JP6466693B2 - 空気噴射式織機用の糸通し装置 - Google Patents

空気噴射式織機用の糸通し装置 Download PDF

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Description

本発明は、軸線方向に貫通する導糸孔が形成されたスレッドガイドがノズル本体の挿通孔内に配置された緯入れノズルを複数備え、1回の緯入れを複数の前記緯入れノズルの協働で行う空気噴射式織機であって、前記複数の緯入れノズルの少なくとも1つに対しその後方に配置されたノズルから前記スレッドガイドの前記導糸孔に向けて噴射される圧縮空気によって緯糸が前記導糸孔に糸通しされる空気噴射式織機に用いられる糸通し装置に関する。
空気噴射式織機において、緯入れノズルよりも上流側において糸切れが発生した場合等においては、ぞの補修作業等に伴い、緯入れノズルに対し新たに緯糸を通し直す糸通し作業が行われる。そして、そのような糸通しに関する技術として、特許文献1に開示されたものがある。詳しくは、この特許文献1に開示された技術は、緯入れノズルに対し前記のように糸通しを行うにあたり、その糸通しが行われる緯入れノズルの後方に配置されたノズルによる空気噴射を利用するという糸通し方法である。
因みに、特許文献1に開示された糸通し方法は、1回の緯入れを複数(具体例では2つ)の緯入れノズルの協働で行う空気噴射式織機を前提とするものである。より詳しくは、特許文献1に開示された空気噴射式織機は、軸線が一致するように直列配置された複数(2つ)の緯入れノズルであって、緯入れ方向における最も下流側(筬側)に配置されて主として緯入れに寄与する緯入れノズルであるメインノズルと、そのメインノズルの後方に配置されて前記メインノズルによる緯入れを補助する緯入れノズルである所謂補助メインノズルとを備えたものである。
そして、特許文献1の糸通し方法では、その補助メインノズルから噴射される圧縮空気により、その前方に配置されたメインノズルに対し糸通しを行うものとなっている。
なお、特許文献1においては、上流側の補助メインノズルに対する糸通しについては、その補助メインノズルに対し圧縮空気を供給して噴射動作を行わせることによってスレッドガイドの導糸孔内が負圧状態となって発生する吸引作用を利用することしか記載されていないが、従来の空気噴射式織機においては、上流側の補助メインノズルに対する糸通しに対しても、特許文献1と同様の糸通し方法を利用するものが存在する。詳しくは、補助メインノズルの上流側に糸通し専用のノズル(糸通しノズル)を設け、その糸通しノズルから噴射される圧縮空気により、補助メインノズルに対し糸通しを行うというものである。
特開平01−085348号公報
しかし、特許文献1に開示された糸通し方法では、緯入れノズルへの糸通し時において、緯糸の先端部の姿勢が緯入れノズルの後方で不安定になって糸通しが困難になるという問題がある。詳しくは、以下の通りである。
前記のような緯入れノズルの後方に配置されたノズルからの空気噴射によって緯入れノズルに糸通しを行う場合、前記ノズルから噴射された空気が緯糸と共に導糸孔の後端から導糸孔内に導入されるかたちで糸通しが行われる。そして、導糸孔の後端から空気が導入されるのに伴って、導糸孔内の空気が導糸孔の先端から吹き出される。
因みに、一般的な緯入れノズルにおけるスレッドガイドにおいては、導糸孔は、中間部付近から後端側の部分(後端部)が後端から先端側へ向けて孔径が漸減するテーパ形状に形成され、それよりも先端側の部分が孔径が一定の小径部となっている。従って、そのようなスレッドガイドにおいては、単位時間当たりに導糸孔の前記小径部を通過することのできる空気の量は、同じく単位時間当たりに導糸孔の前記後端部を通過することのできる空気の量と比べて少ないものとなっている。
また、前記のような緯入れノズルへの糸通しにおいては、緯糸が緯入れノズルの後方に配置されたノズルからその前方の緯入れノズルまで空気噴射によって搬送されて糸通しが行われる。そのため、前記ノズルから噴射される空気の量は、そのような緯糸の搬送が可能なものである必要がある。従って、その空気の量は、一般的には、導糸孔の前記小径部を前記単位時間当たりに通過することのできる空気の量と比べて量の多いものに設定されている。
そのため、緯入れノズルに対してその後方に設けられたノズルからの空気噴射によって糸通しを行う場合においては、前記ノズルの噴射によりスレッドガイドの導糸孔内へ空気が導入されることに伴い、導糸孔内において空気が飽和した状態となってしまう。そして、そのように導糸孔内において空気が飽和した状態となると、それ以降においては導糸孔内へ空気が導入され難い状態となり、前記ノズルから噴射された空気がスレッドガイドの後方で跳ね返される状態となる。その結果、スレッドガイドの後方において気流が乱れた状態となり、前記ノズルの空気噴射によって緯入れノズルへと向けて搬送される緯糸は、その先端部の姿勢が緯入れノズルの後方で不安定な状態となって、スレッドガイドの導糸孔内へ導入されないこととなる。
そこで、本発明の目的は、緯入れノズルへの糸通し時に緯入れノズルの後方に配置されたノズルからスレッドガイドの導糸孔に向けて圧縮空気が噴射される空気噴射式織機において、前記ノズルから噴射された圧縮空気がスレッドガイドの後方において気流が乱れた状態となることを可及的に防止し、緯入れノズルにおけるスレッドガイドの導糸孔内への緯糸の導入が安定して行われる空気噴射式織機用の糸通し装置を提供することにある。
本発明は、メインノズル及び該メインノズルに対し緯入れ方向における上流側に配置された1つ又は2つの補助メインノズルを備え、前記メインノズル及び前記補助メインノズルが、挿通孔を有するノズル本体及び緯糸を挿通するために軸線方向に貫通するように形成された導糸孔を有するスレッドガイドを含むと共に、前記スレッドガイドが前記ノズル本体の前記挿通孔内に配置された構成となっており、前記メインノズル及び前記補助メインノズルの前記挿通孔に供給される圧縮空気が前記挿通孔内におけるスレッドガイド周りの空間を介して先端側の噴気孔から噴射されることにより、1回の緯入れが前記メインノズルと前記補助メインノズルとの協働で行われる空気噴射式織機であって、最も前記上流側に配置された補助メインノズルである最上流側の補助メインノズルの後方に配置された糸通しノズル及び前記最上流側の補助メインノズルと前記糸通しノズルとの間に設けられた緯糸制動装置を含み、該糸通しノズルから前記最上流側の補助メインノズルにおける前記スレッドガイドの前記導糸孔に向けて噴射される圧縮空気によって緯糸が前記緯糸制動装置を通過して前記導糸孔に糸通しされる空気噴射式織機に用いられる糸通し装置前提とする。
その上で、本発明の糸通し装置は、前記の目的を達成すべく、貫通孔を有すると共に前記最上流側の補助メインノズルにおける前記スレッドガイドの前記軸線方向に見て前記貫通孔の中心を前記最上流側の補助メインノズルにおける前記スレッドガイドの前記導糸孔の中心に一致させて設けられる案内部と、前記軸線方向に関し前記案内部に連続して設けられる排気部であって前記案内部における前記貫通孔内の空間に連続する内側の空間部が外部と連通するように形成された排気部とを備えている。
さらに、その糸通し装置において、前記案内部と前記排気部とは、その両方が単一の部材に形成される、又はそれぞれが形成された部材が一体化されることで一体的に設けられており、また、前記案内部は、少なくとも前記軸線方向における前記スレッドガイド側とは反対側の端部に位置しており、前記排気部は、前記案内部の前記貫通孔に対し前記軸線方向に連続するように形成された貫通孔であってその内側の空間が前記空間部となる貫通孔を有すると共に、前記空間部と外部とに連通するように形成された通気孔を有している。そして、その糸通し装置は、前記最上流側の補助メインノズルの後端部に取り付けられることで前記軸線方向に関し前記最上流側の補助メインノズルにおける前記スレッドガイドの後端に連続するように設けられていることを特徴とする。
なお、前記した本発明による空気噴射式織機用の糸通し装置において、前記案内部は、前記軸線方向における緯糸が導入される側の端面であって前記貫通孔周りの周壁の端面が円弧形状に形成されているものであってもよい。
本発明の空気噴射式織機用の糸通し装置によれば、前記のような1回の緯入れを複数の前記緯入れノズルの協働で行う空気噴射式織機に用いられる糸通し装置であって、その糸通し装置を、緯入れノズルにおけるスレッドガイドの後端に連続するように配置されると共に、前記のように構成された案内部及び排気部を備え、少なくとも前記軸線方向におけるスレッドガイド側とは反対側の端部に案内部を有する構成としたので、緯入れノズルへの糸通し時に、緯入れノズルにおけるスレッドガイドの導糸孔への緯糸の導入が従来よりも安定して行われるものとなる。
より詳しくは、本発明の空気噴射式織機用の糸通し装置によれば、緯入れノズルへの糸通し時において、緯入れノズルの後方に配置されたノズルから噴射された圧縮空気は、糸通し装置に対し案内部から導入されると共にその案内部の貫通孔及び排気部の空間部(案内部の貫通孔内の空間に連続する内側の空間部)を経由してスレッドガイドの導糸孔内へと導入されるものとなるが、排気部における前記空間部が外部と連通するように形成されているため、圧縮空気が導糸孔内へ導入されることに伴って導糸孔内で空気が飽和した状態となっても、それ以降に前記ノズルから噴射されて糸通し装置に導入された圧縮空気は排気部において外部へ向けて排出される。それにより、スレッドガイドの後方において圧縮空気が跳ね返されて気流が乱れた状態となることを可及的に防止され、その結果として、前記ノズルの空気噴射によって緯入れノズルへ向けて搬送される緯糸の先端部の姿勢が従来よりも安定したものとなり、緯入れノズルにおけるスレッドガイドの導糸孔への緯糸の導入が従来よりも安定して行われるものとなる。
また、本発明による空気噴射式織機用の糸通し装置において、案内部及び排気部が前記軸線方向に連続する一体の部材で形成されており、排気部が前記貫通孔及び前記通気孔を有する構成とすることにより、糸通し装置を緯入れノズル(スレッドガイド)の後方に配置するための構成を簡単なものにすることが可能になると共に、前記のような案内部における貫通孔の中心をスレッドガイドにおける導糸孔の中心に一致させる糸通し装置の配置を容易に実現することも可能となる。詳しくは、以下の通り。
前記した本発明による空気噴射式織機用の糸通し装置としては、前記のように案内部及び排気部が一体の部材で形成されるもの、すなわち、単一の部材もしくは一体化された部材が案内部に相当する部分と通気孔を有する排気部に相当する部分とを有していて排気部が部材として構成されるものに限らず、排気部を空間として形成することも可能である。具体的には、貫通孔を有する案内部に相当する部材を前記軸線方向においてスレッドガイドの後端から離間した位置に配置し、その案内部に相当する部材とスレッドガイドの後端との間の空間を排気部とすることも可能である。そして、その場合、糸通し装置は、その案内部に相当する部材と前記空間とで構成されたものとなり、そのような構成であっても、前記のような緯糸の導入の安定化といった効果が得られるものとなる。
但し、その構成の場合、案内部を前記のように緯入れノズルから離間した位置に配置するための専用の支持部材(ブラケット等)が必要となる。すなわち、糸通し装置をそのような支持部材が備えられた構成とする必要がある。また、前記のように、案内部はその貫通孔の中心をスレッドガイドにおける導糸孔の中心に一致させて配置されるものであるため、緯入れノズル(スレッドガイド)から離間した配置において案内部に相当する部材を前記支持部材により正確に位置決めする必要がある。そのため、糸通し装置の構成が複雑なものになると共に、前記のような配置を実現するための糸通し装置の取り付け作業が手間を要するものになる。
これに対し、前記のように空気噴射式織機用の糸通し装置を案内部及び排気部が一体の部材で形成される、すなわち、一体化された部材自体が排気部を有する構成とすることにより、排気部を形成するためにその部材を緯入れノズル(スレッドガイド)から離間して配置する必要は無く、その排気部を有する部材(糸通し装置)を緯入れノズルに対し直接的に取り付ける構成とすることが可能となる。そして、糸通し装置を前記のように緯入れノズルに対し直接的に取り付ける構成とすれば、前記のような支持部材を備える必要がないものとなり、糸通し装置の構成を簡単なものとすることができる。また、その場合、前記のような案内部の配置を容易に実現することができるものとなり、糸通し装置の取り付け作業を容易に行えるものとすることができる。
また、本発明による空気噴射式織機用の糸通し装置において、案内部を、前記軸線方向における緯糸が導入される側の端面が円弧形状に形成された構成とすることにより、前記ノズルから噴射される圧縮空気による緯糸の糸通し装置への導入がより安定して行われるものとなり、前記スレッドガイドの導糸孔への緯糸の導入がより安定して行われるものとなる。
より詳しくは、一般に空気の噴流は近くの物体に引き寄せられてその物体の表面の形状に沿って流れる性質(所謂コアンダ効果)を有しているため、案内部の前記端面を前記のように円弧形状に形成されたものとすることにより、糸通しのために前記ノズルから噴射された前記圧縮空気は、コアンダ効果によって前記端面の表面の円弧形状に沿って貫通孔内へ向けて流れやすいものとなり、貫通孔内へ向けて収束するかたちで案内部に導入されるものとなる。それにより、前記圧縮空気によって糸通し装置へ向けて搬送される緯糸がより安定して案内部に導入されるものとなり、糸通し装置への緯糸の導入がより安定して行われるものとなるので、その結果としてスレッドガイドの導糸孔への緯糸の導入がより安定して行われるものとなる。
本発明による糸通し装置が用いられる空気噴射式織機の一例を示す部分正面図である。 本発明による糸通し装置の一実施形態を示す上面図である。 本発明による糸通し装置の一実施形態を示す断面図である。 図2の要部を示す部分拡大断面図である。
以下では、図1〜3に基づき、本発明の一実施例について説明する。
図1に、本発明の糸通し装置が用いられる空気噴射式織機の一例を示す。但し、本実施例においては、空気噴射式織機は、主として緯入れに寄与する所謂メインノズルを1つのみ有する単色の緯入れ装置を備えたものであり、さらに、その緯入れ装置が、メインノズルと測長貯留装置(図示せず)との間の位置に、前記のメインノズルによる緯入れを補助するための所謂補助メインノズルを1つ備えているものとする。すなわち、本実施例の空気噴射式織機は、その緯入れ装置がメインノズル及び補助メインノズルの2つの緯入れノズルを備え、その2つの緯入れノズルの協働によって1回の緯入れが行われるものとなっている。
詳しくは、図1に示すように、メインノズル5は、筬4を支持するリードホルダ3上に設けられている。より詳しくは、リードホルダ3上には、筬4に対し、緯入れ方向における給糸側(上流側)の位置に、筬4と同様の支持構造によってリードホルダ3に支持されるかたちでノズルブラケット6aが設けられており、そのノズルブラケット上に、筬側に設けられるパイプホルダ6cと、パイプホルダ6cよりも筬4から離間した位置に設けられるノズルサポータ6bとが取り付けられている。そして、メインノズル5は、そのパイプ部分をパイプホルダ6cに支持されると共に、本体部分をノズルサポータ6bに支持されるかたちで、リードホルダ3上に設けられている。
また、補助メインノズル7は、メインノズル5の後方において、支持シャフト等によって支持されるかたちで設けられている。より詳しくは、緯入れ方向に関しリードホルダ3よりも給糸側に位置する給糸側の織機フレーム10上には、ノズルベース11bがボルト等のネジ部材によって取り付けられていると共に、そのノズルベース11b上に立設されるかたちで支持シャフト11aが設けられている。また、支持シャフト11aには補助メインノズルサポータ11cが取り付けられると共に、その補助メインノズルサポータ11cには補助メインノズル7を支持するための板状の部材である支持ブラケット11dが取り付けられている。さらに、その支持ブラケット11dには、補助メインノズル7を取り付けるための貫通孔が形成されている。そして、補助メインノズル7は、その本体部分が貫通孔に嵌め合わされるかたちで支持ブラケット11dに対して取り付けられており、支持ブラケット11d及び補助メインノズルサポータ11cを介して支持シャフト11aに支持されている。
因みに、補助メインノズルサポータ11cは、支持シャフト11aが嵌挿される貫通孔を有すると共に、その貫通孔に連通するすり割りを含む割締め機構を有しており、その割締め機構により、貫通孔に挿通された支持シャフト11aに対し締め付け固定されるものとなっている。従って、補助メインノズルサポータ11cは、支持シャフト11aに対し、その長手方向における取り付け位置(高さ位置)を変更可能となっている。また、補助メインノズルサポータ11cには、そのように支持シャフト11aに取り付けられた状態で貫通方向が水平方向となる貫通孔が形成されている。
また、支持ブラケット11dは、図2に示すように、補助メインノズルサポータ11cにおける貫通孔に挿通された固定ボルトが螺挿されることによって補助メインノズルサポータ11cに対し取り付けられている。なお、補助メインノズルサポータ11cに対する支持ブラケット11dの固定は、固定ボルトを締め付けることで、固定ボルトの頭部と支持ブラケット11dとで補助メインノズルサポータ11cを挟持するかたちで行われるものとなっている。従って、前記の固定ボルトによる締め付けを緩めることで、支持ブラケット11dが固定ボルトと共に固定ボルトの軸線廻りに回転可能となり、支持ブラケット11dの補助メインノズルサポータ11cに対する取り付け角度を変更することができるものとなっている。
そして、補助メインノズル7は、支持シャフト11aに対する補助メインノズルサポータ11cの位置によってその高さ位置が設定されると共に、補助メインノズルサポータ11cに対する支持ブラケット11dの取り付け角度が調節されてメインノズル5の後端を指向するように設けられる。
なお、一般的な空気噴射式織機1においては、メインノズル5及び補助メインノズル7は、同じ構成のものが用いられている。そこで、以下では、図3、4を参照して、補助メインノズル7の構成について説明するが、メインノズル5の構成についても基本的には同じものであるものとする。
補助メインノズル7は、ノズル本体14を主体とし、そのノズル本体14に装着されるスレッドガイド15と、ノズル本体14に取り付けられるパイプ17とを有する構成となっている。そのうち、ノズル本体14は、円筒状の部材であり、その軸線方向に貫通するかたちで挿通孔14aが形成されたものとなっている。また、ノズル本体14には、その周面から挿通孔14aへ向けて貫通する貫通孔が形成されており、その貫通孔が挿通孔内へ圧縮空気を供給するための空気供給孔14bとなる。なお、ノズル本体14における挿通孔14aは、その軸線方向における一端側の部分の径が若干小さくなるように形成されており、挿通孔内に段部14cが存在するものとなっている。そして、挿通孔内には、その段部14cに当接させるかたちで整流子16が設けられている。さらに、ノズル本体14には、挿通孔14aにおける前記した径が小さく形成されている部分に対し、パイプ17が圧入固定されるかたちで取り付けられている。
スレッドガイド15は、中心をスレッドガイド15の軸線に一致させると共にその軸線方向に貫通する導糸孔18が形成されたパイプ状の部材であり、後端部15eがノズル本体14の挿通孔14aの内径よりも大径のフランジ状に形成されると共に、先端へ向けて段階的に径が小さくなるように形成されたものとなっている。すなわち、スレッドガイド15は、その後端部15eに続く部分であってノズル本体14の挿通孔14aに嵌まり合う径を有する嵌合部15cと、その嵌合部15cにテーパ面を介して連続すると共に嵌合部15cよりも小径の中間部15bと、その中間部15bに円弧テーパ面を介して連続すると共に中間部15bよりもさらに小径のニードル部15aとを有する構成となっている。また、スレッドガイド15における導糸孔18は、スレッドガイド15の後端から中間部15bの後端部付近までに亘って徐々に内径が小さくなるようにテーパ状に形成されたものとなっている。
さらに、スレッドガイド15は、嵌合部15cにおける中間よりも後端部側の部分の外周面に雄ねじが形成されたものとなっており、嵌合部15cの後端側の部分が雄ねじ部15dとして形成されたものとなっている。一方、ノズル本体14の挿通孔14aにおけるパイプ17が取り付けられる側とは反対側の端部は、その内周面に雌ねじが形成された雌ねじ部14dとなっている。そして、スレッドガイド15は、ノズル本体14における挿通孔14aに対しパイプ17が取り付けられる側とは反対側の端部から挿入され、雄ねじ部15dが挿通孔14aの雌ねじ部14dに螺合すると共に、嵌合部15cにおける雄ねじよりも先端側の部分が挿通孔14aに嵌まり込むかたちで、ノズル本体14に対し装着される。
因みに、スレッドガイド15は、前記のようにノズル本体14に装着された状態で、ニードル部15aが挿通孔内において整流子16を越えてノズル本体14に取り付けられたパイプ17の内側まで延在するものとなっている。
また、スレッドガイド15において、中間部15b及びニードル部15aは、前記のように嵌合部15cよりも小径に形成されている、すなわち、挿通孔14aの内径よりも外径が小さいものとなっている。従って、スレッドガイド15が前記のようにノズル本体14に装着されることにより、挿通孔内には、中間部15b及びニードル部15aの周りに環状の流路(環状流路19)が形成された状態となる。そして、スレッドガイド15には、中間部15bにおけるニードル部側の端部に、その外周面から放射上に延びる複数の整流フィンが設けられており、その整流フィンにより、環状流路内において中間部付近に整流流路が形成されるものとなっている。
なお、前記したノズル本体14に形成される空気供給孔14bは、挿通孔内におけるスレッドガイド15の中間部周りの環状流路19に連通するように形成されている。そして、その空気供給孔14bには、コネクタ13が取り付けられ、補助メインノズル7は、コネクタ13によって連結される空気供給管を介して空気供給源に接続されるものとなっている。
また、本実施例では、空気噴射式織機1は、補助メインノズル7の後方の位置において、補助メインノズル7を支持する支持ブラケット11dに支持されるかたちで設けられた緯糸制動装置8を備えているものとする。因みに、この緯糸制動装置8は、緯入れの終期において緯入れ過程にある緯糸2に対し屈曲作用を与えて緯糸2に制動を掛けるためのものであり、回転駆動されて緯糸2に屈曲作用を与えるプッシュレバ8dと、プッシュレバ8dを回転駆動するアクチュエータ8aと、緯糸2に対し与える屈曲作用を大きくするためのヤーンガイド8eとを備えたものである。
詳しくは、その緯糸制動装置8の各部について、アクチュエータ8aは、支持ブラケット11dの長手方向における補助メインノズル7と補助メインノズルサポータ11cとの間の位置において、支持ブラケット11dの緯入れ方向に関し筬側(下流側)の側面に対し出力軸8bを前記上流側に向けるかたちで取り付けられている。なお、支持ブラケット11dにおけるアクチュエータ8aの出力軸8bに対応する位置には貫通孔が形成されており、出力軸8bは、その貫通孔に挿通されて支持ブラケット11dから前記上流側へ向けて突出し、緯入れ方向と平行に延在する状態となっている。
また、プッシュレバ8dは、本実施例では一対の棒材で構成されたものとなっており、アクチュエータ8aの出力軸8bに取り付けられた保持部材8cにより、出力軸8bの延在方向(緯入れ方向)と直交する方向に延在するかたちで出力軸8bに対し取り付けられている。但し、そのプッシュレバ8dの配置は、緯入れ方向に関し補助メインノズル7よりも前記上流側の位置となっている。そして、このプッシュレバ8dは、アクチュエータ8aにより、補助メインノズル7に導かれる緯糸2の経路(緯糸経路)に対し、その緯糸経路に対応する部分が上方に位置する待機位置と、前記部分が下方に位置する作動位置との間で往復揺動駆動されるものである。
また、ヤーンガイド8eについて、先ず、支持ブラケット11dには、図2、3に示すように、支持ブラケット11dに対し取り付けられる直方体状の支持部12a及びその支持部12aとで側面視においてL字形を成すように支持部12aと一体的に形成された直方体状の保持部12bから成るノズルホルダ12が取り付けられている。但し、そのノズルホルダ12は、支持ブラケット11dに対し前記上流側に位置すると共に、支持部12aが前記緯糸経路の上方で支持ブラケット11dに対し直交して延在するように支持ブラケット11dに取り付けられている。
その上で、ヤーンガイド8eは、本実施例では環状の部材であり、緯入れ方向に関しプッシュレバ8dである一対の棒材の間に配置されると共に、緯入れ方向における前記上流側から視てその孔内に前記緯糸経路を含むような配置で、支持部材によりノズルホルダ12の支持部12aに対し支持されている。それにより、緯糸2は、その環状のヤーンガイド8eにおける孔内を通過して補助メインノズル側へ導かれる。
そして、このような緯糸制動装置8においては、プッシュレバ8dがその待機位置から作動位置へ向けて揺動駆動されることにより、プッシュレバ8dとヤーンガイド8eとで緯糸2に対し屈曲作用が与えられることとなる。
(糸通しノズル概要)
さらに、本実施例では、補助メインノズル7の後方の離間した位置であって緯糸制動装置8よりも前記上流側の位置において、支持ブラケット11dに対しノズルホルダ12を介して支持されるかたちで設けられた糸通し用の空気噴射ノズル(糸通しノズル9)を備えているものとする。
すなわち、前記のように空気噴射式織機1が補助メインノズル7の後方に緯糸制動装置8を備える場合、補助メインノズル7の後方のスペースが狭いものとなるため、前述の糸切れ発生に伴う糸通し作業において、緯糸2の先端を補助メインノズル7の後端に近づけてその糸通しを行うという作業がやり難いものとなっている。しかも、前述のように緯糸制動装置8はヤーンガイド8eを備えており、糸通し作業時においては、その緯糸制動装置8におけるヤーンガイド8eへの糸通しも行う必要がある。そこで、本実施例では、空気噴射式織機1は、前記のような糸通しノズル9を備えるものとなっている。従って、本実施例では、緯入れノズルへの糸通し時において、2つの緯入れノズルのうちの一方である補助メインノズル7に対しては、その後方に配置されたノズル(糸通しノズル9)から噴射される圧縮空気によって緯糸2の糸通しが行われる。
この糸通しノズル9について、より詳しくは、以下のように設けられるものである。
先ず、ノズルホルダ12は、前記のように支持ブラケット11dに取り付けられた状態において、緯入れ方向における前記上流側から視て、その保持部12bの位置が支持ブラケット11dの位置と重複すると共に、その重複する範囲に支持ブラケット11dにおける補助メインノズル7が取り付けられる貫通孔が位置するように設けられている。また、ノズルホルダ12には、その保持部12bに対し支持部12aの長手方向と平行に貫通する貫通孔であってその中心が前記上流側から視て支持ブラケット11dにおける補助メインノズル7が取り付けられる貫通孔の中心に一致する貫通孔が形成されている。そして、このノズルホルダ12(保持部12b)における貫通孔が糸通しノズル9を取り付けるための取付孔12cとなる。
その上で、糸通しノズル9は、噴射口を支持ブラケット側(補助メインノズル側)に向けると共にその外周面において取付孔12cに嵌挿されるかたちでノズルホルダ12に対し取り付けられている。従って、糸通しノズル9は、補助メインノズル7の後方の離間した位置において、軸線を補助メインノズル7の軸線に一致させる配置で設けられたものとなる。
なお、その糸通しノズル9は、本実施例では、前記した補助メインノズル7(緯入れノズル)と同様に、円筒状のノズル本体9aを主体とすると共に、そのノズル本体9aに形成された挿通孔に挿通されるかたちでノズル本体9aに対し装着されるスレッドガイド9bを有する構成となっている。また、ノズル本体9aには、挿通孔内へ圧縮空気を供給するための空気供給孔が形成されており、補助メインノズル7と同様に、その空気供給孔から供給された圧縮空気が、ノズル本体9aの挿通孔内におけるスレッドガイド9b周りの環状流路に供給され、その環状流路を経由して先端側の噴射孔から噴射されるものとなっている。但し、図3に示すように、本実施例では、糸通しノズル9は、補助メインノズル7のようなパイプ17を備えておらず、また、整流子もノズル本体9aの挿通孔内に設けられていないものとなっている。因みに、ノズル本体9aにおける空気供給孔は、保持部12bにおける空気供給孔に連通するように形成されており、また、保持部12bにおける空気供給孔には、コネクタ13が取り付けられており、糸通しノズル9は、コネクタ13によって連結される空気供給管を介して空気供給源に接続されるものとなっている。
そして、そのような糸通しノズル9においては、給糸体(図示略)から供給されて測長貯留装置(図示略)を経た緯糸2が、スレッドガイド9bに形成された導糸孔9cに挿通される。また、その緯糸2は、前記のように糸通しノズル9(スレッドガイド9b)に挿通されて糸通しノズル9を経た後、緯糸制動装置8におけるヤーンガイド内を通過して補助メインノズル7のスレッドガイド15(導糸孔18)に挿通され、補助メインノズル7を経てメインノズル側へ導かれる。
そして、以上のような構成を有する空気噴射式織機1においては、メインノズル5及び補助メインノズル7の2つの緯入れノズルの協働によって1回の緯入れが行われる。すなわち、前記のように糸通しノズル9を経て補助メインノズル側へ導かれた緯糸2は、補助メインノズル7及びメインノズル5の順に各緯入れノズルのスレッドガイドに挿通されており、製織中において、予め設定された緯入れ開始タイミングでメインノズル5に対する空気供給源からの圧縮空気の供給が開始されて圧縮空気がメインノズル5から噴射されることにより、その噴射流によってメインノズル5から射出されて緯入れされる。また、そのメインノズル5への圧縮空気の供給に合わせて補助メインノズル7に対しても圧縮空気が供給されるものとなっており、補助メインノズル7から圧縮空気が噴射されることにより、その噴射流によって緯糸2が給糸側から牽引されると共にメインノズル5へ向けて送り出され、それによってメインノズル5による前記緯入れが補助される。このように、メインノズル5及び補助メインノズル7の2つの緯入れノズルを備えた緯入れ装置においては、その2つの緯入れノズルの協働で緯入れが行われるものとなっている。
また、緯糸制動装置8においては、前記緯入れの開始時には、プッシュレバ8dは、待機位置に配置された状態となっている。そして前記緯入れの終期における予め設定されたタイミングにおいて、プッシュレバ8dが待機位置から作動位置に向けて変位するようにアクチュエータ8aによって揺動駆動されることにより、緯入れ過程にある緯糸2は、前記のように屈曲作用を与えられて屈曲された状態となり、それによって前記緯入れの終期において緯糸2に制動を掛けられた状態となる。
そして、以上で説明した空気噴射式織機1において、本発明では、貫通孔を有すると共にその貫通孔の中心を緯入れノズルにおけるスレッドガイドの導糸孔の中心に一致させて設けられる案内部及びその案内部の貫通孔に連続する内側の空間部と外部とを連通するように形成された排気部を有する糸通し装置が、緯入れノズルにおけるスレッドガイドの後端に連続するように配置されるものであり、本実施例では、その糸通し装置を、2つの緯入れノズルのうちの補助メインノズル7に対して設けられるものとすると共に、案内部と排気部とが軸線方向に連続する一体の部材として形成された構成とする、すなわち、貫通孔を有する部材にその貫通孔と外部とを連通する通気孔を形成し、その通気孔を有する部分が排気部として機能すると共に、その排気部よりも反スレッドガイド側の部分が案内部として機能する構成としたものである。以下では、そのような本実施例の糸通し装置について、図面を用いて詳細に説明する。
本実施例における糸通し装置20は、図4に示すように、円筒状に形成された円筒部23を有する本体部材21と、本体部材21の円筒部23に対し取り付けられる案内部材22とで構成されたものとなっている。
そのうち、本体部材21は、補助メインノズル7の後端部15eと略同径の円筒状に形成された円筒部23を主体とし、前記軸線方向に貫通する嵌挿孔25が形成されたものとなっている。なお、この嵌挿孔25は、その中心を円筒部23の軸線に一致させて形成されていると共に、補助メインノズル7におけるスレッドガイド15の導糸孔18の後端部の孔径よりも若干大きい孔径を有するものとなっている。
また、本体部材21は、前記軸線方向における円筒部23の一端側に形成されると共に前記軸線方向において一部が円筒部23と重複するかたちで形成されたフランジ部24であって、前記軸線方向に視て円筒部23の外周縁から拡径するようなかたちで円筒部23と一体的に形成された環状のフランジ部24を有している。
因みに、このフランジ部24は、糸通し装置20(本体部材21)を補助メインノズル7に取り付けるためのものである。また、本実施例では、本体部材21の補助メインノズル7への取り付けは、フランジ部24における反円筒部側の端面を補助メインノズル7におけるノズル本体14の後端面に当接させると共に、フランジ部24に挿通されたボルト等のネジ部材28を補助メインノズル7のノズル本体14に螺挿することで行われるものとする。
そのため、本実施例では、フランジ部24の外径寸法は、そのネジ部材28が挿通される孔(取付孔)が形成可能なものとなっており、具体的には、その外径寸法は補助メインノズル7のノズル本体14の外径寸法と略同じものとなっている。そして、フランジ部24には、前記ネジ部材28を挿通する取付孔が、フランジ部24の中心(円筒部23の軸心)を中心とする円周上に中心が位置するかたちでその円周方向に亘って等間隔で複数(例えば2つ)形成されている。また、ノズル本体14には、各取付孔に対応する雌ねじ孔が、ノズル本体14の軸心を中心とする円周上であって取付孔の中心が位置する円周と同径の円周上に中心が一致するかたちで形成されている。従って、前記のように本体部材21(糸通し装置20)をノズル本体14に取り付けた状態では、本体部材21における円筒部23と補助メインノズル7におけるノズル本体14とは前記軸線方向に視て軸線の位置が一致したものとなり、延いては、円筒部23の軸線の位置が前記軸線方向に視てスレッドガイド15の軸線の位置と一致したものとなる。
なお、フランジ部24は、前記のように環状に形成されたものであり、その中心に厚さ方向に貫通する孔を備えたものとなっている。そして、前記軸線方向における円筒部23の一端側が前記孔内に位置するかたちで、フランジ部24と円筒部23とは前記のように前記軸線方向において一部が重複するものとなっている。従って、フランジ部24における前記孔の内径寸法は、円筒部23の外径寸法と略同じものとなっている。また、前記のように、円筒部23は、補助メインノズル7の後端部と略同径の外径寸法を有している。従って、フランジ部24における前記孔の内径寸法は、補助メインノズル7の後端部の外径寸法とも略同じものとなっている。
また、前記のようにフランジ部24において糸通し装置20(本体部材21)を補助メインノズル7の本体部に取り付ける場合、補助メインノズル7におけるスレッドガイド15の後端部15eが本体部材内に位置する状態となる。そして、本実施例では、そのような糸通し装置20の補助メインノズル7に対する取り付け状態において、スレッドガイド15の後端部15eは、前記軸線方向におけるフランジ部24の範囲内で、フランジ部24における前記孔内に収容されるかたちで本体部材内に配置されるものとする。そのため、フランジ部24は、前記軸線方向における寸法(厚さ寸法)がスレッドガイド15の後端部15eの前記軸線方向における長さ寸法よりも大きいものとなっている。
但し、本実施例では、前記のように糸通し装置20が補助メインノズル7に対し取り付けられた状態、すなわち、フランジ部24における前記孔(以下、「収容孔」と言う。)内にスレッドガイド15の後端部15eが収容された状態において、スレッドガイド15の後端面が前記軸線方向における円筒部23のフランジ部側の端面に当接した状態となるものとする。従って、フランジ部24の前記厚さ寸法は、前記軸線方向において円筒部23と重複する範囲を除く部分がスレッドガイド15の後端部15eの前記軸線方向における長さ寸法と同じ大きさのものとなっている。
また、円筒部23は、前記軸線方向における前記のようにフランジ部24と重複する部分の近傍に、円筒部23の外周面から嵌挿孔25に向けて貫通するように形成された貫通孔26を有している。また、その貫通孔26は、本実施例では、円筒部23の円周方向に亘って等間隔で複数(図示の例では4つ)形成されている。
案内部材22は、貫通孔27を有する円筒状の部材であり、外径寸法が本体部材21における円筒部23に形成された嵌挿孔25の内径寸法と略同じである部分(小径部22a)と、外径寸法が本体部材21の円筒部23の外径寸法と略同じである部分(大径部22b)とを含むものである。そして、案内部材22は、その小径部22aにおいて本体部材21の嵌挿孔25に嵌挿され、大径部22bにおける小径部側の端面を円筒部23の反フランジ部側の端面に当接させるかたちで本体部材21に対し取り付けられるものである。
また、その案内部材22において、その軸線方向における小径部22aの長さ寸法は、円筒部23における反フランジ部側の端面から円筒部23の貫通孔26までの長さ寸法よりも短いものとなっている。従って、案内部材22が前記のように本体部材21に取り付けられた状態、すなわち、案内部材22の小径部22aが本体部材21の嵌挿孔25に嵌挿された状態において、案内部材22における小径部22aの反大径部側の端縁は、前記軸線方向において円筒部23の貫通孔よりも反フランジ部側に位置するものとなり、円筒部23の貫通孔26は、案内部材22の小径部22aによって閉塞されることがなく、円筒部23の内側の空間部と円筒部23の外部とを連通させた状態となっている。
そして、以上のような構成を有する糸通し装置20においては、前記のように、本体部材21が、フランジ部24における反円筒部側の端面を補助メインノズル7におけるノズル本体14に当接させると共に収容孔内にスレッドガイド15の後端部15eが収容されるかたちで、ネジ部材28によって補助メインノズル7に対し取り付けれる。また、その糸通し装置20において、案内部材22は、前記のように、本体部材21における円筒部23の嵌挿孔25に対し、その小径部22aが反フランジ部側から嵌挿されると共に、大径部22bの小径部側の端面を円筒部23の反フランジ部側の端面に当接させるかたちで本体部材21に対し取り付けられる。そして、そのように補助メインノズル7に取り付けられる本体部材21とその本体部材21に取り付けられた案内部材22とで糸通し装置20が構成されるものとなっている。
なお、前記のような補助メインノズル7に対する取り付け状態において、その糸通し装置20における本体部材21の円筒部23は、フランジ部側の端面がスレッドガイド15の後端面に当接した状態となる。すなわち、本実施例の糸通し装置20においては、円筒部23が前記軸線方向に関しスレッドガイド15の後端に連続するように配置されたものとなっている。
また、前記のように、その円筒部23におけるフランジ部24と重複する部分の近傍には、円筒部23の内部の空間(嵌挿孔25)と外部とを連通させる貫通孔26が形成されている。従って、円筒部23におけるその貫通孔26が形成された部分が本実施例における排気部に相当するものとなり、その貫通孔26が排気部に形成された通気孔に相当するものとなる。因みに、本実施例では、排気部は、円筒部23における前記のようにスレッドガイド15の後端面に当接する端面から前記軸線方向における案内部材22の端縁までの範囲とする。
また、本発明においては、前記のように、糸通し装置20が案内部と排気部とを備えるものであり、その案内部は、少なくとも前記軸線方向における前記スレッドガイド側とは反対側の端部に位置するものである。従って、前記のように排気部が定められることにより、本実施例の糸通し装置20においては、円筒部23における排気部よりも反スレッドガイド側の部分が案内部に相当するものとなる。但し、本実施例においては、円筒部23におけるこの案内部に相当する部分には案内部材22が取り付けられており、この案内部材22も案内部の一部となっている。言い換えれば、本実施例の糸通し装置20においては、円筒部23における排気部を除く部分と案内部材22とで案内部が構成されている。
因みに、前述のように、糸通し装置20における本体部材21の円筒部23には前記軸線方向に貫通する嵌挿孔25が形成されているが、この嵌挿孔25のうち、前記軸線方向における排気部の範囲の部分が、排気部に形成される貫通孔に相当するものとなり、その貫通孔内の空間が、本発明で言う排気部における空間部となる。また、前記のように、円筒部23における排気部を除く部分には案内部材22の小径部22aが嵌挿されていることから、案内部材22の貫通孔27が本発明における案内部における貫通孔に相当するものとなる。なお、当然ながら、排気部の貫通孔(空間部)と案内部の貫通孔(案内部材22の貫通孔27)とは、前記軸線方向において連続したものとなっている。
また、本実施例では、案内部材22における大径部22bの反小径部側の端面、すなわち、案内部における緯糸2が導入される側の端部の貫通孔27周りの周壁の端面が円弧形状に形成されたものとなっている。
より詳しくは、本実施例では、案内部材22は、小径部22aにおいて円筒部23(本体部材21)の嵌挿孔25に嵌挿され、大径部22bの小径部側の端面を円筒部23に当接させるかたちで円筒部23(本体部材21)に取り付けられるものとなっている。従って、案内部材22における大径部22bは、前記軸線方向において本体部材21の円筒部23よりも反スレッドガイド側、すなわち、緯糸2が導入される側に位置するものとなっており、その大径部22bにおける反小径部側の端面が、案内部における緯糸2が導入される側の端面となっている。また、案内部材22は、前記のように貫通孔27を有する部材であり、前記軸線方向と直交する方向の断面は、貫通孔27をその周りの壁(周壁)で囲繞する構成となっている。言い換えれば、貫通孔周りの周壁を前記軸線方向に連続させて構成されるものとなっている。
その上で、本実施例の案内部材22では、大径部22bを構成する前記の貫通孔周りの周壁は、図示のように、いずれの部分においても、前記軸線方向の断面の形状が、反小径部側の端縁を円弧形状に形成されたものとなっている。すなわち、案内部材22における反小径部側の端面が円弧形状に形成されたものとなっている。
なお、この円弧形状について、本実施例では、具体的には、前記断面で視て略半円弧状であって、その頂点が前記した大径部22bを構成する周壁の厚さ方向における略中央に位置するように形成されたものとなっている。このように、本実施例においては、案内部材22における反小径部側の端面、すなわち、案内部における緯糸2が導入される側の貫通孔周りの周壁の端面が、前記断面で視て前記軸線方向の反スレッドガイド側(緯糸2が導入される側)に向けて徐々に前記厚さ方向の外側にひろがるように形成された部分であって貫通孔における内周面の一部となる部分を含む円弧形状に形成されたものとなっている。因みに、この構成については、言い換えれば、案内部の貫通孔が、前記軸線方向における緯糸2が導入される側の端部に、反スレッドガイド側に向けて徐々に内径寸法が大きくなるように形成された部分を含むものとなっているとも言える。
以上のような本実施例による糸通し装置20を備えた空気噴射式織機1において、例えば、製織中に補助メインノズル7(糸通しノズル9)よりも上流側で緯糸2の糸切れが発生した場合、織機が停止され、その織機の停止中に、メインノズル5、補助メインノズル7及び糸通しノズル9に挿通された状態となっている緯糸2を除去し、それらのノズルに対し再び緯糸2を通し直す糸通し作業が行われる。但し、その糸通し作業にあたっては、先ず、前述のように糸通しノズル9を用いて補助メインノズル7に対する糸通しが行われ、それが完了した後、続いてメインノズル5に対する糸通しが行われるといった順番で行われる。
そして、その補助メインノズル7への糸通しにあたっては、先ず、補助メインノズル7に対し空気供給源からの圧縮空気が供給され、前記のようにスレッドガイド15における導糸孔18の緯糸の導入部に吸引作用が生じた状態とされる。また、それに伴い、糸通しノズル9に対しても空気供給源からの圧縮空気が供給される。それにより、糸通しノズル9においては、圧縮空気がスレッドガイド周りの環状流路を経由して噴射孔から噴射されると共に、その噴射に伴ってスレッドガイド9bの導糸孔内が負圧状態となってその導糸孔9cの緯糸の導入部に吸引作用が生じた状態となる。
その上で、作業者が通すべき緯糸2の先端部を糸通しノズル9の後端部(導入孔の緯糸の導入部)付近に近づけると、前記の吸引作用によって緯糸2の先端部が糸通しノズル9におけるスレッドガイド9bの導糸孔内へ導入されると共に、糸通しノズル9から噴射される圧縮空気により、その緯糸2の先端部が補助メインノズル側へ向けて搬送される。そして、そのように糸通しノズル9から噴射される圧縮空気によって補助メインノズル7におけるスレッドガイド15の導糸孔18へ向けて搬送される緯糸2の先端部は、補助メインノズル7における前記吸引作用を受け、補助メインノズル7におけるスレッドガイド15の導糸孔内へ導入される。また、その過程において、緯糸2の先端部は、緯糸制動装置8におけるヤーンガイド内を通過するものとなっている。このようにして補助メインノズル7及び補助メインノズル7と糸通しノズル9との間に設けられた緯糸制動装置8におけるヤーンガイド8eに対する糸通しが糸通しノズル9から噴射される圧縮空気によって行われる。
そして、本実施例の空気噴射式織機1においては、前述のように、糸通し装置20がその円筒部23を補助メインノズル7におけるスレッドガイド15の後端部15eに連続させるかたちで設けられているため、糸通しノズル9から噴射された圧縮空気は先ず糸通し装置20における貫通孔内に導入され、その貫通孔を経て補助メインノズル7におけるスレッドガイド15の導糸孔内へ導入されるものとなるが、糸通し装置20(円筒部23)が前記のように排気部(通気孔)を有する構成となっているため、補助メインノズル7におけるスレッドガイド15の導糸孔内に空気が導入され難い状態となっても、糸通しノズル9から噴射された圧縮空気が糸通しノズル側へ跳ね返されることなく、排気部における通気孔から円筒部23の半径方向へ向けて円筒部23の外側へ排出されることとなる。
それにより、前記のように糸通しノズル9からの圧縮空気の噴射が開始されて圧縮空気が補助メインノズル7におけるスレッドガイド15の導糸孔内へ導入されることに伴い、その導糸孔内において空気が飽和した状態となって圧縮空気がその導糸孔内へ導入され難い状態となるが、糸通しノズル9から噴射された圧縮空気が糸通しノズル側へ跳ね返されて気流が乱れた状態となることが可及的に防止されるため、その後に前記のような糸通しを行っても、糸通しノズル9から噴射される圧縮空気によって搬送される緯糸2の先端部の姿勢が気流の乱れによって不安定なものとなることはなく、その先端部が安定して糸通し装置20における貫通孔(補助メインノズル7におけるスレッドガイド15の導糸孔18)へ導入されることとなる。
また、本実施例では、案内部材22における反小径部側の端面、すなわち、案内部における貫通孔周りの周壁の端面が円弧形状に形成されたものとなっており、案内部の貫通孔が、緯糸2が導入される側の端部に反スレッドガイド側に向けて徐々に内径寸法が大きくなるように形成された部分を含む構成となっているため、糸通しノズル9から噴射された圧縮空気がコアンダ効果によって前記部分に沿って貫通孔内へ向けて流れ易いものとなり、圧縮空気によって搬送される緯糸2の先端部がより糸通し装置20における貫通孔及び補助メインノズル7におけるスレッドガイド15の導糸孔18へ導入され易くなる。
さらに、本実施例では、前記のように円筒部23の一部が排気部として機能する、すなわち、案内部と排気部とが単一(一体)の部材である本体部材21に含まれる構成となっており、且つ、糸通し装置20がその主体である本体部材21のフランジ部24において補助メインノズル7に対し直接的に取り付けられる構成となっているので、前記軸線方向に視て案内部(円筒部23)における貫通孔の中心の位置を補助メインノズル7のスレッドガイド15における導糸孔18の中心の位置に一致させた状態で糸通し装置20をスレッドガイド15の後方に配置するための構成が簡単なものとなっている。
以上では、本発明の糸通し装置の一実施例について説明したが、本発明による緯糸保持装置は、前記実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限りにおいて種々の変形が可能である。以下に他の実施形態について説明する。
(1)前記実施例では、糸通し装置が本体部材とその本体部材に取り付けられる案内部材とで構成されるものとなっているが、前記実施例の構成において、案内部材は必ずしも必要ではなく、省略可能である。その上で、本体部材における案内部に相当する部分の緯糸が導入される側の端部の貫通孔周りの周壁の端面、すなわち、反スレッドガイド側(反排気部側)の端面が円弧形状に形成されるものとしてもよい。
但し、本発明による糸通し装置は、案内部における緯糸が導入される側の貫通孔の周壁の端面が円弧形状に形成されるものには限定されず、前記端面(案内部材又は円筒部の反スレッドガイド側の端面)が円弧形状以外の形状(例えば、平面)に形成されたものであってもよい。
(2)前記実施例では、本体部材における円筒部の一部が本発明における案内部として機能しており、案内部の外形形状が前記軸線方向に視て円形に形成されたものとなっているが、案内部については、前記軸線方向に貫通する貫通孔であって緯糸が導入される貫通孔を有するものであればよいため、外形形状については前記実施例のような円形に限らず、多角形状に形成されたものであってもよい。また、前記実施例では、糸通し装置の主体となる本体部材が緯入れノズル(補助メインノズル)におけるノズル本体に対し取り付けられてそのノズル本体(緯入れノズル)によって支持される構成となっているが、これに代えて、本体部材がブラケット等の支持部材により、緯入れノズル(ノズル本体)以外の部分(例えば、糸通し装置等を支持する支持ブラケット、又は補助メインノズルを支持する支柱等)に支持される構成としてもよい。
(3)前記実施例では、本体部材における円筒部の前記軸線方向における中間部よりもスレッドガイド側の部分が排気部として機能すると共に、その排気部よりも反スレッドガイド側の部分が案内部として機能し、前記軸線方向において排気部がスレッドガイドの後端に連続すると共に、案内部がその排気部よりも反スレッドガイド側にのみ位置する構成となっている。しかし、本発明の糸通し装置においては、糸通し装置が前記軸線方向に関しスレッドガイドの後端部に連続するように配置された状態において少なくとも前記軸線方向における反スレッドガイド側の端部に案内部が位置するものであればよく、前記軸線方向における排気部の位置については、前記実施例のようにスレッドガイドの後端部に連続するものには限定されない。従って、案内部と排気部とで構成される本発明の糸通し装置においては、排気部よりもスレッドガイド側にも案内部が位置する構成であってもよい。
具体的には、例えば、前記実施例のように本体部材における円筒部によって排気部が案内部として機能する部分と一体的に形成されると共に、通気孔が形成された部分が排気部として機能する構成において、前記軸線方向における通気孔の位置を前記実施例のものよりも反スレッドガイド側とし、前記軸線方向における通気孔が形成される部分よりもスレッドガイド側となる部分が前記実施例よりも大きく設けられた構成とする。その構成の場合、通気孔が形成された部分よりもスレッドガイド側の部分も案内部として機能するものとなり、糸通し装置は、スレッドガイドの後端部に連続するように配置された状態で、反スレッドガイド側の端部に位置する案内部に加えてスレッドガイドの後端部に連続する位置にも案内部を備え、その両案内部間に排気部が位置する構成となる。
なお、前記実施例では、糸通し装置が案内部材を備えると共に、その案内部材は、案内部の一部としてのみ機能するものとなっている。そして、そのために案内部材は、通気孔を閉塞しないように、本体部材に取り付けられた状態でスレッドガイド側の端縁が通気孔よりも反スレッドガイド側に位置するように構成されたものとなっている。しかし、本発明において、糸通し装置が案内部材を備える場合に、案内部材がその全ての部分において案内部の一部として機能するものに限らず、その一部が、本体部材(円筒部)における排気部と同様の構成を有し、排気部として機能するものであってもよい。具体的には、前記実施例の構成の場合で言うと、前記端縁が円筒部に形成された通気孔よりもスレッドガイド側に位置すると共に、その通気孔が案内部材をも貫通するように形成されたものであってもよい。
(4)前記実施例では、本体部材における円筒部に通気孔を形成し、その円筒部における通気孔を形成された部分が排気部として機能することにより、案内部と排気部とが単一の本体部材に含まれる、すなわち、案内部と排気部とが一体の部材で形成されるものとしたが、本発明による糸通し装置は、そのように単一の部材に案内部と排気部とが含まれる構成に限らず、案内部と排気部とが別の部材によって形成されて一体化されたものであってもよい。
なお、その構成の場合、排気部については、案内部とは異なる形態のものとすることが可能であるため、例えば、排気部を網状(多孔状)の部材が円筒状に形成されることによって構成されたものとし、そのような円筒状の網材からなる排気部を円筒状の部材で形成された案内部に対し前記軸線方向に連続するかたちで取り付けられて一体化された構成としてもよい。そして、その構成の場合、排気部を形成している網材の各網目が、排気部における内側の空間部と外部とを連通させる通気孔となる。
さらに、排気部については、部材を円筒状に形成すると共にその円筒状の部材に対しその内側の空間部(案内部における貫通孔内の空間に連続する空間部)と外部とを連通させる貫通孔が形成されたものに限らず、前記軸線方向に関し案内部における貫通孔内の空間に連続する空間部が外部に開放されるかたちに形成されることによりその空間部が貫通孔内の空間と外部とを連通させて排気部として機能する構成、すなわち、前記軸線方向における案内部とスレッドガイドとの間に空間が形成されてその空間が排気部として機能する構成であってもよい。
具体的には、緯糸が導入される側の案内部(導入端側案内部)が、円筒部及び円筒部の一端側に一体的に設けられた環状のフランジ部を有する部材として構成されると共に、そのフランジ部に挿通されたネジ部材によりノズル本体又はノズル本体に取り付けれた案内部として機能する円筒状の部材(スレッドガイド側案内部)に対し取り付けられる構成とし、その上で、その導入端側案内部が、ノズル本体(スレッドガイド)又はスレッドガイド側案内部から離間して設けられる構成とする。なお、そのように導入端側案内部が離間して設けられた状態とするための構成としては、例えば、導入端側案内部とスレッドガイド又はスレッドガイド側案内部との間隔に応じた長さ寸法を有する円筒ブシュを用い、その円筒ブシュが前記ネジ部材に嵌装されると共に、前記ネジ部材が円筒ブシュから突出する長さ寸法を有するものとし、その前記ネジ部材の円筒ブジュから突出する部分がノズル本体又はスレッドガイド側案内部に螺挿されて導入端側案内部が取り付けられる構成とする。
その構成によれば、前記軸線方向において導入端側案内部とスレッドガイド又はスレッドガイド側案内部との間に空間が形成された状態となる。そして、その構成においては、その空間のうちの前記軸線方向に視て導入端側案内部における貫通孔の範囲内に位置する部分が案内部の貫通孔に連続する空間部となり、その空間部が、周囲に開放された状態、すなわち、外部と連通した状態となっている。従って、その導入端側案内部とスレッドガイド又はスレッドガイド側案内部との間の空間が、排気部として機能するものとなる。
また、前記例では、導入端側案内部をノズル本体(スレッドガイド)又はスレッドガイド側案内部から離間して設けられた状態とする構成、すなわち、前記軸線方向において案内部とスレッドガイド又はスレッドガイド側案内部との間に空間が形成される構成として、導入端側案内部がネジ部材によってノズル本体又はスレッドガイド側案内部に取り付けられると共に、そのネジ部材に嵌装される円筒ブシュを用いるものとしたが、これに代えて、導入端側案内部が支持部材(ブラケット)等によってノズル本体以外の部分に支持されてノズル本体(スレッドガイド)又はスレッドガイド側案内部から離間した位置に配置される構成であってもよい。
(5)前記実施例では、1回の緯入れをメインノズルと協働して行う補助メインノズルが1つのみ備えられた空気噴射式織機、すなわち、1回の緯入れを協働で行う緯入れノズルを2つ備えた空気噴射式織機を前提とし、本発明の糸通し装置が適用される緯入れノズルを最も上流側の緯入れノズル(補助メインノズル)としたが、本発明が前提とする空気噴射式織機については緯入れノズルを3つ(すなわち、1つのメインノズル+2つの補助メインノズル)を備えたものであってもよく、また、その場合において、本発明の糸通し装置が適用される緯入れノズルについては、前記実施例のような最上流側に配置される補助メインノズルに限らず、他の緯入れノズルであってもよい。詳しくは、以下の通り。
前記のような2つの補助メインノズルを備えた空気噴射式織機として、前記実施例の補助メインノズル(第1の補助メインノズル)に加え、メインノズルと第1の補助メインノズルとの間の位置において第1の補助メインノズルと同様に給糸側の織機フレーム上に支持されると共に、第1の補助メインノズルの軸線方向に視て、軸心が第1の補助メインノズルの軸心と一致するように配置された第2の補助メインノズルを備えたものがある。そして、そのような空気噴射式織機において、第2の補助メインノズルに対する糸通し(スレッドガイドの導糸孔への緯糸の導入)を第1の補助メインノズルから噴射される圧縮空気により行うものがある。すなわち、第2の補助メインノズルに対する糸通しが、その後方に配置されたノズルであってその糸通し時に圧縮空気を噴射するノズルとしての第1の補助メインノズルから噴射される圧縮空気によって行われる空気噴射式織機がある。そして、そのような空気噴射式織機においては、前記のように糸通しが行われる第2の補助メインノズルに対し本発明による糸通し装置が適用される構成としてもよい。
また、2つの補助メインノズル(第1、第2の補助メインノズル)を備えた空気噴射式織機として、前記のように2つの補助メインノズルが織機フレーム上に配置されるものとは別に、第1の補助メインノズルが前記実施例のように織機フレーム上に配置されると共に、第2の補助メインノズルがメインノズルと同様にリードホルダ上に配置されたものがある。また、その構成の場合、第2の補助メインノズルは、メインノズルの軸線方向に視て、軸心をメインノズルの軸心に一致させてメインノズルの後方に配置される。そして、そのような空気噴射式織機において、前述の特許文献1にも開示されているように、メインノズルに対する糸通しを、その後方に配置されたノズルであって糸通し時に圧縮空気を噴射するノズルとしての第2の補助メインノズルから噴射される圧縮空気によって行うものがある。そして、そのような空気噴射式織機においては、前記のように糸通しが行われるメインノズルに対し本発明による糸通し装置が適用される構成としてもよい。
このように、本発明において、糸通しが行われる緯入れノズルの後方に配置されて糸通し時に圧縮空気を噴射するノズルは、前記実施例のような専用の糸通しノズルに限らず、その糸通しが行われる緯入れノズルの後方に配置された補助メインノズルであってもよい。
(6)前記実施例では、最上流側に配置される補助メインノズルの後方に設けられる緯糸制動装置及び糸通しノズルが、ノズルホルダを用いて補助メインノズルを支持する支持シャフト(支持ブラケット)に支持される構成となっているが、最上流側の補助メインノズルの後方に緯糸制動装置及び糸通しノズルが設けられる場合において、その緯糸制動装置及び糸通しノズルの支持構成については前記実施例のようなものに限らず、補助メインノズルを支持する支持シャフト等とは独立して設けられた支持機構により緯糸制動装置及び糸通しノズルが支持されるものであってもよい。また、緯糸制動装置と糸通しノズルとが共通のブラケット等に支持されるものに限らず、それぞれが独立して支持される構成であってもよい。
また、前記実施例では、メインノズルを1つのみ備える単色の緯入れ装置を備えた空気噴射式織機に本発明による糸通し装置が設けられる構成を例として説明したが、本発明が前提とする空気噴射式織機はそのような単色の緯入れ装置を備えたものに限らず、メインノズルを複数備えた多色の緯入れ装置を備えたものでもよく、そのような多色の緯入れ装置における緯入れノズルに対し糸通しのために本発明による糸通し装置を適用することも可能である。
さらに、本発明は、以上で説明したいずれの実施形態にも限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜に変更可能である。
1 空気噴射式織機
2 緯糸
3 リードホルダ
4 筬
5 メインノズル
7 補助メインノズル
8 緯糸制動装置
9 糸通しノズル
10 織機フレーム
12 ノズルホルダ
14 ノズル本体
14a 挿通孔
14b 空気供給孔
15 スレッドガイド
15a ニードル部
15b 中間部
15c 嵌合部
15e 後端部
17 パイプ
18 導糸孔
19 環状流路
20 糸通し装置
21 本体部材
22 案内部材
22a 小径部
22b 大径部
23 円筒部
24 フランジ部
25 嵌挿孔
26 貫通孔(通気孔)
27 貫通孔
A 緯入れ方向
B 給糸側(上流側)
C 筬側(下流側)
D 軸線方向

Claims (2)

  1. メインノズル及び該メインノズルに対し緯入れ方向における上流側に配置された1つ又は2つの補助メインノズルを備え、前記メインノズル及び前記補助メインノズルが、挿通孔を有するノズル本体及び緯糸を挿通するために軸線方向に貫通するように形成された導糸孔を有するスレッドガイドを含むと共に、前記スレッドガイドが前記ノズル本体の前記挿通孔内に配置された構成となっており、前記メインノズル及び前記補助メインノズルの前記挿通孔に供給される圧縮空気が前記挿通孔内におけるスレッドガイド周りの空間を介して先端側の噴気孔から噴射されることにより、1回の緯入れが前記メインノズルと前記補助メインノズルとの協働で行われる空気噴射式織機であって、最も前記上流側に配置された補助メインノズルである最上流側の補助メインノズルの後方に配置された糸通しノズル及び前記最上流側の補助メインノズルと前記糸通しノズルとの間に設けられた緯糸制動装置を含み、該糸通しノズルから前記最上流側の補助メインノズルにおける前記スレッドガイドの前記導糸孔に向けて噴射される圧縮空気によって緯糸が前記緯糸制動装置を通過して前記導糸孔に糸通しされる空気噴射式織機に用いられる糸通し装置であって、
    貫通孔を有すると共に前記最上流側の補助メインノズルにおける前記スレッドガイドの前記軸線方向に見て前記貫通孔の中心を前記最上流側の補助メインノズルにおける前記スレッドガイドの前記導糸孔の中心に一致させて設けられる案内部と、前記軸線方向に関し前記案内部に連続して設けられる排気部であって前記案内部における前記貫通孔内の空間に連続する内側の空間部が外部と連通するように形成された排気部とを備え、
    前記案内部と前記排気部とは、その両方が単一の部材に形成される、又はそれぞれが形成された部材が一体化されることで一体的に設けられており、
    前記案内部は、少なくとも前記軸線方向における前記スレッドガイド側とは反対側の端部に位置しており、
    前記排気部は、前記案内部の前記貫通孔に対し前記軸線方向に連続するように形成された貫通孔であってその内側の空間が前記空間部となる貫通孔を有すると共に、前記空間部と外部とに連通するように形成された通気孔を有しており、
    前記最上流側の補助メインノズルの後端部に取り付けられることで前記軸線方向に関し前記最上流側の補助メインノズルにおける前記スレッドガイドの後端に連続するように設けられている
    ことを特徴とする空気噴射式織機用の糸通し装置。
  2. 前記案内部は、前記軸線方向における緯糸が導入される側の端面であって前記貫通孔周りの周壁の端面が円弧形状に形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の空気噴射式織機用の糸通し装置。
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