面には、凹凸状に形成される比較的大きな凹凸部と、この凹凸部の表面をさらに微細に凹凸させるようにして形成される微細凹凸部とが混在している。
そして、接合の際に、その接合される側の面にボンディング材が塗布されると、これら凹凸部及び微細凹凸部が該ボンディング材を有効に拘束するので、より強固に接合を行うことができる。また、これら凹凸部及び微細凹凸部によりその接触面積がより大きくとられているため、これらの接合強度がさらに向上され、多種多様な要望・用途に対応したスパッタリングターゲットを提供することができる。
また、本発明は、ターゲット材とバッキングプレートとの間にボンディング材を介在させ、これらを接合させてなるスパッタリングターゲットの製造方法であって、前記ターゲット材の接合される側の面に研削加工を施した後、前記研削加工により形成された面にブラスト加工を施し、前記ブラスト加工で形成された面と前記バッキングプレートとの間に、ボンディング材を介在させて、前記ターゲット材と前記バッキングプレートとを接合させることを特徴とする。
この発明に係るスパッタリングターゲットの製造方法によれば、前記ターゲット材の接合される側の面に研削加工を施した後、この研削加工された面にブラスト加工を施しており、加工面の表面粗さの最大高さRzが、従来のものに比べて比較的大きな値となるように設定されている。また、このようにして形成された前記接合される側の面は、比較的大きな凹凸部と、この凹凸部の表面をさらに微細に凹凸させた微細凹凸部とが混在するようにして形成されている。
そして、接合の際に、その接合される側の面にボンディング材が塗布されると、これら凹凸部及び微細凹凸部が該ボンディング材を有効に拘束する。すなわち、これら凹凸部及び微細凹凸部によってその接合の接触面積が非常に大きくとられており、充分な接合強度が確保される。
また、本発明のスパッタリングターゲットの製造方法において、前記接合に、超音波を用いることとしてもよい。
本発明によれば、ターゲット材にボンディング材を塗布するにあたり、例えば、超音波を用いた超音波半田コテを使用することができる。ターゲット材の接合される側の面には、予め前述のようにして凹凸形状が形成されており、その表面粗さの最大高さRzが比較的大きな値となるように設定されている。
本発明によれば、ターゲット材にボンディング材を塗布するにあたり、例えば、超音波を用いた超音波半田コテを使用することができる。ターゲット材の接合される側の面には、予め前述のようにして凹凸形状が形成されており、その表面粗さの最大高さRzが比較的大きな値となるように設定されている。
そして超音波半田コテを用いてターゲット材の表面にボンディング材を溶かし込んでいく際、前記凹凸形状が超音波の反響効果を促進し、このボンディング材を凹凸形状の深部により深く入り込ませるようにして、濡れ性を高めるようになっている。すなわち、このようにしてボンディング材が凹凸形状に深く入り込むことによって、該凹凸形状の深部とボンディング材との間の空隙が形成されにくくされているので、これらターゲット材とボンディング材との接合強度がより強固に確保され、ターゲット材とボンディング材との剥離が防止されるようになっている。
また、本発明に係るスパッタリングターゲットの製造方法において、前記ブラスト加工に用いる研掃材として、SiC(炭化ケイ素)粒子を用いることとしてもよく、また、ガラス粒子を用いることとしてもよい。
前記研掃材にSiC粒子を用いてブラスト加工した場合には、このSiC粒子はくさび状に形成されているとともにその研掃効果が高く、このターゲット材の接合される側の面に鋭角的で深さのある凹凸形状を形成させることができ、ターゲット材とボンディング材との接合強度を向上させることができる。また、研掃材にガラス粒子を用いてブラスト加工した場合には、このガラス粒子は球状に形成されているとともに破砕されにくく、ターゲット材の加工面の汚染を極力防止することができ、ターゲット材とボンディング材との接合強度を向上させることができる。
本発明に係るスパッタリングターゲット及びその製造方法によれば、ターゲット材とボンディング材との接合信頼性を向上させるとともに、良好な品質の薄膜形成を行うことができる。
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の一実施形態のスパッタリングターゲットを示す縦断面図、図2は本発明のターゲット材とボンディング材との接合界面近傍を示す拡大図、図3は研削加工のみで形成したターゲット材とボンディング材との接合界面近傍を示す拡大図である。
図1は本発明の一実施形態のスパッタリングターゲットを示す縦断面図、図2は本発明のターゲット材とボンディング材との接合界面近傍を示す拡大図、図3は研削加工のみで形成したターゲット材とボンディング材との接合界面近傍を示す拡大図である。
図1に示すように、本発明の実施形態に係るスパッタリングターゲット1は、例えば、焼結法を用いて製造されてなる、ZnS(硫化亜鉛)を主成分とする平板状のターゲット材2と、このターゲット材2の接合面2aに接合され、In(インジウム)を主成分とするInはんだのボンディング材3と、このボンディング材3の前記接合面2aと反対側の面に接合され、Cu(銅)を主成分とするバッキングプレート4とにより形成されている。
ターゲット材2の接合面2aは、比較的大きな山部と谷部とが混在して連設されるようにして略鋸刃状をなしており、これらが複数の凹凸部Aを形成している。また、図2に示すように、これら凹凸部Aの表面に着目すると、該表面にはさらに微細な凹凸形状の複数の微細凹凸部Bが形成されている。そして、これら凹凸部Aと微細凹凸部Bとが、陥没したり隆起したりして不規則に配置された状態とされている。
これら凹凸部A及び微細凹凸部Bからなる接合面2aの凹凸形状は、「JIS B 0601:2001」に準拠して測定される表面粗さの最大高さRzが5μm以上15μm以下の範囲とされており、その凹凸が比較的大きく形成されている。
そして、接合面2aに形成されるこれら凹凸部A及び微細凹凸部Bの表面に、ボンディング材3が入り込んだ状態で接合されて、これらターゲット材2とボンディング材3とが積層されている。
次に、本発明に係る前述のスパッタリングターゲット1を製造する方法について説明する。このスパッタリングターゲット1を製造するには、まず、予めターゲット材2の接合面2aの加工を下記のようにして行う。
まず、接合面2aの表面を、フライスや旋盤、平面研削盤等を用いて研削加工し、後工程において接合されるバッキングプレート4の接合される側の面と略平行となるように形成する。そして、この研削加工によって、図3に示すように、接合面2aの表面に複数の研削溝を形成させる。これら研削溝は、その表面に着目すると、表面粗さの最大高さRzが例えば3μm程度とされている。
次に、このターゲット材2の接合面2aを、ブラスト加工機を用いて研掃する。この研掃のための研掃材としては、SiC粒子またはガラス粒子を用いるのが好ましい。そして、このブラスト加工が行われることによって、接合面2aは図2に示すように複数の凹凸部A及び微細凹凸部Bが混在するとともに、表面粗さの最大高さRzが前述した5μm以上15μm以下となるように形成される。
次に、このターゲット材2を、有機溶剤等を用いて洗浄し脱脂する。そして、ボンディング材3の融点以上の温度に加熱して、その接合面2aに溶融状態のボンディング材3を塗布する。この加熱の温度としては、例えば約150℃とされる。またボンディング材3を接合面2aに溶かし込むにあたっては超音波を用いることが好ましく、例えば、超音波半田コテを使用することができる。
一方、バッキングプレート4についても予め洗浄・脱脂しておき、ボンディング材3の融点以上の温度(例えば約150℃)に加熱する。そして、前記ターゲット材2とこのバッキングプレート4とを、ボンディング材3を間に介在させた状態で積層させ、これらを積層方向に適宜加圧する。その後、これら積層されたターゲット材2、ボンディング材3、バッキングプレート4を自然冷却し、スパッタリングターゲット1を得る。
本発明の一実施形態に係るスパッタリングターゲット及びその製造方法によれば、ターゲット材2は、予めその接合面2aを形成するにあたり、研削加工が施された後、さらにブラスト加工が施されるようになっている。そしてその表面粗さが最大高さRzで5μm以上15μm以下の範囲になるようにされており、例えば従来のように研削加工するのみのものに比較して、その凹凸が大きく形成されている。
このようにして加工された接合面2aの表面には、複数の凹凸部A及び微細凹凸部Bが混在するようにして不規則な形状に配置されており、かつ、断続的な凹凸形状に形成されている。すなわち、従来のように研削加工するのみでは、その表面が連続した溝状に形成されるとともに特定方向からの応力に対してのみ接合の強度を有していたが、本実施形態では、断続的な凹凸形状に形成されているので、あらゆる方向からの応力に対し接合強度が確保されるようになっている。
また、接合面2aはこのような凹凸形状に形成されることによって、接合のための表面積をより充分に確保することができるようになっている。そして、この接合面2aに接合されるボンディング材3はこれら凹凸に深く入り込み、より強固にターゲット材2に固着される。
このターゲット材2は、接合面2aがボンディング材3をこのようにして強固に拘束するので、スパッタリングの際にターゲット材2の撓み・歪みを抑制し、これら撓み・歪みに起因する剥離を有効に防止する。よって、より安定してスパッタリングを行うことができるとともに、品質の優れた薄膜形成が可能である。
また、接合に際しては、超音波を用いた例えば超音波半田コテを使用してターゲット材2の接合面2aにボンディング材3を塗布することにより、接合面2aの凹凸形状が超音波の反響効果をより促進させるようにして、このボンディング材3を凹凸形状の深部に深く入り込ませるので、より濡れ性が高められるようになっている。
すなわち、このようにしてボンディング材3の濡れ性が高められ、凹凸の深部にまで深く入り込むことによって、この凹凸とボンディング材3との間には空隙が形成されにくくなっており、従ってこれらターゲット材2とボンディング材3との接合強度がより強固に確保されているので、剥離が有効に防止される。
また、ブラスト加工の研掃材として、SiC粒子を用いた場合、このSiC粒子は、くさび状に形成されているとともにその研掃効果が高く、接合面2aに鋭角的で深さのある凹凸形状を形成させることができ、よってターゲット材2とボンディング材3との接合強度を向上させることができる。また、この研掃材にガラス粒子を用いてブラスト加工した場合には、このガラス粒子は球状に形成されているとともに破砕されにくく、接合面2aの汚染を極力防止することができ、よってターゲット材2とボンディング材3との接合強度を向上させることができる。
以上説明したように、本発明に係るスパッタリングターゲット及びその製造方法によれば、ターゲット材2とボンディング材3との接合信頼性を向上させるとともに、良好な品質の薄膜形成を行うことができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
本実施形態では、ターゲット材2として、ZnSを主成分とするものを用いるとして説明したが、これに限定せずに、例えば、Co−Cr−Pt−酸化物(SiO2、TiO2)、ITO、ZnO、AZO、GZO又はIZOであっても構わない。また、それ以外の、Zn、Al、Mo、Ti、W、Taのいずれか1種の金属、或いはこれらの少なくとも1種を主成分として含有する合金からなるターゲット材2であっても構わない。
本実施形態では、ターゲット材2として、ZnSを主成分とするものを用いるとして説明したが、これに限定せずに、例えば、Co−Cr−Pt−酸化物(SiO2、TiO2)、ITO、ZnO、AZO、GZO又はIZOであっても構わない。また、それ以外の、Zn、Al、Mo、Ti、W、Taのいずれか1種の金属、或いはこれらの少なくとも1種を主成分として含有する合金からなるターゲット材2であっても構わない。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。ただし本発明はこの実施例に限定されるものではない。
[実施例]
実施例として、ターゲット材2に、材質:ZnS−SiO2、寸法:φ200mm×厚み6mmのものを用い、接合面2aの研削加工には平面研削盤を使用し、研削砥石種類:GC砥石、砥石粒度:#120、研削回転数:1500回転の研削条件で研削を行った後、接合面2aのブラスト加工を、研掃材種類:ガラス粒子(GB−AG:上限粒径150μm、下限粒径45μm、中心粒径106−53μm)、ブラスト圧力:7kgf/cm2、噴出ノズル径:6mmの条件で行った。図4は、このようにして形成した接合面2a上に1〜5の各点を設定したものであり、これら各点におけるa方向又はb方向の表面粗さの最大高さRz及び算術平均粗さRaを測定した。結果を表1として示す。
実施例として、ターゲット材2に、材質:ZnS−SiO2、寸法:φ200mm×厚み6mmのものを用い、接合面2aの研削加工には平面研削盤を使用し、研削砥石種類:GC砥石、砥石粒度:#120、研削回転数:1500回転の研削条件で研削を行った後、接合面2aのブラスト加工を、研掃材種類:ガラス粒子(GB−AG:上限粒径150μm、下限粒径45μm、中心粒径106−53μm)、ブラスト圧力:7kgf/cm2、噴出ノズル径:6mmの条件で行った。図4は、このようにして形成した接合面2a上に1〜5の各点を設定したものであり、これら各点におけるa方向又はb方向の表面粗さの最大高さRz及び算術平均粗さRaを測定した。結果を表1として示す。
そして、このように形成したターゲット材2の接合面2aに、ボンディング材3としてInはんだを用い、超音波半田コテを使用して該Inはんだを塗布した後、前述の実施形態のようにしてCuからなるバッキングプレート4を接合してスパッタリングターゲットを用意した。
次いで、X線透過検査装置を用いて、このスパッタリングターゲットのボンディング健全性を調査した(条件:電圧160kV、照射時間0.2min)。結果を図5、図6の画像に示す。
次いで、X線透過検査装置を用いて、このスパッタリングターゲットのボンディング健全性を調査した(条件:電圧160kV、照射時間0.2min)。結果を図5、図6の画像に示す。
[比較例]
また、比較例として、ターゲット材2の接合面2aを、ブラスト加工を用いずに研削加工のみで形成した以外は実施例と同様の条件として、図4の1,2の各点におけるa方向又はb方向の表面粗さの最大高さRz及び算術平均粗さRaを測定した。結果を表1として示す。
次いで、このターゲット材2を用い、実施例と同様にしてスパッタリングターゲットを用意し、ボンディング健全性を調査した。結果を図7、図8の画像に示す。
また、比較例として、ターゲット材2の接合面2aを、ブラスト加工を用いずに研削加工のみで形成した以外は実施例と同様の条件として、図4の1,2の各点におけるa方向又はb方向の表面粗さの最大高さRz及び算術平均粗さRaを測定した。結果を表1として示す。
次いで、このターゲット材2を用い、実施例と同様にしてスパッタリングターゲットを用意し、ボンディング健全性を調査した。結果を図7、図8の画像に示す。
表1に示す通り、実施例においては、ターゲット材2の接合面2aの表面粗さが、最大高さRzで5μm以上15μm以下の範囲に形成された。また比較例においては、最大高さRzが3μm程度に形成されており、前記範囲よりも小さな値となった。
また図5、図6に示す通り、実施例においては、Inはんだ(ボンディング材3)に空気を含有する欠陥は見受けられず、Inはんだとターゲット材2との接合の密着性が充分に確保されていることが解った。また、Inはんだが接合面2a全体に略均一に拡散して接合されていることが確認された。
一方、図7、図8に示す通り、比較例においては、Inはんだに空気を含有する大きな欠陥(図中濃灰色部)が確認され、Inはんだとターゲット材2との接合の密着性が充分でないことが解った。すなわち、図において薄灰色で示される接合部分とは別に、濃灰色で示されるように空気を含有した接合不良部分が多く確認された。また、接合部分の表面張力によってInはんだが部分的に集中し固まる現象が確認され、接合面2a全体に均一に拡散して接合されていないことが解った。
1 スパッタリングターゲット
2 ターゲット材
2a 接合面
3 ボンディング材
4 バッキングプレート
A 凹凸部
B 微細凹凸部
2 ターゲット材
2a 接合面
3 ボンディング材
4 バッキングプレート
A 凹凸部
B 微細凹凸部
Claims (7)
- ターゲット材とバッキングプレートとをボンディング材により接合してなるスパッタリングターゲットであって、
前記ターゲット材の接合される側の面の表面粗さが、最大高さRzで5μm以上15μm以下の範囲とされていることを特徴とするスパッタリングターゲット。 - 請求項1に記載のスパッタリングターゲットであって、
前記ターゲット材は、前記接合される側の面にブラスト加工面を有していることを特徴とするスパッタリングターゲット。 - 請求項1又は請求項2に記載のスパッタリングターゲットであって、
前記ターゲット材は、その前記接合される側の面に複数の凹凸部を備えており、
前記凹凸部には、その形状が不規則に形成されてなる複数の微細凹凸部が備えられていることを特徴とするスパッタリングターゲット。 - ターゲット材とバッキングプレートとの間にボンディング材を介在させ、これらを接合させてなるスパッタリングターゲットの製造方法であって、
前記ターゲット材の接合される側の面に研削加工を施した後、
前記研削加工により形成された面にブラスト加工を施し、
前記ブラスト加工で形成された面と前記バッキングプレートとの間に、ボンディング材を介在させて、前記ターゲット材と前記バッキングプレートとを接合させることを特徴とするスパッタリングターゲットの製造方法。 - 請求項4に記載のスパッタリングターゲットの製造方法であって、
前記接合に、超音波を用いることを特徴とするスパッタリングターゲットの製造方法。 - 請求項4又は請求項5に記載のスパッタリングターゲットの製造方法であって、
前記ブラスト加工に用いる研掃材として、SiC粒子を用いることを特徴とするスパッタリングターゲットの製造方法。 - 請求項4又は請求項5に記載のスパッタリングターゲットの製造方法であって、
前記ブラスト加工に用いる研掃材として、ガラス粒子を用いることを特徴とするスパッタリングターゲットの製造方法。
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