JP6257038B2 - 塗装ガン - Google Patents
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Description
内部に収容空間が形成されたガン本体と、
前記ガン本体の前方から前記収容空間内に収容されたケースと、
前記収容空間の内周と前記ケースの外周とに形成され、互いに係止することで前記ケースを前記収容空間内に保持するネジ部と、
前記ケースの内部に形成された弁室と、
前記ケースの外周面から前記弁室の内周面に貫通した形態であり、前記弁室内に塗料を流入させる塗料流入孔と、
前記弁室の内径よりも小径であり、前記弁室の前端内面から前記ケースの前端外面へ貫通した形態の弁孔と、
前記弁室の前記前端内面に形成された弁座と、
前記弁室内に収容され、前進することにより前記弁座に当接し、後退することにより前記弁座から離間する弁体と、
前記弁体から後方へ延出した形態の軸部と、
前記塗料流入孔よりも後方に配され、前記軸部の外周との隙間をシールするパッキンと、
前記ケースに形成され、前記パッキンの前端面における外周縁部を面当たりさせるストッパとを備え、
前記弁室と前記弁孔と前記弁座と前記弁体とにより、塗料用開閉弁が構成されており、
前記ケース内には、前記弁室を構成する小径空間と、前記パッキンを収容する大径空間とが形成され、
前記小径空間と前記大径空間の間の段差部が前記ストッパとなっており、
前記塗料流入孔は、前記ケースの外周面から前記弁室の内周面に向かって斜め後方に貫通し、前記小径空間の内周に開口しているところに特徴を有する。
また、塗料から圧力を受けるときのパッキンの前端面における受圧面積は、ストッパに当接している領域の分だけ小さくなるので、パッキンの不正な変形を回避できる。
塗料の硬化によってパッキンがガン本体の内周面に固着した場合、パッキンを剥離して取り出すためには、ガン本体の内部に洗浄液を注入してパッキンを剥離する必要があり、作業性が悪い。しかし、本発明によれば、塗料の硬化によってパッキンがケースに固着しても、パッキンをケースと一緒にガン本体の外へ取り出し、ガン本体の外部でパッキンとケースを離脱させる作業を行うことができるので、作業性が良い。
塗料流入孔から弁室内に流入した塗料は弁座に向かって前方へ流動するため、弁室の内周面のうち塗料流入孔の開口部とその後方のストッパとの間の領域では、塗料の流れが悪く、塗料が固化して塗料溜まりが生じ易い、という事情がある。塗料溜まり発生を防止する手段としては、塗料流入孔の開口部をストッパに近づける事が考えられるが、そのようにすると、塗料流入孔の内周とストッパとの間の肉が薄くなるため、ケースの強度低下が懸念される。その点、本発明は、塗料流入孔を、ケースの外周面から弁室の内周面に向かって斜め後方に貫通する形態としているので、塗料溜まりを防止しながら、塗料流入孔の内周とストッパとの間の肉を厚くして強度を十分に確保することができる。
以下、本発明を具体化した実施例1を図1〜図4を参照して説明する。
<静電塗装ガンの全体構成>
本実施例1の静電塗装ガンは、図1に示すように、作業者が把持して使用するハンドガンと称されるものである。静電塗装ガンは、トリガ11が取り付けられたガン本体10と、ガン本体10の後端部に連なるように設けられてアースされたグリップ12と、ガン本体10の前端部(図1〜3における左端部)に設けられたノズル13と、ガン本体10内の前端部であってノズル13の後方近傍位置に設けた塗料用開閉弁14と、塗料用開閉弁14に導電性塗料を供給する塗料供給路15と、ガン本体10内に設けられ、ガン本体10の前端部において導電性塗料に高電圧を印加する高電圧発生器16とを備えている。トリガ11を操作すると、塗料用開閉弁14が開弁し、ガン本体10の先端部に供給された導電性塗料が、高電圧発生器16により高電圧を印加された状態でノズル13から霧化塗料として吐出されるようになっている。
図2,3に示すように、ガン本体10の内部には、前後方向に細長い円形断面の収容空間17が形成されている。収容空間17の前端部内周には、ガン本体10の前端面に開口する拡径凹部18が形成されている。収容空間17の内周のうち拡径凹部18の後端に段差状に連なる領域には、ケース20を収容空間17内に固定するための雌ネジ部19(請求項に記載のネジ部)が形成されている。
ケース20は、円形断面の保持部材24と、円形断面のシート部材25と、円形断面の筒状部材26とを組み付けて構成されている。保持部材24の前端側部分は、上記のようにノズル13に対して後方から内嵌される小径凸部21となっている。保持部材24の後端側部分は、小径凸部21よりも外径寸法の大きい大径部27となっており、大径部27の外周には雄ネジ部28(請求項に記載のネジ部)が形成されている。保持部材24は、ガン本体10の前方から雄ネジ部28を雌ネジ部19にねじ込むことにより、収容空間17の前端側領域に収容された状態に保持されている。
ガン本体10の収容空間17には、弁室30と弁座35を構成する部材であるケース20が前方から収容され、雌ネジ部19と雄ネジ部28の係止により前方への抜けを規制されている。雌ネジ部19と雄ネジ部28の係止力は、収容空間17内における塗料側からケース20に作用する前方への押圧力が大きいほど、高める必要がある。ここで、塗料の圧力がケース20に対してどのように作用するかを説明する。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例では、ケースを複数の部品によって構成したが、ケースは単一部品であってもよい。
(2)上記実施例では、塗料流入孔を、ケースの外周面から弁室の内周面へ斜め後方に貫通した形態としたが、塗料流入孔は、ケースの外周面から弁室の内周面へ前め後方に貫通した形態としてもよく、ケースの外周面から弁室の内周面へ軸線と直交する方向に貫通した形態としてもよい。
(3)上記実施例では、パッキンをケース内に収容したが、パッキンをケースの後方に配置してもよい。この場合は、ケースの後端外面を、パッキン用のストッパとすることができる。
(4)上記実施例では、塗装ガンが静電塗装用のものである場合について説明したが、本発明は、非静電タイプの塗装ガンにも適用できる。
(5)上記実施例では、塗装ガンが、作業者が把持して使用するハンドガンである場合について説明したが、本発明は、ロボットに取り付けた自動ガンにも適用することができる。
14…塗料用開閉弁
17…収容空間
19…雌ネジ部(ネジ部)
20…ケース
20F…ケースの前端外面
28…雄ネジ部(ネジ部)
30…弁室
30F…弁室の前端内面
31…前部弁孔
34…後部弁孔
35…弁座
40…ストッパ
41…パッキン
43…塗料流入孔
46…弁体
49…軸部
Claims (1)
- 内部に収容空間が形成されたガン本体と、
前記ガン本体の前方から前記収容空間内に収容されたケースと、
前記収容空間の内周と前記ケースの外周とに形成され、互いに係止することで前記ケースを前記収容空間内に保持するネジ部と、
前記ケースの内部に形成された弁室と、
前記ケースの外周面から前記弁室の内周面に貫通した形態であり、前記弁室内に塗料を流入させる塗料流入孔と、
前記弁室の内径よりも小径であり、前記弁室の前端内面から前記ケースの前端外面へ貫通した形態の弁孔と、
前記弁室の前記前端内面に形成された弁座と、
前記弁室内に収容され、前進することにより前記弁座に当接し、後退することにより前記弁座から離間する弁体と、
前記弁体から後方へ延出した形態の軸部と、
前記塗料流入孔よりも後方に配され、前記軸部の外周との隙間をシールするパッキンと、
前記ケースに形成され、前記パッキンの前端面における外周縁部を面当たりさせるストッパとを備え、
前記弁室と前記弁孔と前記弁座と前記弁体とにより、塗料用開閉弁が構成されており、
前記ケース内には、前記弁室を構成する小径空間と、前記パッキンを収容する大径空間とが形成され、
前記小径空間と前記大径空間の間の段差部が前記ストッパとなっており、
前記塗料流入孔は、前記ケースの外周面から前記弁室の内周面に向かって斜め後方に貫通し、前記小径空間の内周に開口していることを特徴とする塗装ガン。
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