JP2016044372A - 空気噴射式織機における緯入れ方法、及び緯入れ装置 - Google Patents

空気噴射式織機における緯入れ方法、及び緯入れ装置 Download PDF

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Norio Minamitani
徳生 南谷
和也 山
Kazuya Yama
和也 山
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Hideki Banba
秀樹 伴場
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Abstract

【課題】
空気噴射式織機において、緯入れされる緯糸の種類等に関わらず、安定した緯入れが実現されるようにする。
【解決手段】
空気噴射式織機において、緯入れ装置を、メインノズルにおけるスレッドガイドの先端部よりも後方で噴射口をスレッドガイドの導糸孔内に向けると共に緯糸の進行方向に向けて空気を噴射する噴射ノズルが設けられたものとし、製織中における予め定められた緯糸の緯入れが行われる製織サイクルの開始時点から当該緯糸の緯入れが開始される緯入れ開始時点までの間の少なくとも一部の期間において前記噴射ノズルに空気噴射動作を行わせる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、空気噴射式織機における緯入れ装置、特に、圧縮空気を供給するための供給孔を有するノズル本体と、該ノズル本体に形成された挿入孔に挿入されるスレッドガイドであって緯糸が挿通される導糸孔を有するスレッドガイドとを備え、緯入れ時において、前記ノズル本体における前記供給孔から供給された圧縮空気が前記挿入孔内で前記スレッドガイド周りを通過して噴射されることにより、前記スレッドガイドにおける前記導糸孔に挿通された緯糸を射出するメインノズルを含む緯入れ装置による緯入れ方法、及びその緯入れ装置に関する。
一般的な空気噴射式織機において、緯入れ装置におけるメインノズルは、例えば特許文献1に開示されているように、挿入孔が形成されたノズル本体を主体とし、そのノズル本体の挿入孔に挿入されたスレッドガイドを備えるものとなっている。なお、スレッドガイドは、緯糸を挿通するための導糸孔としての貫通孔が形成されたパイプ状の部材であり、後端部が大径のフランジ状に形成されると共に、その後端部に続く部分がノズル本体の挿入孔と嵌り合う径を有するものとなっており、ノズル本体の挿入孔内に挿入されると共に、前記の後端部に続く部分においてノズル本体の挿入孔内に嵌め合わされるかたちでノズル本体に装着されるものとなっている。
但し、前記のスレッドガイドにおけるフランジ状の後端部は、ノズル本体の挿通孔(スレッドガイドにおけるノズル本体の挿入孔に嵌り合う部分(嵌合部))よりも大きい外径を有しているため、スレッドガイドがノズル本体に装着された状態において、ノズル本体の外側に位置している。
また、スレッドガイドは、前記の嵌合部に続く中間部が嵌合部よりも小径に形成されると共に、その中間部よりも先端側の部分であるニードル部は中間部よりも更に小径に形成されたものとなっている。従って、スレッドガイドがノズル本体に装着された状態において、中間部及びニードル部の周りには、環状の流路(環状流路)が形成された状態となる。そして、ノズル本体には、その環状流路に連通する位置に、圧縮空気が供給される空気供給孔が形成されている。その上で、メインノズルは、そのノズル本体の空気供給孔において空気供給管等を介して圧縮空気の供給源に接続されており、その空気供給源からの圧縮空気が空気供給孔を介してノズル本体の挿入孔(環状流路)に供給されるものとなっている。
従って、そのような構成のメインノズルにおいては、空気供給孔に対し空気供給源から圧縮空気が供給されると、その圧縮空気は、ノズル本体の挿通孔内におけるスレッドガイドの中間部及びニードル部の周りの環状流路を経由(通過)し、ノズル本体の先端側に取り付けられたパイプを通ってパイプ先端の噴射口から噴射されることとなる。そして、そのように圧縮空気が噴射されることにより、スレッドガイドの導糸孔に挿通されると共に先端側がメインノズル(パイプ)の噴射口に至るようにメインノズルの通された緯糸は、スレッドガイドよりも突出する部分が圧縮空気によって牽引されることとなり、それによってメインノズルからの緯糸の射出が行われることとなる。
特開2008−248428号公報
ところで、前記のようなメインノズルを備えた緯入れ装置において、例えば、その緯入れ装置が単一のメインノズルのみを備えた単色の緯入れ装置である場合を例に述べると、緯入れが終了した時点(緯糸の飛走(移動)が停止した時点)から次の製織サイクルにおける緯入れが開始される時点(前記のようなメインノズルからの圧縮空気の噴射が開始される時点)までの間の非緯入れ期間では、スレッドガイドの導糸孔内において、緯糸はほぼ静止した状態となっている。そのため、製織に使用される緯糸の種類等によっては、その緯糸に付着している油剤等により、その緯糸がスレッドガイドにおける導糸孔の内壁に貼り付いた状態となる場合がある。特に、緯糸が細いフィラメント糸の場合において、そのような貼り付きが発生し易いことが確認されている。なお、前記した非緯入れ期間について、2以上のメインノズルで緯入れを行う多色の緯入れ装置の場合は、各メインノズルで緯入れされる緯糸の非緯入れ期間は、その緯糸の緯入れが行われた製織サイクルにおける緯入れ終了時点から、その緯糸が次に緯入れされる製織サイクルにおける緯入れ開始時点までとなる。
そして、前記のような緯糸の貼り付きが発生すると、その貼り付きが発生した非緯入れ期間に続く緯入れにおいて、緯糸の飛走に遅れが発生する場合がある。すなわち、スレッドガイドの導糸孔内において前記のような貼り付きが発生していると、その貼り付き状態が抵抗となるため、前記のようにメインノズルからの圧縮空気の噴射が開始されても緯糸の飛走(移動)の開始がスムースに行われないこととなり、それによって緯糸の飛走開始に遅れが生じるというものである。そして、そのような緯糸の飛走開始の遅れが生じると、緯糸の飛走位置とサブノズルの噴射タイミングとの関係が予め想定したものと異なるものとなり、緯糸の飛走に乱れた生じて緯糸の到達に遅れが発生したり、場合によっては緯入れ不良が発生したりして、正常な緯入れが安定して行われないなってしまうといった問題が発生する。
そこで、前記のような問題の発生に鑑み、本発明は、前記のような緯入れ装置を備えた空気噴射式織機において、緯入れされる緯糸の種類等に関わらず、安定した緯入れが実現されるようにすることを目的とする。
そして、その目的を達成すべく、本発明による緯入れ方法は、前記のようなメインノズルを含む緯入れ装置を備えた空気噴射式織機において、前記緯入れ装置を、前記スレッドガイドの先端部よりも後方で噴射口を前記導糸孔内に向けると共に前記緯糸の進行方向に向けて空気を噴射する噴射ノズルが設けられたものとし、製織中における予め定められた緯糸の緯入れが行われる製織サイクルの開始時点から当該緯糸の緯入れが開始される緯入れ開始時点までの間の少なくとも一部の期間において前記噴射ノズルに空気噴射動作を行わせることを特徴とする。
また、本発明による緯入れ装置は、前記空気噴射式織機において、前記スレッドガイドの先端部よりも後方で噴射口を前記導糸孔内に向けると共に前記緯糸の進行方向に向けて空気を噴射する噴射ノズルと、前記噴射ノズルの噴射期間であって予め定められた緯糸の緯入れが行われる製織サイクルの開始時点から当該緯糸の緯入れが開始される緯入れ開始時点までの間の少なくとも一部の期間を含むように設定された噴射期間を記憶する記憶器と、前記記憶器に記憶された前記噴射期間に従って前記噴射ノズルに空気噴射動作を行わせる制御器とを備えることを特徴とする。
なお、前記における「予め定められた緯糸」とは、本発明における噴射ノズルの空気噴射動作の対象として作業者等によって予め定められた緯糸である。なお、その設定は作業者等によって任意に行われるものであるが、本発明の趣旨に基づけば、基本的には、少なくとも前記のようなスレッドガイドの導糸孔内での貼り付きを生じやすい緯糸がその対象となる。例えば、2以上の種類の緯糸を用いて製織が行われる場合であって、前記貼り付きを生じ易い緯糸と生じ難い緯糸とを用いて製織する場合においては、少なくとも前記貼り付きを生じ易い緯糸が前記の予め定められた緯糸とされ、その定められた緯糸の緯入れに対応させて前記空気噴射ノズルの空気噴射動作が行われる。但し、本発明は、前記のような貼り付きを生じ難い緯糸の緯入れに対応させて前記噴射ノズルが空気噴射動作を行うものを除外するものではない。
また、前記における「製織サイクル」とは、1回の緯入れで緯入れされた緯糸が織布に織り込まれる一連の動作(緯入れ、筬打ち、等)が行われる織機のサイクルであって、織機の主軸の回転角度における0°〜360°に相当する。従って、「製織サイクルの開始時点」とは、織機の主軸の回転角度が0°の時点である。
さらに、前記における「緯入れ開始時点」とは、メインノズルからの圧縮空気の噴射が開始される時点のことである。因みに、本出願で言う「緯入れ終了時点」とは、緯入れ(緯糸の飛走)が開始された後の時点であって緯糸がメインノズルよりも緯糸の進行方向における上流側において係止されて緯糸の飛走が停止する時点のことである。
また、前記における「後方」について、本明細書における前後とは、メインノズルに挿通される緯糸の進行方向における上流側を後とし、下流側を前とするものである。但し、メインノズル、スレッドガイド等の部材における最前側の部分については先端とも言う。
また、本発明による緯入れ方法及び緯入れ装置においては、前記噴射ノズルが、前記スレッドガイドの軸線方向に沿って空気が噴射されるように前記空気噴射動作を行うものであることが好ましく、そのために、緯入れ装置においては、前記噴射ノズルが、前記スレッドガイドの軸線方向に見て前記噴射口の中心が前記導糸孔の範囲内に位置するように設けられるものであることが好ましい。
さらに、本発明による緯入れ装置においては、前記噴射ノズルが、前記ノズル本体に取り付けられると共に、円形状に形成されて前記スレッドガイドの後端部が配置される円形溝、及び該円形溝内に突出するように形成されると共に緯糸を挿通するための挿通孔が形成された管状の突出部であって前記スレッドガイドの軸線方向に見て前記円形溝に配置された前記スレッドガイドの前記導糸孔の範囲内に位置すると共に前記導糸孔と軸線の位置を一致させて形成された突出部を有するノズル体を主体とし、前記円形溝に前記スレッドガイドの後端部が配置された状態で、前記突出部の先端部が前記スレッドガイドの前記導糸孔に挿入された状態となって前記スレッドガイドの後端部と前記突出部の先端部とで前記噴射口が形成され、且つ前記スレッドガイドの後端面と前記円形溝とで前記噴射口に連通すると共に空気が供給される環状溝が形成されるように構成されるものとしてもよい。
本発明による緯入れ方法及び緯入れ装置によれば、製織中における予め定められた緯糸の緯入れが行われる製織サイクルの開始時点から当該緯糸の緯入れが開始される緯入れ開始時点までの間の少なくとも一部の期間において、噴射ノズルによりスレッドガイドの導糸孔内へ向けての空気噴射が行われるものとなっており、これにより、前記非緯入れ期間において導糸孔内での緯糸の貼り付きが発生したとしても、噴射ノズルによる圧縮空気の噴射によってその貼り付き状態が解消されるため、各緯入れの開始時点においては前記貼り付き状態が解消された状態となり、各緯入れが正常に且つ安定して行われるものとなる。特に、前記非緯入れ期間の全期間に亘って噴射ノズルが圧縮空気を噴射するものとすれば、前記した導糸孔内での緯糸の貼り付き自体を防止することが可能となる。
また、本発明による緯入れ方法及び緯入れ装置において、噴射ノズルが、スレッドガイドの軸線方向に沿って空気が噴射されるように前記空気噴射動作を行うものとする、すなわち、噴射ノズルを、その噴射口がスレッドガイドの軸線方向における中間の部分において導糸孔内に開口するように形成されるものではなく、スレッドガイドの後端部から導糸孔内へ空気が導入されるように配置されるものとすることにより、スレッドガイドに対し特別な加工を施すことなく、前記効果が達成されるものとなる。
さらに、本発明による緯入れ装置において、噴射ノズルを、ノズル本体部の後端に取り付けられるノズル体を主体として構成されたものとし、そのノズル体における管状の突出部の先端部がスレッドガイドの導糸孔に挿入された状態となるように設けられると共に、その突出部の先端部と前記スレッドガイドの後端部とによって噴射口が形成されるように構成されたものとする、すなわち、噴射ノズルを、その噴射口がスレッドガイドの後端部においてスレッドガイド内に位置するように形成された構成とすることにより、噴射口より噴射される空気が直接的にスレッドガイドの導糸孔内に噴射されるものとなり、その噴射される空気が外乱を受けること無く導糸孔内を流れるものとなるため、前記した貼り付き状態がより確実に解消されるものとなる。
本発明による緯入れ装置の一実施形態を示す断面側面図。 本発明による緯入れ装置の一実施形態における要部を示す断面側面図。 本発明による緯入れ装置の一実施形態を示す背面図。 本発明による緯入れ装置の他の実施形態を示す断面側面図及び背面図。 本発明による緯入れ装置の他の実施形態を示す断面側面図。
以下では、図1〜3に基づき、本発明の一実施例について説明する。
図1に、空気噴射式織機における緯入れ装置に用いられるメインノズルの一例を示す。なお、本実施例では、緯入れ装置は単一のメインノズルのみを備える単色の緯入れ装置とする。従って、本実施例では、その緯入れ装置によって緯入れされる緯糸は1種類であり、その緯糸が本発明で言う予め定められた緯糸となるものとする。
メインノズル10は、ノズル本体11を主体とし、そのノズル本体11に装着されるスレッドガイド13と、ノズル本体11に取り付けられるパイプ15とを有する構成となっている。ノズル本体11は、図示の例では円筒状の部材であり、その軸線方向に貫通するかたちで挿通孔11aが形成されたものとなっている。また、ノズル本体11には、その周面から挿通孔11aへ向けて貫通する貫通孔が形成されており、その貫通孔が挿通孔11a内へ圧縮空気を供給するための空気供給孔11bとなる。
なお、ノズル本体11における挿通孔11aは、その軸線方向における一端側の部分の径が若干小さくなるように形成されており、挿通孔11a内に段部11a2が存在するものとなっている。そして、挿通孔11a内には、段部11a2に当接させるかたちで整流子11cが設けられている。さらに、ノズル本体11には、挿通孔11aにおける前記した径が若干小さく形成されている部分に対し、パイプ15が圧入固定されるかたちで取り付けられている。
スレッドガイド13は、中心をスレッドガイド13の軸線に一致させると共にその軸線方向に貫通する導糸孔13aが形成されたパイプ状の部材であり、後端部13bがノズル本体11の挿通孔11aの内径よりも大径のフランジ状に形成されると共に、先端へ向けて段階的に径が小さくなるように形成されたものとなっている。すなわち、スレッドガイド13は、その後端部13bに続く部分であってノズル本体11の挿通孔11aに嵌り合う外径を有する嵌合部13cと、その嵌合部13cにテーパー面を介して連続すると共に嵌合部13cよりも小径の中間部13dと、その中間部13dに円弧テーパー面を介して連続すると共に中間部13dよりもさらに小径のニードル部13eとを有する構成となっている。また、スレッドガイド13における導糸孔13aは、スレッドガイド13の後端から中間部13dの後端部付近までに亘って徐々に内径が小さくなるようにテーパー状に形成されたものとなっている。
さらに、スレッドガイド13は、嵌合部13cにおける中間よりも後端部13b側の部分の外周面に雄ネジが形成されたものとなっており、嵌合部13cの後端側の部分が雄ねじ部13c1として形成されたものとなっている(図2)。一方、ノズル本体11の挿通孔11aにおけるパイプ15が取り付けられる側とは反対側の端部は、その内周面に雌ネジが形成された雌ネジ部11a1となっている。そして、スレッドガイド13は、ノズル本体11における挿通孔11aに対しパイプ15が取り付けられる側とは反対側の端部から挿入され、雄ネジ部13c1が挿通孔11aの雌ネジ部11a1に螺合すると共に、嵌合部13cにおける雄ネジ部13c1よりも先端側の部分が挿通孔11aに嵌まり込むかたちで、ノズル本体11に対し装着される。
因みに、スレッドガイド13は、前記のようにノズル本体11に装着された状態で、ニードル部13dが、挿通孔11a内において整流子11cを超えてノズル本体11に取り付けられたパイプ15の内側まで延在するものとなっている。
また、スレッドガイド13において、中間部13d及びニードル部13eは、前記のように嵌合部13bよりも小径に形成されている、すなわち、挿通孔11aの内径よりも外径が小さいものとなっている。従って、スレッドガイド13が前記のようにノズル本体11に装着されることにより、挿通孔11a内には、中間部13d及びニードル部13eの周りに環状の流路(環状流路)11dが形成された状態となる。そして、スレッドガイド13には、中間部13dにおけるニードル部13e側の端部に、その外周面から半径方向外側に向かって放射状に延びる複数の整流フィン13fが設けられており、その整流フィン13fにより、環状流路11d内において中間部付近に整流流路が形成されるものとなっている。
なお、前記したノズル本体11に形成される空気供給孔11bは、挿通孔11a内におけるスレッドガイド13の中間部13d周りの環状流路11dに連通するように形成されている。そして、この空気供給孔11bには、コネクタ17が取り付けられ、メインノズル10は、後述するように、コネクタ17によって連結される空気供給管37aを介して空気供給源31に接続されるものとなっている。
以上のようなメインノズル10を備えた空気噴射式織機における緯入れ装置において、本発明では、メインノズル10におけるスレッドガイド13の先端部よりも上流側で噴射口がスレッドガイド13の導糸孔13a内に向けられると共に緯糸の進行方向に向けて空気を噴射する噴射ノズルが設けられるものであり、本実施例では、その噴射ノズルは、メインノズル10のノズル本体11の取り付けられるものとなっている。以下では、その本実施例における噴射ノズルN1について、その構成を詳細に説明する。
本実施例において、噴射ノズルN1は、ノズル体20を主体として構成されたものとなっており、また、ノズル体20は、メインノズル10のノズル本体11に組み付けられる本体部材21と、その本体部材21に取り付けられる流路形成部材23とによって構成されたものとなっている(図2、3)。
そのノズル体20の各部について、先ず、本体部材21は、円筒形状の部材として形成されたものであり、中心を軸線に一致させると共にその軸線方向に貫通する貫通孔が形成されたものとなっている。但し、その貫通孔は、その内径が前記軸線方向において一端側から順に三段階で小さくなるように形成されており、内径の異なる3つの部分を有するものとなっている。より詳しくは、前記貫通孔は、メインノズル10におけるノズル本体11の外径に対応する内径の部分(以下、「大径部」と言う。)21aと、スレッドガイド13の後端部13bの外径に対応する内径の部分(以下、「中径部」と言う。)21bと、中径部21bよりも小さい内径の部分(以下、「小径部」と言う。)21cとの3つの部分を有するように形成されている。
また、流路形成部材23は、本体部材21における前記貫通孔の小径部21cにおいて本体部材21に取り付けられる部材であり、その小径部21cの内径に対応した外径を有する円盤状の胴部23aと、その円盤状の胴部23aの中心軸の方向(中心軸方向)における一端側において胴部23aと同心状に設けられると共に胴部23aよりも大きい外径を有するフランジ部23bと、胴部23aに対し前記中心軸方向におけるフランジ部23bとは反対側において胴部23aと同心状に設けられると共に胴部23aから前記中心軸方向に突出するように設けられる円筒状の流路形成部23cとを有し、それらの各部が一体的に形成されたものとなっている。
その上で、流路形成部材23には、緯糸を挿通するための挿通孔23dであって、その中心を前記中心軸に一致させると共に前記中心軸方向に貫通するように形成された挿通孔23dが形成されている。
そして、流路形成部材23は、その胴部23aが本体部材21における前記貫通孔の小径部21cに嵌め込まれると共にフランジ部21bが本体部材21の外側の端面に当接するかたちで、本体部材21に対し組み付けられる。なお、そのように流路形成部材23が本体部材21に組み付けられることにより、流路形成部材23の前記中心軸は、本体部材21における前記軸線と一致した状態となる。そこで、前記の中心軸方向、軸線方向について、以下では、統一して軸線方向と言う。
但し、胴部23aは、その前記軸線方向における寸法が、本体部材21における前記貫通孔の小径部21cの前記軸線方向における寸法と略同じものとなっている。従って、流路形成部材23が前記のように本体部材21に対し組み付けられた状態では、本体部材21の前記貫通孔内には、流路形成部23cのみが突出した状態となる。
また、流路形成部23cは、その外形形状がテーパー状に形成されて胴部23a側の端部に対し先端側の方が外径が小さい先細り形状を有すると共に、その大部分において外径がスレッドガイド13の後端部13bにおける導糸孔13aの内径よりも小さいものとなっている。
さらに、流路形成部23cは、その前記軸線方向における寸法が、本体部材21の前記貫通孔における中径部21bの前記軸線方向における寸法と略同じものとなっている。従って、流路形成部材23が前記のように本体部材21に対し組み付けられた状態では、流路形成部23cは、前記軸線方向において、前記貫通孔における中径部21bの範囲に亘って延在するかたちとなる。
そして、流路形成部材23が前記のように本体部材21に対し組み付けられたその組み付け状態では、前記軸線方向に見て、本体部材21における前記貫通孔の中心と流路形成部材23における挿通孔23dの中心とが一致した状態となる。すなわち、前記組み付け状態においては、流路形成部材23における流路形成部23c及び挿通孔23dは、本体部材21における前記貫通孔に対し同心状に配置された状態となる。
その上で、前記のように本体部材21と流路形成部材23とが組み合わされて構成されたノズル体20は、本体部材21における前記貫通孔の大径部21aがメインノズル10におけるノズル本体11の後端に嵌め合わされるかたちで、メインノズル10(ノズル本体11)に対し取り付けられる。因みに、ノズル本体11に対するノズル体20の固定は、本体部材21に外周面から前記貫通孔の大径部21aに向けて貫通するように形成された雌ネジ孔21dに対し押しネジ等のネジ部材(図示略)を螺挿し、そのネジ部材がノズル本体21に対し押接された状態とされることで成される。
また、そのようにノズル本体11に対しノズル体20が取り付けられたその取り付け状態においては、スレッドガイド13の軸線方向に見て、メインノズル10におけるノズル本体11の挿入孔11aの中心とノズル体20における前記貫通孔の中心(流路形成部材23の挿通孔23dの中心)とが一致した状態となる。すなわち、その取り付け状態においては、ノズル体20における流路形成部23cは、メインノズル10におけるスレッドガイド13に対し同心状に配置された状態となる。
なお、前述のように、メインノズル10は、スレッドガイド13の後端部13bがノズル本体11から後方に突出する構成となっている。従って、前記取り付け状態においては、スレッドガイド13の後端部13bは、ノズル体20における前記貫通孔の中径部21b内に位置した状態となる。従って、ノズル体20における前記貫通孔の中径部21bが、ノズル体20における円形溝に相当する。
また、前記のように、ノズル体20における流路形成部23cは、前記貫通孔に対し同心状に設けられていると共に、前記軸線方向における前記貫通孔の中径部21bの範囲に亘って中径部21bに突出するものとなっている。また、前記のように、流路形成部23cは、スレッドガイド13に対し同心状に配置されたものとなっており、且つ、その大部分において先端部の外径がスレッドガイド13の後端部13bにおける導糸孔13aの内径よりも小さいものとなっている。従って、前記取り付け状態においてスレッドガイド13の後端部13bが前記貫通孔の中径部21bに位置した状態となることにより、ノズル体20における流路形成部23cは、少なくともその先端側の部分(図示の例では、前記軸線方向における中間よりも先端側の部分)が、スレッドガイド13の導糸孔13a内に入り込んだ(位置した)状態となる。よって、その流路形成部23cが、ノズル体20における突出部に相当する。
さらに、ノズル体20における前記貫通孔の中径部21bは、その前記軸線方向における寸法が、スレッドガイド13の後端部13bの前記軸線方向における寸法よりも大きいものとなっている。従って、前記取り付け状態では、前記貫通孔の中径部21b内において、スレッドガイド13(後端部13b)の後端面と中径部21bの端面(中径部21bと小径部21cとの境界の面)との間に、流路形成部23c周りに環状の空間27aが形成されるものとなっている。
以上のようなかたちでノズル体20がメインノズル10におけるノズル本体11に対し取り付けられることにより、噴射ノズルN1が構成される。
より詳しくは、前記のようにノズル体20における流路形成部(突出部)23cの先端側の部分がスレッドガイド13の後端部13bにおける導糸孔13a内に入り込んだ状態となることで、そのスレッドガイド13の後端部13b(後端部13bにおける導糸孔13aの周りの部分)とノズル体20における流路形成部23cの先端側の部分との間の空間が、噴射ノズルN1における噴射口27bとなる。すなわち、本実施例では、噴射ノズルN1は、メインノズル10におけるスレッドガイド13の後端部13bの一部が噴射ノズルN1の一部として機能する構成となっている。従って、本実施例では、噴射ノズルN1の噴射口27bは、スレッドガイド13の導糸孔13a内に位置したものとなっており、噴射ノズルN1は、前記軸線方向に見て噴射口27bの中心が導糸孔13aの範囲内に位置するように設けられたものとなっている。
また、前記のように、前記取り付け状態において、スレッドガイド13の後端面とノズル体20の前記貫通孔における中径部21bの端面との間に、流路形成部23c周りに環状の空間27aが形成されるものとなっており、その空間27aが噴射口27bに連通するものとなっている。また、ノズル体20における本体部21は、その外周面から前記貫通孔の中径部21bにおける空間27aとなる部分に向けて貫通する空気供給孔21eが形成されると共に、その空気供給孔21eに取り付けられたニップル等の管継手25を介して空気供給管37bが連結されるものとなっている。そして、空間27aは、その空気供給管37bを介して空気供給源31に接続されており、その空気供給源31からの圧縮空気が供給されるものとなっている。従って、その環状の空間27aが、噴射ノズルN1における環状溝に相当する。
なお、図示の構成では、空気供給孔21e及び管継手25を介して環状溝27aと空気供給源31とを接続する空気供給管37bの管路中に、空気供給源31側から順にレギュレータ33b、タンク34b及び電磁開閉弁(第2の電磁開閉弁)35bが介装されている。そして、その構成においては、空気供給源31からの圧縮空気がレギュレータ33bによって圧力を調整されてタンク34bに貯留され、第2の電磁開閉弁35が開弁状態とされることにより、タンク34bに貯留されている圧縮空気が空気供給孔21eから環状溝27aに供給され、環状溝27aを経由して噴射口27bから噴射されることとなる。
因みに、前記したメインノズル10における空気供給孔11bと空気供給源31とを接続する空気供給管37aの管路中にも、空気供給源31側から順にレギュレータ33a、タンク34a及び電磁開閉弁(第1の電磁開閉弁)35aが介装されている。そして、その構成においても、空気供給源31からの圧縮空気がレギュレータ33aによって圧力を調整されてタンク34aに貯留され、第1の電磁開閉弁35が開弁状態とされることにより、タンク34aに貯留されている圧縮空気が空気供給孔11bからノズル本体11における挿通孔11a内のスレッドガイド13周りの環状流路11dに供給され、環状流路11d及びパイプ15を経由してパイプ15の先端の噴射口から噴射されることとなる。
また、前記のような噴射ノズルN1及びメインノズル10による圧縮空気の噴射動作を実行及び停止させるための第1の電磁開閉弁35a及び第2の電磁開閉弁35bは、緯入れ制御装置40によってその駆動が制御される。そのために、緯入れ制御装置40は、噴射ノズルN1及びメインノズル10による圧縮空気の噴射期間が設定される記憶器41と、その記憶記41に記憶された噴射期間に従って第1、第2の電磁開閉弁35a、35bの開閉制御を行う制御器42とを含んでいる。
但し、記憶器41に記憶される噴射期間について、本実施例では、その噴射期間に対応する噴射開始タイミング及び噴射終了タイミング(以下、これらを総称して単に「噴射タイミング」とも言う。)が記憶器41に設定されているものとする。すなわち、前記噴射タイミングによって噴射期間を特定することができるため、噴射期間の代替えとして前記噴射タイミングが記憶器41に設定されるものとなっている。また、本実施例では、その噴射タイミングは、織機の主軸MSの回転角度(以下、「クランク角度」とも言う。)で設定されているものとする。
また、緯入れ制御装置40における制御器42には、主軸MSに接続されてクランク角度を検出するエンコーダENが接続されている。そして、エンコーダENは、検出したクランク角度に応じた信号(クランク角度信号)θを、制御器42に対し出力するものとなっている。
その上で、その緯入れ制御装置40において、制御器42は、エンコーダENからのクランク角度信号θと記憶器41に記憶された噴射開始タイミング及び噴射終了タイミングとの比較を行うと共に、クランク角度が噴射開始タイミングと一致した時点、すなわち、クランク角度が噴射開始タイミングに達した時点で、開弁させるように電磁開閉弁を駆動するものである。また、制御器42は、そのような開弁制御後において、制御器42による前記比較の結果として、クランク角度が噴射終了タイミングと一致した時点、すなわち、クランク角度が噴射終了タイミングに達した時点で、閉弁するように電磁開閉弁を駆動するものである。
そして、制御器42による前記のような開弁制御に伴い、第1の電磁開閉弁35a又は第2の電磁開閉弁35bが開弁状態とされると、メインノズル10又は噴射ノズルN1による前記のような圧縮空気の噴射が開始されることとなる。また、その圧縮空気の噴射開始後において、制御器42による前記のような閉弁制御に伴い、第1の電磁開閉弁35a又は第2の電磁開閉弁35bが閉弁状態とされると、メインノズル10又は噴射ノズルN1による前記の圧縮空気の噴射が停止されることとなる。
なお、本実施例では、前述のように製織に使用される緯糸は1種類であり、製織に用いられる緯糸が全て本発明で言う予め定められた緯糸であるため、各製織サイクルにおける緯入れに対応させて噴射ノズルN1による空気噴射動作が行われるものとなる。その上で、記憶器41に記憶される噴射ノズルN1の噴射期間については、各製織サイクルの開始時点(クランク角度0°)からその製織サイクルにおける緯入れ開始時点までの間の少なくとも一部の期間を含むように設定されるものであり、本実施例では、その噴射期間は、各製織サイクルにおける緯入れ終了時点からその次の製織サイクルにおける緯入れ開始時点までの間の期間、すなわち、各製織サイクルにおける緯入れ期間以外の期間(非緯入れ期間)であるものとする。従って、記憶器41には、噴射ノズルN1の噴射期間として、その空気噴射式織機における緯入れ終了時点が噴射開始タイミングとして記憶され、緯入れ開始時点が噴射終了タイミングとして記憶されている。
以上のようなメインノズル10及び噴射ノズルN1を備えた緯入れ装置によれば、各製織サイクルにおいて、クランク角度が予め設定された緯入れ期間における緯入れ開始時点に達した時点で前記のようにしてメインノズル10からの圧縮空気の噴射が開始され、それに伴って緯糸の飛走が開始される。なお、メインノズル10からの圧縮空気の噴射は前記緯入れ期間の途中で停止されるが、空気噴射式織機においては、緯糸の飛走経路に沿って複数のサブノズル(図示略)が配置されており、そのサブノズルから噴射される圧縮空気による搬送力によって緯糸の飛走が継続される。そして、その緯糸の先端が反給糸側の所定位置に到達した時点、すなわち、所定長さの緯糸が緯入れされた時点で、緯糸は、メインノズル10の上流側において係止され、その飛走(移動)が停止する。そして、その緯糸の飛走が停止した時点が、本発明での緯入れ終了時点である。
そして、前記緯入れ終了時点以降の次の製織サイクルにおける緯入れ開始時点までの間の非緯入れ期間においては、メインノズル10(スレッドガイド13)内においても緯糸は停止した状態となるが、本実施例では、その非緯入れ期間が噴射ノズルN1の噴射期間として設定されており、記憶器41に記憶された前記緯入れ終了時点に相当する噴射ノズルN1の噴射開始タイミングにクランク角度が達した時点で、制御器42が第2の電磁開閉弁35bの開弁制御を行い、それにより、前記のようにして噴射ノズルN1からの圧縮空気の噴射が開始される。また、その噴射ノズルN1による圧縮空気の噴射は、記憶器41に記憶された噴射終了タイミングである次の製織サイクルにおける緯入れ開始時点まで継続される。
従って、前記非緯入れ期間においては、スレッドガイド13の導糸孔13a内において緯糸が停止した状態となるが、その前記非緯入れ期間に亘り、スレッドガイド13の導糸孔13a内には、前記の噴射ノズルN1の空気噴射による空気流が常に生じた状態となる。それにより、前記非緯入れ期間において、スレッドガイド13の導糸孔13a内で緯糸の貼り付きが発生することはほとんどなく、また、仮に前記貼り付きが発生したとしても、前記空気流によりその貼り付き状態がすぐに解消されることとなる。よって、前記非緯入れ期間に続く緯入れ期間の緯入れ開始時点において常に前記貼り付きが発生していない状態とすることができるため、各緯入れが正常且つ安定して行われるものとすることができる。
また、本実施例においては、噴射ノズルN1は、その噴射口27bがスレッドガイド13の導糸孔13a内に形成される、すなわち、前記軸線方向に見て噴射口27bの中心が導糸孔13aの範囲内に位置するように噴射ノズルN1が設けられる構成となっており、噴射ノズルN1が直接的に導糸孔13a内に向けて圧縮空気を噴射する構成となっているため、噴射ノズルN1から噴射される圧縮空気が外乱等を受けることなく導糸孔13aを流れるものとなり、前記のような貼り付きを防止する効果をより確実なものとすることができる。
以上では、本発明の一実施形態(実施例)について説明したが、本発明は前記実施例において説明したものに限定されるものではなく、以下のような実施形態(変形例)での実施も可能である。
(1)前記実施例では、噴射ノズルにおける噴射口の中心が前記軸線方向に見てスレッドガイド13の導糸孔13aの範囲内に位置する構成として、噴射口27bが導糸孔13a内に形成されるように噴射ノズルN1が設けられる構成としたが、これに代えて、噴射ノズルを図4に示すのような構成としてもよい。なお、図4(a)、(b)において、前記実施例と共通の部分については同じ符号が付されているものとし、以下の説明では、前記実施例において説明済みの構成については、その説明は省略する。
図4に示す噴射ノズルN2は、スレッドガイド13の後方に離間して配置されると共に、スレッドガイド13の後方から導糸孔13aに向けて圧縮空気を噴射するように設けられたものである。なお、図示の構成における噴射ノズルN2は、公知のサブノズルと同様の形態のものであり、先端側に噴射口51aを有すると共に先端部が閉塞されたパイプ状の部材であるノズル部51と、そのノズル部51を支持する円筒状の基部52とで構成されている。そして、噴射ノズルN2は、取付ブロック60に取り付けられ、その取付ブロック60がメインノズル10におけるノズル本体11に取り付けられることによって取付ブロック60を介してノズル本体11に支持されるものとなっている。
取付ブロック60は、直方体形状のブロック状の部材であり、長手方向に延在する側面の1つを取付面60aとし、その取付面60aをノズル本体11の後端面11eに当接させるかたちでノズル本体11に対し取り付けられるものである。より詳しくは、取付ブロック60には、取付面60aと直交する貫通孔62が形成されている。一方、メインノズル10のノズル本体11には、その後端面11eに開口する雌ネジ孔11fが形成されている。そして、取付ブロック60は、その取付面60aをノズル本体11の後端面11eに当接させた状態で、貫通孔62に挿通されたボルト等のネジ部材65がノズル本体11の雌ネジ孔11fに螺挿されることにより、ノズル本体11に対し取り付けられるものである。
また、取付ブロック60には、取付面60aの短辺方向と平行に貫通する貫通孔61が形成されている。なお、この貫通孔61の内径は、噴射ノズルN2における基部52の外径に応じたものとなっている。また、この貫通孔61は、取付面60aの長辺方向において貫通孔62と位置をずらして形成されている。その上で、噴射ノズルN2は、その基部52において取付ブロック60の貫通孔61に嵌挿されると共に、ネジ部材等(図示略)によって取付ブロック60に対し固定され、取付ブロック60を介してノズル本体11に支持された状態となっている。
なお、取付ブロック60は、前記のようにノズル本体11に取り付けられた状態で、スレッドガイド13の軸線方向に見て、貫通孔61の中心線がスレッドガイド13の導糸孔13aの中心を指向するような向きとなっているものとする。従って、その取付ブロック60に取り付けられた噴射ノズルN2も、前記軸線方向に見て、その軸線がスレッドガイド13の導糸孔13aの中心を指向するものとなっている。
さらに、噴射ノズルN2は、前記のように支持された状態において、噴射口51aが スレッドガイド13の導糸孔13aを指向すると共に、前記軸線方向に見て、噴射口51aがスレッドガイド13の導糸孔13aの範囲内に位置するように設けられるものとなっている。
また、噴射ノズルN2の後端には、管継手53が取り付けられており、噴射ノズルN2は、この管継手53によって連結される空気供給管(図示略)により、前記実施例と同様のかたちで空気供給源に接続されているものとする。従って、噴射ノズルN2は、空気供給源から供給される圧縮空気を噴射するものとなっており、前記実施例の噴射ノズルN1と同様に、スレッドガイド13の導糸孔13aの後端側から導糸孔13a内へ向けて圧縮空気を噴射することが可能な構成となっている。そして、この噴射ノズルN2が圧縮空気を噴射することにより、前記実施例と同様に導糸孔13a内に空気流が生じた状態となり、その空気流により、導糸孔13a内での緯糸の貼り付き防止、解消効果が得られる。
なお、図4に示す例では、噴射ノズルN2が取付ブロック60を介してメインノズル10のノズル本体11に支持されるものとなっているが、この例の構成の噴射ノズルN2を採用する場合においては、噴射ノズルN2が前記のようにノズル本体11に支持されているものに限らず、例えば公知のサブノズルと同様に、その噴射ノズルN2がメインノズル10を支持するスレーに対しブラケット等を介して支持される構成とすることも可能である。
(2)また、本発明による緯入れ装置における噴射ノズルは、前記実施例や図4に示す例のように、スレッドガイド13の軸線方向に見て、噴射口が導糸孔13aの範囲内に位置するように設けられるものに限らず、図5に示すようなものであってもよい。なお、図5においても、前記実施例と共通の部分については同じ符号が付されているものとし、以下の説明では、前記実施例において説明済みの構成については、その説明は省略する。
図5に示す噴射ノズルN3は、スレッドガイド13に対し導糸孔13aに連通する貫通孔が形成され、その貫通孔における導糸孔13a側の部分が噴射口として機能するように構成されたものである。この噴射ノズルN3について、より詳しくは、以下のような構成である。
まず、メインノズル10におけるノズル本体11には、その外周面から挿通孔11aに向けて貫通する空気供給孔としての貫通孔11hが形成されると共に、挿通孔11aの内周面における貫通孔(空気供給孔)11hが開口する位置において円周方向に亘って連続する環状溝11kが形成されている。
また、スレッドガイド13には、その外周面から導糸孔13aに向けて貫通する貫通孔13hであって、スレッドガイド13がノズル本体11に装着された状態においてノズル本体11の環状溝11kに対向する外周面の位置に開口すると共にスレッドガイド13の先端側を向くように形成された貫通孔13hが、円周方向において等間隔で複数形成されている。従って、スレッドガイド13がノズル本体11の挿入孔11aに装着された状態においては、各貫通孔13hは、ノズル本体11における環状溝11kを介して空気供給孔11hに連通した状態となる。そして、この各貫通孔13hにおける導糸孔13a側の端部(先端部)が、噴射ノズルN3における噴射口となる。
このように、噴射ノズルN3は、噴射口及びその噴射口に連通する流路として機能するスレッドガイド13に形成された複数の貫通孔13aと、その各貫通孔13aと空気供給孔11hとを連通させるためのノズル本体11に形成された環状溝11kとで構成されるものとなっている。すなわち、図5に示す例では、噴射ノズルN3は、その噴射ノズルN3を構成するための専用の部材は設けられておらず、スレッドガイド13の一部及びノズル本体11の一部により構成されるものとなっている。
そして、ノズル本体11に形成された空気供給孔11hには管継手18が取り付けられており、噴射ノズルN3は、この管継手53によって連結された空気供給管(図示略)により、前記実施例と同様のかたちで空気供給源に接続されているものとする。従って、噴射ノズルN3は、空気供給源から供給される圧縮空気を噴射するものとなっており、スレッドガイド13の導糸孔13a内へ向けて圧縮空気を噴射することが可能な構成となっている。そして、この噴射ノズルN3が圧縮空気を噴射することにより、前記実施例と同様に導糸孔13a内に空気流が生じた状態となり、その空気流により、導糸孔13a内での緯糸の貼り付き防止、解消効果が得られる。
なお、スレッドガイド13の導糸孔13a内において、噴射ノズルN3の噴射口が開口するよりも後端部側では、噴射ノズルN3から噴射される圧縮空気は作用しないものとなっている。しかし、噴射ノズルN3が圧縮空気の噴射を行って導糸孔13a内における噴射口よりも先端側にスレッドガイド13の先端へ向けた空気流が発生すると、その後端部側が負圧状態となり、それにより、スレッドガイド13の後端から導糸孔13a内へ向けて空気が流入し、その導糸孔13aの後端部側においても空気流が生じた状態となる。従って、噴射ノズルN3から噴射される圧縮空気が作用しない後端部側においても、前記のような緯糸の貼り付き防止、解消効果が得られる。
(3)本発明における記憶器について、前記実施例では、単一の記憶器41が、噴射ノズルからの圧縮空気の噴射期間を記憶する(噴射ノズル用の)記憶器と、メインノズル10からの圧縮空気の噴射期間を記憶する(メインノズル用の)記憶器とを兼ねるものとしたが、これに代えて、噴射ノズル用の記憶器が、メインノズル10用の記憶器とは独立した専用のものとして設けられる構成としてもよい。
また、制御器についても同様であり、噴射ノズルの噴射を制御する制御器が、メインノズルの噴射を制御する制御器とは独立した専用のものとして設けられる構成としてもよい。
(4)本発明が前提とする空気噴射式織機おける緯入れ装置について、前記実施例では、緯入れ装置を、単一のメインノズル10のみを備える単色の緯入れ装置としたが、本発明は、そのような単色の緯入れ装置に適用される場合に限らず、2以上のメインノズル10を備えて2種類以上の緯糸の緯入れに対応可能な所謂多色の緯入れ装置にも適用可能である。
そして、そのような多色の緯入れ装置によって2種類以上の緯糸を用いて製織が行われる場合には、本発明は、前記実施例のように各製織サイクルにおいて噴射ノズルによる空気噴射動作が行われるものに限らず、その製織に使用される2種類以上の緯糸のうちの予め定められた緯糸の緯入れに対応させて噴射ノズルが空気噴射動作を行うものとすればよい。
具体的には、例えば、前記のようなスレッドガイド13の導糸孔13a内での貼り付きを生じ易い緯糸(緯糸A)及び生じ難い緯糸(緯糸B)の2種類の緯糸を用いて製織が行われる場合において、前記緯糸Aを本発明で言う予め定められた緯糸とし、その緯糸Aの緯入れの開始時点直前の非緯入れ期間内おいてのみ、その緯糸Aの緯入れを行うメインノズル10におけるスレッドガイド13の導糸孔13a内へ向けて、噴射ノズルによる空気噴射動作が行われるものとしてもよい。言い換えれば、前記のように前記緯糸Aを予め定められた緯糸とする場合においては、前記緯糸Bを緯入れする製織サイクルにおける緯入れ開始時点前において、噴射ノズルによる空気噴射動作が行われないものとしてもよい。
但し、前記のような前記貼り付きを生じ難い緯糸Bについても、その緯糸Bを予め定められた緯糸とし、その緯糸Bの緯入れに対応して噴射ノズルが空気噴射動作を行うものとしてもよい。すなわち、2以上の種類の緯糸を用いて製織が行われる場合において、本発明においては、少なくとも前記貼り付きを生じやすい緯糸の緯入れに対応させて噴射ノズルが空気噴射動作を行うものであるが、それ以外の緯糸の緯入れに対応させて噴射ノズルが空気噴射動作を行うものであってもよい。そして、その場合は、前記のそれ以外の緯糸も、本発明で言う予め定められた緯糸となる。
(5)噴射ノズルの噴射期間について、前記実施例では、各製織サイクルにおける緯入れ終了時点からその次の製織サイクルにおける緯入れ開始時点までの間の期間、すなわち、各製織サイクルにおける緯入れ期間を除く非緯入れ期間の全部として設定されるものとしたが、本発明においては、その噴射ノズルの噴射期間は、予め定められた緯糸の緯入れが行われる製織サイクルの開始時点から当該緯糸の緯入れが開始される緯入れ開始時点までの間の少なくとも一部の期間を含むように設定されるものであればよい。従って、噴射ノズルの噴射期間については、例えば、予め定められた緯糸の緯入れが行われる製織サイクルの開始時点からその製織サイクルにおける緯入れ開始時点までの間の期間、もしくは、その期間内のより短い期間であってもよい。
但し、噴射ノズルの噴射期間は、前記のような製織サイクルの開始時点からその製織サイクルにおける緯入れ開始時点までの間の期間内に限らず、前記実施例のように、その製織サイクルの前の製織サイクルにおける緯入れ終了時点以降から開始される期間であってもよいし、さらには、それよりも前に開始される期間、すなわち、前記前の製織サイクルにおける緯入れ終了時点よりも前を開始時点とする期間であってもよい。また、噴射ノズルの噴射期間は、予め定められた緯糸の緯入れ開始時点の後まで噴射が継続されるように設定されるものであってもよい。
なお、噴射ノズルの噴射期間について、前記実施例では、その噴射期間の代替えとしてその噴射期間の噴射開始タイミング及び噴射終了タイミングが記憶器に記憶されるものとしたが、これに代えて、噴射開始タイミングとその期間(クランク角度範囲)が記憶器に記憶されるものとしてもよい。また、その期間についても、クランク角度で設定されるものに限らず、時間(噴射時間)で設定されるものとしてもよい。
また、噴射ノズルからの圧縮空気の噴射については、その設定された噴射期間に亘って連続的(継続的)に行われるものに限らず、その設定された噴射期間内において断続的に行われるものとしてもよい。
さらに、本発明は、以上で説明したいずれの実施形態にも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々に変更することが可能である。
10 メインノズル
11 ノズル本体
11a 挿入孔
11b 空気供給孔
11d 環状流路
11h 空気供給孔
11k 環状溝
13 スレッドガイド
13a 導糸孔
13b 後端部
13h 貫通孔
15 パイプ
20 ノズル体
21 本体部材
21a 貫通孔の大径部
21b 貫通孔の中径部(円形溝)
21c 貫通孔の小径部
21e 空気供給孔
23 流路形成部材
23a 胴部
23b フランジ部
23c 流路形成部(突出部)
23d 挿通孔
27a 環状溝
27b 噴射口
31 空気供給源
33a、33b レギュレータ
34a、34b タンク
35a 第1の電磁開閉弁
35b 第2の電磁開閉弁
37a、37b 空気供給管
40 緯入れ制御装置
41 記憶器
42 制御器
51 ノズル部
51a 噴射口
52 基部
60 取付ブロック
60a 取付面
EN エンコーダ
MS 主軸
N1、N2、N3 噴射ノズル

Claims (5)

  1. 圧縮空気を供給するための供給孔を有するノズル本体と、該ノズル本体に形成された挿入孔に挿入されるスレッドガイドであって緯糸が挿通される導糸孔を有するスレッドガイドとを備え、緯入れ時において、前記ノズル本体における前記供給孔から供給された圧縮空気が前記挿入孔内で前記スレッドガイド周りを通過して噴射されることにより、前記スレッドガイドにおける前記導糸孔に挿通された緯糸を射出するメインノズルを含む緯入れ装置による空気噴射式織機における緯入れ方法であって、
    前記スレッドガイドの先端部よりも後方で噴射口を前記導糸孔内に向けると共に前記緯糸の進行方向に向けて空気を噴射する噴射ノズルが設けられており、
    製織中における予め定められた緯糸の緯入れが行われる製織サイクルの開始時点から当該緯糸の緯入れが開始される緯入れ開始時点までの間の少なくとも一部の期間において前記噴射ノズルに空気噴射動作を行わせる
    ことを特徴とする空気噴射式織機における緯入れ方法。
  2. 前記噴射ノズルが、前記スレッドガイドの軸線方向に沿って空気が噴射されるように前記空気噴射動作を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の空気噴射式織機における緯入れ方法。
  3. 圧縮空気を供給するための供給孔を有するノズル本体と、該ノズル本体に形成された挿入孔に挿入されるスレッドガイドであって緯糸が挿通される導糸孔を有するスレッドガイドとを備え、緯入れ時において、前記ノズル本体における前記供給孔から供給された圧縮空気が前記挿入孔内で前記スレッドガイド周りを通過して噴射されることにより、前記スレッドガイドにおける前記導糸孔に挿通された緯糸を射出するメインノズルを含む空気噴射式織機における緯入れ装置において、
    前記スレッドガイドの先端部よりも後方で噴射口を前記導糸孔内に向けると共に前記緯糸の進行方向に向けて空気を噴射する噴射ノズルと、
    前記噴射ノズルの噴射期間であって予め定められた緯糸の緯入れが行われる製織サイクルの開始時点から当該緯糸の緯入れが開始される緯入れ開始時点までの間の少なくとも一部の期間を含むように設定された噴射期間を記憶する記憶器と、
    前記記憶器に記憶された前記噴射期間に従って前記噴射ノズルに空気噴射動作を行わせる制御器とを備える
    ことを特徴とする空気噴射式織機における緯入れ装置。
  4. 前記噴射ノズルは、前記スレッドガイドの軸線方向に見て前記噴射口の中心が前記導糸孔の範囲内に位置するように設けられ、前記スレッドガイドの軸線方向に沿って空気が噴射されるように前記空気噴射動作を行う
    ことを特徴とする請求項3に記載の空気噴射式織機における緯入れ装置。
  5. 前記噴射ノズルは、前記ノズル本体に取り付けられると共に、円形状に形成されて前記スレッドガイドの後端部が配置される円形溝、及び該円形溝内に突出するように形成されると共に緯糸を挿通するための挿通孔が形成された管状の突出部であって前記スレッドガイドの軸線方向に見て前記円形溝に配置された前記スレッドガイドの前記導糸孔の範囲内に位置すると共に前記導糸孔と軸線の位置を一致させて形成された突出部を有するノズル体を主体とし、前記円形溝に前記スレッドガイドの後端部が配置された状態で、前記突出部の先端部が前記スレッドガイドの前記導糸孔に挿入された状態となって前記スレッドガイドの後端部と前記突出部の先端部とで前記噴射口が形成され、且つ前記スレッドガイドの後端面と前記円形溝とで前記噴射口に連通すると共に空気が供給される環状溝が形成されるように構成されている
    ことを特徴とする請求項4に記載の空気噴射式織機における緯入れ装置。
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