JP2016223060A - エアジェット紡績機の紡績部およびその動作方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】糸継ぎ部が目立たず、高品質な糸を製造することが可能なエアジェット紡績機の紡績部の動作方法を提供すること。
【解決手段】供給装置により繊維束が紡績部の紡糸ノズルに搬送され、前記紡糸ノズルの内部で前記繊維束が旋回空気流に曝されて回転することで前記繊維束から糸が製造され、引き出し装置により前記糸が前記紡糸ノズルから紡糸方向に引き出される紡糸工程と、前記糸の後端部が前記紡糸ノズルを通過するまで前記紡糸方向と反対方向に搬送され、前記繊維束の先端部に重ね合わされた後、前記先端部とともに前記紡糸ノズル内に搬送され、前記紡糸ノズル内で旋回空気流に曝される糸継ぎ工程とを含み、前記糸継ぎ工程は、前記紡糸工程が開始される前に行われ、前記供給装置の搬送速度に対する前記引き出し装置の引き出し速度の比が、前記紡糸工程と前記糸継ぎ工程で少なくとも一時的に異なることを特徴とするエアジェット紡績機の紡績部の動作方法。
【選択図】図1
【解決手段】供給装置により繊維束が紡績部の紡糸ノズルに搬送され、前記紡糸ノズルの内部で前記繊維束が旋回空気流に曝されて回転することで前記繊維束から糸が製造され、引き出し装置により前記糸が前記紡糸ノズルから紡糸方向に引き出される紡糸工程と、前記糸の後端部が前記紡糸ノズルを通過するまで前記紡糸方向と反対方向に搬送され、前記繊維束の先端部に重ね合わされた後、前記先端部とともに前記紡糸ノズル内に搬送され、前記紡糸ノズル内で旋回空気流に曝される糸継ぎ工程とを含み、前記糸継ぎ工程は、前記紡糸工程が開始される前に行われ、前記供給装置の搬送速度に対する前記引き出し装置の引き出し速度の比が、前記紡糸工程と前記糸継ぎ工程で少なくとも一時的に異なることを特徴とするエアジェット紡績機の紡績部の動作方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、供給装置により繊維束が紡績部の紡糸ノズルに搬送され、紡糸ノズルの内部で繊維束が旋回空気流に曝されて回転することで繊維束から撚糸が製造され、引き出し装置により糸が紡糸ノズルから紡糸方向に引き出される紡糸工程を含むエアジェット紡績機の紡績部の動作方法に関する。
また、本発明は、繊維材料の入口と、紡糸ノズル内で旋回空気流を用いて繊維材料から製造された糸の出口とを備える紡糸ノズルと、紡糸ノズルに繊維材料を搬送するための供給装置と、紡糸ノズルから糸を引き出すための引き出し装置とを備える少なくとも1つの紡績部を有するエアジェット紡績機に関する。
一般的に、エアジェット紡績機は、空気ノズルによって渦室内に生成された旋回空気流により繊維束から糸を製造するために用いられる。繊維束は、好ましくは、紡糸方向において紡糸ノズルの上流に配置されたドラフト装置の搬送ローラ対により構成された供給装置により紡糸ノズル方向に搬送され、紡糸ノズルにより負圧吸引される。繊維束は、紡糸ノズルの内部に進入した後、紡錘形状の糸形成部要素の入口開口に進入する。入口開口において、空気ノズルによって生成された旋回空気流により繊維束の外側繊維が内側繊維(核)の周りに巻き付けられることで糸が製造される。製造された糸は、紡糸ノズルの外部に配置された引き出し装置により引き出しチャネルを通じて渦室から引き出された後、巻き取り装置によりボビンに巻き取られる。
紡糸エラー(糸の厚み誤差、断裂、不十分な繊維束の供給など)の発生や紡績機の停止により糸の製造が中断された場合、糸継ぎ工程が必要となる。既に製造されたボビン側の糸の後端部(糸製造の中断の際に最後に巻き取られた部分の端部)またはこれに対応して製造された予備糸は、紡糸方向とは反対方向に位置する引き出しチャネルから渦室、紡糸ノズルの入口を通過して紡糸ノズルの前まで逆搬送される。この場合、糸は紡績部の供給装置付近まで逆搬送され、供給装置により固定されることが好ましい。上記逆搬送後、糸は作業ロボット、専用の紡績装置、あるいは手動により、搬送された繊維束の先端部(糸継ぎ工程の開始時に供給装置付近に位置する部分)に重ね合わされる。
続いて、空気ノズルおよび引き出し装置が駆動され、糸の後端部と繊維束の先端部が渦室内に引き込まれ、旋回空気流に曝される。さらに、供給装置が駆動され、糸の後端部と繊維束の先端部が紡糸ノズルの入口方向に搬送される。上記糸後端部と繊維束先端部との接続部または重合部は、渦室内の糸形成要素の入口開口および紡糸ノズルの入口を通過する。その後、紡績部が駆動され、紡糸工程が再開される。
上記重合部(以下、糸継ぎ部とも呼ぶ)は、糸継ぎ工程において糸の後端部と繊維束の先端部とを重ね合わせることにより形成されるため、完成後の糸において目立ちやすい。また、糸継ぎ部は、糸強度が低く、完成後の糸に悪影響を与えることがある。
本発明の目的は、上記糸継ぎ工程を改良することである。
上記目的は、独立請求項に記載の構成を備えた方法およびエアジェット紡績機により達成される。
本発明に係るエアジェット紡績機の紡績部の動作方法は、供給装置により繊維束を紡績部の紡糸ノズルに搬送し、紡糸ノズル内で旋回空気流により繊維束を回転させることで繊維束から撚糸を製造し、製造した撚糸を引き出し装置により紡糸ノズルから紡糸方向に引き出す紡糸工程を含む。
供給装置は、好ましくは紡糸方向において紡糸ノズルの上流に配置されたドラフト装置が備える搬送ローラ対であり、繊維束を紡糸ノズルへの進入前に均一かつ所定の繊度にドラフトするために用いられる。また、供給装置は、ドラフト装置とは別に設けられた搬送ローラ対により構成されてもよい。
引き出し装置は、好ましくは、引き出しローラ対により構成され、糸は駆動装置により駆動される引き出しローラ対の間に挟持され、案内され、紡糸ノズルから引き出される。巻き取り装置は、好ましくは、引き出し装置の下流に配置され、引き出し装置により引き出された糸をボビンに巻き取るために用いられる。
糸継ぎ工程は、紡糸工程の開始前(紡糸工程の中断時)に行われる。糸継ぎ工程では、糸の後端部が、紡糸ノズルを通過するまで紡糸方向と反対方向に搬送され、繊維束の先端部に重ね合わされた後、繊維束の先端部とともに紡糸ノズルに搬送され、紡糸ノズルにおいて旋回空気流に曝される。
紡糸ノズル内に進入した繊維束の先端部と、紡糸ノズルから引き出された糸の後端部とを重ね合わせることで、連続した繊維束が形成されるため、紡糸工程および糸継ぎ工程における供給装置の搬送速度(供給装置により繊維束が搬送される速度)に対する引き出し装置の引き出し速度(引き出し装置により糸が引き出される速度)の比は、紡糸張力(上記連続した繊維束に作用する張力)に影響を与える。
高品質の糸継ぎを行うためには、糸継ぎ工程における紡糸張力と紡糸工程における紡糸張力は、少なくとも一時的に異なることが好ましい。
本発明では、紡糸張力を決定する引き出し装置の引き出し速度と供給装置の搬送速度との比率が、糸継ぎ工程中と紡糸工程中で少なくとも一時的に異なる。そのため、従来技術よりも安定しており、かつ、糸継ぎ部が目立たない糸継ぎを可能にするために、紡糸張力を最適化することができる。これにより、製造される糸の品質、特に均質性を向上させることができる。
糸継ぎ工程における上記速度比は、糸の後端部と繊維束の先端部との重合部が渦室内の旋回空気流付近に位置している間だけ、紡糸工程における速度比と異なることが好ましい。すなわち、糸継ぎ工程における速度比は、糸端部と繊維束の重合部が紡糸ノズルおよび渦室の外部にある間は、紡糸工程における速度比と同じであってもよい。なお、速度比を変更する際は、急激にではなく、滑らかに変化させることが好ましい。
糸継ぎ工程における速度比は、少なくとも一時的に変更されてもよい。例えば、制御装置に保存されたランプ関数や曲線関数に基づいて速度比を変化させることができる。速度比の変化は、滑らかな変化と段階的な変化により行われる。滑らかな変化と段階的な変化は、異なるタイミングで行われ、速度比が変化しない休止期間を挟んでもよい。
糸継ぎ工程における速度比は、糸後端部と繊維束先端部との重合部が紡糸ノズル内の旋回空気流に曝される位置を通過するまでの間、紡糸工程における速度比と異なるように設定されてもよい。
糸継ぎ工程における速度比は、少なくとも一時的に、紡糸工程における速度比よりも大きいことが好ましい。この場合、糸継ぎ工程における紡糸張力は、紡糸工程における紡糸張力よりも大きくなるため、糸端部と繊維束の重合部がより強くドラフトされる。これにより、糸継ぎ部は、強度が向上し、外見上も目立たなくなる。紡糸工程における速度比の増減も、滑らかな変化と段階的な変化により行われる。糸継ぎ工程における速度比は、少なくとも一時的に、紡糸工程における速度比よりも0.1〜5%大きいことが好ましい。
紡糸工程における速度比は、好ましくは0.90〜1.05であり、より好ましくは0.95〜1.00である。糸継ぎ工程における速度比は、1未満、つまり、引き出し速度が搬送速度よりも小さいことが好ましい。これにより、強度および外観においてより高品質な糸を製造することが可能となる。
糸継ぎ工程における速度比は、好ましくは0.95〜1.10であり、より好ましくは0.95〜1.05である。糸継ぎ工程における速度比は、少なくとも一時的に、特に糸端部と繊維束の重合部が渦室を通過する際に、上記範囲内であることが好ましい。また、上記速度比は、少なくとも一時的に、1より大きいことが好ましい。
紡糸工程および/または糸継ぎ工程(の少なくとも一部)における速度比は、1つまたは複数の繊維束のパラメータの関数として選択されることが好ましい。速度比および紡糸張力が、製造される糸の特性に実質的な影響を与えることから、上記速度比は、特に繊維束の材料、繊度、または製造される糸の強度および繊度の関数として定義されることが好ましい。また、紡糸工程および/または糸継ぎ工程(の少なくとも一部)における速度比は、渦室内の旋回空気流により形成される圧縮空気の圧力や紡糸速度などの、紡績部の特性値により決定されることが好ましい。
上記速度比は、供給装置の搬送速度および/または引き出し装置の引き出し速度を変化させることにより変更されることが好ましい。そこで、搬送速度および/または引き出し速度を個別に制御することを可能にするために、供給装置および/または引き出し装置は、それぞれ専用の駆動装置に接続されることが好ましい。例えば、引き出し速度を上昇させ、搬送速度を低下させると、速度比は大きくなる。一方、引き出し速度を低下させ、搬送速度を上昇させると、速度比は小さくなる。
上記速度比は、(引き出し装置の引き出し速度を一定に保ちながら)供給装置の搬送速度を変化させることにより、または、(供給装置の搬送速度を一定に保ちながら)引き出し装置の引き出し速度を変化させることにより変更されることがより好ましい。この場合、搬送速度と引き出し速度のうち一方のみを調整すればよい。供給装置が紡糸ノズルの上流に配置されたドラフト装置の一部である場合、または紡糸ノズルの下流に配置されている場合、(他の)ドラフト装置ローラは、搬送速度の変化に合わせて調整される必要がある。引き出し装置の下流に配置された巻き取り装置のボビンの回転速度も、引き出し装置の引き出し速度の変化に合わせて調整される必要がある。
紡績部は、引き出し装置を構成する引き出しローラ対と、糸をボビンに巻き取るために引き出し装置の下流に配置された巻き取り装置とを備えており、引き出しローラ対の引き出し速度が上昇すると、巻き取り装置の巻き取り速度も上昇し、引き出しローラ対の引き出し速度が低下すると、巻き取り装置の巻き取り速度も低下する。
また、本発明は、繊維材料の入口と、紡糸ノズル内で旋回空気流により繊維材料から製造された糸の出口とを備える紡糸ノズルと、繊維材料を紡糸ノズルに搬送するための供給装置と、紡糸ノズルから糸を引き出すための引き出し装置とを備える少なくとも1つの紡績部を有するエアジェット紡績機に関する。本発明に係る紡績部は、上述および後述の構成に基づいて動作および実施されるが、技術的矛盾が生じない限り、各構成を組み合わせて実施することも可能である。
本発明に係る紡績部は、供給装置の搬送速度に対する引き出し装置の引き出し速度の比を変更するための手段を備える(上述および後述の供給装置、引き出し装置、およびその他の紡績部の構成に係る潜在的な実施形態)。上記手段は、例えば、個々の引き出し装置および/または供給装置に設置された駆動装置であり、対応する駆動装置の回転速度を適宜変更し、搬送速度と引き出し速度の一方または両方を変更することで、速度比を変更することができる。そのため、供給装置および/または引き出し装置は、それぞれ別個の駆動装置に接続されることが好ましい。
本発明に係る紡績部は、糸継ぎ工程における速度比を、少なくとも一時的に、紡糸工程における速度比に対して変更するように構成された制御装置に接続されることが好ましい。上記制御装置は、請求項および/または本明細書に記載された構成に係る紡績部を動作させるように構成される。
また、引き出し装置(特に、引き出しローラ対)および供給装置(特に、搬送ローラ対)は、それぞれ別個の駆動装置に接続されるか、少なくとも2つの切り替え段を備える変速機により相互に接続されることが好ましい。これにより、糸継ぎ工程における速度比を紡糸工程における速度比と異なる値に調節することが容易となる。
本発明のさらなる利点は、以下の実施例において説明する。
図1は、本発明に係るエアジェット紡績機の紡績部の、紡糸工程における状態を示す概略図である。
図2は、本発明に係るエアジェット紡績機の紡績部の紡糸ノズルの断面図である。
図3は、図1に係る紡績部の、糸の製造が中断された状態を示す概略図である。
図4は、図1に係る紡績部の、糸後端部が紡糸方向と反対方向に搬送された状態を示す概略図である。
図5は、図1に係る紡績部の、糸継ぎ工程における状態を示す概略図である。
図1は、本発明に係るエアジェット紡績機の紡績部(紡績部は複数存在してもよく、その場合、各紡績部は互いに隣接して配置されることが好ましい)の詳細を示す。本発明に係るエアジェット紡績機は、複数のドラフト装置ローラ12を備えるドラフト装置13を有する。ドラフト装置13には、繊維束3が二重ドラフト繊維束などの形態で供給される。紡績部は、紡糸ノズル1を有し、紡糸ノズル1の内部には、紡糸ノズル1の入口4を通過した繊維束3または繊維束3の一部の繊維に撚りを付与するための渦室5(図2を参照)が配置されている(紡績部の動作態様については以下で詳述する)。
本発明に係るエアジェット紡績機は、さらに、紡糸ノズル1の下流に配置され、2つの引き出しローラ14を備える引き出し装置11と、引き出し装置11の下流に配置され、紡績部から引き出された糸2をボビンに巻き取るための巻き取り装置7とを有する。本発明に係るエアジェット紡績機は、必ずしもドラフト装置13を有する必要はない。また、引き出しローラ14は、代替の引き出し装置11で置き換えてもよい。
本発明に係る紡績部は、一般的なエアジェット紡績工程にしたがって動作する。まず、供給装置8(例えば、ドラフト装置13の搬送ローラ対20により構成される)により、繊維束3が紡糸方向Sに搬送され、入口部4を備える繊維案内要素15を通って紡糸ノズル1の渦室5内に案内される。渦室5では、繊維束3の自由繊維端の少なくとも一部が、渦室5を囲む渦室壁に配置された空気ノズル18により生成される旋回空気流に曝されて回転する。空気ノズル18には、空気供給装置17(例えば、空気供給ライン16に接続された環状供給装置)を通じて圧縮空気が供給される。旋回空気流により、繊維束3から繊維の一部が引き出され、渦室5内に突出している糸形成要素10の先端に巻き付く。
繊維束3は、糸形成要素10の入口開口25を通じて渦室5から引き出され、糸形成要素10内に配置された引き出しチャネル24を通り、最終的に出口部6から紡糸ノズル1の外部へ出る。繊維の自由端が入口開口25の方向に引っ張られ、中心部のコア繊維の周りに巻き付く(巻き付き繊維)ことで、所望の撚りを有する糸2となる。
空気ノズル18から導入された圧縮空気は、引き出しチャネル24を通じて、および、必要に応じて負圧源に接続された空気出口19を通じて、紡糸ノズル1から排出される。
糸の製造段階においては、様々な理由により、糸2に厚みのばらつきが生じることは避けられない。この場合、制御装置により糸の製造が中断され、ボビン側に糸の後端部21が生じる。糸の製造が中断されると、糸後端部21は、巻き取り装置7のボビンの表面、あるいは、巻き取り装置7と紡糸ノズル1の間の領域、好ましくは、紡糸ノズル1の出口6と引き出し装置11の間の領域に位置する(図3を参照)。また、糸の製造中に、意図しない糸の断裂が生じることもある。その結果、糸の後端部21と繊維束3の先端部22が生じる。繊維束3の先端部22は、停止したドラフト装置13または停止した供給装置8付近に位置する。
糸の製造を再開するためには、糸の後端部21と、繊維束3の先端部22とを連結する必要がある。そのために、糸の後端部21は、紡糸方向Sとは反対方向に案内されて、紡糸ノズル1を通過する。巻き取り装置7のボビンは、逆向きに駆動され、糸の後端部を必要な長さだけ巻き戻す。糸の後端部21、または、糸の欠陥部分を除去することによって新たに生じた糸の後端部21は、この段階では、機械的手段または空気圧式手段により紡糸ノズル1の出口部6の内部に搬送され、引き出しチャネル24に生成された負圧により紡糸ノズル1内に吸引される。
糸の後端部21は、さらに紡糸ノズル1の入口部4を通過して、紡糸ノズル1の(紡糸方向Sにおける)上流側まで搬送される。特に、糸の後端部21が、供給装置8を構成するドラフト装置13の出口側の2つのドラフト装置ローラ12の間に位置するまで搬送されることが好ましい(糸の後端部21が通過できるように、ドラフト装置ローラ対12は、あらかじめ互いに引き離される。糸後端部21の通過後、ドラフト装置ローラ対12は、図4に示される位置に戻り、糸後端部21をクランプ固定する。)。
次のステップでは、供給装置8(図示された例では、糸後端部21を固定する下流側のドラフト装置ローラ対12)と、引き出し装置11(図示された例では、引き出しローラ対14)と、巻き取り装置7とが通常動作に戻り、糸の後端部21が紡糸方向Sに搬送される。それと同時に、またはその後に、他のドラフト装置ローラ12が通常動作に戻る。他のドラフト装置ローラ12の回転の開始と回転速度とが調整されて、繊維束3の先端部22は、糸の後端部21と部分的に重ね合わされ、糸の後端部21とともに紡糸ノズル1の内部に引き込まれる。上記糸の後端部21と繊維束3の先端部22との重ね合わせにより形成された重合部23の概略図を図5に示す。
例えば図1に示すように、供給装置8と引き出し装置11との間で搬送される繊維の束(繊維束3と、紡糸ノズル1の内部で繊維束3から製造された糸2とで構成される)に作用する紡糸張力は、供給装置8の搬送速度および/または引き出し装置11の引き出し速度により決定または影響される。例えば、搬送速度を一定に保ちながら引き出し速度を上昇させると、紡糸張力は増大する。
上述のように、本発明では、供給装置8の搬送速度に対する引き出し装置11の引き出し速度の比が、糸継ぎ工程と紡糸工程で少なくとも一時的に異なる。
本発明では、糸継ぎの品質を高めるために、重合部23が紡糸ノズル1を通過する間、引き出し速度を上昇させ、および/または、搬送速度を低下させて、上記速度比を増大させる。重合部23の通過後は、製造される糸2の品質を高めるために、上記速度比を紡糸工程における値まで低下させる。
搬送速度および/または引き出し速度を個別に変更できるようにするため、引き出し装置11および/または供給装置8および/または巻き取り装置7は、図5に示すように、それぞれ別個の駆動装置9に接続される。
本発明は、図示および説明されている実施形態に限定されない。説明された特徴が、明細書や特許請求の範囲において異なる部分、または異なる実施形態において図示および説明されていたとしても、これらの組み合わせのほか、特許請求の範囲の枠組みの中における種々の変形が可能である。
1:紡糸ノズル
2:糸
3:繊維束
4:紡糸ノズルの入口
5:渦室
6:紡糸ノズルの出口
7:巻き取り装置
8:供給装置
9:駆動装置
10:糸形成要素
11:引き出し装置
12:ドラフト装置ローラ
13:ドラフト装置
14:引き出しローラ
15:繊維案内要素
16:空気供給ライン
17:空気供給装置
18:空気ノズル
19:空気出口
20:搬送ローラ対
21:糸の後端部
22:繊維束の先端部
23:糸後端部と繊維束先端部の重合部
24:引き出しチャネル
25:糸形成要素の入口開口
S:紡糸方向
2:糸
3:繊維束
4:紡糸ノズルの入口
5:渦室
6:紡糸ノズルの出口
7:巻き取り装置
8:供給装置
9:駆動装置
10:糸形成要素
11:引き出し装置
12:ドラフト装置ローラ
13:ドラフト装置
14:引き出しローラ
15:繊維案内要素
16:空気供給ライン
17:空気供給装置
18:空気ノズル
19:空気出口
20:搬送ローラ対
21:糸の後端部
22:繊維束の先端部
23:糸後端部と繊維束先端部の重合部
24:引き出しチャネル
25:糸形成要素の入口開口
S:紡糸方向
Claims (13)
- 供給装置(8)により繊維束(3)が紡績部の紡糸ノズル(1)に搬送され、前記紡糸ノズル(1)の内部で前記繊維束(3)が旋回空気流に曝されて回転することで前記繊維束(3)から糸(2)が製造され、引き出し装置(11)により前記糸(2)が前記紡糸ノズル(1)から紡糸方向(S)に引き出される紡糸工程と、
前記糸(2)の後端部(21)が前記紡糸ノズル(1)を通過するまで前記紡糸方向(S)と反対方向に搬送され、前記繊維束(3)の先端部(22)に重ね合わされた後、前記先端部(22)とともに前記紡糸ノズル(1)内に搬送され、前記紡糸ノズル(1)内で旋回空気流に曝される糸継ぎ工程とを含み、
前記糸継ぎ工程は、前記紡糸工程が開始される前に行われ、
前記供給装置(8)の搬送速度に対する前記引き出し装置(11)の引き出し速度の比が、前記紡糸工程と前記糸継ぎ工程で少なくとも一時的に異なることを特徴とするエアジェット紡績機の紡績部の動作方法。 - 前記糸継ぎ工程における速度比は、前記糸(2)の後端部(21)と前記繊維束(3)の先端部(22)とが重ね合わされた部分が前記紡糸ノズル(1)内の旋回空気流に曝される位置を通過するまでの間、前記紡糸工程における速度比と異なることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記糸継ぎ工程における速度比は、少なくとも一時的に、前記紡糸工程における速度比よりも大きいことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
- 前記紡糸工程における速度比は、0.90〜1.05であり、好ましくは0.95〜1.00であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
- 前記糸継ぎ工程における速度比は、0.95〜1.10であり、好ましくは0.95〜1.05であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
- 前記紡糸工程および/または前記糸継ぎ工程における速度比は、前記繊維束(3)および/または前記糸(2)のパラメータの関数、および/または、前記紡績部の特性値の関数として選択されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
- 前記速度比は、前記供給装置(8)の搬送速度および/または前記引き出し装置(11)の引き出し速度を変化させることにより変更されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
- 前記速度比は、前記引き出し装置(11)の引き出し速度を一定に保ちながら前記供給装置(8)の搬送速度を変化させることにより、または、前記供給装置(8)の搬送速度を一定に保ちながら前記引き出し装置(11)の引き出し速度を変化させることにより変更されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
- 前記糸継ぎ工程における速度比は、少なくとも一時的に変更されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
- 前記紡績部は、前記引き出し装置(11)を構成する引き出しローラ対と、前記糸(2)をボビンに巻き取るために前記紡糸方向(S)における前記引き出し装置(11)の下流に配置された巻き取り装置(7)とを備えており、前記引き出しローラ対の引き出し速度が上昇すると、前記巻き取り装置(7)の巻き取り速度も上昇し、前記引き出しローラ対の引き出し速度が低下すると、前記巻き取り装置(7)の巻き取り速度も低下することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
- 繊維材料の入口(4)と、旋回空気流により前記繊維材料から製造された糸(2)の出口(6)とを備える紡糸ノズル(1)と、前記繊維材料を前記紡糸ノズル(1)に搬送するための供給装置(8)と、前記紡糸ノズル(1)から前記糸(2)を引き出すための引き出し装置(11)とを備える少なくとも1つの紡績部を有することを特徴とするエアジェット紡績機。
- 前記紡績部は、糸継ぎ工程における前記供給装置(8)の搬送速度に対する前記引き出し装置(11)の引き出し速度の比を、紡糸工程における前記速度比に対して少なくとも一時的に変更するように構成された制御装置に接続されることを特徴とする請求項11に記載のエアジェット紡績機。
- 前記引き出し装置(11)、特に、前記引き出し装置(11)を構成する引き出しローラ対、および/または、前記供給装置(8)、特に、前記供給装置(8)を構成する前記紡績部のドラフト装置(13)の搬送ローラ対(20)は、それぞれ別個の駆動装置(9)に接続されるか、少なくとも2つの切り替え段を備える変速機により相互に接続されることを特徴とする請求項11または12に記載のエアジェット紡績機。
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